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【発明の名称】 表面処理シリカ及びゴム組成物
【発明者】 【氏名】宇川 仁太
【課題】シリカ配合の優れたゴム物性を維持しながら、シリカ配合の加硫速度を速めることができる表面処理シリカ及びそれを用いたゴム組成物を提供する。

【構成】アミン化合物、又はアミン化合物及びシランカップリング剤で同時にシリカを処理した表面処理シリカであり、前記シリカ重量に対し、前記アミン化合物を0.5〜5重量%、前記シランカップリング剤を2〜15重量%を、有機溶媒中で処理することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミン化合物でシリカを処理した
ことを特徴とする表面処理シリカ。
【請求項2】
前記アミン化合物及びシランカップリング剤で同時に前記シリカを処理した
ことを特徴とする請求項1に記載の表面処理シリカ。
【請求項3】
前記シリカ重量に対し、前記アミン化合物を0.5〜5重量%、前記シランカップリング剤を2〜15重量%で処理した
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理シリカ。
【請求項4】
有機溶媒中で、前記シリカに前記処理を施して得られた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理シリカ。
【請求項5】
ジエン系ゴム成分100重量部に対し、請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理シリカを20〜100重量部含有してなる
ことを特徴とするゴム組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物に関し、より詳しくは、シリカ配合のゴム組成物であって、シリカ配合のゴム物性を維持しながら、加硫特性を改善することができる表面処理シリカ及びそれを用いた加硫速度の速いゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、空気入りタイヤのトレッドに用いられるゴム組成物は、低燃費性の市場ニーズから転がり抵抗性の低減要求が強く、また安全性の面からの湿潤路面での制動性能や操縦安定性(ウェット性能)の向上が求められ、さらに耐久性、経済性の点で優れた耐摩耗性が求められている。
【0003】
このようなゴム組成物は、上記転がり抵抗特性とウェット性能とのバランスが得られやすいシリカを補強性充填剤に配合したゴム組成物が、カーボンブラックを補強剤とするゴム組成物に代えて使用されるようになっている。
【0004】
ところが、シリカを多量に配合したゴム組成物は、加硫促進剤のシリカへの吸着による加硫遅延の問題があり、かかる問題を解決するために加硫促進剤を増量すると、加硫速度は速くなるもののスコーチ性の悪化、ゴム物性の低下などの問題が生じてくる。
【0005】
そこで、シリカ配合ゴム組成物の加硫速度低下を防止するものとして、有機アンモニウム化合物を配合することや、シリカ配合のゴム物性を向上するためにシランカップリング剤により処理されたシリカを用いることが提案されている(特許文献1、2など)。
【特許文献1】特開2005−247962号公報
【特許文献2】特開2002−3652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような特定の有機アンモニウム化合物を配合するものは、生産性や経済性の点で問題があり、またシランカップリング剤処理シリカはシリカ配合のムーニー粘度を低く維持し、加工性やゴム物性を向上できるが、加硫特性を改善するには至っていないのが実状である。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、シリカ配合の優れたゴム物性を維持しながら、シリカ配合の加硫速度を速めることができ、さらに引張特性の高いゴム組成物が得られる表面処理シリカ及びそれを用いたゴム組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特殊な化合物を用いることなく、シリカに汎用のアミン化合物とシランカップリング剤とを反応させ表面処理することで上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、アミン化合物でシリカを処理したことを特徴とする表面処理シリカである。
【0010】
本発明においては、前記アミン化合物及びシランカップリング剤で同時に前記シリカを処理することが好ましい。
【0011】
また、前記シリカ重量に対し、前記アミン化合物を0.5〜5重量%、前記シランカップリング剤を2〜15重量%でシリカを処理した表面処理シリカが好ましい。
【0012】
さらに、本発明は、有機溶媒中で、前記シリカに前記処理を施して得られた表面処理シリカが好適である。
【0013】
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、前記表面処理シリカを20〜100重量部を含有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表面処理シリカを多量配合したゴム組成物は、シリカ表面に吸着又は反応したアミン化合物とシランカップリング剤とが加硫反応を促進するものと考えられ、加硫速度を速めてゴム製品の生産性を向上させ、しかもシリカ配合の優れたゴム物性を発現させることができる。本発明の表面処理シリカは、アミン化合物のみの処理でもある程度の効果を得ることができるが、シランカップリング剤と同時処理するとさらに効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明に使用されるシリカとしては、特に制限されることはなく、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも補強特性や低発熱性が良好である湿式シリカが好ましく、また生産性に優れる点からも好ましい。
