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鉄道車両 - 特開2008−44407 | j-tokkyo
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【発明の名称】 鉄道車両
【発明者】 【氏名】長谷 政樹

【氏名】栗田 英樹

【要約】 【課題】台車や床下機器から座席へ伝えられる振動を、より効率的に減衰することができる鉄道車両を提供すること。

【構成】鉄道車両1によれば、台車や床下機器から内装床板5上に載置される座席4へ伝えられる振動を防振部材8によって減衰することができる。更に、防振部材8は、座席4の脚部4aと対応する位置において内装床板5と床受け部材7との間に介設されているので、座席4自体の荷重や座席4に腰掛ける乗客の荷重を防振部材8の直上で支持することができる。よって、振動の内装床板5への伝播が小さくなり、台車や床下機器から座席4へ伝えられる振動を、より効率的に減衰することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両構体の構体床板と、その構体床板に立設される床受け部材と、その床受け部材によって前記構体床板に支持される内装床板と、その内装床板と前記床受け部材との間に介設されると共に弾性体から構成される防振部材と、前記内装床板上に載置されその内装床板に固定される脚部を有する座席とを備えた鉄道車両において、
前記防振部材は、前記座席の脚部と対応する位置において前記内装床板と前記床受け部材との間に介設されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
前記防振部材を複数備え、
それら複数の防振部材が、前記座席の1の脚部と対応する位置において前記内装床板と前記床受け部材との間に点在して介設されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両。
【請求項3】
前記床受け部材と前記内装床板との間に介設される梁部材を備え、
その梁部材と前記内装床板との間に前記防振部材が介設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両。
【請求項4】
前記防振部材は、
互いに対向する面として構成される一対の固定面を有すると共に弾性変形する弾性部と、
その弾性部の一対の固定面にそれぞれ接着される一対の取付座とを備え、
その一対の取付座の内の一方の取付座は、前記内装床板に固定される第1固定部を備える一方、前記一対の取付座の内の他方の取付座は、前記床受け部材または前記梁部材に固定される第2固定部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に関し、特に、台車や床下機器から座席へ伝えられる振動を、より効率的に減衰することができる鉄道車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の鉄道車両では、乗客へのサービスの一環として快適な客室空間の提供が挙げられる。快適な客室空間を実現するうえで客室空間の振動低減は主要課題の一つであり、特に、台車や床下機器から伝えられる振動に対しては、車両構体の床構造での対応が重要視されている。
【0003】
そこで、客室空間の振動低減を図るため、例えば、特開2000−247228号公報には、車両構体1の構体床板2に立設された床受け部材11に防振部材16を取り付け、その防振部材16に内装床板4を載置して、構体床板2から内装床板4へ伝えられる振動を防振部材16によって減衰する二重床構造、いわゆる浮き床構造が開示されている。
【特許文献1】特開2000−247228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来の浮き床構造では、一般に、防振部材を車両構体の前後長さ方向へ延設すると共に車両構体の幅方向に複数配置して、内装床板上に載置される座席の荷重を防振部材によって支持する構成であった。しかしながら、かかる構成における浮き床構造では、台車や床下機器から座席へ伝えられる振動を十分に低減することができないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、台車や床下機器から座席へ伝えられる振動を、より効率的に減衰することができる鉄道車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を解決するために請求項1記載の鉄道車両は、車両構体の構体床板と、その構体床板に立設される床受け部材と、その床受け部材によって前記構体床板に支持される内装床板と、その内装床板と前記床受け部材との間に介設されると共に弾性体から構成される防振部材と、前記内装床板上に載置されその内装床板に固定される脚部を有する座席とを備え、前記防振部材は、前記座席の脚部と対応する位置において前記内装床板と前記床受け部材との間に介設されている。
