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【発明の名称】 分割式ホイール
【発明者】 【氏名】水島 義春

【氏名】長谷川 丈修

【要約】 【課題】ボルトやねじを用いずにサイドリングの回り止めを行うことができる分割式ホイールの提供。

【構成】サイドリング12がホイール本体11に対して分割され、シールリング14が第1のロックリブ21および第2のロックリブ22よりホイール軸方向外側にあり、まわり止めのキー51がサイドリング12よりホイール軸方向内側から挿入される分割式ホイール10において、第2の切欠き28と第1の切欠き27がホイール軸方向に合っている状態で、キー51を第2の切欠きと第1の切欠きの両方によって形成されたキー溝52に差し込み、サイドリング12をホイール本体11に対して回転止めした分割式ホイール10。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール本体と、ホイール本体とは別体に構成されてホイール本体に装着されるサイドリングと、ホイール本体とサイドリングのいずれか一方に形成されたシールリング溝およびシールリング溝に装着されたシールリングと、タイヤエア圧がかかった時にサイドリングのホイール本体からの軸方向抜け外れを防止するためにホイール本体に周方向に断続的に形成された第1のロックリブおよび第1のロックリブ間の第1の切欠きと、サイドリングに周方向に断続的に形成された第2ロックリブおよび第2のロックリブ間の第2の切欠きと、を備えており、サイドリングのホイール本体への装着時には、第2のロックリブを第1の切欠きを通してホイール軸方向に通過させ、通過後サイドリングを回転させて第2ロックリブを第1のロックリブにホイール軸方向に係合させるとともに第2の切欠きと第1の切欠きをホイール軸方向に合わせた分割式ホイールにおいて、
第2の切欠きと第1の切欠きがホイール軸方向に合っている状態で、キーを第2の切欠きと第1の切欠きの両方によって形成されたキー溝に差し込み、サイドリングをホイール本体に対して回転止めし、
シールリングは第1のロックリブおよび第2のロックリブよりホイール軸方向外側にあり、キーが差し込まれる第2の切欠きと第1の切欠きからなるキー溝はホイール軸方向内側でかつ半径方向外側に向かってサイドリングのタイヤビードシート面で開口していて、タイヤのエア圧を抜きタイヤビードをサイドリング位置からホイール中央側にずらした状態で、キーはホイール軸方向内側からかつ半径方向内側に向かって、キー溝に差し込まれ、キーと一体または別体の固定リングによってキーの軸方向移動が押さえられることを特徴とする分割式ホイール。
【請求項2】
キーはホイール軸方向に屈曲可能な一体型キーからなり、キーと固定リングは別体である請求項1記載の分割式ホイール。
【請求項3】
キーはホイール軸方向に屈曲可能な一体型キーからなり、キーと固定リングは一体である請求項1記載の分割式ホイール。
【請求項4】
キーはホイール軸方向に分割された複数のピースからなり、キーと固定リングは別体である請求項1記載の分割式ホイール。
【請求項5】
ホイール本体とサイドリングの少なくとも一方にキー溝に連なるキー取付け用鋳抜き部が設けられている請求項1記載の分割式ホイール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール本体と、ホイール本体から分割されホイール本体に着脱可能とされたサイドリングとを有する分割式ホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の分割式ホイールは、特開2004−17727号公報に開示されているように、あるいは公報開示のものではないが図17に示すように、ホイール本体11と、ホイール本体11とは別体に構成されてホイール本体11に着脱可能に装着されるサイドリング12と、ホイール本体11とサイドリング12の何れか一方に設けられたシールリング装着溝13と、シールリング装着溝13に装着されるシールリング14と、タイヤエア圧がかかった時のサイドリング12のホイール本体11からの軸方向抜け外れを防止するためにホイール本体11に周方向に断続的に形成された第1のロックリブ部21とサイドリング12に周方向に断続的に形成された第2のロックリブ部22と、を備えている。サイドリング12の装着時には、サイドリング12の第2のロックリブ部22をホイール本体11の第1のロックリブ部21間の切欠きを通して第1のロックリブ部21を通過させ、通過後サイドリング12を回転させてサイドリング12の第2のロックリブ部22をホイール本体11の第1のロックリブ部21に軸方向に係合させ、サイドリング12をホイール本体11から軸方向に抜けないようにする。
