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【発明の名称】 2−アシルアミノイミダゾール−4−アルデヒド誘導体の新規合成法
【発明者】 【氏名】安藤 尚基

【氏名】寺島 孜郎

【要約】 【課題】オロイジン等の2-アミノイミダゾール構造を有する天然物の中間体として有用な2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の製造方法及びその新規な製造中間体を提供する。

【構成】3−ブロモ−1,1−ジメトキシプロパン−2−オンをN−tert−ブトキシカルボニルグアニジンと反応し、さらに(RCO)O又はRCOXを反応させ、さらに酸触媒を作用させて、2−アシルアミノイミダゾール−4−アルデヒド誘導体を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】


[式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基を示す]
で表される化合物をハロゲン化することによって得られる
一般式(2)
【化2】


[式中、Xはハロゲン原子を示し、R1は前記定義に同じ]
で表される化合物に
一般式(3)
【化3】


[式中、R2は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルケニル基又はベンジル基を示す]
で表される化合物を反応させることにより、
一般式(4)
【化4】


[式中、R及びRは前記定義に同じ]
で表される化合物を得、これに
一般式(5)
【化5】


[式中、R3は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、炭素数2〜4の低級アルケニルオキシ基又はベンジルオキシ基を示す]
で表される化合物、あるいは
一般式(6)
【化6】


[式中、R3及びXは前記定義に同じ]
で表される化合物を、塩基存在下反応させることにより、
一般式(7)
【化7】


[式中、R、R及びR3は前記定義に同じ]
で表される化合物を得、これに酸触媒を作用させることを特徴とする、
一般式(8)
【化8】


[式中、R3は前記定義に同じ]
で表される2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の製造方法。
【請求項2】
一般式(4)
【化9】


[式中、R及びRは前記定義に同じ]
で表される2-アミノ-4-ジアルキルオキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸エステル誘導体であることを特徴とする請求項1記載の製造中間体。
【請求項3】
一般式(7)
【化10】


[式中、R、R及びR3は前記定義に同じ]
で表される2-アシルアミノ-4-ジアルキルオキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸エステル誘導体であることを特徴とする請求項1記載の製造中間体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、オロイジン、ヒメニジン、セプトリン等の2-アミノイミダゾール構造を有する天然物の中間体として有用な2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の製造方法及びその新規な製造中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
オロイジン、ヒメニジン、セプトリン等の2-アミノイミダゾール構造を有する天然物は、非常に種類が豊富であると共に幅広い薬理作用を示すことが最近明らかとなっている。これら一連の化合物を合成するポイントの1つは、特徴的な構造である2−アミノイミダゾール環を如何にして導入するかである。これまでの合成例を見ると、大きく2つに分類される。1つは、単純なイミダゾール誘導体を出発原料とし、途中でイミダゾール環の2位にアミノ基を導入する方法、もう1つは合成の終盤で2−アミノイミダゾール環を構築する方法である(非特許文献1)。前者は、アミノ基の導入際にアジドやジアゾニウム誘導体を経由するため、爆発等の危険性が高く、安全性に欠ける。一方、後者は、環化前駆体の安定性や環化の収率に課題が残る。
【0003】
これら天然物の効率的な合成を考えた場合、2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体が優れた中間体と成り得ることは明らかである。しかし、この誘導体の優れた合成法が存在しないために、これを用いた一連の天然物合成は実現していない。この2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の合成法は、これまで特許文献1による方法が唯一知られているのみである。しかしこの方法は、出発原料から目的物までが6工程と長く収率も満足できるものではない。更に高温での熱分解等を必要とするなどの過酷な条件も多いことから優れた合成法とは言えない。このように、この2-アシルルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の優れた合成法は皆無に等しく、その開発が強く望まれている。
【0004】
また、2-アミノイミダゾール環の構築方法として、グアニジン誘導体とα-ハロゲノケトンを作用させる方法が既に知られているが、4位置換基はいずれも単純なフェニル基あるいはアルキル基のみであり、本発明の4-アルデヒド及びその等価体の合成については知られていなかった(非特許文献2、3、4)。
【0005】
【特許文献1】FR2681323公報.
【非特許文献1】Synthesis,1753(2003).
【非特許文献2】J. Org.Chem., 59, 7299(1994).
【非特許文献3】Org.Lett., 6, 2369(2004).
【非特許文献4】TetrahedronLett., 46, 8635(2005).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、オロイジン等の2-アミノイミダゾール構造を有する天然物の中間体として有用な2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の製造方法及びその新規な製造中間体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これまでに報告されている2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の製造法は、工程数、各工程の収率及び反応の条件において必ずしも満足できるものではない。本発明者らは2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の簡便な製造法を提供することを目的として鋭意研究を重ねた結果、2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の新規な製造方法並びにその新規な製造中間体を見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は
一般式(1)
【0009】
【化1】