【0007】
請求項2記載の鉄道車両は、請求項1記載の鉄道車両において、前記防振部材を複数備え、それら複数の防振部材が、前記座席の1の脚部と対応する位置において前記内装床板と前記床受け部材との間に点在して介設されている。
【0008】
請求項3記載の鉄道車両は、請求項1又は2に記載の鉄道車両において、前記床受け部材と前記内装床板との間に介設される梁部材を備え、その梁部材と前記内装床板との間に前記防振部材が介設されている。
【0009】
請求項4記載の鉄道車両は、請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両において、前記防振部材は、互いに対向する面として構成される一対の固定面を有すると共に弾性変形する弾性部と、その弾性部の一対の固定面にそれぞれ接着される一対の取付座とを備え、その一対の取付座の内の一方の取付座は、前記内装床板に固定される第1固定部を備える一方、前記一対の取付座の内の他方の取付座は、前記床受け部材または前記梁部材に固定される第2固定部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の鉄道車両によれば、内装床板は、床受け部材によって車両構体の構体床板に支持され、その内装床板上には、座席が載置されている。また、内装床板と床受け部材との間には、弾性体から構成される防振部材が介設されている。よって、車両構体に配設される台車や床下機器から発生し構体床板を介して内装床板へ伝えられる振動を防振部材によって減衰することができる。その結果、台車や床下機器から内装床板上に載置される座席へ伝えられる振動を減衰することができる。
【0011】
更に、本発明における鉄道車両では、防振部材は、座席の脚部と対応する位置において内装床板と床受け部材との間に介設されているので、座席自体の荷重や座席に腰掛ける乗客の荷重を防振部材の直上で支持することができる。よって、振動の内装床板への伝播が小さくなり、台車や床下機器から座席へ伝えられる振動を、より効率的に減衰することができるという効果がある。
【0012】
請求項2記載の鉄道車両によれば、請求項1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、防振部材を複数備えると共に、それら複数の防振部材が、座席の1の脚部と対応する位置において内装床板と床受け部材との間に点在して介設されているので、座席の1の脚部に対し、その脚部と対応する部分の内装床板を複数の防振部材によって支持することができる。よって、座席の1の脚部に対し、その脚部と対応する部分全体を1の防振部材で支持する場合と比較して、防振部材の支持面積を小さくすることができる。従って、防振部材に付与される荷重が大きくなり、防振部材の弾性変形が大きくなるので、防振部材による振動の減衰効果を高めることができるという効果がある。
【0013】
請求項3記載の鉄道車両によれば、請求項1又は2に記載の鉄道車両の奏する効果に加え、床受け部材と内装床板との間に介設される梁部材を備えると共に、その梁部材と内装床板との間に防振部材が介設されているので、防振部材を座席の脚部と対応する位置に配置する場合でも、防振部材を床受け部材に直接配設する必要がなく、構体床板に対する床受け部材の立設位置を自由に設定することができる。よって、例えば内装床板と構体床板との間に空調用のダクトを設ける場合でも、ダクトの寸法やダクトの配置を変更することなく、防振部材を座席の脚部と対応する位置に配置することができるという効果がある。
【0014】
請求項4記載の鉄道車両によれば、請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、防振部材は、弾性部の一対の固定面にそれぞれ接着される一対の取付座を備え、その一対の取付座の内の一方の取付座に設けられる第1固定部によって内装床板に固定されるので、内装床板に対する防振部材の位置ずれを防止することができると共に、一対の取付座の内の他方の取付座に設けられる第2固定部によって床受け部材または梁部材に固定されるので、床受け部材または梁部材に対する防振部材の位置ずれを防止することができる。
【0015】
