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【発明の名称】 未焼却身剥ぎかき殻の含有機物肥料化方法
【発明者】 【氏名】三塚 潔

【要約】 【課題】身剥ぎ作業直後から有害、不要な腐敗油脂分を伴う環境阻害性放置物であるかき殻を焼却処理せずに変質加工し、有用な含有機物かき殻肥料へと転換する方法を提供する。

【解決手段】10ヶ月以上3年未満雨水及び自然繁殖腐敗菌と気温条件で接触させて、表面吸着水を除去させた後、腐敗油脂分を離脱させた未焼却身剥ぎかき殻を粉砕して顆粒状にし、これら顆粒状物を包装資材中に密閉充填する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10ヶ月以上3年未満雨水及び自然繁殖腐敗菌と気温条件下で接触させて、表面吸着水を除去させた後、腐敗油脂分を離脱させた未焼却身剥ぎかき殻を粉砕して顆粒状にし、これら顆粒状物を包装資材中に充填することを特徴とする、未焼却身剥ぎかき殻の含有機物肥料化方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、放置物である身剥ぎかき殻を焼却処理せずに、有用有機物を共存させた状態で加工する肥料化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かき製品の生産地で毎年出される身剥ぎ生かき殻の量は膨大であり、それぞれの地域で野積みされたままになっている。
現在は、それを焼却炉に入れて、付滞している有機物を熱分解及び燃焼させ、無機物製品である焼成炭酸カルシウムへと転換した後、農地土壌のpH調整剤等として利用することを一部で行なっている。
【特許文献1】特開2005−081228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、pH調整剤としての炭酸カルシウムは別段、かき殻由来の焼成炭酸カルシウムに限ったことではないので、そのための利用は僅かであり、到底、野積み量を減らすまでには至っていない。
【0004】
また、野積みした身剥ぎ生かき殻から発せられる臭気が環境阻害になることもあり、身剥ぎかき殻のさらなる有効利用方法を見い出すことが環境対策をも兼ねる課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、自然若しくは人為的に未焼却身剥ぎかき殻から有害、不要な付滞有機物等を取り除くと同時に、貝殻由来の有用有機物を保持した状態のものを適切な大きさに破砕し、有害な放置物であるかき殻を含有機物肥料製品へと転換させるという本発明に到達したものである。
【0006】
本発明にあっては、10ヶ月以上3年未満雨水及び自然繁殖腐敗菌と気温条件下で接触させて、表面吸着水を除去させた後、腐敗油脂分を離脱させた未焼却身剥ぎかき殻を粉砕して顆粒状にし、これら顆粒状物を包装資材中に充填することを特徴とする、未焼却身剥ぎかき殻の含有機物肥料化方法である。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、従来、放置物として場所も多く取り、また、その利用法も焼却して焼成炭酸カルシウムとして農地土壌のpH調整剤だけに限られていた身剥ぎかき殻を焼却処理せず、しかも、有害、不要な付滞有機物である腐敗油脂分を除去して、かき殻由来の窒素を含む蛋白質系有機物を保持した状態にして、散布し易い形状にし、無機物としての炭酸カルシウム素材としての用途分類からより付加価値の高い含有機物肥料へと新用途が開け、しかも、その需要が拡大するにつれて、野積み量も減少するので、環境対策にも貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明の未焼却身剥ぎかき殻の含有機物肥料化方法とその有用性は以下の具体例だけに限定されるものではない。
【0009】
(実施例1)