【0010】
[式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基を示す]
で表される化合物をハロゲン化することによって得られる
一般式(2)
【0011】
【化2】


【0012】
[式中、Xはハロゲン原子を示し、R1は前記定義に同じ]
で表される化合物に
一般式(3)
【0013】
【化3】


【0014】
[式中、R2は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルケニル基又はベンジル基を示す]
で表される化合物を反応させることにより、
一般式(4)
【0015】
【化4】


【0016】
[式中、R及びRは前記定義に同じ]
で表される化合物を得、これに
一般式(5)
【0017】
【化5】


【0018】
[式中、R3は炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、炭素数2〜4の低級アルケニルオキシ基又はベンジルオキシ基を示す]
で表される化合物、あるいは
一般式(6)
【0019】
【化6】


【0020】
[式中、R3及びXは前記定義に同じ]
で表される化合物を塩基存在下、反応させることにより、
一般式(7)
【0021】
【化7】


【0022】
[式中、R、R及びR3は前記定義に同じ]
で表される化合物を得、これに酸触媒を作用させることを特徴とする、
一般式(8)
【0023】
【化8】


【0024】
[式中、R3は前記定義に同じ]
で表される2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の製造方法、
【0025】
一般式(4)
【0026】
【化9】


【0027】
[式中、R及びRは前記定義に同じ]
で表される2-アミノ-4-ジアルキルオキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸エステル誘導体であることを特徴とする1)記載の製造中間体、
【0028】
一般式(7)
【0029】
【化10】


【0030】
[式中、R、R及びR3は前記定義に同じ]
で表される2-アシルアミノ-4-ジアルキルオキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸エステル誘導体であることを特徴とする1)記載の製造中間体、
に関するものである。
【発明の効果】
【0031】
従来法に比べより簡便な2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体(8)の新たな製造方法を見出し、従来複雑な工程で合成されていたオロイジン等の2-アミノイミダゾールを有する天然物が、容易に合成できるようになった。また、既存の合成ルートでは、中間体として爆発の危険性が高いアジドやジアゾニウム誘導体を経由することが多く、大量合成には不向きであったが、2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体(8)を用いる本発明の方法によって、危険性が低く、大量合成にも十分対応可能なルートが提供された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明における製造中間体 (4)及び(7)は新規化合物である。
【0033】
本発明の一般式において、「炭素数1〜4の低級アルキル基」、「炭素数1〜4の低級アルコキシ基」などの「低級アルキル」とは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はt−ブチルなどの直鎖もしくは分岐した炭素数1〜4の炭化水素が挙げられる。「炭素数2〜4の低級アルケニル基」、「炭素数2〜4の低級アルケニルオキシ基」などの[低級アルケニル]とは、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチルアリル又は1−プロペニルなどの不飽和2重結合を有する炭素数2〜4の炭化水素が挙げられる。
【0034】
また、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨード原子を意味するが、中でも塩素原子又は臭素原子が好ましい。
【0035】
本発明によれば、前記一般式(8)で表される化合物は、下記の合成経路に従って製造することができる(スキーム1)。
【0036】
【化11】


【0037】
合成経路で一般式(2)
【0038】
【化12】


【0039】
[式中、R1及びXは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(1)
【0040】
【化13】


