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【発明の名称】 レンジ切替操作装置
【発明者】 【氏名】山本 誠

【要約】 【課題】操作手段の操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することが可能なレンジ切替操作装置を提供すること。

【構成】シフトレバーが基準位置からD位置まで操作されるとき、マグネット10と第1のコイル22Dとの間隔が次第に縮まるのであるが、それに伴ってマグネット10と第1のコイル22Dとの間の反発力が徐々に大きくなる。尚、この反発力は、可変抵抗器21Dの電気抵抗値、つまり調整ノブの回動操作位置によって決定される。そして、このような反発力に抗してシフトレバーが操作されるのであるから、シフト操作時には、同反発力に応じた操作反力がシフトレバーに与えられるとともに、シフトレバーの操作者はこれによる触感を受ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジを切り替えるために操作される操作手段を備えるレンジ切替操作装置において、
前記操作手段の操作に伴って、その操作手段に対して電磁力を働かせるとともに、その電磁力に応じた操作反力を前記操作手段に与える操作反力付与手段と、
前記操作手段に対して働かせる電磁力を調整するための電磁力調整手段とを備えていることを特徴とするレンジ切替操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレンジ切替操作装置において、
前記操作手段には、第1のマグネットが設けられ、
前記操作反力付与手段は、可変抵抗器と、その可変抵抗器の電気抵抗値に応じた電流が流れる第1のコイルとを含み、
同操作反力付与手段は、前記操作手段の操作に伴って、前記第1のコイルに電流が流れることによって生ずる磁界を前記第1のマグネットに作用させることで、前記操作手段に対して電磁力を働かせるとともに、その電磁力に応じた操作反力を前記操作手段に与えるものであり、
前記電磁力調整手段は、前記操作手段に対して働かせる電磁力を調整するべく、前記可変抵抗器の電気抵抗値を調整するためのものであることを特徴とするレンジ切替操作装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のレンジ切替操作装置において、
前記操作手段には、第2のマグネットが設けられ、
前記操作手段の操作に伴って、前記第2のマグネットとの間で起こる電磁誘導により生ずる誘導電流が流れる第2のコイルを、前記レンジに対応する前記操作手段の操作位置毎に設け、
基準電流よりも大きな誘導電流が第2のコイルに流れたとき、その第2のコイルが設けられている操作位置まで前記操作手段が操作された旨を認識する操作位置認識手段を備えていることを特徴とするレンジ切替操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレンジ切替操作装置において、
前記第1のマグネットと前記第2のマグネットとが単一のマグネットで共用されていることを特徴とするレンジ切替操作装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のレンジ切替操作装置において、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとが単一のボビンに巻かれていることを特徴とするレンジ切替操作装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジを切り替えるために操作される操作手段を備えるレンジ切替操作装置に関し、詳しくは、操作手段の操作に伴って操作手段に操作反力が与えられるレンジ切替操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動変速機が搭載された車両では、シフトレバー装置のシフトレバーを特定のシフト位置(例えば、駐車位置であるP位置、後退位置であるR位置、中立位置であるN位置、走行位置であるD位置)まで操作することにより、そのシフト位置に応じて自動変速機のレンジを切り替えることができるようになっている。
【0003】
