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【発明の名称】 アンモニア合成方法
【発明者】 【氏名】松澤 克明

【氏名】村本 知哉

【氏名】平田 哲也

【氏名】藤吉 裕信

【氏名】須田 俊之

【氏名】藤森 俊郎

【要約】 【課題】安価な固体原料を用いて、少ない燃料消費コストで高効率にアンモニアを合成できるようにしたアンモニア合成方法を提供する。

【解決手段】自己熱改質器19に供給する水蒸気添加ガス17を、流動層燃焼炉1の燃焼排ガス5が導入されている熱交換炉31に供給して熱交換することにより改質要求温度に加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層燃焼炉にチャーを導入して燃焼させることにより流動媒体を加熱し、
流動層燃焼炉から排出される高温流体を分離器に導いて燃焼排ガスと流動媒体とに分離し、
分離した高温の流動媒体は流動層ガス化炉に導入し水蒸気により固体原料のガス化を行ってガス化ガスを生成すると共に、固体原料をガス化する際に生成したチャーと流動媒体は流動層燃焼炉に循環し、
流動層ガス化炉で生成したガス化ガスに水蒸気を混合した水蒸気添加ガスを改質要求温度まで加熱して自己熱改質器に供給すると共に空気を供給してガス中の炭化水素を改質し、
自己熱改質器の改質ガスを高温シフト反応手段及び低温シフト反応手段に導いて改質ガス中の炭素成分を除去し、
得られた水素と窒素とをアンモニア合成反応器に供給してアンモニアを製造するアンモニア合成方法であって、
前記自己熱改質器に供給する水蒸気添加ガスを、流動層燃焼炉の熱を利用して改質要求温度に加熱することを特徴とするアンモニア合成方法。
【請求項2】
前記流動層燃焼炉から排出され分離器で分離れさた燃焼排ガスを、熱交換炉に供給して水蒸気添加ガスと熱交換することにより、水蒸気添加ガスを改質要求温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成方法。
【請求項3】
前記水蒸気添加ガスを、流動層燃焼炉に設けた熱交換手段に供給して流動層燃焼炉と熱交換することにより、水蒸気添加ガスを改質要求温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載のアンモニア合成方法。
【請求項4】
高温シフト反応手段の入口の改質ガスと水を熱交換し、得られた水蒸気を流動層ガス化炉にガス化用水蒸気として供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアンモニア合成方法。
【請求項5】
低温シフト反応手段の入口の改質ガスと空気とを熱交換し、得られた空気を流動層燃焼炉に燃焼用空気として供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のアンモニア合成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア合成方法に関し、特に石炭(褐炭等の低質炭を含む)、バイオマス、及び超重質油等の安価な固体原料を用いて、少ない燃料消費コストで高効率にアンモニアを合成できるようにしたアンモニア合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アンモニアを合成するためのプラントは種々建設されており、典型的には、天然ガスによる炭化水素原料を用いて水素を製造し、該水素と窒素とを合成反応させることによりアンモニアを合成している。図6はその一例の概略を示すフローシートであり、天然ガス(主にメタンCH)の炭化水素原料aに水蒸気を混合して水蒸気改質器bに供給し、水蒸気の存在下主に次の反応式Iにて改質を行う。
【0003】
CH+HO→CO+3H・・・(I)
シフト反応(副反応):(CO+HO←→CO+H)・・・(II)
【0004】
次に、得られた改質ガスに空気を混合して自己熱改質器c(ATR=autothermal reformer)に供給し、空気の存在下残りの炭化水素を主に次の反応式III及び反応式IVにより改質する。
【0005】
2CH+O→2CO+4H(発熱反応)・・・(III)
【0006】
CH+HO→CO+3H(吸熱反応)・・・(IV)
シフト反応(副反応):(CO+HO←→CO+H)・・・(V)
【0007】
