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【発明の名称】 音楽等再生機能付冊子
【発明者】 【氏名】寺尾 邦夫

【氏名】林 博諭貴

【要約】 【課題】短時間の間に異なるページを行き来した場合であっても、読み手の感情を冷ますことがない音楽等再生機能付冊子を提供する。

【構成】複数枚重ねた紙葉3〜6の全部または一部を貫通する透光孔7〜9と、この透光孔7〜9を塞ぐ反射部10〜12と、上記透光孔7〜9の反射部10〜12に投光するとともに、上記反射部10〜12で反射した光を感知する光センサ15〜17と、音楽や音声等を再生する再生機構13と、上記光センサ15〜17から受信した信号に基づいて再生機構13を制御する制御部14とを備え、上記制御部14は、光センサ15〜17が感知する反射光量の閾値を予め記憶する機能と、上記反射光量を所定の間隔で検出するとともに、この検出した反射光量と上記閾値とを比較していずれの紙葉3〜6が開いているかを判別する機能と、上記判別結果に基づいて上記再生機構13を制御する機能とを備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚重ねた紙葉の全部または一部を貫通する透光孔と、この透光孔を塞ぐ反射部と、上記透光孔の反射部に投光するとともに、上記反射部で反射した光を感知する光センサと、音楽や音声等を再生する再生機構と、上記光センサから受信した信号に基づいて再生機構を制御する制御部とを備え、上記制御部は、光センサが感知する反射光量の閾値を予め記憶する機能と、上記反射光量を所定の間隔で検出するとともに、この検出した反射光量と上記閾値とを比較していずれの紙葉が開いているかを判別する機能と、上記判別結果に基づいて上記再生機構を制御する機能とを備えた音楽等再生機能付冊子。
【請求項2】
上記制御部が所定回連続して同じ状態を判別したとき、上記再生機構を制御する構成にした請求項1記載の音楽等再生機能付冊子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、開いたページに合わせて音楽等を再生する機能を備えた冊子に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の冊子としては、例えば、本願出願人が既に出願している特許文献1に示す冊子がある。
この冊子は、各紙葉を貫通する透光孔を複数形成するとともに、光センサによって透光孔を透過する光を感知することによって、いずれのページが開いているのかを判別するものである。そして、いずれのページが開いているのかを判別したら、再生機構を制御して開いているページに最適な音楽を再生する。このように、各ページに最適な音楽を再生すれば、臨場感を高めるなど演出効果を高めることができる。
【特許文献1】特願2005−289924
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような冊子においては、内容や場面に応じて最適な音楽を再生することで、読み手の感情を高めるようにしている。そして、多くの場合、冊子に記載されるストーリーには起承転結があり、ストーリーが進展することによって、読み手の喜怒哀楽も刻一刻と変化していく。したがって、臨場感を高めて、読み手の感情をさらに助長するためには、ストーリーの進展、すなわち、刻一刻と変化する読み手の感情に合わせて、最適な音調や雰囲気等を有する音楽を、最適なタイミングで再生しなければならない。
【0004】
しかし、冊子に記載されるストーリーや場面によっては、各ページに記載された内容が、それ以前のページに記載された内容と密接に関連する場合が多々ある。例えば、最初のページに登場人物の写真や絵が記載されており、この登場人物の写真や絵に基づくストーリーがそれ以降のページに記載されている場合である。
このような場合に、読み手は、ストーリーを読み進めながらも、時折最初のページを開いて写真や絵を眺め、またすぐに元のページに戻って、再びストーリーを読み進めることがある。
このように、記載されている内容によっては、読み手が順序良くページを読み進めていくとは限らず、短時間の間に異なるページを行き来することが考えられる。
【0005】
しかし、従来の冊子においては、開いたページに最適な音楽がすぐに再生されてしまうため、上記のように短時間の間に異なるページを行き来すると、全く異なる音調の音楽が連続的に交互に再生されてしまうおそれがある。仮に、感動的なシーンを読み進めており、異なるページを開いた瞬間に明るい音調の音楽が再生されれば、この再生される音楽によって、かえって読み手の感情が冷めてしまう。
