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転写具 - 特開2008−273064 | j-tokkyo
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【発明の名称】 転写具
【発明者】 【氏名】甲斐 啓二

【氏名】三井 隆史

【氏名】嶋 秀人

【要約】 【課題】本発明は、転写ヘッドの不安定さによる転写の不具合を解消し得る転写具を提供する。

【解決手段】転写具は、被転写体(1)に転写される転写物を一方の面に離脱可能に備える転写体を直接的又は間接的に収納する第一ケース部材4と、第一ケース部材4に回転可能に取り付けられて第一ケース部材4をほぼ閉鎖する第二ケース部材5と、第一ケース部材4から突出するように設けられる転写ヘッド6とからなり、転写ヘッド6が、先端に転写体が接触可能な腕部31と、腕部31の基端から第一ケース部材4の内側に向かって延びる取付ビーム部32とを備え、取付ビーム部32がその中心軸線と交差するリブ(34)を有し、第二ケース部材5が、第一ケース部材4を閉鎖した際にリブ(34)を支持する支持部(54)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被転写体に転写される転写物を一方の面に離脱可能に備える転写体を直接的又は間接的に収納する第一ケース部材と、
第一ケース部材に回転可能に取り付けられて第一ケース部材をほぼ閉鎖する第二ケース部材と、
第一ケース部材から突出するように設けられる転写ヘッドとからなり、
転写ヘッドが、先端に転写体が接触可能な腕部と、
腕部の基端から第一ケース部材の内側に向かって延びる取付ビーム部とを備え、取付ビーム部がその中心軸線と交差するリブを有し、
第二ケース部材が、第一ケース部材を閉鎖した際にリブを支持する支持部を有する転写具。
【請求項2】
リブが、転写ヘッドの先端にほぼ垂直となる方向に形成される請求項1記載の転写具。
【請求項3】
支持部が、リブが嵌る細隙を備える請求項1又は2記載の転写具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、転写物を転写対象物に転写する際に用いる転写具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば封筒を封緘する場合に用いるのりや、誤記した部分や不要な記載を抹消する場合に用いる修正材などを、紙やフィルムなどに塗布(転写)する転写具が知られている。このような転写具は、例えば容器本体と蓋体とからなる容器内に、転写ヘッド、転写ヘッドを覆うキャップ及び転写テープを備えるカートリッジを、交換可能に装填する構成のものが知られている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載されている転写具では、容器本体と蓋体とをヒンジ部により接続し、転写ヘッドを突出させる容器本体の前端開口部の近傍に形成した係止ピンを、カートリッジに設けられた貫通孔を通した状態で、その係止ピンの先端に蓋体に設けた係合部を係合させて、蓋体を容器本体に閉じた状態を維持するように構成してある。
【特許文献1】特開2006−248183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような構成のものでは、蓋体は容器本体に対してヒンジ部により回転して開閉するもので、それゆえ、係止ピンの先端と係合部との係合に比較的大きな遊びを生じるものとなる。この結果、転写ヘッドの保持力が低くなる傾向にあった。また、転写ヘッドは、カートリッジに組み付けられているものであるが、容器本体の外側に突出させる必要があるために、基本的に片持ち構造を採用している。通常、転写作業の際には、転写体を被転写物に密着させるように容器に力を加えるために、転写ヘッドの先端に対して相応の外力が加わる。このため、先端とは反対側の片持ち構造における基端部分が下がる方向に応力を受け、転写ヘッドの先端が不安定になることがある。これにより、転写物の転写が適切にできないことがあった。
【0005】
