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クレーンの過負荷防止装置 - 特開2008−7220 | j-tokkyo
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【発明の名称】 クレーンの過負荷防止装置
【発明者】 【氏名】宮 英司

【要約】 【課題】中間支持の有無についての入力ミスなどに起因するブーム又はジブの破損を未然に防止し得るクレーンの過負荷防止装置を提供する。

【構成】過負荷防止装置Aは、入力データの一つとしてブーム又はジブの中間支持の有無を含み、入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定するように構成されている。また、過負荷防止装置Aは、ブーム又はジブの中間支持が実際に行われていることを検出する検出手段24と、この検出手段の検出結果と中間支持の有無の入力データとを比較検討し、両者が異なるとき所定の安全制御を行う制御手段25とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データの一つとしてブーム又はジブの中間支持の有無を含み、入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定するように構成されたクレーンの過負荷防止装置において、
上記ブーム又はジブの中間支持が実際に行われていることを検出する検出手段と、
この検出手段の検出結果と上記中間支持の有無の入力データとを比較検討し、両者が異なるとき所定の安全制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
【請求項2】
上記制御手段は、所定の安全制御として、ブーム又はジブの起伏を停止するものである請求項1記載のクレーンの過負荷防止装置。
【請求項3】
上記制御手段は、入力データでは中間支持が有りであるにも拘わらず検出手段では中間支持が検出されないとき、所定の安全制御として、中間支持が無しの入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定し、この許容範囲内で作業が行われるように制御するものである請求項1記載のクレーンの過負荷防止装置。
【請求項4】
上記制御手段は、所定の安全制御として、警報を発するものである請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のクレーンの過負荷防止装置。
【請求項5】
上記検出手段は、中間支持用の部材との接触により中間支持の有無を検知するリミットスイッチからなる請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のクレーンの過負荷防止装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに装備される過負荷防止装置に関し、特に、作業アタッチメントを構成するブーム又はジブの中間支持を行う場合に対応するものに係わる。
【背景技術】
【0002】
一般に、クローラクレーンなどの移動式クレーンにおいては、クレーンの破損や転倒を防止するための過負荷防止装置が装備されている。この種の過負荷防止装置は、例えば特許文献1及び2に開示されているように、クレーンの作業アタッチメントを構成するブーム又はジブの角度を検出する角度検出手段と、ブーム又はジブの起伏ロープの張力を検出する張力検出手段と、これらの検出手段により検出された検出値を基に負荷を演算する演算手段としてのコントローラとを備え、負荷が許容値を超える過負荷のとき警報を発したり、クレーンの運転を停止したりする構成になっている。
【0003】
一方、移動式クレーンにおいては、作業内容に応じて、作業アタッチメントの種類を変更し、かつブームの長さやジブの長さなどを変更して使用することが行われている。また、ブームの長さが長い場合、例えば特許文献3に開示されているように、ブームの先端部に取り付けた第1ガイラインでブームを起伏可能に支持するだけでなく、ブームの先端部と基端部との間に取り付けた第2ガイラインでブームの中間を支持することがある。
【0004】
このことに対処するために、移動式クレーンの過負荷防止装置においては、作業開始前などに予め、作業アタッチメントの種類、ブームの長さ、ジブの長さ及び中間支持の有無などを入力データとして入力し、これらの入力データに応じて許容値ないし許容範囲を自動的に設定するように構成されている。
【特許文献1】特開平11−246178号公報
【特許文献2】特開2001−89078号公報
