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【発明の名称】 3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造方法
【発明者】 【氏名】内田 幸生

【要約】 【課題】3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを簡便且つ安全に、収率良く製造する方法の提供。

【構成】式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】


で表されるジブロモホルムオキシムに、塩基存在下、2−メチルプロペンを反応させることを特徴とする、式(2)
【化2】


で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造方法。
【請求項2】
3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬及び農薬の製造中間体として有用な3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造方法及び3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明によって得られる3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールは医薬及び農薬の製造中間体として有用である。
【0003】
3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの合成方法としては、塩基存在下、ジハロゲノホルムオキシムに2−メチルプロペンを反応させる方法が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、該公報においてはジクロロホルムオキシムからの3−クロロ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造に関しては参考例に具体的な記載はあるものの、3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールに関しては具体的な記載がない。また、該公報によれば、ジクロロホルムオキシムからは40%程度の低収率でしか目的物が得られていない。
【0005】
また、ジハロゲノホルムオキシム化合物群は、びらん性化合物としての毒性が知られており、なかでもジクロロホルムオキシムはホスゲンオキシム(通称名:CX)と呼ばれ、その毒性も良く知られている。このジクロロホルムオキシムは、類似の化合物群(ジハロゲノホルムオキシム化合物群)の中でも特に毒性が強く、室温でも症状の発現に十分な蒸気圧を持つことも知られている。従って、取り扱いには細心の注意が必要であり、特に大量に製造することは困難であり、従って、特許文献1に記載の、ジクロロホルムオキシムを用いる3−クロロ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造方法は、工業的製法として適当とはいえない。
【0006】
一方、ジブロモホルムオキシムは、室温で固体の化合物であって蒸気圧も低いため、取り扱いはジクロロホルムオキシムに対してはるかに容易である。
【0007】
【特許文献1】特開2002-308857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の従来の技術の持つ欠点を解決した、3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを簡便且つ安全に、収率良く製造する方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような状況に鑑み、本発明者が3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、ジハロゲノオキシム化合物として、取り扱いの容易な、後記する式(1)で表されるジブロモホルムオキシムを特に選択し、これを、塩基存在下、2−メチルプロペンと反応させることにより、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを短時間で高収率に生成させることができることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0010】
本発明方法により、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールが短時間で収率良く製造される。原料の取り扱いも簡単で、作業安全性もジクロロホルムオキシムを用いる場合よりもはるかに向上しており、工業的製造方法としてきわめて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明は、下記〔1〕〜〔2〕項に記載の発明を提供する事により前記課題を解決したものである。
【0013】
〔1〕式(1)
【0014】
【化1】