このように、短時間の間に異なるページを行き来する場合には、再生機構が再生する音楽によって、臨場感等の演出効果を高めることができないという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、短時間の間に異なるページを行き来した場合であっても、読み手の感情を冷ますことがない音楽等再生機能付冊子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、複数枚重ねた紙葉の全部または一部を貫通する透光孔と、この透光孔を塞ぐ反射部と、上記透光孔の反射部に投光するとともに、上記反射部で反射した光を感知する光センサと、音楽や音声等を再生する再生機構と、上記光センサから受信した信号に基づいて再生機構を制御する制御部とを備え、上記制御部は、光センサが感知する反射光量の閾値を予め記憶する機能と、上記反射光量を所定の間隔で検出するとともに、この検出した反射光量と上記閾値とを比較していずれの紙葉が開いているかを判別する機能と、上記判別結果に基づいて上記再生機構を制御する機能とを備えた点に特徴を有する。
第2の発明は、制御部が所定回連続して同じ状態を判別したとき、上記再生機構を制御する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明によれば、紙葉の開きの判別を、光センサの感知する反射光量の検出間隔や予め記憶する閾値に基づいて自由に設定することができる。
したがって、制御部の検出間隔や、再生機構を制御するまでの判別回数を調整すれば、紙葉が開かれてから音楽等が再生するまでの時間を自由に調整することができ、各場面に最適なタイミングで音楽等を再生することができる。
また、紙葉の開きの判別や、音楽等を再生するタイミングを自由に調整することができるので、各紙葉を開いても、当該紙葉に対応する音楽等をすぐに再生しないようにすることができる。
したがって、短時間の間に異なる紙葉間を行き来しても、異なる音楽等が次々と再生されることがなく、音楽等が読み手の感情を冷ましてしまうことがない。
【0009】
第2の発明によれば、制御部が所定回連続して同じ状態を判別したとき、再生機構を制御するので、異なる紙葉を中途半端に開いたり閉じたりした場合にも、制御部が異なる紙葉の開きを判別する可能性が低くなる。したがって、短時間の間に異なる紙葉間を行き来した場合に、異なる音楽等が再生される可能性が一層低くなり、高い演出効果を維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜5を用いて、この発明の実施形態について説明する。
図1に示す冊子1は、表紙2に、複数の紙葉3,4,5,6〜nを綴じこんでいる。そして、上記各紙葉3〜nのそれぞれには、透光孔を形成しているが、この透光孔は、各紙葉3〜nの上下方向において一致する第1透光孔群7〜第3透光孔群9からなる。そして、紙葉3表面には、この発明の反射部を構成するシール10が、第1透光孔群7を塞ぐようにして貼り付けられている。また、シール11が第2透光孔群8を塞ぐように紙葉4表面に、シール12が第3透光孔群9を塞ぐように紙葉5表面に貼り付けられている(図2参照)。
【0011】
一方、表紙2には、音楽や音声等を再生するとともに、再生した音楽等をスピーカーから流す再生機構13と、この再生機構13を制御する制御部14とを内蔵している。制御部14は、同じく表紙2に設けた光センサからの信号に基づいて再生機構13を制御するが、その具体的な構成について図2を用いて説明する。
すなわち、図2に示すように、表紙2であって、上記透光孔群7〜9に対応する位置に、光センサ15〜17がそれぞれ設けられている。この光センサ15〜17は、上記透光孔群7〜9に向かって投光するとともに、上記シール10〜12に反射した光を感知する。そして、上記制御部14は、光センサ15〜17から送信される信号を受信するとともに、この受信した信号に基づいて、光センサ15〜17の反射光量を検出する。
【0012】
ここで、制御部14が検出する反射光量と、各紙葉3〜nの開き角度との関係は図3に示すとおりである。例えば、紙葉3の開き角度と光センサ15が感知する反射光量との関係を見ると、紙葉3が閉じた状態(図2に示す状態)では、光センサ15が図中A点の反射光量を感知する。この状態から紙葉3の開き角度が大きくなると、言い換えれば、紙葉3を捲っていくと、反射光量が僅かに増加した後、徐々に減少していく。そして、紙葉3がある程度捲られると、光センサ15が感知する反射光量がほぼ一定となる(図中B点)。