そこで本発明は、転写ヘッドの不安定さによる転写の不具合を解消し得る転写具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の転写具は、被転写体に転写される転写物を一方の面に離脱可能に備える転写体を直接的又は間接的に収納する第一ケース部材と、第一ケース部材に回転可能に取り付けられて第一ケース部材をほぼ閉鎖する第二ケース部材と、第一ケース部材から突出するように設けられる転写ヘッドとからなり、転写ヘッドが、先端に転写体が接触可能な腕部と、腕部の基端から第一ケース部材の内側に向かって延びる取付ビーム部とを備え、取付ビーム部がその中心軸線と交差するリブを有し、第二ケース部材が、第一ケース部材を閉鎖した際にリブを支持する支持部を有することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、取付ビーム部がリブを備え、そのリブが第二ケース部材を閉鎖することにより、支持部に支持されるので、転写ヘッドの腕部にかかる外力により取付ビーム部が回転することを抑制する。したがって、使用時において、転写ヘッドに上向きの力が作用しても、取付ビーム部が回転しないため、転写体の被転写物への接触を良好に保つことが可能になる。
【0008】
具体的には、リブは、転写ヘッドの先端にほぼ垂直となる方向に形成されることが好ましい。このことに対応して、支持部が、リブが嵌る細隙を備えるものことが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上説明したような構成であり、使用時において、転写ヘッドに上向きの力が作用しても、取付ビーム部が回転しないので、転写体の被転写物への接触を良好に保つことができ、転写物を的確に被転写物に転写することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜10を参照して説明する。
【0011】
この実施形態の転写具は、被転写体に転写される転写物を帯部材たる帯状のフィルムの一方の面に剥離可能に備える転写体(以下、テープと称する)1と、未使用の転写体1が巻き付けられる供給リール2と、使用済みの転写体1のフィルムを巻き取る巻き取りリール3と、供給リール2及び巻き取りリール3を回転可能な状態で収納する第一ケース部材4と、第一ケース部材4内に配置され供給リール3の回転力を巻き取りリールに伝達する伝達機構(図示しない)と、第一ケース部材4をほぼ閉鎖する第二ケース部材5と、第二ケース部材5により閉じられる第一ケース部材4から突出して転写体1に接触可能な転写ヘッド6とを主要な構成要素としている。
【0012】
なお、以下の説明において、「前」とは、特別な限定がない限り、転写ヘッド6がある側を指し、「後」とは転写ヘッドとは反対の側、言い換えれば転写ヘッド6から供給リール2及び巻き取りリール3側を指すものである。また、伝達機構は、当該分野でよく知られているものであってよく、詳細な説明を割愛すると共に、図示しない。伝達機構としては、例えば供給リール2を回転させた場合にその回転力を巻き取りリール3に伝達し得る、二枚のギアにより構成されるものが挙げられる。加えて、転写物としては、糊や、被転写体である紙面あるいはフィルムに書かれたり印刷された文字や図形などを修正する修正インキ塗膜などであってもよい。
【0013】
この実施形態にあっては、第一ケース部材4と第二ケース部材5とをケースとして機能させるために、蝶番として機能する接続部材7により第一ケース部材4と第二ケース部材5とをそれぞれ独立して回転可能に接続する。第一ケース部材4と第二ケース部材5とは、図1に示すように、正面から見た場合、その上側外郭が卵の外形に近似する円弧形状をなすと共に、下側外郭は平面において自立するように直線形状にしてある。このような外郭にすることにより、例えば筆記具を使用する場合と同様の感覚で、使用することができる。
【0014】
第一ケース部材4は、主壁8と、その主壁8に一体に形成されて主壁8を取り巻く側壁9と、接続部材7の第一取付部10とを備えている。主壁8の内面には、供給リール2と巻き取りリール3とを伝達機構を介して回転し得るように支持する第一回転軸11と第二回転軸12とが、主壁8に一体に形成してある。第一回転軸11と第二回転軸12とは略円筒形状に形成してあり、第二ケース部材5を閉じた際に、その先端に、第二ケース部材5に形成された軸受け凸部13が嵌る構造である。
