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棒状体繰出用容器 - 特開2008−126546 | j-tokkyo
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【発明の名称】 棒状体繰出用容器
【発明者】 【氏名】亀井 明憲

【氏名】田村 悠

【氏名】高畠 博幸

【要約】 【課題】消しゴムや口紅等の棒状体の繰出用容器において、使用時に、本体筒の前端開口部から繰り出された棒状体の繰出し基部周縁における裂傷や折損を効果的に防止することができるようにする。

【解決手段】本体筒2内に、筒軸方向に移動し、その操作を本体筒2外から行いうるスライダー4を設け、このスライダー4に棒状体14の後端部14aを装着させて、本体筒2の開口部11から棒状体14の前端部14bを出没自在とするための棒状体繰出用容器1であって、前記開口部11を形成する周壁10aのうち、開口部11の開口前端11aから軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲であって、かつ内周面から少なくとも1000μmの肉厚部分を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筒内に、筒軸方向に移動し、その操作を本体筒外から行いうるスライダーを設け、このスライダーに棒状体の後端部を装着させて、本体筒の前端に設けた開口部から棒状体の前端部を出没自在とするための棒状体繰出用容器であって、前記開口部を形成する周壁のうち、開口部の開口前端から軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲であって、かつ内周面から少なくとも1000μmの肉厚部分を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により形成したことを特徴とする棒状体繰出用容器。
【請求項2】
前記開口部の周壁を、内周壁と外周壁との二重壁とし、内周壁をエラストマー樹脂で形成するとともに、外周壁を棒状体の硬度よりもA2以上大きい値のデュロメータ硬度を有する合成樹脂で形成したことを特徴とする請求項1記載の棒状体繰出用容器。
【請求項3】
前記開口部の周壁のうち、エラストマー樹脂で形成する内周壁の肉厚を、開口部の軸線方向に沿って、後方から前方に向かうに従って、漸次大きくなるように形成したことを特徴とする請求項2記載の棒状体繰出用容器。
【請求項4】
前記開口部の周壁を、開口前端から軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により、少なくとも1200μmの肉厚を有する一重壁として形成したことを特徴とする請求項1記載の棒状体繰出用容器。
【請求項5】
棒状体をA40〜A70のデュロメータ硬度を有する消しゴムとするとともに、エラストマー樹脂を、A35〜A70のデュロメータ硬度を有するスチレン系エラストマー樹脂としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の棒状体繰出用容器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、消しゴムや口紅などの棒状体を繰出し自在に収容するのに用いられる棒状体繰出用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消しゴムの繰出用容器においては、本体筒内に、前後方向に移動するスライダーを備え、このスライダーに棒状の消しゴムの後端部を装着させて、本体筒の前端開口部から消しゴムの前端部を出没自在とするようにしたものが公知である(特許文献1,2参照)。
【0003】
しかし、特許文献1,2記載のものは、本体筒の前端開口部が、本体筒と同様なポリプロピレン樹脂等の硬度の比較的大きい合成樹脂材料から形成されているため、使用時に、前記合成樹脂材料よりも硬度の小さい消しゴムの繰出し基部周縁が、前記開口部の開口周縁に当接して折り曲げられたりすると、当接部分を基点にして裂傷等の傷が発生し、折損し易いという問題があった。
【特許文献1】特開2003−226096号公報