【特許文献3】特許第3399356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、作業者は入力データを実際に使用するものと間違って入力することがある。この入力ミスなどを防止するために、過負荷防止装置に画面表示部を設け、この画面表示部に、入力データのうち、作業アタッチメントの種類については、その形態を模式的に表示するとともに、ブームの長さ及びジブの長さをそれぞれ数値表示することが行われている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、中間支持の有無について、これを表示したものはなく、また、仮に表示した場合でも作業者が入力ミスに気付くことを期待できないのが実情であり、入力ミスなどに起因してブーム又はジブが破損する虞がある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、特に、上述した中間支持の有無について、実際の状態と入力データとの間違いを検知して適切な処置を採ることにより、入力ミスなどに起因するブーム又はジブの破損を未然に防止し得るクレーンの過負荷防止装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、クレーンの過負荷防止装置として、入力データの一つとしてブーム又はジブの中間支持の有無を含み、入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定するように構成されていることを前提とする。そして、上記ブーム又はジブの中間支持が実際に行われていることを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果と上記中間支持の有無の入力データとを比較検討し、両者が異なるとき所定の安全制御を行う制御手段とを備える構成にする。
【0009】
この構成では、クレーンの作業者がブーム又はジブの中間支持の有無について、例えば実際は中間支持が無いのに間違って入力データを有りとして入力した場合、検出手段から中間支持が実際に行われていることの検出信号は出力されることはなく、制御手段は、入力データと検出手段の検出結果とが異なると判断して所定の安全制御を行うことになり、入力ミスに起因するブーム又はジブの破損を未然に防止できることになる。
【0010】
請求項2〜4に係る発明は、いずれも上記制御手段による安全制御の具体例を提供するものである。
【0011】
すなわち、請求項2に係る発明は、請求項1記載のクレーンの過負荷防止装置において、上記制御手段を、所定の安全制御として、ブーム又はジブの起伏を停止する構成にする。この構成では、作業者がブーム又はジブの中間支持の有無についてデータの入力ミスをした場合、ブーム又はジブの起伏が一律に停止されるため、ブーム又はジブの破損を確実に防止できることになる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1記載のクレーンの過負荷防止装置において、上記制御手段を、入力データでは中間支持が有りであるにも拘わらず検出手段では中間支持が検出されないとき、所定の安全制御として、中間支持が無しの入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定し、この許容範囲内で作業が行われるように制御する構成にする。この構成では、中間支持の有無についてデータの入力ミスのうち、特に実際は中間支持が無いのに間違って入力データを有りとして入力した場合、中間支持が無しの正しい入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定し、この許容範囲内で作業が行われるように制御されるため、ブーム又はジブの破損を防止しながら、クレーン作業を継続することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のクレーンの過負荷防止装置において、上記制御手段を、所定の安全制御として、警報を発する構成にする。この構成では、作業者が中間支持の有無についてデータの入力ミスをした場合、警報が発せられるため、作業者に入力ミスの注意を促すことになり、入力ミスに起因するブーム又はジブの破損を未然に防止できることになる。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のクレーンの過負荷防止装置において、上記検出手段を、中間支持用の部材との接触により中間支持の有無を検知するリミットスイッチによって構成する。この構成では、リミットスイッチが中間支持用の部材(例えば第2ガイライン又はそれに接続されたプレートなど)との接触により中間支持の有無を検知するようになっているため、中間支持の有無検知を容易にかつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明におけるクレーンの過負荷防止装置によれば、クレーンの作業者がブーム又はジブの中間支持の有無についてデータの入力ミスをした場合には、中間支持の有無を検出する検出手段の検出結果と入力データとの相違から制御手段が所定の安全制御を行うため、入力ミスに起因するブーム又はジブの破損を未然に防止することができる。
【0016】
特に、請求項2に係る発明では、作業者が中間支持の有無についてデータの入力ミスをした場合、ブーム又はジブの起伏が一律に停止されるため、ブーム又はジブの破損を確実に防止することができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、中間支持の有無についてのデータの入力ミスのうち、特に実際は中間支持が無いのに間違って入力データを有りとして入力した場合、中間支持が無しの正しい入力データに基づいて許容範囲を自動的に設定し、この許容範囲内で作業が行われるように制御されるため、ブーム又はジブの破損を防止しながら、クレーン作業を継続することができ、安全性の確保と作業効率の向上との両立化を図ることができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、作業者が中間支持の有無についてデータの入力ミスをした場合、警報が発せられるため、作業者に入力ミスの注意を促して、入力ミスに起因するブーム又はジブの破損を未然に防止することができる。
