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【発明の名称】 非接触ICモジュール実装冊子
【発明者】 【氏名】荒木 登

【氏名】大野 哲生

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ICカードリーダーライターと通信可能な非接触ICモジュール部を実装する通帳、パスポート等の冊子類において、前記冊子類の表表紙部若しくは裏表紙部のいずれか一方に前記1つのブースターアンテナ又は2つ以上のブースターアンテナのみを有し、前記冊子類の本文左右下端部のいずれか一方にコーナーカット等を有し、前記1つのブースターアンテナ又は2つ以上のブースターアンテナのみを有する前記冊子類の表表紙部若しくは裏表紙部のいずれか一方の裏側にプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールを前記コーナーカット等に重ならない位置に接着する構成を有することを特徴とする非接触ICモジュール実装冊子。
【請求項2】
請求項1に記載のプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールの形状は、3角形状とし、前記三角形状の2辺を冊子類の本体外周部、前記三角形状の1辺がブースターアンテナの一辺と並行になる位置に接着する構成を有すること特徴とする非接触ICモジュール実装冊子である。
【請求項3】
請求項1に記載のプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールとブースターアンテナとの配置は、前記プリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールの半分以上にはブースターアンテナが重ならない位置に配置することを特徴とする非接触ICモジュール実装冊子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ICカードリーダーライターと通信可能な非接触ICモジュールを実装する通帳、パスポート等の冊子類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、非接触通信可能な無線式ICチップ(メモリー媒体)を内蔵した通帳類に対する当該通帳類所持者のカラー顔画像及び個人情報等の文字情報などを熱転写印刷する通帳類印刷装置を紹介している。
特許文献1で紹介している非接触通信可能な無線式ICチップを内蔵した通帳類では、通帳類製造時において、非接触通信可能な無線式ICチップの動作に問題が無くとも、通帳類自体の外観不良により、製品として出荷できない場合がある。
このため、非接触通信可能な無線式ICチップを内蔵した通帳類では、高価な非接触通信可能な無線式ICチップ等の歩留まりが悪く、製造コストが上昇する一因になる可能性が高い。
また、当該通帳類製造時の物理的な負荷により非接触通信可能な無線式ICチップに微小クラックが生じ、工場出荷検査時には動作していた非接触通信可能な無線式ICチップが、当該通帳類所持者の通帳類使用時の物理的な負荷により微小クラックが非接触通信可能な無線式ICチップを破壊するクラックへと成長させる可能性もある。
さらに、一部のATM装置(自動入金出金装置)等の関係においては、当該通帳類本文に取引内容をATM装置等内蔵プリンターにて印字する際のフィードローラー等が、内蔵する非接触通信可能な無線式ICチップ等を通過する場合もある。
この場合にATM装置等を利用するごとに非接触通信可能な無線式ICチップに発生する内部応力が、非接触通信可能な無線式ICチップをやがて破壊等までさせる可能性がある。
さらに、当該通帳類所持者が、非接触通信可能な無線式ICチップを内蔵した通帳類を携帯するときの曲げ応力等の物理的な負荷により、非接触通信可能な無線式ICチップを破壊する可能性がある。
即ち、非接触通信可能な無線式ICチップを内蔵した通帳類では、物理的な信頼性に劣る可能性がある。
特許文献2には、コイルアンテナを備えた非接触データキャリアを有する冊子を紹介している。
コイルアンテナを備えた非接触データキャリアを有する冊子では、特許文献1での当該通帳類製造時の負荷による非接触通信可能な無線式ICチップへの微小クラック問題、ATM装置等のフィードローラーによる非接触通信可能な無線式ICチップを破壊等させる問題、及び通帳類携帯時の曲げ応力等の物理的な負荷による非接触通信可能な無線式ICチップ等を破壊等する問題は発生しない。
しかし、特許文献2のコイルアンテナを備えた非接触データキャリアでは、コイルアンテナの開口面積が低いため外部処理装置(非接触リーダーライター)よりの通過する磁束が少なく、十分な起電力が生じることができず、外部処理装置とは密着して使用することしかできないものである。