【0041】
[式中、R1は前述の通り]
で表される化合物をハロゲン化することによって製造することができる(第一工程)。
【0042】
一般式(1)の化合物は、公知化合物で、市販されており容易に入手することができる。
【0043】
反応は、ヨウ素、臭素、塩素、臭化銅(II)および塩化銅(II)等のハロゲン化剤、好ましくは臭化銅(II)を用いて、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチル、メタノール、ジエチルエーテル等の溶媒、好ましくは酢酸メチル中、0℃から加熱還流下、好適には加熱還流下行うことができる。
【0044】
合成経路で一般式(4)
【0045】
【化14】


【0046】
[式中、R1及びR2は前述の通り]
で表される化合物は、一般式(3)
【0047】
【化15】


【0048】
[式中、R2は前述の通り]
で表される化合物(J. Peptide. Res., 53, 314(1999))と上記一般式(2)で表される化合物とを作用させることによって製造することができる(第二工程)。
【0049】
反応は、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピペリドン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸エチルなどを反応溶媒として用い、反応温度としては常温から100℃、好適には40〜60℃にて行うことができる。
【0050】
合成経路で一般式(7)
【0051】
【化16】


【0052】
[式中、R1、R2及びR3は前述の通り]
で表される化合物は、上記一般式(4)で表される化合物に塩基存在下、
一般式(5)
【0053】
【化17】


【0054】
[式中、R3は前記定義に同じ]
で表される化合物、
あるいは一般式(6)
【0055】
【化18】


【0056】
[式中、R3及びXは前記定義に同じ]
で表される化合物を塩基存在下に作用させることによって製造することができる(第三工程)。
【0057】
反応は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジド、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド等の塩基、好ましくはナトリウムビストリメチルシリルアミドを用い、ジエチルエーテル、THF、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどの溶媒、好ましくはTHF中、0℃から常温にて行うことができる。
【0058】
合成経路で一般式(8)
【0059】
【化19】


【0060】
[式中、R3は前記定義に同じ]
で表される化合物は、上記一般式(7)である化合物に、酸触媒を作用させることによって製造することができる(第四工程)。
【0061】
反応は、アセトンあるいは含水アセトン溶媒中、パラトルエンスルホン酸、ピリジニウムパラトルエンスルホネートなどの酸触媒を用い、常温〜加熱還流下に行うことができる。
【0062】
本発明中の好ましい製造中間体化合物としては、
3-ブロモ-1,1-ジメトキシプロパン-2-オン、
2-アミノ-4-ジメトキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル、
2-アミノ-4-ジメトキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸 ベンジルエステル、
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ジメトキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル及び
2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4-ジメトキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルが挙げられる。
【実施例】
【0063】
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。
【0064】
<参考例1>
N-tert-ブトキシカルボニルグアニジン
【0065】
【化20】


【0066】
氷冷撹拌下、水酸化ナトリウム(96g)水溶液(240mL)にグアニジン一塩酸塩(115g)を加え、15分撹拌した。これにジ-t-ブトキシジカーボネート(65.5g)のアセトン(1L)溶液を加え、常温にて更に2時間撹拌した。アセトンを留去後、酢酸エチルにて3回抽出し、飽和食塩水にて洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し、残留物を酢酸エチル-ヘキサンから再結晶し、目的物(42.6g)を無色粉末として得た(J. Peptide. Res., 53, 314(1999))。
【0067】
<参考例2〜4>
参考例1と同様にして、表1に示す参考例2〜4の化合物を得た。
【0068】
【表1】


【0069】
<実施例1>
3-ブロモ-1,1-ジメトキシプロパン-2-オン
【0070】
【化21】


【0071】
アルゴンガス気流下、ピルビンアルデヒドジメチルアセタール(5.91g, 50.0mmol)を酢酸メチル(250mL)に溶解し、これに臭化銅(II)(23.5g, 105mmol)を加え、2時間加熱還流した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水(100mL)を加え、常温にて10分撹拌後、セライトを用い不溶物を濾去した(酢酸エチルでよく洗浄)。有機層を分取し、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を減圧蒸留(60-63℃/2.0mmHg)で精製し、目的物(2.87g, 29%)を黄色油状物として得た。
LRMS
(CI+): 197 [M+H]
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.45(6H, s), 4.20(2H, s), 4.73(1H, s)
【0072】
<実施例2>
2-アミノ-4-ジメトキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
【0073】
【化22】


