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【発明の名称】 ICタグラベルリール及びその製造方法
【発明者】 【氏名】田崎 耕司

【氏名】石坂 裕宣

【氏名】増田 寿代

【要約】 【課題】外部からの衝撃などに対する耐性とリールの巻きズレを防止する効果を有し、かつラベル加工後のICチップ実装部の外観検査が可能なICタグラベルリールを提供する。

【構成】複数のICタグラベル1が離型紙60にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、複数のICタグラベル1は、それぞれICチップ40を離型紙60の開口部3に有し、離型紙60上にはICチップ40に電気的に接続された送受信アンテナ30を設け、さらに送受信アンテナ30上には当該送受信アンテナ30を内側に覆う粘着材層20を設けてなり、開口部3は離型紙60がICチップ部40又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、
前記複数のICタグラベルは、それぞれICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記ICチップに電気的に接続された送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には当該送受信アンテナを内側に覆う粘着材層を設けてなり、
前記開口部は前記離型紙が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されていることを特徴とするICタグラベルリール。
【請求項2】
前記離型紙の厚さが、前記ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいものであることを特徴とする請求項1記載のICタグラベルリール。
【請求項3】
複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、
前記複数のICタグラベルは、それぞれICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記開口部を形成したまま粘着材層を設け、前記粘着材層上には前記ICチップに電極を介して接続される送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には前記粘着材層と異なる他の粘着材を設けてなり、
前記開口部は前記離型紙及び前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されていることを特徴とするICタグラベルリール。
【請求項4】
前記離型紙と前記粘着材層との厚さの合計が、前記ICチップ部の厚さと同等又はICチップの厚さより大きいことを特徴とする請求項3記載のICタグラベルリール。
【請求項5】
複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、
前記複数のICタグラベルは、それぞれ対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記ICチップに電気的に接続された送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には当該送受信アンテナを内側に覆う粘着材層とを設けてなり、
前記開口部は前記離型紙が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成され、かつ前記開口部にはICチップの前記外部電極の一方に直接接続された前記送受信アンテナを前記ICチップの前記外部電極の他方に短絡接続する短絡板も収納されることを特徴とするICタグラベルリール。
【請求項6】
前記離型紙の厚さが、前記ICチップと前記短絡板の厚さの合計と同等もしくはICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることを特徴とする請求項5記載のICタグラベルリール。
【請求項7】
複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、
前記複数のICタグラベルは、それぞれ対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記開口部を形成したまま粘着材層を設け、前記粘着材層上には前記ICチップに前記外部電極を介して接続される送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には前記粘着材層と異なる他の粘着材を設けてなり、
前記開口部は前記離型紙及び前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されてなり、かつ前記開口部にはICチップの前記外部電極の一方に直接接続された前記送受信アンテナを前記ICチップの前記外部電極の他方に短絡接続する短絡板も収納されることを特徴とするICタグラベルリール。
【請求項8】
前記離型紙と前記粘着材層の厚さが、前記ICチップと前記短絡板の厚さの合計と同等もしくはICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることを特徴とする請求項7記載のICタグラベルリール。
【請求項9】
前記送受信アンテナ上に設けた前記粘着材層又は前記他の粘着材層上にはさらにラベル表皮材を設けてなり、前記ラベル表皮材が、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタートフィルム、ポリエステルフィルム又はポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のICタグラベルリール。
【請求項10】
