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【発明の名称】 作業機用無線操縦装置の受信機
【発明者】 【氏名】金澤 二郎

【要約】 【課題】データ形式の異なる複数の送信機に対する対応を可能とし、且つ、操作が容易で安価な作業機用無線操縦装置の受信機を提供する。

【構成】この受信機10は、送信データ形式が異なる複数の送信機30から送信された操作信号をそれぞれ受信可能に構成され、複数の送信機のうちの一つの送信データ形式を、作業機を遠隔操作できる有効受信データ形式として設定する送信データ形式設定手段31〜34を備え、送信データ形式設定手段は、前記受信機の電源投入時から所定時間内に受信した所定の操作信号がもつ送信データ形式を、前記有効受信データ形式として設定するようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機を遠隔操作するために用いられ、送信データ形式が異なる複数の送信機から送信された操作信号をそれぞれ受信可能な無線操縦装置の受信機であって、
前記複数の送信機のうちの一つの送信データ形式を、前記作業機を遠隔操作できる有効な送信データ形式である有効受信データ形式として設定する送信データ形式設定手段を備え、前記設定された有効受信データ形式と一致する送信データ形式をもつ操作信号に基づいて前記作業機を作動させる作動信号を出力するように構成され、
前記送信データ形式設定手段は、自身の電源投入時から所定時間内に受信した所定の操作信号がもつ送信データ形式を、前記有効受信データ形式として設定するようになっていることを特徴とする作業機用無線操縦装置の受信機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載型クレーン等の作業機を遠隔操作するための作業機用無線操縦装置の受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両搭載型クレーン等の作業機においては、車両に搭載されている作業装置を無線操縦装置によって遠隔操作するものが主流となってきており、作業効率の向上に寄与している。
このような作業機用無線操縦装置では、作業装置を離れた位置からオペレータが操作するために、例えば、車両搭載型クレーンの無線操縦装置では、図4に示す選択スイッチ方式送信機30や、図5に示すジョイスティック方式送信機40などが用いられている。
【0003】
図4に示す選択スイッチ方式送信機30は、正面に車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応した選択スイッチ31、32、33、34が設けられ、グリップ35の背面にはアクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー36が設けられている。
遠隔操作を行う場合には、オペレータは選択スイッチ方式送信機30のグリップ35を握り、車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応する各選択スイッチ31、32、33、34を選択操作しながら、アクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー36を操作する。これらの操作が行われると、操作に対応する操作信号が送信され、車両搭載型クレーン側に設置された受信機で受信され、その操作信号に基づいて車両搭載型クレーンのアクチュエータが作動するようになっている。
【0004】
一方、図5に示すジョイスティック方式送信機40は、正面に車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応したジョイスティック41、42が設けられ、グリップ45の背面にはアクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー46が設けられている。
遠隔操作を行う場合には、オペレータはジョイスティック方式送信機40のグリップ45を握り、車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応する各ジョイスティック41、42を選択操作しながら、アクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー46を操作する。これらの操作が行われると、その操作に対応する操作信号が送信され、車両搭載型クレーン側に設置された受信機で受信され、その操作信号に基づいて車両搭載型クレーンのアクチュエータが作動するようになっている。
【0005】
これら選択スイッチ方式送信機30を用いた無線操縦装置と、ジョイスティック方式送信機40を用いた無線操縦装置とでは、実際に使用するオペレータの使い易さや好みによって、車両搭載型クレーン購入時に何れか一方のみを選択する。