【0013】
制御部14は、上記のように変化する光センサ15〜17が感知する反射光量を検出する機能を備えるとともに、この検出した反射光量に対して、所定の閾値を予め記憶する機能を備えている。また、制御部14は、検出した反射光量と図3に示す閾値とを比較するとともに、この比較結果から、紙葉3〜nのいずれが開いた状態にあるかを判別する機能を備えている。
すなわち、図4に示すように、紙葉3が完全に捲られている状態においては、光センサ15から投光された光がシール10に反射しないため、制御部14が検出する光センサ15の反射光量は、図中B点に示す反射光量となる。また、図4に示す状態では、光センサ16,17から投光された光がシール11,12に反射するので、制御部14が検出する光センサ16,17の反射光量は、図中A点に示す反射光量となる。
【0014】
このとき、制御部14は、検出した各光センサ15〜17の反射光量と予め記憶した閾値とを比較して、光センサ15における反射光量が閾値以下であると検出するとともに、光センサ16,17における反射光量が閾値以上であることを検出する。そして、制御部14は、上記の検出結果から総合的に判断して、現在、紙葉3が開かれていると判別する。
この状態から今度は紙葉4を捲ると、制御部14が、光センサ15,16における反射光量が閾値以下であることを検出するとともに、光センサ17における反射光量が閾値以上であることを検出する。制御部14は、上記の検出結果から総合的に判断して、現在、紙葉4が開かれていると判別する。
このように、制御部14が、各光センサ15〜17の感知する反射光量を検出するとともに、検出した反射光量が閾値以上であるか否かに基づいて、いずれの紙葉3〜nが開かれているかを判別する。
【0015】
ただし、光センサ15〜17は、常に反射光の感知を行うとともに、制御部14は、予め設定した所定の時間間隔を保って、各光センサ15〜17の反射光量を検出する。そして、制御部14は、紙葉3〜nのいずれかが開かれていることを、所定回(ここでは3回)連続して判別したときに、初めて上記再生機構13を制御するようにしている。
例えば、図4に示す状態、すなわち紙葉3が開いている状態(紙葉4が閉じている状態)で、紙葉4を短時間の間に開いたり閉じたりする。
【0016】
制御部14は、図5に示すように、所定の時間間隔(ここでは3秒ごと)で各光センサ15〜17の反射光量を検出している。図4の状態においては、紙葉3が常に開いているので、光センサ15が投光する光は、反射部10に反射せず、制御部14が検出する光センサ15の反射光量は、L1に示す直線状の軌跡を描き、常に閾値以下で一定になる。
一方、紙葉5は、常に閉じているので、光センサ17が投光する光は、反射部12に反射して、制御部14が検出する光センサ17の反射光量は、L2に示す直線状の軌跡を描き、常に閾値以上で一定となる。
これに対して、紙葉4を開いたり閉じたりすると、光センサ16が検出する反射光量は、図中L3に示す軌跡を描き、閾値以下となったり閾値以上となったりする。
【0017】
光センサ16が感知する反射光量は、上記のように紙葉4の開き角度(時間)とともに変化するが、制御部14は、3秒ごとに各光センサ15〜17の反射光量を検出している。つまり、図中A〜D点においては、光センサ16,17の反射光量が閾値以上であり、光センサ15の反射光量が閾値以下であると判別するので、紙葉3が開いて紙葉4が閉じていると判別する。したがって、制御部14は、再生機構13を制御して、紙葉3が開いているとき(紙葉4が閉じているとき)の設定音楽等を再生させる。
このように、再生機構13から音楽等が再生されている状態において、制御部14は、引き続き光センサ15〜17の反射光量の検出を行うが、紙葉4を徐々に開いていくと、E点において、光センサ16の反射光量が閾値以下であると判別する。
【0018】
しかし、この状態では制御部14は再生機構13に対して新たな制御を行わず、各光センサ15〜17の反射光量から判別した状態、つまり紙葉4が開いた状態にあることを記憶するに留まっている。なぜなら、上記したように、制御部14は、紙葉3〜nのいずれかが開かれていることを、3回連続して判別したときに、初めて再生機構13を新たに制御するからである。したがって、制御部14は、E点における検出からさらに3秒後のF点において、E点と同様の状態(紙葉4が開かれた状態)を判別しても、この状態を記憶するに留まることとなる。