前記他の粘着材層が、コア基材と前記コア基材の表裏面に形成された粘着材層の3層で構成されたものである請求項3、4、7又は8のいずれかに記載のICタグラベルリール。
【請求項11】
複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールの製造方法であって、
送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、
前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を前記複数のICタグラベル分前記離型紙に形成する開口部形成工程と、
前記開口部形成工程で形成された複数の開口部と前記インレットのICチップの位置を合わせて前記離型紙上に前記複数のICタグラベルを配設するICタグラベル配設工程と
を備えることを特徴とするICタグラベルリールの製造方法。
【請求項12】
前記離型紙の厚さが、前記ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいものであることを特徴とする請求項11記載のICタグラベルリールの製造方法。
【請求項13】
前記インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成することを特徴とする請求項11記載のICタグラベルリールの製造方法。
【請求項14】
前記離型紙の厚さが、前記ICチップと前記短絡板の厚さの合計と同等もしくはICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることを特徴とする請求項11記載のICタグラベルリールの製造方法。
【請求項15】
複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールの製造方法であって、
送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、
前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を前記複数のICタグラベル分前記離型紙及び前記離型紙上に積層される粘着材層に形成する開口部形成工程と、
前記開口部形成工程で形成された複数の開口部と前記インレットのICチップの位置を合わせて前記離型紙上に前記複数のICタグラベルを配設するICタグラベル配設工程と
を備えることを特徴とするICタグラベルリールの製造方法。
【請求項16】
前記離型紙と前記粘着材層との厚さの合計が、前記ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいことを特徴とする請求項15記載のICタグラベルリールの製造方法。
【請求項17】
前記インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成することを特徴とする請求項15記載のICタグラベルリールの製造方法。
【請求項18】
前記離型紙と前記粘着材層の厚さの合計が、前記ICチップ部の厚さと同等又はICチップの厚さより大きいことを特徴とする請求項15記載のICタグラベルリールの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを搭載した非接触式固体識別ラベルのICタグラベルリール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICタグを用いる非接触式個体識別システムは、物のライフサイクル全体を管理するシステムとして、製造、物流、販売、リサイクルのすべての業態で注目されている。例えば、13.56MHz帯を利用した電磁誘導方式のICタグを利用した実証実験は、アパレル、家電、航空、出版、農業等の各業界で進められており、アパレルなどの一部の業界ではすでに実用化が図られている。
【0003】
また、近年では数メートルの通信距離が可能であるという特徴によってUHF波やマイクロ波を用いる電波方式のICタグが注目されており、現在、大量の商品の物流管理や製造物履歴管理、セキュリティ管理等を目的にシステムの構築が進められている。
【0004】
ICタグを用いた非接触式個体識別システムで大量の商品の物流及び物品管理を実現するためには、商品の1つ1つにICタグを取り付ける必要がある。そのためには安価で信頼性に優れたICタグを大量に生産しうる技術が不可欠である。
【0005】
ICタグの前段階であり、ICチップを送受信アンテナに実装した形態であるインレット(インレイとも呼ばれる)を安価に、かつ大量に生産しうる技術に関しては、本発明者らが先に出願した特許文献1、2等がある。
【0006】
但し、インレットはICチップや送受信アンテナが剥き出しの状態であるため、被着体に取付けた場合には外部からの力によって簡単に壊れやすい。従って、ICタグとして使用するためにはインレットの保護材が必要となる。
【0007】
ICタグの形状としては紙、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂シート等でラミネートしたタグや、樹脂成型品などがあるが、最も安価に生産しうるという利点から使用されるのが多数枚のICタグラベルを離型紙上に並べたリールである。
【0008】
しかしながら、ラベルはインレットの上から、粘着材を介して薄手の表皮材料である紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を被せた構成であるため、図7に示すようにICチップ実装部が突起状になる。
【0009】
図7はIC実装部が突起状になる従来のICタグラベルを示す。特に、図7(a)はラベル表皮材面から見た平面図であり、図7(b)はICチップ実装部に沿った断面図である。
【0010】
