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【発明の名称】 酸化物複合体前駆体水溶液、酸化物複合体の製造方法、酸化物複合体、その酸化物複合体を備える排ガス浄化用触媒及びその排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法
【発明者】 【氏名】加藤 千和

【氏名】田中 寿幸

【氏名】岩崎 正興

【氏名】松永 真一

【要約】 【課題】水溶液中に酸化物複合体の前駆体である金属元素を高濃度で且つ安定した状態で含有させることができ、十分に微細化された酸化物複合体を得ることが可能な酸化物複合体前駆体水溶液を提供すること。

【解決手段】アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第一金属元素を含有する第1の化合物と、希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第二金属元素を含有する第2の化合物と、多座配位子を有する第3の化合物と、アンモニアとを含むことを特徴とする酸化物複合体前駆体水溶液。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第一金属元素を含有する第1の化合物と、希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第二金属元素を含有する第2の化合物と、多座配位子を有する第3の化合物と、アンモニアとを含むことを特徴とする酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項2】
前記第1の化合物が、バリウムを含有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項3】
前記第2の化合物が、セリウムを含有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項4】
前記第2の化合物が、酢酸セリウムであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項5】
前記第3の化合物が、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、アコニット酸、グルタル酸、エチレンジアミン四酢酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、サリチル酸、メバロン酸、エチレンジアミン、アセト酢酸エチル、マロン酸エステル、グリコール及びピナコールからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項6】
前記第3の化合物が、クエン酸であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項7】
前記第3の化合物の含有量が、前記第2の化合物中に含有される第二金属元素の含有量に対してモル換算で2倍以上であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項8】
前記アンモニアの含有量が、前記第3の化合物の含有量に対してモル換算で2倍以上であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項9】
前記アンモニアの含有量が、0.4mol/L以上であることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液。
【請求項10】
前記請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して酸化物複合体を得ることを特徴とする酸化物複合体の製造方法。
【請求項11】
アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の第一金属元素と、希土類金属からなる群より選ばれる少なくともの1種の第二金属元素とを含有する酸化物複合体であって、
前記酸化物複合体の表面上の10nm角の20点以上の測定点におけるTEM−EDX分析から求められる第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])の分布の標準偏差が10%以下であることを特徴とする酸化物複合体。
【請求項12】
前記請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して得られたものであることを特徴とする請求項11に記載の酸化物複合体。
【請求項13】
担体と、前記担体に担持された請求項11又は12に記載の酸化物複合体と、前記担体に担持された酸化還元能を有する金属とを備えることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
【請求項14】
前記担体が、アルミニウム、ジルコニウム、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第三金属元素の酸化物を含有することを特徴とする請求項13に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項15】
前記担体が、組成式:MgAlで表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項13又は14に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項16】
前記担体が、チタン、ケイ素、鉄、マンガン及びタングステンからなる群から選択される第四金属元素の酸化物を更に含有することを特徴とする請求項13〜15のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項17】
酸素過剰雰囲気下において、請求項13〜16のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒に窒素酸化物を含む排ガスを接触せしめて排ガスを浄化することを特徴とする排ガス浄化方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物複合体前駆体水溶液、酸化物複合体の製造方法、酸化物複合体、その酸化物複合体を備える排ガス浄化用触媒及びその排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の排ガスに含まれる有害な窒素酸化物(NOx)を浄化するために、NOxの吸蔵及び/又は還元が可能な酸化物複合体が排ガス浄化触媒(NOx吸蔵還元型触媒)の材料として利用されてきた。そして、このような酸化物複合体としては、バリウムとセリウムの酸化物複合体が知られている。
【0003】
例えば、特開2005−21878号公報(特許文献1)においては、バリウムとセリウムとを担持した担体を含む触媒が開示されている。更に、特許文献1においては、前記触媒の製造方法として、少なくともバリウム及びセリウムをイオンの状態で混合した水溶液により、バリウム及びセリウムを沈殿させずに担体に含浸し、焼成する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような触媒の製造方法においては、バリウムとセリウムの酸化物複合体を担体に微細な状態で担持させることができなかった。また、前記水溶液中にセリウムをイオンの状態で混合するために酢酸セリウムを用いた場合には、酢酸セリウムの水に対する溶解度が水100gに対して20gと低いため酢酸セリウムを高濃度で含有させることができなかった(東京化学同人「化学大辞典」参照)。そのため、セリウムの担持量の高い触媒を製造する場合に前記水溶液を用いると担持工程やコストが増加するという問題があった。
【0004】
また、特開2000−262897号公報(特許文献2)においては、MgO−Alで表される第1複合酸化物と、TiO−ZrOで表わされる第2複合酸化物とよりなる担体と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選択され少なくともナトリウム及びバリウムを含む前記担体に担持されたNOx吸蔵材と、前記担体に担持された貴金属とを含んでなる排ガス浄化用触媒が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のような排ガス浄化用触媒においては、耐熱性や硫黄被毒耐久性が必ずしも十分なものではなかった。
【特許文献1】特開2005−21878号公報
【特許文献2】特開2000−262897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、水溶液中に酸化物複合体の前駆体である金属元素を高濃度で且つ安定した状態で含有させることができ、十分に微細化された酸化物複合体を得ることが可能な酸化物複合体前駆体水溶液、それを用いた酸化物複合体の製造方法、並びに、それにより得られる酸化物複合体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記本発明の酸化物複合体を備え、十分に高い耐熱性や硫黄被毒耐久性を有し、硫黄や高温に長期間晒された場合でも十分に優れた触媒活性を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒、及びその排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含有する第1の化合物と、希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含有する第2の化合物とを用いて酸化物複合体を製造する際に用いる酸化物複合体前駆体水溶液に、前記第1及び第2の化合物とともに、多座配位子を有する第3の化合物と、アンモニアとを含有させることにより、水溶液中に前記第1及び第2の化合物を高濃度且つ安定した状態で含有させることができ、これを焼成することにより十分に微細化された酸化物複合体を得ることが可能となることを見出すとともに、担体と、前記担体に担持された前記酸化物複合体と、前記担体に担持された酸化還元能を有する金属とを含有する触媒によって、十分に高い耐熱性や硫黄被毒耐久性を有し、硫黄や高温に長期間晒された場合でも優れた触媒活性を発揮することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第一金属元素を含有する第1の化合物と、希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第二金属元素を含有する第2の化合物と、多座配位子を有する第3の化合物と、アンモニアとを含むことを特徴とするものである。