そして、このようなシフト操作に伴ってシフトレバーに操作反力を与えることにより、シフトレバーの操作者に対してこれによる触感を受けさせ、これにより特定のシフト位置に及ぶシフト操作が行われた旨を操作者に認識させるようになっている。特許文献1には、コイルスプリングにより付勢される節度ピンを節度面部に圧接させることで、シフト操作時に操作反力を与える技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−120583号公報(段落番号0024、図1、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているシフトレバー装置にあって、シフト操作時に与えられる操作反力は、コイルスプリングのバネ定数に依存しており、よって操作反力を変更するためには、バネ定数の異なるスプリングに交換する必要があって煩雑である。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、操作手段の操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することが可能なレンジ切替操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、レンジを切り替えるために操作される操作手段を備えるレンジ切替操作装置において、前記操作手段の操作に伴って、その操作手段に対して電磁力を働かせるとともに、その電磁力に応じた操作反力を前記操作手段に与える操作反力付与手段と、前記操作手段に対して働かせる電磁力を調整するための電磁力調整手段とを備えていることをその要旨としている。
【0007】
同構成によると、操作手段が操作されたとき、スプリングのバネ定数に依存することなく、操作手段に対して電磁力を働かせることで、その電磁力に応じた操作反力が操作手段に与えられるとともに、操作手段の操作者はこれによる触感を受ける。ここに、操作手段に対して働かせる電磁力を調整することで、バネ定数の異なるスプリングに交換するといった煩雑な作業を必要とせずに、操作手段の操作時に与えられる操作反力を変更することが可能である。従って、操作手段の操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンジ切替操作装置において、前記操作手段には、第1のマグネットが設けられ、前記操作反力付与手段は、可変抵抗器と、その可変抵抗器の電気抵抗値に応じた電流が流れる第1のコイルとを含み、同操作反力付与手段は、前記操作手段の操作に伴って、前記第1のコイルに電流が流れることによって生ずる磁界を前記第1のマグネットに作用させることで、前記操作手段に対して電磁力を働かせるとともに、その電磁力に応じた操作反力を前記操作手段に与えるものであり、前記電磁力調整手段は、前記操作手段に対して働かせる電磁力を調整するべく、前記可変抵抗器の電気抵抗値を調整するためのものであることをその要旨としている。
【0009】
同構成によると、可変抵抗器の電気抵抗値を調整するだけで、操作手段の操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンジ切替操作装置において、前記操作手段には、第2のマグネットが設けられ、前記操作手段の操作に伴って、前記第2のマグネットとの間で起こる電磁誘導により生ずる誘導電流が流れる第2のコイルを、前記レンジに対応する前記操作手段の操作位置毎に設け、基準電流よりも大きな誘導電流が第2のコイルに流れたとき、その第2のコイルが設けられている操作位置まで前記操作手段が操作された旨を認識する操作位置認識手段を備えていることをその要旨としている。
【0010】
同構成によると、第2のコイルに流れる誘導電流を検出することで、操作手段の操作位置を検出することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のレンジ切替操作装置において、前記第1のマグネットと前記第2のマグネットとが単一のマグネットで共用されていることをその要旨としている。
【0011】
同構成によると、第1のマグネットと第2のマグネットとがそれぞれ別々に設けられている構成と比較して、部品点数を削減できるとともに、省スペース化を図ることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載のレンジ切替操作装置において、前記第1のコイルと前記第2のコイルとが単一のボビンに巻かれていることをその要旨としている。
【0013】
同構成によると、第1のコイルと第2のコイルとがそれぞれ別々のボビンに巻かれている構成と比較して、部品点数を削減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
本発明によれば、操作手段の操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を車両のシフトレバー装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、運転席と助手席との間には、自動変速機のレンジを切り替えるために用いられるシフトレバー装置1が設けられている。シフトレバー装置1のハウジング2は、有底箱状に形成されるとともに、その底部に設けられたフランジ状の連結部材3を介して車両のフロアコンソール4に固定されている。ハウジング2の上面に設けられたカバープレート5には、十字状の透孔よりなるシフトゲート6が形成されている。尚、本実施形態では、シフトゲート6に沿って、P位置(駐車位置)、R位置(後退位置)、N位置(中立位置)、D位置(走行位置)、の4つのシフト位置が設定されている。
