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【発明の名称】 スクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板
【発明者】 【氏名】坂和 勝紀

【要約】 【課題】できる限り既存のスライド式黒板の機構を利用し、別途スクリーンを用意することなくプロジェクター等用のスクリーンとして利用することが可能で、しかも当該スクリーン面を上方に位置させたとしても、スクリーン映像がぼやけることなく明瞭に視認可能なスクリーン機能を備えたスライド式筆記板を提供することを課題とする。

【構成】背面に設置されたガイドバー2が、壁面30に取り付けられた昇降装置3に支持されることにより昇降可能にされるスクリーン兼用の筆記板であって、前記筆記板1は、その下端部が前記ガイドバー2の下端部に枢支され、その上部と前記ガイドバーの上部との間に、前記筆記板を傾斜可能にし且つその傾斜状態を保持し得る傾斜保持手段11、12が配設される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面に設置されたガイドバーが、壁面に取り付けられた昇降装置に支持されることにより昇降可能にされるスクリーン兼用の筆記板であって、前記筆記板は、その下端部が前記ガイドバーの下端部において枢支され、その上部と前記ガイドバーの上部との間に、前記筆記板を傾斜可能にし且つその傾斜状態を保持し得る傾斜保持手段を備えることを特徴とするスライド式筆記板。
【請求項2】
前記傾斜保持手段は、一方が前記筆記板の上部に固定され、他方が前記ガイドバーの上部に固定される一対の係合板から成り、前記係合板の一方は横長孔を有し、他方の前記係合板は、前記横長孔に係合して前記横長孔に沿って摺動可能な調整ボルトを有していて、前記調整ボルトは前記横長孔の任意の位置において締付け固定可能である請求項1に記載のスライド式筆記板。
【請求項3】
前記傾斜保持手段は一対のアームから成り、一方の前記アームの一端が前記筆記板の上部に枢支され、他方の前記アームの一端が前記ガイドバーの上部に枢支され、前記一対のアームの各他端同士が締付ネジを介して連結され、前記一対のアームは前記締付ネジの緩締操作によって任意の角度に折曲し、その状態を保持可能である請求項1に記載のスライド式筆記板。
【請求項4】
前記傾斜保持手段は、一端が前記筆記板の上部に固定され、他端が前記ガイドバーの上部に設置される滑車に掛け回された後、垂下されるロープで構成され、前記ロープは任意の繰り出し位置において固定可能である請求項1に記載のスライド式筆記板。
【請求項5】
前記筆記板の上部と前記ガイドバーの上部との間に押し開き用スプリングを介在させた請求項4に記載のスライド式筆記版。
【請求項6】
前記傾斜保持手段は、前記筆記板の上部と前記ガイドバーの上部との間に渡されたダンパーである請求項1に記載のスライド式筆記板。
【請求項7】
前記筆記板の上部と前記ガイドバーの上部との間に、前記筆記板の過剰傾斜を抑止する安全手段が渡される請求項6に記載のスライド式筆記板。
【請求項8】
前記傾斜保持手段は、前記筆記板の上部と前記ガイドバーの上部との間に渡されたエアシリンダーである請求項1に記載のスライド式筆記板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板、より詳細には、筆記板が本来の黒板やホワイトボード等の機能の他に、プロジェクター等の映写スクリーンとしての機能をも有する、上下方向スライド式の筆記板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
黒板として、後方の席からも見やすくするために、上方に移動させることができる、上下方向スライド式の黒板が存する。例えば、その昇降機構は、黒板の裏面に、壁に取り付けられるケース内を上下方向に摺動するガイドバーが2本設置されて成る。そして、例えばケース内には一対の滑車と、滑車に掛け回される2条のワイヤーと、ワイヤーを付勢するスプリングとが配備され、各ワイヤーの端部が滑車とガイドバーとに固定される(実開昭47−36535号公報、実公昭54−29852号公報)。
【0003】
上記スプリングの代わりに、ピストンシリンダーを用いるものもあり(実公昭56−36352号公報)、また、制動のためのハンドルを設けたものも知られている(実開昭52−106335号公報)。
【0004】
ところで、講義や授業、会議等に際し、筆記用の黒板やホワイトボードと共に、プロジェクター等による映写用のスクリーンが用いられることがしばしばある。スクリーンとしては一般に、天井から吊下される巻上式のものや、スタンド式のものが用いられる。