【0008】
上記本発明にかかる第1の化合物としては、バリウムを含有する化合物であることが好ましい。
【0009】
また、上記本発明にかかる第2の化合物としては、セリウムを含有する化合物であることが好ましく、酢酸セリウムであることがより好ましい。
【0010】
さらに、上記本発明にかかる第3の化合物としては、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、アコニット酸、グルタル酸、エチレンジアミン四酢酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、サリチル酸、メバロン酸、エチレンジアミン、アセト酢酸エチル、マロン酸エステル、グリコール及びピナコールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、クエン酸であることがより好ましい。
【0011】
また、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液においては、前記第3の化合物の含有量が、前記第2の化合物中に含有される第二金属元素の含有量に対してモル換算で2倍以上であることが好ましい。
【0012】
また、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液においては、前記アンモニアの含有量が、前記第3の化合物の含有量に対してモル換算で2倍以上であることが好ましい。
【0013】
また、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液においては、前記アンモニアの含有量が、0.4mol/L以上であることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の酸化物複合体の製造方法は、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して酸化物複合体を得ることを特徴とする方法である。
【0015】
また、本発明の酸化物複合体は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の第一金属元素と、希土類金属からなる群より選ばれる少なくともの1種の第二金属元素とを含有する酸化物複合体であって、
前記酸化物複合体の表面上の10nm角の20点以上の測定点におけるTEM−EDX分析から求められる第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])の分布の標準偏差が10%以下であることを特徴とするものである。
【0016】
上記本発明の酸化物複合体としては、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して得られたものであることが好ましい。
【0017】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、担体と、前記担体に担持された上記本発明の酸化物複合体と、前記担体に担持された酸化還元能を有する金属とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
上記本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記担体が、アルミニウム、ジルコニウム、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第三金属元素の酸化物を含有することが好ましく、組成式:MgAlで表される金属酸化物を含有することがより好ましい。
【0019】
さらに、上記本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記担体が、チタン、ケイ素、鉄、マンガン及びタングステンからなる群から選択される第四金属元素の酸化物を更に含有することが好ましい。
【0020】
また、本発明の排ガス浄化方法は、酸素過剰雰囲気下において、上記本発明の排ガス浄化用触媒に窒素酸化物を含む排ガスを接触せしめて排ガスを浄化することを特徴とする方法である。
【0021】
なお、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液及び酸化物複合体の製造方法によって、上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液においては、前記第1及び第2の化合物とともに、多座配位子を有する第3の化合物と、アンモニアとが含有されている。そのため、前記水溶液においては、前記第1の化合物と前記第2の化合物とが前記多座配位子を介して互いに相互作用し、近接した状態で保持される。また、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液においては、アンモニアが含有されていることから、前記第1の化合物と前記第2の化合物と前記多座配位子とが含有されている水溶液に沈殿が生じることなく、前記第1の化合物と前記第2の化合物とが高濃度で且つ安定した状態で保持される。そして、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成すると、配位子として存在する嵩高い多座配位子が酸化分解され、前記第1の化合物と前記第2の化合物とが十分に微細化された状態で複合化されるものと本発明者らは推察する。また、本発明の酸化物複合体は、前記酸化物複合体の表面上の10nm角の20点以上の測定点におけるTEM−EDX分析から求められる第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])の分布の標準偏差が10%以下である。そのため、本発明の酸化物複合体は、第一金属元素と第二金属元素とが十分に均一に混合されたものであり、担体に担持した場合に十分に高い触媒活性を示すことが可能となる。
【0022】
また、本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記担体に前記第一金属元素の酸化物と前記第二金属元素の酸化物とが均一に混合され且つ微細な状態で複合化された上記本発明の酸化物複合体が担持されている。このように微細で且つ十分に均一に混合された状態で酸化物複合体が担持されると、担体の塩基性が強くても酸化物複合体の硫酸塩は不安定化される。そのため、本発明においては、硫黄被毒による触媒活性の低下が十分に抑制される。また、塩基性の強い担体は、担持された金属酸化物成分をより強い塩基の状態に保つことができる。一般に、高温域におけるNOx浄化性能が塩基点量に比例することから、触媒に塩基性のより強い担体を用いた場合には、高温でのNOx吸蔵性能が向上する傾向にある。そして、本発明においては、塩基性の強い担体を用いても担持される酸化物複合体の硫黄被毒を十分に防止できることから、MgAlを含むような塩基性の強い担体を好適に用いることが可能であり、より塩基性の強い担体を用いて、高温でのNOx吸蔵性能をより向上させることが可能であるものと本発明者らは推察する。なお、上記本発明の酸化物複合体の担体上での分散性は、塩基性がより高い担体を用いた場合により優れたものとなる傾向にある。従って、担体として、例えばMgAlを含むような塩基性の強い担体を用いた場合には、酸化物複合体の分散性が特に優れ、硫黄被毒後においても、硫黄成分の脱離速度をより十分に速くすることが可能となるものと推察される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、水溶液中に酸化物複合体の前駆体である金属元素を高濃度で且つ安定した状態で含有させることができ、十分に微細化された酸化物複合体を得ることが可能な酸化物複合体前駆体水溶液、それを用いた酸化物複合体の製造方法、並びに、それにより得られる酸化物複合体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記本発明の酸化物複合体を備え、十分に高い耐熱性や硫黄被毒耐久性を有し、硫黄や高温に長期間晒された場合でも十分に優れた触媒活性を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒及びその排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0025】
先ず、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液について説明する。すなわち、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第一金属元素を含有する第1の化合物と、希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第二金属元素を含有する第2の化合物と、多座配位子を有する第3の化合物と、アンモニアとを含むことを特徴とするものである。
【0026】
第1の化合物が含有する前記第一金属元素として選択され得るアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。また、前記第一金属元素として選択され得るアルカリ土類金属としてはバリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等が挙げられる。また、第1の化合物としては、アルカリ金属又は前記アルカリ土類金属の水酸化物、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩等が挙げられる。このような第1の化合物としては、高い塩基性を有し、酸化物を形成させた際に十分に高いNOx吸蔵能を発揮できるという観点から、バリウムを含有する化合物(硝酸バリウム、酢酸バリウム等)を用いることが好ましい。なお、このような第1の化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