さらに、ICパスポートでは、ISO/IEC14443の近接型非接触ICカードの通信距離を要求している。
このため、特許文献2のコイルアンテナを備えた非接触データキャリアを有する冊子は、外部処理装置とは密着して使用することしかできないものであるため、ICパスポートには不向きである。
【特許文献1】特開2006−281667号公報
【特許文献2】特開2002−42067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、本発明は、非接触ICモジュールを実装する通帳、パスポート等の冊子類において、製造コストを抑制し、物理的な信頼性が高い上に、非接触ICカードリーダーライターとは、近接して使用できる非接触ICモジュールを実装する通帳、パスポート等の冊子類を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様は、非接触ICカードリーダーライターと通信可能な非接触ICモジュールを実装する通帳、パスポート等の冊子類において、前記冊子類の表表紙部若しくは裏表紙部のいずれか一方に前記1つのブースターアンテナ又は2つ以上のブースターアンテナのみを有し、前記冊子類の本文左右下端部のいずれか一方にコーナーカット等を有し、前記1つのブースターアンテナ又は2つ以上のブースターアンテナのみを有する前記冊子類の表表紙部若しくは裏表紙部のいずれか一方の裏側にプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールを前記コーナーカット等に重ならない位置に接着する構成を有することを特徴とする非接触ICモジュール実装冊子である。
【0005】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールの形状は、三角形状とし、前記三角形状の二辺を冊子類の本体外周部、前記三角形状の一辺がブースターアンテナの一辺と並行になる位置に接着する構成を有すること特徴とする非接触ICモジュール実装冊子である。
【0006】
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載のプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールとブースターアンテナとの配置は、前記プリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールの半分以上にはブースターアンテナが重ならない位置に配置することを特徴とする非接触ICモジュール実装冊子である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、非接触ICカードリーダーライターと通信可能な非接触ICモジュールを実装する通帳、パスポート等の冊子類において、一つ以上のブースターアンテナのみを冊子類の表表紙部若しくは裏表紙部のいずれか一方に有し、冊子類本文の左右下端部のいずれか一カ所にコーナーカット等を施した後に、ブースターアンテナを有する冊子類表紙部の裏側にプリントコイルアンテナ内蔵非接触ICチップ搭載非接触ICモジュールを冊子類本文のコーナーカット等に重ならない位置に接着する構成である。
このため、非接触ICモジュールには、冊子類製造時の物理的な負荷がかからないため、冊子類製造時の物理的な負荷による微小クラックが非接触ICチップに生じず、冊子類使用時の物理的な負荷により非接触ICチップ上の微小クラックが非接触ICチップを破壊するクラックへ成長することもない。
さらに、冊子類製造時には、冊子類の表表紙部若しくは裏表紙部にプリントコイルアンテナと結線した非接触ICチップ等を内蔵しないため、非接触ICチップの機能上問題がなくても冊子類の外観不良により製造不良となることがなく、非接触ICチップ等の歩留まりが高いため、製造コストを低く押さえることが可能である。
また、非接触ICモジュールは、ブースターアンテナ形成冊子類表紙部裏側下部に接着されているため、ATM装置等のフィードローラーが通過しないため、ATM装置等のフィードローラーによる非接触ICチップを破壊する問題が生じない。
また、非接触ICモジュールは、プリント基板材料等により非接触ICチップを保護しているため、冊子類使用時の曲げ応力等の物理的な負荷による非接触ICチップを破壊する問題が生じない。