【0005】
このように、黒板やホワイトボードの他に別途スクリーンを用意することは、コスト面や設置スペース等の点で問題があり、また、セッティングが煩わしい等の問題もある。そこで最近は、黒板やホワイトボード等の筆記板とスクリーンとを兼用にしたものが出回ってきている(特許第2510809号公報、特許第3348696号公報等)。
【0006】
上記スライド式黒板でスクリーン兼用のものをスクリーンとして用いる場合は、後方の席からも見やすくするために、上方に位置させることが一般である。しかし、その位置が上方であればある程、プロジェクター等からの投光角度がスクリーン面に対して直角よりも小さくなっていき、スクリーン映像がぼやけたものとなっていく。
【0007】
【特許文献1】実開昭47−36535号公報
【特許文献2】実公昭54−29852号公報
【特許文献3】実公昭56−36352号公報
【特許文献4】実開昭52−106335号公報
【特許文献5】特許第2510809号公報
【特許文献6】特許第3348696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような、スクリーン兼用黒板を用いた上下スライド式黒板における問題点を解決するためになされたものであって、できる限り既存のスライド式黒板の機構を利用し、別途スクリーンを用意することなくプロジェクター等のスクリーンとして利用することが可能で、しかも当該スクリーン面を上方に位置させたとしても、スクリーン映像がぼやけることなく明瞭に視認可能なスクリーン機能を備えたスライド式筆記板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載のスライド式筆記板は、背面に設置されたガイドバーが、壁面に取り付けられた昇降装置に支持されることにより昇降可能にされるスクリーン兼用の筆記板であって、前記筆記板は、その下端部が前記ガイドバーの下端部において枢支され、その上部と前記ガイドバーの上部との間に、前記筆記板を傾斜可能にし且つその傾斜状態を保持し得る傾斜保持手段を備えることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための請求項2に記載のスライド式筆記板は、前記筆記板の傾斜保持手段が、一方が前記筆記板の上部に固定され、他方が前記ガイドバーの上部に固定される一対の係合板から成り、前記係合板の一方は横長孔を有し、他方の前記係合板は、前記横長孔に係合して前記横長孔に沿って摺動可能な調整ボルトを有していて、前記調整ボルトは前記横長孔の任意の位置において締付け固定可能とされるというものである。
【0011】
上記課題を解決するための請求項3に記載のスライド式筆記板は、前記傾斜保持手段が一対のアームから成り、一方の前記アームの一端が前記筆記板の上部に枢支され、他方の前記アームの一端が前記ガイドバーの上部に枢支され、前記一対のアームの各他端同士が締付ネジを介して連結され、前記一対のアームは前記締付ネジの緩締操作によって任意の角度に折曲し、その状態を保持可能にされるというものである。
【0012】
上記課題を解決するための請求項4に記載のスライド式筆記板は、前記傾斜保持手段が、一端が前記筆記板の上部に固定され、他端が前記ガイドバーの上部に設置される滑車に掛け回された後、垂下されるロープで構成され、前記ロープを任意の繰り出し位置において固定可能にしたものである。その場合は、前記筆記板の上部と前記ガイドバーの上部との間に押し開き用スプリングを介在させることもある。
【0013】
上記課題を解決するための請求項6に記載のスライド式筆記板は、前記傾斜保持手段を、前記筆記板の上部と前記ガイドバーの上部との間に渡されるダンパーとしたものであり、同請求項8に記載のスライド式筆記板は、前記ダンパーの代わりにエアシリンダーを用いるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述した通りであって、本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板は、スクリーン機能を兼ね備えた筆記板であることから、筆記板を、本来の筆記板として使用し得るだけでなく、スクリーンとしても使用することができる。また、既存の昇降機構をそのまま利用し、そのガイドバーの上部に筆記板の傾斜保持手段を付加することにより、筆記板を上側にスライドさせた際に前方に傾斜させることが可能となり、以てプロジェクター等からの投光を直角又はそれに近い角度にて当てることが可能となるため、スクリーン映像がぼやけることがなく、明瞭に見ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態について、添付図面に依拠して説明する。本発明に係るスライド式筆記板は、筆記板1の背面に設置されたガイドバー2が、壁面30に取り付けられた昇降装置3に支持されることにより昇降可能にされるスクリーン兼用の筆記板であって、筆記板1は、その下端部がガイドバー2の下端部において枢支され、その上部とガイドバー2の上部との間に筆記板1を傾斜させ、且つ、その傾斜状態を保持し得る傾斜保持手段が配備されることを特徴とする。