また、第2の化合物が含有する前記第二金属元素として選択され得る希土類金属としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジム等が挙げられる。また、第2の化合物としては、希土類金属の水酸化物、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩等が挙げられる。このような第2の化合物としては、酸化物を形成させた際に比較的高比表面積を有するという観点から、セリウムを含有する化合物(酢酸セリウム、硝酸セリウム等)が好ましく、酢酸セリウムがより好ましい。なお、このような第2の化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】
第3の化合物が有する多座配位子とは、2個以上の配位基で配位し得るものをいう。このような第3の化合物としては、クエン酸、シュウ酸等の多価カルボン酸類、グリコール、ピナコール等のジオール類、エチレンジアミン等のジアミン類、アセト酢酸エチル等の2つのカルボニル基を有するエステル類等が挙げられる。このような第3の化合物としては、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、アコニット酸、グルタル酸、エチレンジアミン四酢酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、サリチル酸、メバロン酸、エチレンジアミン、アセト酢酸エチル、マロン酸エステル、グリコール及びピナコールが好ましく、中でも、ヒドロキシ基を併せ持つカルボン酸であるという観点から、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、サリチル酸がより好ましく、嵩高く、より微細化された酸化物複合体を製造できるという観点から、クエン酸が特に好ましい。なお、このような第3の化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】
また、本発明において、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、前記アンモニアとを含有させる溶媒は、水(好ましくはイオン交換水及び蒸留水等の純水)である。
【0030】
また、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液における第1の化合物の含有量としては、0.05mol/L以上であることが好ましく、0.2mol/L〜2.0mol/Lであることがより好ましい。また、第2の化合物の含有量としては、0.05mol/L以上であることが好ましく、0.2mol/L〜1.0mol/Lであることがより好ましい。このような第1及び第2の化合物の含有量が前記下限未満では、第1及び第2の化合物の濃度が低すぎて製造効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、第1及び第2の化合物の濃度が高くなりすぎて焼成した際に均一に反応が起こらず、酸化物複合体を均一に製造できなくなる傾向にある。
【0031】
また、このような第2の化合物中の第二金属元素の含有量としては、第1の化合物中の第一金属元素の含有量に対してモル換算で0.2〜5倍となるようにすることが好ましい。第一及び第二金属元素の含有割合が前記割合となるようにして第1の化合物と第2の化合物とを含有させることで、得られる酸化物複合体に、より高度なNOx吸蔵能を発揮させることが可能となる。また、第2の化合物中の第二金属元素の含有量が第1の化合物中の第一金属元素の含有量に対してモル比で0.2倍未満では、第1の化合物の単独相が多くなり、得られる酸化物複合体の割合が低下し、効果が小さくなる傾向にあり、他方、5倍を超えると、第2の化合物の単独相が多くなり、同様に得られる酸化物複合体の割合が低下する傾向にある。
【0032】
さらに、第3の化合物の含有量としては、0.15mol/L以上であることが好ましく、0.7mol/L〜2.0mol/Lであることがより好ましい。このような第3の化合物の含有量が前記下限未満では、第1の化合物及び第2の化合物に対する多座配位子の含有量が少なくなるため、水溶液中において、第1の化合物及び第2の化合物を近接した状態で保持することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、第1の化合物及び第2の化合物の濃度が低下することで担持効率が低下する傾向にある。
【0033】
また、このような第3の化合物の含有量としては、前記第2の化合物中に含有される金属元素の含有量に対してモル換算で2倍以上(より好ましくは2.5〜10倍)であることが好ましい。第3の化合物の含有量が前記第2の化合物中に含有される金属元素の含有量に対してモル換算で2倍未満であると、水溶液中において第2の化合物との錯体の形成が困難となり、第1の化合物及び第2の化合物を近接した状態で保持することが困難となり、酸化物複合体の製造が困難となる傾向にある。
【0034】
また、前記アンモニアの含有量としては、0.4mol/L以上であることが好ましく、2.0mol/L〜10mol/Lであることが更に好ましい。このようなアンモニアの含有量が前記下限未満では、得られる水溶液に沈殿が生じる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、第1の化合物及び第2の化合物の濃度が低下することで担持効率が低下する傾向にある。
【0035】
さらに、前記アンモニアの含有量としては、前記第3の化合物の含有量に対してモル換算で2倍以上(より好ましくは2.8〜5倍)であることが好ましい。アンモニアの含有量が前記第3の化合物の含有量に対してモル換算で2倍未満では、第1の化合物及び第2の化合物を安定した状態で含有させることが困難となり、沈殿が生じ易くなる傾向にある。
【0036】
また、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を製造するための方法としては、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、アンモニアとを水に溶解させることが可能な方法であればよく、特に制限されない。このような本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を製造するための好適な方法としては、例えば、第3の化合物を水に溶解させた後に第2の化合物を添加して沈殿物を生じせしめ、その後、アンモニアを添加して、前記沈殿物を再度溶解させた後、この溶液に、第一の化合物を更に加えて撹拌し、沈殿物を生じせしめた後に再度溶解させて酸化物複合体前駆体水溶液を製造する方法が挙げられる。また、第3の化合物とアンモニアとを予め化合したアンモニウム塩(例えばクエン酸アンモニウム等)を用いて、酸化物複合体前駆体水溶液を製造してもよい。
【0037】
以上、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液について説明したが、以下において、本発明の酸化物複合体の製造方法について説明する。
【0038】
本発明の酸化物複合体の製造方法は、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して酸化物複合体を製造する方法である。
【0039】
このような焼成の条件は、特に制限されないが、例えば、大気中において、300℃〜600℃の温度範囲で加熱することが好ましく、300℃〜500℃の温度条件で加熱することがより好ましい。また、加熱時間としては、加熱温度によって異なるものであるため一概には言えないが、1〜3時間程度とすることができる。
【0040】
このような焼成条件で上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成することで酸化物複合体を製造することができる。そして、このようにして得られた酸化物複合体は、その酸化物複合体の表面上の10nm角の20点以上の測定点におけるTEM−EDX分析から求められる第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])の分布の標準偏差が10%以下となる。すなわち、前記第1の化合物と前記第2の化合物とが近接した状態で保持されている本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を用い、これを焼成して得られる酸化物複合体は、第一金属元素と第二金属元素が十分に均一に混合され且つ十分に微細化されたものとなる。そのため、得られる酸化物複合体は、十分に高いNOx吸蔵性能を発揮でき、これにNOxを接触させることによって十分な量のNOxを効率よく吸蔵させることができるものとなる。
【0041】
以上、本発明の酸化物複合体の製造方法について説明したが、次に、本発明の酸化物複合体について説明する。
【0042】
本発明の酸化物複合体は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の第一金属元素と、希土類金属からなる群より選ばれる少なくともの1種の第二金属元素とを含有する酸化物複合体であって、
前記酸化物複合体の表面上の10nm角の20点以上の測定点におけるTEM−EDX分析から求められる第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])の分布の標準偏差が10%以下であることを特徴とするものである。
【0043】
本発明にかかる第一金属元素として選択され得るアルカリ金属及びアルカリ土類金属、並びに、本発明にかかる第二金属元素として選択され得る希土類金属は、上述の本発明の酸化物複合体水溶液において説明した第一金属元素及び第二金属元素と同様のものである。なお、このような第一金属元素としては、高い塩基性を有し、酸化物を形成させた際に十分に高いNOx吸蔵能を発揮できるという観点から、バリウムが好ましく、第二金属元素としては、酸化物を形成させた際に比較的高比表面積を有するという観点から、セリウムが好ましい。
【0044】
また、このような酸化物複合体中に含有される第一金属元素と第二金属元素の組み合わせは特に制限されないが、NOx吸蔵材として用いるという観点からは、Ba(第一金属元素)と、Ce(第二金属元素)とを組み合わせて用いることが好ましく、SOx吸蔵材として用いるという観点からは、Ba又はMg(第一金属元素)と、Ce又はY(第二金属元素)とを組み合わせて用いることが好ましい。
【0045】