続いて、改質ガスを温度が制御されたシフト反応器dに供給して前記式Vのシフト反応による一酸化炭素を二酸化炭素に変える反応を行わせて生成した二酸化炭素を分離する。これにより改質ガスは殆どが水素と前記空気供給による窒素のみとなるので、この水素と窒素をアンモニア合成反応器eに供給することによりアンモニアが製造される。アンモニア合成反応器eでは一般に、窒素に対する水素の比(HN比)が約3になるように作動されている。このような天然ガス等の炭化水素原料を用いてアンモニアを製造するようにしたプラントは例えば特許文献1に示されている。
【0008】
一方、高価な天然ガスを原料に用いることに代えて、石炭等の固体原料を用いてガス化することにより炭化水素CHを含むガス化ガスを製造し、このガス化ガスを用いてアンモニアを合成する装置が考えられている。
【0009】
図7はその一例を示したもので、図中、1は流動層燃焼炉、2は流動層ガス化炉であり、流動層燃焼炉1ではチャーを導入して空気Aにより流動燃焼させることにより流動媒体を加熱する。流動層燃焼炉1から排出される高温流体3は分離器4に導かれて燃焼排ガス5と流動媒体6とに分離される。
【0010】
流動層ガス化炉2には、前記分離器4で分離した高温の流動媒体6が供給されると共に石炭等の固体原料7が供給され、更に、流動層ガス化炉2の下部からガス化剤としての水蒸気Sが供給されて流動化されることにより固体原料7のガス化が行われ、メタンCH等の炭化水素、水素H、一酸化炭素CO、二酸化炭素COが混在したガス化ガス8が生成される。又、流動層ガス化炉2において固体7をガス化する際に生成したチャーと流動媒体は循環流路9を介して流動層燃焼炉1に供給される。前記流動層燃焼炉1に供給する空気Aには、熱交換器29によって前記燃焼排ガス5と熱交換した空気が用いられ、又、前記流動層ガス化炉2に供給する水蒸気Sには、熱交換器30によって前記燃焼排ガス5と水とを熱交換して得た水蒸気が用いられる。
【0011】
流動層ガス化炉2から取り出したガス化ガス8は、ガス精製器10によりタール分等が除去され、昇圧器11により加圧された後、ガス燃料等を燃焼するバーナ12を備えた加熱炉13により加熱するようにしている。即ち、ガス化ガス8は先ず加熱部14により脱硫装置15の触媒の作動温度(例えば400〜500℃前後)に加熱されて脱硫装置15に導かれ脱硫される。更に、脱硫したガス化ガス8には水蒸気16が混合され、この水蒸気添加ガス17は、再び加熱炉13の加熱部18に導かれて自己熱改質器19の改質要求温度(例えば700℃前後)に加熱された後、自己熱改質器19に供給される。
【0012】
又、空気20を昇圧機21で加圧した該空気20が、前記加熱炉13の加熱部22により所要温度に加熱された後、自己熱改質器19に供給される。このとき、自己熱改質器19に供給する空気20の温度は、前記改質要求温度(例えば700℃前後)と同一であってもよく、或いはそれより低い温度の場合もある。
【0013】
自己熱改質器19では前記反応式I、II、IIIによる反応が行われて、水素H、窒素N、炭素成分(CO,CO)を含む改質ガス23が生成される。
【0014】
改質ガス23は第1温度調節器24により温度が低下されて高温シフト反応手段25に導かれ、続いて第2温度調節器26により更に温度が低下されて低温シフト反応手段27に導かれ、改質ガス23中の一酸化炭素が二酸化炭素に変換されて除去される。
【0015】
高温シフト反応手段25及び低温シフト反応手段27で炭素成分が除去された水素Hと窒素Nはアンモニア合成反応器28に供給されてアンモニアが合成される。
【0016】
更に、特許文献2には、原料に石炭又はコークスを用いて酸素及び水蒸気と反応させる酸素ガス化法(部分酸化法)によりガス化ガスを生成し、続いてガス化ガス中の炭化水素を改質器を用いて改質し、得られた改質ガスからアンモニアを製造する方法がある。
【特許文献1】特開平09−165215号公報
【特許文献2】特開昭60−011587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図7に示す方法のように、石炭等の固体原料7からガス化して得たガス化ガス8を用いてアンモニアを合成する際には、ガス化ガス8を脱硫装置15に導いて硫黄を除去する必要がある。このため、ガス化ガス8は加熱炉13に導いて先ず触媒の作動温度(例えば400〜500℃前後)まで加熱する必要がある。一方、脱硫装置15で硫黄が除去されたガス化ガス8には自己熱改質器19での水蒸気改質のための水蒸気16を混合する必要があるため、水蒸気16を混合した水蒸気添加ガス17は温度が100℃前後に低下してしまう。従って、この水蒸気添加ガス17は、自己熱改質器19の改質要求温度(例えば700℃前後)まで再び昇温する必要があり、このために加熱炉13に導いて加熱している。
