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【発明の名称】 駆虫薬マルクホルチンおよびパラヘルクアミド
【発明者】 【氏名】リー・ビュン・エイチ

【氏名】マイケル・エフ・クロージア

【要約】 【課題】ヒト、動物及び植物において寄生虫病を起こす外部、及び内部寄生虫に、特に蠕虫及び節足動物に対する優れた駆虫剤としての置換されたマルクホルチンおよびパラヘルクアミドの提供。

【構成】下式:
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III):
【化1】



[式中、nは1ないし3である]
で示される15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項2】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項1記載の式(III)の15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物。
【請求項3】
nが1である請求項1記載の式(III)の15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物。
【請求項4】
式(VIII):
【化2】



[式中、nは0ないし3である]
で示される式(VIII)のフルオロ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項5】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項4記載のフルオロ化合物(VIII)。
【請求項6】
nが0または1である請求項4記載の式(VIII)のフルオロ化合物。
【請求項7】
nが1である請求項4記載の式(VIII)のフルオロ化合物。
【請求項8】
式(X):
【化3】



[式中、nは0ないし3である]
で示される15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項9】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項8記載の式(X)の15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物。
【請求項10】
nが0である請求項8記載の式(X)の15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物。
【請求項11】
式(XIII):
【化4】



[式中、nは0ないし3である]
で示されるパラヘルクアミドB化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項12】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項11記載の式(XIII)のパラヘルクアミドB化合物。
【請求項13】
nが0である請求項11記載の式(XIII)のパラヘルクアミドB化合物。
【請求項14】
14,15-デヒドロ-16-オキソパラヘルクアミドB。
【請求項15】
式(XXI):
【化5】



[式中、R14は-HまたはC-Cアルキルであって、R15は-HまたはC-Cアルキルである]
で示される2-デオキソ-15-アルキル化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項16】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項15記載の式(XXI)の2-デオキソ-15-アルキル化合物。
【請求項17】
14α-ヒドロキシ-15α-メチル-2-デスオキソマルクホルチンAである請求項15記載の式(XXI)の2-デオキソ-15-アルキル化合物。
【請求項18】
2-デスオキソマルクホルチンAおよびその医薬上許容される塩である式(XXIII)の2-デオキソ-15-アルキル化合物。
【請求項19】
15α-エチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA、
14α-ヒドロキシ-15α-ビニル-17-オキソマルクホルチンA、
14α-ヒドロキシ-15α-(1',2'-ジヒドロキシエチル)-17-オキソマルクホルチンA、
14α-ヒドロキシ-15α-ヒドロキシメチル-17-オキソマルクホルチンA、
15α-フルオロメチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA、
14,15-デヒドロ-15-メチルマルクホルチンA、
14α-ヒドロキシ-16,17-ジオキソ-15α-メチルマルクホルチンA、
14α-ヒドロキシ-16-オキソ-15α-メチルパラヘルクアミドB、
16.17-ジオキソマルクホルチンA、
16-オキソパラヘルクアミドB(XVI)、
14α-ヒドロキシ-15α-メチル-17-オキソマルクホルチン
よりなる群から選択される化合物。
【請求項20】
式(XXIV):
【化6】



[式中、nは1または2であり;
R14は-HまたはC-Cアルキルであり;
R15は-HまたはC-Cアルキルであり;
R16は-OHである]
で示される1,2-デヒドロ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項21】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項20記載の式(XXIX)の1,2-デヒドロ化合物。
【請求項22】
1,2-デヒドロマルクホルチンA、
1,2-デヒドロパラヘルクアミドA、
1,2-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA、または
1,2-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA
である請求項20記載の式(XXIX)の1,2-デヒドロ化合物。
【請求項23】
式(XXXI):
【化7】



[式中、nは1または2であり;
R14は-HまたはC-Cアルキルであり;
R15は-HまたはC-Cアルキルであり;
R16は-OHであり;
R18はC-Cアルキルである]
で示される2-アルキル-2-デスオキソ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩。
【請求項24】
該医薬上許容される塩が、酸の、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOHよりなる群から選択される塩である請求項23記載の2-アルキル-2-デスオキソ化合物。
【請求項25】
2β-メチル-2-デスオキソマルクホルチンAである請求項23記載の2-アルキル-2-デスオキソ化合物(XXXI)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、駆虫剤として有用な置換されてマルクホルチンおよびパラヘルクアミド(paraherquamide)である。
【背景技術】
【0002】
マルクホルチンは公知の化合物であり、マルクホルチンAについてはJournal of the Chemical Society Chemical Communications,601-602(1980) を、およびマルクホルチンBおよびCについてはTetarahedron Letters, 22,1977-1980(1981)を参照されたい。これら化合物はペニシリウム・ロケフォルティー(Penicillium roqueforti)の真菌代謝物である。マルクホルチンは、やはり公知化合物であるパラヘルクアミドと構造的に相関している。
【0003】
パラヘルクアミド はTetarahedron Letters,22,135-136(1981)およびJournal of Antibiotics,44,492-497(1991)に開示されている。米国特許第 4,866,060号および第4,923,867号には、動物の寄生虫病の治療および予防に有用なものとしてのマルクホルチンA、B、およびC、およびそのいくらかの誘導体の使用が開示されている。
【0004】
国際公開第92/22555号(1992年12月23日公開)には マルクホルチンまたはパラヘルクアミド誘導体(すなわち、14位がメチルまたはメチルおよびヒドロキシで置換された部分構造式(III))が概括的に記載されているが、かかる14-メチル-14-ヒドロキシマルクホルチン化合物をいかにして調製するかについては記載がない。
【0005】
Journal of Antibiotics,43,1380-1386(1990)には、以下の構造を持ったパラヘルクアミドAが開示されている:
【化1】