なお、2つ以上の操作器に対して、何れか1つの操作器を選択する関連技術として、1つの操作器を優先させるためのインターロック装置を設けた遠隔操縦装置も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭59−007632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、レンタル業界などの不特定のユーザーであるオペレータが車両搭載型クレーンを使用する場合においては、選択スイッチ方式送信機30を好むオペレータと、ジョイスティック方式送信機40を好むオペレータが混在するため、レンタル業者は2種類の無線操縦装置を両方用意しておくことになる。
通常、選択スイッチ方式送信機30の選択スイッチ31、32、33、34の操作信号は、オン/オフの信号(例えば、1操作に対して1bitからなる信号)であるが、ジョイスティック方式送信機40のジョイスティック41、42の操作信号は比例信号(例えば、1操作に対して8bitからなる信号)であるため、車両搭載型クレーン側に設置された受信機へ送信する操作信号の送信データ形式が異なる。
【0007】
即ち、ジョイスティック方式の方が送信するデータフレームが長い。そのため、操作信号を受信する受信機は、該当する送信データ形式に対応する専用の受信機が各々設定されており、上述のように2種類の無線操縦装置を交互に使用する場合には、それぞれの送信機に対応した受信機も2種類購入しなければならず、購入費用が嵩んでしまっていた。
また、オペレータの好みで選択スイッチ方式送信機30からジョイスティック方式送信機40へ取り換える場合、あるいは、ジョイスティック方式送信機40から選択スイッチ方式送信機30へ取り換える場合には、その都度、車両搭載型クレーン側に設置されている受信機を取り外して、該当の受信機を取り付ける作業が必要になり、非常に面倒であった。
【0008】
そこで、例えば送信データ形式が異なる選択スイッチ方式送信機30およびジョイスティック方式送信機40の2種類の送信機を選択して使用する際、受信機を異なる送信データ形式に対応できる構成とし、受信機側で、車両搭載型クレーンを遠隔操作できる有効な送信データ形式(以下、「有効受信データ形式」という)を切り換えるように構成すれば、1つの受信機でも対応可能である。
【0009】
例えば、有効受信データ形式を切り換える構成としては、受信機のケース内の回路基板上に有効受信データ形式の切換スイッチを設けることが考えられる。有効受信データ形式を切り換えるときには、受信機のケースを開けて回路基板上の切換スイッチを操作し、その切換を行う。また、回路基板上から切換スイッチを独立させ、受信機に外部入力信号線を設け、外部に接続した切換スイッチの操作により有効受信データ形式を切り換えてもよい。
【0010】
しかし、例えば受信機のケースを開けて回路基板上の切換スイッチを切換操作するものでは、受信機のケース内に異物が侵入するおそれがある。また、車両搭載型クレーンは屋外で使用することが多いので、受信機のケースは、通常、防水タイプのケースを使用しているものの、ケースを開閉する際の作業ミスにより、防水性が損なわれる可能性もある。
【0011】
さらに、外部入力信号線による切換については、車両搭載型クレーンの適所に切換スイッチを取り付けるためのスペースが必要である。また、回路基板上の切換スイッチにしても、外部入力信号線による切換スイッチにしても、これらはコストアップの要因となる。
そこで、本発明は、作業機用無線操縦装置におけるこのような問題点に着目してなされたものであって、1つの受信機で、データ形式の異なる複数の送信機を使用可能とし、且つ、操作が容易で安価な作業機用無線操縦装置の受信機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、作業機を遠隔操作するために用いられ、送信データ形式が異なる複数の送信機から送信された操作信号をそれぞれ受信可能な無線操縦装置の受信機であって、前記複数の送信機のうちの一つの送信データ形式を、前記作業機を遠隔操作できる有効な送信データ形式である有効受信データ形式として設定する送信データ形式設定手段を備え、前記設定された有効受信データ形式と一致する送信データ形式をもつ操作信号に基づいて前記作業機を作動させる作動信号を出力するように構成され、前記送信データ形式設定手段は、自身の電源投入時から所定時間内に受信した所定の操作信号がもつ送信データ形式を、前記有効受信データ形式として設定するようになっていることを特徴としている。
【0013】