自然環境下に2年6ヶ月放置した身剥ぎかき殻を48時間雨水に連続接触させて、表面の泥土を洗い流したもの500kgを20℃でロールミルに通して、大略2cm四方〜5cm四方の破片に粗粉砕した後、さらに、ハンマーミルを用いて平均粒径約1.5mmの顆粒状に粉砕加工した。次いで品温が95〜120℃となるよう熱風内を移動させて、表面吸着水を除去した後、20℃まで自然冷却させ、窒素ガス置換された100μmのポリエチレン袋の中に20kgづつ充填し、次いで、袋の上部をヒートシールして密封し、含有機物かき殻肥料包装製品とした。尚、本願では、身剥ぎかき殻をロールミルとハンマーミルによる破砕後熱風乾燥させているが、ロールミルによる粗粉砕後熱風乾燥し、しかるのちハンマーミルで粉砕にするようにしてもよい。
【0010】
(比較例1)
自然環境下に8ヶ月放置した身剥ぎかき殻を48時間後述するミセル水に連続接触させて、表面の泥土を洗い流したもの500kgを原料として、実施例1と同様の方法により顆粒状にし、ポリエチレン袋に充填した。
【0011】
(比較例2)
自然環境下に3年放置した身剥ぎかき殻を48時間ミセル水に連続接触させて、表面の泥土を洗い流したもの500kgを原料として、実施例1と同様の方法により顆粒状にし、ポリエチレン袋に充填した。
【0012】
(実施例2)
ステンレス製箱型水槽(但し、120cm×200cm×100cmのもの)に、図1のように、ネオジウム鉄ボロン永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2を油性1液型アクリル樹脂系塗料の中に60(重量)%分散させたものを、厚さ60μm塗布固定させた反発磁界の内部を通して20℃の水道水を500l注入した後、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)とつなぎ、遠赤外線共鳴吸収振動水と空気を循環させて、固有のエアロゾル(ミセル水)を製造した。
尚、図中、3はネオジウム鉄ボロン永久磁石1の位置保持助材、4は反発磁界器具の形状保持材、5は器具取り付け固定用ネジをそれぞれ示す。
【0013】
次に、そのエアロゾル(ミセル水)中に、1cm平方の空隙を上下左右に設けたステンレス針金製籠に入れた身剥ぎ作業終了2時間後の生かき殻25kgを20分間浸漬させた後、取り出し、ロールミルで粗粉砕したものをハンマーミルでさらに細粉砕して、平均粒径1.5mmの顆粒状に加工した。つづいて、品温が95〜120℃となるよう熱風内を移動させて表面吸着水を除去した後、20℃まで自然冷却させ、Nガス置換された115μmのアルミニウム複合ポリエチレンフィルム袋の中に20kg充填し、ヒートシール操作で密封処理して、含有機物かき殻肥料包装製品とした。尚、ロールミルとハンマーミル破砕の間に乾燥工程を挿入してもよいことは前記実施例1と同様である。
【0014】
(実施例3)
実施例2と同様のステンレス製箱型水槽に40℃の水道水を500l注入した後、図2のように、フェライト永久磁石1のN極同士を向かい合わせ、かつ、その表面に平均粒径5μmのゲルマニウム内在黒雲母粒子2をエポキシ樹脂に65(重量)%分散させたものを、厚さ50μm塗布固定させた反発磁界の内部に給水管と排水管の二本を通すようにして、加圧気体強制溶存−爆裂破泡器(但し、STMエンジニアリング株式会社製超微細ハイパーフォームを使用)とつなぎ、遠赤外線共鳴吸収振動水道水とNガスを循環させて、固有のエアロゾルを製造した。次に、そのエアロゾル(ミセル水)中に、実施例2と同様のステンレス針金製籠に入れた比較例1と同様の自然環境下に11ヶ月静置した身剥ぎかき殻25kgを10分間浸漬させた後、取り出し、ロールミルで粗粉砕したものをハンマーミルでさらに細粉砕して、平均粒径1.5mmの顆粒状に粉砕加工した。つづいて、品温が95〜120℃となるよう熱風内を移動させて表面吸着水を除去した後、20℃まで自然冷却させ、Nガス置換された100μmのポリエチレン袋の中に20kg充填し、ヒートシール操作で密封処理して、含有機物かき殻肥料包装製品とした。
【0015】
(試験実施例1)
実施例1、2及び3と比較例1及び2の密封包装された未焼却身剥ぎかき殻顆粒を1kgづつ、別々に加圧密閉タンクに計り取り、次いで、10kgのイオン交換水を投入した後、140℃、3.5kg/cmの高温高圧条件で2時間相互接触させた後に2号濾紙で濾過して得た5種類の濾液について、COD、BOD、n−ヘキサン抽出物質、窒素含有量、リン含有量、カリウム含有量及びカルシウム含有量を調べた。
【0016】
結果を表1に示した。
【0017】
【表1】