図17の分割式ホイールでは、サイドリング回り止めのために、サイドリング12の第2のロックリブ部22とホイール本体11の第1のロックリブ部21との係合面(該係合面はホイール軸芯に直交する方向に延びている)部位の近傍において、ボルト23をホイール本体内周側からホイール本体11に形成したねじ穴24にねじ込みホイール本体11を貫通させて半径方向外方に延ばし、サイドリング12に形成した(タップなし)穴25に係合させている。ねじ穴24のシールはボルト頭部とホイール本体内面との間にパッキン26を設けてそれによってシールする。
【特許文献1】特開2004−17727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の、または、図17の分割式ホイールには、つぎの課題があった。
(イ)ボルト23によりサイドリングの回転を止めた場合は、制動、駆動時にボルト23、ねじ穴24、サイドリングの穴25等の変形が生じることがある。これらの変形により、通常走行時のタイヤのエア漏れ、ランフラット走行時のサイドリング脱落等が懸念される。
(ロ)ねじ穴24の圧漏れ防止のために、パッキン26を設けてシールする必要がある。(ハ)ねじ部の板厚が薄いので、ねじの噛み込み長さが十分にはとれず、ねじのゆるみが発生するおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、ボルトやねじを用いずにサイドリングの回り止めを行うことができ、それによって上記(イ)、(ロ)、(ハ)の課題を解決できる分割式ホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明は、つぎの通りである。
(1) ホイール本体と、ホイール本体とは別体に構成されてホイール本体に装着されるサイドリングと、ホイール本体とサイドリングのいずれか一方に形成されたシールリング溝およびシールリング溝に装着されたシールリングと、タイヤエア圧がかかった時にサイドリングのホイール本体からの軸方向抜け外れを防止するためにホイール本体に周方向に断続的に形成された第1のロックリブおよび第1のロックリブ間の第1の切欠きと、サイドリングに周方向に断続的に形成された第2ロックリブおよび第2のロックリブ間の第2の切欠きと、を備えており、サイドリングのホイール本体への装着時には、第2のロックリブを第1の切欠きを通してホイール軸方向に通過させ、通過後サイドリングを回転させて第2ロックリブを第1のロックリブにホイール軸方向に係合させるとともに第2の切欠きと第1の切欠きをホイール軸方向に合わせた分割式ホイールにおいて、
第2の切欠きと第1の切欠きがホイール軸方向に合っている状態で、キーを第2の切欠きと第1の切欠きの両方によって形成されたキー溝に差し込み、サイドリングをホイール本体に対して回転止めし、
シールリングは第1のロックリブおよび第2のロックリブよりホイール軸方向外側にあり、キーが差し込まれる第2の切欠きと第1の切欠きからなるキー溝はホイール軸方向内側でかつ半径方向外側に向かってサイドリングのタイヤビードシート面で開口していて、タイヤのエア圧を抜きタイヤビードをサイドリング位置からホイール中央側にずらした状態で、キーはホイール軸方向内側からかつ半径方向内側に向かって、キー溝に差し込まれ、キーと一体または別体の固定リングによってキーの軸方向移動が押さえられることを特徴とする分割式ホイール。
(2) キーはホイール軸方向に屈曲可能な一体型キーからなり、キーと固定リングは別体である(1)記載の分割式ホイール。
(3) キーはホイール軸方向に屈曲可能な一体型キーからなり、キーと固定リングは一体である(1)記載の分割式ホイール。
(4) キーはホイール軸方向に分割された複数のピースからなり、キーと固定リングは別体である(1)記載の分割式ホイール。