【特許文献2】特開2003−127592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の技術の有する上記の問題点に鑑み、消しゴムや口紅等の棒状体の繰出用容器において、使用時に、本体筒の前端開口部から繰り出された棒状体の繰出し基部周縁における前記裂傷や折損を効果的に防止することができるようにした棒状体繰出用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) 本体筒内に、筒軸方向に移動し、その操作を本体筒外から行いうるスライダーを設け、このスライダーに棒状体の後端部を装着させて、本体筒の前端に設けた開口部から棒状体の前端部を出没自在とするための棒状体繰出用容器において、前記開口部を形成する周壁のうち、開口部の開口前端から軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲であって、かつ内周面から少なくとも1000μmの肉厚部分を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により形成する。
【0006】
(2) 上記(1)項において、前記開口部の周壁を、内周壁と外周壁との二重壁とし、内周壁をエラストマー樹脂で形成するとともに、外周壁を棒状体の硬度よりもA2以上大きい値のデュロメータ硬度を有する合成樹脂で形成する。
【0007】
(3) 上記(2)項において、前記開口部の周壁のうち、エラストマー樹脂で形成する内周壁の肉厚を、開口部の軸線方向に沿って、後方から前方に向かうに従って、漸次大きくなるように形成する。
【0008】
(4) 上記(1)項において、前記開口部の周壁を、開口前端から軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により、少なくとも1200μmの肉厚を有する一重壁として形成する。
【0009】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、棒状体をA40〜A70のデュロメータ硬度を有する消しゴムとするとともに、エラストマー樹脂を、A35〜A70のデュロメータ硬度を有するスチレン系エラストマー樹脂とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
請求項1記載の発明によると、開口部を形成する周壁のうち、開口部の開口前端から軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲であって、かつ内周面から少なくとも1000μmの肉厚部分を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により形成してあるため、使用時における、本体筒の前端開口部から繰り出された棒状体の繰出し基部周縁における裂傷や折損を、エラストマー樹脂による緩衝効果により、効果的に防止することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、開口部の周壁を、内周壁と外周壁との二重壁とし、内周壁をエラストマー樹脂で形成するとともに、外周壁を棒状体の硬度よりもA2以上大きい値のデュロメータ硬度を有する合成樹脂で形成してあるため、使用時における、棒状体の繰出し基部周縁における裂傷や折損を、エラストマー樹脂で形成された内周壁の緩衝効果により、効果的に防止することができるとともに、硬度の大きい外周壁により、前記開口部から繰り出された棒状体のぐらつきを有効に防止することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によると、開口部の周壁のうち、エラストマー樹脂で形成する内周壁の肉厚を、開口部の軸線方向に沿って、後方から前方に向かうに従って、漸次大きくなるように形成してあるため、使用時において、棒状体に負荷される曲げ応力が本体筒の開口周縁に集中されることなく分散されることになり、棒状体の前記裂傷や折損を効果的に防止することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によると、開口部の周壁を、開口前端から軸線方向の後向きに少なくとも800μmの範囲を、棒状体の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度を有するエラストマー樹脂により、少なくとも1200μmの比較的大きい肉厚を有する一重壁としてあるため、使用時における、本体筒の前端開口部から繰り出された棒状体のぐらつきを防止することができるとともに、棒状体の繰出し基部周縁における裂傷や折損を、エラストマー樹脂による緩衝効果により、効果的に防止することができる。
【0014】