【0018】
しかし、ガス化ガス8及び水蒸気添加ガス17を加熱する加熱炉13は、バーナ12でガス等の燃料を燃焼させることで加熱しているために、加熱炉13の燃料消費コストが増加する問題がある。特に、水蒸気16を混合して100℃前後に温度が低下した水蒸気添加ガス17を、再び自己熱改質器19の改質要求温度である例えば700℃前後に加熱するためには、非常に多くの燃料を燃焼する必要がある。又、アンモニアの生産量を高めるために、流動層ガス化炉2への固体原料7の供給量を増加してガス化ガス8の生成量を増加した場合には、加熱炉13で消費される燃料は更に増大し、よってアンモニア製造コストが大幅に増加するという問題がある。
【0019】
又、特許文献2に示すように、石炭又はコークスを酸素及び水蒸気と反応させてガス化ガスを生成する酸素ガス化法では、空気から酸素を製造するための酸素発生装置が高価であり、更に運転コストも増加するという問題がある。
【0020】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、安価な固体原料を用いて、少ない燃料消費コストで高効率にアンモニアを合成できるようにしたアンモニア合成方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1の発明は、流動層燃焼炉にチャーを導入して燃焼させることにより流動媒体を加熱し、
流動層燃焼炉から排出される高温流体を分離器に導いて燃焼排ガスと流動媒体とに分離し、
分離した高温の流動媒体は流動層ガス化炉に導入し水蒸気により固体原料のガス化を行ってガス化ガスを生成すると共に、固体原料をガス化する際に生成したチャーと流動媒体は流動層燃焼炉に循環し、
流動層ガス化炉で生成したガス化ガスに水蒸気を混合した水蒸気添加ガスを改質要求温度まで加熱して自己熱改質器に供給すると共に空気を供給してガス中の炭化水素を改質し、
自己熱改質器の改質ガスを高温シフト反応手段及び低温シフト反応手段に導いて改質ガス中の炭素成分を除去し、
得られた水素と窒素とをアンモニア合成反応器に供給してアンモニアを製造するアンモニア合成方法であって、
前記自己熱改質器に供給する水蒸気添加ガスを、流動層燃焼炉の熱を利用して改質要求温度に加熱することを特徴とするアンモニア合成方法である。
【0022】
上記アンモニア合成方法において、前記流動層燃焼炉から排出され分離器で分離れさた燃焼排ガスを、熱交換炉に供給して水蒸気添加ガスと熱交換することにより、水蒸気添加ガスを改質要求温度に加熱することは好ましい。
【0023】
上記アンモニア合成方法において、前記水蒸気添加ガスを、流動層燃焼炉に設けた熱交換手段に供給して流動層燃焼炉と熱交換することにより、水蒸気添加ガスを改質要求温度に加熱することは好ましい。
【0024】
上記アンモニア合成方法において、高温シフト反応手段の入口の改質ガスと水を熱交換し、得られた水蒸気を流動層ガス化炉にガス化用水蒸気として供給することは好ましい。
【0025】
上記アンモニア合成方法において、低温シフト反応手段の入口の改質ガスと空気とを熱交換し、得られた空気を流動層燃焼炉に燃焼用空気として供給することは好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のアンモニア合成方法によれば、自己熱改質器に供給する水蒸気添加ガスを、流動層燃焼炉の熱を用いて改質要求温度に加熱するので、従来のように水蒸気添加ガスをバーナ燃焼による加熱炉で加熱する方法に比してバーナによる燃料消費コストを大幅に削減することができ、よって安価な石炭等の固体原料を用いて、少ない燃料消費コストで高効率にアンモニアを合成できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、図7に示した装置に適用する本発明の一形態例を示すフローシートであり、図中同一の符号を付した部分は同一部材を表わしており、以下では本発明の特徴部分についてのみ詳述する。
