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【発明の名称】 運送車両の荷台装置
【発明者】 【氏名】上田 保典

【氏名】藤原 誠

【要約】 【課題】荷台スペースを犠牲にすることなくスロープ用駆動機構を必要とすることなく、スロープ設置を容易にできる運送車両の荷台装置を提供する。

【解決手段】作業機械などの他の車両を載せたり降ろすときは、荷台底板部23の左右両側部上に立設された左右の荷台側板部24aを、可動機構27により、立設された側板姿勢から、荷台底板部23の後端部・地面間に掛け渡されたスロープ姿勢へと移動させて、左右の荷台側板部24aをスロープとして設置する。すなわち、ガイドレール31に沿って荷台側板部24aを十分に引出すと、スライド部材37とガイド部材38の嵌合が外れるので、荷台後板部26を後方へ倒す。このとき、左右の荷台側板部24aのスライダ34は、ガイドレール31から外れて、回転部32の回転レール35に乗り移っているので、この回転レール35とともに荷台側板部24aを内側に横転させることで、係合端部33を荷台底板部23の後端部に係合させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送車両に搭載された荷台底板部と、
この荷台底板部の左右両側部上にそれぞれ立設された左右の荷台側板部と、
これらの左右の荷台側板部を、荷台底板部の左右両側部上に立設された側板姿勢と荷台底板部の後端部・地面間に掛け渡されたスロープ姿勢との間で移動可能とする可動機構と
を具備したことを特徴とする運送車両の荷台装置。
【請求項2】
可動機構は、
荷台底板部に対し左右の荷台側板部の前後方向移動を案内するガイドレールと、
このガイドレールの案内で後方へ引出された左右の荷台側板部を相互に接近する内側に横転させる回転部とを具備し、
荷台側板部は、
回転部により内側に横転されたときに荷台底板部の後端部と係合する係合端部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の運送車両の荷台装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スロープ機能付きの運送車両の荷台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示されるように、運送用トラック11の荷台(ベッセル)12は、荷積み荷降ろし時はフォークリフトによるアクセス、乗用車積載時は乗用車の自走によるアクセスなどで、簡易スロープ13を用いて荷台12に他の車両14がアクセスすることが多々ある。この場合、荷台12に別積みされた簡易スロープ13を必要に応じて作業者が設置するものが一般的である。
【0003】
また、トラック荷台の後部に跳ね上げ可能または折り畳み可能に搭載された跳ね上げ式スロープを必要に応じて降ろすものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平10−129331号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開2003−80996号公報(第3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業者が荷台12に簡易スロープ13を設置する場合は、手間がかかる問題がある。
【0005】
さらに、跳ね上げ式スロープを備えたものは、荷台12上にスロープを格納するので、荷台の有効スペースを犠牲にしたり、跳ね上げ動作や折り畳み動作に必要なスロープ駆動機構を必要とする問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、荷台スペースを犠牲にすることなくスロープ用駆動機構を必要とすることなく、スロープ設置を容易にできる運送車両の荷台装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、運送車両に搭載された荷台底板部と、この荷台底板部の左右両側部上にそれぞれ立設された左右の荷台側板部と、これらの左右の荷台側板部を、荷台底板部の左右両側部上に立設された側板姿勢と荷台底板部の後端部・地面間に掛け渡されたスロープ姿勢との間で移動可能とする可動機構とを具備した運送車両の荷台装置である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の運送車両の荷台装置における可動機構が、荷台底板部に対し左右の荷台側板部の前後方向移動を案内するガイドレールと、このガイドレールの案内で後方へ引出された左右の荷台側板部を相互に接近する内側に横転させる回転部とを具備し、荷台側板部は、回転部により内側に横転されたときに荷台底板部の後端部と係合する係合端部を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載された発明によれば、運送車両の荷台底板部の左右両側部上に立設された左右の荷台側板部を、可動機構により、立設された側板姿勢と荷台底板部の後端部・地面間に掛け渡されたスロープ姿勢との間で移動可能としたので、スロープ用駆動機構を必要とすることなく左右の荷台側板部をスロープとして容易に設置できるとともに、運送時は本来の荷台側板部として機能するので、荷台スペースをフルに活用できる。
【0010】
請求項2に記載された発明によれば、ガイドレールに沿って後方へ引出された荷台側板部を、回転部により内側に横転させ、荷台側板部の係合端部を荷台底板部の後端部に係合させることで、スロープ用駆動機構を必要とすることなく、左右の荷台側板部をスロープとして容易に設置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を、図1乃至図4に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図4に示されるように、運送車両21に搭載された荷台装置22は、荷台底板部23と、この荷台底板部23の左右両側部上にそれぞれ立設された左右の荷台側板部24と、荷台底板部23の後端部上にヒンジ25により回動自在に取付けられて立設された荷台後板部26とを備えている。左右の荷台側板部24は、スロープとなる荷台側板部24aと、スロープとならない荷台側板部24bとに分割形成されている。
【0013】