本発明において採用するTEM−EDX分析においては、測定装置として、従来公知の透過型電子顕微鏡(TEM)に、従来公知のエネルギー分散型X線分光器(EDX分析装置)を装備したTEM−EDX装置を用いることができる。このようなTEM−EDX分析においては、先ず、TEM−EDX装置を用いて、前記酸化物複合体の表面上の任意の領域内において、10nm角の測定点内のエネルギー分散型の蛍光X線スペクトルを求める。次に、得られたエネルギー分散型の蛍光X線スペクトルから、第一の金属元素に由来するピークの面積と、第二の金属元素に由来するピークの面積を求め、第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比(面積比)を求める。なお、このようなピーク面積比は、式:
[ピーク面積比(%)]=([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])×100
を計算することにより算出できる。また、ここにいう「ピーク」とは、前記スペクトルのベースラインからピークトップまでの高さの強度差が1cts以上のものをいう。また、このようなピークは、例えば、金属元素がバリウムである場合にはエネルギーが4.5KeVの位置(BaLα線)に現れ、金属元素がセリウムの場合には、4.8KeVの位置(CeLα線)に現れる。
【0046】
また、このようなピーク面積比の分布の標準偏差は、任意の20点以上の測定点においてTEM−EDX分析を行って、各測定点における上記ピーク面積比を求め、得られたピーク面積比の値に基づいて、ピーク面積比の分布の標準偏差(%)を算出することにより求めることができる。本発明の酸化物複合体においては、このようなピーク面積比の標準偏差が10%以下(より好ましくは9%以下)である。このような標準偏差が10%を超えた酸化物複合体は、第一金属元素と、第二金属元素とが十分に均一に混合したものとはならず、硫黄被毒を十分に抑制することができないとともに、硫黄被毒後に再生処理を施した場合に硫黄成分の脱離速度が十分なものとはならない。
【0047】
このようなピーク面積比の分布の標準偏差が10%以下の酸化物複合体をより確実に得る方法としては、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して酸化物複合体を得る方法を挙げることができる。従って、本発明の酸化物複合体としては、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して得られたものであることが好ましい。このような酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して得られた酸化物複合体は、酸化物複合体前駆体水溶液中において第一金属元素を含有する前記第1の化合物と第二金属元素を含有する前記第2の化合物とが高濃度で且つ安定した状態で保持されているため、第一金属元素と第二金属元素が十分に均一に混合され且つ微細化されたものである。なお、このような焼成の際の条件等は、上記本発明の酸化物複合体の製造方法において説明した焼成の際の条件等と同様である。
【0048】
また、このような酸化物複合体の形状は特に制限されず、粉末状、ペレット状等の形状としてもよい。また、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を担体に担持させた後、焼成して、酸化物複合体を担体に担持させてもよい。
【0049】
また、このような酸化物複合体が粉末状のものである場合には、粉末状の酸化物複合体粒子の平均粒子径が0.1〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。このような平均粒子径が前記下限未満では、取り扱いが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると反応ガスとの接触性が低下し、NOxやSOxの吸蔵性能が低下する傾向にある。なお、このような平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行い、任意の100個の粒子の粒径分布をとることにより求めることができる。
【0050】
さらに、このような酸化物複合体が粉末状である場合には、比表面積は5〜200m/gであることが好ましい。このような比表面積が前記下限未満では、反応に有効な表面サイト数が不足する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱安定性が低下し、比表面積低下が大きくなる傾向にある。
【0051】
なお、このような酸化物複合体は、排ガス浄化触媒の材料(例えばNOx吸蔵材やSOx吸蔵材等)として好適に用いることができる。例えば、前記酸化物複合体をバリウム(第一金属元素)とセリウム(第二金属元素)との酸化物複合体とした場合においては、前記酸化物複合体を自動車等の排ガスと接触させた場合に、排ガス中のNOxをBa(NOとして吸蔵し、除去して排ガスを浄化できる。また、このような酸化物複合体は、硫黄被毒耐久性にも優れているとともに硫黄被毒回復性に優れるため、自動車等の排ガスのような酸化硫黄を含有するガスを浄化するために用いた場合に、長期にわたって十分に高いNOx吸蔵性能を発揮することができる。
【0052】
以上、本発明の酸化物複合体について説明したが、次に、本発明の排ガス浄化用触媒について説明する。
【0053】
本発明の排ガス浄化用触媒は、担体と、前記担体に担持された上記本発明の酸化物複合体と、前記担体に担持された酸化還元能を有する金属とを備えることを特徴とするものである。
【0054】
このような担体としては特に制限されないが、前記酸化物複合体をより高度に分散した状態で担持することができることから、塩基性の担体であることが好ましく、アルミニウム、ジルコニウム、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の第三金属元素の酸化物を含有する担体がより好ましい。このような塩基性の担体を用いることにより、酸化物複合体中の第一金属元素と担体とが反応して酸化物複合体が分解することを十分に抑制することが可能となり、十分に高い触媒活性を維持できる傾向にある。
【0055】
このような第三金属元素として選択され得るアルカリ土類金属元素としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられ、中でも、担体の塩基性がより高いものとなり、酸化物複合体の分散性がより向上するという観点並びに貴金属及びその酸化物との相互作用が強く親和性が大きい傾向にあるという観点から、Mg、Ca、Baを用いることが好ましく、Mgを用いることが特に好ましい。また、希土類元素としては、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Ga)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が挙げられ、中でも、貴金属及びその酸化物との相互作用が強く親和性が大きい傾向にあるという観点から、La、Ce、Nd、Pr、Y、Scが好ましく、La、Ce、Y、Ndがより好ましい。このような電気陰性度の低い希土類元素及びアルカリ土類金属元素は、貴金属や前記酸化物複合体との相互作用が強いため、貴金属の蒸散やシンタリングを抑制するとともに、活性点である貴金属の劣化を十分に抑制することができる。
【0056】
また、このような第三金属元素の酸化物を含有する担体としては、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素及び希土類元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との複合酸化物を含有する担体が好ましく、より塩基性の強い担体であるという観点から、MgとAlの複合酸化物であることが更に好ましい。このようなMgとAlの複合酸化物は、式:MgO−nAlで表され、nの値は様々な数値となり得る。このようなnが1未満のときは、遊離のMgOが存在し、耐熱性が低下する傾向にある。他方、nが1を超えると、MgとAlの複合酸化物は、MgO−xAlとyAl(1≦x,x+y=n)の2相系になり、Alと複合酸化物中の第一金属元素との反応が生じやすくなる傾向にある。そのため、このような第三金属元素の酸化物を含有する担体としては、組成式:MgAlで表される金属酸化物を含有する担体が特に好ましい。
【0057】
また、前記担体が組成式:MgAlで表される金属酸化物を含有する担体である場合には、例えばAlからなる担体とした場合に比べて高温域での担体と前記酸化物複合体との固相反応性がより低くなり、触媒が高温に曝された場合により十分にNOx吸蔵能の低下を抑制できる傾向にある。また、MgAlを含有する担体は、上述のようにAlからなる担体等と比べて塩基性が高いことから、酸化物複合体をより強い塩基の状態で保持することができる傾向にある。一般に、高温域におけるNOx浄化性能は、塩基点量と比例するため、MgAlを含有する担体を用いることにより高温域でのNOx吸蔵性能が高くなる傾向にある。なお、MgAlを含有する担体に従来のNOx吸蔵材を担持した従来の触媒においては、MgAlを含有する担体上でNOx吸蔵材の硫酸塩がより安定化されることから、硫黄被毒に対しては耐久性が低かった。しかしながら、本発明においては、前記酸化物複合体が微細複合化して高度に分散された状態で担持されるため、MgAl担体上で前記酸化物複合体の硫酸塩が不安定化され、硫黄被毒による活性低下が小さい。また、MgAlを含有する担体のような塩基性の強い担体上で前記酸化物複合体の分散性が特に優れるため、MgAlを含有する担体を用いた場合には、硫黄被毒後に再生処理を施した場合に、触媒からの硫黄成分の脱離速度がより速くなり、硫黄被毒による活性低下をより十分に抑制できる傾向にある。
【0058】
また、組成式:MgAlで表される金属酸化物を含有する担体においては、MgAlで表される金属酸化物の含有量が、担体の全質量に対して10〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。このような担体におけるMgAlで表される金属酸化物の含有量が、前記下限未満では酸化物複合体を担持させた際にMgAlで表される金属酸化物により得られる効果が小さくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、活性温度域の拡大や硫黄被毒耐久性向上の面で他の担体との併用のメリットを受け難くなる傾向にある。
【0059】