図7(a)に示すように、ICタグラベルは、ICチップ40と送受信アンテナ30が接続されたインレット2の上から粘着材(第1の粘着材層20)を介してラベル表皮材10が被せられた状態でICタグラベル1が被着体60に貼り付けられている。
【0011】
また、積層構成は、図7(b)に示すように、ラベル表皮材10、第1の粘着材層20、送受信アンテナ30、ICチップ40及び第2の粘着材層50が被着体60上に積層されている。ICチップ40は、ベースチップと、ベースチップの回路面上に形成された外部電極からなる。外部電極は、送受信アンテナ30の接続部に接続している。このように、ICチップ40は外部電極を介して送受信アンテナ30に実装してなり、送受信アンテナ30と共にインレットを構成している。インレットの送受信アンテナ30上には、第1の粘着材層20を介して薄手のラベル表皮材10が被せられている。ラベル表皮材10としては、紙やポリエチレンテレフタレートフィルム等が用いられる。
【0012】
図7(a)に示すように、第2の粘着材層50上に、厚みを持っているICチップ40がその部分だけ突起するように接着されて配置されており、その突起部に合わせて送受信アンテナ30、第1の粘着材層20及びラベル表皮材10が積層されることになる。このため、ICタグラベルはICチップ実装部が突起状になりやすい。ICチップ実装部が突起状であることにより、ICタグラベルは外部からの圧力や衝撃に弱い。また、複数のICタグラベルを離型紙上に配置したICタグラベルリールにあっても、もちろん各ICタグラベルのICチップ実装部が突起状であることにより、外部からの圧力や衝撃に弱い他、巻いた場合に、外部からリールに圧力が印加された際にICチップ実装部に圧力が集中しやすく、故障の原因となる。
【0013】
また、ICタグラベルリールを多数巻いた場合には以下の問題が生じる。図8は、従来のICタグラベルリールの巻きズレを説明するための図である。図8に示すようにICチップ実装部のみ厚く、周辺部は薄いために、ICタグラベルリールとして長尺のテープを芯管に多数回巻いた場合にリールの巻きズレが発生しやすくなる。リール巻きズレにより、IC実装部に外部から圧力がかかり、ICチップと送受信アンテナとの接続が破壊される虞があり、取り扱いに注意を要する。
【0014】
さらに、インレットを自動機にてラベル加工する際には送りロールでの圧力の印加や個片にするための切断時の衝撃等により、ICチップ割れや実装部の破損が発生する可能性があるが、一般にはラベル表皮材及び離型紙ともに不透明である場合が多く、ラベル加工後のICチップ実装部外観について確認することができない。
【特許文献1】WO2005/055130
【特許文献2】WO2005/076202
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記に鑑みてなされたものであり、外部からの衝撃などに対する耐性とリールの巻きズレを防止する効果を有し、かつラベル加工後のICチップ実装部の外観検査が可能なICタグラベルリールを提供するものである。また、前記ICタグラベルリールを製造するためのICタグラベルリールの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ラベル表皮材、第1の粘着材層、送受信アンテナ、前記送受信アンテナに電気的に接続されたICチップが積層されたICタグラベル及び複数の前記ICタグラベルがほぼ列状に並べられた離型紙から構成されるICタグラベルリールであって、前記離型紙が、前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口しているICタグラベルリールに関する。
【0017】
特に、本発明は、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、前記複数のICタグラベルは、それぞれICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記ICチップに電気的に接続された送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には当該送受信アンテナを内側に覆う粘着材層を設けてなり、前記開口部は前記離型紙が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されている。
【0018】
ここで、前記離型紙の厚さが、前記ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいものであることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、ラベル表皮材、第1の粘着材層、送受信アンテナ、前記送受信アンテナに電気的に接続されたICチップ、第2の粘着材層とが積層されたICタグラベル及び複数の前記ICタグラベルがほぼ列状に並べられた離型紙から構成されるICタグラベルリールであって、前記第2の粘着材層及び前記離型紙が、前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口しているICタグラベルリールに関する。
【0020】
特に、本発明は、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、前記複数のICタグラベルは、それぞれICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記開口部を形成したまま粘着材層を設け、前記粘着材層上には前記ICチップに電極を介して接続される送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には前記粘着材層と異なる他の粘着材を設けてなり、前記開口部は前記離型紙及び前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されている。
【0021】