【0016】
そして、同シフトゲート6に挿通されるように装着されたシフトレバー7は、その外端に操作ノブ8が設けられるとともに、内端がハウジング2内に設けられた支持部材9によって支持されており、同シフトレバー7は、支持部材9を支点として傾動可能となっている。そして、シフトレバー7を特定のシフト位置(例えばP位置)まで操作することにより、そのシフト位置に応じて自動変速機のレンジを切り替えることができるようになっている。尚、シフトレバー7において操作ノブ8と支持部材9との中間位置には、マグネット10が設けられている。
【0017】
図2に示すように、ハウジング2の内部空間には、磁界を発生するとともに、その磁界をマグネット10に作用させる磁界発生回路20と、マグネット10から発生する磁界が作用させられるとともに、その磁界を検出する磁界検出回路30とが、各シフト位置の各々に対応して設けられている。磁界発生回路20は、可変抵抗器21と、その可変抵抗器21に直列に接続されるとともに、同可変抵抗器21の電気抵抗値に応じた電流が流れる第1のコイル22と、その第1のコイル22に電流を流すために必要な電力を供給する電源23とを備えている。磁界検出回路30は、マグネット10との間で起こる電磁誘導により生ずる誘導電流が流れる第2のコイル31と、その第2のコイル31に流れる誘導電流を検出する電流検出回路32とを備えている。
【0018】
尚、図2では、P位置に対応する磁界発生回路20、磁界検出回路30が、磁界発生回路20P、磁界検出回路30Pで表現されるとともに、R位置(N位置、D位置)に対応する磁界発生回路20、磁界検出回路30が、磁界発生回路20R(20N、20D)、磁界検出回路30R(30N、30D)で表現されている。
【0019】
また、P位置に対応する可変抵抗器21、第1のコイル22、電源23、第2のコイル31、電流検出回路32が、可変抵抗器21P、第1のコイル22P、電源23P、第2のコイル31P、電流検出回路32Pで表現されている。同様に、R位置(N位置、D位置)に対応する可変抵抗器21、第1のコイル22、電源23、第2のコイル31、電流検出回路32が、可変抵抗器21R(21N、21D)、第1のコイル22R(22N、22D)、電源23R(23N、23D)、第2のコイル31R(31N、31D)、電流検出回路32R(32N、32D)で表現されている。
【0020】
そして、図1に示された調整ノブ40を回動操作することにより、その回動操作位置に応じて、4つの可変抵抗器21P,21R,21N,21Dの電気抵抗値が設定されるようになっている。本実施形態では、単一の調整ノブ40が4つの可変抵抗器21P,21R,21N,21Dに連動されており、その調整ノブ40を回動操作することで、4つの可変抵抗器21P,21R,21N,21Dの電気抵抗値が、同時に且つ調整ノブ40の回動操作位置に応じた互いに同様の値に設定されるようになっている。尚、図3に示すように、第1のコイル22P(22R、22N、22D)と第2のコイル31P(31R、31N、31D)とは、単一のボビン50に巻かれている。
【0021】
図4に示すように、電流検出回路32P,32R,32N,32Dには、変速制御装置60が電気的に接続されている。変速制御装置60は、基準電流よりも大きな誘導電流が電流検出回路32P(32R、32N、32D)により検出されたとき、P位置(R位置、N位置、D位置)までシフトレバー7が操作された旨を認識するとともに、そのシフト位置に応じたギヤ切替信号を自動変速機70に出力する。自動変速機70は、P位置(R位置、N位置、D位置)に応じたギヤ切替信号が変速制御装置60から入力されたとき、車両が駐車状態(後退状態、中立状態、走行状態)となるようにギヤの接続状態(レンジ)を切り替える。
【0022】
次に、シフトレバー装置1の作用について説明する。
シフトレバー7の操作前にあって、調整ノブ40がユーザ所望の回動操作位置に合わせられるとともに、これにより可変抵抗器21P,21R,21N,21Dの電気抵抗値が、調整ノブ40の回動操作位置に応じた互いに同様の値に設定される。すると、可変抵抗器21P,21R,21N,21Dの電気抵抗値に応じた電流が第1のコイル22P,22R,22N,22Dに流れるとともに、これにより同第1のコイル22P,22R,22N,22Dから磁界が生ずる。
【0023】
つまり、第1のコイル22P,22R,22N,22Dが電磁石として機能するのであるが、これら4つの電磁石の各々から生ずる磁界がマグネット10に作用したとき、本実施形態では、4つの電磁石の各々とマグネット10との間に反発力が働くようになっている。従って、シフトレバー7が操作されていないとき、これらの反発力によりシフトレバー7がシフトゲート6の十字交叉位置、即ち基準位置に押し戻されて、その位置でシフトレバー7が保持されるようになっている。
【0024】