【0015】
で表されるジブロモホルムオキシムに、塩基存在下、2−メチルプロペンを反応させることを特徴とする、式(2)
【0016】
【化2】


【0017】
で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造方法。
【0018】
〔2〕3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール。
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
本発明は、CXよりはるかに取り扱いが容易で安全な、式(1)で表されるジブロモホルムオキシムを、塩基存在下、2−メチルプロペンと反応させて、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを高収率で製造する方法及び該3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールに関するものである。
【0021】
まず、本発明において原料として使用する式(1)で表されるジブロモホルムオキシムについて説明する。
【0022】
式(1)で表されるジブロモホルムオキシムは公知化合物であり、種々の合成方法が知られている。
【0023】
例えば、グリオキシル酸とヒドロキシルアミンからヒドロキシイミノ酢酸を合成し、これに臭素を反応させることでジブロモホルムオキシムが白色結晶として78%の収率で得られることが、テトラへドロン レターズ(Tetrahedron Letters),第33巻,22号,3113頁(1992)に報告されている。
【0024】
例えば前述の方法で得られたジブロモホルムオキシムは、白色結晶として単離することができるが、本発明方法の反応においては、ヒドロキシイミノ酢酸に臭素を反応させた反応液からジブロモホルムオキシムを有機溶媒で抽出するだけで、これをそのまま(すなわち抽出溶液のまま)次工程に使用することも可能である。抽出溶媒は、そのまま3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの反応溶媒として使用できる。
【0025】
ここで用いうる抽出溶媒としては、水と分液するものであれば特に限定されることはなく、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステルに代表される脂肪酸エステル類;例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエ−テル系溶媒類;例えば、ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。抽出効率の観点からジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒類や酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステルに代表される脂肪酸エステル類を用いるのが好ましい。
【0026】
次に、式(1)で表されるジブロモホルムオキシムと2−メチルプロペンを反応させて、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを製造する方法について説明する。
【0027】
当反応に用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物;例えば、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;例えば、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;例えば、酸化バリウム、酸化マグネシウム及び酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物などを包含する無機塩基;ならびに、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド;トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等を包含する有機塩基を例示できるが、無機塩基を用いて行うのが高収率であり好ましく、特に、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物や、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を用いて行うのが良い。
【0028】
塩基の使用量は、反応が充分に進行する量であれば何れでもよいが、式(1)で表されるジブロモホルムオキシム(原料化合物)1モルに対して塩基が0.5〜20モル、好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは1.0〜3.0モルの範囲を例示できる。
【0029】
当反応で使用する2−メチルプロペンの使用量は、反応が充分に進行する量であれば何れでもよいが、式(1)で表されるジブロモホルムオキシム1モルに対して2−メチルプロペンが通常1.0〜10.0モル、好ましくは1.0〜5.0モル、更に好ましくは1.5〜3.0モルの範囲を例示できる。
【0030】
2−メチルプロペンは常温でガスであり、反応系への導入は液面吸収や吹き込みによって行なうことができるが、吹込みによるのが好ましい。反応系への2−メチルプロペンの導入速度は、未反応のガス(2−メチルプロペン)が反応系外に逃げてしまわないような導入速度であれば何れでもよく、反応系内に存在するジブロモホルムオキシムに対して過剰〜小過剰となるような量を導入できるような導入速度とした場合に収率が高くなる傾向が見られる。2−メチルプロペンの導入速度の範囲を例示するならば、0.02〜0.7mol/時間といった速度を例示することはできるが、実際には、この2−メチルプロペンの導入速度は反応スケールの大小にも依存するので一概には言えないため、この例示範囲にとらわれることなく実際の反応スケールに合わせて適宜設定すればよい。
【0031】
当反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば良く、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステルに代表される脂肪酸エステル類;例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;例えば、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒類;例えば、ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。好ましくは、式(1)で表されるジハロゲノホルムオキシム化合物(原料化合物)を原料合成する際に、抽出に使用した溶媒をそのまま当反応に用いるのが簡便で、特に、酢酸エチル等の酢酸エステル類やイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒中で行うのが好ましい。ここで、溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができ、例えばイソプロピルアルコール等のアルコール類等の極性の高い溶媒を、極性の低い溶媒に混合した混合溶媒系で当反応を実施すると反応が加速され、多くの場合、反応時間が短縮できたり収率が向上するといった、より好ましい結果を示す。
【0032】
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であれば良いが、式(1)で表されるジブロモホルムオキシム1モルに対して溶媒が通常0.05〜10l、好ましくは0.5〜2lの範囲であれば良い。
【0033】
当反応においては、極性が低い溶媒のみを用い、かつ塩基として無機塩基を用いる場合無機塩基の溶解性や反応性の向上を意図して添加剤を加えることにより反応が加速され、より好ましい結果を示す場合がある。
【0034】
