トップ :: C 化学 冶金 :: C05 肥料;肥料の製造

【発明の名称】 堆肥切り返し機
【発明者】 【氏名】石村 雄輝

【要約】 【課題】堆肥の切り返しの為に、特別な動力源を必要としない省エネルギ−タイプの簡便な攪拌切り返し装置を提供する。

【解決手段】仕切板8によって、底部で連通する堆肥蓄積室とガス室に二分される空間部を形成する有蓋の略四角い箱型の堆肥槽1の一側面から貫通する複数のパイプ12を千鳥状に配置して仕切板8との間で固定し、このパイプ12の外周に軸受けを介して自由に回転し得る攪拌・切り返し用の羽根刃20を螺旋状にその外周に固定する短管18を設けて、それぞれのパイプ12及び短管18の側壁に空気の排出孔を穿って堆肥蓄積室内に空気を供給し、堆肥が発酵して発生するメタンガスをガス室の上方に設けるガス取り出し口から取り出せるように構成する堆肥の切り返し機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部で連通するガス室と堆肥蓄積室に二分される空間部を形成する仕切板を内部に垂設する角型の上方開口部に蓋を有し側面底部に堆肥の取り出し用の扉を有する堆肥槽の一側面から貫通して前記仕切板に渡し、該堆肥槽側の一端開口部を空気取入口とし、側壁に空気を排出する多数の小孔を穿つ複数のパイプを千鳥状に交互に配置して前記堆肥槽の側壁と前記仕切板間で固定し、該パイプの各々の外周に、軸受けを介して、側壁に空気排出用複数の小孔を穿ち、夫々が独立して自由に回転し得る短管を繋げて設けると共に、該短管の外周に堆肥の攪拌・切り返し用の螺旋状に形成される弾性材で成る羽根状の刃を固定し、前記パイプの空気取入口から、送風機により圧送される空気を槽内に導入し、前記ガス室の上方部にメタンガス取出口を設けることを特徴とする堆肥切り返し機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は堆肥の切り返し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術として、以下のような技術的手段が知られている。
農水畜産廃棄物を種菌を用いて効率よく少ないエネルギ−で発酵処理し肥効成分を濃縮堆肥化して土壌肥料として土に還元するために、一次発酵槽での発酵後に選別ふるい装置でふるい分かられた残部の多孔質な固形有機物などの調整材を繰り返し一次発酵槽の培地に投入混合する方法、細断羽根により敷料と糞尿中に含まれる固形状堆積物を細断し、細断羽根と別体に設ける攪拌羽根により敷料と糞尿が混合された混合物のピッチ間への詰まりを防止して大量の敷料と糞尿の攪拌効率を向上させる装置、一次発酵槽として設けられる貯留発酵路に設置される切返し装置で、貯留発酵路の上方を、溝の長手方向に走行する台車フレ−ム上に立設され上下に伸縮する脚部を有する本体フレ−ムと、これに上端回転軸が軸支され、下端回転軸が貯留発酵路の底部近傍にスクレバ−を有して位置するように、傾斜角を可変な貯留発酵路の幅にほぼ等しい幅を有し、その表面に所定の間隔でスク−プが配設されたスク−プ本体部を備えてスク−プ本体の回転によりスク−プ部で堆肥材料の切り返し・移送作業を行う装置、方法、或いは地盤を掘削してそこに伐採材チップを収納するピットを設けて、ピットの内側に遮水シ−トを設置し、家畜糞尿と混合した伐採材チップを入れ、温度、湿度の程好い条件下で給水、換気が行われる、現場内における伐採木の堆肥化装置、方法などである。
【0003】
【特許文献1】 特開平11−1385号公報
【特許文献2】 特開2002−274987号公報
【特許文献3】 特開2006−76813号公報
【特許文献4】 特開2001−302379号公報
発明の開示
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在知られている前記公知例においては、堆肥を切り返す装置なり方法が規模の大きいものとなり、場合によってはトラクタ−の使用が避けられず、簡便のが望まれていた。本発明は、この要望に応えるためのものであり、切り返しのための動力源を必要としない簡便な堆肥切り返し機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
有蓋の略四角い箱状の堆肥槽内に仕切板によって二分される、底部で連通する堆肥蓄積室とガス室を設け、この堆肥槽の一つの側面から貫通し前記仕切板との間で固定される複数のパイプを千鳥状に交互に配置して、該パイプの側壁に堆肥の発酵を促進させるための空気排出用の小孔を多数穿つとともに堆肥槽側の一端開口部を空気の取入口とし、各々のパイプの外周に、軸受けを介して、側壁に空気排出のための小孔を複数箇所に穿ち、外周にはゴムなどの弾性材から成る堆肥を攪拌し切り返えすための羽根状の刃を螺旋状に連続するように設ける短管がそれぞれ独立して、堆肥投入口から供給される高粘性の畜産廃棄物の落下によって自然に回転できるように設けられており、更に、前記ガス室の上方には堆肥の発酵にともなって発生するメタンガスを取り出すための取出口を設けて、送風機から圧送される空気を前記それぞれの小孔から堆肥蓄積槽内に均等に供給し発酵を促すとともに発生するメタンガスがガス室に蓄積されるように構成する堆肥切り返し機として課題を解決している。尚、前記堆肥槽の底部側面には開口部を設け処理済堆肥の取り出し用の扉を施してある。
【発明の効果】
【0006】
