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【発明の名称】 アルミナグリコール分散液及びその製造方法
【発明者】 【氏名】永井 直文

【要約】 【課題】有機スルホン酸など除去し難い不揮発性の分散安定化剤を含有しなくとも、分散安定性に優れるアルミナグリコール分散液を提供する。

【構成】(1)炭素数2〜8のグリコール、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)炭素数2〜8のグリコール、
(2)アルミナ微粒子及び
(3)アルミナに対して0.001〜0.06モル倍の硝酸若しくは塩酸又は0.06〜0.8モル倍の酢酸
を必須成分として含有し、かつスルホン酸基を有する化合物を含有せず、コーン・プレート型回転粘度計により25℃で測定(回転数30rpm)したアルミナ濃度10重量%の分散液の粘度が600mPa・s以下であることを特徴とするアルミナグリコール分散液。
【請求項2】
アルミナ微粒子がベーマイト又は擬ベーマイトであることを特徴とする請求項1記載のアルミナグリコール分散液。
【請求項3】
金属アルミニウム又は加水分解性アルミニウム化合物を加水分解して得られるアルミナスラリーを、特定量の酸の存在下に解膠してアルミナ水分散液とし、続いてグリコールに溶媒置換してアルミナグリコール分散液を得る際に、アルミナに対して0.001〜0.06モル倍の硝酸若しくは塩酸又は0.06〜0.8モル倍の酢酸の存在下に、85〜200℃で加熱することを特徴とする請求項1、又は2に記載のアルミナグリコール分散液の製造方法。
【請求項4】
加水分解性アルミニウム化合物がアルミニウムアルコキシドであることを特徴とする請求項3に記載のアルミナグリコール分散液の製造方法。
【請求項5】
アルミナ水分散液のグリコールへの溶媒置換を60℃以下で実施することを特徴とする請求項3、又は4に記載のアルミナグリコール分散液の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、分散安定性に優れるアルミナグリコール分散液及びその製造方法に関する。特に、有機スルホン酸など除去し難い不揮発性の分散安定化剤を含有しないアルミナグリコール分散液及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミナ微粒子を水に分散させたアルミナ水分散液(アルミナヒドロゾル、水性アルミナゾル)は、アルミナ薄膜を形成できるため表面改質材料などとして使用されている。
【0003】
アルミナ水分散液は分散媒が水なので、プラスチックなど疎水性が強い基材に適用した場合、基材への濡れ性が悪いので塗布し難く、形成されたアルミナ薄膜と基材との密着性も不十分である。また、耐水性も劣るため、用途によっては問題となる。アルミナ水分散液単独では、目的とする基材の改質を達成できないことが多い。これらを改善するため、結合剤、界面活性剤などを併用することがある。
【0004】
しかし、アルミナ水分散液を塗布する場合、結合剤は水溶性であることが必要である。そのため、使用できる結合剤が限定され、改善が不十分に終わることが少なくない。
【0005】
この問題を解決する手段のひとつとして、アルミナ微粒子を各種の有機溶媒に分散させたゾル(アルミナオルガノゾル)が検討されている。
【0006】
特開昭62−42749号公報(特許文献1)には、無機酸化物微粒子のグリコール単分散体及びその製法が開示されている。同公報の表2例番号2−(6)に、アルミナ水和物微粒子グリコール懸濁体(6a2)が開示されている。しかし、このアルミナ水和物微粒子グリコール懸濁体(6a2)は、分散安定性が悪く、増粘、ゲル化し易いという問題があった。
【0007】
アルミナオルガノゾルの分散安定性を改善するため、分散安定化剤を添加する方法が知られている。
【0008】
特表2003−517418号公報(特許文献2)には、有機スルホン酸で改質することを特徴とする有機溶媒中で分散可能な金属酸化物の製造方法が開示されている。同公報の表1には、有機スルホン酸で改質されたアルミナをエチレングリコールに分散させたオルガノゾルが記載されている。有機スルホン酸による改質でアルミナオルガノゾルの分散安定性は改善されるが、用途によっては、残存する有機スルホン酸が悪影響を及ぼすことがあった。更に、有機スルホン酸を除去するため、煩雑な工程を必要とするという問題も生じた。有機スルホン酸に限らず、キレート剤、高分子分散剤など分散安定化作用を有する物質を添加することによりオルガノゾルの分散安定性を改善しようとする場合に共通した問題である。
【特許文献1】特開昭62−42749号公報
【特許文献2】特表2003−517418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、有機スルホン酸など除去し難い不揮発性の分散安定化剤を配合しなくとも、分散安定性に優れるアルミナグリコール分散液及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、特定量の硝酸、塩酸、又は酢酸を含有するアルミナグリコール分散液が、有機スルホン酸など除去し難い不揮発性の分散安定化剤を共存させなくとも安定性に優れることを見出し、この知見に基づき本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明のアルミナグリコール分散液は、