そして、この状態から操作ノブ8を把持してシフトレバー7を基準位置から特定のシフト位置(例えばD位置)まで操作すると、マグネット10と第2のコイル31(この場合、31D)との間で電磁誘導が起こるとともに、その電磁誘導により生ずる誘導電流が第2のコイル31(この場合、31D)に流れる。そして、この誘導電流が電流検出回路32(この場合、32D)により検出されるとともに、この誘導電流が基準電流よりも大きなものであるとき、特定のシフト位置(この場合、D位置)までシフトレバー7が操作された旨が変速制御装置60により認識される。そして、この場合、D位置に応じたギヤ切替信号が変速制御装置60から自動変速機70に入力されるとともに、その自動変速機70により、車両が走行状態となるようにギヤの接続状態が切り替えられる。
【0025】
本実施形態において変速制御装置60は、基準電流よりも大きな誘導電流が第2のコイル31(上記の場合、31D)に流れたとき、その第2のコイル31が設けられているシフト位置(上記の場合、D位置)までシフトレバー7が操作された旨を認識する操作位置認識手段(シフト位置認識手段)に相当する。
【0026】
ここで、上記のようにシフトレバー7が基準位置から特定のシフト位置(上記の場合、D位置)まで操作されるとき、マグネット10と第1のコイル22(上記の場合、22D)との間隔が次第に縮まるのであるが、それに伴ってマグネット10と第1のコイル22(上記の場合、22D)との間の反発力が徐々に大きくなる。尚、この反発力は、可変抵抗器21(上記の場合、21D)の電気抵抗値、つまり調整ノブ40の回動操作位置によって決定される。そして、このような反発力に抗してシフトレバー7が操作されるのであるから、シフト操作時には、同反発力に応じた操作反力がシフトレバー7に与えられるとともに、シフトレバー7の操作者はこれによる触感を受ける。
【0027】
そして、シフトレバー7に対する操作が解除されたとき、同シフトレバー7は、4つの電磁石(第1のコイル22P,22R,22N,22D)の各々とマグネット10との間の反発力により基準位置に押し戻される。つまり、シフトレバー装置1は、このようなモーメンタリ構造となっている。ただし、シフトレバー7が新たなシフト位置(例えば、P位置)まで操作されない限り、現在の走行状態が維持される。
【0028】
本実施形態では、マグネット10と磁界発生回路20(可変抵抗器21及び第1のコイル22を含む)とにより、シフトレバー7の操作に伴って、そのシフトレバー7に対して電磁力を働かせるとともに、その電磁力に応じた操作反力をシフトレバー7に与える操作反力付与手段が構成されている。一方、調整ノブ40は、シフトレバー7に対して働かせる電磁力を調整するための電磁力調整手段に相当する。他方、マグネット10は、第1のコイル22から生ずる磁界が作用させられる第1のマグネットに相当するとともに、第2のコイル31との間で電磁誘導を起こさせる第2のマグネットに相当する。
【0029】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)シフトレバー7が操作されたとき、スプリングのバネ定数に依存することなく、シフトレバー7に対して電磁力を働かせることで、その電磁力に応じた操作反力がシフトレバー7に与えられるとともに、シフトレバー7の操作者はこれによる触感を受ける。ここに、シフトレバー7に対して働かせる電磁力を調整することで、バネ定数の異なるスプリングに交換するといった煩雑な作業を必要とせずに、シフト操作時に与えられる操作反力を変更することが可能である。従って、シフト操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することができる。
【0030】
(2)調整ノブ40を用いて可変抵抗器21の電気抵抗値を調整するだけで、シフト操作時に与えられる操作反力を簡単に変更することができる。
(3)第2のコイル31に流れる誘導電流を検出することで、シフト位置を検出することができる。
【0031】
(4)第1のマグネットと第2のマグネットとが単一のマグネット10で共用されている。このため、第1のマグネットと第2のマグネットとがそれぞれ別々に設けられている構成と比較して、部品点数を削減できるとともに、省スペース化を図ることができる。
【0032】
(5)第1のコイル22と第2のコイル31とが単一のボビン50に巻かれている。このため、第1のコイル22と第2のコイル31とがそれぞれ別々のボビンに巻かれている構成と比較して、部品点数を削減することができる。
【0033】
(6)単一の調整ノブ40を操作することで、4つの可変抵抗器21P,21R,21N,21Dの電気抵抗値を同時に且つ互いに同様の値に設定できるから、4箇所のシフト位置での操作反力を同時に且つ互いに均一なものに設定することができる。
【0034】