ここで、前記離型紙と前記粘着材層との厚さの合計が、前記ICチップ部の厚さと同等又はICチップの厚さより大きいことが好ましい。
【0022】
また、本発明は、ラベル表皮材、第1の粘着材層、送受信アンテナ、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップ、前記送受信アンテナと前記ICチップとを電気的に接続する短絡板とが積層されたICタグラベル及び複数の前記ICタグラベルがほぼ列状に並べられた離型紙から構成されるICタグラベルリールであって、前記離型紙が、前記短絡板部又は前記短絡板とその近傍において開口しているICタグラベルリールに関する。
【0023】
特に、本発明は、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、前記複数のICタグラベルは、それぞれ対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記ICチップに電気的に接続された送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には当該送受信アンテナを内側に覆う粘着材層とを設けてなり、前記開口部は前記離型紙が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されてなり、かつ前記開口部にはICチップの前記外部電極の一方に直接接続された前記送受信アンテナを前記ICチップの前記外部電極の他方に短絡接続する短絡板も収納される。
【0024】
ここで、前記離型紙の厚さが、前記ICチップと前記短絡板の厚さの合計と同等もしくはICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることが好ましい。
【0025】
また、本発明は、ラベル表皮材、第1の粘着材層、送受信アンテナ、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップ、前記送受信アンテナと前記ICチップとを電気的に接続する短絡板、第2の粘着材層とが積層されたICタグラベル及び複数の前記ICタグラベルがほぼ列状に並べられた離型紙から構成されるICタグラベルリールであって、前記第2の粘着材層及び前記離型紙が、前記短絡板部又は前記短絡板とその近傍において開口しているICタグラベルリールに関する。
【0026】
特に、本発明は、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、前記複数のICタグラベルは、それぞれ対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを前記離型紙の開口部に有し、前記離型紙上には前記開口部を形成したまま粘着材層を設け、前記粘着材層上には前記ICチップに前記外部電極を介して接続される送受信アンテナを設け、さらに前記送受信アンテナ上には前記粘着材層と異なる他の粘着材を設けてなり、前記開口部は前記離型紙及び前記粘着材層が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されてなり、かつ前記開口部にはICチップの前記外部電極の一方に直接接続された前記送受信アンテナを前記ICチップの前記外部電極の他方に短絡接続する短絡板も収納される。
【0027】
ここで、前記離型紙と前記粘着材層の厚さが、前記ICチップと前記短絡板の厚さの合計と同等もしくはICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることが好ましい。
【0028】
前記送受信アンテナ上に設けた前記粘着材層又は前記他の粘着材層上にはさらにラベル表皮材を設けてなり、前記ラベル表皮材が、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタートフィルム、ポリエステルフィルム又はポリプロピレンフィルムであることが好ましい。
【0029】
また、前記他の粘着材層が、コア基材と前記コア基材の表裏面に形成された粘着材層の3層で構成されたものであることが好ましい。
【0030】
また、本発明に係るICタグラベルリールの製造方法は、前記課題を解決するために、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールの製造方法であって、送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を前記複数のICタグラベル分前記離型紙に形成する開口部形成工程と、前記開口部形成工程で形成された複数の開口部と前記インレットのICチップの位置を合わせて前記離型紙上に前記複数のICタグラベルを配設するICタグラベル配設工程とを備える。
【0031】
ここでは、前記離型紙の厚さが、前記ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいものであることが好ましい。
【0032】
また、前記インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成するようにしてもよい。
【0033】
この場合、前記離型紙の厚さが、前記ICチップと前記短絡板の厚さの合計と同等もしくはICチップと短絡板の厚さの合計よりも大きいものであることが好ましい。
【0034】
また、本発明に係るICタグレベルリールは、前記課題を解決するために、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールの製造方法であって、送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を前記複数のICタグラベル分前記離型紙及び前記離型紙上に積層される粘着材層に形成する開口部形成工程と、前記開口部形成工程で形成された複数の開口部と前記インレットのICチップの位置を合わせて前記離型紙上に前記複数のICタグラベルを配設するICタグラベル配設工程とを備える。
