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マイクロリアクターを用いた不飽和有機化合物の合成方法 - 特開2008−290958 | j-tokkyo
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【発明の名称】 マイクロリアクターを用いた不飽和有機化合物の合成方法
【発明者】 【氏名】曽我部 敦

【氏名】那須 昭夫

【氏名】北森 武彦

【氏名】上野 雅晴

【氏名】馬渡 和真

【氏名】菊谷 善国

【要約】 【課題】反応収率及び純度に優れ、室温条件の下、重合禁止剤の添加を必要としないマイクロリアクターを用いた不飽和有機化合物の合成方法を提供する。

【解決手段】アクリル酸系反応誘導体を、マイクロリアクター内で脂肪酸化合物と反応させることによる、下記一般式(3)で表される不飽和有機化合物を合成することを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアクリル酸系反応誘導体を、マイクロリアクター内で下記一般式(2)で表される脂肪酸化合物と反応させることによる、下記一般式(3)で表される不飽和有機化合物を合成することを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【化1】


(式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Mは塩素原子、臭素原子を表す。)
【化2】


(式中、Rは炭素数4〜22のアルキレン基、XはNH基又は水酸基、Mは水素又は1価の金属原子を表す。)

【化3】



(式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数4〜22のアルキレン基、Xは−NH−基又は酸素原子、Mは水素又は1価の金属原子を表す。)
【請求項2】
請求項1に記載の不飽和有機化合物の合成方法において、Rがメチル基、Mが塩素原子であることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の不飽和有機化合物の合成方法において、XがNH基、Xが−NH−基、Rが炭素数11のアルキレン基であることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、マイクロリアクターが、注入された液体を流す微細な流路と、複数の流路が合流する反応路とが基板上に形成され、前記反応路にて複数の層流を接触させることを特徴とする化学反応装置であることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、マイクロリアクターの流路の断面積が0.001〜100mmであることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、マイクロリアクターの流速が0.001〜100ml/分となるように設定することを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、脂肪酸化合物溶液とアクリル酸系反応誘導体溶液の流速比が30:1.5〜30:2.5となるようにマイクロリアクターの流速を設定することを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、脂肪酸化合物溶液が0.10〜0.15mol/lの濃度を有し、アクリル酸系反応誘導体溶液が3.5〜4.0mol/lの濃度を有していることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、アクリル酸系反応誘導体の質量が脂肪酸化合物の質量の1.5〜2.5倍量であることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の不飽和有機化合物の合成方法において、室温条件下にて反応させることを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の不飽和有機化合物を含有することを特徴とする表面処理剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロリアクターを用いた不飽和有機化合物の合成方法、特に不飽和有機化合物の反応収率及び純度の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料基材の開発にあたり、化粧崩れの起こることのない効果を長時間持続することができ、一方で化粧を落す際には容易に洗い流すことができる両者の性能を同時に満たす表面処理剤が開示されており、その原料の一種として、pH応答性を有する不飽和有機化合物が用いられている(特許文献1〜2)。
【0003】
不飽和有機化合物の合成反応において従来は試験管やビーカー、フラスコ等の大容量のガラス容器に所定の試料を収容し容器内で特定の条件下に試料を混合して合成反応を行わせることが多かった(非特許文献1〜3)。しかしながら、従来の不飽和有機化合物の合成方法においては反応熱による不飽和有機化合物の重合が起こりやすいため、冷却条件の下、重合禁止剤を添加する必要があった。また、アクリル酸系反応誘導体の反応性が低いため、大過剰のアクリル酸系反応誘導体を用いる必要があり、生産コストが高くなり、その後の精製が煩雑となる問題があった。
【0004】
一方、近年においては小型化された化学反応装置、いわゆるマイクロリアクターが合成化学の分野で注目を集めており、種々の化学反応に適用した例が報告されている(例えば、特許文献3〜4等)。マイクロリアクターは、流路の断面積が0.001〜100mmのキャピラリーやマイクロチャネルを利用し、微小領域での反応を行うものであり、普通サイズの反応装置に比べ体積当りの表面積の比率を大きくしうる等の理由で、化学反応の効率化の手段として注目されている。
【特許文献1】特開2006−131886号公報
【特許文献2】特開2006−131887号公報
【特許文献3】特開2004−160273号公報
【特許文献4】特開2004−181298号公報
【非特許文献1】J.Macromol.Sci.Chem.,A26,(1989)p.663
【非特許文献2】Macromolecules,35(2002)p.5243−5249
【非特許文献3】高分子論文集,61,(2004)p.399−407
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、その目的は、室温条件下、重合禁止剤の添加を必要としないマイクロリアクターを用いることによって、不飽和有機化合物の反応収率及び純度に優れた不飽和有機化合物の合成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明者等は鋭意検討を行った結果、マイクロリアクターを用いて、アクリル酸系反応誘導体と脂肪酸化合物を合成させて不飽和有機化合物を得ることにより、室温条件下において、重合禁止剤の無添加でも反応が可能となり、従来の合成方法において70%程度であった不飽和有機化合物の反応率をほぼ100%にまで向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の第一の主題は、下記一般式(1)で表されるアクリル酸系反応誘導体を、マイクロリアクター内で下記一般式(2)で表される脂肪酸化合物と反応させることによる、下記一般式(3)で表される不飽和有機化合物を合成することを特徴とする不飽和有機化合物の合成方法である。
【化1】