以上の効果と合わせて本発明では、非接触ICチップに十分な起電力を生じるための開口部の広い一つ以上のブースターアンテナをいずれか一方の冊子類表紙部に有しているため、非接触ICカードリーダーライターとの近接型程度の通信距離が取れるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下には、本発明の実施形態について、磁気通帳を例として、図と共に説明する。
図1は、本発明の全体構成の説明図である。
図2は、本発明の表表紙部断面図である。
図3は、本発明の2つのブースターアンテナを表表紙部に形成した説明図である。
図4は、本発明の多面付けでブースターアンテナを形成した磁気通帳表紙部の説明図である。
図5は、本発明の非接触ICモジュール用多層プリント基板の構成説明図である。
【0009】
[全体構成]
本発明の全体構成に関して、図1と共に説明する。
図1の上段の図には、プリント基板にエッチングによるプリントコイルアンテナ1を形成し、プリントコイルアンテナ両端部と非接触ICチップ2の接続パットとをワイヤーボンティングにより接続後に樹脂封止することにより得る非接触ICモジュール3の内部構成を示している。
なお、非接触ICモジュール3の形状は、図1の上段で図示する如く、三角形状とし、非接触ICモジュール3の2辺が磁気通帳4外周部、非接触ICモジュール3の一辺がブースターアンテナに一辺と並行している形状としたものである。
これは、非接触ICモジュール3の開口部が大きくなり、ブースターアンテナ6よりの起電力を大きく取れることによる。
さらに、三角形状は四角形状に比して角がないため、磁気通帳4を屈曲させても磁気通帳4をいためることがないためである。
さらに、図1の中段の図は、磁気通帳4の表表紙部5には、ブースターアンテナ6のみを内蔵していることを示している。
また、磁気通帳4の表表紙部5の左下端裏面部には、非接触ICモジュール3を接着することを示している。
通帳本文7は、左下端部には、コーナーカット部8を形成することを示している。
このコーナーカット部8は、非接触ICモジュール3と通帳本文7が重ならない構成とするために形成するものである。
さらに、図1の下段の図は、単なる磁気通帳と本発明の磁気通帳4は、併用される可能性があるため、磁気通帳4の裏表紙部表面10に磁気テープ部11を形成していることを示している。
例えば、ATM装置等が全て非接触ICカードリーダーライターを搭載するまでは、本発明の磁気通帳4でも、非接触ICカードリーダーライター非搭載ATM装置等では、磁気テープ部11の情報等により処理する必要があるため、磁気テープ部11を形成する必要がある。
なお、ブースターアンテナ6が、磁気通帳表紙部に内蔵されると、ブースターアンテナ6により、磁気通帳表紙部の表面にも微小な凹凸が生じる。
この微小な凹凸が生じている部分に磁気テープ部を形成するとATM装置等の磁気テープ部の読み取りにおいて、磁気出力の変動等の悪影響を及ぼす。
このため、本発明の磁気通帳4では、磁気テープ部11が形成する裏表紙部9には、ブースターアンテナ6を形成しない構成を取る。
【0010】
[ブースターアンテナ部]
図2には、磁気通帳4の表表紙部5の断面図を示している。
クロス表紙12と内張紙13の間には、公知の溶剤系導電性ペーストをシルク印刷により形成したブースターアンテナ6のみを内蔵する。
なお、ブースターアンテナ6は、溶剤系導電性ペーストをシルク印刷により形成したが、これ以外の公知の被覆銅線による巻き線コイルよりなるブースターアンテナ、若しくは、アルミュウム箔層、銅箔層等の導電性箔層からなり、ベース基材である絶縁性基材の片側に積層された導電性箔層をフォトエッチングして形成されたブースターアンテナであってもかまわない。
なお、ベース基材である絶縁性材料は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリカボネート等を用いるがこれに限定するものではない。
本発明のブースターアンテナ6の製造に関しては、一例として、連続状の内張紙13の裏面所定位置に溶剤系導電性ペーストをシルク印刷機によりブースターアンテナ6を印刷して、乾燥後巻き上げる。
連続状の内張紙13のブースターアンテナ6がシルク印刷された面には、公知のドライラミネーターにて、公知のドライラミネート用接着剤を全面コーティング後にドライラミネート用接着剤に含有する溶剤をドライラミネーターの乾燥炉にて気化させた後に、連続状のクロス表紙12とラミネートして得たものである。
なお、図1では、一つのブースターアンテナ6のみを図示したが、例えば、非接触ICモジュール部3に搭載する非接触ICチップ2が、一つのブースターアンテナ6より大きな起電力を必要とするものであれば、図3で図示する如く、ブースターアンテナ6の外周にはさらに、外周部形成ブースターアンテナ6aを形成してもかまわない。
【0011】
[通帳製造及びコーナーカット部の形成]