【0017】
上記シリカは、窒素吸着比表面積(BET)が100〜300m/g、DBP吸油量が150〜300ml/100gにあるものが好ましく、BETが100m/g未満であるとシリカの補強効果が得られにくくなり、300m/gを超えるとシリカの分散性が著しく低下し、加工性(混合、押出性)が悪化する傾向にある。また、DBP吸油量を150〜300ml/100gとすることで分散性を良好に維持することができる。このようなシリカとしては、東ソーシリカ工業(株)のニプシールAQ、VN3、トクヤマ(株)のトクシールUR、U−13、デグサ社製のウルトラジルVN3などの市販品が使用できる。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に、DBP吸油量はJIS K6221に記載の方法に準拠し測定される。
【0018】
本発明に使用されるアミン化合物としては、特に限定されることはないが、例えば、アミン−ケトン系老化防止剤、芳香族第2級アミン類、ベンゾイミダゾール系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を好適に利用することができる。
【0019】
アミン−ケトン系老化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(RD)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが挙げられる。
【0020】
芳香族第2級アミン類としては、フェニル−1−ナフチルアミン(PA)、フェニル−2−ナフチルアミン(PB)、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、N,N−ジフェニルエチレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6C)、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニル,ヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニル,オクチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0021】
ベンゾイミダゾール系老化防止剤としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール(MB)、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール(MBM)、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩(MBZ)などが挙げられる。
【0022】
チオウレア系老化防止剤としては、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオウレア、トリブチルチオウレアなどが挙げられる。
【0023】
これらの老化防止剤は単独でも、または2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
本発明に使用されるシランカップリング剤としては、ゴム用のシランカップリング剤であれば特に制限無く使用することができる。
【0025】
中でも、分子中にスルフィド結合を有する化合物からなるシランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は2種類以上を混合し用いてもよい。
【0026】
上記スルフィド結合を有するシランカップリング剤としては、下記一般式(1)、及び一般式(2)で表される化合物が好ましい例として挙げられる。
【0027】
(C2a+1O)−Si−(CH−S−(CH−Si−(C2a+1O) ・・・(1)
式(1)中、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数である。cはスルフィド部の硫黄数を表し、平均値は1.5〜3.5である。
【0028】
(C2x+1O)Si−(CH−S−CO−C2z+1 ・・・(2)
式(2)中、xは1〜3の整数、yは1〜5の整数、zは5〜9の整数である。
【0029】
上記式(1)で表されるシランカップリング剤は、スルフィド部の平均硫黄数が1.5未満であるとシランカップリング剤とポリマーとの反応性が劣る傾向があり、3.5を超えると、加工中などにゲル化を促進するおそれがある。
【0030】
このような式(1)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルプチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィドなどが挙げられる。中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドやビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが好ましく、市販品としては、デグサ社の「Si−69」、「Si−75」などを使用することができる。
【0031】
また、上記式(2)で表されるシランカップリング剤は保護化メルカプトシランであり、式(2)において、x=2、y=3、z=7である、GEシリコーンズ社の「NXT」が市販品として挙げられる。
【0032】
本発明においては、シリカ重量に対して、アミン化合物を0.5〜5重量%でシリカに処理する、あるいはアミン化合物0.5〜5重量%とシランカップリング剤2〜15重量%とを同時にシリカに処理し、シリカ表面に吸着又は化学反応される。
