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【発明の名称】 エレベータシステムのシミュレーション装置
【発明者】 【氏名】田中 伸之

【氏名】山見阪 公義

【氏名】椎名 英勲

【氏名】中島 隆志

【要約】 【課題】簡易なプログラムで各エレベータの動作のシミュレーションを行うことができ、シミュレートするエレベータの数により各エレベータを制御するコントローラへの応答時間が変化しない。

【構成】各エレベータの速度条件、エレベータ数条件、他のエレベータとの関係を示す条件からなる動作特性パラメータを並列処理計算機の各プロセッサ76、77に設定する。各プロセッサはシミュレートしている各エレベータの状態の情報であるデータ群を、動作特性パラメータを用いて演算し、現在の状態の情報であるデータ群に更新して統括管理プロセッサ78に出力する
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシャフト内を一定方向に循環移動するとともに所定の階のみに停止することが可能なメインエレベータと、前記メインエレベータが停止可能な階の間を補完して移動するサブエレベータと、から少なくとも構成されるエレベータシステムのシミュレーション装置であって、
移動指令、速度条件、メインエレベータおよびサブエレベータの数を含む制御パラメータを設定するためのパラメータ入力装置が接続され、複数のプロセッサを並列動作させるエレベータシステムのシミュレーション装置において、
前記メインエレベータおよび前記サブエレベータの移動指令が入力されると、当該移動指令に対する経路を決定してその指示を出力する指令管理プロセッサと、
前記指令管理プロセッサのメインエレベータに対する指示を実行するためのメインエレベータを選択し、前記指示を出力するメインエレベータ指令プロセッサと、
前記指令管理プロセッサのサブエレベータに対する指示を実行するためのサブエレベータを選択し、前記指示を出力するサブエレベータ指令プロセッサと、
前記パラメータ入力装置より入力した制御パラメータおよび前記メインエレベータおよび前記サブエレベータの現在の位置情報を出力する制御パラメータ管理プロセッサと、
前記メインエレベータに対応して設けられ、対応した前記メインエレベータの少なくとも認識番号、現在位置、行き先位置、経過時間からなるデータ群を有し、前記メインエレベータ指令プロセッサからの指示により前記データ群の更新を行い、当該更新したデータ群を出力する第1の制御モデル計算プロセッサと、
前記サブエレベータに対応して設けられ、対応した前記サブエレベータの少なくとも認識番号、現在位置、行き先位置、経過時間からなるデータ群を有し、前記サブエレベータ指令プロセッサからの指示により前記データ群の更新を行い、当該更新したデータ群を出力する第2の制御モデル計算プロセッサと、
前記第1および第2の制御モデル計算プロセッサが出力するデータ群に基づいて、前記エレベータシステム全体の状況を把握し、前記メインエレベータおよびサブエレベータそれぞれの位置情報を前記制御パラメータ管理プロセッサに出力する統括管理プロセッサと、
を備えたことを特徴とするエレベータシステムのシミュレーション装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、同時に独立して動作する複数の制御対象機器をシミュレートする装置に関し、特にエレベータシステムのシミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のシミュレーション装置では複数の制御対象機器を1つのプロセッサによりシミュレートしていた。
【0003】
1つのプロセッサにより複数の制御対象機器をシミュレートする場合、複数の制御対象が独立して動作するシステムを1つのプロセッサによりシミュレートするのは困難であり、プログラムが非常に複雑となっていた。また、シミュレートする制御対象機器の数によりコントローラへの応答時間が変化するため、シミュレートする制御対象機器の数によりコントローラへの応答時間の調整が必要となるとともにシミュレートすることができる制御対象機器の数が制限されていた。
【0004】
このようなシミュレーション装置の例として、エレベータシステムのシミュレーション装置がある。この場合、制御対象機器はエレベータである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、簡易なプログラムで各エレベータの動作のシミュレーションを行うことができ、シミュレートするエレベータの数により各エレベータを制御するコントローラへの応答時間が変化せず、ミュレートすることができるエレベータの数が制限されない、エレベータシステムのシミュレーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のシャフト内を一定方向に循環移動するとともに所定の階のみに停止することが可能なメインエレベータと、前記メインエレベータが停止可能な階の間を補完して移動するサブエレベータと、から少なくとも構成されるエレベータシステムのシミュレーション装置であって、移動指令、速度条件、メインエレベータおよびサブエレベータの数を含む制御パラメータを設定するためのパラメータ入力装置が接続され、複数のプロセッサを並列動作させるエレベータシステムのシミュレーション装置において、前記メインエレベータおよび前記サブエレベータの移動指令が入力されると、当該移動指令に対する経路を決定してその指示を出力する指令管理プロセッサと、前記指令管理プロセッサのメインエレベータに対する指示を実行するためのメインエレベータを選択し、前記指示を出力するメインエレベータ指令プロセッサと、前記指令管理プロセッサのサブエレベータに対する指示を実行するためのサブエレベータを選択し、前記指示を出力するサブエレベータ指令プロセッサと、前記パラメータ入力装置より入力した制御パラメータおよび前記メインエレベータおよび前記サブエレベータの現在の位置情報を出力する制御パラメータ管理プロセッサと、前記メインエレベータに対応して設けられ、対応した前記メインエレベータの少なくとも認識番号、現在位置、行き先位置、経過時間からなるデータ群を有し、前記メインエレベータ指令プロセッサからの指示により前記データ群の更新を行い、当該更新したデータ群を出力する第1の制御モデル計算プロセッサと、前記サブエレベータに対応して設けられ、対応した前記サブエレベータの少なくとも認識番号、現在位置、行き先位置、経過時間からなるデータ群を有し、前記サブエレベータ指令プロセッサからの指示により前記データ群の更新を行い、当該更新したデータ群を出力する第2の制御モデル計算プロセッサと、前記第1および第2の制御モデル計算プロセッサが出力するデータ群に基づいて、前記エレベータシステム全体の状況を把握し、前記メインエレベータおよびサブエレベータそれぞれの位置情報を前記制御パラメータ管理プロセッサに出力する統括管理プロセッサと、を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明は、各エレベータの速度条件、エレベータ数条件、他のエレベータとの関係を示す条件からなる動作特性パラメータを並列処理計算機の各プロセッサに設定することにより各プロセッサが独立して各エレベータの動作をシミュレートするようにし、コントローラからの動作指令を入力すると各プロセッサはシミュレートしている各エレベータの状態の情報であるデータ群を、動作特性パラメータを用いて演算し、現在の状態の情報であるデータ群に更新してコントローラに出力するようにしたものである。したがって、簡易なプログラムで各エレベータの動作のシミュレーションを行うことができ、シミュレートするエレベータの数により各エレベータを制御するコントローラへの応答時間が変化せず、ミュレートすることができるエレベータの数が制限されない。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、簡易なプログラムで各エレベータの動作のシミュレーションを行うことができ、シミュレートするエレベータの数により各エレベータを制御するコントローラへの応答時間が変化せず、ミュレートすることができるエレベータの数が制限されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1はエレベータシステムの構成例を示すブロック図である。
【0011】
このエレベータシステムは、17階の構成となっており、メインエレベータ56〜59と、サブエレベータ61〜68と、サブエレベータ65〜68が移動するためのシャフト51と、メインエレベータ56〜59が移動するためのシャフト52、53と、サブエレベータ61〜64が移動するためのシャフト54とから構成されている。
【0012】
メインエレベータ56〜59は、シャフト52、53内を一定方向に循環移動するとともにシャフト51、54の5、10、15階にのみ停止することができる。そのため、メインエレベータ56〜59は指令待ちの状態の場合はシャフト51、54内の5、10、15階のいずれかにおいて待機している。図1において、メインエレベータ56はシャフト51の10階に停止している状態である。また、メインエレベータ56〜59は、人が乗降する場合や、他のメインエレベータに追い越される際に一時退避する場合も同様にシャフト51、54を使用して行う。サブエレベータ61〜68は、メインエレベータ56〜59が停止する階の間を補間して移動するもので、各補間範囲で1台のサブエレベータが設置され、各階毎に停止することができる。例えば、サブエレベータ64は、シャフト54の1〜4階の補間範囲のみを移動する。また、サブエレベータ61〜68は、メインエレベータが停止する階を避けて待機する。
【0013】
図2は図1のエレベータシステムのシミュレーション装置のブロック図である。
【0014】
本実施形態のシミュレーション装置は、エレベータシステムの動作をシミュレーションするためのシミュレーション装置71と、エレベータシステムのパラメータを設定するためのパラメータ入力装置79とを有し、各エレベータ(n個のメインエレベータと、m個のサブエレベータ)の動作を並列処理計算機によりシミュレートし、エレベータの移動速度、エレベータの数等のパラメータのうち最も効率の良いパラメータを決定するものである。
【0015】
シミュレーション装置71は、並列処理計算機からなり、指令管理プロセッサ72と、メインエレベータ指令プロセッサ73と、サブエレベータ指令プロセッサ74と、制御パラメータ管理プロセッサ75と、制御モデル計算プロセッサ761〜76nと、制御モデル計算プロセッサ771〜77mと、統括管理プロセッサ78と、パラメータ入力装置79とから構成されている。
【0016】
指令管理プロセッサ72は、移動指令を入力すると現在のメインエレベータおよびサブエレベータの位置情報を考慮し、その移動指令に対する経路を決定しその指示を出力する。メインエレベータ指令プロセッサ73は、指令管理プロセッサ72からのメインエレベータに対する指示を入力し、その指示を実行するためのメインエレベータを選択し、制御モデル計算プロセッサ761〜76nのうちの選択したメインエレベータに対応する制御モデル計算プロセッサに指示を伝達する。サブエレベータ指令プロセッサ74は、指令管理プロセッサ72からのサブエレベータに対する指示を入力し、その指示を実行するためのサブエレベータを選択し、制御モデル計算プロセッサ771〜77mのうちの選択したサブエレベータに対応する制御モデル計算プロセッサに指示を伝達する。
【0017】