本発明に係る受信機によれば、送信データ形式設定手段によって、送信データ形式の異なる複数の送信機のうちのいずれか一つの送信データ形式を有効受信データ形式として設定することができる。これにより、作業に使用したい送信機の送信データ形式と受信機の送信データ形式設定手段で設定している有効受信データ形式とが一致する場合には、その操作信号は有効と判断されて、作業機の遠隔操作が行える。また、送信機の送信データ形式と受信機の送信データ形式設定手段で設定されている有効受信データ形式とが異なる場合には、その操作信号は無効と判断されて、作業機の遠隔操作は行なわれない。
【0014】
ここで、新たに他の送信機で作業をしたい場合には、新たに作業に使用したい送信機にて所定の操作信号を送信し、その状態で、作業機側に設置されている受信機の電源を投入する。これにより、上記の送信データ形式設定手段は、受信機の電源投入時から所定時間内に受信した送信データ形式を有効受信データ形式として設定するので、新たに作業に使用したい送信機の操作信号がもつ送信データ形式が新たな有効受信データ形式として設定される。
【0015】
そのため、この操作以降は、新たに作業に使用したい送信機からの操作信号の送信データ形式が送信データ形式設定手段に設定されている有効受信データ形式と一致するので、その操作信号が有効と判断されて、作業機の遠隔操作が可能となる。このようにして、送信データ形式が異なる複数の送信機を、オペレータの使用したい送信機に応じて容易に設定を更新してその送信機を使用可能とすることができる。
また、例えば上記例示したような、回路基板上の切換スイッチや、外部入力信号線による切換スイッチのように、車両搭載型クレーンの適所に切換スイッチを取り付けるスペースが不要なので、安価に製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、本発明によれば、データ形式の異なる複数の送信機に対して1つの受信機での対応を可能とし、且つ、操作が容易で安価な作業機用無線操縦装置の受信機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、本実施形態では作業機として車両搭載型クレーンに適用した例である。
図1は本発明の一実施形態である無線操縦装置の受信機を備えた車両搭載型クレーンの側面図、図2はその無線操縦装置の受信機のブロック図である。また、図3は図2に示す受信機でのデータ形式設定処理を説明するためのフローチャートである。なお、本発明の一実施形態である車両搭載型クレーンの無線操縦装置における送信機については、上記説明した従来のものと同じであるので図4および図5を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、この車両搭載型クレーン20は、車両2の荷台3と運転室4の間のシャーシフレーム5上に、作業装置としてクレーン6を搭載している。
このクレーン6は、アウトリガ61を備えたベース62上にコラム63が旋回自在に設けられ、このコラム63の上端部に伸縮するブーム64が起伏自在に枢支されている。コラム63にはウインチ(図示略)が設けられており、このウインチのワイヤロープをブーム64の先端部に導いて、フックをブーム64の先端部から吊下している。そして、クレーン6は、コラム63(ブーム64)の旋回、ブーム64の起伏と伸縮、及びウインチによるフックの巻上、巻下の作動を行うためのアクチュエータを備えており、車両2の油圧源から切換制御弁装置(図示略)を介して圧油を供給することによりアクチュエータが作動するようになっている。
【0019】
この車両搭載型クレーン20では、例えば、図4に示す選択スイッチ方式送信機30や、図5に示すジョイスティック方式送信機40などの無線操縦装置が用いられる。
図4に示す選択スイッチ方式送信機30は、正面に車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応した複数の選択スイッチ31、32、33、34が設けられ、また、車両のホーンを鳴動させるためのホーンスイッチ37も設けられている。さらに、グリップ35の背面にはアクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー36が設けられている。
【0020】
この選択スイッチ方式送信機30で遠隔操作を行う場合には、オペレータは、そのグリップ35を握り、車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応する各選択スイッチ31、32、33、34を選択して操作しながら、アクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー36を操作する。これらの操作が行われると、その操作に対応する操作信号が送信され、車両搭載型クレーン側に設置された受信機10で受信され、受信機10からその操作信号に基づいて切換制御弁装置を作動させる作動信号が出力されて、車両搭載型クレーン20のアクチュエータが作動するようになっている。