図4には、ブースターアンテナ6が多面付けで形成している磁気通帳表紙部14を図示している。
磁気通帳表紙部14のブースターアンテナ6を内蔵する左半分が磁気通帳4の表表紙部5となり、右半分が磁気通帳4の裏表紙部9となる。
この磁気通帳表紙部14は、公知の磁気通帳の製造工程で、まず、コーナーカット部が形成していないブースターアンテナ6のみを内蔵した磁気通帳として仕上げる。
通帳本文7の左下端部コーナーカット部8の形成方法としては、一例として、磁気通帳の表表紙部と裏表紙部を開き、通帳本文の左下端部のみを断裁機に投入し、断裁してコーナーカット部8を形成する。
なお、コーナーカット部8は、磁気通帳4の表表紙部5の左下端裏面部に非接触ICモジュール3を接着した場合に非接触ICモジュール3と通帳本文7が重ならない構成となる大きさに断裁する。
【0012】
[非接触ICモジュールの製造]
非接触ICモジュール3の製造について説明する。
一例として、非接触ICモジュール3は、FR4若しくはBTレジン等の公知プリント基板材料の両面には銅箔形成したプリント基板で、フォトエッチングにより表面にはプリントコイルアンテナ1とプリントコイルアンテナ両端部の接続パットを形成する。
さらに、図示はしていないが、裏面には表面のプリントコイルの重なり合いを回避するためのプリントコイルアンテナ配線部があり、表面プリントコイルアンテナとはスルーホールによって接続している。
非接触ICチップ2をダイボンダーより実装後、非接触ICチップ2の接続パットとプリントコイルアンテナ両端部の接続パットをワイヤーボンディングで接続後に公知の封止樹脂により封止して硬化後に所定の大きさに仕上げ加工して得るものである。
なお、非接触ICチップ2の実装は、フリップチップ実装でも良い。即ち、非接触ICチップ2の接続パットにスタットバンプ等を形成し、公知の異方性導電性膜により、プリントコイルアンテナ両端の接続パットと接続して実装するものである。
また、非接触ICチップ2がCPUを搭載したものである場合には、大きな起電力を要求する。
この場合には、導電ペーストを用いたビルドアッププロセスによる多層プリント基板により、非接触ICモジュール3のプリントコイル1のターン数を増加させても良い。
一例として、図5には、接着前の導電ペーストを用いたビルドアッププロセスによる多層プリント基板の構成を示している。
両面銅引きプリント基板15は、両面にプリントコイルアンテナ1a、1bをフォトエッチングにて形成後に表裏のプリントコイルアンテナ1a、1bの端部にスルーホール部16を形成することで、表裏のプリントコイルアンテナ1a、1bを導通させたコア基板17を得る。
銅箔18には、導電性ペーストをシルク印刷で数回繰り返し、円錐状の導電性ペースト柱19、19aを得る。
導電性ペースト柱19、19aが入る貫通処理を施したプリプレグ20と合わせて、コア基板17の両面に配置し、プリプレグ20による接着と導電性ペースト柱19,19aの圧着を実施する。
このため、裏面の銅箔18の導電性ペースト柱19とコア基板17の裏面のプリントコイルアンテナ1aとが接続し、表面の銅箔18の導電性ペースト柱19aとコア基板17のプリントコイルアンテナ1bとが接続する構成となる。
さらに、図示はしていないが、フォトエッチングにより表面にはプリントコイルアンテナ1と接続パット等、裏目にもプリントコイルアンテナを形成後、ダイボンダーにより非接触ICチップ2を実装後に非接触ICチップ2の接続パットとプリントコイルアンテナ1の両端部をワイヤーボンディングで接続後、公知の封止樹脂により封止して硬化後に所定の大きさに仕上げ加工して多層プリント基板による非接触ICモジュール3を得る。
【0013】
[非接触ICモジュールの通帳への実装]
非接触ICモジュール3裏面には、一例として、公知のアクリル系感圧感熱接着フィルムを貼付後に磁気通帳4の表表紙部5の左下端裏面部に熱圧着により接着する。
なお、非接触ICモジュール3と公知のアクリル系感圧感熱接着フィルムとの総厚は、
通帳本文7の総厚と同等ないしは薄くする構成とする。
非接触ICチップを内蔵した磁気通帳では、非接触ICチップの動作に問題が無くとも、磁気通帳製造時の通帳外観不良により、製造不良品となる。
本発明では、磁気通帳4が完成後に非接触ICモジュール3を接着しているため、高価な非接触ICチップ等の歩留まりが高く、製造コストを低く抑えることができる。
また、非接触ICチップを内蔵した磁気通帳では、製造時の物理的な負荷により非接触ICチップに微小クラックが生じて工場出荷検査時には動作していた非接触ICチップが、使用時の物理的な負荷により、微小クラックが非接触ICチップを破壊するクラックへと成長する可能性もある。