ここで、防振部材が取付座を備えていない場合には、例えばボルト等の締結部材を防振部材の弾性部に直接ねじ込んだり、内装床板、床受け部材または梁部材といった相手部材に凹状の窪みを設けその窪みに防振部材を収納したりすることで、相手部材に対する防振部材の位置ずれを防止する必要があった。しかしながら、締結部材を防振部材の弾性部に直接ねじ込んで位置ずれを防止する場合には、締結部材によって防振部材の弾性部が拘束されるので、防振部材が弾性変形し難くなる。また、相手部材の窪みに防振部材を収納して位置ずれを防止する場合には、窪みによって防振部材の弾性部が拘束されるので、防振部材が弾性変形し難くなる。その結果、防振部材による振動の減衰効果が低下する。
【0016】
これに対し、本発明の鉄道車両における防振部材は、一対の取付座が弾性部にそれぞれ接着され、その一対の取付座の内の一方の取付座に設けられる第1固定部が内装床板に固定される一方、一対の取付座の内の他方の取付座に設けられる第2固定部が床受け部材または梁部材に固定されるので、防振部材の弾性変形が阻害されることなく、防振部材による振動の減衰効果を十分に発揮できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における鉄道車両1を部分的に示した斜視図である。また、図2(a)は、図1のIIa−IIa線における鉄道車両1の断面図であり、図2(b)は、図1のIIb−IIb線における鉄道車両1の断面図であり、図2(c)は、防振部材8の斜視図である。なお、図1では、鉄道車両1の前後両長さ方向の図示と座席4の一部の図示とがそれぞれ省略されていると共に、内装床板5が透視され図示されている。また、図2(a)及び図2(b)では、座席4の一部の図示が省略されている。
【0018】
まず、図1を参照して、鉄道車両1の概略構成について説明する。鉄道車両1は、道床に敷設されたレール上を走行する新幹線車両であり、走行装置としての台車(図示せず)上に車両構体2が載置されている。なお、本実施形態における鉄道車両1は、1の車両構体2が2台の台車上に載置されると共に、複数の車両構体2が連結され構成されている。
【0019】
車両構体2は、その最下部に位置する略矩形枠状の台枠3と、その台枠3上に載置され鉄道車両1の天井および側壁を形成する外形枠(図示せず)とを主に備えて構成されている。この車両構体2の台枠3上には、後述する床構造を介して座席4が配設されている。座席4は、乗客が腰掛けるためのものであり、左右一対の脚部4aによって、車両構体2の床構造を構成する内装床板5上に固定されている。なお、本実施形態における鉄道車両1では、その幅方向に2列の座席4が配設されている。
【0020】
次に、図2を参照して、鉄道車両1における車両構体2の床構造について説明する。ここで、車両構体2の床構造の説明においては、図3を適宜参照して説明する。図3は、座席4を内装床板5上に配設した状態を示す鉄道車両1の上面図である。なお、図3では、理解を容易とするため、座席4の脚部4aと内装床板5と床受け部材7と防振部材8とのみが図示されていると共に、防振部材8が模式的に図示され、鉄道車両1の前後両長さ方向の図示が省略されている。
【0021】
台枠3は、鉄道車両1の前後長さ方向(図2(a)紙面表裏方向、図2(b)左右方向)に延設される一対の側梁3aと、その一対の側梁3aを鉄道車両1の幅方向(図2(a)左右方向、図2(b)紙面表裏方向)に連結すると共に台車に固定される横梁3bとを主に備えて構成されている。また、図2(a)に示すように、一対の側梁3aは、互いの側梁3a側へ突出する張出部3a1を備え、その張出部3a1には、構体床板6が配設されている。
【0022】
構体床板6は、車両構体2内の気密を保つための気密床であり、その構体床板6上には、内装床板5を構体床板6上に支持するために合計4条の床受け部材7が立設されている(図3参照)。床受け部材7は、断面逆L字状に構成され、構体床板6の前後長さ方向(図2(a)紙面表裏方向、図2(b)左右方向)にそれぞれ延設されると共に、構体床板6の幅方向(図2(a)左右方向、図2(b)紙面表裏方向)において内装床板5上に配設される座席4の脚部4aと対応する位置にそれぞれ配置されている。つまり、本実施形態における鉄道車両1では、鉄道車両1の幅方向に2列の座席4が配設されているので、4条の床受け部材7は、構体床板6の幅方向において2列の座席4の左右各一対の脚部4a、即ち、合計4個の脚部4aとそれぞれ対応する位置に配置されている(図3参照)。また、その床受け部材7上には、複数の防振部材8が配設され(図3参照)、それら複数の防振部材8上に内装床板5が載置されている。
【0023】