(式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Mは塩素原子、臭素原子を表す。)
【化2】


(式中、Rは炭素数4〜22のアルキレン基、XはNH基又は水酸基、Mは水素又は1価の金属原子を表す。)
【化3】



(式中、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数4〜22のアルキレン基、Xは−NH−基又は酸素原子、Mは水素又は1価の金属原子を表す。)
【0008】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、Rがメチル基、Mが塩素原子であることが好適である。
【0009】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、XがNH基、Xが−NH−基、Rが炭素数11のアルキレン基であることが好適である。
【0010】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、マイクロリアクターが、注入された液体を流す微細な流路と、複数の流路が合流する反応路とが基板上に形成され、前記反応路にて複数の層流を接触させることを特徴とする化学反応装置であることが好適である。
【0011】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、マイクロリアクターの流路の断面積が0.001〜100mmであることが好適である。
【0012】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、マイクロリアクターの流速が0.001〜100ml/minとなるように設定することが好適である。
【0013】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、脂肪酸化合物溶液と反応誘導体溶液の流速比が30:1.5〜30:2.5となるようにマイクロリアクターの流速を設定することが好適である。
【0014】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、脂肪酸化合物溶液が0.10〜0.15(mol/l)の濃度を有し、反応誘導体溶液が3.5〜4.0(mol/l)の濃度を有していることが好適である。
【0015】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、反応誘導体の質量が脂肪酸化合物の質量の1.5〜2.5倍量であることが好適である。
【0016】
前記不飽和有機化合物の合成方法において、室温条件下にて反応させることが好適である。
【0017】
また、本発明の第二の主題は、前記不飽和有機化合物からなる表面処理剤である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のマイクロリアクターを用いた不飽和有機化合物の合成方法によれば、室温条件下において、重合禁止剤を添加することなく、反応収率及び純度に優れた不飽和有機化合物を得ることできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記一般式(1)に示されるアクリル酸系反応誘導体としては、酸クロライド、酸ブロマイドのような酸ハライド、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシイミドエステルのような活性エステル、アクリル酸系無水物等が好ましい。一般式(1)において、アクリル酸α炭素の置換基であるRは水素、または炭素数1〜3のアルキル基であり、アルキル基である場合には直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、特に好ましくは水素、メチル基である。
【0020】
本発明に用いられるアクリル酸系反応誘導体としては、例えば、メタクリル酸クロライド、アクリル酸クロライド等が挙げられる。
【0021】
また、一般式(2)に示される化合物は、脂肪酸化合物である。一般式(2)において、Rは炭素数4〜22のアルキレン基である、アルキレン基は直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rとしては、例えば、炭素数8のオクチレン基、11のウンデシレン基、12のドデシレン基が挙げられる。また、Rとしては、構造中に芳香族環や炭素−炭素二重結合を含んでいても良く、例えばビニレン基、メチルフェニレン基等であっても構わない。また、一般式(2)において、XはNH基又は水酸基であり、特にNH基であることが好ましい。また、一般式(3)において、Xは−NH−基又は酸素原子であり、特に−NH−基であることが好ましい。また、一般式(2)及び(3)において、Mは水素又は1価の金属原子である。1価の金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。なお、Mに関しては、希塩酸あるいは希水酸化ナトリウム溶液等を適当量用いて、カルボン酸(M=水素)あるいはナトリウム塩(M=ナトリウム)の形に可逆的に変換することも可能である。
【0022】
本発明において用いられる化合物としては、例えば、12−アミドドデカン酸、11−アミドウンデカン酸、8−アミドオクタン酸等が挙げられる。
【0023】
以下に図面を参照して本発明のマイクロリアクターの説明を行う。図1は本発明にかかる合成方法により用いられたマイクロリアクターの平面図である。
図1のマイクロリアクター10は、マイクロリアクター10外部から流入される溶液の流路となる流路12及び流路16とが基板に溝として形成されたものである。上記の流路12及び流路16は、その一部が合流し反応路14を形成している。流路12と開流路16とからの層流は、反応路14にて互いに接触し安定な界面を形成する。流路16の末端は、流出口18となっており、ここから目的物の流出を行う。