請求項5記載の発明によると、棒状体をA40〜A70のデュロメータ硬度を有する消しゴムとするとともに、エラストマー樹脂を、A35〜A70のデュロメータ硬度を有するスチレン系エラストマー樹脂としてあるため、使用時に、本体筒の前端開口部から繰り出された消しゴムのぐらつきを防止することができるとともに、消しゴムの繰出し基部周縁における裂傷や折損を、エラストマー樹脂による緩衝効果により、効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の棒状体繰出用容器から、使用時における棒状体を繰り出した状態を、保護キャップを取外して示す斜視図、図2は、不使用時において、棒状体繰出用容器内に棒状体を収容した状態を、本体筒と保護キャップとを分解して示す斜視図、図3は、図2におけるIII−III線断面図、図4は、棒状体繰出用容器の分解斜視図である。
【0016】
図1〜図4に示すように、本発明の棒状体繰出用容器1は、ポリプロピレン樹脂などの硬度がA90以上の大きい値のデュロメータ硬度を有する合成樹脂からなる本体筒2と、この本体筒2の内周面に固着した軸線方向のラック3と、このラック3に噛合させて本体筒2内を軸線方向に移動自在なスライダー4と、このスライダー4を案内するガイドスリーブ5と、本体筒2の前部外周面に回動自在に嵌着した摘み筒6と、本体筒2の後端に装着された尾栓7と、本体筒2の前端に摘み筒6を介して着脱自在に装着された保護キャップ8とより構成されている。
【0017】
ラック3は、筒状体において後端部分を残して、その前方を半筒状とした形状をなし、その内周面には、螺旋状凹条部3aが設けられている。一方、スライダー4の外周面には、螺旋状突条部4aが設けられており、これら螺旋状凹条部3aと螺旋状突条部4aとが噛合しうるように、ラック3とスライダー4を互いに組み付けることにより、ガイドスリーブ5のガイド溝5aに係合させたスライダー4が、ラック3とガイドスリーブ5との相対的な回動により、本体筒2内を軸線方向に移動しうるようになっている。
【0018】
摘み筒6は、前方に突出させた筒状の開口部9を有し、この開口部9の前端には、ガイドリング10が設けられており、このガイドリング10が開口部9の開口前端11を形成している。
【0019】
ガイドリング10は、後記する棒状体14の硬度よりもA0〜A5だけ小さい値のデュロメータ硬度、好ましくはA35以上で、A70以下の範囲のデュロメータ硬度を有するスチレン系軟質エラストマー樹脂からなるとともに、前記開口部9の開口前端11から軸線方向の後向きの長さLを、少なくとも800μm、例えば1000μmとし、その肉厚Tを、少なくとも1000μm、例えば1850μmとしてある。
【0020】
尾栓7には、突起12が設けられており、この突起12は、本体筒2の後端に形成した切欠き部13に係止させてある。
【0021】
本体筒2およびラック3は、尾栓7の回動により、互いに同期回転し、同様に、ガイドスリーブ5および摘み筒6は、尾栓7の回動による本体筒2およびラック3の相対的な回動により、互いに同期回転しうるように、それぞれ組み付けられている。
【0022】
スライダー4には、図3に想像線で示すように、棒状体としての円柱状の消しゴム14の後端部14aが装着されており、この消しゴム14は、A40以上で、A70以下の範囲のデュロメータ硬度を有するものが、紙面を損傷せず、使用感の良好性などの理由から好ましく用いられる。
【0023】
スライダー4は、本体筒2、ラック3および尾栓7と、ガイドスリーブ5および摘み筒6との相対的な回動により、ガイドスリーブ5のガイド溝5aに沿って軸線方向に移動し、このスライダー4に後端部14aが装着された消しゴム14の前端部14bが、開口部9から出没自在となるようにしてある。
【0024】
次に、消しゴム14の使用時における操作手順について説明する。
まず、図2、図3に示すように、本体筒2の保護キャップ8を取り外し、一方の手の指で摘み筒6を、他方の手の指で本体筒2を、それぞれ摘まみ、摘み筒6に対して、本体筒2を時計回り方向に回動させる。
これにより、ラック3に噛合させたスライダー4は、本体筒2内を前方に移動し、スライダー4に後端部14aが装着された消しゴム14の前端部14bが、摘み筒6の開口部9から繰り出され、使用可能な状態となる。
【0025】
消しゴム14は、硬度の小さいガイドリング10を通して繰り出されるため、消しゴム14の繰出し基部周縁が、ガイドリング10の開口前端11における開口周縁11aに当接しても、ガイドリング10が緩衝部材として作用し、消しゴム14の裂傷や折損を効果的に防止することができる。
【0026】
使用後に、消しゴム14を本体筒2内に収容するには、上記と逆の操作を行えばよい。
【0027】
図5は、本発明の第2実施形態における開口部を一部破断して示す要部拡大断面図である。
【0028】
図5に示すように、本実施形態においては、本体筒に嵌着される摘み筒15の開口部16の周壁17を、内周壁18と外周壁19との二重壁構造とする。内周壁18は、その肉厚が開口部17の軸線方向に沿って、後方から前方に向かうに従って、漸次大きくなるようにして、エラストマー樹脂で形成するとともに、外周壁19を、消しゴム20の硬度よりもA2以上大きい値のデュロメータ硬度を有するポリプロピレン系合成樹脂により形成してある。