【0033】
アミン化合物のみの処理でも本発明の効果を得ることができるが、アミン化合物とシランカップリング剤とをシリカに同時処理するとさらに効果を高めることができ好ましい。
【0034】
アミン化合物がシリカ重量に対して、0.5重量%未満では加硫速度の改善効果が少なく本発明の目的が達せられず、5重量%を超えてもそれ以上の効果は得られなくなり、またゴム組成物の焼けやブルーム、汚染の問題、ゴム物性の低下などを生じやすくする。
【0035】
また、シランカップリング剤がシリカ重量に対して、2重量%未満であるとアミン化合物との併用による相互作用が不十分となり、またポリマーとのカップリング効果が得られずゴム物性が発現され難い。15重量%を超えると、体積効果によりゴム組成物自体が軟化しやすくなり補強性や耐摩耗性などの特性低下の原因となる。
【0036】
本発明の表面処理シリカを得る方法は、特に限定されず、例えば、シリカに所定量のアミン化合物及びシランカップリング剤を混合し攪拌した後、加熱処理する方法、などが挙げられる。
【0037】
本発明においては、有機溶媒中で、シリカに所定量のアミン化合物及びシランカップリング剤を混合し攪拌し、シリカ表面にアミン化合物及びシランカップリング剤を処理し吸着又は反応させる方法が好適である。この場合、攪拌中に30〜60℃程度に加熱してもよい。
【0038】
有機溶媒はアミン化合物やシランカップリング剤と反応せずにこれらを溶解するので、シリカ表面及びストラクチャー内部に浸透して、アミン化合物やシランカップリング剤が均一かつストラクチャーのすみずみまで吸着又は化学結合することができる。
【0039】
また、表面処理後のシリカは、有機溶媒やそれに含まれる水分を除去することが好ましい。例えば、表面処理シリカを160℃程度の空気中で加熱処理する、真空ポンプ等を用いた真空中に放置する、などの方法によることができる。
【0040】
ここで、有機溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、エタノールなどの脂肪族溶媒、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、クロロベンゼンなどの芳香族溶媒が挙げられる。中でも、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素などが好ましい。溶媒は2種類以上を混合し用いてもよい。
【0041】
そして、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、前記表面処理シリカを20〜100重量部を含有してなる。
【0042】
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、及びスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系合成ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは、単独使用でも2種類以上のブレンド使用でもよい。
【0043】
上記表面処理シリカの配合量が、ゴム成分100重量部に対して20重量部未満ではシリカ配合による補強性、低発熱性などの作用が発揮されず本発明の目的が達せられず、かつ加硫速度の促進効果が得られず、100重量部を超えるとシリカの分散性が悪くなりムーニー粘度やゴム硬度の上昇、混練性や押出、カレンダーなどの加工性が悪化し、また耐摩耗性などの特性も低下傾向を示し好ましくない。
【0044】
本発明のゴム組成物は、上記表面処理シリカと併用して、未処理シリカ或いはアミン類や有機高分子化合物で処理しポリマーとの親和性を高めた表面処理シリカを使用してもよい。この場合のシリカ量は、ゴム成分100重量部に対し、前記表面処理シリカとの合計で20〜100重量部程度であることが好ましい。
【0045】
また、同時に、アミン化合物やシランカップリング剤を本発明にかかる表面処理シリカと併用することもできる。
【0046】
また、本発明のゴム組成物においては、補強性充填剤として上記シリカと併用してカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックを配合することで、補強性や耐摩耗性を向上し、シリカによる混合時の発熱(スコーチ)の問題や加工性の低下を補うことができる。
【0047】
カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(N SA)が70m /g以上、DBP吸油量が105ml/100g以上であるものが好ましく、さらにはN SAが80〜200m /g、DBP吸油量が110〜150ml/100gであるものが一層好ましく、これらの値が低くなるとゴム強度やモジュラスが低下し、逆にN SAが高くなると耐摩耗性が低下し好ましくない。具体的にはSAF,ISAF,HAF級のカーボンブラックが例示され、その配合量としてはゴム成分100重量部に対してシリカとの合計量で20〜120重量部の範囲で使用される。
【0048】
本発明のゴム組成物は、加硫剤として硫黄系加硫剤、有機過酸化物を用いることができ、粉末硫黄、オイル処理硫黄、コロイド硫黄等などの硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0049】
加硫剤の配合量は特に制限されないが、ゴム成分100重量部に対し0.1〜5重量部であり、2種類以上の加硫剤を併用してもよい。
【0050】