このため、一般的には、サーマルショックテスト等のスクリーニングを施す必要があるが、磁気通帳自体は、紙が主体である。
このため、サーマルショックテスト時の加熱冷却熱により、磁気通帳自体が損傷を受けるため、スクリーニングは施せない。
本発明では、磁気通帳4が完成後に非接触ICモジュール3を接着しているため、磁気通帳製造時の物理的な負荷が非接触ICチップ2にかかっていないため、スクリーニングは不要である。
また、本発明では、非接触ICモジュール3を左下端部に接着しているため、ATM装置等のフィードローラー等が通過しないために非接触ICチップ2を破壊することがない。
さらに、非接触ICモジュール3が非接触ICチップ2を保護しているために預金者の使用時に曲げ応力等による物理的な負荷により非接触ICチップ2を破壊することがない。
このため、本発明では、高い物理的な信頼性を得ることが可能になる。
また、非接触ICモジュール3とブースターアンテナ6若しくは非接触ICモジュール3と外周部形成ブースターアンテナ6aとは、やや重なる状態が好ましい。
【0014】
[通信方法の説明]
非接触ICモジュール3のプリントコイルアンテナ1に比べ、ブースターアンテナ6が大きく形成することが可能である。
これにより、非接触ICカードリーダーライターよりの信号の共振ピークは、大きく取ることができるため、非接触ICモジュール3のプリントコイルアンテナ1の単体に比して遠距離通信が可能となる。
さらに、非接触ICカードリーダーライターからの電磁波をブースターアンテナ6が1次コイルアンテナとして受ける。
そして、ブースターアンテナ6と電磁的に結合している非接触ICモジュール3のプリントコイルアンテナ1が2次コイルアンテナとなり、信号の授受を行うものである。
このため、非接触ICモジュール3のプリントコイルアンテナ1のみに比べ、ブースターアンテナ6は、開口部が大きく、通過する磁束も多いので、大きな起電力を得ることが可能になるものである。
なお、図3で図示したブースターアンテナ6の外周にさらに外周部形成ブースターアンテナ6aを形成したものでは、外周部形成ブースターアンテナ6aとブースターアンテナ6も電磁的結合しており、ブースターアンテナ6単体より、さらに、開口部が大きく、通過する磁束も多くなるため、大きな起電力を得ることが可能となるものである。
また、非接触ICモジュール3とブースターアンテナ6若しくは非接触ICモジュール3と外周部形成ブースターアンテナ6aとは、やや重なる状態が好ましいと説明したが、これは、非接触ICモジュール3に内蔵する小型アンテナでは、電磁的結合の状態が最も強くなるからである。
このため、本発明では、非接触ICモジュール3とブースターアンテナ6との配置は、非接触ICモジュール3の半分以上にはブースターアンテナ6が重ならない位置に配置することを特徴とするのもである。
【0015】
[偽造変造対策]
本発明は、以上、詳細に説明したように、磁気通帳4の表表紙部5にブースターアンテナ6のみを内蔵し、通帳本文7の左下端部にコーナーカット部8を有し、非接触ICチップ2とプリント基板のプリントコイルアンテナ1よりなる物理的な信頼性の高い非接触ICモジュール3を表表紙左下端部裏側でコーナーカット部8に重ならない位置に接着するのである。
このため、非接触ICモジュール3を磁気通帳4より剥離し、別の磁気通帳4に接着後に使用した場合には、ATM装置等で即座に判定する必要がある。
例えば、ブースターアンテナ6は、共振点等が異なる数パターン用意する。磁気通帳4の表表紙には、共振点が異なる数パターンの中から任意に選定した一つのブースターアンテナ6を内蔵する。
磁気通帳4の発行時には、発行機内蔵された非接触ICカードリーダーライターがブースターアンテナ毎の共振点等を測定し、その測定結果を非接触ICチップ2のICメモリー部に暗号化して記録する。
真偽判定は、ATM装置等に内蔵した非接触ICカードリーダーライターが、磁気通帳4の表表紙5に内蔵したブースターアンテナ6の共振点等も測定し、非接触ICチップ2のICメモリー部に暗号化して記録している発行時のブースターアンテナ6共振点等の測定値を復号化後ATM装置等で比較照合し、異なっていれば、偽と判定するものである。
また、発行時に磁気通帳4の裏表紙内側等に磁気通帳番号等をOCR文字、バーコード等の光学的な読み取り可能な情報として印字する。
さらに、磁気通帳4の発行機の非接触ICカードリーダーライターでは、発行時に磁気通帳4の裏表紙内側等に印字した磁気通帳番号等をOCR文字、バーコード等の光学的な読み取り可能な情報を、非接触ICチップ2のICメモリー部に暗号化して記録する。