(5) ホイール本体とサイドリングの少なくとも一方にキー溝に連なるキー取付け用鋳抜き部が設けられている(1)記載の分割式ホイール。
【発明の効果】
【0006】
上記(1)〜(5)の分割式ホイールによれば、サイドリングのホイール本体に対する回り止めがキーによって果たされているので、ボルトやねじを用いずにサイドリングの回り止めを行うことができ、それによって上記(イ)、(ロ)、(ハ)の課題を解決できる。
また、キーが差し込まれる第2の切欠きと第1の切欠きからなるキー溝はホイール軸方向内側でかつ半径方向外側に向かってサイドリングのタイヤビードシート面で開口しているので、タイヤのエア圧を抜きタイヤビードをサイドリング位置からホイール中央側にずらした状態で、キーはホイール軸方向内側からかつ半径方向内側に向かって、キー溝に差し込まれる。キーと一体または別体の固定リングによってキーの軸方向移動が押さえられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の分割式ホイールを図1〜図16を参照して説明する。
図1〜図3は本発明の実施例1を示しており、
図1、図4、図5は本発明の実施例2を示しており、
図6〜図7は本発明の実施例3を示しており、
図8〜図16は本発明の実施例4に係る鋳抜き部の種々の形態を示している。
本発明の全実施例に共通する部分には本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。
【0008】
まず、本発明の全実施例に共通する部分の構成、作用、効果を、図1〜図3を参照して説明する。
本発明の、サイドリングとホイール本体とが互いに分割可能な、分割式ホイール10は、ホイール本体11と、ホイール本体11とは別体に構成されてホイール本体11のリム軸方向端部(少なくとも一端、ただし両端でもよい)に装着されるサイドリング12と、タイヤエア圧がかかった時にサイドリング12のホイール本体11からの軸方向抜け外れを防止するためにホイール本体11に周方向に断続的に形成された第1のロックリブ21および第1のロックリブ21間に形成された第1の切欠き27と、サイドリング12に周方向に断続的に形成された第2のロックリブ22および第2のロックリブ22間に形成された第2の切欠き28と、を備えている。ホイール本体11は、軽合金製で、望ましくはアルミ合金製である。サイドリング12は、アルミ合金製または鉄鋳物または鉄の鍛造品またはスチール製である。
【0009】
サイドリング12のホイール本体11への装着時には、第2のロックリブ22を第1の切欠き27を通してホイール軸方向に通過させ、通過後サイドリング12をホイール軸芯まわりに回転させて第2ロックリブ22を第1のロックリブ21にホイール軸方向に係合させるとともに、第2の切欠き28と第1の切欠き27をホイール軸方向に合わせてサイドリング12がホイール本体11から軸方向に抜け外れしないようにする。第2の切欠き28と第1の切欠き27がホイール軸方向に互いに合っている状態で、キー51を第2の切欠き28と第1の切欠き27の両方によって形成されたキー溝52に差し込み、サイドリング12をホイール本体11に対して回転止めする。
【0010】
キー51のキー溝52への装着と固定リング55の固定リング装着溝への装着を容易にするために、ホイール本体11とサイドリング12の少なくとも一方にキー取付け用鋳抜き部58(58aホイール本体11に設けられた鋳抜き部、58bはサイドリング12に設けられた鋳抜き部)が設けられてもよい。
【0011】
ホイール本体11は、望ましくは、タイヤ50を横方向から装着するタイヤ横装填式のホイールで、ドロップ部をもたない、リム外周が軸方向にほぼストレートに延びる、フラット底式のホイール本体である。ただし、ホイール本体11は、タイヤ横装填式のホイール本体に限るものではない。
サイドリング12はタイヤ50のビード部を受け、タイヤ50から、車重(ホイール軸芯に垂直な荷重)とタイヤ内圧荷重(ホイール軸芯にほぼ平行な荷重)がかかる。
【0012】