【0006】
マルクホルチンAは以下の構造を有する。
【化2】


【0007】
マルクホルチンBは以下の構造を有する。
【化3】


【0008】
マルクホルチンCは以下の構造を有する。
【化4】


【0009】
マルクホルチンDは以下の構造を有する。
【化5】


【0010】
国際公開第91/09961号(1991年7月11日公開)には、マルクホルチン,パラヘルクアミド、およびその12a-N-オキシド体の誘導体、ならびに、とりわけ、ペニシリウム属の種(Penicillium Sp.)IMI332995由来のVM 29919(パラヘルクアミド)およびVM 55596(パラヘルクアミドの12a-N-オキシド)の生産が開示されている。
【0011】
米国特許第4,873,247号には、パラヘルクアミドの誘導体およびペニシリウムチャーレシー(Penicillium charllesi) MF 5123 (ATCC20841)株のパラヘルクアミドの生産が開示されている。米国特許第4,978,656号(ならびにEP390532-A,EP301742-A)には、パラヘルクアミドの種々の合成誘導体ならびにペニシリウムチャーレシー(Penicillium charllesi) MF 5123(ATCC 20841)由来のパラヘルクアミドの生産が開示されている。
【0012】
国際公開第92/22555号(1992年12月23日公開)には、概括的に、14α-ヒドロキシマルクホルチン化合物および寄生虫薬の生産に14-ヒドロキシ-14-メチルマルクホルチン化合物を用いる工程が開示されている。しかしながら、14αーヒドロキシマルクホルチンまたは14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチン化合物のいずれの調製方法の実施可能な記載も提供されていない。
【0013】
国際公開第94/19319号には、種々の14-置換マルクホルチンおよびその誘導体が開示されている。
nが0である15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物(III)は公知である。国際公開第94/29319号参照。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
nが1ないし3である式(III)の15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物、そのN-オキシド体および医薬上許容される塩を開示する。
また、nが0ないし3である式(VIII)のフルオロ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩も開示する。
さらに、nが0から3である式(X)の15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩を開示する。
加えて、nが0ないし3である式(XIII)のパラヘルクアミドB化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩もまた開示する。
【0015】
14,15-デヒドロ-16-オキソパラヘルクアミドBを開示する。
また、R14が-HまたはC-Cアルキルであって、R15が-HまたはC-Cアルキルである式(XXI)の2-デオキソ-15-アルキル化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩も開示する。
さらに、2-デオキソマルクホルチンAである式(XXIII)の2-デオキソ化合物およびその医薬上許容される塩も開示する。
加えて、式(XXV)の14-ヒドロキシ-2-デオキソパラヘルクアミド化合物、そのN-オキシドおよび医薬上許容される塩も開示する。
【0016】
開示するのは、15α-エチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA、14α-ヒドロキシ-15α-ビニル-17-オキソマルクホルチンA、14α-ヒドロキシ-15α-(1',2'-ジヒドロキシエチル)-17-オキソマルクホルチンA、14α-ヒドロキシ-15α-ヒドロキシメチル-17-オキソマルクホルチンA、15α-フルオロメチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA、14,15-デヒドロ-15-メチルマルクホルチンA、14α-ヒドロキシ-16,17-ジオキソ-15α-メチルマルクホルチンA、14α-ヒドロキシ-16-オキソ-15α-メチルパラヘルクアミド B、16,17-ジオキソマルクホルチンA、16-オキソパラヘルクアミド B(XVI)、14α-ヒドロキシ-15α-メチル-17-オキソマルクホルチンよりなる群から選択される化合物である。
1,2-デヒドロ化合物(XXIX)を開示する。
また、2-アルキル-2-デスオキソ化合物(XXXI)も開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
特許請求する化合物は、当業者に知られている出発物質、または当業者に知られている方法により既知物質から容易に調製できる出発物質から、当業者に知られているプロセスによって調製される。公知の化学を、新規順序にて公知の出発物質に用いて、本発明の新規化合物を生成させる。
【0018】
チャートAは、15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物(III)を得るための好ましいプロセスを開示する。出発物質の14-ヒドロキシ-α,β-不飽和化合物(I)は公知である。国際公開第94/29319号参照。14-ヒドロキシ-α,β-不飽和化合物(I)は、グリニャール試薬またはアルキル銅のごときアルキル化剤を用いた反応により対応する15-アルキル-17-オキソ化合物に転換され得る;アルキル化剤は、nが0ないし3であって、Xがハロゲンである式CH-(CH)n1-Mg-Xのグリニヤール試薬であるのが好ましい。nが1であってXが-Brであるのが好ましい。好ましいプロセスでは、14-ヒドロキシ-α,β-不飽和化合物(I)を標準的な1,4付加条件下で臭化エチルマグネシウムおよびヨウ化銅(I)と反応させて 15-アルキル-17-オキソ化合物(II)を得る。次いで、ボランジメチルスルフィド錯体、あるいはその他ボランTHF錯体、または水素化リチウムアルミニウムのごとき還元剤での還元のごとき、カルボニル基のアルキレン部分への還元について当業者に知られている方法により、15-アルキル-17-オキソ化合物(II)を還元する。還元にはボランジメチルスルフィド錯体を用いるのが好ましい。15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物(III)に関しては、nがであるのが好ましい。nが0である15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物は公知である。国際公開第94/29319号参照。
【0019】
チャートBは、式(VIII)のフルオロ化合物を生成させるプロセスを開示する。14-ヒドロキシ-α,β-不飽和(I)の出発物質は、今度はCH-(CH)n-Mg-X(チャートA)の代わりに、nが0ないし3であるCH=CH-(CH)n-Mg-X/ヨウ化銅を用いる以外は、チャートAで14-ヒドロキシ-α,β-不飽和化合物(I)をアルキル化するのに用いたものと同様なグリニャール付加によって対応する不飽和化合物(IV)に転換される。次いで、不飽和化合物(IV)は、四酸化オシウム(触媒)および4-メチルモルホリン N-オキシドのごとき酸化剤ての反応により、C15側鎖の不飽和部の2重結合を酸化することによって、対応するジヒドロキシ化合物(V)に転換される。酸化剤は四酸化オシウムおよび4-メチルモルホリンN-オキシドであるのが好ましい。次いで、ジヒドロキシ化合物(V)は、酸化、続いて還元によって、対応するヒドロキシアルキル化合物(VI)に転換される。酸化剤が過ヨウ素酸ナトリウムであって、還元剤が水素化ホウ素ナトリウムであるのが好ましい。ヒドロキシアルキル化合物(VI)は、フッ化テトラブチルアンモニウムおよびフッ化p−トルエンスルホニルのごときフッ化剤との反応によって、対応するフルオロ-オキソ化合物(VII)に転換される。フルオロ-オキソ化合物(VII)の環内二重結合は、好ましくはボラン-テトラヒドロフラン錯体を用いた、公知の方法により還元されて、所望のフルオロ化合物(VIII)を得る。フルオロ化合物(VIII)については、nが1であるのが好ましい。
【0020】
チャートCは15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物(X)を生成するプロセスを開示する。14-ヒドロキシル基をまず脱離して、Δ14-15-アルキル化合物(IX)を得るための三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)を用いるよく知られた方法によって14,15-デヒドロ官能基を得る。Δ14-15-アルキル化合物(IX)をヒドロキシル化して、p-ジオキサンのごとき不活性溶媒中でヒドロキシル化剤、好ましくは二酸化セレン還流での反応によって、所望の15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物(X)を得る。15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物(X)については、nが0であるのが好ましい。
【0021】
チャートDは、15-アルキル パラヘルクアミドB化合物(XIII)を生成するプロセスを開示する。15-アルキル-14-ヒドロキシ出発物質(III)を、炭素上白金のごとき触媒の存在下、酸素との反応によって、対応する15-アルキル-16,16-ジオキソマルクホルチンA化合物(XI)に酸化する。次いで、15-アルキル-16,17-ジオキソマルクホルチンA化合物(XI)は6員のジオキソ環を持っているが、これは過酸、好ましくはm-クロロ過安息香酸との処理により5員環に還元され、15-アルキル-16-オキソ-パラヘルクアミドB化合物(XII)を得る。次いで、15-アルキル-16-オキソ-パラヘルクアミドB化合物(XII)は16-オキソ基を持っているが、これは還元剤、好ましくは、水素化リチウムアルミニウム/塩化アルミニウムにより脱離して所望の15-アルキルパラヘルクアミドB化合物(XIII)を得る。15-アルキルパラヘルクアミドB化合物(XIII)については、nが0であるのが好ましい。
【0022】
チャートEは、実施例13および14のプロセスによる、16,17-ジオキソマルクホルチンA(XV)、16-オキソパラヘルクアミドB(XVI)および14,15-ジヒドロ-16-オキソパラヘルクアミドB(XVII)である種々のオキソ化合物を開示する。
【0023】
チャートFは、R14が-HまたはC-Cアルキルであり、R15が-HまたはC-Cアルキルである14-ヒドロキシ-α,β-不飽和ケトン(XVIII)で出発し、2-デオキソ-14-ヒドロキシ化合物(XXI)を得るプロセスを開示する。14-ヒドロキシ-α,β-不飽和アミド(XVIII)は△15 -二重結合を持っており、臭化リチウムの存在下、適当なリチウム試薬R15-Liと反応させて還元され、14-ヒドロキシ-17-オキソ-化合物(XIX)を得る。もし、そのように望むなら、この反応の間にC15位をアルキル化することができる。次に、14-ヒドロキシ-17-オキソ-化合物(XIX)は17-オキソ基を持っているが、これはボランジメチルスルフィド錯体(チャートAに前述)により還元される。実施例15参照。この還元により、14-ヒドロキシ化合物ならびに2位および17位カルボニのル基が共に還元された化合物である所望の2-デオキソ-14-ヒドロキシ(XXI)化合物を得る。
【0024】
チャートGは、2-デオキソ化合物(XXIII)を開示する。実施例16参照。
チャートHは、対応する14-ヒドロキシ2-デオキソパラヘルクアミドアミド(XXV)を得るためのプロセスを開示する。
【0025】
別法として、かつ好ましくは、2-デスオキソマルクホルチン(XXIII)、14-ヒドロキシ-2-デスオキソパラヘルクアミドBおよび14-ヒドロキシマルクホルチンA(XXV)誘導体はチャートOに記載したプロセスによって、40-70%の収率で調製できる。チャートOは、アミド(XXVI)が水素化カリウムまたは水素化ナトリウムのいずれかと処理することにより適当なクロロギ酸アルキルまたは無水物誘導体と反応してイミド(XXVII)が得られ、これを水素化ホウ素ナトリウムにより還元して、対応する2-ヒドロキシ化合物(XXVIII)が得られることを開示する。該イミド(XXVIII)においてては、当業者によく知られているように、N-1の窒素は、C-2カルボニルの還元後まで保護されていなければならない(式XXVIIのR17参照)。好ましい保護基はフェニル、4-ニトロフェニルおよびt-ブチルフルオレニルメチルを含む。次いで、2-ヒドロキシ化合物(XXVIII)を当業者に知られている種々の方法により脱保護して、対応する1,2-デヒドロ化合物(XXIX)が得られ、これを水素化ホウ素ナトリウムにより還元し、対応する2-デスオキソマルクホルチンA(XXIII)、14-ヒドロキシ-2-デスオキソパラヘルクアミドBおよび14-ヒドロキシマルクホルチンA(XXV)を全収率40-70%で得る。R17がt-ブチルである場合、2-デスオキソマルクホルチンA(XXIII)、14-ヒドロキシ-2-デスオキソパラヘルクアミドBおよび14-ヒドロキシマルクホルチンA(XXV)のより短縮された方法は、グライムまたはジグライム中で還流しつつイミド(XXVII)を水素化ホウ素ナトリウムと反応させることによる。
【0026】
2-アルキル-2-デスオキソパラヘルクアミドA(XXI)は、対応する1、2-デヒドロマルクホルチンA(XXIX)から当業者に知られているような適当なアルキルリチウム剤と反応させることにより得られる。
【0027】
駆虫性化合物は15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物(III)、フルオロ化合物(VIII)、15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物(X)、15-アルキルパラヘルクアミドB(XIII)、2-デオキソ-14-ヒドロキシ化合物(XXI)、2-デスオキソマルクホルチン(XXIII)、14-ヒドロキシ-2-デソキソパラヘルクアミドBおよび14-ヒドロキシマルクホルチンA(XXV)、14,15-デヒドロ-16-オキソパラヘルクアミドB(XVII)、1,2-デヒドロ化合物(XXIX)および2-アルキル-2-デスオキソ化合物(XXXI)、そのN-オキシドおよび存在している場合はその医薬上許容される塩をいい、それらを含む。
【0028】
駆虫性化合物はアミンであり、十分な強度の酸と反応させると、それ自体で酸付加塩を形成する。医薬上許容される塩は無機酸および有機酸の塩を共に含有する。医薬上許容される塩はより水溶性で、より結晶化しやすい化合物を生成するので、対応する遊離アミンより好ましい。好ましい医薬上許容される塩は以下の酸の塩を含有する。メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0ないし4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOH。
【0029】
駆虫性化合物はアミンであり、当業者に知られているようにm-クロロ過安息香酸のごとき過酸と反応させることによって、対応する12a-N-オキシドが得られる。
本発明の駆虫性化合物は、予期せぬことに、ヒト、動物および植物において多数寄生虫病を起こす外部、および内部寄生虫に、特に蠕虫および節足動物に対する優れた駆虫剤である。
【0030】
寄生虫病は内部寄生虫および外部寄生虫によって引き起こされる。内部寄生虫は宿主体内、器官内(例えば胃、肺、心臓、腸などのような)または皮下で生きている寄生虫である。外部寄生虫は宿主の外表面で生きているが、依然として宿主から栄養を取り入れる寄生虫である。
【0031】
一般に蠕虫病といわれる内部寄生虫病は、蠕虫として知られている寄生虫による宿主の感染に起因する。ぜん虫病はブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ネコおよび家禽のごとき家畜動物の感染に起因した流行性で重篤な世界規模の経済問題である。これらの感染の多くは世界中の様々な種の動物に病気を引き起こす線虫といわれる虫の群によって引き起こされる。これらの病気はしばしば重篤であり、その結果、感染した動物は死亡する場合もある。前記にて言及した動物に感染する線虫の最も通常の属はヘモンカス属(Haemonchus)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、オステルタジア属(Ostertagia)、ネマトディラス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)、アスカリス属(Ascaris)、ブノストマム属(Bunostomum)、エソファゴストマム属(Oesophagostomum)、チャベルチア属(Chabertia)、トリクリス属(Trichuris)、ストロンギルス属(Storongylus)、トリコネマ属(Trichonema)、ディクチオカウルス属(Dictyocaulus)、毛属(Capillaria)、ヘテラキス属(Heterakis)、トキソカラ属(Toxocara)、アスカリディア属(Ascaridia)、オキシウリス属(Oxyuris)、鉤虫属(Ancylostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)およびパラスカリス属(Parascaris)である。また、多くの寄生虫は種特異性(ある一つの宿主だけに感染する)を持ち、ほとんどが動物内に好ましい感染部位を有する。かくして、ヘモンカス属およびオステルタジア属は一義的に胃に感染するが、ネマトディラス属およびクーペリア属はほとんどが腸を攻撃する。他の寄生虫は心臓、目、肺、血管などに住み易く、また、皮下を好むものもある。蠕虫病になると虚弱、体重減少、貧血、腸障害、栄養失調、その他器官への障害が起こり得る。これらの病気を処置せずにおくと、動物の死にいたることもあり得る。
【0032】
ダニ、マダニ、シラミ、サシバエ、ツノサシバエ、クロバエ類、ノミなどのごとき外部寄生性の節足動物による感染もまた、重篤な症状を引き起こす。これら寄生虫による感染の結果、出血、皮膚外傷を起こし、通常の食習慣を妨害し、体重減少を招くこともあり得る。これら感染は結果として、致死の可能性もある脳炎、アナプラスマ症、ブタ梅毒やなどといった伝染を起こすこともあり得る。ある寄生虫の感染により動物は虚弱になり、次の寄生虫による感染を受けやすくなるため、同時に何種類かの寄生虫に感染することもある。従って、これらの病気の治療には活性スペククトルの広い化合物が特に有利である。駆虫性化合物は意外にもこれらの寄生虫に対して高い活性を持ち、加えて、またイヌのイヌ糸状虫属(Dirofilaria)、齧歯類のネマトスピロイデス属(Nematospiroides)およびシンファシア属(Synphacia)、咬む昆虫(biting insects)、およびウシのヒフバエ属(Hypoderma sp.)およびウマのウマバエ属(Gastrophilus)といった移動する双翅目の幼虫にも活性がある。
【0033】
駆虫性化合物はまた、ヒトに感染する内部および外部寄生虫に対しても有用である。このようなヒトに感染する内部寄生虫の例は胃腸に寄生する属、鉤虫(Ancylostoma)、アメリカ鉤虫属(Necator)、アスカリス属(Ascaris)、ストロンギロイデス属(Strongylides)、旋毛虫属(Trichinella)、毛頭虫属(Cappillaria)、トリクリス属(Trichuris)、エンテロビウス属(Enterobius)などを含有する。ヒトに感染する内部寄生虫の中には血液中や他の器官内に存在しているものもある。そのような寄生虫の例としては、腸虫、ストロンギロイデス属および旋毛虫属の腸外範囲ばかりでなく、フィラリア虫、ブケリア属(Wucheria)、ブルギア属(Brugia)、オンコセルカ属(Onchocerca)などがある。ヒトに寄生する外部寄生虫にはマダニ、ノミ、ダニ、シラミなどのような節足動物が含有され、家畜動物ではこれらの寄生虫の感染により結果として重篤な症状、致死的な場合もある。駆虫性化合物はこれらの内部、および外部寄生虫に対して活性があり、加えてまた、咬む昆虫(biting insects)およびその他ヒトを悩ます双翅目の害虫にも活性がある。駆虫性化合物は経口または非経口投与の場合には0.05から20mg/kg動物体重の割合の量で投与される。
【0034】
駆虫性化合物は、ブラテラ属(Blatella sp.)(ゴキブリ)、トリネオラ属(Tineola sp.)(イガシミ)、アタゲナス属(Attagenus sp)(ヒメマルカツオブシムシ)、ムスカ ドメスティカ(Musca domestica)(イエバエ)およびソレノプシス インビカ(Solenopsis invicta)(外来のハリアリ類)などありふれて身近な害虫に対しても有用である。
【0035】
駆虫性化合物はトリボリウム属(Tribolium sp.)などの貯蔵穀物を攻撃する害虫および植物組織に住み着く虫の幼虫時期に対してばかりではなく、アブラムシ(アクリチオシホン属(Acrythiosiphon sp.))やバッタ、およびワタミハナゾウムシなどの農産物の害虫にも有用である。駆虫性化合物はまた、農業的に重要な土壌線虫の管理に線虫駆除剤としても有用である。
動物に対して駆虫剤としての利用には経口または注射のどちらか、あるいは液体飲薬またはシャンプーとして局所的に内部投与してもよい。
【0036】