図1に示されるように、荷台装置22は、左右の荷台側板部24aを、荷台底板部23の左右両側部上に立設された側板姿勢と、荷台底板部23の後端部・地面間に図6に示されるように掛け渡されたスロープ姿勢との間で移動可能とする可動機構27を具備している。
【0014】
この可動機構27は、荷台底板部23に対し左右の荷台側板部24aの前後方向移動を案内するI形断面のガイドレール31と、このガイドレール31の案内で後方へ引出された左右の荷台側板部24aを相互に接近する内側に横転させる回転部32とを具備している。荷台側板部24aは、回転部32により内側に横転されたときに荷台底板部23の後端部と係合する係合端部33を備えている。
【0015】
荷台側板部24aの下部には、ガイドレール31と嵌合する逆凹形断面のスライダ34が設けられ、ガイドレール31とスライダ34との嵌合構造により、荷台側板部24aの直立が維持されるように組合わされている。
【0016】
回転部32は、図2に示されるように、ガイドレール31の一部を切離して回転レール35を設け、この回転レール35にヒンジ36を取付けて、荷台側板部24aが後方にスライドしたとき、回転レール35ごと荷台の内側に倒れることができるようにする。
【0017】
図3に示されるように、荷台後板部26の左右両端部には、荷台側板部24aの上部に取付けられたスライド部材37と嵌合して荷台側板部24aの移動を案内するガイド部材38が設けられている。
【0018】
次に、図1乃至図4に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0019】
運送車両21の荷台底板部23の左右両側部上に立設された左右の荷台側板部24aを、運送時は、本来の荷台側板として機能させるが、作業機械などの他の車両を載せたり降ろすときは、可動機構27により、左右の荷台側板部24aを、立設された側板姿勢から、荷台底板部23の後端部・地面間に掛け渡されたスロープ姿勢へと移動させて、左右の荷台側板部24aをスロープとして設置する。
【0020】
そのスロープとして左右の荷台側板部24aを設置するに当り、荷台後板部26を最初は荷台底板部23上に立設された姿勢のまま図示されない固定手段で固定してガイド板として機能させ、ガイドレール31に沿って荷台側板部24aを矢印で示す後方へ引出すとともに、スライド部材37をガイド部材38に対して摺動させる。
【0021】
荷台側板部24aを矢印で示す後方へ十分に引出すと、スライド部材37とガイド部材38の嵌合が外れるので、荷台後板部26をヒンジ25により後方へ倒すように回動させて荷台底板部23の下側へ垂下させる。
【0022】
このとき、左右の荷台側板部24aのスライダ34は、ガイドレール31から外れて、回転部32の回転レール35に乗り移っているので、この回転レール35とともに荷台側板部24aをヒンジ36により内側に横転させることで、左右の荷台側板部24aの係合端部33を荷台底板部23の後端部に係合させ、荷台側板部24aの反対側の端部を地面に接地させることができる。
【0023】
運送時は、逆の操作により、左右の荷台側板部24aをスロープ位置から図1に示された位置まで移動させる。
【0024】
このように、運送車両21の荷台底板部23の左右両側部上に立設された左右の荷台側板部24aを、可動機構27により、立設された側板姿勢と荷台底板部23の後端部・地面間に掛け渡されたスロープ姿勢との間で移動可能としたので、スロープ用駆動機構を必要とすることなく左右の荷台側板部24aを人手によりスロープとして容易に設置できるとともに、運送時は左右の荷台側板部24aを本来の荷台側板として機能させるので、荷台スペースをフルに活用できる。
【0025】
すなわち、上記のようにガイドレール31に沿って後方へ引出された荷台側板部24aを、回転部32により内側に横転させ、荷台側板部24aの係合端部33を荷台底板部23の後端部に係合させることで、スロープ用駆動機構を必要とすることなく、左右の荷台側板部24aをスロープとして容易に設置できる。
【0026】
次に、図5を参照しながらガイドレールおよび回転部の変形例を説明する。
【0027】
荷台底板部23側に取付けられた丸棒状のガイドレール41に対し、左右の荷台側板部24aの下部に設けられたスライダ42が丸パイプ状に形成され、このスライダ42がガイドレール41に摺動自在に嵌合されている。
【0028】
ガイドレール41の軸方向の大部分は、連結部43により荷台底板部23に固定されているので、この連結部43によりスライダ42の回転が係止され、荷台側板部24aの垂直姿勢が保たれる。
【0029】
一方、図1の回転部32に相当する領域で、連結部43に回転部としての切欠部44が設けられている。
【0030】
このため、荷台側板部24aのスライダ42がこの切欠部44まで引出されると、スライダ42と連結部43との係合が解除されるので、左右の荷台側板部24aを図5に矢印で示されるように内側に回動することができる。
【0031】
この図5に示された実施の形態は、スライド構造がヒンジ構造も兼ねているので、簡単に構成できる利点がある。
【0032】
本発明は、他の車両を運搬する運送車両の荷台装置に適するものであるが、車両以外の荷物の積み下ろしにも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る運送車両の荷台装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同上荷台装置の回転部を示す断面図である。
【図3】同上荷台装置のスライド部を示す断面図である。
【図4】同上荷台装置を搭載した運送車両の斜視図である。
【図5】同上荷台装置のガイドレールおよび回転部の変形例を示す断面図である。
【図6】従来の運送用トラックの他車両搭載状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
21 運送車両
23 荷台底板部
24 荷台側板部
27 可動機構
31 ガイドレール
32 回転部
33 係合端部
【出願人】 【識別番号】000190297
【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
【出願日】 平成18年10月10日(2006.10.10)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也


【公開番号】 特開2008−94198(P2008−94198A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−276686(P2006−276686)