添加剤としての相間移動触媒としては、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;塩化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラフェニルホスホニウム(TPPB)等の四級ホスホニウム塩;18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6等のクラウンエーテル類等を例示できる。
【0035】
また、添加剤としての界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコール−300(PEG−300、数平均分子量285−315)、ポリエチレングリコール−600(PEG−600、数平均分子量570−630)等のポリエチレングリコール類や、例えばポリプロピレングリコール−300(PPG−300、数平均分子量 約300等)のポリプロピレングリコール類を包含する、ポリアルキレングリコール類を例示することができる。
【0036】
当反応における添加剤の使用量は、反応が充分に進行する量であれば何れでも良いが、一般式(1)で表される原料化合物1モルに対して0.005〜0.5モル、好ましくは0.01〜0.1モルの範囲を例示できる。
【0037】
当反応の反応温度は、−10℃〜使用する溶媒の還流温度、の範囲を例示できるが、好ましくは0℃〜20℃で反応させると、短時間で反応が完結し、収率も良い。
【0038】
当反応の反応時間は特に制限されないが、反応速度は、2−メチルプロペンの導入速度にも依存するが、通常は1時間〜10時間で反応は終了する。
【0039】
当反応によれば、簡便な操作方法且つ穏やかな条件下で、収率よく、且つジクロロホルムオキシムを使う場合と比較して安全に、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを製造することができる。得られる、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールは、医農薬等の中間原料として有用な化合物である。
【実施例】
【0040】
次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0041】
(参考例1):ジブロモホルムオキシムの合成
50%グリオキシル酸水溶液88.8g(0.6mol)を水120mlに希釈し、水浴攪拌下、50%ヒドロキシルアミン水溶液39.6g(0.6mol)を0.5時間かけて滴下した。滴下後、室温で1時間攪拌した。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液50g(0.6mol)を反応液が25℃以下になるように水浴で冷却しながら、徐々に滴下した。この際、反応液のpHが7であることを確認した。この反応液に、リン酸二水素ナトリウム・2水和物187.2g(1.2mol)を加えた後、5℃以下まで冷却した。反応液に、臭素191.8g(1.2mol)を反応液が10℃以下を保つよう、4時間かけて滴下した。滴下後、2時間熟成し、次いで数滴の10%重亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰の臭素を分解した。分解は反応液の色が消失することで確認した。反応液にイソプロピルエーテル180mlを加え、有機層を分取した。さらに水層をイソプロピルエーテル60mlで再抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、表題化合物120.1g(純度79%;収率76.7%)を淡黄色結晶として得た。これをn−ヘキサンで洗浄することで表題化合物を白色結晶(純度99%)として得た。
【0042】
GC−MS(EI)m/z=203(M),122(Base)
融点は65−66℃で、文献値と一致した。
【0043】
(参考例2):ジブロモホルムオキシムの合成
50%グリオキシル酸水溶液74.0g(0.5mol)を水100mlに希釈し、水浴攪拌下、50%ヒドロキシルアミン水溶液33.0g(0.5mol)を0.5時間かけて滴下した。滴下後、室温で1時間攪拌した。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液42g(0.5mol)を反応液が25℃以下になるように水浴で冷却しながら、徐々に滴下した。この際、反応液のpHが7であることを確認した。この反応液に、リン酸二水素ナトリウム・2水和物156.0g(1.0mol)を加えた後、5℃以下まで冷却した。反応液に、臭素159.8g(1.0mol)を反応液が10℃以下を保つよう、4時間かけて滴下した。滴下後、2時間熟成し、次いで数滴の10%重亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰の臭素を分解した。分解は反応液の色が消失することで確認した。反応液にイソプロピルエーテル150mlを加え、有機層を分取した。さらに水層をイソプロピルエーテル100mlで再抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、このイソプロピルエーテル溶液265.3g中には表題化合物81.2gが含まれており(濃度30.6%)、収率は80.1%であった。
【0044】
(実施例1):3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの合成
イソプロピルエーテル350mlにビーズ状の99%水酸化ナトリウム84.0g(2.1mol)を懸濁し、5℃以下に冷却した。氷冷下で攪拌しながら、2−メチルプロペン78.6g(1.4mol)を約3時間で終了する速度で吹き込みを開始した。1時間後、2−メチルプロペン26.2g(0.47mol;想定量の1/3)が吹き込まれていることを確認した後、引き続き同一速度で2−メチルプロペンを導入しながら、参考例2で合成したジブロモホルムオキシムのイソプロピルエーテル溶液464.0g(濃度30.6%)を5℃以下に冷却攪拌下、3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温で2時間熟成した。反応液に水350mlを加え、室温で0.5時間撹拌し、有機層を分取した。得られた有機層を水140mlで2回、飽和食塩水70mlで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた黄色の油状物をさらに蒸留することにより透明液体84.7g(純度99.0%、収率68%)を得た。
【0045】
H−NMR値(300MHz,CDCl):σ=2.95(s,2H),1.44(s,3H)ppm
GC−MS(EI):m/z=178(M),162(base)
沸点:40℃/0.3kPa
【0046】
以下の実施例では、実施例1で得られた化合物(3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール)を標品とし、内部標準分析法(内部標準;ジ−p−トリルエーテル)により反応収率を算出した。
【0047】
(実施例2):3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの製造(収率確認実験)
イソプロピルエーテル25mlにジ−p−トリルエーテル0.5g(内部標準物質)、ビーズ状の99%水酸化ナトリウム10.0g(0.25mol)を懸濁し、5℃以下に冷却した。氷冷下で攪拌しながら、2−メチルプロペン8.4g(0.15mol)を約3時間で終了する速度で吹き込みを開始した。1時間後、2−メチルプロペン2.8g(0.05mol;想定量の1/3)が吹き込まれていることを確認した後、引き続き同一速度で2−メチルプロペンを導入しながら、参考例2で合成したジブロモホルムオキシムのジイソプロピルエーテル溶液33.1g(濃度30.6%)を5℃以下に冷却攪拌下、3時間かけて滴下した。1時間後、反応液をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーを用いた内部標準分析法にて反応収率を算出した結果、収率は80.2%であった。
【0048】
実施例3〜11
実施例2と同様の操作にて、各種溶媒と塩基の組み合わせで反応を行った。結果を(表1)に纏めた。
【0049】
【表1】