また、このような担体においては、前記第三金属元素の酸化物以外にも、他の金属元素の酸化物を更に含有させることができる。このような他の金属元素としては、特に制限されず、排ガス浄化用触媒の担体に含有させることが可能な公知の金属の酸化物を適宜用いることができるが、中でも、チタン、ケイ素、鉄、マンガン及びタングステンからなる群から選択される第四金属元素の酸化物が好ましい。従って、本発明にかかる担体においては、例えば、チタニア(TiO)及びジルコニア(ZrO)の複合酸化物、チタニア(TiO)及びセリア(CeO)の複合酸化物等を含有していてもよい。
【0060】
また、前記担体がMgAlで表される金属酸化物を含有する場合には、TiO及びZrOの複合酸化物(TiO−ZrO)を更に含有させることが好ましい。このような複合酸化物(TiO−ZrO)は、TiOのアナターゼ相にZrOが固溶するとともに、ZrOのテトラゴナル相にTiOが固溶し、互いに固溶し合い、熱安定性が高い。そのため、このような複合酸化物(TiO−ZrO)を含有させた場合においては、高温に曝された場合においても比表面積の低下が抑制される傾向にある。また、このような複合酸化物(TiO−ZrO)においては、上述のような固溶体が形成されるため、前記酸化物複合体との固相反応が抑制されるとともに、TiOの機能である硫黄被毒抑制作用が促進される傾向にある。従って、チタニア(TiO)及びジルコニア(ZrO)の複合酸化物を含有させることによって、耐熱性と硫黄被毒耐久性をより向上させることが可能となる。なお、このようなTiO及びZrOの複合酸化物中のTiOとZrOの含有比率は特に制限されないが、質量比でTiO/ZrO=95/5〜5/95の範囲とするのが好ましい。TiOがこの範囲より少ないと硫黄被毒抑制作用が低下し、ZrOがこの範囲より少ないと耐熱性が低下する。
【0061】
また、前記担体として、MgAlで表される金属酸化物とTiO及びZrOの複合酸化物とを組み合わせた担体を用いる場合には、MgAlで表される金属酸化物とTiO及びZrOの複合酸化物との混合比は特に制限されないが、質量比でMgAl:TiO−ZrOで表される比率が4:1〜1:4の範囲とすることが好ましい。MgAlで表される金属酸化物の含有比率が上記下限未満では、耐熱性と触媒活性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると、硫黄被毒抑制効果が低下する傾向にある。
【0062】
さらに、本発明にかかる担体の形状としては特に制限されないが、比表面積が向上し、より高い触媒活性が得られることから、粉体状であることが好ましい。このような担体が粉体状のものである場合においては、前記担体の粒度(二次粒子径)は特に制限されず、1〜100μmであることが好ましい。前記粒子径が前記下限未満では、担体の微細化にコストがかかるとともに、その扱いが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、後述するような基材に本発明の排ガス浄化用触媒のコート層を安定に形成させることが困難となる傾向にある。
【0063】
また、このような担体の比表面積は、20m/g以上であることが好ましく、50〜300m/gであることがさらに好ましい。比表面積が前記下限未満では、十分な触媒活性を発揮させるために妥当な量の酸化還元能を有する金属(好ましくは貴金属)を担持することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱劣化による比表面積低下が大きくなる傾向にある。なお、このような比表面積は吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
【0064】
また、本発明にかかる担体の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、2種以上の金属元素を含有する担体を製造する場合には、少なくとも前記第三金属元素の塩(例えば、硝酸塩)を含有する2種類以上の金属元素を含有する水溶液を用い、アンモニアの存在下で上記金属元素の共沈殿物を生成せしめ、得られた共沈殿物を濾過、洗浄した後に乾燥し、更に焼成することによって前記第三金属元素の酸化物を含有する担体を得る方法を採用することができる。
【0065】
また、本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記担体に上記本発明の酸化物複合体が担持されている。このような酸化物複合体は、触媒中において、前記第一金属元素及び前記第二金属元素の組み合わせを適宜変更することにより、いわゆるNOx吸蔵材やSOx吸蔵材等として機能させることが可能なものである。
【0066】
このような酸化物複合体としては、上述のように、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成して得られたものであることが好ましい。上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成することによって得られた酸化物複合体は、前記第一金属元素と前記第二金属元素とが微細複合化され、担体上においてより均一で且つより分散された状態となる傾向にある。また、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を焼成することによって得られた酸化物複合体は、前記酸化物複合体前駆体水溶液中の多座配位子を有する第3の化合物が焼成中に酸化分解されることで、第一金属元素と第二金属元素が均一に混合されたものとなるとともに、担体上に高度に分散された状態で担持されるためNOx吸蔵材やSOx吸蔵材等としての有効表面積を十分に高く維持することが可能となる傾向にある。
【0067】
また、前記酸化物複合体は、より細粒化された粒子の状態で前記担体に担持されることが好ましい。このような酸化物複合体の担持粒子の平均粒子径としては0.5〜10nmであることが好ましく、0.5〜5nm以下であることがより好ましい。前記酸化物複合体の粒子径が前記下限未満では、均一な複合体が得られにくい傾向にあり、他方、前記上限を超えるとNOxやSOxの吸蔵に有効な表面サイト数が減少する傾向にある。なお、このような担持粒子の平均粒子径は、XRD測定やTEM観察をすることにより求めることができる。
【0068】
また、担体に前記酸化物複合体を担持する方法としては、担体に上記本発明の酸化物複合体を担持することが可能な方法であればよく、特に制限されないが、上記本発明の酸化物複合体前駆体水溶液を担体に含浸させて焼成する方法を採用することが好ましい。このような焼成の条件は、上記本発明の酸化物複合体の製造方法において説明した焼成条件と同様である。
【0069】
また、本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記担体に酸化還元能を有する金属が担持されている。このような酸化還元能を有する金属としては、白金、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金等の貴金属や銀、銅、コバルト、鉄等が挙げられるが、得られる排ガス浄化用触媒がより高い触媒活性を示すという観点からは、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属が好ましい。
【0070】
また、本発明の排ガス浄化用触媒において、酸化還元能を有する金属の担持量は、前記触媒の質量に対して0.05〜10質量%(より好ましくは0.1〜5質量%)であることが好ましい。前記酸化還元能を有する金属の担持量が前記下限未満では、酸化還元能を有する金属により得られる触媒活性が不十分となる傾向にあり、他方、上記上限を超えると、コストが高騰するとともに前記金属の粒成長が起こり易くなる傾向にある。
【0071】
また、本発明の排ガス浄化用触媒において、前記酸化還元能を有する金属はより細粒化された粒子の状態で担体に担持されることが好ましい。このような酸化還元能を有する金属の粒子径としては1〜20nmであることがより好ましく、1〜10nmであることがより好ましい。前記酸化還元能を有する金属の粒子径が前記下限未満では、担体と反応し、酸化物化して失活する傾向にあり、他方、前記上限を超えると高度な触媒活性が得ることが困難になる傾向にある。
【0072】
なお、前記担体に前記酸化還元能を有する金属を担持させる方法としては特に制限されず、例えば、前記酸化還元能を有する金属が貴金属の場合には、貴金属の塩(例えば、ジニトロジアミン塩)や錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液を前記担体に接触させた後に乾燥し、更に焼成する方法を採用することができる。
【0073】
また、本発明の排ガス浄化用触媒の形態は特に制限されず、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等の形態とすることができる。ここで用いられる基材も特に制限されず、得られる触媒の用途等に応じて適宜選択されるが、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用される。また、このような基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が好適に採用される。さらに、このような基材を用いる場合における触媒の製造方法も特に制限されず、例えば、モノリス状基材に担体を担持せしめて上述の担体の粉末からなるコート層を形成した後、前記コート層に酸化還元能を有する金属(好ましくは貴金属)を担持し、その後、前記コート層に酸化物複合体を担持する方法や、予め酸化還元能を有する金属を担持した担体を用い、これをモノリス状基材に担持せしめてコート層を形成した後、前記コート層に酸化物複合体を担持する方法等を採用することができる。
【0074】
なお、本発明の排ガス浄化用触媒は、長期間の使用により硫黄被毒が生じた場合には、硫黄成分を脱離させることが可能な再生処理を施すことが好ましい。このような再生処理の方法は特に制限されず、触媒に所定のリーンガスとリッチガスを交互に接触せしめて硫黄成分を脱離させる方法等、公知の方法を適宜採用できる。なお、本発明の排ガス浄化用触媒においては、このような再生処理を施すことにより、排ガス浄化用触媒の低温域でのNOx浄化性能が、未使用の排ガス浄化用触媒と比較して向上する傾向にある。このような低温域でのNOx浄化性能が向上する理由は必ずしも定かではないが、硫黄被毒後、再生処理を施すことにより、担体に担持された酸化物複合体の塩基強度がわずかに弱められ、これにより担体に担持された酸化還元能を有する金属の活性が向上するためであると本発明者らは推察する。
【0075】
以上、本発明の排ガス浄化用触媒について説明したが、以下、本発明の排ガス浄化方法について説明する。
