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【発明の名称】 シール蓋の切れ残り折り曲げ治具
【発明者】 【氏名】植田 浩光

【要約】 【課題】金属薄膜を蓋体の容器内方に相当する側からシールするタイプの蓋体について、切れ残りを、より蓋体の内方側へ折り曲げる。

【解決手段】開口部に沿って該膜体を切り開け開封した後の切れ残りを折り曲げ処理するための治具であって、該折り曲げ処理を行うための、該開口部の側縁面を均すための側面均し部と、該側面均し部より先側に設けられた屈曲部とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する容器の蓋体に、該蓋体の容器内方に相当する側から、少なくとも金属薄膜からなる膜体を、開口部を取り囲むようシールし、容器へ固着する容器蓋について、該開口部に沿って該膜体を切り開け開封した後の切れ残りを折り曲げ処理するための治具であって、該折り曲げ処理を行うための、該開口部の側縁面を均すための側面均し部と、該側面均し部より先側に設けられた屈曲部とを備えたことを特徴とする、切れ残り折り曲げ治具。
【請求項2】
前記側面均し部から前記屈曲部までの形状は、前記蓋体開口部の側縁面から蓋体の容器内方に相当する側の面に沿った形状であることを特徴とする、請求項1に記載の切れ残りを折り曲げ治具。
【請求項3】
前記切れ残り折り曲げ治具は板状であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の切れ残りを折り曲げ治具。
【請求項4】
前記切れ残り折り曲げ治具は、前記膜体を切り開け開封するための治具と一体となっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の切れ残りを折り曲げ治具。
【請求項5】
前記開口部は平面からみて円形であって、前記膜体を切り開け開封するための治具部分は該円形の開口部に沿って回転可能なカッター台座と、該カッター台座から下方へ突出し、円形開口部の直径以下の同心円上に配置された3個以上の刃と、該カッター台座上方に外方へ延出する鍔部と、からなり、前記切れ残り折り曲げ治具は、該鍔部に備わっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の切れ残りを折り曲げ治具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は切断開封された、アルミ箔等からなるシール蓋の切れ残りを折り曲げ処理するための治具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1,2に記載されているような陽圧容器用の蓋であって、蓋体開口部に容器内方に相当する側から金属薄膜を、開口部を取り囲むようシールした、粉体陽圧密封蓋が開発されている。
【0003】
この蓋を開封する治具として特許文献1,3,4に記載されているカッターが使われるが、金属薄膜を切断開封後、開口端の切れ残りによって、手などを怪我するおそれがあるため、使い難いものとなっていた。
【0004】
蓋体の開口部の切れ残りから保護する治具としては特許文献5,6に記載されているような、開封治具をそのまま蓋体の開口部に載置して保護するものが開示され、また、蓋体の開口端処理を兼ねた開封治具としては特許文献7〜9に記載された、切れ残りを容器内方に折り曲げる治具が開示されている。
【特許文献1】特開2004−168318号公報
【特許文献2】特開2005−329961号公報
【特許文献3】特開2005−231640号公報
【特許文献4】特開2006−027732号公報
【特許文献5】実開昭62−087094号公報
【特許文献6】実開昭62−087095号公報
【特許文献7】実開昭53−039672号公報
【特許文献8】実開昭56−094791号公報
【特許文献9】実開昭61−083595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献5,6の方式だと、開口部がより狭くなるため、粉体をスプーンなどで取り出しにくくなる。また、特許文献7〜9の方式については、切れ残りを蓋の垂下に折り曲げる機能は有するが、特許文献1,2に記載されているような、金属薄膜を蓋体の容器内方に相当する側からシールするタイプの蓋体について、切れ残りを、より蓋体の内方側へ折り曲げる(切れ端が開口側と反対の側を向くようにする)ための改善の余地がある。
【0006】
本発明は、この切れ残りを、より蓋体の内方側へ折り曲げるための改善した治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的に対し、本発明の切れ残り折り曲げ治具は、開口部を有する容器の蓋体に、該蓋体の容器内方に相当する側から、少なくとも金属薄膜からなる膜体を、開口部を取り囲むようシールし、容器へ固着する容器蓋について、該開口部に沿って該膜体を切り開け開封した後の切れ残りを折り曲げ処理するための治具であって、該折り曲げ処理を行うための、該開口部の側縁面を均すための側面均し部と、該側面均し部より先側に設けられた屈曲部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