【0019】
そして、その後、再び紙葉4を閉じるようにすると、光センサ16が感知する反射光量が再び閾値以上となり、F点からさらに3秒後のG点においては、紙葉4が閉じられていると判別する。したがって、E,F点と異なる結果を判別したので、G点においても制御部14は、再生機構13に新たな制御を行うことなく、当該判別状態を記憶するに留まる。なお、このように、制御部14から再生機構13に対して新たな制御指令が出されない以上、再生機構13は、それ以前に制御部14から出された制御指令に基づいて、音楽等を再生している。
【0020】
そして、制御部14は、H〜J点にかけて連続して光センサ16における反射光量が、閾値以下であると判別するとともに、J点の検出結果に基づいて、初めて再生機構13を制御することとなる。このように、この実施形態においては、3回連続して同様の結果を判別したときに、再生機構13が制御されるとともに、現在再生している音楽等を停止して、新たな音楽等が再生される。
このように、反射光量が3回連続して閾値を下回ったときに、対象紙葉3〜nが開いたと判別するので、紙葉3〜nを中途半端に開いたり閉じたりした場合にも、制御部14が紙葉3〜nの開きを新たに検出する可能性を低くすることができる。したがって、短時間の間に異なる紙葉3〜n間を行き来しても、異なる音楽等が再生される可能性を一層低くし、高い演出効果を維持することが可能となる。
【0021】
なお、制御部14が光センサ15〜17における反射光量を検出する間隔や、制御部14が予め記憶する閾値は、任意に設定することができ、この設定によって再生機構13の制御タイミングを自由に変えることができる。
このように、検出間隔や閾値を変更すれば、紙葉3〜nの開きの判別を自由に設定することができるので、その冊子に最適なタイミングで再生機構13を制御することができる。
そして、紙葉3〜nの開きの判別や、音楽等を再生するタイミングを自由に調整することができるので、各紙葉3〜nを開いても、当該紙葉3〜nに対応する音楽等をすぐに再生しないようにすることができる。
したがって、短時間の間に異なる紙葉3〜n間を行き来しても、異なる音楽等が次々と再生されることがなく、音楽等が読み手の感情を冷ましてしまうことがない。
【0022】
また、例えば、制御部14に図示しない録音機構を接続し、いずれかの紙葉3〜nに対応する音楽等を録音できるようにしてもよい。つまり、紙葉3〜nのいずれが開いているかを制御部14が判別できるので、制御部14が開いている紙葉を判別している間に録音を行えば、音楽や音声等を各紙葉3〜nに簡単に対応付けて録音することができる。
なお、上記実施形態においては、各紙葉3〜nの全てを貫通するように透光孔を形成したが、図6に示すように、透光孔の一部を貫通させるようにしても構わない。この場合には、シールを貼り付ける必要が特になく、紙葉3〜nの表面で光を反射することとなる。したがって、この場合には、図中符号18,19のように、透光孔に対向する紙葉の表面部分が反射部となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この実施形態における音楽等再生機能付冊子の全体図である。
【図2】光センサが反射光量を感知する概念図である。
【図3】光センサが感知する反射光量と紙葉の開き角度との関係を示す図である。
【図4】紙葉が開いた状態において、光センサが反射光量を感知する概念図である。
【図5】反射光量と、反射光量の検出間隔とを示す図である。
【図6】別の実施形態における反射部を示す概念図である。
【符号の説明】
【0024】
1 冊子
2 表紙
3〜6,n 紙葉
7〜9 透光孔群
10〜12 反射部を構成するシール
13 再生機構
14 制御部
15〜17 光センサ
18〜20 反射部
【出願人】 【識別番号】305047764
【氏名又は名称】株式会社ライフケアセンター
【出願日】 平成18年7月19日(2006.7.19)
【代理人】 【識別番号】100076163
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋 宣之


【公開番号】 特開2008−23765(P2008−23765A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−196798(P2006−196798)