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堆肥製造方法 - 特開2008−13380 | j-tokkyo
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【発明の名称】 堆肥製造方法
【発明者】 【氏名】松山 泰仁

【氏名】安藤 英樹

【要約】 【課題】悪臭発生を抑制すると共に有機性廃棄物の大幅な減量化を達成できる堆肥製造方法を提供する。

【構成】鶏舎1にて発生した鶏糞7を堆肥舎2へ搬出すると共に、木片チップ8と微生物9を鶏糞7に混入して混合させ、60℃以上の混合物10を得る。得られた混合物10を発酵槽3に供給し、混合物10の温度を60℃以上に保ち、発酵槽3にあるブロアーから発酵に最適な量の空気を供給し発酵させる。得られた発酵物11をトロンメル式選別機4に供給し、木片チップ8を回収する。回収された木片チップ8は堆肥舎2へと運ばれて再び別の鶏糞7に混入され、木片チップ8が取り除かれた鶏糞堆肥12は養生施設5に送られる。養生施設5に送られた鶏糞堆肥12は60℃以上に保たれ、空気が供給されて発酵される。そして鶏糞堆肥12は耕作農家6へと納入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物を発酵させて堆肥を製造する堆肥製造方法において、
前記有機性廃棄物に、炭素源資材及び微生物を混合する
ことを特徴とする堆肥製造方法。
【請求項2】
混合して得られる混合物の含水率を、55〜65%にする
ことを特徴とする請求項1に記載の堆肥製造方法。
【請求項3】
混合して得られる混合物の炭素/窒素比を20〜40にする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の堆肥製造方法。
【請求項4】
混合して得られる混合物の比重を0.6〜0.8にする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の堆肥製造方法。
【請求項5】
発酵温度を60℃以上にすると共に、発酵期間を20日以上にする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の堆肥製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は堆肥製造方法に関する。詳しくは、家畜糞尿や食品廃棄物等を発酵させて堆肥を製造する堆肥製造方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
鶏、牛、豚等の家畜が排出する家畜糞尿は、平成16年(2004年)11月1日より完全施行された「家畜排泄物処理法」に伴い、法律基準に基づいた建物に保管され、そして処理されている。
【0003】
処理方法の一つとして、家畜糞尿を発酵させて堆肥として市場へ流通させる方法があり、例えば特許文献1には、バーク堆肥と、木炭と、食酢または食塩を含む調味用原液に梅干を漬けた後の調味液とを配合してなる敷料を家畜の床敷として使用して、敷料と家畜糞とを混合する第1の工程と、敷料及び家畜糞夫々の体積割合を50〜80体積%及び20〜50体積%に配合する第2の工程と該第2の工程で配合した配合物を、50〜70℃で、1〜8時間撹拌する第3の工程とを含む堆肥の製造方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−50947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、家畜糞のうち鶏糞は窒素(N)含有量が牛糞や豚糞よりも多く、耕作物に悪影響を与えるので、鶏糞堆肥は耕作農家から敬遠されて鶏糞を堆肥化しても販売等が困難であるため、鶏糞の大幅な減量化が望まれているが、従来の堆肥製造方法のように、50℃以上で攪拌して水分を蒸散させているだけでは、水分量だけの減量化にとどまり、大幅な減量化という点では不充分であった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、悪臭発生を抑制すると共に有機性廃棄物の大幅な減量化を達成できる堆肥製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の堆肥製造方法は、有機性廃棄物を発酵させて堆肥を製造する堆肥製造方法において、前記有機性廃棄物に、炭素源資材及び微生物を混合することを特徴とする。
【0008】