【0035】
ここで、前記離型紙と前記粘着材層との厚さの合計が、前記ICチップの厚さと同等又はICチップの厚さより大きいことが好ましい。
【0036】
また、前記インレット作成工程は、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成するようにしてもよい。
【0037】
この場合、前記離型紙と前記粘着材層の厚さの合計が、前記ICチップ部の厚さと同等又はICチップの厚さより大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0038】
本発明のICタグラベルリールによれば、外部からの衝撃等に対する耐性とリールの巻きズレを防止する効果を有し、かつラベル加工後のICチップ実装部の外観検査が可能なICタグラベルリールを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は例として示すものであり、本発明はこれらの実施形態に制限するものではない。
【0040】
本発明のICタグラベルリールの第1の形態を図1に示す。図1(a)はラベル表皮材面から見た平面図である。ICチップ40と送受信アンテナ30が接続されたインレット2の上から粘着材を介してラベル表皮材10が被せられた状態でICタグラベル1が複数個所定のピッチで離型紙60に配設されている様子を示す。
【0041】
図1(b)はICタグラベル1のICチップ40の実装部に沿った断面図であり、ラベル表皮材10、第1の粘着材層20、送受信アンテナ30、ICチップ40及び離型紙60の積層構成を示す。詳細には、離型紙60がICチップ40とその近傍を除く領域に配設され、さらに離型紙60上に送受信アンテナ30が設けられている。送受信アンテナ30と離型紙60との間には、空洞又は開口部3が形成され、そこに送受信アンテナ30に接続されたICチップ40が配設されることになる。送受信アンテナ30とICチップ40はインレット2を構成している。
【0042】
インレット2の送受信アンテナ30上には、送受信アンテナ30全体を覆うように粘着材層20が送受信アンテナ30と、離型紙60の一部に粘着されている。粘着材層20上には、ラベル表皮材10が粘着材層20全体を覆うように設けられている。
【0043】
このICタグラベル1にあって特徴的なのは、離型紙60がICチップ40及びその近傍で開口されて開口部3が形成されているため、ICチップ40はその開口部3に格納された構造となっていることである。
【0044】
すなわち、この第1の実施の形態は、複数のICタグラベル1が離型紙60にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、前記複数のICタグラベル1は、それぞれICチップ40を離型紙60の開口部3に有し、離型紙60上にはICチップ40に電気的に接続された送受信アンテナ30を設け、さらに送受信アンテナ30上には当該送受信アンテナ30を内側に覆う粘着材層20を設けてなり、開口部3は離型紙60がICチップ部40又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されている。
【0045】
離型紙60の厚みを、ICチップ40と同等か、それより大きくしてあるので、ICチップ40上に積層された送受信アンテナ30、粘着層20及びラベル表皮材10は、ICチップ40上に突起部を作らない。つまり、ICチップ40上の積層体が突起状になることがない。ICチップ40が実装されている部分をICチップ実装部と記せば、ICチップ実装部は突起状にならない。このため、ICタグラベル1は外部からの圧力や衝撃を受けにくくなり、信頼性が向上する点で好ましい。
【0046】
また、ICタグラベル1の周辺部の厚さがICチップ実装部とほぼ同等か大きくなるため、リールの巻きズレが起こりにくい。ここでいう周辺部は、ICチップ40が開口部3に実装されているICチップ実装部を中央とした場合の周辺である。
【0047】
図1(c)は離型紙60面から見た外観図である。離型紙60に開口部3が形成されており、この開口部3からICチップ実装部の外観を検査することができる。
【0048】
本発明のICタグラベルリールの第2の形態について説明する。本形態の平面の外観は図1(a)に示した第1の形態の平面と同様である。第2の実施の形態が、第1の実施の形態と異なるのは、離型紙60上に所定ピッチで配設するICタグラベル1の構成である。
【0049】
以下に、第2の実施の形態で用いるICタグラベル1の構成を説明する。図2は第2の実施の形態で用いるICタグラベル11の断面図である。図2に示すように、ICタグラベル11は、ラベル表皮材10、第1の粘着材層20、送受信アンテナ30、ICチップ40、第2の粘着材層50及び離型紙60が積層された構成からなる。
【0050】
詳細には、離型紙60と第2の粘着材層50がICチップ40とその近傍を除く領域に積層され、さらに第2の粘着材層50上に送受信アンテナ30が粘着されて積層されている。送受信アンテナ30と被着体60との間には、空洞又は開口部3が形成され、そこに送受信アンテナ30に接続されたICチップ40が配設されることになる。送受信アンテナ30とICチップ40は前述のようにインレット2を構成している。
【0051】
インレット2の送受信アンテナ30上には、送受信アンテナ30全体を覆うように第1の粘着材層20が送受信アンテナ30と、第2の粘着材層50の一部に粘着されている。第1の粘着材層20上には、ラベル表皮材10が第1の粘着材層20全体を覆うように形成されている。
【0052】
図2に示すように、離型紙60及び第2の粘着材層50はICチップ40及びその近傍で開口されているため、ICチップ40はその開口部3に格納された構造となっている。