【0019】
さらに、請求項5に係る発明では、リミットスイッチが中間支持用の部材との接触により中間支持の有無を検知するようになっているため、中間支持の有無検知を容易にかつ確実に行うことができ、実施化を図る上で有効なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係る過負荷防止装置Aのブロック構成を示し、この過負荷防止装置Aは、図2ないし図4にそれぞれ示す移動式クレーンB,C,Dに装備されるものである。過負荷防止装置Aの説明に先立って、移動式クレーンB〜Dの構成について説明する。
【0022】
図2に示す移動式クレーンBは、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行式1上に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2の前部に設けられたキャブ3と、上部旋回体2に基端部が取り付けられた作業アタッチメントとしてのブーム4とを備えてなる。ブーム4の先端部には第1ガイライン6の一端が、ブーム4の中間部には第2ガイライン7の一端がそれぞれ取り付けられており、この第1ガイライン6及び第2ガイライン7の他端は、共に上部スプレッダ8に取り付けられている。この上部スプレッダ8と、上部旋回体2に設けたガントリ9の上端に取り付けた下部スプレッダ10との間にはブーム起伏ワイヤロープ11が巻き掛けられており、このブーム起伏ワイヤロープ11の一端はガントリ9に固定され、他端は、図示していないが上部旋回体2に設けたブーム起伏ウインチに巻き付けられている。そして、ブーム起伏ウインチによりブーム起伏ワイヤロープ11を繰り出し又は巻き取ることにより、下部スプレッダ10と上部スプレッダ8との間の距離を短く又は長く変更してブーム4を起伏させるようになっており、ブーム4の先端部は第1ガイライン6により支持され、ブーム4の中間部は第2ガイライン7により支持されている。
【0023】
図3及び図4にそれぞれ示す移動式クレーンC,Dの基本的構成は、図2に示す移動式クレーンBの場合と同じであるが、クレーンCはブーム4の中間支持の構成が異なり、クレーンDはブーム4を起伏する構成が異なる。
【0024】
すなわち、図3に示す移動式クレーンCの場合、ブーム4の先端部にはガイライン13の一端が取り付けられており、このガイライン13の他端は上部スプレッダ8に取り付けられている。一方、ブーム4の中間部には中間支持ライン14の一端が取り付けられ、この中間支持ライン14の他端はガイライン13に取り付けられている。よって、ブーム4の先端部はガイライン13により支持され、ブーム4の中間部は中間支持ライン14及びガイライン13により支持されている。尚、移動式クレーンCのその他の構成は、クレーンBの場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0025】
また、図4に示す移動式クレーンDの場合、移動式クレーンBの場合と同じく、ブーム4の先端部には第1ガイライン6の一端が、ブーム4の中間部には第2ガイライン7の一端がそれぞれ取り付けられているが、この第1ガイライン6及び第2ガイライン7の他端は、上部旋回体2に傾動可能に取り付けたマスト15の上端部に取付プレート16(図6(a)参照)などを介して取り付けられている。上記マスト15の上端部には上部スプレッダ8が取り付けられ、この上部スプレッダ8と、上部旋回体2に設けたガントリ17の上端に取り付けた下部スプレッダ10との間にはブーム起伏ワイヤロープ11が巻き掛けられており、このブーム起伏ワイヤロープ11の一端はガントリ17に固定され、他端は、図示していないが、上部旋回体2に設けたブーム起伏ウインチに巻き付けられている。そして、ブーム起伏ウインチによりブーム起伏ワイヤロープ11を繰り出し又は巻き取ることにより、マスト15を傾動させてブーム4を起伏させるようになっている。
【0026】
上記3種類の移動式クレーンB〜Dは、本来異なるクレーンではなく、作業内容に応じて、作業アタッチメントの種類の変更として、ガントリ9,17を取り替えたり、マスト15の取り付け又は取り外しをしたりして使用されるものである。また、第2ガイライン7や中間支持ライン14などによるブーム4の中間支持は、常に行われるものではなく、ブーム4の長さなどに応じて行われるものである。
【0027】
次に、このような移動式クレーンB〜Dに装備される過負荷防止装置Aについて、図1を参照して説明する。
【0028】
図1において、21は入力データをコード番号として入力するデータ入力装置であって、この入力装置21による入力データは、上述したクレーンB〜Dの種類としての作業アタッチメントの種類、ブーム4の長さ、ブーム4の中間支持の有無及びフックの種類などである。22はブーム4の起伏角度を検出するブーム角度検出器、23はブーム4の起伏張力を検出するブーム起伏張力検出器であり、この両検出器22,23は、いずれも従来の過負荷防止装置の場合と同じである。