経口投与では、駆虫性化合物はカプセル、錠剤、またはボーラス形液体飲薬のいずれか、あるいは別法として、動物の餌に混ぜて投与することもできる。カプセル、錠剤およびボーラス飲薬はデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、またはリン酸二カルシウムのごとき適当な担体ビヒクルと組み合わせた有効成分を含んでなる。これらの投薬形単位は有効成分を適当な微粉砕不活性成分とよく混合して調製する。不活性成分は、均一な混合液、または懸濁液を得るための希釈剤、充填剤、崩壊剤、懸濁化剤、および/または結合剤を含有する。不活性成分は駆虫性化合物と反応しないもので、治療される動物に対して毒性のないものである。適切な不活性成分はデンプン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性ガム、植物性油脂などを含有する。これらの製剤は、治療される動物種の大きさおよび型、ならびに感染の型および重篤度といった多数の要因に依存して、広く変動する量の活性成分および不活性成分を含有し得る。有効成分はまた、駆虫性化合物を食料とともに単に混合することによって、または、餌の表面に化合物を加えることによって、餌の添加物として投与されることもある。別法として、有効成分は不活性な担体と混合し、次いで、得られた混合物を餌と混合するか、あるいは動物に直接食べさせる。適切な不活性担体はコーンミール、シトラスミール、発酵かす、ひき割り大豆、乾燥穀物などが含まれる。最終混合物は重量比0.001から5.0%の有効成分を含むように最終混合物は重量比0.001から5.0%の有効成分を含むように、有効成分は、挽いたり、撹拌したり、粉砕したり、転倒したりしてこれら不活性成分とよく混合される。
【0037】
駆虫性化合物は別法として、不活性な液体担体に溶解した有効成分からなる製剤の注射として非経口投与することもできる。注射製剤は適当な不活性液体担体と混合した有効成分からなる。許容される液体担体は。ソルケタール(solketal)、グリセロールホルマルなどの有機溶媒ばかりではなく、落花生油、綿実油、ゴマ油などの植物油を含む。別の方法としては、水溶性の非経口製剤を用いることもできる。植物油は好ましい液体担体である。製剤は有効成分を液体担体に溶解して、最終製剤が重量比0.005から20%の有効成分を含むように調製される。
【0038】
駆虫性化合物の局所適用は駆虫性化合物を水溶液または懸濁液として含む液体飲薬またはシャンプーの利用により可能である。これらの製剤は、一般に、ベントナイトのごとき懸濁化剤および通常、消泡剤も含む。0.005ないし20重量%の有効成分を含む製剤が許容される。好ましい製剤は0.5ないし5重量%の駆虫性化合物を含むものである。
【0039】
駆虫性化合物は、第一義的には、ウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、ヤギ、豚、および家禽のごとき家畜動物の蠕虫病の治療および/または予防に対する駆虫剤として有用である。これらは、また、ダニ、マダニ、シラミ、ノミなどのごとき外部寄生虫によるこれら動物の寄生虫感染の予防および治療にも有用である。これらは、また、ヒトの寄生虫感染の治療にも効果的である。これら感染の治療には駆虫性化合物は個々に、またはお互いを組み合わせて、または他の関連のない駆虫剤と一緒に用いられる。最良の結果に必要な駆虫性化合物の用量は動物の種類および大きさ、感染の型および重症度、投与方法ならびに用いられる特定の駆虫剤のごときいくつかの要因に依存する。駆虫性化合物の経口投与では、用量レベル、動物体重1kgに対して0.005から50mgを単回投与あるいは2-3日間隔をあけて何回か投与すると、良好な結果が得られる。通常、ある駆虫性化合物の単回投与量では良好な管理ができるが、繰り返し投与の量は、再感染と闘うか、あるいは通常耐性な寄生虫種に対して投与される。動物に対する駆虫性化合物の投与技術は獣医学分野において当業者には知られている。
【0040】
駆虫性化合物はまた、畑あるいは貯蔵庫の作物を攻撃する農業上の害虫と闘うのに用いられることもある。駆虫性化合物はスプレー、粉塵、エマルジョンなどとして成長している植物あるいは収穫された作物に対して適用される。このような駆虫性化合物の適用技術は農業分野において当業者には知られている。
【0041】
投与の正確な用量および頻度は、当業者にはよく知られているように、用いられる特定の駆虫性化合物、治療中の特定の条件、治療中の条件の重症度、特定の患者の一般的な体調、個体が受けているその他の薬物治療に依存しており、患者の駆虫性化合物の血中レベルまたは濃度、および/または治療中の特定の条件に対する患者の反応を測定することによってより正確に決定できる。
【0042】
定義および約束
以下の定義および説明は、明細書および請求の範囲を共に含めた文書全体に用いられる語句に対するものである。
【0043】
I.式に対する約束および変数の定義
明細書および請求の範囲中の種々の化合物または分子断片を表す化学式は、明白に定義された構造式に加えて、変数置換基を含有し得る。これらの変数置換基は文字もしくは番号順の下付き文字のついた文字、例えば、iが整数である”Z"または”R"、で定義される。これらの変数置換基は1価または2価のどちらかであり、すなわち、これらは式に1つまたは2つの化学結合により式に結合している基を表している。例えば、式CH-C(=Z)Hに結合していれば、Z基は2価の変数を表すこととなろう。式CH-CH-C(R)(R)-Hに結合していれば、R基およびR基は1価の変数置換基であることを表すこととなろう。上記のように化学式が直線的に描かれている場合は、括弧内に含有される変数置換基は括弧で閉じられた変数置換基のすぐ左の原子と結合している。2つ以上連続した変数置換基が括弧で閉じられている場合は、連続した変数置換基の各々が、前にある括弧で閉じられていないすぐ左の原子に結合している。従って、上記の式ではRおよびR共に、前にある炭素原子に結合している。また、ステロイドのような炭素原子のナンバリングが確立されている系を持つ分子ならどれについても、これらの炭素原子はiは炭素原子の番号に対応した整数である”C"で 示されている。例えば、Cは6位であるか、または、ステロイド化学において当業者により慣習的に示されたようなステロイド骨格中の炭素原子の番号を表している。同様に語句”R"もC位での変数置換(1価または2価)を表している。
【0044】
直線的に描かれた化学式またはその部分式は直鎖の原子を表している。記号”-”は 一般に鎖内の2原子間の結合を表している。従って、CH-O-CHCH(R)-CHは2-置換基-1-メトキシプロパン化合物を表している。同様に記号”=”は二重結合を表している、すなわち、CH=C(R)-CH-CHとなり、および記号”≡”は三重結合を表している、すなわち、HC≡C-CH(R)-CH-CHとなる。 カルボニル基は2通りの方法のどちらかで表されている:-CO-または-C(=O)-、簡単のため前者が好まれる。
【0045】
サイクリック(環状)化合物または分子断片の化学式は直線的に表され得る。従って、星印(*)が付いている原子同士が結合した結果、環を形成しているという約束により、化合物4-クロロ2-メチルピリジンは直線的にN*=C(CH)-CH=CCl-CH=C*Hと表される。同様に環状分子断片、4-(エチル)-1-ピペラジニルは-N*-(CH)-N(CH)-CH-C*Hと表すことができる。
【0046】
本明細書におけるいずれの化合物に対しても、剛直な環状化合物の各炭素原子に結合した置換基につき、環平面に関して、剛直環状構造により向きが決まる。環状系の一部をなしている炭素原子に結合した2つの置換基、-C(X)(X)-、を持つ飽和化合物では、2つの置換基は環に対してアクシャルまたはエカトリアル位のいずれかであり、アクシャル/エカトリアル間を変わっていることもある。しかしながら、環および互いに対する2つの置換基の位置は固定されている。どちらかの置換基が環平面の上または下にある(アクシャル)よりは面内にある(エカトリアル)場合には、もう一方は必ず、一方の上にある。そういった化合物を描いた化学構造式では、別の置換基(X)の”下”にある置換基(X1)はアルファ(α)配置にあると定義し、炭素原子に結合した線を破線、ダッシュ、または点線で、すなわち記号”---”または”・・・”と決める。対応したもう一方(X)の”上”に結合した置換基(X)はベータ(β)配置にあると決め、炭素原子に結合する線を実線で示してある。
【0047】
変数置換基が2価である場合には、原子価は変数の定義において、一緒になるか、または別々であるか、あるいはその双方である。例えば、-C(=R)-のごとき炭素原子に結合した変数Rは2価であり、(従って、カルボニル基(-CO-)形成する)オキソ、または2つの別々に結合した1価の変数置換基、α-Ri−jおよびβ-Ri−kと定義されるあろう。2価の変数の、R、が2つの1価の変数置換基からなると定義される場合には、2価の変数を定義するのに用いる約束では、”α-Ri−j:β-Ri−k"という形またはそのいくつかの変形である。 そのような場合には、α-Ri−jおよびβ-Ri−kは共に炭素原子に結合して、-C(α-Ri−j)(β-Ri−k)- を与える。例えば、2価変数R、-C(=R)- が2つの1価の変原子価の置換基よりなると定義された場合は、2つの1価の変数置換基はα-R6−1:β-R6−2、・・・・α-R6−9:β-R6−10、などであり、-C(α-R6−1)(β-R6−2)-・・・・-C(α-R6−9)(β-R6−10)-、などを与える。同様に、2価変数R11、-C(=R11)-に対しては、2つの変数置換基はα-R11−1:βR-11−2である。別々のαおよびβの向きが存在しない環状置換基(すなわち、環内の炭素炭素二重結合の存在にかかっている)および、環の一部ではない炭素原子に結合している置換基に対しては、上記の約束は今まで通り、用いられるが、αおよびβの表示は省略される。
【0048】
丁度2価の変数が2つの別々の1価の変数置換基として定義されるように、2つの別々の1価の変数置換基は一緒になって、2価の変数を形成する。例えば、式-C(R)H-C(R)H-(CおよびCは任意に、それぞれ1番目および2番目と定義する)において、RおよびRは一緒になって、(1)CおよびC間の2番目の結合、または(2)オキサ(-O-)のごとき2価基を形成すると定義することができ、それにより、該式はエポキシドを記載する。RおよびRが一緒になって、-X-Y-のごとき基のようなもっと複雑なものを形成した場合は、そのものの配置は上記式中のCはXに結合しており、CはYに結合しているといったようなものである。従って、約束により、”・・・RおよびRは一緒になって-CH-CH-O-CO-を形成する・・・”という表示はカルボニル基がCに結合しているラクトンを意味する。しかしながら、 ”・・・RおよびRは一緒になって-CO-O-CH-CH- を形成すると表示された場合には、約束ではカルボニルが Cに結合しているラクトンを意味する。
【0049】
変数置換基の炭素原子の量は2通りの方法うちの1つで示される。最初の方法は、”1”および”4”は共に変数における炭素原子の最小数および最大数を表す整数である”C-C"のごとき変数の名前全体に接頭辞を用いる。接頭辞は変数からスペースを空けて区切られる。例えば、”C-Cアルキル”は1から4の炭素原子のアルキル(逆に表現の指示がなければ、その異性体も含む)を表す。この単一の接頭辞が与えられた場合はいつでも、接頭辞は定義された変数の全炭素原子量を示す。従って、C-C アルコキシカルボニルは、nが0、1または2のCH-(CH)-O-CO-基を表す。2番目の方法では、定義の各1つの部分のみの炭素原子量が別々に、括弧に”C-C”という表示を囲むこと、およびそれを、定義される定義の部分の直前に(スペースは入らない)置くことにより示される。この任意の約束によって、(C-C)アルコキシカルボニルはC-C アルコキシカルボニルと同じ意味を持つ。なぜならば、”C-C"はアルコキシ基の炭素原子量のみを言及するからである。同様に、C-C アルコキシアルキルおよび(C-C)アルコキシ(C-C)アルキルは共に2から6の炭素原子を含むアルコキシアルキル基を定義するとはいえ、前者の定義では、アルコキシまたはアルキル部分のどちらか単独で4または5つの炭素原子を含むことが許されるが、一方で、後者での定義ではこれらの基のどちらかを3つまでの炭素原子に限るので、2つの定義は異なっている。
【0050】
請求の範囲がかなり複雑な(環状の)基を含む場合は、語句の最後に、(括弧)の中に、ある基が特定の表記法であろうことを命名/指示する。それはある基の化学構造式をも明らかにするであろうチャートの1つの中に同じ名前/表示に対応するであろう。
【0051】
II.定義
駆虫性化合物は
15-アルキル-14-ヒドロキシ化合物(III)、
フルオロ化合物(VIII)、
15-アルキル-16-ヒドロキシ化合物(XIII)、
15-アルキル パラヘルクアミドB(XIII)
2-デオキソ-14-ヒドロキシ化合物(XXI)、
2-デオキソ化合物(XXIII)、
14-ヒドロキシ-2-デオキソパラヘルクアミド化合物(XXV)、
14,15-デヒドロ-16-オキソパラヘルクアミドB(XVII)、
1,2-デヒドロ化合物(XXIX)および
2-アルキル-2-デソキソ化合物(XXXI)そのN-オキシドならびにその存在するような医薬上許容される塩を言及し、含有する。
【0052】
温度はすべて、摂氏度である。
THFはテトラヒドロフランをいう。
クロマトグラフィー(カラムおよびフラッシュクロマトグラフィー)は(支持体、溶離液)のように表された化合物の精製/分離をいう。
適当な分画は貯留され、次いで濃縮されて目的の化合物を与えると理解される。
NMRは核(プロトン)磁気共鳴分光をいい、化学シフトはテトラメチルシランから低磁場方向へppm(δ)と報告される。
【0053】
MSは質量分析をいい、m/e、mzまたは質量/電荷単位で表される。[M+H]は親プラス水素原子の陽電子をいう。EIは電子衝撃をいう。CIは化学的イオン化をいう。 FABは速原子衝撃をいう。
HRMSは高分解能質量分析をいう。
医薬上許容されるは、薬理学的/毒物学的観点から患者に対して、ならびに組成、製剤、安定性、患者の許容、および生物学的利用能に関して物理的/化学的観点から製薬化学者に対して許容されるその特性、および/または物質をいう。
【0054】
医薬上許容されるアニオン塩は以下の酸、メタスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、nが0から4であるCH-(CH)-COOH、nが前記定義に同じであるHOOC-(CH)-COOH、を含有する。
溶媒対が用いられる場合は、用いらた溶媒の比は容積/容積(v/v)である。
固体の溶媒に対する溶解度が用いられる場合は、固体の溶媒に対する比は重量/容積(wt/v) である。
【0055】
実施例
さらなる苦心なしに、当業者は上記の記載を用いて本発明を十分に実施できると思われる。以下の詳細な実施例は種々の化合物を調製し、および/または発明の種々のプロセスを実行する方法を記述し、単に実例にすぎず、上記の開示をどのようにも限定しないと解釈されるものである。当業者は即座に、反応物質および反応条件のともに関しての手順ならびに技術から適当な変法を認めるであろう。
【0056】
手順例1 マルクホルチンAの生成と単離
種発酵工程:
種発酵は、液体窒素中に保存された単離体ペニシリウム属の種(Penicillium sp.) UC7780(NRRL18887)の寒天栓を用いて接種する。3つの栓を解凍し、接種原として用いる。GS−7はグルコースおよび綿実粉(米国テネシー州メンフィスのプロクター&ギャンブルオイルシードプロダクツカンパニー(Procter & Gamble Oilseed Products Co.,Memphis,TN,U.S.A.)トレイダーズプロテイン(Traders Protein)による商標”ファルマメディア(Pharmamedia)”として販売されている)からなる。無補足水道水をを用いて培地を水和させ、該培地を水酸化アンモニウムでpH=7.2に調整する。培地を、邪魔板を取り付けてない閉鎖系フラスコに、1000mlフラスコ当たり300mlにて分注し、121゜で30分間オートクレーブ処理することによって滅菌する。GS−7培地300mlを含有する各閉鎖系フラスコにペニシリウム属種(Penicillium sp.) UC7780(NRRL18887)の3つのカンテン栓を接種し、次いでロータリーシェーカーにて250rpm、22゜で36時間震盪する。
【0057】
第2種発酵工程
成熟した種培養を、0.3%のシード比で第2生成培地への接種原として用いる。第2培地は、逆浸透グレードの水1リットル当たり、グルコース1水和物(C.P.C.インターナショナル(C.P.C.Iternational)により商標セレロース(Cerelose)として販売)25g、綿実粉(商標”ファルマメディア(Pharmamedia)”として販売)25g、MgCl・6HO 329.8mg、MnSO・HO 11.4mg、FeSO・7HO 3.2mg、NaMoO・2HO 1.8mg、CaCl・2HO 367.6mg、NaCl 84.2mg、KCl 5.8mg、ZnSO・7HO 0.1mg、CoCl・6HO 0.1mg、CuSO・5HO 3.1mg、およびシリコーン消泡剤(商標SAG−471アンチフォームとして販売)0.5mlからなる。第2シード培地200リットルに対し十分な培地成分を逆浸透グレード水にて水和し、250-Lのファーメンター中、適量、190リットルとなる。処方後、NHOHで培地のpHを7.2に調整し、次いで121℃で30分間滅菌する。成熟した第1種培養の2つの閉鎖系フラスコを0.3%のシード比にて接種原として用いる。第2種培養は22℃にて、125slmのエアレーション、5psigの逆圧、および250rpmにて36時間培養する。
【0058】
生成発酵工程
生成培地は、逆浸透グレード水1リットル当たり、ビート糖蜜50g、魚肉(商標メンハデンセレクトフィッシュミール(Menhaden Select Fish Meal)にて販売)酵母エキス(商標フィドコ(Fidco)にて販売)10g、MgCl・6HO 329.8mg、MnSO・HO 11.4mg、FeSO・7HO 3.29mg、NaMoO・2HO 1.8mg、CaCl・2HO 367.6mg、 NaCl 84.2mg、KCl 5.8mg、ZnSO・7HO 0.1mg、CoCl・6HO 0.1mg、CuSO・5HO 3.1mgおよびシリコーン消泡剤(商標SAG−471アンチフォームとして販売)0.5mlからなる。
【0059】
培地5,000リットルに対し十分な培地成分を逆浸透グレード水にて水和し、5,000Lファーメンター中、適量4,700リットルとなる。処方後、培地のpHをKOHにて7.0に調整し、次いで培地を123℃で30分間滅菌する。成熟した第2種培養を1.0%のシード比にて接種原として用いる。培養を22℃にて、2,500slmのエアレーション、5psigの逆圧、および250rpmにて96時間培養する。
【0060】
マルクホルチンAの単離
4900Lの発酵容量はハイシェアミキサー(high shear mixer)から集菌管へ通すことにより、集菌する。移し変えた後で、4%wt./v.の珪藻土および1/2容量の塩化メチレンを添加する。次いで、集菌溶液をフィルタープレスを用いて、濾過する。フィルターケーキを10%容量の塩化メロチレンで2回洗浄する。
【0061】
得られた濾液をデカントして、水層(水性層)を除去する。次いで、残存する生成物リッチな塩化メチレン層を容量44Lにまで濃縮する。次いで、濃縮物を、20%濃縮容量(9L)の塩化メチレンおよび珪藻土を用いてフィルターに通すことにより仕上げる。
仕上げた53Lの濃縮物をさらに精製して、シリカゲルクロマトグラフィーおよび結晶化によって、他の成分からマルクホルチンAを分離する。
【0062】
クロマトグラフィーの前に、仕上げた濃縮物をおおよそ4等分する。各アリコートは、新たに充填した25Kgのドライシリカゲルから調製された直径9”のカラム(ベッド容量59L)にてクロマトグラフにかける。負荷したカラムを10%アセトン-塩化メチレン溶液120L、20%アセトン-塩化メチレン溶液120L、30%アセトン-塩化メチレン溶液120L、40%アセトン-塩化メチレン溶液160Lおよびアセトン130Lにて溶出させ、30および40%の溶出液を20L画分としてとして収集する。溶出液はTLCにて、例えば、6%イソプロパノールおよび0.3%水酸化アンモニウム-塩化メチレン溶液よりなる溶媒系を用いて、ワットマンLK6DFシリカゲルプレートを展開することにより、モニターする。マルクホルチンA(Dと共にクロマトグラフされるマルクホルチンDも少量含有される)をアセトンから結晶化させる。適当な画分(40-100L)を減圧下で容量がおおよそ5Lになるまで濃縮する。次いで、溶液(または軽いスラリー)をロータリーエバポレーターに移し、減圧下で濃縮を継続する。塩化メチレンが完全に置き換えられるまで濃縮の間に1Lのアセトンを何回か添加する。得られたアセトンスラリー(容量はおおよそ1L)を一晩冷凍し、マルクホルチンAの結晶を収集し、次いで少量の冷アセトンで洗浄し、真空下で乾燥する。かかる結晶はマルクホルチンDで数%汚染されているかもしれない。塩化メチレン/アセトンから再結晶化を繰り返すこと(前述のようにジクロロメタンを置き換える)により、純粋なマルクホルチンAが得られる。
【0063】
マルクホルチンDの単離
ハイシェアミキサー(high shear mixer)から集菌管へ通すことにより、4900Lの発酵容量を集菌する。移し変えた後で、4%wt./v.の珪藻土、および1/2容量の塩化メチレンを添加する。次いで、集菌溶液をフィルタープレスを用いて、濾過する。フィルターケーキを10%容量の塩化メチレンで2回洗浄する。
【0064】
得られた濾液をデカントして、水層を除去する。次いで、残存する生成物リッチな塩化メチレン層を容量44Lにまで濃縮する。次いで、濃縮物を、20%濃縮容量(9L)の塩化メチレン、および珪藻土を用いてフィルターに通すことにより仕上げる。
仕上げた53Lの濃縮物をさらに精製して、シリカゲルクロマトグラフィーおよび結晶化によって、他の成分からマルクホルチンAを単離する。
【0065】
クロマトグラフィーの前に、仕上げた濃縮物をおおよそ4等分する。各アリコートを、新たに詰た、25Kgのドライシリカゲルから調製された直径9”のカラム(ベッド容量59L)にてクロマトグラフにかける。負荷したカラムを、10%アセトン-塩化メチレン溶液120L、20%アセトン-塩化メチレン溶液120L、30%アセトン-塩化メチレン溶液120L、40%アセトン-塩化メチレン溶液160L およびアセトン130Lにて溶出させ、30および40%の溶出液を20L画分として収集する。溶出液はTLCにて、例えば、6%イソプロパノール、および0.3%水酸化アンモニウム-塩化メチレン溶液よりなる溶媒系を用いて、ワットマンLK6DFシリカゲルプレートを展開することにより、モニターする。マルクホルチンDを含有するマルクホルチンAの画分を濃縮する。この物質1gをギ酸(20ml、93%)に溶解し、20-25℃にて16時間静置する。減圧下、揮発性成分が除去された後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)に付して、白色固体としてマルクホルチンD(100mg)が得られる。生成物の構造はNMR分光および質量分析により確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値462.2756;測定値462.2739である。