【0074】
アルゴンガス気流下、参考例1の化合物(478mg, 3.00mmol)をテトラヒドロフラン(2.5mL)に溶解し、これに実施例1の化合物(197mg, 1.00mmol)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液を加え、50℃にて6時間撹拌した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/クロロホルム=19/1)で精製し、目的物(147mg)を淡黄色粉末として得た。
LRMS
(EI+): 257 [M+]
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.59(9H, s), 3.37(6H, s), 5.28(1H, d,
J=1.2Hz), 5.70(2H, brs), 6.85(1H, d, J=1.2Hz)
【0075】
<実施例3〜5>
参考例2〜4の化合物を用いて、実施例2と同様にして表2に示す実施例3〜5の化合物を得た。
【0076】
【表2】


【0077】
実施例3: LRMS (EI+):291 [M+]
HRMS
(EI+): Calcd. for C14H17N3O4
291.1219, found 291.1179(-4.1 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.35(6H, s), 5.26(1H, d, J=1.2Hz),
5.35(2H, s), 5.79(2H, brs), 6.93(1H, d, J=1.2Hz), 7.40-7.43(5H, m)
【0078】
実施例4: 1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.36(6H, s), 3.45(3H, s), 5.26(1H, d, J=0.9Hz), 5.74(2H,brs),
6.92(1H, d, J=0.9Hz)
【0079】
実施例5: 1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.38(6H, s), 4.83(2H, td, J=1.2, 5.8Hz), 5.28(1H, d, J=1.2Hz),
5.37(1H, qd, J=0.9, 10.4Hz), 5.44(1H, qd, J=1.5, 17.1Hz), 5.81(2H, brs),
5.93-6.03(1H, m), 6.95(1H, d, J=1.2Hz)
【0080】
<実施例6>
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ジメトキシメチルイミダゾール-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
【0081】
【化23】


【0082】
アルゴンガス気流下、実施例2の化合物(1.00g, 3.89mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、水冷撹拌下ジ-t-ブトキシジカーボネート(849mg, 3.89mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、更に1.0mol/Lナトリウムヘキサメチルジシラザン‐テトラヒドロフラン溶液(8.17mL, 8.17mmol)を一気に加え、10分撹拌した。氷冷後、飽和塩化アンモニウムを加え、酢酸エチルで抽出した(2回)。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、目的物(1.22g)を黄色固体として得た。
mp:101.0-103.0℃
LRMS
(FAB+):358 [M+H]
HRMS
(FAB+): Calcd. for C16H28N3O6 358.1978,
found 358.2018(4.0 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.52(9H, s), 1.61(9H, s), 3.38(6H, s),
5.39(1H, d, J=0.9Hz), 7.06(1H, d, J=0.9Hz), 9.02(1H, brs)
【0083】
<実施例7〜11>
実施例2及び3の化合物に対し、実施例6と同様にして表3に示す各種反応剤を反応させ、実施例7〜11の化合物を得た。
【0084】
【表3】


【0085】
実施例7:LRMS (CI+):392[M+H]
HRMS
(CI+): Calcd. for C19H26N3O6 392.1822,
found 392.1779(-4.3 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.59(9H, s), 3.38(6H, s), 5.24(2H, s),
5.39(1H, d, J=0.9Hz), 7.07(1H, d, J=0.9Hz), 7.33-7.44(5H, m), 9.21(1H, brs)
【0086】
実施例8:LRMS (CI+):300[M+H]
HRMS
(CI+): Calcd. for C13H22N3O5 300.1559,
found 300.1593(3.4 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.61(9H, s), 2.45(3H, brs), 3.38(6H,
s), 5.35(1H, d, J=0.9Hz), 7.10(1H, d, J=0.9Hz), 9.56(1H, brs)
【0087】
実施例9:LRMS (CI+):316[M+H]
HRMS
(CI+): Calcd. for C13H22N3O6 316.1509,
found 316.1472(-3.6 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.60(9H, s), 3.38(6H, s), 3.82(3H, s),
5.39(1H, d, J=0.9Hz), 7.08(1H, d, J=0.9Hz), 9.12(1H, brs)
【0088】
実施例10:LRMS (CI+):342[M+H]
HRMS
(CI+): Calcd. for C15H24N3O6 342.1665,
found 342.1620(-4.6 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.60(9H, s), 3.38(6H, s), 4.70(1H, td,
J=1.2, 5.8Hz), 5.26(1H, qd, J=1.2, 10.5Hz), 5.39(1H, d, J=0.9Hz), 5.39(1H, qd,
J=1.5, 17.1Hz), 5.92-6.01(1H, m), 7.08(1H, d, J=0.9Hz), 9.16(1H, brs)
【0089】
実施例11:LRMS (ESI+):392[M+H]
HRMS
(ESI+): Calcd. for C19H26N3O6
392.18216, found 392.18112(-1.04 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.51(9H, s), 3.36(6H, s), 5.37(2H, s),
5.37(1H, d, J=0.9Hz), 7.14(1H, d, J=0.9Hz), 7.42(5H, s), 8.91(1H, brs)
【0090】
<実施例12>
(4-ホルミル-1H-イミダゾール-2-イル)カルバミン酸 tert-ブチルエステル
【0091】
【化24】