【0076】
本発明の排ガス浄化方法は、酸素過剰雰囲気下において、上記本発明の排ガス浄化用触媒に窒素酸化物を含む排ガスを接触せしめて排ガスを浄化することを特徴とする方法である。
【0077】
本発明にいう「酸素過剰雰囲気」とは、酸素、窒素酸化物等の酸化性ガスが、H、CO、HC等の還元性ガスに対して量論的に過剰となる雰囲気をいう。本発明においては、このような酸素過剰雰囲気中において窒素酸化物を含有する排ガスを上記本発明の排ガス浄化用触媒に接触せしめる。このように、本発明の排ガス浄化方法においては、本発明の排ガス用浄化触媒を用いるため、硫黄成分(SO等)を含む排ガスに曝さらされるような環境下においても、NOを十分に浄化することが可能である。そのため、本発明の排ガス浄化方法は、例えば、自動車の内燃機関等から排出される排ガスを浄化するための方法に採用することができる。
【実施例】
【0078】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0079】
(実施例1)
クエン酸(和光純薬工業製)0.9molをイオン交換水165mlに溶解させ、80℃に加熱した後、得られた溶液に酢酸セリウム(和光純薬工業製)0.3molを加えて攪拌し、沈殿を生成した後、28質量%のNH水170mlを滴下し、沈殿を溶解させ、室温まで冷却してセリウムクエン酸アンモニウム水溶液(セリウムクエン酸アンモニウムの含有量:0.65mol/L)を調製した。その後、得られたセリウムクエン酸アンモニウム水溶液54mlに2.16mol/L酢酸バリウム水溶液16mlを加えた後、攪拌して沈殿を生成し、その沈殿を再度溶解させてBaとCeを含有する酸化物複合体前駆体水溶液を調製した。前記水溶液中のBa/Ceモル比は1であり、Ba及びCeの濃度は0.5mol/Lである。
【0080】
(実施例2)
クエン酸(和光純薬工業製)0.9molをイオン交換水165mlに溶解させ、28%NH水170mlを加えてクエン酸アンモニウム水溶液を調製した。次に、得られたクエン酸アンモニウム水溶液に酢酸セリウム(和光純薬工業製)0.3molを加えて攪拌し、セリウムクエン酸アンモニウム水溶液(セリウムクエン酸アンモニウムの含有量:0.65mol/L)を調製した。次いで、得られたセリウムクエン酸アンモニウム水溶液54mlに2.16mol/L酢酸バリウム水溶液16mlを加えた後、攪拌してBaとCeを含有する酸化物複合体前駆体水溶液を調製した。前記水溶液中のBa/Ceモル比は1であり、Ba及びCeの濃度は0.5mol/Lである。
【0081】
(比較例1)
酢酸セリウム(和光純薬工業製)0.1molと酢酸バリウム0.1molをイオン交換水300mlに溶解させて、BaCe含有水溶液を調製した。前記水溶液中のBa/Ceモル比は1であり、Ba及びCeの濃度は0.31mol/Lである。
【0082】
(比較例2)
酢酸バリウム0.3molをイオン交換水114mlに溶解させて、酢酸バリウム水溶液を調製した。前記水溶液中のBa濃度は2.16mol/Lである。
【0083】
(比較例3)
クエン酸(和光純薬工業製)0.9molをイオン交換水165mlに溶解させ、80℃に加熱し、溶液を得た。次に、得られた溶液に酢酸セリウム(和光純薬工業製)0.3molを加えて攪拌し、沈殿を生成した後、2.14mol/L酢酸バリウム水溶液139mlを更に加えた。このようにしてイオン交換水にクエン酸、酢酸セリウム及び酢酸バリウムを添加したところ、沈殿が生じてしまい、安定した水溶液が得られなかった。
【0084】
(比較例4)
酢酸セリウム(和光純薬工業製)0.3molをイオン交換水303mlに溶解させた。次いで、得られた溶液に2.14mol/L酢酸バリウム水溶液139mlを加えた後、28質量%のNH水170mlを更に加えた。このようにしてイオン交換水にアンモニア、酢酸セリウム及び酢酸バリウムを添加したところ、ゲル化が進行し、安定した水溶液が得られなかった。
【0085】
(合成例1:Pt担持触媒の調製)
先ず、直径30mm×50mmLの六角セルコージェライトモノリス基材に、アルミナ100g、チタニア−ジルコニア複合酸化物100g、Rhを0.5g/50g担持したジルコニア50g、及びセリア−ジルコニア複合酸化物20gを含有する担体を270g/Lの割合でコートし、担体担持基材を得た。次に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を用いて、前記担体担持基材に対して2g/LとなるようにPtを選択吸着担持し、Pt担持基材を得た。その後、得られたPt担持基材を大気中、300℃の温度条件で3時間焼成し、Pt担持触媒を調製した。
【0086】
(実施例3)
実施例1で得られた酸化物複合体前駆体水溶液を、合成例1で得られたPt担持触媒にBaとCeの担持量がそれぞれ0.2mol/L(Ba)、0.2mol/L(Ce)となるようにして含浸させることにより、前記Pt担持触媒に前記酸化物複合体前駆体水溶液を担持させた後、大気中、300℃の温度条件下で3時間焼成し、前記Pt担持触媒上に酸化物複合体を形成せしめ、排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。なお、後述するTEM−EDX分析と同様の方法を採用して、本実施例で得られた排ガス浄化用触媒中の酸化物複合体に対してTEM−EDX分析を行ったところ、アルミナ担体上におけるBaのピーク面積とCeのピーク面積の和に対するBaのピーク面積の面積比の分布の標準偏差は8.7%であった。
【0087】
(実施例4)
実施例1で得られた酸化物複合体前駆体水溶液に代えて実施例2で得られた酸化物複合体前駆体水溶液を用いた以外は実施例3と同様の方法を採用して、合成例1で得られたPt担持触媒上に酸化物複合体を形成せしめ、排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。なお、後述するTEM−EDX分析と同様の方法を採用して、本実施例で得られた排ガス浄化用触媒中の酸化物複合体に対してTEM−EDX分析を行ったところ、アルミナ担体上におけるBaのピーク面積とCeのピーク面積の和に対するBaのピーク面積の面積比の分布の標準偏差は8.6%であった。
【0088】
(比較例5)
実施例1で得られた酸化物複合体前駆体水溶液に代えて比較例1で得られたBaCe含有水溶液を用いた以外は実施例3と同様の方法を採用して、合成例1で得られたPt担持触媒上において酸化物複合体を形成せしめ、比較のための排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。なお、後述するTEM−EDX分析と同様の方法を採用して、本比較例で得られた排ガス浄化用触媒中の酸化物複合体に対してTEM−EDX分析を行ったところ、アルミナ担体上におけるBaのピーク面積とCeのピーク面積の和に対するBaのピーク面積の面積比の分布の標準偏差は13.1%であった。
【0089】
(比較例6)
実施例1で得られた酸化物複合体前駆体水溶液に代えて比較例2で得られた酢酸バリウム水溶液を用い、前記酢酸バリウム水溶液を合成例1で得られたPt担持触媒にBaの担持量が0.2mol/Lとなるようにして含浸させた以外は実施例3と同様の方法を採用して、Pt担持触媒上においてバリウムの酸化物を形成せしめ、比較のための排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。
【0090】
<排ガス浄化用触媒(実施例3〜4及び比較例5〜6)の性能試験>
[耐久試験1]
実施例3〜4及び比較例5〜6で得られた排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を用い、各触媒に対して、それぞれ750℃の温度条件下において、表1に示す組成のリーンガス及びリッチガスをリーン/リッチ=110秒/10秒の間隔で変動させながら5時間流通させた。
【0091】
【表1】


【0092】
[耐久試験2]
実施例3〜4及び比較例5〜6で得られた排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を用い、各触媒に対して、それぞれ750℃の温度条件下において空気を5時間流通させた後、650℃の温度条件下において表2に示す組成の前処理用のリッチガスを10分流通させて前処理を行った。次いで、得られた前処理後の各触媒に対して、それぞれ400℃の温度条件下において表2に示す硫黄被毒処理用のリッチガス及びリーンガスをリーン/リッチ=120秒/3秒の間隔で変動させながら41分間流通させ、触媒2Lあたり硫黄を3g供給してS被毒処理を行った。次に、S被毒処理の各触媒に対して、600℃の温度条件下において、表2に示す組成のS再生処理用のリーンガスを5分間流通させた後に、表2に示す組成のS再生処理用のリッチガスを10分間流通させて、被毒したSを脱離させ、触媒の再生処理を行った。
【0093】
【表2】


【0094】
[NOx浄化試験1]
耐久試験1後の実施例3〜4及び比較例5〜6で得られた排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を用い、各触媒に対して、400℃の温度条件下において、表3に示す組成のリッチガス及びリーンガスをリーン/リッチ=120秒/3秒の間隔で変動させながら流通させ、定常状態におけるNOx浄化率を測定した。なお、空間速度(SV)はすべて51400h−1とした。また、NOx浄化率は、各触媒について、それぞれ触媒に接触する前後のガス中に含有されるNOの濃度を測定し、そのNO濃度の値に基づいて求めた。得られた結果を図1に示す。
【0095】
【表3】


【0096】
[NOx浄化試験2]
耐久試験2後の実施例3〜4及び比較例5〜6で得られた排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を用いた以外は、NOx浄化試験1と同様の方法を採用してNOx浄化率を測定した。得られた結果を図1に示す。
【0097】
図1に示した結果から明らかなように、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液(実施例1及び2)を用い、本発明の酸化物複合体の製造方法を採用して得られた排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒:実施例3〜4)は、耐久試験後のNOx浄化率が優れたものであった。これに対して、本発明にかかる酸化物複合体前駆体水溶液を用いなかった場合(比較例5〜6)においては、NOx吸蔵還元型触媒の耐久試験後のNOx浄化率が低いものとなっていた。