【0029】
また、24はブーム4の中間支持が実際に行われていることを検出する検出手段としての中間支持検知用リミットスイッチであり、このリミットスイッチ24は、例えば図5に示すように、ブーム4の中間部に固定した固定ブラケット18に取り付けられ、ブーム4の中間部を支持する第2ガイライン7又は中間支持ライン14の一端を固定ブラケット18に連結したときリミットスイッチ24の接触レバー24aが第2ガイライン7又は中間支持ライン14に接触してブーム4の中間支持の有無を検知するようになっている。また、マスト15を備えた移動式クレーンDの場合、図6に示すように、マスト15の上端部に固定した固定ブラケット19に取り付けた取付プレート16に対し、ブーム4の先端支持用の第1ガイライン6とブーム4の中間支持用の第2ガイライン7とを共に連結したとき(図6(a)参照)と、第1ガイライン6のみを連結したとき(図6(b)参照)とで取付プレート16の状態が変化することに着目し、この取付プレート16に対向してリミットスイッチ24を固定ブラケット19に取り付け、第1ガイライン6のみを連結したときリミットスイッチ24の接触レバー24aが取付プレート16に接触してブーム4の中間支持の有無を検知するように構成してもよい。
【0030】
上記データ入力装置21の入力データ並びに検出器22,23及びリミットスイッチ24の検出信号は、いずれも過負荷防止装置Aの制御手段としてのコントローラ25に入力される。このコントローラ25は、種々のデータを記憶しているデータ記憶部26と、所定の演算及び制御を実行する演算部27とを有し、液晶ディスプレイなどの表示装置28、警報器29及びブーム起伏ウインチの起伏停止用ソレノイド30を制御するようになっている。演算部27の実行する演算としては、データ入力装置21の入力データ及びデータ記憶部26に記憶しているデータに基づいて、ブーム4の許容範囲としての定格総荷重を算出すること、ブーム角度検出器22及びブーム起伏張力検出器23の検出値に基づいて実荷重を算出すること、この実荷重と定格総荷重との比である負荷率を算出することなどがある。また、演算部27の実行する制御としては、上記負荷率が所定値よりも大きい過負荷時に表示装置28及び警報器29による警報とソレノイド30の切換によるブーム起伏ウインチの起伏停止を行うこと以外に、本発明の特徴点である、ブーム4の中間支持について、入力データと中間支持検知用リミットスイッチ24の検出結果とが異なるか否かを判定し、異なるとき所定の安全制御を行うことがある。この制御内容について、図7を参照しながら、以下に説明する。
【0031】
すなわち、図7において、スタートした後、先ず、ステップS1でデータ入力装置21からの入力データ、特にブーム4の中間支持の有無を読み取る。続いて、ステップS2で読み取ったデータからブーム4の中間支持は有りの設定か否かを判定するとともに、ステップS3又はS7でリミットスイッチ24の検出信号はブーム4の中間支持が有りを示すものであるか否かを判定する。
【0032】
上記両判定が共にYES又はNOのとき、つまりブーム4の中間支持の有無について、入力データとリミットスイッチ24の検出信号とが一致するときには、ステップS8で通常作業を許可(OK)し、そのまま制御を終了する。
【0033】
一方、ステップS2の判定がYESでかつステップS3の判定がNOのとき、つまり入力データでは中間支持は有りの設定であるにも拘わらず、リミットスイッチ24の検出信号ではブーム4の中間支持が無いときには、ステップS4で更に、中間支持無しの能力の設定があるか否かを判定する。ここで、中間支持有りの能力とは、データ入力装置21の入力データとして中間支持の有無を有りにした場合にコントローラ25の演算部27がブーム4の許容範囲として算出設定する定格総荷重を意味し、図8中のX線である。また、中間支持無しの能力とは、データ入力装置21の入力データとして中間支持の有無を無しにした場合にコントローラ25の演算部27がブーム4の許容範囲として算出設定する定格総荷重を意味し、図8中のY線である。この中間支持無しの能力Yは、中間支持有りの能力Xより低くなり、またブーム4の長さが長い場合などには設定できないようになっている。
【0034】
そして、上記ステップS4の判定がYESの中間支持無しの能力Yの設定がある場合には、ステップS5で中間支持無しの能力Y、つまり中間支持有りの能力Xより低い制限した能力でクレーン作業を許可するとともに、ステップS6でこの制御状態を作業者に知らしめるべく警報B、例えば警報器29から警報音を短く鳴らした上、表示装置28の画面上にメッセージを表示し、制御を終了する。
【0035】
一方、上記ステップS4の判定がNOの中間支持無しの能力Yの設定がない場合には、ステップS9でブーム起伏ウインチの起伏停止用ソレノイド30を非励磁としてブーム起伏ウインチの作動ひいてはブーム4の起伏を停止し、クレーン作業を中止させる。それと同時に、ステップS10でこの制御状態を作業者に知らしめるべく警報A、例えば警報器29から警報音を継続的に鳴らすとともに、表示装置28の画面上にメッセージを表示し、制御を終了する。