【0092】
実施例6の化合物(2.03g,
5.68mmol)のアセトン(30mL)溶液に、水(20mL)
及びパラトルエンスルホン酸ピリジニウム(143mg, 0.568mmol)を加え、常温にて一終夜撹拌した。飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し(2回)、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残留物をヘキサン-酢酸エチルから再結晶し、目的物(1.17g, 98%)を淡黄色粉末として得た。
mp:155.0-157.0℃(decomp.)
LRMS
(EI+):211 [M+]
HRMS
(EI+): Calcd. for C9H13N3O3 211.0957,
found 211.0919(-3.7 mmu)
Analysis
Calcd. for C9H13N3O3: C, 51.18; H,
6.20, N, 19.89 ; Found: C, 51.07; H, 6.11, N, 19.93
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.58(9H, s), 7.49(1H, s), 9.59(1H, s)
【0093】
<実施例13〜16>
実施例7〜10の化合物を用い、実施例12と同様にして表4に示す実施例13〜16の化合物を得た。
【0094】
【表4】


【0095】
実施例13:LRMS (EI+):245[M+]
HRMS
(EI+): Calcd. for C12H11N3O3
245.0800, found 245.0845(4.5 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 5.28(2H, s), 7.36-7.42(6H, m), 9.51(1H,
s), 10.73(1H, brs), 12.05(1H, brs)
【0096】
実施例14:LRMS (EI+):153[M+]
HRMS
(EI+): Calcd. for C6H7N3O2 153.0538,
found 153.0510(-2.9 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.33(3H, s), 7.56(1H, s), 9.62(1H, s),
11.35(1H, brs), 11.95(1H, brs)
【0097】
実施例15:LRMS (EI+):169[M+]
HRMS
(EI+): Calcd. for C6H7N3O3 169.0487,
found 169.0445(-4.3 mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 3.70(3H, s), 7.71(1H, s), 9.57(1H, s),
10.97(1H, brs), 12.06(1H, brs)
【0098】
実施例16:LRMS (EI+):195[M+]
HRMS
(EI+): Calcd. for C8H9N3O3 195.0644,
found 195.0645(0.1mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 4.77(2H, d, J=5.8Hz), 5.34(1H, dd,
J=1.2, 10.4Hz), 5.42(1H, dd, J=1.2, 17.4Hz), 5.95-6.05(1H, m), 7.53(1H, s),
9.58(1H, s), 10.74(1H, brs), 12.01(1H, brs)
【0099】
次に本発明の有用性を実験例によって示す。
【0100】
<実験例> オロイジン及びヒメニジンの全合成
2-アルカノイルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体である実施例12の化合物を出発原料とし、2-アミノイミダゾールを有する天然物の中で代表的なオロイジン及びヒメニジンの全合成を下記スキームに従い行った(スキーム2)。
【0101】
【化25】