【0024】
次にこのマイクロリアクターチップの使用時の動作を、図1を参照して説明する。
外部のマイクロポンプ(図示せず)等により流路12から脂肪酸化合物溶液、及び流路16からアクリル酸系反応誘導体溶液が注入され、各流路を流れていく。これらの層流は、反応路14において互いに接触しながら流れて行く。流路の幅はマイクロメートルのオーダーであるので、反応路14中の層流間の界面は安定して存在することができ、反応は界面を通してのみ行われる。層流の体積に対して界面の表面積が大きいので反応効率は良く、また層流間で起こる拡散は界面を通しての分子拡散のみでマクロな混合は起こらず、相分離を行い易い。また、反応路14における2層流の接触の仕方は、左右(基板面に対して平行な方向)に並べた流し方でも、上下(基板面に垂直な方向)に重なった流し方でもよい。上下に重なった流し方の場合、反応路の溝をやや深くし、反応液と触媒の比重等を考慮してマイクロリアクターを設計する。
【0025】
本発明のマイクロリアクターの典型例としては、その流路の直径が10,000μm程度以下、好ましくは10〜1000μm程度、より好ましくは50〜100μm程度のものが挙げられる。流路をこのような範囲にすることでマイクロリアクターの形状は特に限定されない。例えば、キャピラリー状、チューブ状、基板状に流路を形成したものなどが挙げられる。その流路の長さは、合成対象物、反応条件等に応じて変化するが、通常、1〜100cm程度、好ましくは5〜50cm程度であればよい。
【0026】
本発明のマイクロリアクターの流速は、好ましくは1〜100μm/秒、特に好ましくは5〜20μm/秒の流速が得られるように設定される。
【0027】
本発明の合成方法において、アクリル酸系反応誘導体溶液と脂肪酸化合物溶液をマイクロリアクターに導入させる流速比は、30:1.5〜30:2.5の範囲に設定されるのが好ましく、30:2に設定されるのが特に好ましい。
【0028】
合成反応の際に用いられる溶媒としては、前記基質を溶解しやすく、基質と反応しないまたは基質よりも反応性に劣るものであればいかなる溶媒でも用いることが可能であり、基質の種類に応じて適宜選択すれば良い。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物系溶媒などの他、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、水等である。なお、これらの溶媒は2種以上混合して用いてもよい。
【0029】
また、本発明のアクリル酸系反応誘導体の含有量は、アクリル酸系反応誘導体溶液全体の2.5〜5.5mol/lの濃度範囲であることが好ましく、3.5〜4.0mol/lの濃度範囲であることが特に好ましい。一方、脂肪酸化合物の含有量は脂肪酸化合物溶液全体の0.05〜0.2mol/lの濃度範囲であることが好ましく、0.1〜0.15mol/lの濃度範囲であることが特に好ましい。
【0030】
本発明のアクリル酸系反応誘導体の質量は脂肪酸化合物の質量の1.5〜2.5倍量であることが好ましく、アクリル酸系反応誘導体の質量は脂肪酸化合物の質量の2倍量であることが特に好ましい。
【0031】
本発明のアクリル酸系反応誘導体の合成における温度条件は、室温であればよく、5〜35℃であることが好ましく、特に15〜25℃であることが特に好ましい。
【0032】
本発明の合成方法によって得られる不飽和有機化合物は、粉体の表面処理剤に含有されるポリマーの構成モノマーとして好適に用いることができる。特許文献1,2に開示されているように、本発明の合成方法によって得られる不飽和有機化合物を構成モノマーとして含有するポリマーを粉体の表面処理剤として用いると、処理粉体の疎水性−親水性がpH変化に対して著しく変化する。このため、化粧料中に当該処理粉体を配合した場合、化粧持ちに優れているにもかかわらず、石鹸等を用いて水で容易に洗い流すことが可能である。
【0033】
また、本発明の合成方法によって得られるモノマーは重合させることなく合成されているため、ポリマーを製造する際にモノマーとしての比率を正確に調製することができ、粉体に付与する疎水性−親水性のバランスを好適に調製することが可能である。
【0034】
本発明の合成方法によって得られる不飽和有機化合物を構成モノマーとしたポリマーからなる表面処理剤はどのようなものに対して用いても構わないが、特に化粧料用粉体に対して好適に用いることができる。このような粉体としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、雲母、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック及びこれらの複合体等の無機粉体、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、上記化合物の単量体の2種以上からなる共重合体、セルロイド、アセチルセルロース、セルロース、多糖類、タンパク質、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジ、CIピグメントグリーン等の有機粉体が挙げられる。また、粉体の形状についても、例えば、板状、塊状、鱗片状、球状、多孔性球状等、どのような形状のものでも用いることができ、粒径についても特に制限されない。
【実施例】
【0035】
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
合成例1:12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)
【化4】