【0015】
第一ケース部材4の側壁9は、正面から見た場合、円弧形状をしている。側壁9には、係合手段14を構成する前溝15及び後溝16がそれぞれ、側壁9の前後部分、すなわち転写ヘッド6の近傍となる前部分と転写ヘッド6から遠く第二回転軸12側の後部分の二カ所に設けてある。前溝15は側壁9の前部分の外面に設けられ、後溝16は側壁9の後部分の内面に設けられるもので、図5の(a)〜(e)に示すように、それぞれの断面形状は連続的に変化するように形成されている。すなわち、前溝15は、前端側部分では、図5の(a)に示すように、ほぼ矩形の断面形状であり、後端部分に近づくにしたがって、図5の(b)及び(c)に示すように、第一ケース部材4の内側に位置する内側壁17が傾斜する断面形状になるよう形成してある。これに対して、後溝16は、図5の(e)に示すように、後端側部分ではほぼ矩形の断面形状であり、前端部分に近づくにしたがって、図5の(d)に示すように、第一ケース部材4の内側に位置する内側壁18が傾斜する断面形状になるよう形成してある。
【0016】
第一ケース部材4の側壁9の前溝15と後溝16と間の中間位置には、ラッチ機構19を構成する凹部20が形成してある。凹部20は、側壁9に半円状に切り欠かれた切欠部21より主壁8側に設けてある。この凹部20の断面形状は矩形で、第二ケース部材5に形成される、ラッチ機構19を構成する爪部22の先端が係合するものである。
【0017】
第一取付部10は、接続部材7の厚みにほぼ等しい深さを有する取付凹部23を備えている。取付凹部23の前及び後内壁24,25には、接続部材7の第一ケース部材5側の軸部として機能する突起26,27が形成してある。この第一取付部10には、後述する第二ケース部材5に形成される回転規制片28が位置する矩形切欠29が形成してある。
【0018】
主壁8の下前部分には側壁9が設けてなく、開口端となっており、その側壁9のない開口端から突出するように転写ヘッド6が一体に形成してある。転写ヘッド6は、その先端に取り付けられるローラ30と、ローラ30を回転可能に支持する腕部31と、腕部31を支持する台部32とを備えており、腕部31及び台部32が第一ケース部材4に対して片持ち構造で形成してある。台部32における先端とは反対側の後端部分、すなわち台部32を構成する取付ビーム部55には、その取付ビーム部55の中心軸線と交差するように、第二ケース部材5の第一ケース部材4に対する回転方向と軸線をほぼ一致して縦リブ34が形成してある。具体的には、縦リブ34は、第一ケース部材4の下壁33に対してほぼ直角となる方向に延びて、取付ビーム部55に交差するものである。
【0019】
第二ケース部材5は、第一ケース部材4を実質的に蓋する蓋壁35と、その蓋壁35に一体に形成されて第一ケース部材4の側壁9と重なり合う第一側壁36及び第二側壁37と、第一側壁36と第二側壁37との間に配置されて弾性変形することにより第一ケース部材4の凹部20と係合するラッチ機構19を構成する爪部22と、接続部材7の第二取付部38と、接続部材7の回転を規制する回転規制片28とを備えている。爪部22は、実際に凹部20に係合する係合端39と、凹部20と係合している係合端39の係合を解除する外力を受ける操作端40とを備えている。操作端40の平面形状は、切欠部21の形状に対応させてある。
【0020】
第一側壁36の内面には、係合手段14を構成する前凸条41が設けてあるとともに、第二側壁37の外面には係合手段14を構成する後凸条42が設けてある。前凸条41は、蓋壁35側の側壁43が第一側壁36の内面に対する角度を連続して変化させるように形成してある。具体的には、前凸条41の蓋壁35側つまり外側の側壁43は、図8の(f)、(g)及び(h)に示すように、その前端側においては第一側壁36の内面にほぼ垂直に形成され、後方に向かうにつれて蓋壁35から遠ざかるように傾斜して形成される。一方、後凸条42は、このような前凸条41とは反対に、図8の(k)及び(m)に示すように、蓋壁35側の側壁44が、その後端側においては第二側壁37の外面にほぼ垂直に形成され、前方に向かうにつれて蓋壁35から遠ざかるように傾斜して形成される。なお、前凸条41及び後凸条42の外側の側壁45,46は、それぞれの凸条41,42が溝15,16と係合する際の操作力を緩和するために、外側が低くなるように傾斜している。