ここで、有機性廃棄物に、炭素源資材及び微生物を混合することによって、炭素源資材が有機性廃棄物中の水分を吸収すると共に空気が有機性廃棄物内に送りこまれる環境を形成し、一方、微生物が炭素源資材を栄養源として活動して有機性廃棄物を分解し、分解時に発生する熱量によって有機性廃棄物内の水分を蒸発させていく。なお、「炭素源資材」とは、微生物の増殖に必要な栄養源となる炭素を含んだ資材をいう。
【0009】
また、本発明の堆肥製造方法において、混合して得られる混合物の含水率を、55〜65%にする場合、微生物の活動に必要な酸素を含む空気層が確保されて、微生物が活動しやすくなる。
【0010】
また、本発明の堆肥製造方法において、混合して得られる混合物の炭素/窒素比を20〜40にする場合、得られた堆肥の炭素/窒素比が比較的高く、堆肥が耕作地へ散布された後の農作物への悪影響を低減することができる。
【0011】
また、本発明の堆肥製造方法において、混合して得られる混合物の比重を0.6〜0.8にする場合、空気層を確保でき、早期に発酵温度が立ち上がる。
【0012】
また、本発明の堆肥製造方法において、発酵温度を60℃以上にすると共に、発酵期間を20日以上にする場合、雑菌や雑草種子を撲滅することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る堆肥製造方法は、悪臭発生を抑制すると共に有機性廃棄物の大幅な減量化を達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。図1は、本発明を適用した堆肥製造方法の一例を説明する概略図である。
先ず、鶏舎1にて発生した含水率80%の鶏糞(有機性廃棄物の一例である。)7を1日あたり40トン(44m)ほど堆肥舎2へ搬出すると共に、32.5mの木片チップ(炭素原資材の一例である。)8と微生物9を鶏糞7に混入し、ホイールローダーでまんべんなく攪拌して混合させ、混合物10の温度が60℃以上であることを確認する。そして、含水率60%、炭素/窒素比(C/N比)30、そして比重0.7の混合物10を得る。混合物10は、堆肥舎2において6.5日間堆積される。
ここで、外気温度が比較的高い時期例えば5月〜10月においては、鶏糞1に対して木片チップ1の割合で混合し、外気温度が比較的低い時期例えば11月〜4月においては、鶏糞1に対して木片チップ1.5の割合で混合する。また、外気温度が比較的高い時期例えば5月〜10月においては、堆積高は2.0m以下とし、外気温度が比較的低い時期例えば11月〜4月においては、堆積高は1.5m以下とする。
【0015】
次に、76.5mの得られた混合物10を発酵槽3に供給し、ホイールローダーにて切返しながら混合物10の温度を60℃以上に保ち、発酵槽3に一様に堆積させ、発酵槽3にあるブロアーから発酵に最適な量の空気を供給し、23.5日間発酵させる(一次発酵工程)。
その後、得られた発酵物11をトロンメル式選別機4に供給し、発酵物11から木片チップ8と発酵した鶏糞7とを選別して、木片チップ8を回収する。そして、回収された約31mの木片チップ8は堆肥舎2へと運ばれて、再び別の鶏糞7に混入され、木片チップ8が取り除かれた8トンの鶏糞堆肥12は養生施設5に送られる。
次に、養生施設5に送られた鶏糞堆肥12をホイールローダーにて切返しながら鶏糞堆肥12の温度を60℃以上に保ち、空気を供給して、鶏糞堆肥12を3.8日間発酵させる(二次発酵工程)。
二次発酵が終了すると、鶏糞堆肥12はベルトコンベアにて運搬され、篩機、計量器、梱包機を経て袋詰めされて、耕作農家6へと納入される。得られる鶏糞堆肥12の炭素/窒素比は、10〜15である。
【0016】
また、高含水率の鶏糞を発酵させるために、鶏糞の含水率を好ましい範囲である55〜65%に調整する場合には、木片チップや籾殻等の炭素源資材を用いるが、炭素源資材の混入量は下記式によって求められる。
炭素源資材量=鶏糞量×(鶏糞水分−目標水分)÷(目標水分−炭素源資材水分)
例えば、含水率80%の鶏糞1トンを、含水率30%の木片チップを用いて含水率60%の鶏糞へ調整するために必要な木片チップの量は下記のようにして求められる。
1トン×(80%−60%)÷(60%−30%)=0.66トン
【0017】
逆に、低含水率の鶏糞を発酵させるために、鶏糞の含水率を好ましい範囲である55〜65%に調整する場合には、加水が必要となるが、その加水量は下記式によって求められる。
含水率=(水分量+加水量)÷(水分量+固形物+加水量)
例えば、含水率30%の鶏糞1トンを含水率60%にするための加水量は下記のようにして求められる。
0.6=(0.3+x)÷(0.3+0.7+x)
x=0.75=750kg
