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【発明の名称】 車両パネル構造体
【発明者】 【氏名】麻生 和夫

【要約】 【課題】裾絞り部を有する車両において、車両の剛性を十分に確保することができる車両パネル構造体を提供する。

【解決手段】車両パネル構造体1では、裾絞り部Sの形成方向と交差して配置される縦骨を直接曲げ加工するのではなく、第1の縦骨3と第2の縦骨4との間に、裾絞り部Sの形成方向に沿って横骨5を配置し、横骨5のチャンネル部30を裾絞り部Sの湾曲形状に沿って変形させている。したがって、この車両パネル構造体1では、裾絞り部Sを挟む外板2の上側の平面部2a及び他側の平面部2bに第1の縦骨3及び第2の縦骨4を精度良く沿わせつつ、裾絞り部Sに横骨5を精度良く沿わせることができる。これにより、レーザ溶接を行う際の外板2と各骨部材3,4,5との密着性が高められ、その接合強度を確保できるので、鉄道車両の剛性を十分に確保することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内側に向かって湾曲する裾絞り部が前記車両の長手方向に沿って形成された外板と、
前記裾絞り部の形成方向と交差して配置され、前記裾絞り部を挟む前記外板の一側の平面部に沿って設けられる第1の補強部材と、
前記第1の補強部材と対向して配置され、前記裾絞り部を挟む前記外板の他側の平面部に沿って設けられる第2の補強部材と、
前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材の間に配置され、前記裾絞り部の形成方向に沿って設けられる第3の補強部材とを備え、
前記第3の補強部材は、前記一側の平面部と前記他側の平面部とにそれぞれ接合されるフランジ部と、前記フランジ部と前記一側の平面部及び前記他側の平面部との密着が保たれるように、前記裾絞り部の湾曲形状に沿って変形可能なチャンネル部とを有していることを特徴とする車両パネル構造体。
【請求項2】
前記第3の補強部材のチャンネル部の断面形状は、前記フランジ部に向かって裾広がりとなっていることを特徴とする請求項1記載の車両パネル構造体。
【請求項3】
前記第3の補強部材は、前記チャンネル部を複数有し、前記チャンネル部間には、前記裾絞り部に接合される中間接合部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両パネル構造体。
【請求項4】
前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材は、前記車両の内側に向かって突出するチャンネル部を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の車両パネル構造体。
【請求項5】
前記第1の補強部材のチャンネル部、前記第2の補強部材のチャンネル部、及び前記第3の補強部材のチャンネル部を互いに連結する継手部材を更に備えたことを特徴とする請求項4記載の車両パネル構造体。
【請求項6】
前記第1の補強部材における前記裾絞り部側の端部と、前記第2の補強部材における前記裾絞り部側の端部とは、前記第3の補強部材の前記フランジ部にそれぞれ接合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の車両パネル構造体。
【請求項7】
前記第1の補強部材と前記外板との間、及び前記第2の補強部材と前記外板との間には、スペーサ部材がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項6記載の車輌パネル構造体。
【請求項8】
前記第3の補強部材のチャンネル部は、前記車両の長手方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の車両パネル構造体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両を含む車両の構造体に利用される車両パネル構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば鉄道車両構体において、車両の側構体を車両の内側に湾曲させる裾絞り構造を有するものがある(例えば特許文献1参照)。このような裾絞り構造を採用する場合、車両限界を満足させつつ車室内の広さを確保することが可能となり、乗客定員数の確保や車室内の快適性の向上を実現できる。