分割式ホイール10は、また、ホイール本体11とサイドリング12の何れか少なくとも一方(図示例ではホイール本体11)に形成されたシールリング装着溝13に装着されてホイール本体11とサイドリング12との間をシールするシールリング14を有する。シールリング14は図示例ではOリングの場合を示してあるが、シールリング14はOリングに限るものではなく、断面X、U、Dリングであってもよいし、シール用リップをもつシールリングであってもよい。シールリング14は通常ゴム製であり、タイヤ内圧をシールする。
【0013】
サイドリング12の第2のロックリブ22とホイール本体11の第1のロックリブ21の係合面30、29(係合面29が第1のロックリブ21の係合面、係合面30が第2のロックリブ22の係合面)は、係合面30、29における滑りを抑制するために、ホイール本体軸芯に対して、90度以外の角度をもって傾斜させてもよい。傾斜させる場合は、該係合面30、29のホイール本体軸芯に対してなす角度θは8度〜30度、より限定的には10度〜25度の範囲にある角度以下で、0度より大の角度に設定することが望ましい。ここで、8度、10度の意味は、それらより小さい角度であるとリブの突出量が小さ過ぎてロックリブ21、22が軸方向にひっかかりにくくなるのでそれを防止するためであり、30度、25度の意味は、それらより大きいと、タイヤのエア圧による滑り防止作用・効果を考慮にいれても、係合面39、29で滑りが生じやすくなるのでそれを防止するためである。
係合面30、29の傾斜の方向は、ホイールの軸方向中央側から軸方向外側にいくにしたがって係合面30、29の半径が大きくなる方向である。係合面30の傾斜角度と、係合面29の傾斜角度とは、同じである。また、係合面30、29はテーパ面であり、互いに面接触する。
【0014】
係合面30、29を傾斜させる場合の、傾斜の角度θは、望ましくは、係合面30、29の摩擦係数をμとした場合に、arctan(μ)以下に設定される。
たとえば、係合面30、29の摩擦係数μが0.2の場合、係合面30、29の傾斜の角度θは11.3度以下である。アルミ合金ホイールでは、係合面30、29の摩擦係数μはほぼ0.2である。タイヤ・エア圧による横力(θを大にとってもよい方向に働く)も考慮すると、テーパ部角度の最大値を25度〜30度に設定できる。
【0015】
シールリング装着溝13およびシールリング14は第1のロックリブ21および第2のロックリブ22よりホイール軸方向外側にある。したがって、シールリング14と干渉するので、キー51をホイール軸方向外側からキー溝52に挿入することはできない。
【0016】
キー51は合成樹脂やゴムやウレタンやスチールやスチール以外の金属から構成される。キー溝52は鋳抜きで成形されてもよいし、あるいは機械加工で作製されてもよい。キー51の幅はキー溝52の幅とほぼ等しい。
【0017】
キー51が差し込まれる第2の切欠き28と第1の切欠き27からなるキー溝52は、ホイール軸方向内側でかつ半径方向外側に向かって、サイドリング12のタイヤビードシート面で開口している。キー51をキー溝52に装着するには、タイヤのエア圧を抜きタイヤビードをサイドリング位置からホイール中央側にずらした状態で、キー51がホイール軸方向内側からかつ半径方向内側に向かって、キー溝52に差し込まれる。そして、キー51と一体または別体の固定リング55によってキー51のホイール軸方向移動が押さえられる。固定リング55はホイールの周方向に全周にわたって連続して延びている。固定リング55の材質は、望ましくは、ゴムまたは樹脂製であり、弾力性を有する。そして、固定リング55の内径はホイールの固定リング取付け部の外径より小さくし、固定リング55でキー51およびホイールを締めつけるようにする。固定リング55を外す場合に、工具をひっかける作業用穴を固定リング55に複数個設けてもよい。固定リング55は、エア圧をかけられてサイドリング位置に戻ったタイヤビードによって半径方向外側から押さえられる。これによって、キー51のキー溝52からの抜け外れと固定リング55の固定リング装着溝からの抜け外れが防止される。
【0018】
タイヤセットの手順は、
1)タイヤ50の組み付け
2)シールリング14の組み付け
3)サイドリング12の組み付け
4)キー51、固定リング55の組み付け
5)タイヤへエア注入
である。
【0019】
本発明の分割式ホイールの全実施例に共通する作用・効果については、サイドリング12のホイール本体11に対する回り止めがキー51によって果たされているので、ボルトやねじを用いずにサイドリング51の回り止めを行うことができる。