(1)炭素数2〜8のグリコール、
(2)アルミナ微粒子及び
(3)アルミナに対して0.001〜0.06モル倍の硝酸若しくは塩酸又は0.06〜0.8モル倍の酢酸
を必須成分として含有し、かつスルホン酸基を有する化合物を含有せず、コーン・プレート型回転粘度計により25℃で測定(回転数30rpm)したアルミナ濃度10重量%の分散液の粘度が600mPa・s以下であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のアルミナグリコール分散液は、アルミナ微粒子がベーマイト又は擬ベーマイトであることを特徴とするものである。
【0013】
本発明のアルミナグリコール分散液の製造方法は、金属アルミニウム又は加水分解性アルミニウム化合物を加水分解して得られるアルミナスラリーを、特定量の酸の存在下に解膠してアルミナ水分散液とし、続いてグリコールに溶媒置換してアルミナグリコール分散液を得る際に、アルミナに対して0.001〜0.06モル倍の硝酸若しくは塩酸又は0.06〜0.8モル倍の酢酸の存在下に、85〜200℃で加熱することを特徴とするものである。
【0014】
好ましくは、本発明のアルミナグリコール分散液の製造方法は、加水分解性アルミニウム化合物がアルミニウムアルコキシドであることを特徴とするものである。
【0015】
さらに好ましくは、本発明のアルミナグリコール分散液の製造方法は、アルミナ水分散液のグリコールへの溶媒置換を60℃以下で実施することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のアルミナグリコール分散液は分散安定性に優れているので増粘やゲル化し難く、かつ低粘度なので取扱い易い。又、有機スルホン酸など除去し難い不揮発性の分散安定化剤を含有しないので、各種用途に使用しても、悪影響を及ぼす危険性が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明のアルミナグリコール分散液について説明する。
【0018】
本発明のアルミナグリコール分散液は、特定量の硝酸、塩酸又は酢酸を含有するグリコールにアルミナ微粒子が分散している。
【0019】
本発明におけるアルミナ微粒子には、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、擬ベーマイト、ダイアスポア、無定形などの水酸化アルミニウム(アルミナ水和物)、及びγ、η、δ、ρ、κ、θ、χ、α形のアルミナ結晶が包含される。
【0020】
アルミナ微粒子は、好ましくはベーマイト又は擬ベーマイトである。
【0021】
分散媒であるグリコールとしては炭素数2〜8のグリコールが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールなどが例示できる。
【0022】
本発明のアルミナグリコール分散液に含有している酸が硝酸又は塩酸である場合、その量はアルミナに対して0.001〜0.06モル倍であり、好ましくは0.005〜0.03モル倍である。硝酸又は塩酸の含有量が0.001モル倍未満の場合は透明性が低く沈降物が認められ、0.06モル倍を超えると経時安定性が低下するので好ましくない。
【0023】
本発明のグリコール分散アルミナゾルに含有している酸が酢酸である場合、その量はアルミナに対して0.06〜0.8モル倍であり、好ましくは0.08〜0.3モル倍である。
【0024】
酢酸の含有量が0.06モル倍未満の場合は透明性が低く沈降物が認められ、0.8倍を超えると経時安定性が低下するので好ましくない。
【0025】
本発明のアルミナグリコール分散液のアルミナ濃度、粘度、及び透過率は以下の通りである。
【0026】
・アルミナ濃度:5.0〜15.0重量%
・水分:1%以下(カールフィッシャー法)
・初期粘度:600mPa・s以下
・30日後の粘度:600mPa・s以下
コーン・プレート型回転粘度計(東機産業社製、RE115R型、コーン角度:1゜34’、プレー
ト直径:24mm)により、以下の条件で測定した。
プレート温度:25℃、回転数:30rpm
・透過率:40〜80%
30日後の透過率:40〜80%
540nmにおける透過率を分光光度計(日立製作所社製、V-3000)で測定した。
【0027】
本発明のアルミナグリコール分散液の粘度は600mPa・s以下であり、経時変化も少ない。600mPa・sを超えると、アルミナグリコール分散液の操作性が悪くなり好ましくない。
【0028】
本発明のアルミナグリコール分散液の製造方法について説明する。
【0029】
本発明のアルミナグリコール分散液は、金属アルミニウム又は加水分解性アルミニウム化合物を加水分解して得られるアルミナスラリーを、特定量の酸の存在下に解膠してアルミナ水分散液とし、続いてグリコールに溶媒置換することにより得ることができる。
【0030】