【0029】
このように、消しゴム20よりも硬度の大きい外周壁19を有する二重壁構造とすることにより、開口部16から繰り出される消しゴム20の使用時におけるぐらつきを防止することができる。
また、エラストマー樹脂で形成される内周壁18の肉厚を、軸線方向に後方から前方に向かうに従って、漸次大きくなるようにすることにより、使用時における消しゴム20に負荷される曲げ応力が、開口部16の開口前端に集中されることなく分散されるため、消しゴム20の裂傷や折損を効果的に防止することができる。
【0030】
(実施例および比較例)
棒状体として、消しゴムを、図1に示すような繰出用容器に装着するとともに、本体筒における開口部の周壁を、スチレン系軟質エラストマー樹脂により形成した内周壁と、ポリプロピレ樹脂により形成した外周壁との二重壁とした。
スチレン系軟質エラストマー樹脂により形成した内周壁の条件を種々変更して、消しゴムの裂傷、折損の有無および使用感を試験した。
消しゴムは、直径が7mm、長さが30mm、デュロメータ硬度がA53、A68、A45の棒状体のものを用いた。
消しゴムの前端部を、本体筒における開口部の開口前端から5mm突出させて、紙面に14.7Nの押圧力をもって押し当て、左右にほぼ40mm程度の擦り移動を5往復した後に、本体筒の開口部から消しゴムを取り出し、その裂傷および折損の有無を観察するとともに、使用感を試験した。
結果を表1に示す。ただし、評価は、下記の基準で行った。
なお、表中、No.3、No.4、No.7、No.8、No.15、No.19、No.20、No.21、No.26、No.27、No.28、No.31、No.32、No.33は、実施例、その他は、比較例である。
評価;
A;消しゴムに裂傷などの何らの損傷もみられず、かつ使用時に、消しゴムがぐらつく等の不都合もなく、良好な使用感が得られた。
B;消しゴムに裂傷などの何らの損傷もみられなかったが、使用時に、消しゴムの僅かなぐらつきがみられた。しかし、使用感は不良とはいえず、実用上、何ら問題もなかった。
C;使用時に、消しゴムに相当程度のぐらつきがみられ、使用感が余り良好とはいえなかった。
D;使用時に、消しゴムの可成りのぐらつきがみられ、本体筒における開口部の奥部の硬度が大きい部分に当接する消しゴム部分を基点として裂傷がみられた。
E;本体筒における開口部の開口前端周縁に当接する消しゴム部分を基点として裂傷がみられた。
F;消しゴムの折損がみられた。
【0031】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態の棒状体繰出用容器から、使用時における棒状体を繰り出した状態を、保護キャップを取外して示す斜視図である。
【図2】不使用時において、棒状体繰出用容器内に棒状体を収容した状態を、本体筒と保護キャップとを分解して示す斜視図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】棒状体繰出用容器の分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態における開口部を一部破断して示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 棒状体繰出用容器
2 本体筒
3 ラック
3a 螺旋状凹条部
4 スライダー
4a 螺旋状突条部
5 ガイドスリーブ
6 摘み筒
7 尾栓
8 保護キャップ
9 開口部
10 ガイドリング(スチレン系軟質エラストマー樹脂)
10a 周壁
11 開口前端
11a 開口周縁
12 突起
13 切欠き部
14 消しゴム(棒状体)
14a 後端部
14b 前端部
15 摘み筒
16 開口部
17 周壁
18 内周壁
19 外周壁
20 消しゴム(棒状体)
L ガイドリングの軸線方向の長さ
T ガイドリングの肉厚
【出願人】 【識別番号】000134589
【氏名又は名称】株式会社トンボ鉛筆
【出願日】 平成18年11月21日(2006.11.21)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一

【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣


【公開番号】 特開2008−126546(P2008−126546A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−314790(P2006−314790)