【0053】
すなわち、この第2の実施の形態は、複数のICタグラベル11が離型紙60にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、複数のICタグラベル11は、それぞれICチップ40を離型紙60の開口部3に有し、離型紙60上には開口部3を形成したまま粘着材層(第2の粘着材層)50を設け、粘着材層50上にはICチップ40に電極を介して接続される送受信アンテナ30を設け、さらに送受信アンテナ30上には粘着材層(第2の粘着材層)50と異なる他の粘着材(第1の粘着材層)20を設けてなり、開口部3は離型紙60及び粘着材層50がICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されている。
【0054】
第2の粘着材層50と離型紙60の厚みの合計をICチップ40の厚みと同等か、それより大きくしてあるので、ICチップ40上に積層された送受信アンテナ30、第1の粘着材層20及びラベル表皮材10は、ICチップ40上に突起部を作らない。つまり、ICチップ40上の積層体が突起状になることがない。ここでも、ICチップ40が実装されている部分をICチップ実装部と記せば、ICチップ実装部は突起状にならない。このため、ICタグラベル11は外部からの圧力や衝撃を受けにくくなり、信頼性が向上する点で好ましい。
【0055】
また、ICタグラベル11の周辺部の厚さがICチップ実装部とほぼ同等か大きくなるため、リールの巻きズレが起こりにくい。離型紙60面の開口部3からICチップ実装部の外観を検査することができるのは第1の形態と同様である。
【0056】
本発明のICタグラベルリールの第3の形態について説明する。本形態の平面の外観は図1(a)に示した第1の形態の平面と同様である。第3の実施の形態が、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なるのは、離型紙60上に所定ピッチで配設するICタグラベルの構成である。
【0057】
図3は第3の実施の形態が用いるICタグラベル101の実装部断面の拡大図である。ICチップ実装部以外の断面構造は第1の形態と同様であるため、ここではICチップ実装部断面の拡大図のみを示す。
【0058】
本形態に用いるICチップ43は、2個の外部電極45、46が対向する一対の面に各々1個ずつ形成されている。ICチップ43全体を送受信アンテナ30の一方の電極301側に配置し、当該一方の外部電極46を送受信アンテナ30の一方の電極301と接続する。
【0059】
また、ICチップ43は離型紙60上に水平な一部を載せた金属箔などからなる短絡板31の前記水平な一部面上に外部電極45を接続するように配設される。短絡板31は、前記水平部と平行な他部を有し、この平行な他部と前記水平部とを傾斜部の両端に形成している形状である。この短絡板31を用いることによって、ICチップ43の他方の外部電極45は短絡板31を介して送受信アンテナ30のもう一方の電極302に接続する。
【0060】
すなわち、第3の実施の形態は、複数のICタグラベル101が離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、複数のICタグラベル101は、それぞれ対向する一対の面に外部電極46及び45が形成されたICチップ43を離型紙60の開口部3に有し、離型紙上にはICチップ43に電気的に接続された送受信アンテナ30を設け、さらに送受信アンテナ30上には当該送受信アンテナ30を内側に覆う粘着材層20とを設けてなり、開口部3は離型紙60が前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されてなり、かつ開口部3にはICチップ43の外部電極46及び45の一方46に直接接続された送受信アンテナ30をICチップ43の外部電極の他方45に短絡接続する短絡板31も収納される。
【0061】
この実装構造を用いれば、ICチップ43と送受信アンテナ30との高精度な位置合わせが不要になるため、ICタグラベル101を高い生産性で、かつ低価格で提供することができ、好適な構造である。
【0062】
本形態についても、離型紙60の厚みをICチップ40と短絡板31の厚さの合計と同等か大きくしておくことでICチップ実装部が突起状にならず、外部からの圧力や衝撃を受けにくくなり、信頼性が向上するため、好ましい。
【0063】
また、ICタグラベル101の周辺部の厚さがICチップ実装部とほぼ同等か大きくなるため、リールの巻きズレが起こりにくい。
【0064】
離型紙60面の開口部3からはICチップ40と送受信アンテナ30を電気的に接続する短絡板31の剥がれやズレを検査することができる。
【0065】
本発明のICタグラベルリールの第4の形態について説明する。本形態の平面の外観は図1(a)に示した第1の形態の平面と同様である。第4の実施の形態が、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の形態と異なるのは、離型紙60上に所定ピッチで配設するICタグラベルの構成である。
【0066】
図4は第4の実施の形態が用いるICタグラベル111の実装部断面の拡大図である。ICチップ実装部以外の断面構造は第1の形態と同様であるため、ここではICチップ実装部断面の拡大図のみを示す。
【0067】
本形態に用いるICチップ43は第3の形態と同様に、2個の外部電極45、46が対向する一対の面に各々1個ずつ形成されたICチップ43を使用している。第3の実施の形態に用いたICタグラベル111における離型紙60と送受信アンテナ30との間に第2の粘着材層50を加えた構成である。
【0068】
短絡板31を用いることによって、ICチップ43の他方の外部電極45は短絡板31を介して送受信アンテナ30のもう一方の電極302に接続する。
【0069】
