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【発明の名称】 クライミングクレーン
【発明者】 【氏名】植松 圭一

【氏名】塩沼 哲

【氏名】宮澤 勲

【氏名】福本 敏則

【要約】 【課題】クライミングのための装置構成を簡略化してクレーン本体の重量を軽減し、クレーン本体を支持する建造物の補強を不要にし、クライミング作業を高能率で行えるようにする。

【構成】マスト1の頂部にクレーン2を有しマスト1の下端に本体支持架台3を有するクレーン本体4と、マスト1に沿って盛り換えが可能な上部架台6と、マスト1に沿って盛り換えが可能なガイドマスト8と、上部架台6とガイドマスト8との間を連結する昇降シリンダとを有するクライミングクレーンであって、本体支持架台3と上部架台6の夫々に、水平方向外側に拡縮する拡縮機構20a,20bを設け、拡縮機構20a,20bに、クレーン本体4に作用する重力を建造物の梁に負荷する重力載置部を設け、拡縮機構20a,20bの先端に、建造物の柱に押付けてクレーン本体4に作用するモーメントを柱に負荷する反力受部27を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マストの頂部にクレーンを有しマストの下端に本体支持架台を有するクレーン本体と、前記マストに沿って盛り換えが可能な上部架台と、マストに沿って盛り換えが可能なガイドマストと、前記上部架台とガイドマストとの間を連結する昇降シリンダとを有するクライミングクレーンであって、前記本体支持架台と上部架台の夫々に、水平方向外側に拡縮する拡縮機構を設け、該拡縮機構に、クレーン本体に作用する重力を建造物の梁に負荷する重力載置部を設けると共に、前記拡縮機構の先端に、建造物の柱に押付けてクレーン本体に作用するモーメントを柱に負荷する反力受部を設けたことを特徴とするクライミングクレーン。
【請求項2】
前記拡縮機構が、前記本体支持架台及び上部架台に対して水平方向に拡縮可能に備えた第1段拡縮部材と、該第1段拡縮部材に備えて該第1段拡縮部材の拡縮方向と直交する水平方向に拡縮する第2段拡縮部材を有し、第1段拡縮部材に前記重力載置部を固定し、第2段拡縮部材の各先端部に反力受部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のクライミングクレーン。
【請求項3】
前記反力受部が、建造物の柱の1つのコーナ部を押圧するように略L字形に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクライミングクレーン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、クライミングクレーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
低層のビルなどの建造物を建設する場合は、地上にマストを支持する架台を固定したクレーン本体が用いられるが、高層の建造物を建設する場合には、建設の進行に合わせてクレーン本体を建造物の上層階に順次盛り換えるようにしたクライミングクレーンが使用される。
【0003】
図10は従来の鉄骨構造の高層建築の建設に採用されているクライミングクレーンの一例を示すもので、このクライミングクレーンは、マスト1の頂部にクレーン2を備え且つマスト1の下端に本体支持架台3が固定されたクレーン本体4を有している。更に、前記本体支持架台3の上部におけるマスト1の外周には、ロックピン5の抜き差しによりマスト1への固定・切離しを行ってマスト1に対する盛り換えが可能な上部架台6を設けており、更に、ロックピン7の抜き差しによりマスト1への固定・切離しを行ってマスト1に対する盛り換えが可能なガイドマスト8を設けており、前記上部架台6とガイドマスト8の間を昇降シリンダ9により連結している。
【0004】
前記本体支持架台3と上部架台6の夫々には、水平且つ十字方向(前後左右)の外側に伸縮する伸縮ビーム12,14が備えられており、伸長した伸縮ビーム12,14は、建造物10を構成する鉄骨の上下の梁10a(横材)上にアンカーボルト11,13を介して固定されるようになっている。図中、10bは建造物10を構成する上下方向に延びた柱である。前記本体支持架台3及び上部架台6に備えられる伸縮ビーム12,14は、一般に図11に示すように油圧シリンダ15の伸縮によって伸縮ビーム12,14を伸縮させる方式、或いは図12に示すように駆動モータ16により回転されるネジ軸17に、伸縮ビーム12,14に備えたナット18を螺合してネジ軸17の回転により伸縮ビーム12,14を伸縮させるネジ式ジャッキによる方式が採用されている。
