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【発明の名称】 容器搬送用袴
【発明者】 【氏名】石河 義也

【要約】 【課題】キャッピングの際の容器の把持が可能であり、しかも容器の位置規制性能の高い容器搬送用袴を提供する。

【解決手段】容器搬送用袴10は、容器30を底側から支持する支持部11と、支持部11の上方に設けられ支持部11に支持された容器30の所定量以上の側方変位を規制する側方変位規制部13と、を備える。容器搬送用袴10は、支持部11と側方変位規制部13との間で容器30が露出するように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を底側から支持する支持部と、
上記支持部の上方に設けられ該支持部に支持された容器の所定量以上の側方変位を規制する側方変位規制部と、
を備え、
上記支持部と上記側方変位規制部との間で容器が露出するように形成されている容器搬送用袴。
【請求項2】
上記側方変位規制部が着脱可能に構成されている請求項1に記載された容器搬送用袴。
【請求項3】
上記側方変位規制部の上記支持部からの上方位置が調節可能に構成されている請求項1に記載された容器搬送用袴。
【請求項4】
上記支持部による容器の上下方向の支持位置が調節可能に構成されている請求項1に記載された容器搬送用袴。
【請求項5】
上記支持部は、容器の上下方向の支持位置を調節するための支持位置調節部材の着脱が可能に構成されている請求項4に記載された容器搬送用袴。
【請求項6】
上記側方変位規制部は、容器を挿通するための開口が形成されたプレートで構成されている請求項1に記載された容器搬送用袴。
【請求項7】
請求項1に記載された容器搬送用袴を用いた容器のキャッピング方法であって、
容器搬送用袴で搬送される容器に、支持部と側方変位規制部との間の露出部分を把持して回転規制した状態でキャッピングする容器のキャッピング方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、工場において空容器に内容物を充填してキャッピングする充填ライン等で用いられる容器搬送用袴及びそれを用いた容器のキャッピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、ボトル容器などに内容物が充填された様々な商品が利用されている。これらの商品は、一般には、工場の充填ラインにおいて空の容器に内容物を充填してキャッピングすることによって生産される。
【0003】
キャッピングの技術として、特許文献1には、変形しやすい薄肉ボトル容器のキャッピング工程において容器の上下2箇所をそれぞれ把持具で把持し、正確な芯出しによりキャッピング不良を低減することが開示されている。
【特許文献1】特開2001−139094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ボトル容器と同様にジャー容器の商品も日常生活においてよく利用されている。これらのジャー容器の商品もまた、工場の充填ラインにおいて空のジャー容器に内容物を充填してキャッピングすることによって生産されるが、その際、有底孔が形成された容器搬送用袴が用いられ、その有底孔にジャー容器を収容して搬送が行われることがある。
【0005】
しかしながら、キャッピングの際にはジャー容器を把持する必要があるものの、ジャー容器は容器径に対する容器高さが低いため、容器搬送用袴の有底孔を浅く形成して露出部分を多くせざるを得ず、その結果、容器搬送用袴の有底孔によるジャー容器の位置規制性能が低く、搬送加速時や減速時に容器搬送用袴からジャー容器が飛び出してしまうといった問題が起こりうる。また、容器搬送用袴からジャー容器が飛び出さないまでも、容器搬送用袴にジャー容器が斜めに傾いた状態で保持されると、キャッピングの際に位置決め不良を起こすことも想定される。
【0006】
本発明の目的は、キャッピングの際の容器の把持が可能であり、しかも容器の位置規制性能の高い容器搬送用袴を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明は、
容器を底側から支持する支持部と、
上記支持部の上方に設けられ該支持部に支持された容器の所定量以上の側方変位を規制する側方変位規制部と、
を備え、
上記支持部と上記側方変位規制部との間で容器が露出するように形成されている容器搬送用袴である。
【0008】
本発明の容器のキャッピング方法は、この本発明の容器搬送用袴を用いたものであって、
容器搬送用袴で搬送される容器に、支持部と側方変位規制部との間の露出部分を把持して回転規制した状態でキャッピングするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容器を底側から支持する支持部の上方の側方変位規制部により容器の所定量以上の側方変位を規制するので、高い容器の位置規制性能を得ることができ、また、キャッピングの際には、支持部と側方変位規制部との間の容器の露出部分を把持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
(容器搬送用袴)
図1〜3は、本実施形態に係る容器搬送用袴10を示す。この容器搬送用袴10は、工場において空の容器30に内容物を充填してキャッピングする充填ライン等で用いられるものである。なお、この容器搬送用袴10で搬送する容器30は、特に限定されるものではなく、例えば、ネジ構造や摺り合わせ構造などによりキャッピングされるプラスチック製或いは金属製のジャー容器やボトル容器等が挙げられる。但し、この容器搬送用袴10は、特にジャー容器のように容器高さが容器外径に対して相対的に小さい容器の搬送に好適である。
【0012】
この容器搬送用袴10は、袴本体を構成する底板部材11(支持部)を備えている。
【0013】