【0021】
一方、図5に示すジョイスティック方式送信機40は、正面に車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応した二つのジョイスティック41、42が設けられ、また、車両のホーンを鳴動させるためのホーンスイッチ47も設けられている。さらに、グリップ45の背面にはアクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー46が設けられている。
【0022】
このジョイスティック方式送信機40で遠隔操作を行う場合には、オペレータは、そのグリップ45を握り、車両搭載型クレーンの各アクチュエータの作動に対応する各ジョイスティック41、42を選択操作しながら、アクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー46を操作する。これらの操作が行われると、その操作に対応する操作信号が送信され、車両搭載型クレーン側に設置された受信機10で受信され、受信機10からその操作信号に基づいて切換制御弁装置を作動させる作動信号が出力されて、車両搭載型クレーン20のアクチュエータが作動するようになっている。
【0023】
次に、図2を参照して受信機10について説明する。
同図に示すように、この受信機10は、受信アンテナ11、高周波部12、演算制御部(CPU)13、書き込み、消去自在の記憶装置であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)14、出力部15、および電源部16を備えて構成されている。なお、同図で符号20は、この受信機10から出力された制御信号により制御される上述の車両搭載型クレーンである。電源部16は、例えば車両2のバッテリ電源にエンジンキースイッチ(図示略)を介して接続されており、バッテリ電源から電源部16に電圧が供給されると受信機10の各部に電圧が供給されるようになっている。
【0024】
この受信機10は、通常の作業(通常受信処理)時には、受信アンテナ11から操作信号を受信すると、高周波部12で復調される。そして、演算制御部13では、高周波部12で復調された操作信号から制御対象及び制御速度等を演算して出力部15に送られる。演算制御部13は、例えばCPUなどである。出力部15の制御信号(作動信号)は、車両搭載型クレーン20のアクチュエータを作動させるための電磁弁(図示略)等を制御する。
【0025】
ここで、演算制御部13では選択スイッチ方式送信機30、またはジョイスティック方式送信機40から受信した操作信号に含まれる固有の識別信号(以下、「IDコード」という)が、EEPROM14に記憶しているIDコードと一致しているか否か、および、受信した操作信号の送信データ形式が、同じくEEPROM14に記憶している有効受信データ形式と一致しているか否かを照合している。そして、IDコードおよびデータ形式が一致している場合に限り、車両搭載型クレーン20に出力部15を介して制御信号が出力されるようになっている。なお、選択スイッチ方式送信機30のIDコード、ジョイスティック方式送信機40のIDコード、および、有効受信データ形式については、予め受信機10のEEPROM14に記憶されている。
【0026】
以下、図3を参照して、演算制御部13でのデータ形式設定処理(データ形式設定モード)による有効受信データ形式を変更する内部処理について詳しく説明する。なお、以下説明するデータ形式設定処理において、受信した電波に含まれるホーン操作データが所定の操作信号として設定されている。つまり、送信機のホーンスイッチを押して、ホーン操作データが所定時間内に受信されたときを契機に有効受信データ形式の設定変更が行なわれるようになっている。
【0027】
このデータ形式設定処理では、図3に示すように、まず、ステップS1に移行して、電波受信の有無を判定し、電波が受信されたとき(Yes)は、ステップS2に移行し、電波が受信されなかったとき(No)は、ステップS7に移行する。ステップS7では、当該データ形式設定処理が実行後から、所定時間として1秒が経過したか否かを判定する。そして、1秒経過していなければ(No)、再度ステップS1に処理を戻し、1秒経過したと判定されたとき(Yes)は、データ形式設定処理を終了して通常受信処理に戻り、通常の作業が可能な状態となる。
【0028】
ここで、ステップS7において、データ形式設定処理に入ってから所定時間が経過したか否かの判断を行っているのは、ノイズ等の影響で送信機からの電波を正常に受信できずに受信エラーとなってしまうような場合に、送信機からの電波をある程度の時間(この例では1秒)受信して、確実に受信可能とするためである。勿論、本実施形態での設定は一例であり、設定する時間は適宜の時間に設定可能である。