【0066】
手順例1A マルクホルチンAおよびCの生成と単離
一次種発酵工程:
種発酵を、液体窒素中に保存された単離体ペニシリウム属種(Penicillium
sp.) UC7780(NRRL18887)のカンテン栓を用いて接種する。3つの栓を解凍し、GS−7シード培地100mlに対し接種原として用いる。GS−7はグルコースおよび綿実粉(米国テネシー州メンフィスのプロクター&ギャンブルオイルシードプロダクツカンパニー(procter & Gamble Oilseed Products Co., Memphis, TN, U.S.A.)トレイダーズプロテイン(Traders Protein)による商標”ファルマメディア(Pharmamedia)”として販売されている)からなり、それぞれを水道水に濃度25g/Lとなるように添加する。処方後、GS−7培地のpHをNHOHを用いて、7.2に調整する。培地は邪魔板のない発酵フラスコ500ml中に100ml分注し、30分間オートクレーブ処理する。滅菌GS−7を上記のように接種し、次いで250rpm、23℃で35-58時間震盪する。
【0067】
生成発酵工程(震盪フラスコ):
成熟した種培養を、1%のシード比で生成培地への接種原として用いる。生成培地は、水道水1リットル当たり、グルコース45g、酵素分解カゼイン(米国ニューヨーク州ノリッジのシェフィールドプロダクツ(Sheffield Products, Norwich, N.Y.,U.S.A)より商標ペプトナイズドミルクニュートリエント(Peptonized Milk Nutrient)として販売)25g、酵母エキス(ミシガン州デトロイトのディフコラボラトリー(Difco Laboratories,Detroit,MI)より、商標バクトイーストエキストラクト(BACTO Yeast Extract)コード:0127として販売)2.5gよりなる。処方後、水酸化カリウムにて生成培地のpHを7.0に調整する。次いで、この培地を、邪魔板を付けた発酵フラスコ500ml中に含有された100ml容量中、30分間、オートクレーブ処理する。滅菌生成培地を上記のように接種し、21℃、250rpmにて7-14日間震盪する。
【0068】
生成発酵工程(ラブラファームタンク(Labraferm tanks)):
成熟した種培養を、0.5%のシード比で滅菌生成培地への接種原として用いる。生成培地は上記の通りである。KOHを用いてpHを7.0に調整した後、この培地10Lを、12Lのラブファームタンク(ニューブランズウィックサイエンティフィック有限会社(New Brunswick Scientific Co.,Inc.))中で90分間、オートクレーブ処理する。タンクをシード比0.5%にて接種し、次いで20℃、500rpmにて5-9日間撹拌する。エアフロー比を10-15L/分の間に維持する。
【0069】
マルクホルチンAおよびCの単離
全発酵液体培地(35l)を大きな工業用のワーリングブレンダー(Waring Blender)中で低速にて柔らかくし、次いで等容量の塩化メチレンとブレンドする。混合物を1晩、冷凍し、遠心分離にかけエマルジョンを壊す。 得られた透明な塩化メチレン層を取り出し、減圧下で蒸発させる。残渣(37.4g)の濃縮された塩化メチレン溶液を、塩化メチレン中に詰めたシリカゲル(1Kg)スラリーのカラムに適用する。カラムはアセトン−塩化メチレン溶液の濃度を上げながら(10%、20%、30%、40%および50%アセトン)溶出させる。TLCにより画分をモニターし、次いで適当な画分をアセトンから蒸発させ、結晶化してマルクホルチンAおよびマルクホルチンCを得る。
【0070】
手順例1B マルクホルチンAおよびCの生成と単離
種発酵プロセス:
種発酵を、液体窒素中に保存された単離体ペニシリウム属種(Penicillium
sp.) UC7780(NRRL18887)の寒天栓を用いて接種する。3つの栓を解凍し、GS−7シード培地100mlに対し、接種原として用いる。GS−7はグルコース、および綿実粉(米国テネシー州メンフィスのプロクター&ギャンブルオイルシードプロダクツカンパニー(procter & Gamble Oilseed Products Co., Memphis, TN, U.S.A.)トレイダーズプロテイン(Traders Protein)による商標”ファルマメディア(Pharmamedia)”として販売されている)からなり、それぞれ水道水に濃度25g/Lとなるように添加する。処方後、GS−7培地のpHはNHOHを用いて、7.2に調整する。培地を邪魔板のない発酵フラスコ500ml中に100ml分注し、30分間オートクレーブ処理する。滅菌GS−7は上記のように接種し、次いで250rpm、23℃で35-58時間震盪する。
【0071】
生成発酵工程(震盪フラスコ):
成熟した種培養を、1%のシード比で生成培地への接種原として用いる。生成培地は、水道水1リットル当たり、グルコース20g、グリセロール15ml、綿実粉(米国テネシー州メンフィスのプロクター&ギャンブルオイルシードプロダクツカンパニー(procter & Gamble Oilseed Products Co., Memphis, TN, U.S.A.)トレイダーズプロテイン(Traders Protein)による商標”ファルマメディア(Pharmamedia)”として販売されている)20g、大豆ミール10g、KHPO3gよりなる。処方後、水酸化カリウムにて生成培地のpHを6.8に調整する。次いで、この培地を邪魔板を付けた発酵フラスコ500ml中に100ml含まれ、30分間、オートクレーブ処理する。滅菌生成培地は上記のように接種し、次いで21℃、250rpmにて7-14日間震盪する。
【0072】
生成発酵工程(ラブラファームタンク(Labraferm tanks)):
成熟した種培養を、0.5%のシード比で滅菌生成培地への接種原として用いる。生成培地は、上記の通りである。KOHを用いてpHを7.0に調整した後、この培地10Lを、12Lのラブファームタンク(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック・カンパニー,インコーポレイテッド(New Brunswick Scientific Co.,Inc.))中で90分間、オートクレーブ処理する。タンクはシード比0.5%にて接種し、次いで20℃、500rpmにて5-9日間撹拌する。エアフロー比を10-15L/分の間で維持する。
【0073】
マルクホルチンAおよびCの単離
全発酵液体培地(35l)を大きな工業用のワーリングブレンダー(Waring Blender)中で低速にて柔らかくし、次いで等量の塩化メチレンと混合する。混合物を1晩、冷凍し、遠心分離にかけエマルジョンを壊す。 得られた透明な塩化メチレン層を取り出し、減圧下で蒸発させる。残渣(37.4g)の濃縮された塩化メチレン溶液を塩化メチレン中に詰められたシリカゲル(1Kg)スラリーのカラムに適用する。カラムはアセトン−塩化メチレン溶液の濃度を上げながら(10%、20%、30%、40%および50%アセトン)溶出ざる。TLCにより画分をモニターし、次いで適当な画分をアセトンから蒸発させ、結晶化してマルクホルチンAおよびマルクホルチンCを得る。
【0074】
14-置換マルクホルチンの合成
ヨウ化シアンによってマルクホルチンA(式1a、チャートI)を処理すると、シリカゲルクロマトグラフィーにより分離可能な16α-ヨード-17β-シアノマルクホルチンAおよび16β-ヨード-17α-シアノマルクホルチンAの混合物(式5)が生成する。メタノール中、水酸化カリウムによりこの混合物をデヒドロヨウ素化すると、16,17-デヒドロ-17-シアノマルクホルチンA(式6)となる。これを二酸化セレンで酸化し、17-ケトマルクホルチンA(式7)となる。C15およびC16間に二重結合を導入するには、16位をセレン化し(塩化フェニルセレニル、およびLDA)、引き続いて過酸化水素にてセレン中間体を酸化する。次にベンゼンセレン酸が脱離すると、15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式8)になる。この化合物は14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10)の合成の中で、2つの別の方法のどちらかによりそれに変換できるという、鍵となる中間体の化合物である。
【0075】
1つめの経路では、16位の酸化により、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウム、および2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジンを用いてこの物質の14位をアリル酸化し、必要な14α-ヒドロキシ15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)および14,15-デヒドロ-16-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式9b)の混合物が得られる。これら2つの生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって分離する。式9aの化合物をTHF中の水素化リチウムアルミニウムによって還元し、本発明の開示の標題化合物である14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10)となる。別法として、式8の化合物(チャートJ)をジオキサン中、二酸化セレンにより酸化すると、14α-ヒドロキシ15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)および15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(式11)、2:1の混合物が得られる。これらをシリカゲルクロマトグラフィーによって分離する。これらの各化合物は、独立に、14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式12a)に変換される:式9aの化合物はトリエチル水素化ホウ素リチウムによって15,16-二重結合を還元することによって;式11の化合物は14位のカルボニル基を水素化ホウ素リチウムのよって還元することによって。後者の場合では、14β-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式12b)もまた等量生成するが、クロマトグラフィーにより除去可能である。式12aの化合物はホウ素テトラヒドロフラン(THF)複合体によって還元され、14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10)となる。
【0076】
14α-ヒドロキシ15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a、チャートK)はトリエチル水素化ホウ素リチウムによって還元され、14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式12a)となる。これは塩化オキサリル、およびDMSOを用いたスェルン酸化(Swern oxidation)によって、14,17-ジケトマルクホルチンA(式13)へ変換される。グリニャール反応において、メチルマグネシウムブロミドによって処理すると、シリカゲルクロマトグラフィーによって分離される、14α-ヒドロキシ-14β-メチル-17-ケトマルクホルチンA(式14a)および14β-ヒドロキシ-14α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(式14b)の混合物が生成する。生成物の比は用いられる溶媒に依存する:それぞれ、ジクロロメタンでは6:1 の比であるが、THFでは>50:1の比である。水素化リチウムアルミニウムによって式13aの化合物を還元すると、14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(式15)が得られる。
【0077】
14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10、チャートL)のスウェルン酸化では14-ケトマルクホルチンA(式16)が得られ、これは水素化ホウ素ナトリウムによって還元され、14β-ヒドロキシマルクホルチンA(式17)となる。14-ケトマルクホルチンA(式16)をグリニャール反応において、臭化エチルマグネシウムによって還元すると、14α-ヒドロキシ-14-エチルマルクホルチンA(式19)が生成する。 14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10)をm-クロロ過安息香酸によって処理すると、14α-ヒドロキシマルクホルチンA N−オキシド(式18)が生成する。14β-メチルマルクホルチンAは、デヒドロキシル化によって14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンAから調製できる。従って、14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンAは、塩基存在下、クロロチオノギ酸フェニルによって処理する。この14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンAのチオノギ酸誘導体は水素化トリブチルスズによって還元され、14β-メチルマルクホルチンAを生成する。
【0078】
別法として、14α-ヒドロキシマルクホルチンAはマルクホルチンAから合成できる(チャートM)。マルクホルチンAを、テトラヒドロフラン水溶液中、炭酸水素ナトリウムおよびヨウ素によって処理すると、17-ケトマルクホルチンA(式7)を生成し、これはLDAおよびジフェニルジスルフィドを用いてジスルフェニル化でき、16-ジチオフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式20、チャートM)が、マルクホルチンAから収率60%で得られる。m-クロロ過安息香酸によって酸化すると、16-チオフェニル-16-スルホキシフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式21)が生成され、これはトルエン還流中、脱離して、15,16-デヒドロ-16-チオフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式22)が生成される。次に、m-クロロ過安息香酸によって処理すると、15,16-デヒドロ-16-スルホキシフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式23)が生成し、これはメタノール中ジエチルアミンを用いることにより、転位を受けて15,16-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)を生成する。
【0079】
14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(式35、チャートN)は15,16-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式9a、チャートN)から合成できる。従って、15,16-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)は、臭化メチルマグネシウムまたはジメチル銅リチウムのいずれかによって還元され、15α-メチル-14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式34)を生成する。これは、ホウ素−ジメチルスルフィド複合体により処理されて15α-メチル-14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式35)を生成する。15α-メチル-14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式34)は塩化オキサリルおよびDMSOを用いたスウェルン酸化によって変換され、15α-メチル-14,17-ジケトマルクホルチンA(式36)を生成する。グリニャール反応において、臭化メチルマグネシウムによって処理すると、15α-メチル-14α-ヒドロキシ-14β-メチル-17-ケトマルクホルチンA(式37)が生成するが、これは、ボラン−ジメチルスルフィド錯体により還元されて、15α-メチル-14α-ヒドロキシ-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(式38)が生成する。
【0080】
これら前述の方法は14-置換のマルクホルチンB,CおよびD誘導体を生成するのにも利用できる。
【0081】
調製例1 ジアステレオマー混合物としての16-ヨード-17-シアノマルクホルチンA(式5)
固体のヨウ化シアン(11.7g、76.5mmol)をマルクホルチンA(10.5g、22mmol)のクロロホルム溶液(150L)に添加し、次いでマルクホルチンAが完全に消費されるまで反応混合物を還流下に加熱する(約5時間)。得られた黒色の溶液を20-25℃まで冷却し、CHCl(100mL)で希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、次いで、NaSO溶液で洗浄する。有機層を分離し、MgSOによって乾燥し、次いで濃縮乾固する。得られた粗固体をシリカゲルクロマトグラフィーに付して(3:2-EtOAc:ヘキサン)、白色の粉末固体として16-ヨード-17-シアノマルクホルチンA(12.5g、90%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。
【0082】
調製例2 16,17-デヒドロ-17-シアノマルクホルチンA(式6)
16-ヨード-17-シアノマルクホルチンA(9.5g、15mmol)をMeOH(150mL)に溶解し、KOH水溶液(45%、3mL)を添加する。反応混合物を20-25℃にて2時間撹拌する。水を添加し、次いで得られた白色の沈殿物を濾過により集め、水洗し、次いで真空下、1晩乾燥して、16,17-デヒドロ-17-シアノマルクホルチンA(6.6g,75%)が白色粉末として得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。MS(FAB)M/Z[M+H]:501
【0083】
調製例3 17-ケトマルクホルチンA(式7)
二酸化セレン(2.9g、26mmol)を16,17-デヒドロ-17-シアノマルクホルチンA(6.0g、10mmol)の95%EtOH溶液(100ml)に添加し、次いで反応混合物を20-25℃にて2時間、撹拌する。飽和NaHCO(100mL)を添加することにより反応を停止する。得られた混合物をCHCl(2×200mL)で抽出する。抽出物は合わせ、乾燥し(MgSO)、次いで濃縮して、7gの粗生成物が得られる。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc)により精製し、白色固体として17-ケトマルクホルチンA(3.6g、75%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。MS(FAB)M/Z[M+H] C28H33NO+Hとして 計算値:492.2498;測定値:492.2478。
【0084】
別法として、かつより好ましくは、標題化合物はp-トルエンスルホン酸を用いて合成できる。従って、p-トルエンスルホン酸一水和物(1g)を16,17-デヒドロ-17-シアノマルクホルチンA(10g)の95%メタノール溶液(50mL)に添加し、次いで反応混合物を20-25℃にて1時間、撹拌する。トリエチルアミン(2mL)を混合物に添加し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣を10%炭酸ナトリウム水溶液(100mL)にて粉砕し、次いで固体を濾過し、乾燥すると固体として標題化合物が得られる(収率90%)。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。
【0085】
調製例4 15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式8)
リチウムジイソプロピルアミド溶液はn-ブチルリチウム(1.6M、9.9ml、15.4mmol)のヘキサン溶液およびジイソプロピルアミン(2.2mL、15.7mmol)から調製される。これを無水テトラヒドロフラン(THF、20mL)で希釈し、-78℃まで冷却する。17-ケトマルクホルチンA(2.0g、4.1mmol)の無水THF溶液(20mL)を滴下し、反応混合物を-40℃まで1時間温度上昇させる。混合物を再び、-78℃まで冷却し、次いで塩化フェニルセレニル(19mg、5.2mmol)のTHF溶液(10mL)で滴下処理する。5分後、反応を飽和NaHCOにより停止し、CHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、次いで濃縮して黄色固体が得られ、これはさらに精製することなく用いることができる。この物質をTHF(150mL)に溶解し、次いでHO(30%、1.5mL)で0℃にて処理する。冷却浴を取り除き、次いで反応混合物を20-25℃にて30分間撹拌する。NaOH(1N、100mL)を添加することによって反応を停止させる。混合物をCHCl(2×200mL)で抽出する。抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO)、次いで濃縮して、粗生成物が得られる。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc)により精製し、白色固体として、15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(1.3g、65%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認される。MS(FAB)M/Z[M+H] C28H31NO+Hとして 計算値:490.2342;測定値:490.2345。