【0021】
第二取付部38は、第一取付部10と同様に、接続部材7の厚みにほぼ等しい深さを有する取付凹部47を備えている。取付凹部47の前及び後内壁48,49には、接続部材7の第二ケース部材5側の軸部として機能する突起50,51が形成してある。
【0022】
この第二取付部38を横切るようにして、接続部材7の回転を規制する回転規制片28が設けてある。回転規制片28は、第二ケース部材5を接続部材7に対して90°を上回る角度を離して開いた状態から第二ケース部材5を閉める方向に回転させた際に、第二ケース部材5の回転を規制するものである。すなわち、第二ケース部材5を例えばほぼ180°に開いた状態でほぼ水平な場所に置き、第二ケース部材5を接続部材7の第二ケース部材5側の第二回転軸部52を中心に回転させると、第二ケース部材5がほぼ水平な姿勢からほぼ垂直な姿勢にまで移動する。そして、第二ケース部材5をほぼ垂直な姿勢からさらに第一ケース部材4側に回転させようとする場合に、回転規制片28が接続部材7にあたって、第二ケース部材5側の第二回転軸部52を中心にしてそれ以上に第二ケース部材5が回ることがない。この場合に、回転規制片28により回転を規定された第二ケース部材5は、接続部材7の第一ケース部材4側に位置する第一回転軸部53を中心に回転することになる。
【0023】
このような第二ケース部材5においてさらに、第二ケース部材5の転写ヘッド6に対応する下前部分には、転写ヘッド6の縦リブ34を支持する支持部としての細隙54が形成してある。細隙54は、第二ケース部材5の第一ケース部材4に対する回転方向と軸線をほぼ一致して、言い換えれば、第一ケース部材4の下壁33の延びる方向を水平方向とした場合に、水平方向に直交する上下方向に形成される。細隙54には、第二ケース部材5が閉じられた際に、縦リブ34が嵌るものである。この縦リブ34の支持部である細隙54に対して、縦リブ34に対して斜めに交わる、転写ヘッド6の台部32を構成する取付ビーム部55が嵌る傾斜細隙56が一体に形成してある。
【0024】
このように、取付ビーム部55に、第一ケース部材4の下壁33の延びる方向を水平方向とした場合に、水平方向に直交する上下方向に縦リブ34を形成し、その縦リブ34が第二ケース部材5を閉鎖することにより細隙54に支持されることにより、転写ヘッド6の腕部31にかかる外力により取付ビーム部55が上下方向に回転することが抑制される。したがって、使用時において、転写ヘッド6に上向きの力が作用しても、取付ビーム部55が回転しないため、テープ1の被転写物への接触を良好に保つことができる。このため、転写物を精度よく転写することができる。
【0025】
接続部材7は、軟質もしくは弾性体の合成樹脂素材により形成される。接続部材7は、蝶番として機能する蝶番本体57と、蝶番本体57の前端側に一体に形成されるカバー位置決め部58と、カバー位置決め部58に一体に形成され転写ヘッド6を覆うヘッドカバー59とからなる。蝶番本体57は、ほぼ長方形の板状のものであり、その長方形状の平行な長辺に沿って第一回転軸部53及び第二回転軸部52を備えている。すなわち、蝶番本体57は、その上面の中央部分が周囲より凹んでおり、周囲に段部を形成することにより第一回転軸部53と第二回転軸部52とを形成する構造になっている。
【0026】
そして、第一回転軸部53の両端に形成される凹部60,61が第一ケース部材4の第一取付部10の突起26,27と係合することにより、また第二回転軸部52の両端に形成される凹部62,63が第二ケース部材5の第二取付部38の突起50,51と係合することにより、第一ケース部材4と第二ケース部材5とを相互に回転可能に接続するものである。使用時にあっては、蝶番本体57の第一回転軸部53と第二回転軸部52との間の表面を回転規制片28が接触しながら移動し、第一回転軸部53に回転規制片28が接触することにより第二カバー部材5の回転を規制するものである。