その結果、従来のようにボルト23によりサイドリングの回転を止めた場合に起こることがある、制動、駆動時のボルト23、ねじ穴24、サイドリングの穴25等の変形と、これらの変形による、通常走行時のタイヤのエア漏れ、ランフラット走行時のサイドリング脱落等を防止することができる。ねじ穴24の圧漏れ防止のために、パッキン26を設けてシールする必要がない。従来のようにねじを用いた場合の、ねじの噛み込み長さが十分にはとれず、ねじのゆるみが発生するおそれがあるという問題が生じない。
【0020】
また、キー51が差し込まれる第2の切欠き28と第1の切欠き27からなるキー溝52はホイール軸方向内側でかつ半径方向外側に向かってサイドリング12のタイヤビードシート面で開口しているので、タイヤ50のエア圧を抜きタイヤビードをサイドリング位置からホイール中央側にずらした状態で、キー51はホイール軸方向内側からかつ半径方向内側に向かって、キー溝52に差し込まれる。キー51と一体または別体の固定リング55によってキー51の軸方向移動が押さえられる。固定リング55は、自身の弾性によって固定リング装着溝またはキー51を締めつけており、かつ、エア圧をかけられてサイドリング位置に戻ったタイヤビードによって半径方向外側から押さえられるので、キー51がキー溝52から抜け外れることはないし、固定リング55が固定リング装着溝から抜け外れることはない。
【0021】
つぎに、本発明の各実施例に特有な構成、作用・効果を説明する。
〔実施例1〕−−−図1〜図3
本発明の実施例1では、キー51はホイール軸方向に屈曲可能な一体型キーからなり、キー51と固定リング55は別体である。キー51にはキーの厚さ方向にスリット56(残厚のあるスリット)が形成されていて、スリット56の部位でキー長手方向(ホイール軸方向と同じ方向)に屈曲可能である。キー51を屈曲可能とするために、本発明の実施例2では、キー51の材料は、合成樹脂、ゴム、ウレタンなどからなる。キー51はホイール周方向にホイールの円形に合わせて弧状に形成されてもよいし、あるいは直線状に形成されてもよい。ホイール回転時の遠心力によるキー51の浮き上がりを防止するために、キー51には固定リング55のホイール半径方向内方に、ホイール軸方向に突出して延びる延設部57を設けて、延設部57を固定リング55で押さえるようにしてもよい。
キー51のキー溝52への装着と固定リング55の固定リング装着溝への装着を容易にするために、ホイール本体11とサイドリング12の少なくとも一方にキー溝52に向かって斜めに延びる鋳抜き部58を形成してもよい。
【0022】
本発明の実施例1の作用・効果については、キー51がスリット56を有しているためキー51はキー長手方向(ホイール軸方向)に屈曲可能であり、キー51のキー溝52への挿入が可能である。
キー51には固定リング55のホイール半径方向内方に、ホイール軸方向に突出して延びる延設部57を設けて、延設部57を固定リング55で押さえるようにすれば、車両走行中の遠心力によるキー51の浮き上がりを防止することができる。
【0023】
〔実施例2〕−−−図1、図4、図5
本発明の実施例2では、キー51と固定リング55はホイール軸方向に屈曲可能な一体物からなる。キー51にはキーの厚さ方向にスリット56(残厚のあるスリット)が形成されていて、スリット56の部位でキー長手方向(ホイール軸方向と同じ方向)に屈曲可能である。キー51と固定リング55との連結部には厚さ方向にスリット56(残厚のあるスリット)が形成されていて、キー・固定リング一体物は連結部のスリット56の部位でキー・固定リング一体物の長手方向(ホイール軸方向と同じ方向)に屈曲可能である。キー51と、キー51と固定リング55との連結部を屈曲可能とするために、本発明の実施例2では、キー51・固定リング55一体物の材料は、合成樹脂、ゴム、ウレタンなどからなる。キー51はホイール周方向にホイールの円形に合わせて弧状に形成されてもよいし、あるいは直線状に形成されてもよい。
キー51のキー溝52への装着と固定リング55の固定リング装着溝への装着を容易にするために、ホイール本体11とサイドリング12の少なくとも一方にキー溝52に向かって斜めに延びる鋳抜き部58を形成してもよい。