【0018】
また、鶏糞と炭素源資材を混ぜて得られた混合物の炭素/窒素比(C/N比)は、鶏糞及び炭素源資材の各々の窒素量、炭素量を算定して合計すれば算出できるが、鶏糞及び炭素源資材の各々の含水率を考慮しなければならない。
例えば、鶏糞1トン(含水率40%、窒素4.0%、炭素31.0%)と、木片チップ1トン(含水率30%、窒素0.06%、炭素47.0%)を混合した場合、混合物の炭素/窒素比は下記のようにして求められる。
鶏糞窒素=1トン×(1−0.4)×4.0%=0.024=24.0kg
木片チップ窒素=1トン×(1−0.3)×0.06%=0.0004=0.4kg
鶏糞炭素=1トン×(1−0.4)×31.0%=0.186=186.0kg
木片チップ炭素=1トン×(1−0.3)×47.0%=0.329=329.0kg
炭素/窒素比=(186.0+329.0)÷(24.0+0.4)=21.4
【0019】
また、鶏糞が好気発酵するためには、微生物が活動する酸素が必要であり、酸素の供給方法としてブロアーを活用する。通常、1m当り50〜300リットル/分であるが、木片チップを利用して気層を確保した鶏糞であれば50ccで充分であると考えられる。例えば、100mの発酵槽に堆積高2.0mで堆積させた時の空気量は下記のようにして求められる。
100×2.0×0.05=10リットル/分
【0020】
ここで、微生物としては、酵母、酵素、乳酸菌、放線菌、糸状菌、光合成細菌等が使用でき、また、炭素源資材であれば必ずしも木片チップを使用しなくてもよく、例えばオガクズ、籾殻を使用してもよい。なお、光合成細菌とは、光エネルギーを利用して炭酸ガスの固定を行ない増殖する独立栄養細菌の総称であり、色や栄養形式の違いにより紅色硫黄細菌(クロマチウム属)、緑色硫黄細菌(クロロビウム属)及び紅色非硫黄細菌(ロドスピリウム属)に分類され、これら細菌の大部分はいずれも窒素固定能を有しており、硫化水素やその他の根腐れに関与する物質を無毒化する。
また、鶏糞を例に挙げて説明したが、有機性廃棄物であればどのようなものを使用してもよく、例えば牛糞、豚糞、食品廃棄物を堆肥化してもよい。
【0021】
このように本発明の堆肥製造方法は、有機性廃棄物に、炭素源資材及び微生物を混合することによって、炭素源資材が有機性廃棄物中の水分を吸収すると共に空気が有機性廃棄物内に送りこまれる環境を形成し、よって好気発酵となることで工程中及び工程後の悪臭発生を抑制でき、一方、微生物が炭素源資材を栄養源として活動して有機性廃棄物を分解し、分解時に発生する熱量によって有機性廃棄物内の水分を蒸発させていくことで、水分蒸発と分解による大幅な減量化を達成できる。
【0022】
また、混合して得られる混合物の含水率を55〜65%にするので、微生物の活動に必要な酸素を含む空気層が確保されて、微生物が活動しやすい。
【0023】
また、混合して得られる混合物の炭素/窒素比を20〜40にするので、得られた堆肥の炭素/窒素比が比較的高く、堆肥が耕作地へ散布された後の農作物への悪影響を低減することができる。
【0024】
また、混合して得られる混合物の比重を0.6〜0.8にするので、空気層を確保でき、早期に発酵温度が立ち上がって短時間で高温発酵する。
【0025】
また、一次発酵工程及び二次発酵工程を通じて発酵温度を60℃以上に保ち、発酵期間も20日以上なので、単なる乾燥鶏糞と異なり、耕作地散布後の悪臭や悪害を低減し、汚物感もない。
【0026】
また、製造段階に有機物である木片チップを入れているので、得られた堆肥は、堆肥成分だけでなく有機物による土壌改良効果も有する。また、製造段階に微生物を入れているので、得られた堆肥は優れた土壌改良能力を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を適用した堆肥製造方法の一例を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0028】
1 鶏舎
2 堆肥舎
3 発酵槽
4 トロンメル式選別機
5 養生施設
6 耕作農家
7 鶏糞
8 木片チップ
9 微生物
10 混合物
11 発酵物
12 鶏糞堆肥
【出願人】 【識別番号】504005460
【氏名又は名称】株式会社都夢創
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗


【公開番号】 特開2008−13380(P2008−13380A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183274(P2006−183274)