【0027】
係止部であるカバー位置決め部58は、蝶番本体57より狭い幅を有し、その両外側に延びる一対の位置決め片64を有している。それぞれの位置決め片64は、第一ケース部材4に第二ケース部材5が閉じられた時に、第一ケース部材4と第二ケース部材5との内側面にそれぞれ係合し(支持され)、カバー位置決め部58が弾性変形することを防いでいる。この一対の位置決め片64により、仮にヘッドカバー59を引っ張っても、カバー位置決め部58は下側に撓むことはない。
【0028】
ヘッドカバー59は、蝶番本体57に、カバー位置決め部58を介して折り返し可能に設けてある。カバー位置決め部58とヘッドカバー59との間に、部材の厚みを薄くした肉薄部分65を形成し、その肉薄部分65を、ヘッドカバー59の蝶番として機能させる。ヘッドカバー59には貫通孔66が設けてあり、その貫通孔66に対してカバー位置決め部58の下面つまり外面には係止突起67が設けてある。ヘッドカバー59をカバー位置決め部58の裏面に対面するように折り畳んだ際に、貫通孔66に係止突起67が嵌って、ヘッドカバー59がカバー位置決め部58の裏面に取り外し可能に止められる。
【0029】
このように、ヘッドカバー59を、蝶番本体57とカバー位置決め部58と肉薄部分66と一体に形成することにより、製造する部品の数を削減することができ、組立工数や製造費を低減することができる。また、接続部材7のように、使用中に分離することがない部品つまり蝶番本体57と一体とすることにより、ヘッドカバー59を他所に置き忘れて紛失するといった不具合が生じることを防ぐことができる。したがって、使用しない場合に、転写ヘッド6を確実に覆うことができる。
【0030】
以上の構成において、第二ケース部材5が閉じてある状態、つまり第一ケース部材4と第二ケース部材5とがラッチ機構19により操作なく開放し得ないように施錠され、かつ係合手段14により第一ケース部材4と第二ケース部材5とが係合されている状態では、係合手段14は、それぞれの溝15,16にそれぞれの凸条41,42が嵌り込んでいる。したがって、第一ケース部材4と第二ケース部材5とは、二カ所に設けてある係合手段14により、側壁9と第一及び第二側壁36,37のほぼ全長において、強固に閉鎖された状態が維持されるものである。
【0031】
使用にあたっては、ヘッドカバー59を肉薄部分65の位置を折り目にして、カバー位置決め部58の下面にあたるまで折り返す。そして、ヘッドカバー59の貫通孔66に係止突起67を挿入して、ヘッドカバー59をカバー位置決め部58につなぎ止める。このようにヘッドカバー59を転写ヘッド6から開くことで、転写ヘッド6にかけられたテープ1が露出し、転写物を被転写物に転写することが可能になる。
【0032】
転写物を被転写物に転写する場合、転写具をその上下方向つまり側壁9と接続部材7の蝶番本体57とを、例えば親指を上位置にして親指と人差し指とで挟み込む。この場合に、第一ケース部材4と第二ケース部材5とに上下方向に力が加わるため、例えば第二ケース部材5が外側に膨らむように変形しようとする。しかしながら、第一ケース部材4の側壁9と第二ケース部材5の第一及び第二側壁36,37とが係合手段14により係合しているので、上下方向から加わった力では係合が解除されることはない。このため、ラッチ機構19の前後において、第一ケース部材4と第二ケース部材5との間に隙間が生じることはない。したがって、転写ヘッド6近傍の剛性が低くなることがなく、適切な転写物の転写作業を行うことができ、また使用中にケース内に異物が侵入するなどの不具合を確実に防止することができる。
【0033】
