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シナミルセサモールエーテルの製造方法 - 特開2008−13507 | j-tokkyo
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【発明の名称】 シナミルセサモールエーテルの製造方法
【発明者】 【氏名】谷森 紳治

【氏名】切畑 光統

【要約】 【課題】温和な条件でシナミルセサモールエーテルを製造する方法を提供する。

【構成】本発明は、ハロゲン化ベンゼンと、化学式(I)で表される化合物とを反応させるシナミルセサモールエーテルの製造方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化ベンゼンと、下記化学式(I)で表される化合物とを反応させる、シナミルセサモールエーテルの製造方法。
【化1】



(式中、R1は、アルキル基、アルケニル基、アリール基を示す。)
【請求項2】
シンナミルハロゲンとセサモールとを反応させる、シナミルセサモールエーテルの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シナミルセサモールエーテルの新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記化学式(II)で表されるシナミルセサモールエーテルは、イエバエに対する不妊化剤として知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ヒメカツオブシムシ(black carpet beetle)の幼虫に対して、殺虫効果があることも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【化1】


【0003】
化学式(II)で表されるシナミルセサモールエーテルは、下記化学式で表すようにシナミルアルコールとセサモールとを、蟻酸あるいは酢酸を用いて反応させて得る。しかし、この反応には、大量の酸を必要とする。また、反応条件も、100℃で還流する必要がある。さらに、副生成物として、位置異性体である化学式(III)で表される化合物が生成されるという問題がある。
【化2】


【特許文献1】米国特許第4681703号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、温和な条件でシナミルセサモールエーテルを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0006】
本発明のシナミルセサモールエーテルの製造方法は、ハロゲン化ベンゼンと、下記化学式(I)で表される化合物とを反応させる。
【化3】


【0007】
(式中、R1は、アルキル基、アルケニル基、アリール基を示す。)
【0008】
また、本発明のシナミルセサモールエーテルの製造方法は、シンナミルハロゲンとセサモールとを反応させるものであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、ハロゲン化ベンゼンと、下記化学式(I)で表される化合物とを反応させることで、温和な条件でシナミルセサモールエーテルを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明では、2通りの方法で、シナミルセサモールエーテルを製造する。
【0011】
[第1の合成方法]
(化学式(I)で表される化合物)
下記化学式(I)で表される化合物は、例えば以下のようにしてセサモールから合成する。
【0012】
まず、セサモール 1モルに対して、3−ブロモプロペン 1.2モルを加え、ナトリウム 1.13モルと乾燥させたトルエンの存在下で、100℃〜120℃に保ち、85時間還流しながら反応させて、化学式(IV)で表される化合物を生成する。
【化4】


【0013】
次に、化学式(IV)で表される化合物 1モルに、R1−I 1.6モルと炭酸カリウムと 0.3モルを加え、アセトン中で、50℃〜70℃に保ち、29時間還流しながら反応させて、化学式(I)で表される化合物を生成する。
【化5】


【0014】
式中、R1は、アルキル基、アルケニル基、アリール基を示す。
【0015】
ここで、アルキル基とは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基などの炭素数1〜10の分枝を有していてもよいアルキル基を、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜10の分枝を有していてもよいアルキル基を、アリール基としては、フェニル基などの置換基を有していてもよいアリール基を示す。好ましいR1は、メチル基である。
【0016】
(シナミルセサモールエーテルの製造)
化学式(I)で表される化合物 1モルに、ハロゲン化ベンゼン 1.4モルを加え、触媒として酢酸パラジウム 0.25モルを用い、トリフェニルホスフィン 0.87モルと炭酸ナトリウムとを加えて、ジメチルホルムアミド(DMF) 0.25モル中で、110℃で69時間反応させて、シナミルセサモールエーテル(V)を製造する。
【化6】


【0017】
この反応に用いるハロゲン化ベンゼンとしては、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼンなどが挙げられる。好ましくは、シナミルセサモールエーテルの収率が高くなるヨードベンゼンである。
【0018】
得られたシナミルセサモールエーテルは、酢酸エチル、エーテル、ベンゼン、塩化メチレンなどの公知の溶媒で抽出し、乾燥させる。乾燥後、シリカゲルを用いて濾過した後、得られた濾液を濃縮する。濃縮残渣を、ヘキサン・酢酸エチル混液などを展開溶媒として用いて、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーやカラムクロマトグラフィーにより目的物を分取する。展開溶媒の種類、混合比などは、得られるフラン誘導体により異なる。また、クロマトグラフィーの回数は、1回に限らず、複数回行ってもよい。
【0019】
[第2の合成方法]
まず、次式に示すように、セサモールの乾燥トルエン溶液を40℃に加熱しながら、ナトリウムを加え、100℃〜120℃に保ち、還流しながら混合して反応させる。次に、この反応混合液を60℃まで冷却した後、シナミルブロマイドを滴下して、加熱還流(100℃〜120℃)したものを、室温まで温度を下げ、濾過する。濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣を、ヘキサン・酢酸エチル混液などを展開溶媒として用いて、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、化学式(VI)で表される化合物を得る。
【化7】