防振部材8は、車両構体2の床下から内装床板5へ伝えられる振動を減衰するためのものであり、内装床板5上に配設される座席4の脚部4aと対応する位置において内装床板5と床受け部材7との間に点在して介設されている。具体的には、図2(a)に示すように、防振部材8は、内装床板5の幅方向(図2(a)左右方向)において、1の座席4の左右一対の脚部4aに対し、その左右一対の脚部4aとそれぞれ対応する位置に配置されている。また、図2(b)に示すように、内装床板5の前後長さ方向(図2(b)左右方向)において、座席4の1の脚部4aに対し、その脚部4aの前方側(図2(b)左側)及び後方側(図2(b)右側)の2箇所に、2個の防振部材8がそれぞれ配置されている。つまり、図3に示すように、1の座席4に対し、その座席4の左右一対の脚部4aに各2個、即ち、合計4個の防振部材8がそれぞれ配置され、1の車両構体2に対し、その車両構体2に設けられる座席4の数およびそれら座席4の脚部4aとそれぞれ対応する位置に、複数の防振部材8が配置されている。
【0024】
ここで、上述したように、4条の床受け部材7は、構体床板6の幅方向において座席4の脚部4aと対応する位置に配置されているので、防振部材8を床受け部材7上に配設することにより、容易に防振部材8を座席4の脚部4aと対応する位置に配置することができる。よって、鉄道車両1の床構造が複雑化することなく、鉄道車両1の製造コストや組立コストの低減を図ることができる。
【0025】
図2に戻って防振部材8の詳細構成について説明する。図2(c)に示すように、防振部材8は、ゴム状弾性体から略円柱状に構成され互いに対向する面として構成される一対の固定面8a1を有すると共に弾性変形する弾性部8aを備えている。また、その弾性部8aの一対の固定面8a1には、金属材料から略円板状に構成される一対の取付座9,10がそれぞれ加硫接着されている。取付座9は、防振部材8を内装床板5に固定するためのものであり、外周面におねじ(図示せず)が螺刻された軸状のねじ部9aを備えている。防振部材8を内装床板5に固定する場合には、図2(a)及び図2(b)に示すように、取付座9のねじ部9aを内装床板5に穿設された挿通孔(図示せず)及び座席4の脚部4aに穿設された挿通孔(図示せず)にそれぞれ挿通すると共に、そのねじ部9aのおねじと対応するナット50をねじ部9aに螺合して、内装床板5と座席4とを同時に締結する。これにより、防振部材8が内装床板5に固定され、防振部材8の内装床板5に対する位置ずれを防止することができる。
【0026】
一方、取付座10は、防振部材8を床受け部材7に固定するためのものであり、ボルト60を挿通するための2個の挿通孔10aを備えている。防振部材8を床受け部材7に固定する場合には、図2(b)に示すように、取付座10の2個の挿通孔10aに2個のボルト60をそれぞれ挿通して、それらボルト60と対応するめねじが螺刻された床受け部材7のねじ部(図示せず)に螺合する。これにより、防振部材8が床受け部材7に固定され、防振部材8の床受け部材7に対する位置ずれを防止することができる。
【0027】
ここで、防振部材8が取付座9,10を備えていない場合には、例えばボルト等の締結部材を防振部材8の弾性部に直接ねじ込んだり、内装床板5や床受け部材7に凹状の窪みを設けその窪みに防振部材8を収納したりすることで、防振部材8の位置ずれを防止する必要があった。しかしながら、締結部材を防振部材8の弾性部に直接ねじ込んで位置ずれを防止する場合には、締結部材によって防振部材8の弾性部が拘束されるので、防振部材8が弾性変形し難くなる。また、内装床板5や床受け部材7の窪みに防振部材8を収納して位置ずれを防止する場合には、窪みによって防振部材8の弾性部が拘束されるので、防振部材8が弾性変形し難くなる。その結果、防振部材8による振動の減衰効果が低下する。
【0028】
これに対し、本実施形態の鉄道車両1における防振部材8は、一対の取付座9,10が弾性部8aにそれぞれ加硫接着され、その取付座9に設けられるねじ部9aが内装床板5に固定される一方、取付座10に設けられる挿通孔10aが床受け部材7に固定されるので、防振部材8の弾性変形が阻害されることなく、防振部材8による振動の減衰効果を十分に発揮できる。
【0029】
次に、図4を参照して、上述のように構成される鉄道車両1を用いて行った振動試験について説明する。図4は、振動試験の試験結果を示すグラフである。振動試験は、台枠3の横梁3bに電磁加振器(図示せず)を取り付け、その電磁加振器によって車両構体2の床下から周波数を連続的に変化させつつ振動を加えることで、内装床板5上に配設される座席4の振動を測定する試験である。なお、図4に図示される試験結果は、内装床板5上に配設される複数の座席4に対し、それら複数の座席4の各座席4における測定値の平均値である。