第一ケース部材4と第二ケース部材5との係合を解消する場合は、操作端40を押して係合端39が凹部20との係合を解消することでラッチ機構19を解除し、その状態で第一ケース部材4と第二ケース部材5とが離れる方向に、第一ケース部材4と第二ケース部材5とに相反する方向の引っ張り力を加える。加えられた引っ張り力は係合手段14である前後溝15,16及び前後凸条41,42に作用し、第一ケース部材4と第二ケース部材5との係合を解除する。この場合、前後溝15,16及び前後凸条41,42は、上述した断面形状をしているので、ラッチ機構19に近い前溝15及び前凸条41の後端側と、同じくラッチ機構19に近い後溝26及び後凸条42の前端側において、容易に係合が解除される。そして、ラッチ機構19側から順次係合の解除が進み、解除された部分により引き起こされるようにして、前溝15及び前凸条41のそれぞれの前端、及び後溝16及び後凸条42のそれぞれの後端まで連続して係合が解除されるものである。したがって、第一ケース部材4と第二ケース部材5とは、その前端側言い換えれば転写ヘッド6の近傍と後端側とにおいて強固に係合しているが、ラッチ機構19を解除した後に引っ張り力を加えることにより比較的容易に開放することができるものである。
【0034】
この場合、第一ケース部材53は、第一回転軸部53により接続部材7の外側にほぼ90°回転させることができ、同様に、第二ケース部材5は、第一ケース部材53の回転方向とは反対方向に、第二回転軸部52により接続部材7の外側にほぼ90°回転させることができる。この結果、接続部材7に対して第一ケース部材53と第二ケース部材52とがそれぞれほぼ90°外側に回転することにより、接続部材7を挟んでその両側に第一ケース部材53と第二ケース部材52とが位置する。
【0035】
つまり、第一ケース部材4と第二ケース部材5とは、接続部材7により接続されているので、ケースを開いた場合、言い換えれば第二ケース部材5を開いた場合に、第一ケース部材4と第二ケース部材5とを同じ平面上におくことができる。したがって、第一ケース部材53の側方に第二ケース部材52が壁となって、テープ1を交換する場合の障害になることがなく、テープ1の交換を容易にすることができる。
【0036】
ケースを開いた後、テープ1を取り出して、新しいテープ1を交換するに際しては、供給リール2と巻き取りリール3とを第一ケース部材4内の取付位置と同じに仮に配置する転写体装填補助具であるテープパスガイド68を使用する。テープパスガイド68は、
供給リール2と巻き取りリール3とを使用時の間隔をあけて仮保持するリール保持部69と、リール保持部69の供給リール2から引き出されたテープ1を案内する変形可能な、先端が所定距離離れた一対の案内片70とからなる。このテープパスガイド68においては、リール保持部69に仮保持される供給リール2から引き出され一対の案内片70により案内された後再度供給リール2に巻かれたテープ1に接触するまでのテープ1の長さを、供給リール2から引き出され転写ヘッド6に接触した後再度供給リール2に巻かれたテープ1に接触するまでのテープ1の長さとほぼ等しくなるように、リール保持部69に対して案内片70を配置している。
【0037】
リール保持部69は、基台71と、基台71にほぼ垂直に立てられる供給リール用軸72及び巻き取りリール用軸73と、供給リール用軸72の周りに離れて設けられ供給リール2と係合する少なくとも一対の第一係合片74と、巻き取りリール用軸73の周りに離れて設けられ巻き取りリール3と係合する複数の第二係合片75とを備えている。供給リール用軸72と巻き取りリール用軸73との間隔は、テープ1を装填する転写具の第一回転軸11と第二回転軸12との間隔とほぼ一致させてある。
【0038】
このようなリール保持部69において、供給リール2に供給リール用軸72を挿入すると、供給リール2の中心部に放射状に形成される補強リブ間に第一係合片74が挿入されて、供給リール2の回転が止められるものである。同様にして、巻き取りリール3に巻き取りリール用軸73を挿入すると、巻き取りリール3の中心部に放射状に形成される補強リブ間に第二係合片75が挿入されて、巻き取りリール3の回転が止められるものである。この場合に、第二係合片75は、第一係合片74に比べて細いものを複数設けているので、巻き取りリール3の仮保持位置を微調整することができ、テープ1に弛みができるのを防止することができる。
【0039】