【0086】
調製例5 オキサジリジン(oxaziridine)化学を用いた14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)
ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムのトルエン溶液(0.5M、1mL、0.5mmol)を15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(66mg、0.14mol)のTHF溶液(2mL)に-78℃にて滴下する。得られた薄黄色の混濁溶液を-40℃まで1時間加温されておく。反応混合物を-78℃まで冷却し、15分撹拌し、次いで、2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(42mg、0.16mmol)のTHF溶液(2mL)を滴下して添加することによって処理する。混合物を5分撹拌し、しかる後、NaHCOにより反応を停止する。混合物をCHCl(2×25mL)で抽出する。抽出物を合わし、乾燥し(MgSO)、次いで濃縮して、粗生成物を得る。これを分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)により精製して、白色固体として、14α-ヒドロキシ15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(8mg、12%)が得られる。構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H31NO+Hとして 計算値:506.2291;測定値:506.2280。14,15-デヒドロ-16-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(14mg,20%)もまた、層から得られる。その構造は核磁気共鳴分光から確認できる。
【0087】
調製例6 二酸化セレンを用いた14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)、15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(式11)および14,15-デヒドロ-16,17-ジケトマルクホルチンA(式24)
15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(1.29g、2.6mmol)をp-ジオキサン(30mL)に溶解し、二酸化セレン(390mg)で処理する。混合物を1時間還流し、真空で溶媒を蒸発させる。残渣を塩化メチレン(30mL)でトリチュレートし、次いで濾過する。濾液を濃縮し、次いで残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:EtOAc)にかけて、固体として14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(430mg,32%)が得られる。15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(式11、212mg,16%)もまた、クロマトグラフィーから得られる。14,15-デヒドロ-16,17-ジケトマルクホルチンA(式24、106mg、8%)もまた、クロマトグラフィーから得られる。これら生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。
【0088】
調製例7 15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(式11)
14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(60mg、式9a)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、次いで二酸化マンガン(60mg)で処理する。混合物を20-25℃にて1時間撹拌し、次いで濃縮する。シリカゲル上残渣の分取用薄層クロマトグラフィー(50%ジクロロメタン-EtOAc)によって、15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(式11、35mg,60%)が得られた。これら生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。
【0089】
調製例8 14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10)
14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(20mg,0.040mmol0)をTHF(5mL)に溶解し、次いで水素化リチウムアルミニウム(1M、0.11mL、0.11mmol)のTHF溶液で0℃にて処理する。混合物を0℃にて0.5時間撹拌した後、NaHCO溶液(10%)を添加する。混合物をCHCl(2×10mL)で抽出する。抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO)、 次いで減圧下、溶媒を除去する。シリカゲル上残渣の分取用薄層クロマトグラフィー(10%MeOH-EtOAc溶液)により標題化合物が得られる。HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値=494.2655;測定値=494.2653。
【0090】
調製例9 14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式12a)
14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a、50mg、0.1mmol)をTHF(5mL)に溶解し、次いでトリエチル水素化ホウ素リチウム(1M、0.7mL)のTHF溶液で-78℃にて処理する。混合物を-78℃にて0.5時間撹拌する。MeOH(1mL)を添加することにより反応を停止し、次いで混合物を濃縮する。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)にかけ、白色固体として14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(43mg、 86%)が得られる。構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H33NO+Hとして 計算値:508.2447;測定値:508.2437。
【0091】
調製例10 15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(式11)からの14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式12a)の調製
15,16-デヒドロ-14,17-ジケトマルクホルチンA(470mg,0.93mmol)をTHFに溶解し、水素化ホウ素リチウムのTHF溶液(1M、2mL)で室温にて処理する。混合物を2時間撹拌した後、NaHCO溶液(10%)を添加する。混合物をCHCl(2×20mL)で抽出する。抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO)、次いで溶媒を蒸発させる。残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:EtOAc)によって容易に分離される2つのエピマー:14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(90mg,19%)および14β-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(94mg,20%)を含有する。両生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。
【0092】
調製例11 14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(式12a)からの14α-ヒドロキシマルクホルチンA(式10)の調製
14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(413mg、0.81mmol)をTHF(20mL)に溶解し、次いでボランTHF錯体のTHF溶液(1M、2.43mL)で0℃にて処理する。混合物を2.25時間撹拌する。混合物を0.5時間撹拌した後、MeOH(3mL)を添加する。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:16MeOH:EtOAc)にかけ、14α-ヒドロキシマルクホルチンA(250mg、回収された出発物質を基にして収率92%)および14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(出発物質、140mg、34%)が得られる。
【0093】
調製例12 14,17-ジケトマルクホルチンA(式13)
塩化オキサリル(40μL)の無水CHCl溶液(5mL)をジメチルスルホキシド(45μL)で-78℃にて処理する。混合物を-78℃にて1時間撹拌する。14α-ヒドロキシ-17-ケトマルクホルチンA(27mg)のCHCl溶液(2mL)を滴下する。反応混合物を-78℃にて20分撹拌する。トリエチルアミン(0.3mL)を反応混合物に添加し、20分間室温まで加温させる。混合物を10%NaCO(10mL)およびCHCl(10mL)間に分配する。有機層を乾燥し(MgSO)、次いで濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)にかけ、白色固体として、14,17-ジケトマルクホルチンA(22mg、80%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H31N+Hとして: 計算値506.2291;測定値:506.2280。
【0094】
調製例13 14α-ヒドロキシ-14β-メチル-17-ケトマルクホルチンA(式14a)
-78℃の14,17-ジケトマルクホルチンA(16mg、0.032mmol)のCHCl溶液(5mL)を、臭化メチルマグネシウム(3M、0.16mL、0.48mmol)のEtO溶液で-78℃にて処理する。得られた混合物を-78℃にて0.5時間撹拌する。10%NaCO(2-3滴)を添加することにより反応を停止させる。混合物をCHCl(10mL)で希釈し、乾燥し(MgSO)、濃縮すた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)にかけ、白色固体として、14α-ヒドロキシ-14β-メチル-17-ケトマルクホルチンA(8mg、50%、Rf=0.25)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C29H35NO+Hとして 計算値:522.2604;測定値:522.2620。層から得られたものには、白色固体として14β-ヒドロキシ-14α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(1.2mg、7%、Rf=0.4)もある。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C29H35NO+Hとして 計算値:522.2604;測定値:522.2630。従って、反応溶媒としてCHClの代わりにTHFが用いられた場合には、得られた生成物の6:1の比は50:1以上に増加し、次いで収率が80%まで増加した。
【0095】
調製例14 14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(式15)
14α-ヒドロキシ-14β-メチル-17-ケトマルクホルチンA(5mg,0.01mmol)のTHF溶液(5mL)を0℃にて水素化リチウムアルミニウム(1M、0.03mL、0.03mmol)で処理する。混合物を0℃にて0.5時間撹拌した後、10%NaHCO溶液を添加する。混合物をCHCl(2×5mL)で抽出rる。抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO)、次いで溶媒を蒸発させる。シリカゲル上残渣の分取用薄層クロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)により14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(2mg,40%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C29H37NO+Hとして 計算値:508.2811;測定値:508.2816。
【0096】
調製例15 14-ケトマルクホルチンA(式16)
塩化オキサリル(150μL)の無水CHCl溶液(20mL)をDMSO(170μL)で-78℃にて処理する。混合物を-78℃にて1時間撹拌する。14α-ヒドロキシマルクホルチンA(110mg)のCHCl溶液(5mL)を滴下する。反応混合物を-78℃にて20分撹拌する。トリエチルアミン(1mL)を反応混合物に添加し、20分間室温まで加温させる。混合物を10%NaCO(20mL)およびCHCl(20mL)間に分配する。有機層を乾燥し(MgSO)、次いで濃縮する。残渣はシリカゲルクロマトグラフィー(1:25 MeOH:CHCl)にかけ、白色固体として、14-ケトマルクホルチンA(82mg、75%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] CH33NO+H 計算値:492.2498;測定値:492.2510。
【0097】
調製例16 14β-ヒドロキシマルクホルチンA(式17)
14-ケトマルクホルチンA(10mg)のメタノール溶液(2mL)を0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(5mg)で処理する。混合物を0℃にて0.5時間撹拌した後、NaHCO(10%)溶液を添加する。混合物をCHCl(2×10mL)で抽出する。抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO)、次いで溶媒を蒸発させる。シリカゲル上残渣の分取用薄層クロマトグラフィー(1:16 MeOH:EtOAc)により14β-ヒドロキシマルクホルチンA(5mg,50%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値:494.2655;測定値:494.2653。
【0098】
調製例17 14α-ヒドロキシマルクホルチンA N−オキシド(式18)
14α-ヒドロキシマルクホルチンA(15mg)のCHCl溶液(3mL)を、0℃にてm-クロロ過安息香酸(15mg)で処理する。混合物を0℃にて0.5時間撹拌した後、トリメチルアミン(30μL)で処理し、次いで濃縮する。シリカゲル上残渣の分取用薄層クロマトグラフィー(1:8 MeOH:CHCl)により14α-ヒドロキシマルクホルチンA N−オキシド(12mg,80%)が得られる。生成物の構造は質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値:510.2604;測定値:510.2615。
【0099】
調製例18 14α-ヒドロキシ-14β-エチルマルクホルチンA(式19)
14α-ケトマルクホルチンA(25mg、0.05mmol)のTHF溶液(5mL)を-78℃にて臭化エチルマグネシウムのEtO溶液(3M、0.15mL、0.45mmol)で処理する。得られた混合物を-78℃にて0.5時間撹拌する。反応混合物を20分間室温まで加温させる。10%NaCO溶液(2-3滴)を添加することにより反応を停止させる。混合物をCHCl(10mL)にて希釈し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)にかけ、白色固体として、14α-ヒドロキシ-14β-エチルマルクホルチンA(10mg、45%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C30H39NO+Hとして 計算値:522.2968;測定値:522.2983。
【0100】
調製例19 14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンAからの14β-メチルマルクホルチンAの調製
ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムのトルエン溶液(0.5M、1mL、0.5mmol)を14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(66mg、0.14mol)のTHF溶液(2mL)に-78℃にて滴下する。得られた薄黄色の混濁液体を-40℃まで1時間加温させておく。反応混合物を-78℃まで冷却し、15分撹拌し、次いで、クロロチノギ酸フェニル(0.094mL、0.7mmol)のTHF溶液(2mL)を滴下することによって処理する。10分後、ドライアイス浴を取り除く。さらに3時間の反応後、NaHCOにより反応を停止させる。混合物をCHCl(2×25mL)で抽出する。抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO)、次いで濃縮して粗物質が得られる。これを分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)により精製して、14α-O-フェノキシチオカルボニル-14β-メチルマルクホルチンAが得られる。14α-O-フェノキシチオカルボニル-14β-メチルマルクホルチンA(64mg,0.1mmol)のトルエン溶液(5mL)にAIBN(3.3mg)を添加し、続いて水素化トリブチルスズ(tributyltin hydride)(54μL、0.2mmol)を添加する。混合物を3時間還流する。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)により精製して、14β−メチルマルクホルチンAが得られる。構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。
【0101】
調製例20 17-ケトマルクホルチンA(式7)の別の合成
テトラヒドロフラン(THF、2L)および水(1.25L)中、還流中のマルクホルチンA(65g、0.136mol)および炭酸水素ナトリウムにヨウ素(206g,0.81mol)のTHF溶液(1.25l)を1時間にわたって添加する(別法として、混合物を室温にて16時間撹拌することができる)。室温までゆっくり冷却しておいた後(2.5時間)、飽和チオ硫酸ナトリウム(NaSO、1.5L)にて反応を停止させ、次いで酢酸エチルで抽出す(2×1L)。合わせた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム(1L)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させ、次いで一晩真空オーブン内(65℃)で乾燥して、黄色固体として62gの粗17-ケトマルクホルチンA(式7)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.68(s,1H)、6.80(d,1H)、6.70(d,1H)、6.32(d,1H)、4.90(d,1H)、3.75(q,2H)、3.23(t,1H)、3.09(s,3H)、2.80(d,1H)、2.65(d,1H)、2.49-2.21(m,2H)、2.08(d,1H)、1.98-1.45(m,5H)、1.46(s,3H)、1.44(s,3H)、1.09(s,3H)、0.90(s,3H)。
別法として、ヨウ素の代わりにIClを使用できる。
【0102】
調製例21 16-ジチオフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式20)
粗17-ケトマルクホルチンA(5g、10.2mmol)をTHF溶液中-78℃にてカニューレから、n-BuLi(1.6M、24.8mL、0.04mmol)を0℃にて滴下してジイソプロピルアミン(5.7mL、0.041mol)のTHF溶液に添加することによって調製されたLDA溶液に添加する。反応混合物をゆっくりと1時間にわたって-50℃まで加温させておく。次いで、得られた混濁赤茶色混合物をジフェニルジスルフィド(4.4g、0.02mol)で処理する。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)で即座に反応を停止させ、次いでジクロロメタン(CHCl、300mL)で抽出する。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮し(8g)、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(120g、溶出液として60%酢酸エチル/ヘキサン)、わずかに灰色がかった白色の固体として標題化合物(4.4g、マルクホルチンAより61%)を生成した。 FAB−MS 708(M+H);H NMR(300MHz、CDCl)δ7.74(s,1H)、7.71(d,2H)、7.64(d,2H)、7.45-7.30(m,6H)、6.81(d,1H)、6.72(d,1H)、6.32(d,1H)、4.91(d,1H)、3.70(q,2H)、3.16(t,1H)、3.01(s,3H)、2.75(d,1H)、2.53(dt,1H)、2.35(dt,1H)、2.15-1.50(m,5H)、1.47(s,3H)、1.45(s,3H)、1.06(s,3H)、0.82(s,3H)。