【0029】
ステップS2では、EEPROM14で記憶しているIDコード、および有効受信データ形式をそれぞれ読み出して、ステップS3に移行する。続くステップS3では、受信した電波に含まれるIDコードが読み出したIDコードと一致するか否かを照合する。一致しなければ(No)ステップS7に移行し、一致していれば(Yes)ステップS4に移行する。そして、ステップS4では、受信した電波に含まれる操作信号の送信データ形式が読み出した有効受信データ形式と一致するか否かを照合する。一致していれば(Yes)ステップS7に移行し、一致していなければ(No)ステップS5に移行する。さらに、ステップS5では、受信した電波に含まれるホーン操作データがONであるか否かを照合する。つまり送信機のホーンスイッチが押されてホーン操作データがONであれば(Yes)ステップS6に移行し、送信機のホーンスイッチが押されておらずホーン操作データがOFFであれば(No)ステップS7に移行する。
【0030】
そして、ステップS6では、受信電波に含まれる操作信号の送信データ形式を有効受信データ形式としてEEPROM14に書き込み記憶(設定)して、これを記憶(設定)した後は、当該データ形式設定処理を終了し、通常受信処理に戻るようになっている。ここで、上記送信データ形式設定手段には、上述したデータ形式設定処理でのステップS1〜ステップS7が対応する。
そして、通常受信処理では、受信電波に含まれるIDコードおよび操作信号の送信データ形式が、EEPROM14で記憶しているIDコードおよび有効受信データ形式に対し一致するか否かを照合し、相互のIDコードおよびデータ形式が一致している場合に限り、車両搭載型クレーン20に、出力部15を介して制御信号(作動信号)が出力されるようになっている。
【0031】
次に、実際のクレーン作業において、使用したい送信機が、上記の選択スイッチ方式送信機30の場合、およびジョイスティック方式送信機40の場合についてそれぞれ説明する。
はじめに、これからクレーン作業で使用したい送信機が、選択スイッチ方式送信機30の場合について説明する。
[1] まず、前回の作業で使用していた送信機が、選択スイッチ方式送信機30であることをオペレータ自身が分かっている場合は、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作は不要であり、オペレータはそのまま選択スイッチ方式送信機30で作業ができる。
[2] 一方、前回の作業で使用していた送信機が、ジョイスティック方式送信機40であることをオペレータ自身が分かっている場合は、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作が必要となる。
【0032】
この場合、まず、オペレータは、選択スイッチ方式送信機30の電源をONにして(電源操作方法の説明略)、ホーンスイッチ37を押すことで、選択スイッチ方式の送信データ形式でホーン操作データONの操作信号が送信される。その状態で、車両搭載型クレーン20側に設置された受信機10の電源をONにすると、受信機10がデータ形式設定処理に入り(データ形式設定処理が実行され)、選択スイッチ方式送信機30からの操作信号を受信する。この操作信号を受信すると、IDコードが一致している(ステップS3でのYes)、データ形式が異なる(ステップS4でのNo)、ホーン操作データがON(ステップS5でのYes)であるため、有効受信データ形式がジョイスティック方式から選択スイッチ方式に切り換えられ、EEPROM14に記憶される(ステップS6)。これにより、以降は、選択スイッチ方式の送信データ形式の操作信号のみが有効となり、オペレータは選択スイッチ方式送信機30での作業が可能となる。
【0033】
[3] 次に、前回の作業で使用していた送信機が、選択スイッチ方式送信機30またはジョイスティック方式送信機40のいずれかがオペレータ自身が分からない場合は、オペレータは、そのまま選択スイッチ方式送信機30で作業を行う方法と、とりあえず受信機10が記憶している有効受信データ形式の切換操作を行う方法とがある。
そのまま選択スイッチ方式送信機30で作業を行う方法では、選択スイッチ方式送信機30の操作によって車両搭載型クレーン20が作動するか否かを確認し、車両搭載型クレーン20が作動すれば、前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30であることが分かるため、「[1] 前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30であることをオペレータ自身が分かっている場合」と同様に、受信機10が記憶している有効受信データ形式の切換操作は不要であり、オペレータはそのまま選択スイッチ方式送信機30で作業ができる。