本願発明は、前述の手段に拠って、課題としている簡便且つ省エネルギ−で堆肥を切り返えすことの出来る装置を提供するということが満足出来る範囲で達成している固有の効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示す実施例に従って本発明の実施形態について説明する。
図1は堆肥槽の一実施例における概念図である。四角い箱型の底板7により有底となる堆肥槽1の上方開口部に、一辺で蝶番4によってヒンジ結合する取手3を有する片開きの蓋2を設け、開口部を被う開口切目6を刻む投入マット5を施してある。堆肥槽1内は仕切板8によりガス室9が堆肥蓄積槽(符号略)と分離され両者は底部で連通している。堆肥槽1の一つの側面から仕切板8に渡して、回転の軸となる複数のパイプ12を千鳥状に交互に配置固定し、このパイプ12の外周に軸受けを介して、刃となる羽根20を外周に固定して設ける自由に回転できる短管18が繋がっているものである。堆肥槽1内の堆肥蓄積層の下方一辺には堆肥を取り出すための把手11を設ける扉10を施して槽全体を構成している。この場合、蓋2の構成は設計上の問題となる。
【0008】
図2は図1の概念を具体化した構成の実施例の正面外観図であり図3は左側面図である。堆肥槽1の右側面外側には空気17を空気調整バルブ16を通して供給する空気マニホ−ルド15を配置して、ここから各パイプ12内に送風機からの空気を均等に送り込めるようになっている。また、堆肥槽1の左側面外側にはガス室9の上方に設ける堆肥の発酵に伴って発生するのメタンガス排出口に接続するガス回収パイプ22と途中に設けるガス調整バルブ23を配しガス吸収パイプでメタンガス24を取り出せるように構成している。図において堆肥の切り返し用の羽根20は模式的に表示してある。
【0009】
図4、図5、図6は羽根部の構成図である。堆肥槽1の側面と仕切板8に渡ってそれらとパイプ軸受21で固定され、側面に多数の空気排出のための小孔13を穿っているパイプ12の外周に軸受け14を介して自由に回転し得る短管18の外周に変形復形の容易な合成ゴムなどの比較的硬質な弾性材でなる先端部が刃となるように鋭角に形成する正面形状が風車型の羽根20が螺旋状に短管18ごとに連続するように設け、この短管18にも空気排出用の小孔19を複数個施してある。羽根の形状は、本実施例以外にも先端部に向かって刃が出来るように鋭角となるような断面形状が略三角形のものが角度を変えながら連続するようなものであればどのような羽根でも構わない。例えば、正方形のゴム板の対角線上に短管18の外径よりも多少小さな直径の穴を二箇所に開けて、このゴム板の対向する頂点を合わせて固定したものを角度を変えて重ね合わせて、前期穴を短管18の外側に嵌めて固定するなどの方法でも連続する羽根20を形成することが可能である。
腐食性の高い堆肥の切り返しとしては耐食性のある材料が望ましく、パイプ12には強度の考慮してステンレス鋼などの金属が望ましく、短管18の材料としてはポリエチレンなどの硬質プラスチックパイプが望ましいが、これらの材料に限るものではなく、その選択は設計上の問題となる。また、軸受け14の材質、形状も問うものではなく、単純にはプラスチックの単純なリングでも構わない。
【0010】
以上のような構成でなる本発明の堆肥切り返し機において、家畜糞尿などの処理対象廃棄物を投入マット5から堆肥槽1内に投下したときに、比較的粘性の高い堆肥は落下して羽根20に衝突しその力に拠って羽根20が段差を設けて千鳥状に配置されている短管18ごとに勝手に回転し堆肥は均等に攪拌され切り返しが為されることになる。この時、刃となる羽根20が螺旋状に連続し切り返しが為されることになる。この時、刃となる羽根20が螺旋状に連続しているので回転がスム−スに行なわれることになる。本発明にあっては、堆肥槽1内に送風機から圧送される空気がパイプ12及び短管18の小孔から導入されるので堆肥の発酵が促進される。槽内で堆肥の発酵により発生するメタンガスは堆肥蓄積室内の圧力が高くガス室9に蓄積されるのでガスの取り出しも容易となり、小規模の堆肥切り返し機としては極めて有効なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本堆肥槽を強化プラスチックなどの材用で成形することで大量に生産できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 全体の概念図である。
【図2】 図1を具体化した正面外観図である。
【図3】 同図、左側面図である。
【図4】 羽根の構成図である。
【図5】 同図正面から見る構成図である。
【図6】 同図側面の構成図である。
【符号の説明】
【0013】
1 堆肥槽
2 蓋
3 取手
4 蝶番
5 投入マット
6 投入開口切目
7 底板
8 仕切板
9 ガス室
10 扉
12 パイプ
13 小孔
14 軸受け
15 空気マニホ−ルド
16 空気調整バルブ
17 空気
18 短管
19 小孔
20 羽根
21 羽根受
22 回収パイプ
23 ガス調整バルブ
24 メタンガス
【出願人】 【識別番号】307012274
【氏名又は名称】石村 雄輝
【出願日】 平成19年3月23日(2007.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−239469(P2008−239469A)
【公開日】 平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願番号】 特願2007−110970(P2007−110970)