真偽判定は、ATM装置等に内蔵した光学的情報読み取り装置が磁気通帳4の裏表紙内側等に印字したOCR文字若しくはバーコード等の光学的に読み取った情報と、ATM装置等に内蔵した非接触ICカードリーダーライターが非接触ICチップ2のICメモリー部に暗号化して記録している情報を読み取り後復号化した情報とをATM装置等で比較照合し、異なっていれば、偽と判定するものであっても良い。
また、非接触ICモジュール3を磁気通帳4より、剥離しようとした場合には、非接触ICモジュール3の積層されたアンテナ部の一部で剥離するような構成にして、動作不能とすることであっても良い。
【0016】
[変形実施例]
非接触ICモジュール3と公知のアクリル系感圧感熱接着フィルムとの総厚は、通帳本文7の総厚と同等ないしは薄くする構成とすると説明した。
非接触ICモジュール3が、薄い場合、即ち、薄い非接触ICモジュールと公知のアクリル系感圧感熱接着フィルムとの総厚が、通帳本文7の半分の厚さと同等ないしは薄い場合である。
この場合には、磁気通帳4の製造工程においては、通帳本文7を開いた状態でコーナーカット部8を加工後、公知の磁気通帳の製造工程で製造する。
その後は、前記実施例で説明した如くの方法で、薄い非接触ICモジュールを接着する。
【0017】
[磁気通帳以外の実施例]
以上、本発明を磁気通帳で説明したが、ICパスポート等への展開は可能である。
冊子状パスポートの表紙部にブースターアンテナを形成し、この表紙部左下端部に非接触ICモジュールを接着する。
なお、本文左下端部には、コーナーカット部を形成し、冊子本文自体と非接触ICモジュールが重ならないようにする。
また、裏表紙の裏面には、顔写真等を形成する。即ち、裏表紙の顔写真等形成面には、ブースターアンテナ及び非接触ICモジュールが配置されないため、顔写真等を形成するプリンターの印字方式を選ばない優れた特徴を有する。
また、ICパスポートでは、ISO/IEC14443の近接型非接触ICカードの通信距離を要求しているが、本発明では、ブースターアンテナによりISO/IEC14443の近接型非接触ICカードの通信距離が図れる優れた特徴を有する。
さらに、ICパスポートの場合には、入国検査時等の押印により、非接触ICチップ等の破壊を防止する必要がある。
本発明では、ICパスポート表紙左下端部に非接触ICモジュールを接着しているため、入国検査時等の押印により、非接触ICチップが破壊される懸念が少ない優れた特徴を有する。
さらに、ICパスポートホルダーの携帯による曲げ応力等により、非接触ICチップの破壊等の問題も無いため、高度な物理的な信頼性を誇るICパスポートの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】全体構成の説明図
【図2】表表紙部断面図
【図3】表表紙部に2つのブースターアンテナを形成した説明図
【図4】多面付けでブースターアンテナを形成した磁気通帳表紙部の説明図
【図5】非接触ICモジュール用多層プリント基板の構成説明図
【符号の説明】
【0019】
1 :プリントコイルアンテナ
1a:コア基板裏側のプリントコイルアンテナ
1b:コア基板表側のプリントコイルアンテナ
2 :非接触ICチップ
3 :非接触ICモジュール
4 :磁気通帳
5 :表表紙部
6 :ブースターアンテナ
6a:外周部形成ブースターアンテナ
7 :通帳本文
8 :コーナーカット部
9 :裏表紙部
10 :裏表紙部表面
11 :磁気テープ部
12 :クロス表紙
13 :内張紙
14 :磁気通帳表紙部
15 :両面銅引きプリント基板
16 :スルーホール部
17 :コア基板
18 :銅箔
19 :裏面用導電性ペースト柱
19a:表面用導電性ペースト柱
20 :プリプレグ


【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年12月28日(2006.12.28)
【代理人】 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡

【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子

【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生

【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実

【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹


【公開番号】 特開2008−162120(P2008−162120A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2006−354035(P2006−354035)