【0030】
また、振動試験には、本実施形態で説明した鉄道車両1(以下、「本発明車両」と称す。)と、防振部材が車両構体2の前後長さ方向へ延設されると共に車両構体2の幅方向において座席4の脚部4aの位置と無関係に等間隔で配置されている鉄道車両(以下、「従来車両」と称す。)とを用いて行った。なお、本発明車両および従来車両は、どちらも同一硬度(硬度50度)の防振部材を施工した。
【0031】
図4に図示される試験結果において、実線で図示される折れ線グラフが本発明車両の試験結果であり、破線で図示される折れ線グラフが従来車両の試験結果である。振動試験の結果によれば、従来車両と比較して本発明車両の方が50Hz以上の周波数領域における振動レベルが低くなっており、車両構体2の床下から座席4へ伝えられる振動の低振動化を実現できたことを理解できる。
【0032】
上述したように、本実施形態における鉄道車両1によれば、内装床板5は、床受け部材7によって構体床板6に支持され、その内装床板5上には、座席4が載置されている。また、内装床板5と床受け部材7との間には、ゴム状弾性体から構成される防振部材8が介設されている。よって、台枠3の横梁3bに配設される台車や床下機器から発生し構体床板6を介して内装床板5へ伝えられる振動を防振部材8によって減衰することができる。その結果、台車や床下機器から内装床板5上に載置される座席4へ伝えられる振動を減衰することができる。
【0033】
更に、防振部材8は、座席4の脚部4aと対応する位置において内装床板5と床受け部材7との間に介設されているので、座席4自体の荷重や座席4に腰掛ける乗客の荷重を防振部材8の直上で支持することができる。よって、振動の内装床板5への伝播が小さくなり、台車や床下機器から座席4へ伝えられる振動を、より効率的に減衰することができる。
【0034】
また、防振部材8は、座席4の1の脚部4aと対応する位置において内装床板5と床受け部材7との間に点在して介設されているので、座席4の1の脚部4aに対し、その脚部4aと対応する部分の内装床板5を複数の防振部材8によって支持することができる。よって、座席4の1の脚部4aに対し、その脚部4aと対応する部分全体を1の防振部材8で支持する場合と比較して、防振部材8の支持面積を小さくすることができる。従って、防振部材8に付与される荷重が大きくなり、防振部材8の弾性変形が大きくなるので、防振部材8による振動の減衰効果を高めることができる。
【0035】
次に、図5を参照して、第2実施形態における鉄道車両101について説明する。第1実施形態における鉄道車両1では、防振部材8が床受け部材7上に配設される場合を説明したが、第2実施形態における鉄道車両101では、防振部材8を梁部材11上に配設する。なお、第1実施形態における鉄道車両1と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図5は、第2実施形態における鉄道車両101を部分的に示した斜視図である。なお、図5では、鉄道車両101の前後両長さ方向の図示と座席4の一部の図示とがそれぞれ省略されていると共に、内装床板5が透視され図示されている。
【0037】
第2実施形態における鉄道車両101は、内装床板5と構体床板6との間にダクト70を備えている。ダクト70は、客室空間内の換気や排気を行うための空気の通路となる導管であり、構体床板6の前後長さ方向に延設され、構体床板6の幅方向において内装床板5上に配設される座席4の脚部4aの位置と重なる位置に配置されている。これに伴い、構体床板6上に立設される4条の床受け部材7は、構体床板6の幅方向においてダクト70と干渉しない位置、即ち、座席4の脚部4aの位置とずれた位置にそれぞれ配置されている。
【0038】
床受け部材7上には、梁部材11がボルト(図示せず)によって固定されている。梁部材11は、角柱状に構成され、4条の床受け部材7上に掛け渡されると共に、床受け部材7の延設方向において内装床板5上に配設される座席4の脚部4aと対応する位置に配置されている。具体的には、内装床板5の前後長さ方向において、座席4の脚部4aに対し、その脚部4aの前方側および後方側の2箇所に、2本の梁部材11がそれぞれ配置されている。また、その梁部材11上には、座席4の脚部4aの数と対応する数(本実施形態における鉄道車両101では4個)の防振部材8が、内装床板5上に配設される座席4の脚部4aと対応する位置にそれぞれ配設され、それら複数の防振部材8上に内装床板5が載置されている。
【0039】