【特許文献1】特開2005−263125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した裾絞り構造を有する車両の車両パネル構造体では、車両の剛性を十分に確保するため、レーザ溶接などによる接合を行う際に、外板の裾絞り部と補強部材との密着性を確保する必要がある。このため、裾絞り部に対して補強部材を高い精度で沿わせることが要求される。
【0004】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、裾絞り部を有する車両において、車両の剛性を十分に確保することができる車両パネル構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の解決のため、本発明に係る車両パネル構造体は、車両の内側に向かって湾曲する裾絞り部が車両の長手方向に沿って形成された外板と、裾絞り部の形成方向と交差して配置され、裾絞り部を挟む外板の一側の平面部に沿って設けられる第1の補強部材と、第1の補強部材と対向して配置され、裾絞り部を挟む外板の他側の平面部に沿って設けられる第2の補強部材と、第1の補強部材及び第2の補強部材の間に配置され、裾絞り部の形成方向に沿って設けられる第3の補強部材とを備え、第3の補強部材は、一側の平面部と他側の平面部とにそれぞれ接合されるフランジ部と、フランジ部と一側の平面部及び他側の平面部との密着が保たれるように、裾絞り部の湾曲形状に沿って変形可能なチャンネル部とを有していることを特徴としている。
【0006】
この車両パネル構造体では、裾絞り部の形成方向と交差して配置される補強部材を直接曲げ加工するのではなく、第1の補強部材と第2の補強部材との間に、裾絞り部の形成方向に沿って第3の補強部材を配置し、第3の補強部材のチャンネル部を裾絞り部の湾曲形状に沿って変形させている。したがって、この車両パネル構造体では、裾絞り部を挟む外板の一側及び他側の平面部に第1の補強部材及び第2の補強部材を精度良く沿わせつつ、裾絞り部には、第3の補強部材を精度良く沿わせることができる。これにより、例えばレーザ溶接等を行う際の外板と各補強部材との密着性が高められ、その接合強度を確保できるので、車両の剛性を十分に確保することが可能となる。
【0007】
また、第3の補強部材は、チャンネル部を複数有し、チャンネル部間には、裾絞り部に接合される中間接合部が設けられていることが好ましい。この場合、第3の補強部材が裾絞り部に対して沿う領域が大きくなるので、車両の剛性を一層確保できる。
【0008】
また、第1の補強部材及び第2の補強部材は、車両の内側に向かって突出するチャンネル部を有していることが好ましい。この場合、第1の補強部材及び第2の補強部材の強度が増し、車両の剛性を一層確保できる。
【0009】
また、第1の補強部材のチャンネル部、第2の補強部材のチャンネル部、及び第3の補強部材のチャンネル部を互いに連結する継手部材を更に備えたことが好ましい。このような構成によれば、車両の走行時等に発生する捩り力や撓み力などの付加を効率良く逃がすことが可能となる。
【0010】
また、第1の補強部材における裾絞り部側の端部と、第2の補強部材における裾絞り部側の端部とは、第3の補強部材のフランジ部にそれぞれ接合されていることが好ましい。これにより、車両の剛性の更なる向上を実現できる。また、車両の走行時等に発生する捩り力や撓み力などの付加を一層効率良く逃がすことも可能となる。
【0011】
また、第1の補強部材と外板との間、及び第2の補強部材と外板との間には、スペーサ部材がそれぞれ配置されていることが好ましい。この場合、第3の補強部材のフランジ部に第1の補強部材及び第2の補強部材を接合したときであっても、第1の補強部材及び第2の補強部材を外板に密着させることが可能となる。
【0012】
また、第3の補強部材のチャンネル部は、車両の長手方向に沿って延在していることが好ましい。裾絞り部の形成方向に沿って第3の補強部材のチャンネル部を延在させることで、車両の剛性を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車両パネル構造体によれば、裾絞り部を有する車両において、車両の剛性を十分に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る車両パネル構造体の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る車両パネル構造体の一実施形態を示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示す各部材を組み合わせて示す斜視図であり、図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