【0016】
ここにおける筆記板1には黒板、ホワイトボード等が含まれ、筆記板としての機能に加えスクリーン機能を兼ね備えたものである。筆記板1にスクリーン機能を持たせるには、例えば、特許第2510809号公報に開示されているセラミックコーティング材を塗布する等の公知の方法を用いることができる。筆記板1の下端には、必要に応じ、粉受け5等が設置される。
【0017】
筆記板1を上下にスライドさせる構成は、基本的には、上述したようなスプリングやシリンダーを用いる従来のものと変わりはない。そして、従来の場合と同様に、昇降装置3に挿通された、通例2本のガイドバー2を、ブレーキハンドル6を操作してブレーキを外した後、内蔵の昇降機構を介して上下動させる。
【0018】
筆記板1の下端部は、ガイドバー2の下端部において枢支される。例えば、筆記板1の下端部とガイドバー2の下端部の連結に蝶番10が用いられ、蝶番10の一方の翼片がガイドバー2の下端部のフレーム2aに固定され、他方の翼片が筆記板1の下面に固定される(図6参照)。
【0019】
本発明に係るスライド式筆記板は、上昇時において、必要に応じて筆記板を傾斜させることができることを特徴とする。その傾斜動作は、筆記板を上昇させる前に行なうことが多いが、上昇させてから行なうこともできる。この傾斜動作を行なわせるために、筆記板1の上部が、ガイドバー2の上部に離接可能に連結される。そのための手段(傾斜保持手段)は、以下に述べるように種々考えられる。
【0020】
図1及び図2に示す傾斜保持手段は一対の係合板11、12である。一方の係合板11は、通例僅かに円弧状とされる横長孔13を有し、他方の係合板12は、その端部に横長孔13に係合する調整ボルト14を有する。図示した例では、横長孔13を有する係合板11はガイドバー2の方に取り付けられ、他方の係合板12は筆記板1の方に取り付けられているが、逆であってもよい。
【0021】
調整ボルト14は緩めた状態において横長孔13内を摺動可能であり、横長孔13内の任意の位置において締め付けることにより、その位置に固定可能である。
【0022】
図1に示す状態では、調整ボルト14は横長孔13の最も奥側(図において右端)に位置しており、この状態において筆記板1は、ガイドバー2と平行の直立状態となっている。また、図2に示す状態では、調整ボルト14は横長孔13の最も手前側(図において左端)に位置しており、この状態において筆記板1は、手前側に傾斜した状態となっている。筆記板1は、図1に示す状態と図2に示す状態の間の任意の位置、換言すれば、任意の角度に傾斜させ、その状態を保持させることができる。
【0023】
図3及び図4は、上記離接可能にするための他の連結手段として、一対のアームを採用した例を示すものである。一方のアーム15の一端はガイドバー2の上部に枢着され、他方のアーム16の一端は筆記板1の上部に枢着される。そして、アーム15とアーム16のそれぞれの他端同士が締付ネジ17で連結される。
【0024】
この実施形態の場合は、図3に示されるアーム15とアーム16とが最も折曲された状態において筆記板1は直交状態となり、図4に示される、アーム15とアーム16とが一直線状に伸びた状態において、筆記板1は最も手前側に傾斜する。アーム15とアーム16は、締付ネジ17を緩めることにより折曲動作可能で、締付ネジ17を締めることによりその折曲角度、換言すれば、筆記板1の当該傾斜角度を保持させることができる。
【0025】
図5は、傾斜保持手段の更に他の構成を示すもので、それは、一端が筆記板1の上部に固定され、他端はガイドバー2の上部に設置される滑車18に掛け回された後、垂下されるロープ19を含む構成である。
【0026】
この実施形態の場合、垂下されたロープ19の下端部が、壁面30等に設置されるロック手段20によってロックされる。例えばロック手段20はロープ挿通部を有し、当該ロープ挿通部内にバネ圧によってロープを押止する押止部材を備えていて、ロープ19は、常時この押止部材に押圧されてロックされた状態となっている。そして、バネ圧に抗してこの押止部材が押されることにより、ロープ19に対するロックが解除され、ロープの繰出し、引戻しが可能になる。筆記板1を傾斜させるときはロープを繰出すことになるが、筆記板1の傾斜動作を助けるために、筆記板1とガイドバー2との間に、押し開き用スプリング21を介在させることが好ましい。