ここで、上述したように、梁部材11は、床受け部材7の延設方向において座席4の脚部4aと対応する位置に配置されているので、防振部材8を梁部材11上に配設することにより、容易に防振部材8を座席4の脚部4aと対応する位置に配置することができる。よって、鉄道車両101の床構造が複雑化することなく、鉄道車両101の製造コストや組立コストの低減を図ることができる。
【0040】
上述したように、本実施形態における鉄道車両101によれば、床受け部材7と内装床板5との間に介設される梁部材11を備えると共に、その梁部材11と内装床板5との間に防振部材8が介設されているので、防振部材8を座席4の脚部4aと対応する位置に配置する場合でも、防振部材8を床受け部材7に直接配設する必要がなく、構体床板6に対する床受け部材7の立設位置を自由に設定することができる。よって、内装床板5と構体床板6との間にダクト70を設ける場合でも、ダクト70の寸法やダクト70の配置を変更することなく、防振部材8を座席4の脚部4aと対応する位置に配置することができる。
【0041】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0042】
例えば、上記各実施形態では、台車や床下機器の位置と対応する部分のみならず車両構体2の全域において座席4の脚部4aと対応する位置に防振部材8を配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、台車の位置と対応する部分のみ、或いは、床下機器の位置と対応する部分のみ、座席4の脚部4aと対応する位置に防振部材8を配置しても良い。
【0043】
また、上記各実施形態では、床受け部材7を構体床板6の前後長さ方向に延設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、座席4の脚部4aと対応する位置にのみ床受け部材7を断続的に配設しても良い。これにより、鉄道車両1,101の車重を低減することができる。
【0044】
また、上記各実施形態では、座席4の1の脚部4aに対し、2個の防振部材8を配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、3個、或いは、それ以上の個数の防振部材8を配設しても良い。
【0045】
また、上記各実施形態では、防振部材8が略円柱状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、角柱状、或いは、軸線に対して非対称な形状で構成しても良い。
【0046】
また、上記第2実施形態では、梁部材11が角柱状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、板状に構成しても良い。この場合には、梁部材11を座席4の脚部4aと対応する位置に配置する必要がないので、鉄道車両1の組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1実施形態における鉄道車両を部分的に示した斜視図である。
【図2】(a)は、図1のIIa−IIa線における鉄道車両の断面図であり、(b)は、図1のIIb−IIb線における鉄道車両の断面図であり、(c)は、防振部材の斜視図である。
【図3】座席を内装床板上に配設した状態を示す鉄道車両の上面図である。
【図4】振動試験の試験結果を示すグラフである。
【図5】第2実施形態における鉄道車両を部分的に示した斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1,101 鉄道車両
2 車両構体
4 座席
4a 脚部
5 内装床板
6 構体床板
7 床受け部材
8 防振部材
8a 弾性部
8a1 一対の固定面
9 取付座
9a ねじ部(第1固定部)
10 取付座
10a 挿通部(第2固定部)
11 梁部材
【出願人】 【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー

【識別番号】100103045
【弁理士】
【氏名又は名称】兼子 直久

【識別番号】100127605
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 愛

【識別番号】100129447
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 努


【公開番号】 特開2008−44407(P2008−44407A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−218861(P2006−218861)