【0018】
表1から明らかなように、必要無機物質の量は別にして、自然環境下に8ヶ月野積み静置した比較例1の濾液では、COD、BODの数値の高さから有機物の含有は多く認められるが、n−ヘキサン抽出物質の量も多いことから、その中には有害、不要な腐敗油脂分が相当量混有していることが示唆された。したがって、そのまま有用なかき殻肥料製品とするには不適である。また、自然環境下に3年野積み放置した比較例2の濾液では、腐敗油脂分の存在を示すn−ヘキサン抽出物質の量はかなり少なくなっているが、同時に、COD、BOD及び窒素含有量の数値も減少していることから、かき殻由来の有用有機物成分である蛋白質も分解して少なくなっており、このために、含有機物肥料としての組成を満足せず、好ましくないものとなっている。
【0019】
これに対して、自然環境下での自然風化並びに自然腐敗が適切になされている本発明実施例1の濾液では、COD、BOD及び窒素含有量共に数値が高く、かつ、n−ヘキサン抽出物質の量が少ないことから、有害、不要な腐敗油脂分がわずかしか混有されておらず、しかも、有用な蛋白質成分が比較的多く残っていることが示唆されるので、十分に含有機物かき殻肥料としての利用展開が期待できるものとなっている。
【0020】
さらに、本発明においてゲルマニウム放射遠赤外線共鳴吸収振動水のエアロゾル(ミセル水)に身剥ぎ作業後の生かき殻を浸漬させる工程を取り入れた本発明実施例2の濾液、及び、該エアロゾル(ミセル水)に自然環境下に11ヶ月野積み放置したかき殻を浸漬させる工程を取り入れた本発明実施例3の濾液では、共に、COD、BOD及び窒素含有量共に数値が高く、しかも、n−ヘキサン抽出物質の量が検出限界以下となっていることから、非常に良い含有機物かき殻肥料となっていることが推測されると同時に、実施例2及び3のような固有のエアロゾルを使用する肥料化方法では、自然風化及び自然腐敗を待つことなく、放置物である身剥ぎかき殻を有用製品に転換させることが可能になるので、環境対策にも大いに貢献できるものと考えられる。
【0021】
(試験実施例2)
育床に播種後20日を経過したレタス(トキタ種苗株式会社製四季用秀水を使用)を1株づつ、黒土2kgに植え付けたものを6組用意し、それぞれに対して、実施例1〜3と比較例1及び2の未焼却身剥ぎかき殻顆粒と、かき殻焼成炭酸カルシウムを各20g添加し、さらに、水道水を1lづつ注入した。
しかる後、試験した播種後50日後の生育レタスの重量を測定した。
【0022】
結果を表2に示した。
【0023】
【表2】


【0024】
表2から明らかなように、比較例1及び2の身剥ぎかき殻加工顆粒を添加した土壌では、無機物だけとしたかき殻焼成炭酸カルシウム添加土壌と有意差のないレタスの生育状態を示したが、本発明実施例1、2及び3の含有機物かき殻肥料製品を添加した土壌では、かき殻焼成炭酸カルシウム添加土壌よりレタスの生育状態が良好になることが確認された。
【0025】
特にまた、ゲルマニウム放射遠赤外線共鳴吸収振動水のエアロゾル(ミセル水)を腐敗油脂分の除去手段に使用して製造した実施例2及び3の含有機物かき殻肥料製品では、無機物だけのかき殻焼成炭酸カルシウムの約2倍のレタスの成長性をもたらすことがわかり、本発明の有用性が明確に認められた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一手段であるゲルマニウム放射遠赤外線共鳴吸収振動水を製造するための組み合わせ型反発磁界器具の断面図である。
【図2】本発明の一手段であるゲルマニウム放射遠赤外線共鳴吸収振動水を製造するための一体型反発磁界器具の断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 永久磁石
2 ゲルマニウム内在黒雲母粒子
3 保持助材
4 保持材
5 器具取り付け固定用ネジ
【出願人】 【識別番号】505450157
【氏名又は名称】三塚 潔
【出願日】 平成18年10月4日(2006.10.4)
【代理人】 【識別番号】100069213
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 功


【公開番号】 特開2008−88028(P2008−88028A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−272616(P2006−272616)