【0005】
従って、前記図10のクライミングクレーンでは、本体支持架台3の伸縮ビーム12がアンカーボルト11により下層の梁10aに固定され、且つロックピン5によりマスト1に固定した上部架台6の伸縮ビーム14がアンカーボルト13により上層の梁10aに固定されることにより、クレーン本体4に作用する重力WとモーメントMが建造物10の梁10aに伝達されて支持されるようになっている。
【0006】
一般のクライミングクレーンでは、前記クレーン2もマスト1に対して盛り換えできるようになっており、作業の開始時には、先ず本体支持架台3に固定したマスト1にクレーン1を装着し、前記マスト1の上部に追加のマスト1を継ぎ足しながらクレーン2をクライミングさせる作業によって所要高さとしたマスト1の上端にクレーン2を固定することによりクレーン本体4を組立てている。
【0007】
図10のクライミングクレーンにおいて、建造物10に対して上層部が建造され、クレーン本体4を上方へ盛り換えるには、先ず上部架台6の盛り換え作業を行う。この盛り換えは、クレーン2に吊り荷が無い状態で行われる。上部架台6を盛り換えるには、先ずガイドマスト8のロックピン7をマスト1から引き抜き、昇降シリンダ9を伸長してガイドマスト8を上昇させた位置でロックピン7を再びマスト1に差込んで固定する。次に上部架台6の伸縮ビーム14を梁10aに固定しているアンカーボルト11の固定を解除した後、上部架台6のロックピン5を引き抜き、昇降シリンダ9を縮小することにより上部架台6を所定高さまで引き上げた後、ロックピン5を差込んで上部架台6をマスト1に固定する。これにより上部架台6は所定ストローク分だけ上昇する。再び、上記と同様にして上部架台6を所定ストローク分上昇させる操作を繰返すことにより、前記上部架台6の伸縮ビーム14が上層の梁10aの上側位置になるまで上昇させた後、上部架台6の伸縮ビーム14を伸長し、且つ昇降シリンダ9を伸長して伸縮ビーム14を梁10a上に載置した後、アンカーボルト13により伸縮ビーム14を梁10aに固定する。これにより上部架台6の盛り換えは終了する。
【0008】
次に、クレーン本体4を盛り換えるには、前記した如くクレーン本体4が上部架台6によって上層の梁10aに支持された状態において、先ず本体支持架台3の伸縮ビーム12を梁10aに固定しているアンカーボルト11を取り外して伸縮ビーム12の固定を解除した後、伸縮ビーム12を縮小させる。
【0009】
次に、昇降シリンダ9を縮小してガイドマスト8を下降させた位置でガイドマスト8のロックピン7をマスト1に差込んで固定し、続いて昇降シリンダ9を僅かに伸長して上部架台6のロックピン5を引き抜き、これによりクレーン本体4の重量をロックピン7、ガイドマスト8、昇降シリンダ9を介して上部架台6により支持する。この状態で昇降シリンダ9を伸長してクレーン本体4を上昇させた位置で上部架台6のロックピン5をマスト1に差込んで固定する。これによりクレーン本体4は所定ストローク分だけ上昇する。再び、上記と同様にしてクレーン本体4を所定ストローク分上昇させる操作を繰返すことにより、前記本体支持架台3の伸縮ビーム12が上層の梁10aの上側位置になるまで上昇させた後、本体支持架台3の伸縮ビーム12を伸長し、且つ昇降シリンダ9を伸長して伸縮ビーム12を梁10a上に載置した後、アンカーボルト11により伸縮ビーム12を梁10aに固定する。これによりクレーン本体4の盛り換えが終了する。
【0010】
上記クライミングクレーンにおいては、本体支持架台3及び上部架台6に備えた伸縮ビーム12,14を水平方向外側に張出して、該伸縮ビーム12,14をアンカーボルト11,13を用いて梁10aに固定することにより、クレーン本体4に作用する重力WとモーメントMを梁10aで受けるようにしているため、伸縮ビーム12,14を梁10aに強固に固定する必要がある。従って、前記伸縮ビーム12,14を梁10aに強固に固定するための操作が大変であり、且つ梁10aに対する伸縮ビーム12,14の固定・解除に時間と手数を要する問題がある。又、前記伸縮ビーム12,14の固定・解除を自動で行うことも提案されているが、固定・解除を自動で行うためには装置構成が非常に複雑且つ大掛かりとなり、このために本体支持架台3及び上部架台6の重量が増加する問題がある。
【0011】
更に、クレーン本体4に作用する垂直方向の重力Wは梁10aで受けることができても、クレーン本体4に作用するモーメントMは梁10aに対して一部に集中して掛ることになり、このとき梁10aは柱10bに比して強度が低いために荷重が集中することによって梁10aが変形する問題を生じる。このため、従来では図10に示す如く梁10aを補強部材19で補強することを行っており、この補強部材19の取り付け・取り外しにも多大の手数と時間を要するという問題を有していた。