【0027】
また、上記傾斜保持手段として、ダンパー(ガスダンパー又はオイルダンパー)22を挙げることができる(図7参照)。このダンパー22としては、例えば航空機の荷物棚や天井点検口、あるいは、自動車のトランク等に用いられているものを採用できる。この場合、ダンパー22の一端は筆記板1の上面23において枢支させ、その他端は、ガイドバー2のフレーム上面24において枢支させる。そして、好ましくは、筆記板1の上面23とフレーム上面24との間に、屈折アーム25、ロープ、チェーン等を渡す等の安全手段を講じる。
【0028】
この実施形態の場合、筆記板1の上部を持って前方に引くと、ダンパー22の作用で、筆記板1は所定の回転端まで回動する。途中で止めたい場合は、所望の位置で押さえればよい。屈折アーム25、ロープ、チェーン等の安全手段は、ダンパー22の動作不良等によって筆記板1が過度に回動しないように、その伸び切った状態において筆記板1を停止させて支持する役目を果たす。
【0029】
上記ダンパー22の代わりにエアシリンダーを配置することもできる。その場合エアシリンダーは、その本体がガイドバー2の上部(フレーム上面24)又は筆記板1の上面23の一方に枢着され、そのロッド先端が、他方に枢着される。
【0030】
この実施形態の場合は、エアシリンダーの操作で、筆記板1をガイドバー2から所望量離すことで筆記板1を所望角度に傾斜させ、その角度を維持させることができる。
【0031】
筆記板1を上昇させてスクリーンとして利用する場合、筆記板1は、上昇させる前、あるいは、上昇させた後に、上記いずれかの動作によって所望角度に傾斜させる。
【0032】
かくして、プロジェクター等からの投光が直角に近い角度に当たることになり、鮮明なスクリーン映像が得られる。もちろん、筆記板1を本来の筆記板として用い、上方に位置させた場合においても、筆記文字等が見やすい状態となる。
【0033】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付特許請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板の一実施形態の側面図(筆記板が垂直状態にあるとき)である。
【図2】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板の一実施形態の側面図(筆記板が傾斜状態にあるとき)である。
【図3】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板の他の実施形態の側面図(筆記板が垂直状態にあるとき)である。
【図4】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板の他の実施形態の側面図(筆記板が傾斜状態にあるとき)である。
【図5】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板の更に他の実施形態の側面図(筆記板が垂直状態にあるとき)である。
【図6】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板における筆記板とガイドバーの下部の構成を示す拡大図である。
【図7】本発明に係るスクリーン機能を兼ね備えたスライド式筆記板の更に他の実施形態の斜視図((A)は筆記板が垂直状態にあるとき、(B)は筆記板が傾斜状態にあるとき)である。
【符号の説明】
【0035】
1 筆記板
2 ガイドバー
2a フレーム
3 昇降装置
5 粉受け
6 ブレーキハンドル
10 蝶番
11、12 係合板
13 横長孔
14 調整ボルト
15、16 アーム
17 締付ネジ
18 滑車
19 ロープ
20 ロック手段
21 押し開き用スプリング
22 ダンパー
23 筆記板の上面
24 フレーム面
25 屈折アーム
30 壁面
【出願人】 【識別番号】593068649
【氏名又は名称】株式会社サカワ
【出願日】 平成19年2月6日(2007.2.6)
【代理人】 【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 晴男


【公開番号】 特開2008−30440(P2008−30440A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−27091(P2007−27091)