【0024】
本発明の実施例2の作用・効果については、キー51がスリット56を有しているためキー51はキー長手方向(ホイール軸方向)に屈曲可能であり、キー51のキー溝52への挿入が可能である。
キー51と固定リング55は一体であるが、キー51と固定リング55の間にスリット56(残厚のあるスリット)が形成されているため、キー・固定リング一体物は連結部のスリット56の部位で屈曲可能であり、キー51のキー溝52への挿入が可能である。
【0025】
〔実施例3〕−−−図6、図7
本発明の実施例3では、キー51はホイール軸方向に互いに別体の複数ピース(図示例ではキー51Aとキー51Bの2ピース)のキーからなる。また、キー51と固定リング55は別体である。キー51の材料は、金属であってもよいし、あるいは合成樹脂、ゴム、ウレタンなどからなってもよい。キー51の材料を金属とした場合はキー51の強度は向上される。
キー51はホイール周方向に直線状に形成されてもよいし、あるいは、ホイールの円形に合わせて弧状に形成されてもよい
キー51のキー溝52への装着と固定リング55の固定リング装着溝への装着を容易にするために、ホイール本体11とサイドリング12の少なくとも一方にキー溝52に向かって斜めに延びる鋳抜き部58を形成してもよい。
【0026】
本発明の実施例3の作用・効果については、キー51はホイール軸方向に互いに別体の複数ピース(図示例ではキー51Aとキー51Bの2ピース)のキーからなるので、キー51Aとキー51Bの接触部でキー51は屈曲可能であり、キー51のキー溝52への挿入が可能である。
キー51と固定リング55は別体であるためキー51と固定リング55は互いの接触部で屈曲可能であり、キー51のキー溝52への挿入と固定リング55の固定リング装着溝への挿入が可能である。
キー51と固定リング55は別体であるため、固定リング55の材料と無関係にキー51の材料を選定することができる。キー51の材料を金属とした場合は、キー51の強度は向上される。
【0027】
〔実施例4〕−−−図8〜図16
本発明の実施例4は、キー51のキー溝52への装着と固定リング55の固定リング装着溝への装着を容易にするための、ホイール本体11とサイドリング12の少なくとも一方に形成された鋳抜き部58の種々の形態(形態1、形態2、形態3)を含む。
【0028】
〔実施例4の形態1〕−−−図8、図9
本発明の実施例4の形態1では、図8、図9に示すように、鋳抜き部58は、ホイール本体11とサイドリング12の両方に形成されている。鋳抜き部58は、ホイール本体11に形成された鋳抜き部58aと、サイドリング12に形成された鋳抜き部58bとを含む。鋳抜き部58がある部分では、ロックリブ21、22はホイール周方向に切断され除去されている。
ホイール本体11に形成された鋳抜き部58aは、シールリング溝13から、またはシールリング溝13と第1のロックリブ21との間の位置から、第1のロックリブ21を通り過ぎてサイドリング装着用の段差部(のコーナ部)61に至り(半径方向外方に延びる段差面の符号を68とする)、そこで半径方向外方に折れ曲がって段差面68とほぼ平行に半径方向外方にホイールのビードシート面62まで延び(半径方向外方に延びる鋳抜き部58aの底面の符号を67とする)、ビードシート面62で半径方向外方に開放している。鋳抜き部58aは、図9に示すように、ホイール周方向において、キー取付け部のみに設けられる。
サイドリング12に形成された鋳抜き部58bは、サイドリング12の段差部(のコーナ部)63から、または段差部63とサイドリング軸方向端面64との間の位置から、ホイール軸方向にサイドリング軸方向端面64まで延びそこで終わっている。
サイドリング軸方向端面64とホイール本体11の段差面68との間には、ホイール軸方向に隙間65がある。
キー51は、隙間65と鋳抜き部58aとの両方からなる隙間を通して、サイドリング12とホイール本体11との半径方向スペースに、挿入、装着される。隙間65には、キー51の装着後、固定リング55が嵌着される。
【0029】
本発明の実施例4の形態1の作用、効果については、隙間65と鋳抜き部58aがあるため、キー51をサイドリング12とホイール本体11との半径方向スペースに容易に挿入、装着できる。
【0030】