(7)本実施形態とは異なり、シフトレバー7に対して圧縮エアを供給することで、その圧縮エアの圧力に応じた操作反力をシフトレバー7に与える構成を採用することも考えられる。しかし、このような構成では、シフトレバー7まで圧縮エアを送り届けるための配管が必要であるとともに、その配管からエア漏れが生じないようにするための対策を講じる必要があり、よってこのようなシフトレバー装置にあっては、その構成が大掛かりなものとなる。これに対して、本実施形態では、シフトレバー7に操作反力を与えるのに際して、磁石同士(マグネット10と電磁石)の反発力を用いているため、上記構成のシフトレバー装置と比較して、簡単な構成でもってシフトレバー7に操作反力を与えることができる。
【0035】
(8)シフトレバー7が基準位置に存在しているとき、4つの電磁石の各々とマグネット10との間には反発力が働いている。このため、シフトレバー7を基準位置から各シフト位置(例えばD位置)まで操作しようとするとき、前記反発力に抗してそれを行う必要がある訳であるが、これを言い換えると、ユーザの意志に反してシフトレバー7が動かされようとしたとき、前記反発力によってそれが阻止される。つまり、ユーザが意識的にシフトレバー7を操作する場合よりも小さな力でシフトレバー7が動かされようとしても、その程度の力では前記反発力に勝てず、結果としてシフトレバー7は基準位置にて保持されることになる。従って、ユーザの意志に反したシフト操作を防止できる。
【0036】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記実施形態では、シフトレバー7にマグネット10を設けるとともに、シフト位置毎に磁界発生回路20及び磁界検出回路30を設けるようにしたが、シフトレバー7に磁界発生回路20を設けるとともに、シフト位置毎にマグネット10及び磁界検出回路30を設けるようにしてもよい。
【0037】
・前記実施形態では、単一の調整ノブ40を設けるようにしたが、シフト位置毎に調整ノブ40を設けるようにしてもよい。このように構成すれば、シフト位置毎に可変抵抗器21の電気抵抗値を設定できるから、シフト操作時に与えられる操作反力をシフト位置毎に個別に変更することができる。
【0038】
・前記実施形態では、磁石同士の反発力を用いるようにしたが、磁石同士の吸引力を用いるようにしてもよい。この場合、第1のコイル22に流れる電流の向き及びマグネット10の着磁態様の一方を前記実施形態とは逆にすればよい。
【0039】
・電源23の電圧や第1のコイル22の巻数を変更することで、第1のコイル22から生ずる磁界の強さを変更できることは言うまでもない。ちなみに、電源23の電圧が高い程、また、第1のコイル22の巻数が多い程、第1のコイル22から生ずる磁界の強さが大きくなるとともに、マグネット10と第1のコイル22との間の反発力又は吸引力が大きくなり、よってシフトレバー7の操作者が受ける触感が大きくなる。逆に、電源23の電圧が低い程、また、第1のコイル22の巻数が少ない程、第1のコイル22から生ずる磁界の強さが小さくなるとともに、マグネット10と第1のコイル22との間の反発力又は吸引力が小さくなり、よってシフトレバー7の操作者が受ける触感が小さくなる。
【0040】
・前記実施形態では、単一のボビン50に第1のコイル22及び第2のコイル31を巻くようにしたが、小径の第1のボビンに第1のコイル22を巻くとともに、それを内部空間に収容可能な大径の第2のボビンに第2のコイル31を巻くようにした二重構造のコイルユニットを用いるようにしてもよい。このように構成すれば、ボビンの軸線に沿った長さを短縮することができる。
【0041】
・シフトレバー7を十字方向にスライド操作するシフトレバー装置1に代えて、操作手段としての操作ノブを特定のロータリ位置(例えば、P位置、R位置、N位置、D位置)まで回動操作することにより、そのロータリ位置に応じて自動変速機70のレンジを切り替えるレンジ切替操作装置に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】シフトレバー装置が設けられる車内の要所を示す斜視図と、そのシフトレバー装置を拡大して示す斜視図。
【図2】シフトレバー装置の電気的な構成を示す回路図。
【図3】単一のボビンに第1のコイル及び第2のコイルが巻かれている様子を示す斜視図。
【図4】シフトレバー装置が適用される車両の電気的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0043】
1…シフトレバー装置(レンジ切替操作装置)、7…シフトレバー(操作手段)、10…マグネット(操作反力付与手段、第1のマグネット、第2のマグネット)、20…磁界発生回路(操作反力付与手段)、21…可変抵抗器、22…第1のコイル、31…第2のコイル、40…調整ノブ(電磁力調整手段)、50…ボビン、60…変速制御装置(操作位置認識手段)。
【出願人】 【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−6856(P2008−6856A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176394(P2006−176394)