*1:「IPA」はイソプロピルアルコールを示す。
*2:「PPG−300」はポリプロピレングリコール−300(数平均分子量 約300)を示す。
【0050】
(比較例1):3−クロロ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの合成
エタノール500ml、炭酸水素ナトリウム63.0g(0.75mol)を加え、室温で撹拌させた。2−メチルプロペン84.2g(1.50mol)を吹き込みながら0.5時間後、70℃に昇温し、ジクロロホルムオキシムの40%イソプロピルエーテル溶液131.3g(0.5mol)を反応液に徐々に滴下し、同温度で8時間攪拌した。25℃以下まで放冷し、ろ過により無機固体を除去した後、溶媒を留去した。得られた黄色溶液を62℃/1.1kPaで減圧蒸留し、無色透明液体の3−クロロ−4,5−ジヒドロイソキサゾール32.3g(収率41%)を無色透明液体として得た。
【0051】
H−NMR値(300MHz,CDCl):σ=2.88(s,2H),1.41(s,3H)ppm
GC−MS(EI):m/z=133(M),118(base)
沸点:50℃/0.7kPa
【産業上の利用可能性】
【0052】
3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールの新規な工業的製造法が提供される。本発明方法によれば、式(1)で表されるジブロモホルムオキシムから、簡便な操作方法且つ穏やかな条件下で、収率よく、式(2)で表される3−ブロモ−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾールを製造することができる。しかも、原料の取り扱いも簡単で、作業安全性もジクロロホルムオキシムより向上しており、工業的製造方法としてきわめて有用である。
【出願人】 【識別番号】000102049
【氏名又は名称】イハラケミカル工業株式会社
【出願日】 平成16年10月6日(2004.10.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−1597(P2008−1597A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2004−293715(P2004−293715)