【0098】
このような結果から、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液(実施例1〜2)を用いて酸化物複合体を担持させた排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒:実施例3〜4)においては、得られる酸化物複合体が十分に微細化され、しかも酸化物複合体が十分に分散された状態で触媒に担持されるため、高いNOx浄化性能を発揮できるということが確認された。
【0099】
(実施例5)
先ず、直径30mm×50mmLの六角セルコージェライトモノリス基材に、触媒担体としてアルミナを200g/Lの割合でコートし、担体担持基材を得た。次に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を用いて、前記担体担持基材に対して2g/LとなるようにしてPtを選択吸着担持せしめてPt担持基材を得た。その後、得られたPt担持基材を大気中、300℃の温度条件で3時間焼成し、Pt担持触媒を調製した。次に、得られたPt担持触媒に対して、実施例1で得られた酸化物複合体前駆体水溶液を、BaとCeの担持量がそれぞれ0.2mol/L(Ba)、0.2mol/L(Ce)となるようにして含浸させることにより、前記Pt担持触媒に前記酸化物複合体前駆体水溶液を担持させた後、大気中、300℃の温度条件下で3時間焼成し、前記Pt担持触媒上において酸化物複合体を形成せしめ、本発明の排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。
【0100】
(比較例7)
実施例1で得られた酸化物複合体前駆体水溶液に代えて比較例1で得られたBaCe含有水溶液を用いた以外は実施例5と同様の方法を採用して、比較のための排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。
【0101】
<排ガス浄化用触媒(実施例5及び比較例7)の性能試験>
[TEM−EDX分析]
実施例5及び比較例7で得られた排ガス浄化用触媒のコート層(モノリス基材上に形成されたコート層)から掻き採った触媒粉末を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、前記触媒粉末中の酸化物複合体の表面上の10nm角の32点の測定点に対して、EDX分析を行った。なお、このようなEDX分析には、日本電子社製の商品名「JEM−2200FS」を測定装置として用いた。
【0102】
このような測定の結果として、実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図2〜4に示し、比較例7で得られた排ガス浄化用触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図5〜7に示す。なお、図2〜5上の001〜032で示す10nm角の正方形は、EDX分析の際の測定点である。また、実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の酸化物複合体の表面上の測定点001〜007(図2参照)におけるエネルギー分散型の蛍光X線スペクトルを図8に示し、比較例7で得られた排ガス浄化用触媒の酸化物複合体の表面上の測定点001〜006(図5参照)におけるエネルギー分散型の蛍光X線スペクトルを図9に示す。
【0103】
また、このようなEDX分析結果から、各測定点におけるBaのピーク面積(BaLα線のピーク面積)とCeのピーク面積(CeLα線のピーク面積)とを割り出し、式:
[ピーク面積比]=([Baのピーク面積]/[Baのピーク面積とCeのピーク面積の和])×100
を計算して、各測定点におけるBaのピーク面積とCeのピーク面積の和に対するBaのピーク面積の面積比を算出した。そして、このようにして算出された面積比の値から、面積比の分布の標準偏差を求めた。得られた結果を表4に示す。
【0104】
【表4】


【0105】
表4に示す結果からも明らかなように、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例5)においては、担持された酸化物複合体の表面上の測定点におけるTEM−EDX分析から求められる第一金属元素(Ba)のピーク面積と第二金属元素(Ce)のピーク面積との和に対する第一金属元素のピーク面積の比([第一金属元素のピーク面積]/[第一金属元素のピーク面積と第二金属元素のピーク面積の和])の分布の標準偏差は10%以下であることが確認された。このような結果から、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例5)においては、BaとCeとが十分に均一に混合された酸化物複合体が担体上に担持されていることが分かった。これに対して、比較のための排ガス浄化用触媒(比較例7)においては、前記標準偏差が10%を超えた値となっており、BaとCeの分散度にばらつきがあることが分かった。
【0106】
このようなTEM観察及びEDX分析の結果から、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液(実施例1)を用いて酸化物複合体を担持させた場合(実施例5)においては、担体上に担持される酸化物複合体が十分に微細化されることが確認され、コート層内のマクロ分布及び担体粉末上のnmオーダにおけるミクロ分布において、酸化物複合体が均一な分散をとることが確認された。
【0107】
[NOx浄化試験3]
先ず、実施例5及び比較例7で得られた排ガス浄化用触媒を用いた以外は上述の耐久試験1と同様の方法を採用して、実施例5及び比較例7で得られた排ガス浄化用触媒に対して耐久試験を行った。次に、前記耐久試験後の各排ガス浄化用触媒を用いた以外は上述のNOx浄化試験1と同様の方法を採用して、実施例5及び比較例7で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を測定した。得られた結果を表5に示す。
【0108】
【表5】


【0109】
表5に示す結果からも明らかなように、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液(実施例1)を用いて得られた本発明の排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒:実施例5)は、耐久試験後のNOx浄化率が優れたものであることが確認された。これに対して、本発明にかかる酸化物複合体前駆体水溶液を用いなかった比較のための排ガス浄化用触媒(比較例7)においては、耐久試験後のNOx浄化率が低いものであることが確認された。このような結果から、本発明の酸化物複合体が担持された本発明の排ガス浄化用触媒(実施例5)においては、十分に高い耐熱性を有することが分かった。
【0110】
(実施例6)
クエン酸(和光純薬工業)0.9molをイオン交換水165mlに溶解させた後、28質量%のNH水170mlを加えて、クエン酸アンモニウム水溶液を調製した。次に、得られたクエン酸アンモニウム水溶液に酢酸セリウム(和光純薬工業)0.3molを加えて攪拌し、セリウムクエン酸アンモニウム水溶液(0.67mol/L)を調製した。その後、前記セリウムクエン酸アンモニウム水溶液52mlに対して、2.16mol/Lの酢酸バリウム水溶液16mlを加えて攪拌し、BaとCeを含有する酸化物複合体前駆体水溶液を調製した。前記水溶液中のBa/Ceモル比は1であり、Ba及びCeの濃度は0.51mol/Lであった。
【0111】
(合成例2:Pt担持触媒の調整)
先ず、直径30mm×50mmLの六角セルコージェライトモノリス基材に、MgAl100g、TiOとZrOの複合酸化物100g、Rhを0.5g/50gの割合で担持したZrO50g、及びCeOとZrOの複合酸化物20gを含有する担体を270g/Lの割合でコートして、担体担持基材を得た。次に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を用いて、前記担体担持基材に対して2g/LとなるようにしてPtを選択吸着担持せしめてPt担持基材を得た。その後、得られたPt担持基材を大気中、300℃の温度条件で3時間焼成し、Pt担持触媒を調製した。
【0112】
(実施例7)
実施例6で得られた酸化物複合体前駆体水溶液を、合成例2で得られたPt担持触媒にBaとCeの担持量がそれぞれ0.2mol/L(Ba)、0.2mol/L(Ce)となるようにして含浸させることにより、前記Pt担持触媒に前記酸化物複合体前駆体水溶液を担持させた後、大気中、300℃の温度条件下で3時間焼成し、前記Pt担持触媒上に酸化物複合体を形成せしめ、本発明の排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。なお、上述のTEM−EDX分析と同様の方法を採用して、得られた排ガス浄化用触媒中の酸化物複合体に対してTEM−EDX分析を行ったところ、MgAl上のBaのピーク面積とCeのピーク面積の和に対するBaのピーク面積の面積比の分布の標準偏差は8.1%であった。
【0113】
(比較例8)
実施例6で得られた酸化物複合体前駆体水溶液の代わりに酢酸バリウム水溶液を用い、酢酸バリウム水溶液を合成例2で得られたPt担持触媒にBaの担持量が0.2mol/Lとなるようにして含浸させた以外は、実施例7と同様にして、比較のための排ガス浄化用触媒(NOx吸蔵還元型触媒)を調製した。
【0114】
<排ガス浄化用触媒(実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8)の性能試験>
[S脱離量の測定]
実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒を用いた以外は上述の耐久試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒に対して耐久試験を行った。次に、前記耐久試験後の各排ガス浄化用触媒(実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8)に対して、それぞれ、650℃の温度条件下において上記表2に示す組成の前処理用のリッチガスを10分流通させて前処理を行った。次いで、得られた前処理後の各触媒に対して、それぞれ400℃の温度条件下において上記表2に示す硫黄被毒処理用のリッチガス及びリーンガスをリーン/リッチ=120秒/3秒の間隔で変動させながら41分間流通させ、触媒2Lあたり硫黄(S)を3g供給してS被毒処理を行った。次に、S被毒処理後の各触媒に対して、600℃の温度条件下において、上記表2に示す組成のS再生処理用のリーンガスを5分間流通させた後に、上記表2に示す組成のS再生処理用のリッチガスを10分間流通させた(以下、単に「S脱離試験」という。)。このようにして、各排ガス浄化用触媒からSを脱離させて、S再生処理用のガスを導入した時点から3分間及び10分間の間の各排ガス浄化用触媒のS脱離量を、各排ガス浄化用触媒に接触した後のガス中のSOの量を測定することにより、それぞれ求めた。得られた結果を図10に示す。