【0103】
調製例22 16-チオフェニル-16-スルホキシフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式21)
-78℃にて窒素雰囲気下、16-ジチオフェニル-17-ケトマルクホルチンA(10g、14mmol)のCHCl溶液(250mL)へ15分間m-クロロ過安息香酸(m-CPBA、64%、4.2g、15.5mmol)のCHCl溶液(200mL)を15分間滴下する。反応は即座に飽和チオ硫酸ナトリウム(200mL)で停止され、飽和NaHCO(200mL)で希釈し、次いでCHCl(200mL)中に抽出される。乾燥(MgSO)後、減圧下で濃縮することにより、11gの粗16-チオフェニル-16-スルホキシフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式21)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl)δ8.0-7.29(m,11H)、6.80(d,1H)、6.70(d,1H)、6.31(d,1H)、4.90(d,1H)、3.68(d,1H)、3.41(d,1H)、3.14(t,1H)、3.07(s,3H)、2.82(dt,1H)、2.80-2.65(m,2H)、2.16(dt,1H)、2.05-1.1(m,4H)、1.47(s,3H)、1.43(s,3H)、0.96(s,3H)、0.83(s,3H)。
【0104】
調製例23 16-チオフェニル-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA式22)
粗16-チオフェニル-16-スルホキシフェニル-17-ケトマルクホルチンA(式21、11g)をトルエン(250mL)中45分間還流し、室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(300mL)で希釈し、次いでEtOAc(300mL)で抽出する。有機層を乾燥(MgSO)し、次いで濃縮して10.6gの粗16-チオフェニル-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式22)が得られる。FAB−MS 598(M+H); HRMSM/Z(M+H、C34H35NOS+H) 計算値598.2376、測定値598.2387。H NMR(300MHz、CDCl)8.18(s,1H)、7.55-7.45(m,2H)、7.29-7.45(m,3H)、6.83(d,1H)、6.70(d,1H)、6.34(d,1H)、5.92(dt,1H)、4.91(d,1H)、3.87(q,2H)、3.30(dd,1H)、3.21(t,1H)、3.08(s,3H)、2.80(d,1H)、2.35(dd,1H)、2.10(d,1H)、2.03(dd,1H)、1.78(dd,1H)、1.46(s,3H)、1.44(s,3H)、1.11(s,3H)、0.88(s,3H)。
【0105】
調製例24 16-スルホキシフェニル-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式23)
粗16-チオフェニル-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式22、10.6g)のジクロロメタン溶液(300mL)を-78℃にて、CHCl溶液(125mL)中、m-CPBA(64%、2.8g)に滴下する。飽和チオ硫酸ナトリウム(300mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(300mL)で反応を停止させ、次いで、ジクロロメタン(300mL)中に抽出する。有機層を乾燥(MgSO)し、濾過し、次いで濃縮して13gの粗16-スルホキシフェニル-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式23)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl)7.75-7.3(m,5H)、6.81(s,1H)、6.75-6.6(m,2H)、6.31(d,1H)、4.90(d,1H)、3.78-3.58(m,2H)、3.22(t,1H)、2.98(s,3H)、2.88-2.45(m,2H)、2.12-1.55(m,5H)、1.46(s,3H)、1.44(s,3H)、1.12(s,3H)、0.88(s,3H)。
【0106】
調製例25 14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a)
粗16-スルホキシフェニル-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式23、13g)のMeOH水溶液(10/1、300mL)へジエチルアミン(15mL)を添加する。0.5時間還流後、反応混合物を室温まで冷却し、水(450mL)で希釈し、次いでCHCl溶液(500mL)中に抽出するる。乾燥(MgSO)後、濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(130g,溶出液として30%アセトン/CHCl)にかけると、白色固体として、14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-ケトマルクホルチンA(式9a、3.6g、16-ジチオフェニル-17-ケトマルクホルチンAからの収率50%)が生成される。
【0107】
調製例26 14α-ヒドロキシ-14β-ビニルマルクホルチンA (式30)
-78℃の14-ケトマルクホルチンA(200mg、0.4mmol)のTHF溶液(5mL)を-78℃にて臭化ビニルマグネシウム(1M、4.0mL、4mmol)のTHF溶液で処理する。得られた混合物を-78℃にて2時間撹拌し、次いで室温まで加温する。それを室温にて2時間撹拌する。10%NaCO溶液を添加することにより反応を停止させる。混合物をCHCl(30mL)で希釈し、乾燥し(MgSO)、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(6:4 ヘキサン:アセトン)にかけ、白色固体として14α-ヒドロキシ-14β-ビニルマルクホルチンA(120mg,60%、Rf=0.45)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl)δ7.86(s,NH)、6.78&6.67(d,J=8.1Hz,C-H&C-H)、6.32(d,J=7.7Hz,C24-H)、6.58(dd,J=17.4,10.9Hz,1H,ビニル)、5.43(d,J=17.4Hz,1H,ビニル)、5.18(d,J=10.9Hz,1H,ビニル)、4.89(d,J=7.7Hz,C25-H)、3.7(br,1H)、3.11(s,3H,N-Me)、2.95(t,1H,C20-H)、2.8-1.5(m,12H)、1.44(s,6H,C27-H&C28-H)、1.08(s,3H)、0.82(s,3H)。MS(FAB)M/Z[M+H]:520。
【0108】
調製例27 14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA N−オキシド(式32)
14α-ヒドロキシマルクホルチンA(30mg)のCHCl溶液(3mL)を、0℃にてm-クロロ過安息香酸(20mg)で処理する。混合物を0.5時間撹拌した後、5%炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)およびジクロロメタン(20mL)間に分配する。層を分離し、次いで水層をジクロロメタン(10mL)で抽出する。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで0℃にて真空下で蒸発させ、トリエチルアミン(30μL)で処理し、次いで濃縮して標題化合物が固体として得られる(20mg)。H NMR(300MHz、CDOD)δ6.91&6.70(d,J=8.1Hz,C-H&C-H)、6.36(d,J=7.7Hz,C24-H)、4.91(d,J=7.7Hz,C25-H)、4.08&3.76(AB q,J=12.9Hz,2H, C12-H)、3.5-3.1(m,4H)、3.12(s,3H,N-Me)、2.8-1.6(m,7H)、1.46&1.44(2s,6H,C27-H&C28-H)、1.50(s,3H, C14-Me)、1.20(s,3H)、0.93(s,3H)。
【0109】
調製例28 14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(式35)
14α-ヒドロキシ-15α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(90mg、0.18mmol)をTHF溶液(10mL)に溶解させ、0℃にてボランジメチルスルフィド錯体(12M、0.18mL)で処理する。混合物を0℃にて2時間撹拌し、次いでMeOH(0.4mL)を添加し、次いでさらに1時間撹拌する。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30:70 アセトン:ジクロロメタン)にかけて、14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(20mg)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl)δ8.39(s,NH)、6.79&6.70(d,J=8.1Hz,C-H&C-H)、6.36(d,J=7.7Hz,C24-H)、4.91(d,J=7.7Hz,C25-H)、3.81(br,1H, C14-H)、3.67(d,1H,J=11.7Hz,C12-H)、3.03(t, 1H,C20-H)、3.11(s,3H,N-Me)、2.68&1.86(d,2H,J=15.7Hz,C10-H)、2.7-1.2(m,8H)、1.44(2s,6H,C27-H&C28-H)、1.02(d,3H, J=6.8Hz,C15-Me)、1.11(s,3H)、0.85(s,3H)。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C29HNOとして 計算値:508.2811;測定値:508.2840。
【0110】
調製例29 14,17-ジケト-15α-メチルマルクホルチンA(式36)
塩化オキサリル(40μL)の無水CHCl溶液(5mL)をDMSO(45μL)で-78℃にて処理する。混合物を-78℃にて1時間撹拌する。14α-ヒドロキシ-15α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(27mg)のCHCl溶液(2mL)を滴下する。反応混合物を-78℃にて20分撹拌する。トリエチルアミン(0.3mL)を反応混合物に添加し、20分間室温まで加温させる。混合物を10%NaCO(10mL)およびCHCl(10mL)間に分配する。有機層を乾燥し(MgSO)、次いで濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:20 MeOH:CHCl)にかけて、白色固体として14,17-ジケトマルクホルチンA(22mg、80%)が得られる。生成物の構造は核磁気共鳴分光および質量分析によって確認できる。HRMS(FAB)M/Z[M+H] C28H31NO+Hとして 計算値506.2291;測定値:506.2280。
【0111】
調製例30 14α-ヒドロキシ-14β-メチル-15α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(式35)
-78℃の14,17-ジケト-15α-メチルマルクホルチンA(25mg、0.05mmol)のCHCl溶液(5mL)を、臭化メチルマグネシウム(3M、0.2mL、0.6mmol)のEtO溶液で-78℃にて処理する。得られた混合物を-78℃にて0.5時間撹拌する。10%NaCO(2-3滴)を添加することにより反応を停止させる。混合物をCHCl(10mL)で希釈し、乾燥し(MgSO)、次いで濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:25 MeOH:CHCl)にかけ、白色固体として14α-ヒドロキシ-14β-メチル-15α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(16mg、62%)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl)δ8.13(s,1H)、6.78(d,1H)、6.70(d,1H)、6.33(d,1H)、4.91(d,1H)、3.75(q,2H)、3.16(t,1H)、3.05(s,3H)、2.78(d,1H)、2.68-2.57(m,1H)、2.42-2.0(m,6H)、1.64(s,3H)、1.45(s,3H)、1.44(s,3H)、1.11(s,3H)、1.04(d,3H)、0.92(d,3H)。
【0112】
調製例31 14α-ヒドロキシ-14β-メチル-15α-メチルマルクホルチンA(式38)
14α-ヒドロキシ-14β-メチル-15α-メチル-17-ケトマルクホルチンA(15mg、0.028mmol)をTHF溶液(10mL)に溶解させ、0℃にてボランジメチルスルフィド錯体(10M、0.02mL)で処理する。混合物を0℃にて2時間撹拌し、次いでMeOH(0.4mL)を添加し、次いでさらに1時間撹拌する。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30:70 アセトン:ジクロロメタン)にかけると、固体として14α-ヒドロキシ-14β-メチル-15α-メチルマルクホルチンA(4mg、29%)が得られる。H NMR(300MHz、CDCl)δ7.82(s,1H)、6.79(d,1H)、6.67(d,1H)、6.33(d,1H)、4.90(d,1H)、3.65(d,1H)、3.09(s,3H)、2.98(t,1H)、2.69(d,1H)、2.60-2.22(m,7H)、2.06(dd,1H)、1.87(d.1H)、1.85-1.75(m,1H)、1.44(s,6H)、1.43(s,3H)、1.10(s,3H)、0.94(d,3H)、0.86(s,3H)。
【0113】
実施例1 15α-エチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA(II)
0℃のヨウ化銅(I)(0.18g、0.95mmol)のTHF溶液(10mL)へ臭化エチルマグネシウム(THF溶液で1M、2mL、2mmol)を滴下する。0℃にて0.25時間撹拌した後、反応を0℃にて、14α-ヒドロキシ-15,16-デヒドロ-17-オキソマルクホルチンA (I、0.1g、0.2mmol)のTHF溶液(5mL)で滴下処理する。反応混合物を塩化アンモニウム(飽和、25mL)で1時間後にクエンチし、次いで酢酸エチル(2×25mL)中に抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下濃縮して残渣を得る。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(4/96))にかけて、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl) 7.75、6.80、6.70、6.32、4.91、4.66、3.75、3.20、3.06、2.79、2.09、2.40-1.45、1.48、1.44、1.11、1.02および0.90δ;MS(FAB、M/Z)[M+H]=536。
【0114】
実施例2 15α-エチル-14α-ヒドロキシマルクホルチンA(III)
15α-エチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA(I、実施例1、40mg、0.075mmol)をTHF(5mL)に溶解し、次いで0℃にてボランジメチルスルフィド錯体(10M、0.08mL、0.8mmol)で処理する。反応を0℃にて1時間撹拌し、メタノール(0.2mL)で停止させ、次いでさらに0.25時間20-25℃にて撹拌する。溶媒を除去した後、クロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン4/96))にかけられた残渣から標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl) 7.85、6.80、6.67、6.33、4.90、3.92、3.67、3.10、3.01、2.69、1.87、2.65-1.20、1.45、1.44、1.12、0.97および0.88δ;HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C30H39NO+Hとして 計算値=522.2968、測定値=522.2958。
【0115】
実施例3 14α-ヒドロキシ-15α-ビニル-17-オキソマルクホルチンA(IV)
臭化エチルマグネシウムの代わりに臭化ビニルマグネシウム(THF溶液で1M、39.5mL、0.04mmol)を用いる以外は実施例1の一般的な方法に従い、重要ではない変形を行って、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.69、6.80、6.71、6.32、4.91、6.11-5.95、5.32-5.20、4.50、3.21、3.08、3.07-3.0、2.80、2.10、2.66、2.32、2.20-1.80、1.46、1.44、1.11および0.89δ
【0116】
実施例4 14α-ヒドロキシ-15α-(1',2'-ジヒドロキシエチル)-17-オキソマルクホルチンA(V)
四酸化オスミウムの2-メチル-2-プロパノール溶液(2.5/97.5)(1.9mL)、4-メチルモルホリンN-オキシド(1.9g、0.016mol)および14α-ヒドロキシ-15α-ビニル-17-オキソマルクホルチンA(IV、実施例3、1.9g、0.0035mol)をアセトン/水(9/1、100mL)中で合わせ、20-25℃にて2時間撹拌する。反応を水(200mL)および塩化メチレン(250mL)間に分配する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、次いで減圧下濃縮して残渣を得る。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(10/90))にかけて、標題化合物が得られる。HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C30H37NO+Hとして 計算値=568.2659、測定値=568.2670。
【0117】
実施例5 14α-ヒドロキシ-15α-ヒドロキシメチル-17-オキソマルクホルチンA(VI)
0℃の14α-ヒドロキシ-15α-(1',2'-ジヒドロキシエチル)-17-オキソマルクホルチンA(V、実施例4、1g、1.8mmol)のエタノール溶液(100mL)に、過ヨウ素酸ナトリウム(水40mL中、0.68g)を滴下する。0℃にて10分撹拌後、水素化ホウ素ナトリウムを添加し、次いで得られた混合物を0℃にてさらに10分撹拌する。反応混合物を生理食塩水(150mL)でクエンチし、次いでジクロロメタン(200mL)中に抽出する。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下濃縮して得られた残留物をクロマトグラフ(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(5/95))にかけると標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.73、6.81、8.71、6.32、4.92、4.72、4.06、3.83、3.76、3.21、3.06、2.90-2.30、2.80、2.10、2.22、2.01、1.46、1.44、1.12および0.89δ;MS(FAB、M/Z)[M+H]=538。
【0118】
実施例6 15α-フルオロメチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA(VII)
14α-ヒドロキシ-15α-ヒドロキシメチル-17-オキソマルクホルチンA(VI、実施例5、0.06g、0.1mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中、1M、0.66mL、0.66mmol)およびp-トルエンスルホニルフルオリド(0.075g、0.43mol)を合わし、THF(10mL)中で0.5時間還流する。混合物を冷却し、次いで濃縮する。濃縮物をクロマトグラフ(シリカゲル)にかけ、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.93、6.80、6.70、6.32、4.90、4.80-4.50、4.67、3.75、3.21、3.06、2.78、2.15、2.70-1.50、1.46、1.44、1.12および0.89δ。
【0119】
実施例7 15α-フルオロメチル-14α-ヒドロキシマルクホルチンA(VII)
15α-フルオロメチル-14α-ヒドロキシ-17-オキソマルクホルチンA(VII、実施例6、15mg、0.027mmol)をTHF(5mL)に溶解し、次いで0℃にてボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M、0.15mL、0.15mmol)で処理する。混合物を0℃にて1.5時間撹拌し、次いでメタノール(0.75mL)でクエンチし、次いで20-25℃にてさらに0.25時間撹拌する。溶媒を除去して残渣を得る。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(5/95))にかけて、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.57、6.80、6.68、4.90、4.75-4.30、4.09、4.80、3.50、3.12、3.05、2.70、1.88、2.80-1.40、1.45、1.44、1.12および0.86δ。HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C29H36FNO+Hとして 計算値=526.2717、測定値=526.2727。