【0012】
クライミングクレーンとしては特許文献1に示したものがある。このクライミングクレーンでは、マストの頂部にクレーンを備え且つマストの下端に本体支持架台を固定したクレーン本体を備えており、前記本体支持架台は、十字状ビームと、このビームの各先端に着脱可能に設けた延長ビームとにより建造物の梁上に支持されるようになっている。又、前記マストには夫々がロッドにより盛り換えが可能な上部架台と昇降装置が備えられ、且つ上部架台と昇降装置との間は昇降シリンダで連結されている。そして、上部架台には、水平方向外側に張出して建造物の梁の上面或いは内面、又は柱の内面に支持するようにした延長ビームを備えている。
【特許文献1】特開2000−203788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、上記特許文献1に示されたクライミングクレーンは、本体支持架台の十字状ビームの各先端に着脱可能に設けた延長ビームによって本体支持架台を梁上に支持する構成を基本構成としているために、十字状ビームの各先端に延長ビームを着脱する作業、及び前記図10の従来例と同様に本体支持架台を梁に対して固定・解除するための作業に手数と時間を要し、このために能率的なクライミングかできない問題がある。又、延長ビームを梁に固定するための装置構成が複雑・大掛かりになる問題がある。更に、クレーン本体によるクレーン作業時における大きな重力とモーメントを梁が受けて変形するのを防止するために梁を補強する必要があるといった問題がある。
【0014】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、クライミングのための装置構成を簡略化してクレーン本体の重量を軽減することができ、クレーン本体を支持する建造物の補強を不要にでき、クライミング作業を高能率で行えよるようにしたクライミングクレーンを提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のクライミングクレーンは、マストの頂部にクレーンを有しマストの下端に本体支持架台を有するクレーン本体と、前記マストに沿って盛り換えが可能な上部架台と、マストに沿って盛り換えが可能なガイドマストと、前記上部架台とガイドマストとの間を連結する昇降シリンダとを有するクライミングクレーンであって、前記本体支持架台と上部架台の夫々に、水平方向外側に拡縮する拡縮機構を設け、該拡縮機構に、クレーン本体に作用する重力を建造物の梁に負荷する重力載置部を設けると共に、前記拡縮機構の先端に、建造物の柱に押付けてクレーン本体に作用するモーメントを柱に負荷する反力受部を設けたことを特徴とする。
【0016】
上記手段において、前記拡縮機構が、前記本体支持架台及び上部架台に対して水平方向に拡縮可能に備えた第1段拡縮部材と、該第1段拡縮部材に備えて該第1段拡縮部材の拡縮方向と直交する水平方向に拡縮する第2段拡縮部材を有し、第1段拡縮部材に前記重力載置部を固定し、第2段拡縮部材の各先端部に反力受部を設けることは好ましい。
【0017】
又、前記反力受部が、建造物の柱の1つのコーナ部を押圧するように略L字形に形成されていることは好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のクライミングクレーンによれば、本体支持架台及び上部架台に備えた拡縮機構の反力受部を建造物の柱に押付けることによりクレーン本体に作用するモーメントを柱で受け、クレーン本体に作用する重力を建造物の梁に載置して受けるようにしたので、クレーン本体を建造物に支持するための操作が容易になり、よってクライミング作業を高能率で行うことができ、更に、クレーン本体の軽量化が可能になると共に、クレーン本体を支持する建造物の補強も不要になるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1〜図9は本発明のクライミングクレーンを実施する形態の一例を示すもので、図1は全体構成を示す斜視図、図2は図1の本体支持架台の拡大斜視図、図3は上部架台の拡大斜視図、図4は本体支持架台の平面図、図5は図4のV−V方向矢視図、図6は図4のVI−VI方向矢視図、図7は図1のクライミングクレーンの作用を示す概略側面図、図8は図7の平面図、図9は図7、図8の拡縮機構を縮小した状態を示す平面図であり、図中、図10に示したものと同一のものには同一の符号を付してある。
【0021】