加水分解性アルミニウム化合物には、各種の無機アルミニウム化合物及び有機性の基を有するアルミニウム化合物が包含される。無機アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの無機酸の塩、アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸塩、水酸化アルミニウムなどが例示できる。有機性の基を有するアルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド、環状アルミニウムオリゴマー、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセタト)アルミニウムなどのアルミニウムキレート、アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物などが例示できる。適度な加水分解性を有し、副生成物の除去が容易であることなどからアルミニウムアルコキシドが好ましく、炭素数2〜5のアルコキシル基を有するものが特に好ましい。
【0031】
加水分解における水の量は、アルミニウムアルコキシド1モルに対して15〜50モルが好ましい。15モル未満の場合は収量が低く、50モルを超える場合は加水分解時に粘度が増大し操作し難くなるため好ましくない。
【0032】
加水分解は95℃以下で、0.2〜3時間行うことが好ましい。95℃を超えると突沸し易くなるので好ましくない。水とアルミニウムアルコキシドが接触すると液の温度が上昇するが、加水分解の進行に伴いアルコールが副生し、反応液の温度が低下してアルコールの沸点以上には上がらなくなる。そこで、アルミナ水和物粒子の成長が遅くなるので、95℃付近まで加熱して、アルコールを除去する。0.2時間未満の場合は温度調節が難しく、3時間を超えて加熱しても、工程時間が長くなるだけなので好ましくない。
【0033】
次に、加水分解により得られたアルミナスラリーを、特定量の酸の存在下、高温加熱することにより解膠する。
【0034】
酸としては、硝酸、塩酸、過塩素酸、蟻酸、酢酸又はプロピオン酸など1価の無機酸や有機酸が使用できる。硝酸、塩酸又は酢酸が好ましく、硝酸又は酢酸が特に好ましい。
【0035】
硝酸、塩酸の場合、その共存量はアルミナに対して0.001〜0.06モル倍であり、好ましくは0.005〜0.03モル倍である。0.001モル倍未満の場合は解膠が十分進行せず、目的とするゾルを得ることができない。0.06モル倍を超える場合は、経時安定性が低下するので好ましくない。
【0036】
酢酸の場合、その共存量はアルミナに対して0.06〜0.80モル倍であり、好ましくは0.08〜0.12モル倍である。0.06モル倍未満の場合は解膠が十分進行せず、目的とするゾルを得ることができない。0.80モル倍を超える場合は、経時安定性が低下するので好ましくない。
【0037】
解膠時に共存させる硝酸、塩酸又は酢酸の最適量は、水と置換する有機溶媒の種類により異なる。
【0038】
解膠時に共存させる酸は、加水分解時に添加されてもよいが、加水分解で副生するアルコールを除去する際に失われた酸を、前記特定範囲の量になるように、再度、添加する必要がある。
【0039】
85〜200℃で0.5〜10時間加熱し、好ましくは120〜170℃で1〜6時間、水熱処理する。85℃未満の場合は解膠に長時間を必要とし、200℃を超える温度で実施しても解膠速度の増大は僅かであり、高耐圧容器等を必要とし経済的に不利なので好ましくない。0.5時間未満の場合は解膠が不十分であり、10時間を超えて加熱しても工程時間が長くなるだけなので好ましくない。
【0040】
次に、解膠により得られたアルミナ水分散液に、所望のアルミナ濃度になるようにグルコールを添加し溶媒置換する。アルミナグリコール−水分散液は、限外濾過膜などによっても脱水できるが、加熱濃縮により簡便にグリコール分散液とすることができる。
【0041】
加熱濃縮により溶媒置換する場合は、減圧下に、60℃以下で脱水することが好ましい。60℃以上で脱水した場合は、増粘、ゲル化し易くなる。
【0042】
次に、実施例を示し、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
なお、分散しているアルミナ微粒子の結晶形を調べるため、エバポレーターにて溶媒を除去し粉末化した試料を、X線回折装置(リガク社製、RINT2000型式)にて測定した。
【0044】
(実施例1)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ、発生する2−プロパノールを留出させた。61%硝酸0.44g(0.0043mol)を添加し、150℃で3時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にエチレングリコール220gを加え、減圧下、50〜60℃で水を留出させアルミナエチレングリコール分散液を得た。結晶形:ベーマイト、アルミナ濃度:10.1重量%、粘度:108mPa・s、水分:0.8%、透過率:60%(540nm)、平均粒径は0.3μmであった。粘度、透過率の経時変化を〔表1〕に示した。
【0045】
(実施例2)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ発生する2−プロパノールを留出させた。酢酸2.58g(0.043mol)を添加し、140℃で4時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にエチレングリコール220gを加え、減圧下、50〜60℃で水を留出させアルミナエチレングリコール分散液を得た。結晶形:ベーマイト、アルミナ濃度:10.2重量%、粘度:103mPa・s、水分:0.7%、透過率:72%(540nm)、平均粒径は0.02μmであった。粘度、透過率の経時変化を〔表1〕に示した。