【0120】
実施例8 14,15-デヒドロ-15-メチルマルクホルチンA(IX)
ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST、0.15mL、1.1mmol)を20-25℃にて、ジクロロメタン(15mL)に溶解された14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(III、n1=0、0.2g、0.39mmol)に滴下する。5分撹拌後、反応混合物を水(25mL)およびジクロロメタン(25mL)間に分配する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮し、次いでクロマトグラフ(シリカゲル)にかけると、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.67、6.81、6.68、6.33、4.90、5.46、3.66、3.14、3.10、2.70、1.88、2.75-2.54、2.30、1.92、1.78、1.46、1.44、1.12および0.86δ。
【0121】
実施例9 14,15-デヒドロ-16α-ヒドロキシ-15-メチルマルクホルチンA(X)
二酸化セレン(8mg、0.07mmol)および14,15-デヒドロ-15-メチルマルクホルチンA(IX、実施例8、30mg、0.06mmol)をp-ジオキサン中、1.5時間還流する。減圧下、濃縮後、クロマトグラフィー(シリカゲル)にかけると、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.60、6.81、6.69、6.32、4.90、5.55、3.75、2.53、3.67、3.14、3.10、2.88-2.70、2.30、1.90、1.95-1.50、1.46、1.45、1.11および0.87δ;MS(FAB、M/Z)[M+H]=506。
【0122】
実施例10 14α-ヒドロキシ-16,17-ジオキソ-15α-メチルマルクホルチンA(XI)
14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(III、100mg)をジオキサン/水(3/1:20mL)に溶解し、次いで炭素上白金(10%、1g)で処理する。得られた混合物を酸素下に置かれ(バルーンを用いて)、20-25℃にて16時間撹拌する。触媒を濾過により除去した後、溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)およびジクロロメタン間に分配する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで濃縮する。濃縮物をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(5/95))にかける。適当な画分を貯留し、次いで濃縮して、4つの化合物が得られる。(1)14α-ヒドロキシ-16,17-ジオキソ-15α-メチルマルクホルチンA NMR(400MHz、CDCl)8.35、6.82、6.71、6.32、4.90、4.53、3.90、3.76、3.4-3.3、3.26、3.00、2.80、2.14、2.20、1.98、1.45、1.43、1.31、1.12および0.86δ;HRMS(FAB、M/Z)[M+H] CHNO+Hとして 計算値=536.2397、測定値=536.2392;(2)14α-ヒドロキシ-16-オキソ-15α-メチルパラヘルクアミドB;NMR(400MHz、CDCl)7.81、6.82、6.72、6.33、4.91、4.94、3.73、3.53、3.4-3.3、3.26、3.06、2.82、2.04、2.9-2.8、1.9-2.1、1.46、1.44、1.27、1.11および0.88δ;HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C28H33NO+Hとして 計算値=508.2447、測定値=508.2453。(3)14α-ヒドロキシ-17-オキソ-15α-メチルマルクホルチンA、NMR(400MHz、CDCl)7.89、6.80、6.71、6.32、4.91、4.35、3.65、3.20、3.06、2.79、2.09、1.9-2.5、1.46、1.44、1.13、1.12および0.88δ;(4)14α-ヒドロキシ-16-ヒドロキシ-17-オキソ-15α-メチルマルクホルチンA HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C29H35NO+Hとして 計算値=538.2553、測定値=538.2544。
【0123】
実施例11 14α-ヒドロキシ-16-オキソ-15α-メチルマルクホルチンA(XII)
14α-ヒドロキシ-16,17-ジオキソ-15α-メチルマルクホルチンA(XI,実施例10)をジクロロメタン溶液(5mL)に溶解させ、次いでm-クロロ過安息香酸(純度65%、30mg)で処理する。得られた混合物を20-25℃にて1.5時間撹拌する。混合物をジクロロメタン(20mL)および炭酸カリウム(10%水溶液、20mL)間に分配する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで濃縮する。濃縮物をクロマトグラフに(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(5/95))にかけると、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.81、6.82、6.72、6.33、4.91、4.94、3.73、3.53、3.4-3.3、3.26、3.06、2.82、2.04、2.9-2.8、1.9-2.1、1.46、1.44、1.27、1.11および0.88δ。
【0124】
実施例12 14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(XIII)
-60℃の水素化リチウムアルミニウム(1M、THF溶液、0.21mL)のTHF溶液(10mL)を塩化アルミニウム(15mg、3回)で処理する。混合物を撹拌し、次いで-25℃まで加温し、次いで14α-ヒドロキシ-16-オキソ-15α-メチルパラヘルクアミドB(XII、実施例11)をゆっくり添加する(20mg,THF中、2mL)。混合物を-25℃にて20分間撹拌する。メタノール(0.8mL)、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(50mg)を混合物に添加する。得られた混合物を20-25℃まで加温し、次いで濃縮する。濃縮物をジクロロメタン(20mL)および炭酸カリウム(10%水溶液、20mL)間に分配する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥され、次いで濃縮する。濃縮物をクロマトグラフ(シリカゲル;アセトン/ヘキサン(40/60))にかけると、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.56、6.82、6.69、6.32、4.90、4.42、3.64、2.62、3.08、3.04、2.9-1.5、1.46、1.45、1.12、1.08および0.86δ;HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値=494.2662、測定値=494.2655。
【0125】
実施例13 16,17-ジオキソマルクホルチンA(XV)、16-オキソパラヘルクアミドB(XVI)、15-ヒドロキシ-16-オキソパラヘルクアミドB、15,16-ジオキソパラヘルクアミドB
マルクホルチンA(XIV、1.1g、2.3mmol)をジオキサン/水(3/1、150mL)に溶解し、次いで炭素上白金(10%、10g)で処理する。得られた混合物を酸素雰囲気下で(酸素バルーン)20-25℃にて48時間撹拌する。触媒を濾過によって除去し、次いで得られた混合物をジクロロメタンおよび水間に分配する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、次いで減圧下で蒸発させて残渣を得る。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル;アセトン/塩化メチレン、30/70)にかけて、以下のものが得られる。(1)16,17-ジオキソマルクホルチンA NMR(400MHz、CDCl)7.69、6.81、6.74、6.32、4.92、3.95、3.80、3.32、3.15、3.14-2.70、2.19-1.86、1.47、1.45、1.12および0.88δ;(2)16-オキソパラヘルクアミドB、NMR(400MHz、CDCl)7.81、6.80、6.71、6.32、4.91、3.74、3.52、3.29、3.08、3.0-2.85、2.80、2.00、2.55-2.49、2.08-1.75、1.46、1.44、1.10および0.88δ;HRMS(FAB、M/Z[M+H] C27H31NO+Hとして 計算値=478.2342、測定値=478.2384;(3)15-ヒドロキシ-16-オキソパラヘルクアミドB、ジアステレオマーによりNMRは複雑である。HRMS(FAB、M/Z[M+H] C27H31NO+Hとして 計算値=494.2291、測定値=494.2292;(4)15,16-ジオキソパラヘルクアミドB、NMR(400MHz、CDCl)7.60、6.83、6.74、6.32、4.92、4.12、3.84-3.70、3.46、3.14、2.89、2.13、2.50、2.25、1.95、1.47、1.45、1.11および0.90δ;HRMS(FAB、M/Z[M+H]) C27H29NO+Hとして 計算値=492.2134、測定値=492.2141。
【0126】
実施例14 14、15-デヒドロ-16-オキソパラヘルクアミドB(XVII)
THF(4mL)中、n-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、1.2mmol、0.78mL)およびジイソプロピルアミン(1.3mmol、0.17mL)より調製されるリチウムジイソプロピルアミドの混合物を-60゜まで冷却する。16-オキソパラヘルクアミドB(XVI、実施例13、0.15g、0.3mmol)のTHF溶液(1.5mL)を滴下し、次いで反応混合物を-20゜まで0.25時間加温した。混合物を塩化フェニルセレニル(0.075g、0.39mmol)のTHF溶液(1mL)で滴下処理し、それから5分後、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)にてクエンチする。反応混合物をジクロロメタン(30mL)中に抽出し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、次いで減圧下濃縮すると、さらなる精製なしで用いられる固体が得られる。この物質をTHF(8mL)に溶解し、次いで0゜にて過酸化水素(30%、0.12mL)で処理する。冷却槽を取り除き、次いで反応混合物を20-25゜にて0.25時間撹拌する。水酸化ナトリウム(1N、10mL)にて反応を停止させ、塩化メチレン(30mL)中に抽出し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、減圧下濃縮し、次いでクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール-塩化メチレン、5/95)にかけると、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)7.78、7.36、6.25、6.81、6.70、6.32、4.91、3.96、3.60、3.36、3.09、2.88、2.09、2.36、1.56、1.46、1.45、1.06および0.88δ;HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C27H29NO+Hとして 計算値=476.2185、測定値=476.2195。
【0127】
実施例15 14α-ヒドロキシ-15α-メチル-2-デスオキソマルクホルチンA(XXI)
0゜の14α-ヒドロキシ-15α-メチル-17-オキソマルクホルチンA(XIX、21g、0.04mol)のTHF溶液(1.3L)に、ボランジメチルスルフィド錯体(12M、40mL、0.48mol)を滴下する。得られた混合物を0゜にて2,5時間撹拌し、次いでゆっくりメタノール(50mL)を滴下することによりクエンチする。溶媒を減圧下除去し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、3/97)にかけると、14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンAおよび 14α-ヒドロキシ-15α-メチル-2-デソキソマルクホルチンAが得られる。後者のNMR(400MHz、CDCl)δ6.66、6.40、6.29、4.79、3.92、3.41、3.78、3.55、2.92、2.62、2.35、2.25、2.26、2.15、2.10-1.40、1.40、1.04、1.02、0.89、0.91;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C29H39NO+Hとして 計算値=494.3019、測定値=494.3208。
【0128】
実施例16 2-デスオキソマルクホルチンA(XXIII)
0゜のマルクホルチンA(XXII、0.16g、0.335mmol)のTHF溶液(25mL)にアラン−N,N-ジメチルエチルアミン複合体(0.5M、2.6mL、13.4mmol)を滴下する。得られた混合物を0゜にて1時間撹拌し、次いでメタノール(5mL)をゆっくり滴下することによりクエンチする。次いで、溶媒を減圧下除去し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール-塩化メチレン、30/70)にかけると、標題化合物が得られた。NMR(400MHz、CDCl)δ6.67、6.40、6.29、4.79、3.91、3.40、3.57、2.36、2.95、2.30-2.05、1.95-1.25、1.39-、0.88、0.85;13C NMR(CDCl,100MHz)δ175.40、146.26、143.77、139.74、137.06、126.78、120.11、114.88、114.19、79.67、63.66、61.13、61.05、60.74、56.23、54.68、45.77、41.29、32.15、31.94、31.83、30.30、26.28、26.19、23.38、21.13、19.75;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C28H37NO+Hとして 計算値=464.2913、測定値=464.2929。
【0129】
実施例17 C-2-デスオキソパラヘルクアミドA
20-25゜のパラヘルクアミドA(0.05g、0.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(THF、6mL)に、窒素雰囲気下、アラン−N,N-ジメチルアミン複合体(0.5Mトルエン溶液、2mL、1mmol)を滴下する。得られた混合物を0.5時間撹拌し、次いでメタノール(1mL)にてクエンチする。混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;アセトン/塩化メチレン(30/70))により精製して、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)6.69、6.30、4.80、3.94、3.51、3.39、3.19、2.92、2.53、2.38-2.12、2.08、1.95-1.74、1.65、1.43、0.92および0.89δ;HRMS(FAB、M/Z)[M+H] C28H37NO+Hとして 計算値=480.2862、測定値=480.2869。
【0130】
実施例18 N(1)-フェノキシカルボニルマルクホルチンA(XXVII)
マルクホルチンA(XXVI、2.4g、5.0mmol)のTHF溶液(120mL)および水酸化カリウム(35重量%、0.7g、6.2mmol)を20-25゜にて1時間撹拌する。この混合物に、クロロギ酸フェニル(1.2mL、9.6mmol)を添加する。混合物を0.5時間撹拌し、炭酸カリウム(10%、50mL)でクエンチし、酢酸エチル(150mL)中に抽出する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、次いで濃縮する。残渣をエーテル/ヘキサンにて粉砕し、沈殿物を濾過し、収集し、次いで乾燥すると、標題化合物が固体として得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.89、1.08、1.2-3.0、1.45、1.49、3.06、3.69、4.83、6.26、6.89および7.2-7.5δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H39NO+H+として 計算値=598.2917、測定値=598.2919。
【0131】
実施例19 N(1)-tert-ブトキシカルボニルマルクホルチンA(XXVII)
マルクホルチンA(XXVI)のTHF/塩化メチレン溶液(50mL/50mL)および水酸化カリウム(35重量%、0.62g、5.5mmol)を20-25゜にて1時間撹拌する。この混合物に、二炭酸ジ-tert-ブチル(3.4g、15.6mmol)を添加する。混合物を0.5時間撹拌し、炭酸カリウム溶液(10%、50mL)でクエンチし、次いで酢酸エチル(150mL)中に抽出する。有機層を分離し、次いで硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、次いで濃縮する。濃縮物をエーテル/ヘキサンで粉砕し、次いで、沈殿物を濾過し、収集し、次いで乾燥して、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.83、1.05、1.2-3.0、1.46、1.53、1.59、3.12、3.67、4.85、6.28および6.82δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H43NOC+H+として 計算値=578.3230、測定値=578.3230。
【0132】
実施例20 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニルマルクホルチンA(XXVII)
クロロギ酸4-ニトロフェニル(423mg,2.1mmol)を用いる以外は実施例18および19の手法に従い、重要ではない変形を行って、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.89、1.08、1.2-3.0、1.45、1.49、3.06、3.69、4.83、6.26、6.92、7.50および8.33δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H38NO+H+として 計算値=643.2767、測定値=643.2766。
【0133】
実施例21 N(1)-9'-フルオレニルメチルオキシカルボニルマルクホルチンA(XXVII)
クロロギ酸9-フルオレニルメチル(1.6g,6mmol)を用いる以外は実施例18−20の手法に従い、重要ではない変形を行って、標題化合物が得られる。選択されたNMR(400MHz、CDCl)7.78、7.66、7.42、6.89、6.20、4.82、4.70-4.60、4.39、3.16、2.85、1.45および1.43δ;MS(FAB、m/z)[M+H]=700。
【0134】
実施例22 N(1)-tert-ブトキシカルボニルパラヘルクアミドA(XXVII)
パラヘルクアミドA(XXV、70mg,0.14mmol)のTHF(10mL)および水素化カリウム(35重量%、0.062g、0.55mmol)を20-25゜にて2時間撹拌する。この混合物に炭酸水素ジ-tert-ブチル(86mg、0.42mmol)を添加する。混合物を0.5時間撹拌し、10%炭酸カリウム溶液(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(150mL)中に抽出する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮する。濃縮物を分取用薄層クロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン、5/95)により精製し、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.89、1.02、1.42、1.46、1.59、1.63、1.2-3.3、3.06、3.69、4.83、6.26および6.80δ。
【0135】
実施例23 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニルパラヘルクアミドA(XXVII)
クロロギ酸4-ニトロフェニル(814mg,4.2mmol)を用いる以外は実施例22の一般的手法に従い、重要でない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.85、0.94、1.2-3.9、1.40、1.47、3.02、4.79、5.85、6.18、6.88、7.35および8.29δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H38NO+Hとして 計算値=659.2717、測定値=659.2732。
【0136】