前記側面均し部から前記屈曲部までの形状は、前記蓋体開口部の側縁面から蓋体の容器内方に相当する側の面に沿った形状であることを特徴とする。
【0009】
前記切れ残り折り曲げ治具は板状であることを特徴とする。
【0010】
前記切れ残り折り曲げ治具は、前記膜体を切り開け開封するための治具と一体となっていることを特徴とする。
【0011】
前記開口部は平面からみて円形であって、前記膜体を切り開け開封するための治具部分は該円形の開口部に沿って回転可能なカッター台座と、該カッター台座から下方へ突出し、円形開口部の直径以下の同心円上に配置された3個以上の刃と、該カッター台座上方に外方へ延出する鍔部と、からなり、前記切れ残り折り曲げ治具は、該鍔部に備わっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この切れ残り折り曲げ治具は、開口部に切れ残った膜体を、側面均し部と、さらにその先側に設けられた屈曲部によって、折り曲げ・折り返されるため、切れ残った膜体の切断端縁が容器内方側かつ、蓋体開口端縁より外方に折り曲げられるので、膜体の切れ残りの端縁が容器内に隠れ、容器蓋開口部で手などを怪我するおそれが少なくなる。
【0013】
折り曲げ治具の側面均し部から屈曲部までの形状を蓋体開口部の側縁面から蓋体の容器内方に相当する側の面に沿った形状とすることで、切れ残った膜体を蓋体開口部の形状に沿ってしごき均すことが可能となり、一旦折り曲げた膜体切れ残りが弾性的に反り戻るおそれが少なくなる。
【0014】
切れ残り折り曲げ治具を板状にすることによって収まりがよくなり、携帯または収納性に優れるようになる。
【0015】
切れ残り折り曲げ治具を、膜体を切り開け開封するための治具と一体とすることで、治具が多数になることなく利便性に優れるようになる。
【0016】
平面からみて円形の蓋体開口部に沿って、膜体を、治具を回転させることによって開封可能な構成にした開封治具の鍔部に、切れ残り折り曲げ治具を備えることで、更に使いやすいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0018】
図1には本発明の切れ残り折り曲げ治具を活用する前の密封容器であって、缶体である容器2に、内容物を充填後、蓋体1を用いて二重巻き締め部4により固着・密封した密封容器3が示されている。
【0019】
この密封容器の内容物は主としてレギュラーコーヒーや青果物等、経時劣化により特定のガスを排出するものが選ばれ、その特定のガスを内容物と共に密封容器3に加圧封入することで、経時劣化を抑えるようにしている。例えば、レギュラーコーヒーを封入する際は、ドライアイスと共に封入し、密封後、レギュラーコーヒーを密封した密封容器3内を二酸化炭素で陽圧状態にしておく。
【0020】
密封に用いる蓋体1には天板に開口部9が設けられ、開口部9を塞ぎ、かつ、密封容器3内のガス圧に耐え易くするため、天板の容器内面側から膜体であるフィルム5がシール部11によってシールされている。
フィルム5としては、密封容器3内のガス圧に耐えられるよう、硬い材料が選ばれ、主としてアルミ箔などの金属薄膜を含む多層フィルムが選ばれる。
【0021】
また、開口部9の端部はカール部7により怪我防止のための端縁処理が施されている。
【0022】
これらの構成を採ることで、内容物を加圧封入された密封容器3のフィルム5は密封容器3の内圧によって外方へドーム状に膨れた状態となる。
【0023】
図2には、本発明である、切れ残り折り曲げ治具20が示されている。この切れ残り折り曲げ治具20は、上述の蓋体1に貼り付けられたフィルム5を破り開封するためのフィルム蓋開封具と一体となっている。すなわち、図2に示されるように、フィルム蓋開封具30の鍔部22に切れ残り折り曲げ部24が設けられている。
【0024】
フィルム蓋開封具30は円形状の台座にフィルム5を切断するための切刃32を3個以上(図では8個)円形である蓋体開口部9の直径以下の同心円上に配置された部材で、まず、図3に示すように、開封時にフィルム5に突き立て押し込むことにより、切刃32によってフィルムに開けられた切れ目と切刃32との隙間や、必要に応じて切刃に設けられた溝34などから、密封容器内のガスが容器外に放出される。
【0025】
フィルム5を切除する際は、そのままフィルム開封具30を回転させて、フィルム5を切り落とす。
【0026】
図4に示されるように、フィルムを切り落とした後の開口端部は、一旦蓋体の下方に向いていた切れ残り端36がフィルムの弾性により開口部9の内側を向くよう戻るため、このままでは容器内の奥に入った内容物を手、または短いスプーンなどで取り出す際、手・指などが切れ残り端36に触り、怪我をする虞がある。
【0027】
そこで、切れ残り折り曲げ部24を使って、切れ残り端36が開口部9の反対側を向くように処理をする。
【0028】