図1中、4はマスト1の頂部にクレーン2を有しマスト1の下端に本体支持架台3が固定されたクレーン本体である。クレーン本体4のマスト1には、図3、図7に示す如く、マスト1に対してロックピン5の抜き差しによりマスト1への固定・切離しを行ってマスト1に対する盛り換えが可能な上部架台6が設けてあり、更に、上部架台6とは別に、マスト1に対してロックピン7の抜き差しによりマスト1への固定・切離しを行ってマスト1に対する盛り換えが可能なガイドマスト8が設けてあり、前記上部架台6とガイドマスト8とは昇降シリンダ9により連結されている。
【0022】
前記本体支持架台3及び上部架台6は、図9に示す如く建造物10の4本の柱10bと梁10aで囲まれ矩形空間を昇降できる大きさに形成されており、且つ前記本体支持架台3と上部架台6の夫々には、水平方向外側に伸縮する拡縮機構20a,20bが備えられている。
【0023】
前記拡縮機構20a,20bは、図1〜図6に示す如く、前記本体支持架台3及び上部架台6の前後に水平且つ平行に設けたガイド部21に沿って図4、図5の左右幅方向Aに伸縮可能なビーム22と、該ビーム22の左側端部同士及び右側端部同士を固定する前後(図1では上下)に延びる連結ビーム23とからなる第1段拡縮部材24を有しており、前記本体支持架台3及び上部架台6に設けた駆動モータ16によって回転するネジ軸17に前記ビーム22に備えたナット18を螺合させた構成によって前記第1段拡縮部材24は左右幅方向Aに拡縮するようになっている。
【0024】
そして、第1段拡縮部材24の連結ビーム23の下部には、第1段拡縮部材24の拡張時にクレーン本体4に作用する重力Wを建造物10の梁10aに負荷するようにした重力載置部25を設けている。
【0025】
更に、前記第1段拡縮部材24の左右の連結ビーム23の各両端部には、前後(図1では上下)に伸縮可能な第2段拡縮部材26が設けてあり、前記本体支持架台3及び上部架台6に設けた駆動モータ16によって回転するネジ軸17に第2段拡縮部材26に備えたナット18を螺合させた構成によって第2段拡縮部材26は前記左右幅方向Aと直交する前後方向Bに拡縮するようになっている。更に、前記第2段拡縮部材26の夫々の外側端部には、図4に示す如く建造物10の4本の柱10bの各内側コーナ部に押圧するように平面が略L字形の反力受部27が固定されている。従って、前記第1段拡縮部材24を左右幅方向Aに拡張し、更に、第2段拡縮部材26を前後方向Bに拡張して各拡縮機構20a,20bの反力受部27を建造物10の柱10bに押付けることにより、クレーン本体4に作用するモーメントMを上下の反力受部27によって柱10bに負荷するようにしている。
【0026】
尚、図中28は前記第1段拡縮部材24の連結ビーム23に取り付けた浮上防止部材であり、該浮上防止部材28は建造物10の梁10aの下面に入り込んでクレーン本体4の浮き上がりを防止するようになっており、該浮上防止部材28はピン29によって折り畳み可能に構成されている。
【0027】
次に、上記した実施の形態の作動を説明する。
【0028】
図1〜図6のクライミングクレーンは、図7、図8に示す如く、本体支持架台3に備えた拡縮機構20aの第1段拡縮部材24を拡張して重力載置部25を所要の高さの梁10a上に載置し、更に第2段拡縮部材26を拡張して反力受部27を四隅の柱10bに押付ける。このとき、第1段拡縮部材24の拡張を調節してL字形の反力受部27の一側面を柱10bのコーナ部の一面に押付け、第2段拡縮部材26の拡張を調節してL字形の反力受部27の他側面を柱10bのコーナ部の他面に押付けるようにする。又、上部架台6に備えた拡縮機構20bの第1段拡縮部材24を拡張して重力載置部25を前記本体支持架台3を支持させた梁10aより高い位置の梁10a上に載置し、更に第2段拡縮部材26を拡張して前記と同様に反力受部27を四隅の柱10bに押付けるようにする。これにより、クレーン本体4に作用する重力Wは重力載置部25により建造物10の梁10aで受けられ、クレーン本体4に作用するモーメントMは上下の反力受部27が建造物10の柱10bを横方向から押付ける力Sによって柱10bで受けられるので、このようにして建造物10に支持したクレーン2によりクレーン作業を行う。このとき、浮上防止部材28を予め下方に回動させて建造物10の梁10aの下面に入り込むようにしておくことにより、クレーン本体4の浮き上がりを防止してクレーン本体4を更に確実に支持することができる。
【0029】