底板部材11は、例えば、プラスチックや金属等により平板状に形成されている。底板部材11の長さ及び幅は容器よりも大きければ特に限定はない。また図1は3個の容器30を一度に搬送する袴の例であるが、この場合の底板部材11の長さは3個の容器が設置できる長さであれば良い。底板部材11の厚さは例えば1〜50mmである。
【0014】
底板部材11には、上面の長さ方向両端部のそれぞれの幅方向略中央部に、柱状部材12が着脱可能に立設されている。なお、底板部材11への柱状部材12の取付構造は特に限定されるものではない。
【0015】
柱状部材12は、例えば、プラスチックや金属等により形成されている。柱状部材12の最小長さは後述する狭持部材25bの高さであり、柱状部材12の最大長さは容器30の高さ程度である。なお、柱状部材12の断面形状は円形状であっても多角形状であってもよい。
【0016】
一対の柱状部材12の上部には、それらを掛け渡すようにプレート部材13(側方変位規制部)が底板部材11と平行に着脱可能に取り付けられている。なお、柱状部材12へのプレート部材13の取付構造は特に限定されるものではない。
【0017】
プレート部材13は、例えば、プラスチックや金属等により、底板部材11と略同一の平面視外形の薄肉の平板状に形成されている。プレート部材13の厚さは例えば0.1〜20mmである。
【0018】
プレート部材13には、幅方向略中央部に円形開口13aが形成されている。円形開口13aの口径は容器30が挿入できる口径であれば良い。また、プレート部材13には、上面の長さ方向両端部のそれぞれの幅方向略中央部に、柱状部材12への取付穴13bが形成されている。
【0019】
また、底板部材11には、上面の幅方向略中央部に長さ方向に沿って間隔をおいて有底の円筒孔11aがプレート部材13の円形開口13aと同軸となるように形成されている。円筒孔11aは例えば孔径が5〜100mm及び孔深さ1〜30mmである。
【0020】
各円筒孔11aには、容器高さ調節カラー14(支持位置調節部材)が着脱可能に嵌合取付されている。なお、容器高さ調節カラー14の取付構造はこれに限定されるものではなく、底板部材11の上面へのネジ止め取付等であってもよい。
【0021】
容器高さ調節カラー14は、上下2つの円盤体を同心で重ね合わせたような形状に形成されており、下の円盤体が底板部材11の円筒孔11aに嵌合するほぼ同一の形状に形成されている。なお、容器高さ調節カラー14の形状はこれに限定されるものではなく、四角柱状などの多角柱状等であってもよい。
【0022】
この容器搬送用袴10は、プレート部材13の円形開口13aに容器30が底側から挿入されて容器高さ調節カラー14上に載置されることにより、底板部材11が容器30を底側から支持すると共にプレート部材13が容器30の所定量以上の側方変位を規制することとなり、それによって容器30を保持する。従って、この容器搬送用袴10では3個の容器30を一度に搬送することができるが、搬送可能な容器30の個数はこれに限定されるものではなく、これよりも少なくても、また、これよりも多くてもよい。
【0023】
以上の構成の容器搬送用袴10によれば、容器30を底側から支持する底板部材11の上方のプレート部材13により容器30の所定量以上の側方変位を規制するので、高い容器30の位置規制性能を得ることができ、また、キャッピングの際には、底板部材11とプレート部材13との間の容器30の露出部分を把持することができる。
【0024】
また、この容器搬送用袴10によれば、プレート部材13が着脱可能に取り付けられているので、円形開口13aの口径の異なるものを複数種類準備しておき、容器30のサイズに応じたものを選択して使用すればよい。プレート部材13の円形開口13aの内周面と容器30との間の隙間(クリアランス)は、容器30の挿入の容易さの観点から、0.5mm以上であることが望ましく、1mm以上であることが更に望ましく、2mm以上であることが特に望ましい一方、容器30のがたつきを少なくする観点から、10mm以下であることが望ましく、7mm以下であることが更に望ましく、5mm以下であることが特に望ましい。従って、これらの点を考慮してプレート部材13を選択すればよい。
【0025】
また、柱状部材12も底板部材11に着脱可能に設けられているので、長さの異なるものを複数種類準備しておき、その中から適切なものを選択して使用することにより、容器30のサイズに応じて、プレート部材13の底板部材11からの上方位置を調節することができる。
【0026】
また、容器高さ調節カラー14も底板部材11に着脱可能に設けられているので、上の円盤体の厚さの異なるものを複数種類準備しておき、その中から適切なものを選択して使用することにより、容器30のサイズに応じて、底板部材11による容器30の上下方向の支持位置を調節することができる。
【0027】
プレート部材13と容器30との位置関係は、容器30の容器搬送用袴10からの飛び出しを防止する観点から、プレート部材13を容器30の上部に対応して位置付けることが好ましい一方、キャッピングの妨げにならないようにする観点から、プレート部材13を容器30のネジ部や摺り合せ部よりも下部に対応して位置付けることが好ましく、これらのことから、プレート部材13を容器30のネジ部や摺り合せ部の直下部に対応して位置付けることが最も好ましい。従って、これらの点を考慮して柱状部材12及び容器高さ調節カラー14を選択すればよい。
【0028】
また、容器高さ調節カラー14は、容器30の側面最下部を把持する際に把持部材が干渉しないようにする観点から、その上面が容器30の底面からはみ出しておらず、つまり、上面の外径が容器30の底面の外径以下であることが好ましく、具体的には、2mm以上小さいことが更に好ましい。従って、この点を考慮して容器高さ調節カラー14を選択すればよい。
【0029】