【0020】
次に、得られた化学式(VI)で表される化合物をアセトンに溶解し、炭酸カリウムおよびヨウ化メチル、ジメチル硫酸を加え、24時間加熱還流する。還流終了後、室温まで温度を下げ、濾過する。濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣を、ヘキサン・酢酸エチル混液などを展開溶媒として用いて、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、シナミルセサモールエーテルを得る。
【化8】


【0021】
なお、上記ヨウ化メチル、ジメチル硫酸と同様に、ヨウ化アルキル、ヨウ化アルケニル、ヨウ化アリール、ジアルキル硫酸、ジアルケニル硫酸、ジアリール硫酸などを用いてもよい。ここで、アルキル基とは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基などの炭素数1〜10の分枝を有していてもよいアルキル基を、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜10の分枝を有していてもよいアルキル基を、アリール基としては、フェニル基などの置換基を有していてもよいアリール基を示す。好ましいR1は、メチル基である。
【0022】
本発明の方法を用いてシナミルセサモールエーテルを製造すると、温和な条件で簡便にシナミルセサモールエーテルを製造することができる。
【実施例1】
【0023】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]
ヨードベンゼン(27.6mg、0.14mmol)、化学式(1)で表される化合物(20mg、0.10mmol)、酢酸パラジウム(5.0mg、0.02mmol、20mol%)、トリフェニルホスフィン(8.57mg、0.033mmol)、炭酸ナトリウム(17.4mg、0.208mmol)をジメチルホルムアミド 1mlに溶解した液を、窒素置換し、100℃で64時間攪拌しながら反応させた。得られた反応生成物を含む混合液を室温まで冷まし、水 10mlで希釈し、酢酸エチルで抽出した。乾燥後、ろ過し、濾液は、減圧下で、濃縮した。残渣を、ヘキサン・酢酸エチル混液(50:1(体積比))を用いてシリカゲル分取TLCで分離し、シナミルセサモールエーテルを19.6mg(収量:71%)を得た。
【0025】
[実施例2]
ヨードベンゼンの代わりにブロモベンゼン(163mg、1.079mmol)を用い、酢酸パラジウムを(12.5mg、0.06mmol、5.1mol%)用いた以外は、実施例1と同様にして、シナミルセサモールエーテルを7.7mg(収量:5.5%)を得た。
【0026】
[実施例3]
セサモール(2.61g、18.89mmol)をトルエン(35ml)に溶解し、40℃に加熱した。この溶液に金属ナトリウム(490mg、21.3mmol)を加え、100℃〜120℃で6.5時間還流して反応させた。反応終了後、反応混合物を60℃まで冷却し、シナミルブロマイドを3.63ml(4.84g、24.54mmol)滴下した。その後に、反応混合物を、加熱還流して反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却した後、ろ過し、濾液は、減圧下で、濃縮した。残渣を、ヘキサン・酢酸エチル混液(3:1(体積比))を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、化学式(VI)で表される化合物を3.53g(収量:74%)を得た。
【0027】
Rf=0.39;IR νmaxcm−1:3452,2893,1706,1487,1173,1039;H−NMR δ(CDCl):3.44(2H,d,J=6.1Hz),5.02(1H,br s),5.87(2H,s),6.31(1H,dt,J=6.1,15.9Hz),6.42(1H,s),6.63(1H,s),7.16−7.46(5H,m);13C−NMR δ(CDCl):33.9,98.5,100.9,109.5,117.3,126.1,127.2,127.9,128.4,131.2,136.9,141.3,146.5,148.3;FAB−MS m/z(%):254(M,100),151(29),117(26),91(26);HR−FAB−MS:found,m/z 254.0913;calcd. For C1614,254.0943
【0028】
次に、得られた化学式(VI)で表される化合物(0.54g、2.13mmol)を、アセトン9mlに溶解する。この液に、炭酸カリウム(0.32mg、2.45mmol)およびヨウ化メチル0.40ml(0.61mg、6.39mmol)を加え、24時間加熱還流して反応させた。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却した後、ろ過し、濾液は、減圧下で、濃縮した。残渣を、ヘキサン・酢酸エチル混液(10:1(体積比))を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、シナミルセサモールエーテルを0.51g(収量:89%)を得た。
Rf=0.51(ヘキサン・酢酸エチル混液(5:1(体積比)));IR νmaxcm−1:2890,1627,1484,1193,1039;H−NMR δ(CDCl):3.44(2H,d,J=6.3Hz),3.76(3H,s),3.76(3H,s),5.87(2H,s),6.31(1H,dt,J=6.3,15.9Hz),6.40(1H,d,J=15.9Hz),6.53(1H,s),6.69(1H,s),7.17(1H,t,J=7.3Hz),7.26(2H,t,J=7.3Hz),7.33(2H,d,J=7.3Hz);13C−NMR δ(CDCl):33.2,56.5,94.8,100.9,109.6,120.7,126.0,126.8,128.3,129.0,130.4,137.6,140.8,146.2,152.0;FAB−MS m/z(%):268(M,88),165(41),136(31),91(54);HR−FAB−MS:found,m/z 268.1102;calcd. For C1716,268.1099


【出願人】 【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100110984
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 敬子

【識別番号】100118924
【弁理士】
【氏名又は名称】廣幸 正樹


【公開番号】 特開2008−13507(P2008−13507A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187601(P2006−187601)