【0016】
図1〜図3に示すように、車両パネル構造体1は、外板2と、第1の縦骨(第1の補強部材)3と、第2の縦骨(第2の補強部材)4と、横骨(第3の補強部材)5と、スペーサ部材6と、継手部材7とを備え、裾絞り構造が採用された鉄道車両(図示しない)の側構体として構成されている。このような車両の裾絞り構造は、車両限界を満足させつつ車室内の広さを確保することを目的として採用され、乗客定員数の確保や車室内の快適性の向上を実現するための構造である。
【0017】
外板2は、鉄道車両の外壁部分を構成するステンレス鋼材である。外板2の下部には、鉄道車両の内側に向かって湾曲する裾絞り部Sが鉄道車両の長手方向に沿って形成されている。裾絞り部Sの曲率は、例えば1500となっている。
【0018】
第1の縦骨3及び第2の縦骨4は、裾絞り部Sの形成方向と交差して配置される補強部材である。第1の縦骨3及び第2の縦骨4は、例えばステンレス鋼板に曲げ加工を施すことによって断面ハット状に形成されている。第1の縦骨3は、長手方向に延在するチャンネル部10と、チャンネル部10の両脇に延在する一対のフランジ部11,11とを備えている。
【0019】
第1の縦骨3のチャンネル部10は、フランジ部11,11と平行に延在する頂部10aと、フランジ部11,11の内側縁から略直角に突出する一対の立設部10b,10bとによって断面コの字状をなしている。そして、第1の縦骨3は、チャンネル部10が車両の内側に突出するようにして、外板2における裾絞り部Sを挟む上側(一側)の平面部2aに強固に接合されている。
【0020】
また、第2の縦骨4の構成は、第1の縦骨3と同様である。すなわち、第2の縦骨4は、長手方向に延在するチャンネル部20と、チャンネル部20の両脇に延在する一対のフランジ部21,21とを備えている。第2の縦骨4のチャンネル部20は、フランジ部21,21と平行に延在する頂部20aと、フランジ部21,21の内側縁から略直角に突出する一対の立設部20b,20bとによって断面コの字状をなしている。
【0021】
そして、第2の縦骨4は、チャンネル部20が車両の内側に突出するようにして、外板2における裾絞り部Sを挟む下側(他側)の平面部2bに強固に接合されている。このように、第1の縦骨3及び第2の縦骨4は、裾絞り部Sを挟む上側の平面部2a及び下側の平面部2bに沿ってそれぞれ延在し、裾絞り部Sに対応する部分には存在していないようになっている。
【0022】
横骨5は、裾絞り部Sの形成方向に沿って配置される補強部材である。横骨5は、第1の縦骨3及び第2の縦骨4と同様に、例えばステンレス鋼に曲げ加工を施すことによって形成されている。横骨5は、長手方向に延在する複数(本実施形態では2列)のチャンネル部30と、チャンネル部30の両脇に延在する一対のフランジ部31と、チャンネル部30,30間に延在する中間接合部32とを備えている。
【0023】
横骨5のチャンネル部30は、フランジ部31,31と平行に延在する頂部30aと、フランジ部31,31の内側縁から突出する一対の立設部30b,30bとを有している。立設部30b,30bの断面形状は、頂部30aからフランジ部31に向かって裾広がりとなっている。このような立設部30b,30bの構成により、チャンネル部30は、その軸方向から見て頂部30a側に容易に湾曲可能になっている。
【0024】
横骨5は、フランジ部31が、外板2の上側の平面部2a及び下側の平面部2bにそれぞれ密着し、かつ中間接合部32が外板2の裾絞り部Sに密着した状態で、外板2の内側に強固に接合されている。なお、横骨5は、鉄道車両の長手方向に沿って延在していることが鉄道車両の剛性上好ましいが、例えばドア等の構造物が設けられる部分には、第1の縦骨3及び第2の縦骨4の幅よりも長い程度の長さのものを用いてもよい。
【0025】
スペーサ部材6は、第1の縦骨3と外板2の上側の平面部2aとの間、及び第2の縦骨4と外板2の下側の平面部2bとの間にそれぞれ配置される部材である。スペーサ部材6は、例えば第1の縦骨3及び第2の縦骨4の形状に合わせて板状に形成され、その厚さは、横骨5のフランジ部31の厚さと同等となっている。