このとき、建造物10の梁10aにはクレーン本体4に作用する重力Wが作用するのみであるため、梁10aが変形するような問題を生じることなく支持することができ、又、クレーン本体4に作用する大きなモーメントMは本体支持架台3と上部架台6の上下の反力受部27によって図7に示す如く横方向の力Sとして建造物10の柱10bに負荷されることになるが、建造物10の柱10bは大きな強度を有しているため、前記モーメントMによる力Sを確実に支持することができる。
【0030】
上記した如く、建造物10の梁10aはクレーン本体4に作用する重力Wを受けるのみであるため、梁10aに対して従来のように大きな荷重が集中して作用することがなくなり、よって従来の如く梁10aを補強するための資材及びその取り付け、取り外しのための作業を省略することができる。
【0031】
更に、クレーン本体4に作用する重力Wは重力載置部25を建造物10の梁10aに載置することで梁10aで受け、又、クレーン本体4に作用するモーメントMは上下の反力受部27を建造物10の柱10bに押付けることで柱10bで受けるようにしたので、従来のような伸縮ビームを梁に固定するための固定構造が不要になると共に、固定・解除に要する手数と時間を削減することができる。
【0032】
従って、図7のクレーン本体4を上方へ盛り換える作業を迅速に行ってクライミングに要する時間を短縮することができ、よってクライミングクレーンによる作業能率を大幅に高めることができる。
【0033】
即ち、先ず上部架台6を盛り換え、その後本体支持架台3を盛り換えてクレーン本体4をクライミングする手順は前記図10の場合と同様であるが、前記した如く、クレーン本体4に作用する重力Wは本体支持架台3と上部架台6に設けた拡縮機構20a,20bの重力載置部25を建造物10の梁10aに載置することで梁10aによって受け、又、クレーン本体4に作用するモーメントMは本体支持架台3と上部架台6に設けた拡縮機構20a,20bの反力受部27を建造物10の柱10bに押付けることで柱10bによって受けるようにしたので、拡縮機構20a,20bを拡縮させるという簡単な操作でクレーン本体4を建造物10に支持させてクライミングすることができるので、迅速なクライミング作業が行えるようになる。即ち、従来のクライミングクレーンでは、伸縮ビームを梁に強固に固定するための操作が必要であり、このために、特に上部架台のクライミング時には伸縮ビームの固定・解除の操作を繰り返して行う必要があることから、クライミングに長時間を要する問題があるが、前記した本発明の形態によればこうした問題を解消して短時間でクライミングを行うことができる。
【0034】
なお、本発明のクライミングクレーンは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、鉄骨の建造物の建設以外にコンクリートによる建造物の建設にも適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のクライミングクレーンを実施する形態の一例を示す斜視図である。
【図2】本体支持架台の拡大斜視図である。
【図3】上部架台の拡大斜視図である。
【図4】本体支持架台の平面図である。
【図5】図4のV−V方向矢視図である。
【図6】図4のVI−VI方向矢視図である。
【図7】図1のクライミングクレーンの作用を示す概略側面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】図7、図8の拡縮機構を縮小した状態を示す平面図である。
【図10】従来のクライミングクレーンの一例を示す概略側面図である。
【図11】伸縮ビームを伸縮させる油圧シリンダの説明図である。
【図12】伸縮ビームを伸縮させるネジ式ジャッキの説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 マスト
2 クレーン
3 本体支持架台
4 クレーン本体
6 上部架台
8 ガイドマスト
9 昇降シリンダ
10 建造物
10a 梁
10b 柱
20a 拡縮機構
20b 拡縮機構
24 第1段拡縮部材
25 重力載置部
26 第2段拡縮部材
27 反力受部
A 左右幅方向
B 前後方向
M モーメント
W 重力
【出願人】 【識別番号】000198363
【氏名又は名称】石川島運搬機械株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光

【識別番号】100083057
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 誠一


【公開番号】 特開2008−7251(P2008−7251A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178187(P2006−178187)