なお、本実施形態では、支持部である底板部材11と側方変位規制部であるプレート部材13とが別体である構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、支持部である底板と側方変位規制部である開口を有するプレートとが一体となった構成のものであってもよい。
【0030】
また、本実施形態では、底板部材11に容器高さ調節カラー14が着脱可能な構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、底板部材11の上面が平坦なものであっても、上面に容器30を保持する凸部が形成されたものであってもよい。
【0031】
(充填ラインシステム)
次に、本実施形態の容器搬送用袴10を用いて容器30に内容物を充填すると共にキャッピングする充填ラインシステム20について説明する。
【0032】
図4は、その充填ラインシステム20を示す。
【0033】
この充填ラインシステム20は、多数の容器搬送用袴10を長さ方向に一列に搬送するタイミングベルト等を有するエンドレスの搬送装置21を備えている。
【0034】
搬送装置21の搬送経路には、搬送方向に沿って順に、容器供給装置22、エアクリーナー23、充填装置24、キャッピング装置25、及び容器抜取装置26が配設されている。
【0035】
この充填ラインシステム20において、容器供給装置22では、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10のプレート部材13の各円形開口13aに容器30を底側から挿入して容器高さ調節カラー14上に載置してセットする。
【0036】
容器供給装置22に続いて設けられたエアクリーナー23では、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10に保持された各容器30内に圧縮空気を吹き付けて清掃する。
【0037】
エアクリーナー23に続いて設けられた充填装置24では、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10に保持された各容器30に内容物を充填する。
【0038】
充填装置24に続いて設けられたキャッピング装置25では、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10に保持された各容器30にキャッピングする。
【0039】
キャッピング装置25に続いて設けられた容器抜取装置26では、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10から容器30を抜き取る。
【0040】
そして、全ての容器30が抜き取られた容器搬送用袴10は搬送装置21で再び容器供給装置22に搬送される。
【0041】
(内容物充填及びキャッピング)
次に、上記充填ラインシステム20における充填装置24での内容物充填及びキャッピング装置25でのキャッピングについて説明する。
【0042】
充填装置24においては、図5(a)に示すように、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10に保持された容器30に、その上方に設けられた注出部材24aから内容物を注出して充填する。
【0043】
キャッピング装置25においても、図5(b)に示すように、搬送装置21で搬送されてきた容器搬送用袴10に保持された容器30に、その上方に設けられたキャップ螺合部材25aによりキャップ31を螺合させる。このとき、キャッピング装置25の一対の狭持部材25bが容器搬送用袴10の側方から延び、底板部材11とプレート部材13との間に進入し、容器30の露出部分を挟んで把持し、これにより容器30を位置決めする。
【0044】
ここで、容器30の開口部は薄肉に形成されていることが多いので、開口部を狭持部材25bで狭持して容器30の位置決めをしたのでは、容器30の変形や傷付きや破損を招く虞があるが、上記のように開口部よりも下方の相対的に厚肉の部分(特に、容器30の側面最下部)を狭持部材25bで狭持して容器30の位置決めすれば、そのような不都合を回避することができ、また、狭持部材により容器30を強固に狭持固定することができる。そして、これによりキャッピングの際に回転規制力が作用するため、キャップ締めトルクのバラツキの低減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、工場において空容器に内容物を充填してキャッピングする充填ライン等で用いられる容器搬送用袴及びそれを用いた容器のキャッピング方法について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態に係る容器搬送用袴の側面図である。
【図2】本実施形態に係る容器搬送用袴の上面図である。
【図3】図1におけるIII-III断面図である。
【図4】充填ラインを示すブロック図である。
【図5】(a)充填装置での内容物充填動作及び(b)キャッピング装置でのキャッピング動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0047】
10 容器搬送用袴
11 底板部材(支持部)
13 プレート部材(側方変位規制部)
14 容器高さ調節カラー(支持位置調節部材)
30 容器
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年11月1日(2006.11.1)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二


【公開番号】 特開2008−114865(P2008−114865A)
【公開日】 平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願番号】 特願2006−297555(P2006−297555)