【0026】
継手部材7は、第1の縦骨3のチャンネル部10、第2の縦骨4のチャンネル部20、及び横骨5のチャンネル部30を互いに連結する部材である。継手部材7は、例えば第1の縦骨3及び第2の縦骨4の配置方向に沿って縦長となるような扁平な八角形状をなし、裾絞り部Sの湾曲形状に沿うように曲げ加工が施されている。これにより、継手部材7は、第1の縦骨3のチャンネル部10の頂部10a、第2の縦骨4のチャンネル部20の頂部20a、及び横骨5のチャンネル部30の頂部30aに密着し、それぞれの部材に強固に接合されている。
【0027】
次に、上述した各部材を用いた車両パネル構造体1の組み立て方法について説明する。
【0028】
まず、外板2を用意し、外板2の下部を鉄道車両の内側となる側に向かって湾曲させる。これにより、外板2において鉄道車両の長手方向に沿う裾絞り部Sを形成する。裾絞り部Sの形成の後、横骨5を用意し、裾絞り部Sの湾曲形状に沿うように、横骨5のチャンネル部30をその軸方向から見て頂部30a側に湾曲させる。このとき、チャンネル部30の立設部30b,30bの断面形状は、頂部30aからフランジ部31に向かって裾広がりとなっているため、チャンネル部30の頂部30a側への湾曲は容易であり、裾絞り部Sの湾曲形状に対して横骨5の湾曲形状を精度良く合わせることができる。
【0029】
次に、湾曲させた横骨5を外板2の内側に配置し、外板2の裾絞り部Sを挟む上側の平面部2aと下側の平面部2bとに横骨5のフランジ部31,31をそれぞれ密着させ、更に、横骨5の中間接合部32を裾絞り部Sに密着させる。そして、横骨5のフランジ部31及び中間接合部32の長手方向に沿ってレーザ溶接を行うことにより、横骨5と外板2とを強固に接合させる。
【0030】
横骨5の接合が完了した後、裾絞り部Sの形成方向に直交するように、第1の縦骨3を外板2の上側の平面部2aに配置する。また、横骨5を挟んで第1の縦骨3と対向するように、第2の縦骨4を外板の下側の平面部2bに配置する。さらに、第1の縦骨3における裾絞り部S側の端部3a、及び第2の縦骨4における裾絞り部S側の端部4aを、横骨5のフランジ部31に重ね合わせる。
【0031】
このとき、第1の縦骨3における裾絞り部Sの端部3aを横骨5のフランジ部31に接合したときに第1の縦骨3と外板2との間に形成される隙間、及び第2の縦骨4における裾絞り部Sの端部4aを横骨5のフランジ部31に接合したときに第2の縦骨4と外板2との間に形成される隙間には、それぞれスペーサ部材6を配置する。
【0032】
これにより、横骨5のフランジ部31によって生じる段差を吸収することができる。そして、第1の縦骨3のフランジ部11及び第2の縦骨4のフランジ部21の長手方向に沿ってレーザ溶接を行うことにより、第1の縦骨3と外板2、及び第2の縦骨4と外板2とを強固に接合させる。
【0033】
最後に、継手部材7を用意し、この継手部材7を裾絞り部Sの湾曲形状に沿うように湾曲させた後、第1の縦骨3のチャンネル部10の頂部10a、第2の縦骨4のチャンネル部20の頂部20a、及び横骨5のチャンネル部30の頂部30aにそれぞれ密着させる。そして、継手部材7と各頂部10a,20a,30aとの密着部分にレーザ溶接を行うことにより、第1の縦骨3、第2の縦骨4、及び横骨5を継手部材7によって連結させると、図1〜図3に示した車両パネル構造体1が完成する。
【0034】
以上説明したように、車両パネル構造体1では、裾絞り部Sの形成方向と交差して配置される縦骨を直接曲げ加工するのではなく、第1の縦骨3と第2の縦骨4との間に、裾絞り部Sの形成方向に沿って横骨5を配置し、横骨5のチャンネル部30を裾絞り部Sの湾曲形状に沿って変形させている。ここで、横骨5におけるチャンネル部30の立設部30b,30bの断面形状は、頂部30aからフランジ部31に向かって裾広がりとなっている。
【0035】
そのため、横骨5のチャンネル部30は、その軸方向から見て頂部30a側に容易に湾曲可能になっている。このような構成により、横骨5を裾絞り部Sの湾曲形状に沿って精度良く湾曲させることができ、横骨5の接合にあたって、そのフランジ部31を外板2の上側の平面部2a及び下側の平面部2bにそれぞれ密着させ、かつ中間接合部32を外板2の裾絞り部Sに密着させることが可能となっている。
【0036】