【0102】
工程a)・・・化合物1の合成
アルゴンガス気流下、実施例12の化合物(500mg, 2.37mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、ジ-t-ブトキシジカーボネート(620mg, 2.84mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液及びトリエチルアミン(0.33mL, 2.37mmol)を加え、常温にて8時間撹拌した。酢酸エチルで希釈後、不溶物を濾去し、溶媒を留去した。残留物をヘキサンでトリチュレートし、乾燥することにより、化合物1(587mg, 80%)を無色粉末として得た。
mp:112.0-114.0℃
LRMS
(EI+):311 [M+]
HRMS
(ESI-): Calcd. for C14H20N3O5 310.14030,
found 310.14103(0.73 mmu)
Analysis
Calcd. for C21H13N3O5: C, 54.01; H,
6.80, N, 13.50; Found: C, 53.76; H, 6.63, N, 13.70
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.55(9H, s), 1.64(9H, s), 7.70(1H, s),
9.10(1H, brs), 9.92(1H, s)
【0103】
工程b)・・・化合物2の合成
アルゴンガス気流下、化合物A(617mg, 1.61mmol)及び化合物1(500mg, 1.61mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、-78℃にて1.0mol/リチウムヘキサメチルジシラザンのテトラヒドロフラン溶液(3.22mL, 3.22mmol)を滴下し、同温下30分撹拌した。水を加え、酢酸エチルにて抽出(2回)し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1-2.5/1)で精製し、化合物2 (464mg, 62%)を無色アモルファス状物として得た。
LRMS
(FAB+):469 [M+H]
HRMS
(FAB+): Calcd. for C24H29N4O6
469.2087, found 469.2071(-1.6mmu)
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 1.50(9H, s), 1.59(9H, s), 4.40(2H, d,
J=5.8Hz), 6.37(1H, d, J=15.9Hz), 6.45(1H, td, J=5.8, 15.9Hz), 6.87(1H, s),
7.70(2H, dd, J=3,1, 5.5Hz), 7.84(2H, dd, J=3.1, 5.5Hz), 9.12(1H, brs)
【0104】
工程c)・・・化合物3の合成
アルゴンガス気流下、化合物2(351mg, 0.749mmol)のエタノール(20mL)溶液に無水ヒドラジン(0.118mL, 3.75mmol)を加え、50℃にて2時間撹拌した。放冷後、不溶物を濾去し、残渣をクロロホルムでよく洗浄後、有機層を合わせて溶媒を留去した。残留物をアミノ化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-酢酸エチル/メタノール=10/1)で精製し、化合物3(164mg, 92%)を淡黄色アモルファス状物として得た。
LRMS
(FAB+):239 [M+H]
HRMS
(FAB+): Calcd. for C11H19N4O2 239.1508,
found 239.1543(3.5mmu)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ 1.45(9H, s), 3.22(2H, dd, J=1.2,
5.8Hz), 6.07(1H, td, J=5.8, 15.6Hz), 6.22(1H, dd, J=1.2, 15.6Hz), 6.64(1H, s)
【0105】
工程d)・・・化合物4(R=Br)の合成
アルゴンガス気流下、化合物B(R=Br, 142mg, 0.596mmol:J. Med. Chem., 16, 1300(1973))及び化合物4(221mg, 0.596mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、これに炭酸ナトリウム(94.8mg, 0.894mmol)を加え、常温にて一終夜撹拌した。氷水を加え、酢酸エチルにて抽出(2回)後、水(2回)及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をクロロホルム-メタノールの混合溶媒に溶解し、不溶物を濾去した後、再び溶媒を留去し、残留物をヘキサン-ジクロロメタンの混合溶媒(1:1)に懸濁させ、結晶を濾取した。更にこれをクロロホルム-メタノールの混合溶媒(10:1)に溶解し、少量のアミノ化シリカゲルに通すことにより化合物5(R=Br)(230mg,
79%)を淡黄色粉末として得た。
mp:215.0-217.0℃(decomp.)
LRMS
(FAB+):488 [M+H]
HRMS
(ESI+): Calcd. for C16H20Br2N5O3
487.99329, found 487.99366(0.37 mmu)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ 1.44(9H, s), 3.91(2H, t, J=5.2Hz),
6.02(1H, td, J=5.8, 15.6Hz), 6.26(1H, d, J=15.6Hz), 6.71(1H, s), 6.96(1H, s),
8.31(1H, t, J=5.2Hz), 10.24(1H, brs), 11.22(1H, brs), 12.66(1H, brs)