〔実施例4の形態2〕−−−図10、図11
本発明の実施例4の形態2では、図10、図11に示すように、鋳抜き部58は、ホイール本体11とサイドリング12の両方に形成されている。鋳抜き部58は、ホイール本体11に形成された鋳抜き部58aと、サイドリング12に形成された鋳抜き部58bとを含む。鋳抜き部58がある部分では、ロックリブ21、22はホイール周方向に切断され除去されている。
ホイール本体11に形成された鋳抜き部58aは、シールリング溝13から、またはシールリング溝13と第1のロックリブ21との間の位置から、第1のロックリブ21を通り過ぎた部位まで延び、サイドリング装着用の段差部61の手前で終わっている。鋳抜き部58aは、段差面68に沿ってホイールのビードシート面62までは延びていない。鋳抜き部58aは、図11に示すように、ホイール周方向において、キー取付け部のみに設けられる。
サイドリング12に形成された鋳抜き部58bは、サイドリング12の段差部63から、または段差部63とサイドリング軸方向端面64との間の位置から、ホイール軸方向にサイドリング軸方向端面64まで延び、そこで終わっている。
サイドリング軸方向端面64とホイール本体11の、サイドリング軸方向端面64に対向する対向面68との間には、ホイール軸方向に隙間65がある。
キー51は、隙間65を通して、あるいはサイドリング12を正規の位置から隙間65が大きくなるようにずらした状態で隙間65を通して、サイドリング12とホイール本体11との半径方向スペースに挿入、装着される。隙間65には、キー51の装着後、固定リング55が嵌着される。
【0031】
本発明の実施例4の形態2の作用、効果については、隙間65があるため、キー51をサイドリング12とホイール本体11との半径方向スペースに容易に挿入、装着できる。
【0032】
〔実施例4の形態3〕−−−図12〜図16
本発明の実施例4の形態3では、図12〜図16に示すように、鋳抜き部58は、ホイール本体11とサイドリング12の両方に形成されている。鋳抜き部58は、ホイール本体11に形成された鋳抜き部58aと、サイドリング12に形成された鋳抜き部58bとを含む。鋳抜き部58がある部分では、ロックリブ21、22は、ホイール周方向に切断され、除去されている。
ホイール本体11に形成された鋳抜き部58aは、シールリング溝13から、またはシールリング溝13と第1のロックリブ21との間の位置から、第1のロックリブ21を通り過ぎてサイドリング装着用の段差部61に至り(半径方向外方に延びる段差面の符号を68とする)、そこで半径方向外方に折れ曲がって段差面68とほぼ平行に半径方向外方にホイールのビードシート面62まで延び(半径方向外方に延びる鋳抜き部58aの底面の符号を67とする)、ビードシート面62で半径方向外方に開放している。鋳抜き部58aは、図13、図16に示すように、ホイール周方向において、キー取付け部のみに設けられる。
サイドリング12に形成された鋳抜き部58bは、サイドリング12の段差部63から、または段差部63からホイール軸方向に隔たった位置から、ホイール軸方向にサイドリング軸方向端面64の手前位置まで延び、そこで半径方向外方に折れ曲がって、サイドリング軸方向端面64にほぼ平行に(この平行に延びる鋳抜き部58bの底面に符号66を付す)、ホイールのビードシート面62まで延び、半径方向外方に開放している。
サイドリング軸方向端面64と、ホイール本体11の、サイドリング軸方向端面64に対向する対向面68との間には、ホイール軸方向に隙間65がある。
キー51は、隙間65と鋳抜き部58a(面67と面68との間隔)と鋳抜き部58b(面64と面66との間隔)とからなる半径方向に延びる隙間を通してサイドリング12とホイール本体11との半径方向スペースに挿入、装着される。隙間65には、キー51の装着後、固定リング55が嵌着される。
【0033】
本発明の実施例4の形態3の作用、効果については、隙間65と鋳抜き部58a(面67と面68との間隔)と鋳抜き部58b(面64と面66との間隔)とからなる半径方向に延びる隙間があるため、キー51をサイドリング12とホイール本体11との半径方向スペースに容易に挿入、装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1、実施例2の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の正面図である。