したがって、この車両パネル構造体1では、裾絞り部Sを挟む外板2の上側の平面部2a及び他側の平面部2bに第1の縦骨3及び第2の縦骨4を精度良く沿わせつつ、裾絞り部Sに横骨5を精度良く沿わせることができる。これにより、レーザ溶接を行う際の外板2と各骨部材3,4,5との密着性が高められ、その接合強度を確保できるので、鉄道車両の剛性を十分に確保することが可能となる。
【0037】
また、車両パネル構造体1では、第1の縦骨3における裾絞り部S側の端部3aと、第2の縦骨4における裾絞り部S側の端部4aとは、横骨5のフランジ部31にそれぞれ接合されており、第1の縦骨3のチャンネル部10、第2の縦骨4のチャンネル部20、及び横骨5のチャンネル部30は、継手部材7によって互いに連結されている。これにより、各部材の接合強度が増して鉄道車両の剛性の更なる向上が図られるほか、鉄道車両の走行時等に発生する捩り力や撓み力などの付加を効率良く逃がすことができる。
【0038】
さらに、車両パネル構造体1では、第1の縦骨3と外板2との間、及び第2の縦骨4と外板2との間にスペーサ部材6をそれぞれ配置している。これにより、第1の縦骨3の端部3a及び第2の縦骨4の端部4aを横骨5のフランジ部31に重ね合わせたことによって生じる段差を吸収することができ、第1の縦骨3及び第2の縦骨4を強固に外板2に接合することができる。
【0039】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、第1の縦骨3の端部3a及び第2の縦骨4の端部4aを横骨5のフランジ部31に重ね合わせたことによって生じる段差をスペーサ部材6で吸収しているが、図4に示すように、第1の縦骨3の端部3a及び第2の縦骨4の端部4aに対応するフランジ部11,21の外板2側に背切り部15,25をそれぞれ設け、この背切り部15,25を横骨5のフランジ部31に重ね合わせることによって段差の吸収を図ることもできる。この場合、スペーサ部材6が不要となり、車両パネル構造体1の部品点数を削減できる。その結果、車両パネル構造体1の組み立てに要する工数の削減と軽量化とが図られる。
【0040】
また、第1の縦骨3の端部3a及び第2の縦骨4の端部4aは、必ずしも横骨5のフランジ部31に重ね合わせる必要はない。すなわち、図5に示すように、第1の縦骨3の端部3a及び第2の縦骨4の端部4aを横骨5のフランジ部31の手前で外板2の上側の平面部2a及び下側の平面部2bに直接接合し、第1の縦骨3、第2の縦骨4、及び横骨5を継手部材7のみで繋ぐようにしてもよい。
【0041】
さらには、第1の縦骨3及び第2の縦骨4として断面ハット状のステンレス鋼材を用いているが、一方のフランジ部及び一方の立設部を有しない断面Z状のものを用いてもよい。横骨5に設けるチャンネル部30の数は、裾絞り部Sの曲率などに応じて適宜変更してもよい。レーザ溶接の代わりに、例えば摩擦攪拌接合・スポット溶接などの他の溶接方法を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る車両パネル構造体の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す各部材を組み合わせて示す斜視図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】変形例に係る車両パネル構造体の断面図である。
【図5】別の変形例に係る車両パネル構造体の断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…車両パネル構造体、2…外板、2a…上側の平面部(一側の平面部)、2b…下側の平面部(他側の平面部)、3…第1の縦骨(第1の補強部材)、3a…端部、4…第2の縦骨(第2の補強部材)、4a…端部、5…横骨(第3の補強部材)、6…スペーサ部材、7…継手部材、10…第1の縦骨のチャンネル部、20…第2の縦骨のチャンネル部、30…横骨のチャンネル部、31…横骨のフランジ部、32…中間接合部、S…裾絞り部。
【出願人】 【識別番号】000003377
【氏名又は名称】東急車輛製造株式会社
【出願日】 平成19年2月7日(2007.2.7)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光


【公開番号】 特開2008−189265(P2008−189265A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−28439(P2007−28439)