一対の案内片70は、その先端間に位置するテープ1をリール保持部69から遠ざかる方向に引っ張った際に、テープ1の張力により変形してそれぞれの先端が接近する構成である。すなわち、案内片70は、弾性変形可能な薄板からなり、リール保持部69に仮保持された供給リール2から引き出されたテープ1が、転写ヘッド6にかけられた場合に、弛まないテープ長さとなるように、その長さと先端間距離が設定してある。すなわち、案内片70により案内されるテープの長さが、供給リール2及び巻き取りリール3が使用し得る状態に第一ケース部材53に装着された場合に、テープ1が供給リール2から引き出される位置から転写ヘッド6を介して供給リール2に巻かれているテープ1に接する位置までの長さにほぼ等しくなるよう、各案内片70及び案内片70の先端間距離が設定してある。なお、この案内片は、テープ1に張力がかけられ、先端が所定距離以上に接近した場合に、折れて脱落するものであってもよい。
【0040】
テープパスガイド68を使用してテープ1を第一ケース部材4に装着する場合、テープパスガイド68に供給リール2と巻き取りリール3とを取り外し可能に装着する。転写具に装填するテープ1は、転写物が外側になるようにして供給リール2に巻かれており、供給リール2から引き出された端が、巻き取りリール3に既に巻き取られている。まず、適当な長さのテープ1を、供給リール2から繰り出しておく。その状態で、供給リール用軸72と第一係合片74とにより供給リール2を基台71に取り付ける。次に、巻き取りリール3を引っ張りながら、案内片70の先端間にテープ1を掛け渡す。さらにテープ1を引っ張って、案内片70の先端間に掛け渡したテープ1に弛みがない状態を形成して、巻き取りリール用軸73と第二係合片75とにより巻き取りリール3を基台71に取り付ける。この場合に、供給リール2から引き出され、案内片70を介して巻き取りリール3に至るまでのテープ1が、どの部分においても弛まないように巻き取りリール3を取り付けるものである。
【0041】
このようにしてテープパスガイド68にテープ1を取り付けておき、転写ヘッド6のローラ30に案内片70の先端間にかけられたテープ1部分を引っかける。そして、テープパスガイド68を第一ケース部材4の中側に向かって引っ張り、供給リール2と巻き取りリール3とが第一ケース部材4の第一及び第二回転軸11,12に取り付ける。この時、それぞれの案内片70はテープ1の張力により弾性的に変形し、ローラ30に接触することなく互いに接近する。この結果、第一ケース部材4に供給リール2と巻き取りリール3とが取り付けられた状態で、転写ヘッド6を中心として、供給リール2から転写ヘッド6に向かう部分のテープ1と、転写ヘッド6から供給リール2に巻かれたテープ1に接して巻き取りリール3に向かう部分のテープ1において、弛みは生じない。この後、テープパスガイド68を供給リール2と巻き取りリール3とから取り外すことによって、テープ1の装着が完了する。
【0042】
このように、テープパスガイド68を使用すれば、転写ヘッド6のローラ30にテープ1を引っかけた状態でテープ1を装着できるので、テープが弛むことを確実に防止することができる。又、供給リール2と巻き取りリール3との単位でテープ1を交換することができるので、廃棄する部品を最小限に抑えることができる。したがって、コストの上昇を抑制することができる。
【0043】
そして、このようにテープ1を取り替えた後に開かれている第二ケース部材5を閉じる場合、第二ケース部材5のラッチ機構19の操作端40辺りを持ち上げると、第二ケース部材5は接続部材7の第二回転軸部52を回転軸として回転する。この時、蝶番本体57は、第一ケース部材4に対して回転していない。そして第二ケース部材5が接続部材7に対してほぼ垂直な姿勢になった時点で、回転規制片28の先端が蝶番本体57第一回転軸部53に突き当たることによって、第二ケース部材5の回転は規制され、第二ケース部材5は接続部材7に対してほぼ90°離れた位置に止められる。
【0044】
このようにして第二ケース部材5の回転が規制された後に第二ケース部材5をさらに回転させると、第二ケース部材5の回転に伴って蝶番本体57が第二ケース部材5と一緒になって、接続部材7の第一回転軸部53を回転軸として回転する。そして、蝶番本体57が第一ケース部材53の下壁33に突き当たるまで、第二ケース部材5と蝶番本体57とがほぼ直角の関係を保ちながら、第一ケース部材4に対して第二ケース部材5を回転させる。この結果、第二ケース部材5が、第一ケース部材4に重なり第一ケース部材4を閉鎖する。