また、加硫促進剤も特にその種類は制限されず用いることができ、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT)などのチウラム系、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド・アンモニア系、1,3−ジフェニルグアニジン(D)などのグアニジン系、2−メルカプトベンゾチアゾル(M)、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)などのチアゾール系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、などのスルフェンアミド系が挙げられ、ゴム成分100重量部に対し1〜10重量部程度の量で使用される。加硫促進剤は2種類以上を併用してもよい。
【0051】
本発明のゴム組成物には、上記成分の他に、ゴム工業において通常に用いられるプロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、加硫助剤、樹脂類などの各種配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ適宜配合し用いることができる。
【0052】
本発明のゴム組成物は、原料ゴムと上記成分に各種配合剤を配合しバンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して常法に従い作製することができ、空気入りタイヤのトレッド、サイドウォールなどに、また防振ゴムなどの車両用部品、免震ゴム、コンベヤベルト、建築用部材などの各種工業用、家庭用ゴム製品に使用できる。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0054】
[表面処理シリカの調製]
・表面処理シリカA(実施例1):金属製バットを用い、ヘキサン400mL中にアミン化合物としてN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)「ノクラック6C」)2.8g、シランカップリング剤(デグサ社「Si75」)8gを加え、良く攪拌し溶解させた後、シリカ(東ソーシリカ工業(株)ニプシールAQ)100gを加えた。これを24時間室温で乾燥した後、室温で2時間真空乾燥して表面処理シリカAを得た。
【0055】
・表面処理シリカB(実施例2):真空乾燥の代わりに、熱風乾燥機中で160℃2時間乾燥した以外は実施例1と同様にして表面処理シリカBを得た。
【0056】
・表面処理シリカC(実施例3):アミン化合物を1.4gとした以外は実施例1と同様にして表面処理シリカCを得た。
【0057】
・表面処理シリカD(実施例4):シランカップリング剤を0gとした以外は実施例1と同様にして表面処理シリカDを得た。
【0058】
・表面処理シリカE(比較例2):アミン化合物を0gとした以外は実施例1と同様にして表面処理シリカEを得た。
【0059】
・表面処理シリカF(比較例3):アミン化合物を10gとした以外は実施例1と同様にして表面処理シリカFを得た。
【0060】
[ゴム組成物の調製]
上記表面処理シリカA〜F、下記の未処理シリカ、シランカップリング剤などを表1に記載の処方(重量部)にて配合し、容量20Lのバンバリーミキサーを用いて常法により混合しゴム組成物を得た。使用したゴム成分、他の配合剤は下記の通りである。
【0061】
[ゴム成分、配合剤]
・スチレンブタジエンゴム(SBR):JSR(株)「SBR1502」
・シリカ:東ソーシリカ工業(株)「ニプシールAQ」
・シランカップリング剤:デグサ社「Si75」
・オイル:ジャパンエナジー(株)「プロセスX−140」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)「亜鉛華1号」
・ワックス:大内新興化学工業(株)「サンノック」
・ステアリン酸:花王(株)「ルナックS−20」
・老化防止剤6C:大内新興化学工業(株)「ノクラック6C」
・硫黄:細井化学工業(株)「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)「ノクセラーCZ」
・加硫促進剤D:大内新興化学工業(株)「ノクセラーD−P」
【0062】
[評価]
得られた各ゴム組成物について、加硫特性としてJIS K6300に準拠し加硫速度t90を評価し、次に加硫ゴム物性(160℃、20分加硫)としてJIS K6251に準拠し引張特性(M300、TB、EB)を評価した。結果を表2に示す。
【0063】
【表1】


【0064】
【表2】


【0065】
表2の結果に示されるように、本発明にかかる表面処理シリカを用いた実施例は、通常のシリカ配合に比べ大幅に加硫速度を速めることができ、しかもゴム物性は従来の未処理シリカを用いた比較例1に対して引張特性が向上し、シリカ配合の特長を発揮することができる。これに対して、シリカ処理にアミン化合物を用いなかった比較例2,またアミン化合物が過剰な比較例3は、加硫速度を改善することができるが、ゴム物性が実施例には及ばないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部位を始めとして、防振ゴム、ベルトなど各種用途のゴム製品に適用することができる。

特許の図
【出願人】 【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子

【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人

【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士

【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
【公開番号】 特開2008−13409(P2008−13409A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187267(P2006−187267)