【0115】
図10に示す結果からも明らかなように、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例3及び実施例7)においては、再生ガスの流通開始直後から十分に高い硫黄(S)成分の脱離性能を示し、比較のための排ガス浄化用触媒(比較例6及び比較例8)と比べてS脱離速度が十分に速いことが確認された。このような結果から、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例3及び実施例7)においては、硫黄被毒による触媒活性の低下を十分に抑制できることが分かった。
【0116】
[NOx浄化試験4]
上記S脱離量の測定の際の条件と同様の条件で耐久試験1及びS脱離試験を施した後の実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒を用い、更に、温度条件を400℃から300℃に変更した以外は、上述のNOx浄化試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を測定した。得られた結果を図11に示す。
【0117】
[NOx浄化試験5]
上記S脱離量の測定の際の条件と同様の条件で耐久試験1及びS脱離試験を施した後の実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒を用い、更に、温度条件を400℃から500℃に変更した以外は、上述のNOx浄化試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を測定した。得られた結果を図12に示す。
【0118】
図11〜12に示す結果からも明らかなように、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例3及び実施例7)においては、比較のための排ガス浄化用触媒(比較例6及び比較例8)と比べて十分に高いNOx浄化性能を発揮することが確認された。また、担体中にMgAlを含有する実施例7で得られた排ガス浄化用触媒の方が、より高いNOx浄化性能を発揮することが分かった。
【0119】
[NOx浄化試験6及び7]
〈NOx浄化試験6〉
実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒を用いた以外は上述の耐久試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒に対して耐久試験を行った。次に、前記耐久試験後の各排ガス浄化用触媒(実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8)を用い、温度条件を400℃から300℃に変更した以外は、上述のNOx浄化試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を測定した。
【0120】
〈NOx浄化試験7〉
実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒を用いた以外は上述の耐久試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒に対して耐久試験を行った。次に、前記耐久試験後の各排ガス浄化用触媒(実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8)を用い、温度条件を400℃から500℃に変更した以外は、上述のNOx浄化試験1と同様の方法を採用して、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を測定した。
【0121】
このようなNOx浄化試験4〜7で得られた結果から、実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のS脱離試験前後のNOx浄化率の維持率を求めた。なお、かかる維持率は、NOx浄化試験の際の温度条件(300℃又は500℃)ごとに求め、式:
[維持率(%)]=[S脱離試験後のNOx浄化率]/[S脱離試験前のNOx浄化率]×100
により算出した。得られた結果を図13に示す。
【0122】
図13に示す結果からも明らかなように、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例3及び実施例7)においては、温度条件によらず、80%以上のNOx浄化率の維持率を有していることが確認され、十分に高い耐熱性及び硫黄被毒耐久性を有していることが確認された。これに対して比較例6で得られた排ガス浄化用触媒は、NOx浄化率の維持率が十分なものとはならなかった。また、比較例8で得られた排ガス浄化用触媒においては、温度条件が300℃のNOx浄化試験の際のNOx浄化率の維持率は十分なものではあるものの、500℃のNOx浄化試験の際のNOx浄化率の維持率は70%以下となっており、温度条件を上げることで極端にNOx浄化率の維持率が低下し、耐熱性が十分なものではないことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0123】
以上説明したように、本発明によれば、水溶液中に酸化物複合体の前駆体である金属元素を高濃度で且つ安定した状態で含有させることができ、十分に微細化された酸化物複合体を得ることが可能な酸化物複合体前駆体水溶液及びそれを用いた酸化物複合体の製造方法を提供する並びに、それにより得られる酸化物複合体を提供することが可能となる。また、本発明によれば、上記本発明の酸化物複合体を備え、十分に高い耐熱性や硫黄被毒耐久性を有し、硫黄や高温に長期間晒された場合でも十分に優れた触媒活性を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒、及びその排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法を提供することが可能となる。
【0124】
このように、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液によって、十分に微細化された酸化物複合体を効率よく製造することが可能となるため、本発明の酸化物複合体前駆体水溶液は、NOx吸蔵材、SOx吸蔵材、NOx吸蔵還元型触媒等を製造するための材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】実施例3〜4及び比較例5〜6で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を示すグラフである。
【図2】実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の表面上の特定の領域内の酸化物複合体の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図3】実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の表面上の特定の領域内の酸化物複合体の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図4】実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の表面上の特定の領域内の酸化物複合体の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図5】比較例7で得られた排ガス浄化用触媒の表面上の特定の領域内の酸化物複合体の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図6】比較例7で得られた排ガス浄化用触媒の表面上の特定の領域内の酸化物複合体の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図7】比較例7で得られた排ガス浄化用触媒の表面上の特定の領域内の酸化物複合体の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図8】実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の酸化物複合体の表面上の測定点001〜007におけるエネルギー分散型の蛍光X線スペクトルを示すグラフである。
【図9】実施例5で得られた排ガス浄化用触媒の酸化物複合体の表面上の測定点001〜006におけるエネルギー分散型の蛍光X線スペクトルを示すグラフである。
【図10】硫黄(S)脱離試験を施した際の実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた各排ガス浄化用触媒の硫黄(S)脱離量を示すグラフである。
【図11】300℃の温度条件下における実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を示すグラフである。
【図12】500℃の温度条件下における実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率を示すグラフである。
【図13】S脱離試験前後の実施例3、実施例7、比較例6及び比較例8で得られた排ガス浄化用触媒のNOx浄化率の維持率を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
【出願日】 平成19年11月6日(2007.11.6)
【代理人】 【識別番号】100107191
【弁理士】
【氏名又は名称】長濱 範明


【公開番号】 特開2008−137886(P2008−137886A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2007−288902(P2007−288902)