【図2】本発明の実施例1の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、キーおよび固定リングの挿入後の、断面図である。
【図3】本発明の実施例1の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、キーおよび固定リングの挿入途中の、断面図である。
【図4】本発明の実施例2の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、キーおよび固定リングの挿入後の、断面図である。
【図5】本発明の実施例2の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、キーおよび固定リングの挿入途中の、断面図である。
【図6】本発明の実施例3の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、キー組み付け部の、キーと固定リングが組み付けられた後での、断面図である。
【図7】図6の分割式ホイールの一部の正面図である。
【図8】本発明の実施例4の形態1に係る分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、キー組み付け部の、キーと固定リングがまだ組み付けられていない段階での、断面図である。
【図9】図8の分割式ホイールの一部の正面図である。
【図10】本発明の実施例4の形態2に係る分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、一般部の(キー組み付け部以外の部分の)、キーと固定リングがまだ組み付けられていない段階での、断面図である。
【図11】図10の分割式ホイールの一部の正面図である。
【図12】本発明の実施例4の形態3に係る分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、一般部の(キー組み付け部以外の部分の)、キーと固定リングがまだ組み付けられていない段階での、断面図である。
【図13】図12の分割式ホイールの一部の平面図である。
【図14】図12の分割式ホイールの一部の、キーおよび固定リングの挿入途中の、断面図である。
【図15】図12の分割式ホイールの一部の、キーおよび固定リングの挿入後の、断面図である。
【図16】図12の分割式ホイールの一部の正面図である。
【図17】従来の分割式ホイールの一部(サイドリングとホイール本体のサイドリング近傍部)の、ボルト組み付け部の、ボルトが組み付けられた後での、断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 分割式ホイール
11 ホイール本体
12 サイドリング
13 シールリング装着溝
14 シールリング
21 第1のロックリブ(ホイール本体のロックリブ)
22 第2のロックリブ(サイドリングのロックリブ)
23 ボルト
24 ねじ穴
25 穴
26 パッキン
27 (ホイール本体の)切欠き
28 (サイドリングの)切欠き
29 (ホイール本体の)係合面
30 (サイドリングの)係合面
50 タイヤ
51 キー
52 キー溝
55 固定リング
56 スリット
57 延設部
58、58a、58b 鋳抜き部
61 (ホイール本体の)段差部(のコーナ部)
62 ビードシート面
63 (サイドリングの)段差部(のコーナ部)
64 サイドリング軸方向端面
65 隙間
66 半径方向外方に延びる鋳抜き部58bの底面
67 半径方向外方に延びる鋳抜き部58aの底面
68 (ホイール本体の)半径方向外方に延びる段差面
【出願人】 【識別番号】000110251
【氏名又は名称】トピー工業株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄


【公開番号】 特開2008−13055(P2008−13055A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186557(P2006−186557)