【0106】
化合物4(R=H)も化合物B(R=H:J. Chem. Soc., Perkin Trans.1, 1443(1997))を用いて同様に合成を行った。
mp:205.0-207.0℃(decomp.)
LRMS
(ESI+): 410 [M+H]
HRMS
(ESI+): Calcd. for C16H21BrN5O3
410.08278, found 410.07817(-4.60 mmu)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ 1.44(9H, s), 3.91(2H, t, J=5.8Hz),
6.03(1H, td, J=5.8, 15.6Hz), 6.24(1H, d, J=15.6Hz), 6.71(1H, s), 6.87-6.88(1H,
m), 6.95-6.96(1H, m), 8.29(1H, t, J=5.8Hz), 10.22(1H, brs), 11.23(1H, brs),
12.80(1H, brs)
【0107】
工程e)・・・オロイジン(R=Br)
化合物5(R=Br)(70.0mg, 0.143mmol)に20%塩酸-エタノール(5mL)を加え、常温にて1時間撹拌した。エタノールで希釈後、不溶物を濾去し、溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルに懸濁し、結晶を濾取することにより、目的物であるオロイジン(56.0mg, 92%)を淡黄色粉末として得た。
mp:218.0-220.0℃(decomp.)
LRMS
(ESI+):388 [M+H]
HRMS
(ESI+): Calcd. for C11H12Br2N5O
387.94086, found 387.93736(-3.50 mmu)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ 3.94(2H, t, J=4.9Hz), 6.13(1H, td,
J=4.9, 16.2Hz), 6.20(1H, d, J=16.2Hz), 6.89(1H, s), 6.97(1H, s), 7.45(2H, s),
8.52(1H, brs), 11.87(1H, brs), 12.50(1H, brs), 12.76(1H, brs)
ヒメニジン(R=H)も同様に合成を行った。
LRMS
(ESI+): 310 [M+H]
HRMS
(ESI+): Calcd. for C11H13BrN5O
310.03035, found 310.002688(-3.47 mmu)
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) δ 3.95(2H, t, J=4.9Hz), 6.13(1H, td,
J=4.9, 16.2Hz), 6.20(1H, d, J=16.2Hz), 6.88-6.90(2H, m), 6.97-6.98(1H, m),
7.44(2H, s), 8.45(1H, brs), 11.83(1H, brs), 11.87(1H, brs), 12.45(1H, brs)
【0108】
工程f)・・・化合物Aの合成
アルゴンガス気流下、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テトラゾール(1.78g, 10.0mmol)、N-(2-ブロモエチル)フタルイミド(2.54g,
10.0mmol)及び炭酸カリウム(2.07g, 15.0mmol)をアセトン(100mL)に懸濁し、3時間加熱還流した。セライトを用いて不溶物を濾去した後、残渣を酢酸エチルでよく洗浄し、有機層を合わせて溶媒留去した。残留物を酢酸エチルに溶解後、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し無色の固体を得た。これをジクロロメタン(100mL)に溶解後、炭酸水素ナトリウム(1.79g, 21.3mmol)及び65%メタクロロ過安息香酸(5.65g, 21.3mmol)を加え、常温にて一終夜撹拌した。クロロホルムで希釈後、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をヘキサン-酢酸エチルから再結晶することにより、化合物A(2.94g, 79%)を無色粉末として得た。
mp:171.0-173.0℃
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 4.14-4.17(2H, s), 4.33-4.36(2H, m),
7.55-7.63(3H, m), 7.67-7.70(2H, m), 7.73(2H, dd, J=3.1, 5.5Hz), 7.83(2H, dd,
J=3.1, 5.5Hz)
【0109】
以上のように、両天然物ともに実施例の化合物からわずか5工程で効率よく合成することに成功した。
【産業上の利用可能性】
【0110】
2-アシルアミノイミダゾール-4-アルデヒド誘導体の簡便な製造法並びにその合成中間体を見出したことによって、従来複雑な工程で合成されていた2-アミノイミダゾール構造を有する天然物が簡便かつ工業的有利に製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000001395
【氏名又は名称】杏林製薬株式会社
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】財団法人相模中央化学研究所
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−1662(P2008−1662A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174698(P2006−174698)