制御パラメータ管理プロセッサ75は、パラメータ入力装置79より入力した制御パラメータと、統括管理プロセッサ78より入力した現在のメインエレベータおよびサブエレベータの位置情報とを指令管理プロセッサ72に出力する。制御モデル計算プロセッサ761〜76nは、メインエレベータと同じ数だけ設けられ、対応したメインエレベータの認識番号、現在位置、行き先位置、経過時間等のデータ群を有し、メインエレベータ指令プロセッサ73からの指示によりデータ群の更新を行う。そして、その更新したデータ群を統括管理プロセッサ78に出力する。制御モデル計算プロセッサ771〜77mは、サブエレベータと同じ数だけ設けられ、対応したサブエレベータの認識番号、現在位置、行き先位置、経過時間等のデータ群を有し、サブエレベータ指令プロセッサ74からの指示によりデータ群の更新を行う。そして、その更新したデータ群を統括管理プロセッサ78に出力する。
【0018】
統括管理プロセッサ78は、制御モデル計算プロセッサ761〜76n、771〜77mからのデータ群によりエレベータシステム全体の状況を把握し、各メインエレベータおよびサブエレベータの位置情報を制御パラメータ管理プロセッサ75に出力する。パラメータ入力装置79は、移動指令、速度条件、メインエレベータおよびサブエレベータの数等の制御パラメータを制御パラメータ管理プロセッサ75に出力する。
【0019】
次に、本実施形態の動作について図2を参照して説明する。まず、パラメータ入力装置79により、速度条件、メインエレベータおよびサブエレベータの数等のパラメータが入力され、制御パラメータ管理プロセッサ75に伝達される。
【0020】
制御パラメータ管理プロセッサ75では、パラメータ入力装置79より入力した制御パラメータと、統括管理プロセッサ78より入力した現在のメインエレベータおよびサブエレベータの位置情報とを指令管理プロセッサ72に出力する。指令管理プロセッサ72では、移動指令を入力すると現在のメインエレベータおよびサブエレベータの位置情報を考慮し、その移動指令に対する経路を決定しその指示を出力する。ここで、メインエレベータとサブエレベータの両方を移動させる場合、メインエレベータ指令プロセッサ73とサブエレベータ指令プロセッサ74の両方に指示が出される。そして、メインエレベータ指令プロセッサ73では、指令管理プロセッサ72からのメインエレベータに対する指示を入力し、その指示を実行するためのメインエレベータを選択し、制御モデル計算プロセッサ761〜76nのうちの選択したメインエレベータに対応する制御モデル計算プロセッサに指示を伝達する。
【0021】
また、サブエレベータ指令プロセッサ74では、指令管理プロセッサ72からのサブンエレベータに対する指示を入力し、その指示を実行するためのサブエレベータを選択し、制御モデル計算プロセッサ771〜77mのうちの選択したサブエレベータに対応する制御モデル計算プロセッサに指示を伝達する。そして、制御モデル計算プロセッサ761〜76nのうちのメインエレベータ指令プロセッサ73により選択された制御モデルプロセッサでは、メインエレベータ指令プロセッサ73からの指示によりデータ群の更新を行う。そして、そのデータ群を統括管理プロセッサ78に出力する。また、制御モデル計算プロセッサ771〜77mのうちのサブエレベータ指令プロセッサ74により選択された制御モデル計算プロセッサでは、サブエレベータ指令プロセッサ74からの指示によりデータ群の更新を行う。そして、そのデータ群を統括管理プロセッサ78に出力する。
【0022】
統括管理プロセッサ78では、制御モデル計算プロセッサ761〜76n、771〜77mからのデータ群によりエレベータシステム全体の状況を把握し、各メインエレベータおよびサブエレベータの位置情報を制御パラメータ管理プロセッサ75に出力する。上記の処理が繰り返されることにより各エレベータの制御は行われる。本実施形態において、エレベータが効率的に動作しているかどうかは各エレベータに移動指令が設定されてから移動完了するまでの時間をカウントし、その平均時間を計算することにより評価される。そのため、パラメータ入力装置79により制御パラメータを変更し、平均時間が最も短くなるような制御パラメータを求めることにより最適なエレベータシステムの設計を行うことができる。
【0023】
本実施形態では、エレベータの動作をシミュレートする各制御モデル計算プロセッサ761〜76n、771〜77mは並列処理計算機により構成されているので、個々のシミュレーションの計算は極めて単純化され、シミュレーションを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】エレベータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のエレベータシステムのシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0025】
51〜54 シャフト
56〜59 メインエレベータ
61〜68 サブエレベータ
71 シミュレーション装置
72 指令管理プロセッサ
73 メインエレベータ指令プロセッサ
74 サブエレベータ指令プロセッサ
75 制御パラメータ管理プロセッサ
761〜76n 制御モデル計算プロセッサ
771〜77m 制御モデル計算プロセッサ
78 統括管理プロセッサ
79 パラメータ入力装置
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成19年8月27日(2007.8.27)
【代理人】 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫

【識別番号】100106138
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 政幸

【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭


【公開番号】 特開2008−7330(P2008−7330A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−219815(P2007−219815)