【0029】
図1に示す如く、流動層ガス化炉2に石炭等の固体燃料7を供給してガス化し、ガス化時に生成するチャーを流動媒体と共に流動層燃焼炉1に循環してチャーを燃焼することにより流動媒体を加熱し、前記流動層ガス化炉2からのガス化ガス8を用いてアンモニアを合成する設備において、流動層燃焼炉1から排出される高温流体3を燃焼排ガス5と流動媒体6とに分離するようにしている分離器4からの高温の燃焼排ガス5を、熱交換炉31に供給する。熱交換炉31には、脱硫装置15に供給するガス化ガス8を燃焼排ガス5との熱交換により加熱する加熱部14と、自己熱改質器19に供給する水蒸気添加ガス17を燃焼排ガス5との熱交換により加熱する加熱部18と、自己熱改質器19に供給する空気20を燃焼排ガス5との熱交換により加熱する加熱部22とを備えている。ここで、流動層ガス化炉2で石炭をガス化する際に流動層燃焼炉1から排出される燃焼排ガス5の温度は例えば900〜1000℃前後の高温に保持されている。
【0030】
更に、図1の高温シフト反応手段25の入口には改質ガス23と水とを熱交換する熱交換器32を設け、熱交換によって得た水蒸気Sは流動層ガス化炉2にガス化用水蒸気として供給するようにしている。又、低温シフト反応手段27の入口には、改質ガス23と空気とを熱交換する熱交換器33を設け、熱交換によって得た空気Aは流動層燃焼炉1に燃焼用空気として供給するようにしている。
【0031】
以下に図1の形態の作動を説明する。
【0032】
流動層燃焼炉1から導出される燃焼排ガス5は900〜1000℃前後の高温を有しており、しかも大量に排出されるため、燃焼排ガス5が保有する熱量は非常に大きい。
【0033】
従って、水蒸気16が混合されて温度が低下した水蒸気添加ガス17を熱交換炉31の加熱部18に供給すると、熱交換炉31に導入された燃焼排ガス5により、自己熱改質器19が要求する700℃前後の改質要求温度に容易に加熱することができる。更に、燃焼排ガス5の保有熱量は十分に大きいので、ガス化ガス8を加熱部14によって脱硫装置15の触媒の作動温度(例えば400〜500℃前後)に加熱することは容易であると共に、空気20を加熱部22により自己熱改質器19に供給する温度に加熱することも容易である。
【0034】
このとき、自己熱改質器19に供給する水蒸気添加ガス17の温度、脱硫装置15に供給するガス化ガス8の温度、自己熱改質器19に供給する空気20の温度は、熱交換を行う各加熱部18,14,22の伝熱面積を選定することで調節することができ、更に熱交換炉31の形状を変更する、又は、該熱交換炉31に導入する燃焼排ガス5の導入位置を変更する等の変更を加えて調節することができる。
【0035】
上記したように、自己熱改質器19に供給する水蒸気添加ガス17を、熱交換炉31にに導入する燃焼排ガス5の熱を利用して改質要求温度に加熱するので、従来のように水蒸気添加ガスをバーナ燃焼による加熱炉で加熱する方法に比して、燃料の使用量を大幅に削減することができ、よって安価な石炭等の固体原料を用いて、少ない燃料消費コストで高効率にアンモニアを合成することができる。
【0036】
又、高温シフト反応手段25の入口に改質ガス23と水とを熱交換する熱交換器32を設けて得られた水蒸気Sを流動層ガス化炉2にガス化用水蒸気として供給すると共に、低温シフト反応手段27の入口に改質ガス23と空気とを熱交換する熱交換器33を設けて得られた空気Aを流動層燃焼炉1に燃焼用空気として供給するようにしたので、元々高温シフト反応手段25及び低温シフト反応手段27の入口では改質ガス23の温度を冷却して低下させる必要があるため、この改質ガス23の温度低下分の熱を用いて改質用の水蒸気S及び燃焼用の空気Aを得ることができ、エネルギーを有効に利用することができる。
【0037】
図2は本発明の他の形態例を示すフローシートであり、この形態では、流動層燃焼炉1の外部全周に又は一部に、前記水蒸気添加ガス17を流通させる熱交換流路34を一体に形成した熱交換手段35を設け、前記水蒸気16が混合された水蒸気添加ガス17を前記熱交換流路34に通すことにより改質要求温度に加熱し、加熱された水蒸気添加ガス17を自己熱改質器19に供給するようにしている。
【0038】