すなわち、第4の実施形態のICタグラベルリールは、複数のICタグラベル111が離型紙60にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールであって、複数のICタグラベル111は、それぞれ対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップ43を離型紙60の開口部3に有し、離型紙60上には開口部3を形成したまま粘着材層(第2の粘着材層)50を設け、前記粘着材層50上にはICチップ43に外部電極46を介して接続される送受信アンテナ30を設け、さらに送受信アンテナ上には粘着材層(第2の粘着材層)50と異なる他の粘着材(第1の粘着材層)20を設けてなり、開口部3は離型紙60及び粘着材層50がICチップ部又は前記ICチップとその近傍において開口していることにより形成されてなり、かつ開口部3にはICチップ43の外部電極の一方46に直接接続された送受信アンテナ30をICチップ43の外部電極の他方45に短絡接続する短絡板31も収納される。
【0070】
この実装構造を用いれば、ICチップ43と送受信アンテナ30との高精度な位置合わせが不要になるため、ICタグラベルを高い生産性で、かつ低価格で提供することができ、好適な構造である。
【0071】
本形態についても、第2の粘着材層50と離型紙60の厚みの合計をICチップと同等か大きくしておくことで、ICチップ部が突起状にならないため、外部からの圧力や衝撃を受けにくくなり、信頼性を向上する上で好ましい。
【0072】
また、ICタグラベル111の周辺部の厚さがICチップ実装部とほぼ同等か大きくなるため、リールの巻きズレが起こりにくい。
【0073】
離型紙60面の開口部3からはICチップ40と送受信アンテナ30を電気的に接続する短絡板31の剥がれやズレを検査することができるのは第3の形態と同様である。
【0074】
本発明で用いた各ICタグラベル1、11、101及び111に用いるラベル表皮材10は、ICチップ40又は43及び送受信アンテナ30の保護、あるいはその表面に所定の内容の表示、印刷できる機能を持てば特に限定されるものではないが、低価格性、汎用性等の点から紙、合成紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムが好適である。
【0075】
また、粘着材20や60についてもICタグラベルとして使用可能な粘着性を有する粘着材であれば、特に限定されるものではない。第2の粘着材50については、離型紙60と合計の厚さをICチップ又はICチップと短絡板の厚さの合計と同等程度にして高い信頼性を得るために、粘着材をコア材とその両面に形成された3層構造の粘着材層を用いてもよい。
【0076】
本発明の実施の形態を図1〜4を用いて説明したように、離型紙若しくは第2の粘着材層を、ICチップ部又はICチップとその近傍において開口することによって、外部からの衝撃等に対する耐性とリールの巻きズレを防止する効果を有し、かつラベル加工後のICチップ実装部の外観検査が可能なICタグラベルを実現することができる。
【実施例】
【0077】
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。
【0078】
<実施例1>
実施例1を、図5を引用して説明する。実施例1は図5に平面、又は断面構成を示すICタグラベルを離型紙上に配設したICタグラベルであるが、以下では特にICタグレベルの構成について説明する。
【0079】
なお、実施例1は、本発明のICタグラベルリールの製造方法に基づいて製造される。この製造方法は、送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を前記複数のICタグラベル分前記離型紙及び前記離型紙上に積層される粘着材層に形成する開口部形成工程と、前記開口部形成工程で形成された複数の開口部と前記インレットのICチップの位置を合わせて前記離型紙上に前記複数のICタグラベルを配設するICタグラベル配設工程とを備える。
【0080】
まず、前記インレット作成工程により、図5(a)に示すように、厚さ150μmのICチップ(ミューチップ、(株)日立製作所製)400を、厚さ10μmのアルミニウム箔をエッチング加工した送受信アンテナ300に実装したインレットを準備した。送受信アンテナには励振スリット310が形成され、ICチップと送受信アンテナとのインピーダンス整合を図っている。
【0081】
図5(b)は、図5(a)のA−A’に沿った断面図である。ICチップの2つの外部電極は励振スリットを跨いで右側と左側の送受信アンテナの電極に各々接続されている。
【0082】
送受信アンテナ300は、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートからなるキャリヤフィルム320に支持されている。ICチップ400と送受信アンテナ300は異方導電フィルム600(AC−2052P−45、日立化成工業(株)製)を用いて電気的に接続すると同時に、ICチップと送受信アンテナとの空隙を封止し、電気的絶縁性と強度を確保している。
【0083】
次に、前記開口部形成工程にしたがって、図5(c)に示すような離型紙510と厚さ200μmの不織布基材入り粘着材500とセパレータ520で構成された3層テープを準備し、ICチップ400より一回り大きいサイズでセパレータ、粘着材及び離型紙を刃型によって打ち抜き、開口部540を形成した。
【0084】
次に、前記ICタグラベル配設工程にしたがって、図5(d)に示すように、離型紙510のセパレータ520を剥がしながら、インレットのICチップ400と離型紙510の開口部の位置を合わせ、さらにその上から粘着材層200が予め形成されたラベル表皮紙100を貼り合わせた。
【0085】