【0036】
また、上記ステップS2の判定がNOでかつステップS7の判定がYESのとき、つまり入力データでは中間支持は無しの設定であるにも拘わらず、リミットスイッチ24の検出信号ではブーム4の中間支持が有りのときには、ステップS9へ移行して、ブーム4の起伏を停止してクレーン作業を中止させるとともに、ステップS10で警報Aを発し、制御を終了する。
【0037】
次に、上記過負荷防止装置Aの作用効果を説明するに、クレーンB〜Dの作業者が過負荷防止装置Aのデータ入力装置21でデータを入力する際にブーム4の中間支持の有無について間違って入力した場合には、コントローラ25の演算部27で入力データとリミットスイッチ24の検出結果とが異なることを判断し(図7のステップS1〜S3,S7)、ブーム4の起伏停止や警報を発するなどの安全制御が実行されるため、入力ミスに起因するブーム4の破損を未然に防止することができる。
【0038】
特に、中間支持の有無についてのデータの入力ミスの中で、実際はブーム4の中間支持が無いのに間違って入力データを有りとして入力した場合には、入力データを正しく中間支持無しにしたブーム4の許容範囲である中間支持無しの能力Yの設定があることを条件に、この制限した能力Yでクレーン作業が行われるように安全制御が実行される(図7のステップS5)。このため、ブーム4の破損を防止しながら、クレーン作業を継続することができ、安全性の確保と作業効率の向上との両立化を図ることができる。
【0039】
また、中間支持検知用のリミットスイッチ24は、ブーム4の中間支持用の部材である第2ガイライン7、中間支持ライン14又は取付プレート16との接触により中間支持の有無を検知するものであるため、中間支持の有無検知を容易にかつ確実に行うことができ、実施化を図る上で有効なものである。
【0040】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、過負荷防止装置Aにおいて、入力データをコード番号として入力するデータ入力装置21と、表示装置28とを別々に備える構成にしたが、本発明は、これらの代わりに、タッチパネル式の表示装置を用い、この表示装置の画面上で会話方式にてデータを入力するように構成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、中間支持の有無についてのデータの入力ミスの中で、実際はブーム4の中間支持が有りであるのに間違って入力データを無しにして入力した場合(図7のステップS2の判定がNOでかつステップS7の判定がYESの場合)にもブーム4の起伏を停止してクレーン作業を中止したが、本発明は、この場合、警報のみを発して、クレーン作業がそのまま通常通り行われるように制御するようにしてもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態では、クレーンの上部旋回体2に作業アタッチメントとしてのブーム4が取り付けられ、このブーム4の先端部が第1ガイライン6又はガイライン13により支持され、ブーム4の中間部が第2ガイライン7又は中間支持ライン14により支持される移動式クレーンの過負荷防止装置Aについて述べたが、本発明は、図9に示すように、クレーンの上部旋回体2に、ブーム41とジブ42とを有する作業アタッチメント43が取り付けられ、ジブ42の先端部が第1ジブガイライン44により支持され、ジブ42の中間部が第2ジブガイライン45により支持される移動式クレーンの過負荷防止装置にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る移動式クレーンの過負荷防止装置のブロック構成図である。
【図2】上記移動式クレーンの概略構成図である。
【図3】別種類のクレーンを示す図2相当図である。
【図4】同じく別種類のクレーンを示す図2相当図である。
【図5】図2のE付近の拡大図である。
【図6】図4のF付近の拡大図であり、(a)はブームの中間支持有りの状態を示し、(b)はブームの中間支持無しの状態を示す。
【図7】過負荷防止装置の制御内容を示すフローチャート図である。
【図8】作業半径と定格総荷重との関係を示す特性図である。
【図9】別種類のクレーンを示す図2相当図である。
【符号の説明】
【0044】
A 過負荷防止装置
B,C,D 移動式クレーン
4 ブーム(作業アタッチメント)
7 第2ガイライン
14 中間支持ライン
16 取付プレート
21 データ入力装置
24 リミットスイッチ(検出手段)
25 コントローラ(制御手段)
29 警報器
30 ブーム起伏ウインチの起伏停止用ソレノイド
42 ジブ
45 第2ジブガイライン
【出願人】 【識別番号】304020362
【氏名又は名称】コベルコクレーン株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100100262
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 勉


【公開番号】 特開2008−7220(P2008−7220A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176459(P2006−176459)