切れ残り折り曲げ部24は、開口部9の開口端8に沿いやすいよう、開口端断面に近い形状をした側面均し部26と、側面均し部から先端側に位置し、切れ残り端36が開口部9の反対側を向くように突出する屈曲部28と、からなる。
【0029】
本形態では、側面均し部26はカール部7に近い略円弧状の形状を有している。また、屈曲部28も、側面均し部26から引き続き、カール部7のおわりから蓋体1の内面にかけての形状に沿った形状を有している(図5参照)。側面均し部26と屈曲部28はなるべく蓋体の開口端から内面側にかけての開口端断面形状に沿った方が、切れ残り端36が開口部9の反対側を向くように折り癖をつけやすくなるため好ましい。
【0030】
この切れ残り折り曲げ治具20の使い方は図5に示すように、側面均し部26から屈曲部28にかけての部分を蓋体1の開口端8から内面側にかけての部分に掛けるように載置し、切れ残り端36の一部を開口部9の反対側を向くように曲げる。この状態で、切れ残り折り曲げ治具20を開口部9の縁に沿って一周以上回す。そして、切れ残り端36を全部、開口部9の反対側を向くように曲げる(図6参照)。
【0031】
なお、図5に示されるように、切れ残り折り曲げ治具20を開口部9の縁に沿って一周以上回す際、二重巻き締め部4にも切れ残り折り曲げ治具20(フィルム蓋開封具30)が載置されているので、安定した状態で回し、切れ残り端36を全部、開口部9の反対側を向くように曲げることができる。
【0032】
以上、切れ残り折り曲げ治具20について説明したが、構成は本実施形態に限らず、本発明の用紙を逸脱しない範囲での変更は適宜可能である。
【0033】
例えば、フィルム蓋開封具の複数の鍔部に設けても良いし、側面均し部と屈曲部を、左利きの人に使いやすいように図2の鍔部の逆の側に設けても良いし、右利き・左利き共用に、逆向きに備えた切れ残り折り曲げ治具を1つずつ以上設けても良いし、鍔部の両側に設けても良い。
【0034】
さらには、切れ残り折り曲げ治具20はフィルム蓋開封具30とは別の単体の治具であっても良いし、板状に限らず、丸棒を屈曲させた治具であっても良い(図7参照)。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上、切れ残り折り曲げ治具20は粉体陽圧密封蓋の開口端の処理に適しているが、陰圧容器用蓋のように開口端部を容器外面側より、フィルムをシールする場合にも容器内方側へ切れ残り端を折り曲げることが可能となり、その際は、前述の実施形態のように蓋体にカール処理を施さずとも、蓋体開口端をフィルムの折り曲げ処理を行うことで開口端縁のエッジを保護出来るという、副次的効果も得られる(図8参照)。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る治具を活用する密封容器を示す図面で、(a)斜視図,(b)平面図,(c)蓋体の裏面部分,(d)密封容器上部の(b)図におけるA−A断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る治具で、上から、平面図,正面図,平面図におけるB−B断面図,底面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る治具の蓋体開封時の使用方法を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る治具の蓋体開封後の蓋体の状況を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る治具の使用状況を示す図であって、切れ残り端が開口部の反対側を向くように処理する状況を示している。
【図6】本発明の実施形態に係る治具を用いて、蓋体切れ残り端が開口部の反対側を向くように処理した後の蓋体を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る治具の別形態を示す図であって、(a)板状切れ残り折り曲げ治具(単体斜視図),(b)板状切れ残り折り曲げ治具(単体斜視図)を示す。
【図8】本発明の副次的効果を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 蓋体
2 容器
3 密封容器
4 二重巻き締め部
5 フィルム
7 カール部
8 開口端
9 開口部
11 シール部
20 切れ残り折り曲げ治具
22 鍔部
24 切れ残り折り曲げ部
26 側面均し部
28 屈曲部
30 フィルム開封具
32 切刃
34 溝
36 切れ残り端
【出願人】 【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
【出願日】 平成18年12月7日(2006.12.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−143531(P2008−143531A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−330393(P2006−330393)