実施例24 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(XXVII)
14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(XXVI、n=2、R14=Me、R15=H、R=OH、0.188g、0.37mmol)のTHF溶液(30mL)および水素化ナトリウム(60重量%、0.075g、1.875mmol)を20-25゜にて2時間撹拌する。この混合物にクロロギ酸4-ニトロフェニル(150mg,0.74mmol)を添加する。混合物を0.5時間撹拌し、pH7の緩衝液(15mL)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)中に抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮して標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.92、1.07、1.2-3.0、1.44、1.47、1.48、3.13、3.67、4.87、6.25、6.92、7.50および8.35δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C36H42NO+Hとして 計算値=673.2873、測定値=673.2866。
【0137】
実施例25 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(XXVII)
14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(XXVI、n=2、R14=H、R15=Me、R=OH、1.98g、3.9mmol)およびクロロギ酸4-ニトロフェニル(150mg,0.74mmol)を用いる以外は実施例18−24の一般的手法を用い、重要でない変形を行って、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.92、1.02、1.09、1.2-3.0、1.44、1.47、3.14、3.68、3.95、4.87、6.24、6.92、7.50および8.34δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C36H42NO+Hとして 計算値=673.2873、測定値=673.2866。
【0138】
実施例26 N(1)-フェノキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII)
N(1)-フェノキシカルボニルマルクホルチンA(実施例18、2.4g、4.0mmol)をメタノール(100mL)に溶解し、0゜にて15分間、水素化ホウ素ナトリウム(540mg)で処理する。反応混合物を炭酸カリウム(10%、100mL)でクエンチする。得られた沈殿物を乾燥して標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.85、0.92、1.3-2.7、1.37、1.48、3.06、3.18、3.43、3.61、3.43、3.61、4.75、5.87、6.28、6.84および7.2-7.5δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H41NO+Hとして 計算値=600.3073、測定値=600.3080。
【0139】
実施例27 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII)
実施例26の一般的手順に従い、N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニルマルクホルチンA(実施例20、0.5g、0.78mmol)を用いて、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.82、0.89、1.3-2.7、1.39、1.47、3.06、3.18、3.59、4.78、5.85、6.20、6.84、7.36および8.28δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H40NO+Hとして 計算値=645.2924、測定値=649.2925。
【0140】
実施例28 N(1)-9'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVII)
N(1)-9'-フルオレニルメチルオキシカルボニルマルクホルチンA(実施例21.30mg、0.043mmol)を用いる以外は実施例26の一般的手法に従い、重要ではない変形を行い、標題化合物が得られる。選択されたNMR(400MHz、CDCl)7.88-7.20、6.72、6.64、6.38、4.76、4.28、3.01、2.85および2.60δ
【0141】
実施例29 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソパラヘルクアミドA(XXVII)
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニルパラヘルクアミドA(実施例23、1.0g、1.52mmol)を用いる以外は実施例26の一般的手法に従い、重要ではない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.85、0.93、1.3-2.7、1.40、1.47、1.63、3.02、3.2-3.6、4.79、5.85、6.18、6.88、7.35および8.28δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C35H40NO+Hとして 計算値=661.2873、測定値=661.2877。
【0142】
実施例30 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14α-ヒドロキシ-14β-メチル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII)
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(実施例24、180mg、0.27mmol)を用いる以外は実施例26の一般的手法に従い、重要ではない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.85、0.91、1.3-2.7、1.40、1.45、1.48、3.09、3.1-3.7、4.79、5.88、6.21、6.87、7.36および8.29δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C36H42NO+Hとして 計算値=675.3030、測定値=675.3031。
【0143】
実施例31 N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14α-ヒドロキシ-15α-メチル-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII)
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(実施例25、2g、2.97mmol)を用いる以外は実施例26の一般的手法に従い、重要ではない変形を行いて、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.85、0.92、1.01、1.3-2.7、1.39、1.48、1.48、3.05、3.1-3.7、4.79、5.86、6.19、6.87、7.36および8.29δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C36H42NO+Hとして 計算値=675.3030、測定値=675.3036。
【0144】
実施例32 1,2-デヒドロマルクホルチンA(XXIX)
方法A
N(1)-フェノキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII、実施例26、1g、1.67mmol)をグライム(glyme)(15mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(1N、20mL)で処理する。混合物を1-2時間還流する。混合物を20-25゜にまで冷却した後、炭酸カリウム(10%、60mL)を添加する。得られた沈殿物を集め、乾燥して標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.67、1.25、1.3-2.7、1.44、1.47、3.04、3.70、4.91、6.48、6.95および8.18δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値=462.2756、測定値=462.2762。
【0145】
方法B
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII、実施例27、50mg、0.08mmol)をグライム(1mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(1N、1mL)で処理する。混合物を20-25゜にて1時間撹拌する。混合物に炭酸カリウム(10%、5mL)を添加した後、これを酢酸エチル(20mL)中に抽出する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濃縮して標題化合物が得られる。
【0146】
方法C
20-25゜のN(1)-9'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII、実施例28、30mg、0.043mmol)のDMF溶液(3mL)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF溶液1.0M、0.04mL、0.04Mmol)を滴下する。10分撹拌後、反応混合物を炭酸カリウム(10%、30mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)中に抽出する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフ(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、5/95)にかけると、標題化合物が得られる。
【0147】
実施例33 1,2-デヒドロパラヘルクアミドA (XXIX)
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソパラヘルクアミドA(XXVIII、実施例29、880mg、1.33mmol)を用いる以外は実施例32、方法AおよびBの一般的手法に従い、重要でない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.69、1.22、1.3-2.7、1.43、1.45、1.66、2.97、3.22、3.62、4.90、6.29、6.94および8.13δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C28H35NO+Hとして 計算値=478.2705、測定値=478.2717。
【0148】
実施例34 1,2-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(XXIX)
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14αヒドロキシ-15α-メチル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII、実施例31、150mg、0.22mmol)を用いる以外は実施例32、方法AおよびBの一般的手法に従い、重要でない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.68、1.21、1.3-2.7、1.44、1.46、1.47、3.05、3.65、4.91、6.46、6.93および8.19δ
【0149】
実施例35 1,2-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(XXIX)
N(1)-4'-ニトロフェノキシカルボニル-14αヒドロキシ-15α-メチル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXVIII、実施例31、2g、2.96mmol)を用いる以外は実施例32、方法AおよびBの一般的手法に従い、重要でない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.69、1.04、1.24、1.3-2.7、1.45、1.47、3.02、3.69、3.85、4.92、6.48、6.95および8.19δ
【0150】
実施例36 2-デスオキソマルクホルチンA(XXIV)
方法A
1,2-デヒドロマルクホルチンA(XXIV、実施例32、220mg、0.48mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、0゜にて水素化ホウ素ナトリウム(30mg)で15分間処理する。反応混合物を炭酸カリウム(10%、20mL)でクエンチする。得られた沈殿物を乾燥して、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)は実施例16と同様である。
【0151】
方法B
N(1)-tert-ブトキシカルボニルマルクホルチンA(XXVII、実施例19、100mg,0.17mmol)をジグライム(diglyme)(5mL)に溶解し、20-25゜にて水素化ホウ素ナトリウム(20mg)で処理する。次いで、混合物を加熱し、0.5時間還流する。混合物を20-25゜にまで冷却した後、炭酸カリウム(10%、10mL)を添加する。得られた沈殿物を乾燥して、標題化合物が得られる。
【0152】
実施例37 2-デスオキソパラヘルクアミドA
方法A
1,2-デヒドロパラヘルクアミドA (XXIX、実施例33、1.5g、3.14mmol)をメタノール(30mL)に溶解し、0゜にて15分間、水素化ホウ素ナトリウム(250mg)で処理する。反応混合物を炭酸カリウム(10%、60mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(100mL)中に抽出する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフ(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、5/95)にかけると、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)は実施例17と同様である。
【0153】
方法B
N(1)-tert-ブトキシカルボニルパラヘルクアミドA(XXVII、実施例22、30mg、0.05mmol)をグライム(glyme)(2mL)に溶解し、20-25゜にて水素化ホウ素ナトリウム(20mg)で処理する。次いで、混合物を加熱し、4時間還流する。混合物を20-25゜まで冷却した後、炭酸カリウム(10%、5mL)を添加し、酢酸エチル(10mL)中に抽出する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフ(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、5/95)にかけると、標題化合物が得られる。
【0154】
方法C
窒素雰囲気下、THF(ベンゾフェノンおよび金属カリウム、40mLより蒸留)中のパラヘルクアミドA(XXVI、1g、2mmol)に水素化ナトリウム(油中60%、0.24mg、6mmol)を1度に添加する。得られた反応混合物を20-25゜にて0.75時間撹拌し、0゜まで冷却する、次いでクロロギ酸9-フルオレニルメチル(0.8g,3mmol)で1度に処理する。反応を5分後にリン酸緩衝液(pH=7、EMサイエンスから購入、40mL)でクエンチし、水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)中に抽出する。合わした有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、次いで減圧下に濃縮して、粗N(1)-9'-フルオレニルメチルオキシカルボニルパラヘルクアミドA(XXVII、1.4g、2mmol)が得られ、これをメタノールに溶解し、0゜まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、7.9mmol)で1度に処理する。反応を10分後に、炭酸水素ナトリウム(飽和、100mL)で処理し、酢酸エチル(2×50mL)中に抽出する。合わした有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗(1)-9'-フルオレニルメチルオキシカルボニル-2α-ヒドロキシ-2-デオキソパラヘルクアミドA(XXVIII、1.4g、2mmol)が得られ、これを20-25゜にてTHF(50mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF溶液1.0M、8mL、8mmol)で処理する。0.5時間撹拌した後、反応混合物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)中に抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1,2-デヒドロパラヘルクアミドA(XXVIII、0.96g、2mmol)が得られる。この化合物を0゜にてメタノールに溶解し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(0.5g、13mmol)で1度に処理する。反応を10分後に炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液、100mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)中に抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル;アセトン/塩化メチレン、30/70)にかけると、標題化合物が得られる。
【0155】
実施例38 2-デスオキソ-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA
(XXX)
1,2-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-14β-メチルマルクホルチンA(XXIX、実施例34、50mg、1mmol)を用いる以外は実施例38(方法A)の一般的手法に従い、重要でない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.86、0.90、1.3-2.7、1.42、1.46、2.94、3.40、3.52、3.93、4.79、6.29、6.39および6.66δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C29H39NO+Hとして 計算値=494.3018、測定値=494.3018。
【0156】
実施例39 2-デスオキソ-14α-ヒドロキシ-15α-メチル-2α-ヒドロキシ-2-デスオキソマルクホルチンA(XXX)
1,2-デヒドロ-14α-ヒドロキシ-15α-メチルマルクホルチンA(XXIX、実施例35、1.0g、2.0mmol)を用いる以外は実施例37(方法A)の一般的手法に従い、重要でない変形を行い、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)は実施例15と同様である。
【0157】
実施例40 2β-メチル-2-デスオキソマルクホルチンA(XXXI)
1,2-デヒドロマルクホルチンA(XXIX、実施例32、42mg、0.09mmol)をTHF(10mL)に溶解し、-78゜にて15分間、メチルリチウム(臭化リチウム複合体、エーテル溶液1.5M、0.06mL)で処理する。混合物を20-25゜まで加温し、次いで炭酸カリウム(10%、5mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL)中に抽出する。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、5/95)にかけて、標題化合物が得られる。NMR(400MHz、CDCl)0.81、0.92、1.17、1.3-2.7、1.41、1.43、3.02、3.63、3.95、4.79、6.29、6.38および6.63δ;HRMS(FAB、m/z)[M+H] C29H39NO+Hとして 計算値=478.3069、測定値=478.3083。
【0158】
【化6】


【0159】
【化7】


【0160】
【化8】


【0161】
【化9】


【0162】
【化10】


【0163】
【化11】


【0164】
【化12】


【0165】
【化13】


【0166】
【化14】


【0167】
【化15】


【0168】
【化16】


【0169】
【化17】


【0170】
【化18】


【0171】
【化19】


【0172】
【化20】


【0173】
【化21】


【出願人】 【識別番号】504396379
【氏名又は名称】ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー
【出願日】 平成19年8月22日(2007.8.22)
【代理人】 【識別番号】100096666
【弁理士】
【氏名又は名称】室伏 良信


【公開番号】 特開2008−7516(P2008−7516A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−216098(P2007−216098)