【0045】
このように、回転規制片28があるので、第二ケース部材5を持って第二ケース部材5を回転させても、第二ケース部材5が第一ケース部材4に倒れ込むことがない。つまり、第二ケース部材5は、開ききった状態から接続部材7に対してほぼ90°の角度まで回転した後は、その位置での姿勢を保ったまま回転をさせることができる。このため、第二ケース部材5が第一ケース部材4に対して突き当たって、回転し得ない状態になることを確実に防止することができる。したがって、第一ケース部材4と第二ケース部材5とをほぼ180°離して開くことができるにもかかわらず、一本の回転軸の周りに二つの部材を回転させる通常の蝶番が使用されている場合と同様に閉じる操作をすることができる。
【0046】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0047】
接続部材7を構成する蝶番本体57は、第一ケース部材4と第二ケース部材5との上側における側壁部分に配置されるものであってもよい。この場合、接続部材7とヘッドカバー59とは別部材で構成するものである。接続部材7は軟質の合成樹脂により形成するので、使用時に、接続部材7の部分が転写具の握り部分となり、使い勝手を向上させることができる。
【0048】
又、上記実施形態においては、第一ケース部材4と第二ケース部材5とが接続部材7により接続されるものを説明したが、接続部材ではなく、回転軸が一本の蝶番であってもよい。さらには、第一ケース部材と第二ケース部材とは、蝶番により接続されていないものであってもよい。
【0049】
第二ケース部材は、転写具のケースを構成する部材を有するリフィルの外壁であってもよい。すなわち、このようなリフィルは、外壁と、その外壁に回転可能に保持される供給リール及び巻き取りリールなどで構成されるものであってよい。供給リールに転写体が巻き付けられていることは、言うまでもない。
【0050】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態の使用時の状態を示す正面図。
【図2】同実施形態の第二ケース部材を開放した場合の正面図。
【図3】同実施形態の第一ケース部材を内側から見た場合の正面図。
【図4】同実施形態の第一ケース部材の平面図(a)及び底面図(b)。
【図5】(a)は図3のa−a線、(b)は図3のb−b線、(c)は図3のc−c線、(d)は図3のd−d線及び(e)は図3のe−e線に沿った端面図。
【図6】同実施形態の第二ケース部材を内側から見た正面図。
【図7】同実施形態の第二ケース部材の平面図及び底面図。
【図8】(f)は図6のf−f線、(g)は図6のg−g線、(h)は図6のh−h線、(k)は図6のk−k線及び(m)は図6のm−m線に沿った端面図。
【図9】同実施形態の接続部材の平面図(a)及び正面図(b)。
【図10】同実施形態のテープパスガイドの平面図(a)及び正面図(b)。
【符号の説明】
【0052】
1…テープ
2…供給リール
3…巻き取りリール
4…第一ケース部材
5…第二ケース部材
6…転写ヘッド
7…接続部材
14…係合手段
28…回転規制片
31…腕部
32…台部
34…縦リブ
53…第一回転軸部
52…第二回転軸部
55…取付ビーム部
58…カバー位置決め部
59…ヘッドカバー
65…肉薄部
66…貫通孔
67…係止突起
69…リール保持部
70…案内片
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【出願日】 平成19年4月27日(2007.4.27)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博


【公開番号】 特開2008−273064(P2008−273064A)
【公開日】 平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願番号】 特願2007−120194(P2007−120194)