【0046】
(実施例3)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ発生する2−プロパノールを留出させた。61%硝酸0.35g(0.0034mol)を添加し、150℃で5時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にジエチレングリコール220gを加え減圧下、50〜60℃で水を留出させアルミナジエチレングリコール分散液を得た。結晶形:ベーマイト、アルミナ濃度:10.0重量%、粘度:158mPa・s、水分:0.8%、透過率:50%(540nm)、平均粒径は0.3μmであった。粘度、透過率の経時変化を〔表1〕に示した。
【0047】
(比較例1)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ発生する2−プロパノールを留出させた。61%硝酸3.55g(0.0344mol)を添加し、150℃で3時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にエチレングリコール220gを加え、減圧下、50〜60℃で水を留出させアルミナエチレングリコール分散液を得た。結晶形:ベーマイト、アルミナ濃度:10.0重量%、粘度:1602mPa・s、水分:1.2%、透過率:56%(540nm)、平均粒径は0.1μmであった。粘度、透過率の経時変化を〔表1〕に示した。
【0048】
(比較例2)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ発生する2−プロパノールを留出させた。61%硝酸0.44g(0.0043mol)を添加し、80℃で5時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にエチレングリコール220gを加え、減圧下、50〜60℃で水を留出させアルミナエチレングリコール分散液を得た。結晶形:ベーマイト、アルミナ濃度:10.0%、粘度:1320mPa・s、水分:1.5%、透過率:10%(540nm)、平均粒径は1.3μmであった。粘度、透過率の経時変化を〔表1〕に示した。
【0049】
(比較例3)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ発生する2−プロパノール(水を含む)を留出させた。酢酸0.77g(0.013mol)を添加し、140℃で4時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にエチレングリコール220gを加え、減圧下、50〜60℃で水を留出させた。得られたアルミナエチレングリコール分散液は透明性が低く、沈降物が認められた。
【0050】
(比較例4)
1Lオートクレーブにイオン交換水230g(12.8mol)を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した。アルミニウムイソプロポキシド:88g(0.43mol)を1時間かけて滴下し液温を徐々に95℃まで上昇させ発生する2−プロパノールを留出させた。61%硝酸0.44g(0.0043mol)を添加し、150℃で5時間撹拌することにより解膠した。得られたアルミナ水分散液にN,N-ジメチルアセトアミド330gを加え、減圧下、50〜60℃で水を留出させたが、途中でゲル化してしまいコーン・プレート型回転粘度計による粘度測定ができなかった。
【0051】
【表1】


【0052】
注1):アルミナに対する酸の添加モル倍率
透過率:日立分光光度計 V-3000 測定波長:540nm
粘度:東機産業社製 コーン・プレート型回転粘度計:RE115R型
【産業上の利用可能性】
【0053】
分散安定化剤を含有しなくとも経時安定性が向上したアルミナグリコール分散液は、ポリエステルなどプラスチックの表面処理剤として有用であり、印刷記録材料、ガスバリアー性を要求される医薬品、食品、その他産業資材用包装材料、難燃性を要求されるプラスチック製電気・電子部品、自動車部品材料、更に、透明性、防曇性、耐水性が要求される農業用ハウスやトンネルのプラスチック製被覆材料の表面処理剤として有用である。

【出願人】 【識別番号】390003001
【氏名又は名称】川研ファインケミカル株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文

【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行

【識別番号】100103506
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 弘晋


【公開番号】 特開2008−7379(P2008−7379A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180596(P2006−180596)