【0034】
これに対し、車両搭載型クレーン20が作動しなければ、前回の作業で使用していた送信機がジョイスティック方式送信機40であることが分かるため、「[2] 前回の作業で使用していた送信機がジョイスティック方式送信機40であることをオペレータ自身が分かっている場合」と同様に、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作が必要となる。
【0035】
一方、とりあえず受信機10が記憶している有効受信データ形式の切換操作を行う方法では、「[2] 前回の作業で使用していた送信機がジョイスティック方式送信機40であることをオペレータ自身が分かっている場合」と同様に、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作を行うことで、EEPROM14で記憶されている有効受信データ形式が選択スイッチ方式になるため、オペレータは、選択スイッチ方式送信機30での作業ができる。(EEPROM14で記憶されていた有効受信データ形式がジョイスティック方式の場合は書き換えるが、選択スイッチ方式の場合は書き換えない。)
【0036】
次に、これから使用したい送信機がジョイスティック方式送信機40の場合について説明する。
[1] まず、前回の作業で使用していた送信機がジョイスティック方式送信機40であることをオペレータ自身が分かっている場合は、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作は不要であり、オペレータは、そのままジョイスティック方式送信機40での作業ができる。
[2] 一方、前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30であることをオペレータ自身が分かっている場合は、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作が必要となる。
【0037】
この場合、まず、オペレータは、ジョイスティック方式送信機40の電源をONにして、ホーンスイッチ47を押すと、ジョイスティック方式の送信データ形式でホーン操作データONの操作信号が送信される。その状態で、車両搭載型クレーン20側に設置された受信機10の電源をONにすると、受信機10がデータ形式設定処理に入り(データ形式設定処理が実行され)、ジョイスティック方式送信機40からの操作信号を受信する。この操作信号を受信すると、IDコードが一致している(ステップS3でのYes)、データ形式が異なる(ステップS4でのNo)、ホーン操作データがON(ステップS5でのYes)であるため、有効受信データ形式が選択スイッチ方式からジョイスティック方式に切り換わり、EEPROM14に記憶される(ステップS6)。これにより、以降は、ジョイスティック方式の送信データ形式の操作信号のみが有効となり、オペレータはジョイスティック方式送信機40での作業が可能となる。
【0038】
[3] 次に、前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30またはジョイスティック方式送信機40のいずれかがオペレータ自身が分からない場合は、オペレータは、そのままジョイスティック方式送信機40で作業を行う方法と、とりあえず受信機10が記憶している有効受信データ形式の切換操作を行う方法とがある。
そのままジョイスティック方式送信機40で作業を行う方法では、車両搭載型クレーン20が作動するか否かを確認し、車両搭載型クレーン20が作動すれば、前回の作業で使用していた送信機がジョイスティック方式送信機40であることが分かるため、「[1] 前回の作業で使用していた送信機がジョイスティック方式送信機40であることをオペレータ自身が分かっている場合」と同様に、受信機10が記憶している有効受信データ形式の切換操作は不要であり、オペレータはそのままジョイスティック方式送信機40で作業ができる。
【0039】
これに対し、車両搭載型クレーン20が作動しなければ、前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30であることが分かるため、「[2] 前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30であることをオペレータ自身が分かっている場合」と同様に、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作が必要となる。
【0040】