【0036】
実施例1−1
メタクリル酸クロライドの質量が12−アミドドデカン酸(12AD)の質量の4倍量となるように、一方の導入経路に12ADと20重量%エタノール水溶液の混合溶液0.13mol/lを、もう一方の導入経路にメタクリル酸クロライド/テトラヒドロフラン溶液3.83mol/lをフローリアクター内に注入した。なお、室温を25℃に設定し、12AD/エタノール水溶液の混合溶液の流速が30.0μl/分、メタクリル酸クロライド/テトラヒドロフラン溶液の流速が4.0μl/分となるように流速を設定した。
この結果、得られた12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)を高速液体クロマトグラフフィーで分離・分析した。本実施例の反応収率結果を表1及び図2に示す。
【0037】
実施例1−2〜3−3
本発明者らは、本発明の合成方法による特性について検討を行うため、上記実施例1−1に準じて各条件により合成した12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)の反応収率の評価を行った(実施例1−2〜3−3)。得られた12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)を高速液体クロマトグラフフィーで分離・分析した。これら実施例の反応条件及び反応収率結果を表1及び図2に示す。
【0038】
比較例1−1〜2−2
また、比較例1−1〜1−2として、従来のフラスコを用いた合成方法により、メタクリル酸クロライドの質量が12−アミドドデカン酸(12AD)の質量の等倍量及び3倍量となるように12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)を合成し、得られた12−メタクリルアミドドデカン酸(MAD)を高速液体クロマトグラフフィーで分離・分析した。本比較例の反応収率結果を表1及び図2に示す。
【0039】
【表1】


【0040】
結果
表1及び図1に示すように、メタクリル酸クロライドの質量が12−アミドドデカン酸(12AD)の質量の2倍量となるように、12−アミドドデカン酸の濃度を0.13mol/l、メタクリル酸クロライドの濃度を3.83mol/lとなるように混合し、12−アミドドデカン酸溶液の流速が30.0μl/分、メタクリル酸クロライド/テトラヒドロフラン溶液の流速が4.0μl/分となるように設定した、試験例1−3の12−メタクリルアミドドデカン酸が、最も反応収率が高くなり、ほぼ100%の反応収率を達成することが明らかとなった。一方で、他の条件で得られた12−メタクリルアミドドデカン酸の反応収率は100%に近い値を示さず、従来のフラスコによる合成方法により得られた反応収率とほぼ同様の結果となることが明らかとなった。なお、12−アミドドデカン酸の濃度を0.13mol/l、メタクリル酸クロライドをほぼ原液の6.9mol/l以上の濃度で混合した場合、従来の合成方法ほどの反応収率は得られなかった。
【0041】
すなわち、室温にて、アクリル酸系反応誘導体の質量が脂肪酸化合物の質量の1.5〜2.5倍量になるように調製し、0.10〜0.15mol/lの脂肪酸化合物溶液と3.5〜4.0mol/lのアクリル酸系反応誘導体溶液を流速比が30:1.5〜30:2.5になるように設定したマイクロリアクターを用いて合成反応させた不飽和有機化合物は重合禁止剤を添加することなく、反応収率及び純度に優れた不飽和有機化合物を得ることが可能になると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明にかかる合成方法により用いられたマイクロリアクターの平面図である。
【図2】本発明にかかる合成方法、及び従来の合成方法により得られた12−メタクリルアミドドデカン酸の反応収率結果である。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【識別番号】591243103
【氏名又は名称】財団法人神奈川科学技術アカデミー
【出願日】 平成19年5月23日(2007.5.23)
【代理人】 【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司


【公開番号】 特開2008−290958(P2008−290958A)
【公開日】 平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願番号】 特願2007−136487(P2007−136487)