前記熱交換手段35としては、図2に示すように流動層燃焼炉1の外部に熱交換流路34を一体に設ける以外に、図3に示す如く、流動層燃焼炉1の内部に熱交換流路36を一体に形成する方法、或いは、図4に示す如く、流動層燃焼炉1の外面に沿って伝熱流路37を配設して更にその外側を外壁38で覆う方法、又は、図5に示す如く、流動層燃焼炉1の内部に伝熱流路39を配設する方法等を採用してもよい。
【0039】
又、図2の形態では、脱硫装置15に供給するガス化ガス8を加熱部14により加熱すると共に、自己熱改質器19に供給する空気20を加熱部22により加熱する加熱炉40を備えており、該加熱炉40には加熱を行うためのバーナ41が備えられている。この加熱炉40は、脱硫装置15に供給するガス化ガス8と、自己熱改質器19に供給する空気20を加熱するためのものであり、これらを加熱するための熱量は、前記水蒸気添加ガス17を改質要求温度の700℃前後まで加熱する熱量に比して非常に小さく、よってバーナ41の燃料の消費は非常に少ない量で済むことになる。
【0040】
尚、図2の形態においても、高温シフト反応手段25の入口に改質ガス23と水とを熱交換する熱交換器32を設けて得られた水蒸気Sを流動層ガス化炉2にガス化用水蒸気として供給すると共に、低温シフト反応手段27の入口に改質ガス23と空気とを熱交換する熱交換器33を設けて得られた空気Aを流動層燃焼炉1に燃焼用空気として供給するようにしてもよい。このようにすると、分離器4出口の燃焼排ガス5から、ガス化用の水蒸気Sと燃焼用の空気Aを加熱するための抜熱を省略できるので、分離器4からの燃焼排ガス5の熱をすべて後段のボイラの蒸気発生等に利用することができる。
【0041】
以下に図2の形態の作動を説明する。
【0042】
流動層燃焼炉1の内部温度は通常900〜1200℃前後の高温に保持されており、従って、前記水蒸気添加ガス17を流動層燃焼炉1に設けた熱交換手段35に通すと、水蒸気16が混合されて温度が低下した水蒸気添加ガス17は、自己熱改質器19が要求する700℃前後の改質要求温度に容易に加熱される。
【0043】
このとき、水蒸気添加ガス17の温度は、流動層燃焼炉1に設けられる熱交換手段35の伝熱面積を選定することによって調節することができる。
【0044】
又、脱硫装置15に供給するガス化ガス8は、加熱炉40に備えた加熱部14により例えば400〜500℃前後加熱され、自己熱改質器19に供給する空気20は加熱炉40に備えた加熱部22により所定温度に加熱される。この加熱炉40において、脱硫装置15に供給するガス化ガス8を加熱する熱量、及び自己熱改質器19に供給する空気20を加熱する熱量は、前記水蒸気添加ガス17を改質要求温度の700℃前後まで加熱する熱量に比して非常に小さいので、バーナ41で燃焼する燃料の消費量は非常に小さく抑えることができる。
【0045】
なお、本発明のアンモニア合成方法は、上記形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を実施する一形態例のフローシートである。
【図2】本発明を実施する他の形態例のフローシートである。
【図3】流動層燃焼炉に備えた熱交換手段の他の例を示す概略側面図である。
【図4】流動層燃焼炉に備えた熱交換手段の更に他の例を示す概略側面図である。
【図5】流動層燃焼炉に備えた熱交換手段の更に他の例を示す概略側面図である。
【図6】天然ガスを用いてアンモニアを製造する従来の一例を示すフローシートである。
【図7】固体原料を用いて生成したガス化ガスからアンモニアを製造する従来の一例を示すフローシートである。
【符号の説明】
【0047】
1 流動層燃焼炉
2 流動層ガス化炉
3 高温流体
4 分離器
5 燃焼排ガス
6 流動媒体
7 固形原料
8 ガス化ガス
16 水蒸気
17 水蒸気添加ガス
19 自己熱改質器
20 空気
23 改質ガス
25 高温シフト反応手段
27 低温シフト反応手段
28 アンモニア合成反応器
32 熱交換器
33 熱交換器
35 熱交換手段
A 空気
S 水蒸気
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
【出願日】 平成19年3月12日(2007.3.12)
【代理人】 【識別番号】110000512
【氏名又は名称】特許業務法人山田特許事務所


【公開番号】 特開2008−222480(P2008−222480A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−61729(P2007−61729)