一方、とりあえず受信機10が記憶している有効受信データ形式の切換操作を行う方法では、「[2] 前回の作業で使用していた送信機が選択スイッチ方式送信機30であることをオペレータ自身が分かっている場合」と同様に、受信機10で記憶している有効受信データ形式の切換操作を行うことで、EEPROM14で記憶されている有効受信データ形式がジョイスティック方式になるため、オペレータは、ジョイスティック方式送信機40での作業ができる。(EEPROM14で記憶されていた有効受信データ形式が選択スイッチ方式の場合は書き換えるが、ジョイスティック方式の場合は書き換えない。)
【0041】
次に、この作業機用無線操縦装置の受信機の作用・効果について説明する。
上述したように、この作業機用無線操縦装置の受信機によれば、送信データ形式が異なる複数の送信機の中から1つの返信機を選択するような場合に、受信機の種類を増やす必要がないため、購入者の金銭的負担が軽減される。また、受信機の回路基板上に設定スイッチ、あるいは外部入力線を追加する必要もないため、受信機が安価に構成できる。もちろん、有効受信データ形式の設定変更も容易にできる。
【0042】
さらに、操作中に、受信機が記憶している有効受信データ形式とは異なる送信データ形式の送信機を他人が無断で持ち出し操作しても作業機は作動しないため、意図しない作動の防止につながり安全である。
なお、本発明に係る作業機用無線操縦装置の受信機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
【0043】
例えば、有効受信データ形式の設定変更に、送信機のホーンスイッチ以外の操作スイッチを使用してもかまわない。
つまり、上記実施形態の例では、受信した電波に含まれるホーン操作データが所定の操作信号として設定されており、送信機のホーンスイッチを押して、ホーン操作データが所定時間内に受信されたときを契機に有効受信データ形式の設定変更が行なわれるようになっているが、これに限定されず、他の操作スイッチを所定の操作信号を送信するための所定の操作スイッチとしてよい。
【0044】
あるいは、誤って設定を切り替えてしまうことがないように、ある決められたスイッチを、例えば30秒間継続して押し続けると有効受信データ形式を切り替えるための特殊な操作信号を送信し、その特殊な操作信号によって有効受信データ形式を切り替えるように構成してもよい。
また、図3に示したように、データ形式設定処理に入ってから1秒経過したか否かの判定(ステップS7)を行っているため、受信機10の電源をONにしてから、その後の1秒間に送信機から有効受信データ形式を切り替えるための操作信号を送信して切り替える構成とすることもできる。
また、EEPROM14で記憶している有効受信データ形式が何なのか表示する必要がある場合には、例えば、受信機10に通常設けられている電源ランプ等を利用して、その点灯色や点滅周期を変更することで判別可能に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態である無線操縦装置を備えた車両搭載型クレーンの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である車両搭載型クレーン用の無線操縦装置における受信機のブロック図である。
【図3】図1に示す受信機でのデータ形式設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】車両搭載型クレーンの無線操縦装置における選択スイッチ方式送信機の斜視図である。
【図5】車両搭載型クレーンの無線操縦装置におけるジョイスティック方式送信機の斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
10 受信機
11 受信アンテナ
12 高周波部
13 演算制御部
15 出力部
16 電源部
20 車両搭載型クレーン
30 選択スイッチ方式送信機
31〜34 選択スイッチ
35 グリップ
36 速度レバー
37 ホーンスイッチ
40 ジョイスティック方式送信機
41、42 ジョイスティック
45 グリップ
46 速度レバー
47 ホーンスイッチ
【出願人】 【識別番号】506002823
【氏名又は名称】古河ユニック株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也

【識別番号】100075579
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 嘉昭

【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 秀▲てつ▼


【公開番号】 特開2008−1475(P2008−1475A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172673(P2006−172673)