次に、図5(e)に示すように、離型紙510のみ切断されないように、リールの巻き方向の長さ20mmでリール幅方向の長さ84mmの大きさの刃型によってハーフカットした後、不要な部分ラベル表皮紙100及び粘着材200を離型紙510から除去して製品ピッチ23mmのICタグラベルリールを得た。
【0086】
上記のICタグラベルリールは表面が突起することなく、内径76mmのABS製芯巻にICタグラベル5000枚を巻いた際に巻きズレが発生しなかった。また、ラベル加工後のICチップ実装部外観を、離型紙の開口部から検査することができた。
【0087】
<実施例2>
実施例2を、図6を用いて説明する。
【0088】
この実施例2も前記ICタグラベルリールの製造方法によって製造される。実施例1と異なるのは、前記インレット作成工程が、対向する一対の面に外部電極が形成されたICチップを短絡板を用いて送受信アンテナに電気的に接続してインレットを作成することである。
【0089】
まず、前記インレット作成工程にしたがって、図6(a)に示すような、2つの外部電極が対向する各々の面に形成された厚さ150μmのICチップ((株)日立製作所製、ミューチップ)410を、厚さ10μmのアルミニウム箔をエッチング加工した送受信アンテナ300に実装したインレットを準備した。送受信アンテナ300には励振スリット310が形成され、ICチップ410と送受信アンテナ300とのインピーダンスを図っている。
【0090】
図6(b)は、図6(a)のB−B’に沿った断面図である。ICチップは励振スリットの右側に配置されており、ICチップ400の下面に形成された外部電極を介して送受信アンテナ300に接続されている。ICチップの上面に形成された外部電極は厚さ10μmのアルミニウム箔からなる短絡板330によって励振スリットの左側の送受信アンテナに接続されている。
【0091】
ICチップと送受信アンテナ及び短絡板、送受信アンテナと短絡板との接続は異方導電フィルム600を用いて電気的に接続すると同時に、送受信アンテナと短絡板との空隙を封止し、電気的絶縁性と強度を確保している。また、送受信アンテナ及び短絡板は各々厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートからなるキャリヤフィルム320及び340に支持されている。
【0092】
次に、実施例1と同様の方法で離型紙とインレットとラベル表皮紙を貼り合わせ、図6(c)に示すように、離型紙のみ切断されないように、リールの巻き方向の長さ20mmでリール幅方向の長さ84mmの大きさの刃型によってハーフカットした後、不要な部分ラベル表皮紙及び粘着材を離型紙から除去して製品ピッチ23mmのICタグラベルリールを得た。
【0093】
上記のICタグラベルリールは表面が突起することなく、内径76mmのABS製芯巻にICタグラベル5000枚を巻いた際に巻きズレが発生しなかった。また、ラベル加工後のICチップ実装部外観を、離型紙の開口部から検査することができた。
【0094】
実施例1、実施例2は、本発明のICタグラベルリールの製造方法にしたがって、第1の粘着材層20及び第2の粘着材層50を用いて製造した具体例であるが、第1の粘着材層20のみを用いた図1(b)に示す構成のICタグラベルを離型紙60上に複数個配設する具体例ももちろん製造できる。
【0095】
この場合に適用する製造方法は、複数のICタグラベルが離型紙にほぼ列状に並べられたICタグラベルリールの製造方法であって、送受信アンテナに電極を介してICチップを接続しインレットを作成するインレット作成工程と、前記インレット作成工程で作成されたインレットの前記ICチップ部又は前記ICチップとその近傍に合わせた開口部を前記複数のICタグラベル分前記離型紙に形成する開口部形成工程と、前記開口部形成工程で形成された複数の開口部と前記インレットのICチップの位置を合わせて前記離型紙上に前記複数のICタグラベルを配設するICタグラベル配設工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】(a)は本発明の第1の形態をラベル表皮材面から見た平面図の一例、(b)は(a)の断面図及び(c)は本発明の第1の形態を離型紙面から見た平面図の一例である。
【図2】本発明の第2の形態の断面図である。
【図3】本発明の第3の形態のICチップ実装部近傍の断面図である。
【図4】本発明の第4の形態のICチップ実装部近傍の断面図である。
【図5】(a)〜(e)は実施例1を説明する製造工程図であり、このうち(b)は(a)のA−A’に沿った断面図である。
【図6】(a)〜(c)は実施例2を説明する製造工程図であり、このうち(b)は(a)のB−B’に沿った断面図である。
【図7】(a)は従来のICタグラベルの一例を示す平面図及び(b)は(a)の断面図である。
【図8】従来のICタグラベルリールの巻きズレを説明する図である。
【符号の説明】
【0097】
1、11、101、111 ICタグラベル
10 ラベル表皮材
20 第1の粘着材層
30 送受信アンテナ
31 短絡板
40、43 ICチップ
41、44 ベースチップ
42、45、46 外部電極
50 第2の粘着材層
60 離型紙
100 ラベル表皮紙
200 粘着材層
300 送受信アンテナ
310 励振スリット
320 キャリヤフィルム
330 短絡板
340 キャリヤフィルム
400、410 ICチップ
500 粘着材層
510 離型紙
520 セパレータ
600 異方導電フィルム
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【出願日】 平成19年6月15日(2007.6.15)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−18718(P2008−18718A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−159212(P2007−159212)