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【発明の名称】 プリント用紙、プリンタ、及びプリントシステム
【発明者】 【氏名】玉村 秀雄

【要約】 【課題】プリント用紙からのその用紙に関する情報の取得を支障なく確実に行えると共に、プリンタにセットされた用紙の向きを認識できるようにする。

【構成】用紙11に関する情報を記録した2つの無線タグ12(A)と13(B)がそれぞれ用紙11のプリンタ3に対するセットの向きによって用紙の送り方向側の端部となる長辺に沿った方向の両端部のそれぞれに配置され、プリント面に露出しないように埋め込まれている。用紙11をヘッド5によるプリントを開始するための搬送位置まで送った状態で、ヘッド5に固定されたリーダーライター6をヘッド5と共にタグ(A)ないし(B)上の位置に移動させて、タグに記録された情報を読み取る。その情報に基づいて用紙のセットの向きを認識し、その向きと用紙情報に基づいてプリントの条件を設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタにセットされ一方向に沿って送られて画像をプリントされるプリント用紙であって、該プリント用紙に関する情報を記録した複数の情報記録体が設けられ、該複数の情報記録体は、それぞれプリント用紙のプリンタに対するセットの向きによってプリント用紙の送り方向側の端部となる複数の端部のそれぞれにおいてプリント用紙のプリント面に露出しないように配置されたことを特徴とするプリント用紙。
【請求項2】
前記複数の情報記録体は、それぞれに記録された情報の一部が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載のプリント用紙。
【請求項3】
縦横の長さが異なる長方形のプリント用紙であって、前記情報記録体として2つの情報記録体が長辺に沿った方向の両端部のそれぞれにおいて、長辺に沿った中心線から互いに逆方向に一定の距離だけずれた位置のそれぞれに設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のプリント用紙。
【請求項4】
長方形のプリント用紙であって、前記情報記録体として4つの情報記録体が4つの角部の近傍の位置のそれぞれに設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のプリント用紙。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載のプリント用紙をセットし一方向に沿って送って画像をプリントするプリンタであって、
プリント用紙の前記情報記録体に記録された情報を読み取る情報読み取り手段を有し、該情報読み取り手段は、プリント用紙を該用紙に対するプリントを開始するための搬送位置まで送った状態で、該用紙の送り方向側の端部に配置された前記情報記録体に記録された情報を読み取ることができる位置に配置されたことを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
前記情報読み取り手段は、プリント用紙の紙面に平行で前記一方向に交わる方向に移動可能に設けられたことを特徴とする請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
請求項5または6に記載のプリンタと、該プリンタに印刷データを送信しプリンタを制御してプリントさせるホスト装置からなるプリントシステムであって、
プリンタは、ホスト装置からの要求に応じて、プリント用紙を該用紙に対するプリントを開始するための搬送位置まで送った後に前記情報読み取り手段によりプリント用紙の前記情報記録体に記録された情報を読み取ってホスト装置に送信し、
ホスト装置は、送信された前記情報に基づいてプリントの条件を設定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項8】
前記ホスト装置は、送信された前記情報に基づいて、プリンタにセットされたプリント用紙の向きを認識することを特徴とする請求項7に記載のプリントシステム。
【請求項9】
前記ホスト装置は、プリントする画像の向きが認識したプリント用紙の向きに対応した向きになるようにプリントの条件を設定することを特徴とする請求項8に記載のプリントシステム。
【請求項10】
前記プリンタは、プリント用紙の前記情報記録体に情報を書き込む情報書き込み手段を有し、
ホスト装置は、プリント用紙に対するプリント中またはプリント後に、プリンタに前記情報書き込み手段による前記情報記録体への情報の書き込みを行わせることを特徴とする請求項7から9までのいずれか1項に記載のプリントシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタにセットされ一方向に沿って送られて画像をプリントされるプリント用紙に関する。また、このプリント用紙をセットし一方向に沿って送って画像をプリントするプリンタに関する。さらに、このプリンタと、プリンタに印刷データを送信しプリンタを制御してプリントさせるホスト装置からなるプリントシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー画像を形成し、その画像をプリント(印刷)した印刷物を排出するプリントシステムは、カラー印刷の可能なプリンタと、印刷データを生成してプリンタにプリントさせるパソコンなどのホスト装置と、その双方を接続する通信インタフェースとから構成されるのが一般的である。
【0003】
カラープリンタには各種のプリント方式がある。その中でもインクジェット方式は、記録ヘッドからプリント用紙(以下、単に用紙ともいう)に直接インクを噴射する方式であり、ランニングコストが安く、カラー印刷にも適し、印刷動作時の騒音が静かである等の利点を有する。このため、ビジネスからホームまで幅広い市場で注目され、使用されている。
【0004】
インクジェットプリンタでは、その用途に応じて、さまざまな用紙を使い分ける。通常の文章等をプリントするための普通紙。写真と同様の画像、いわゆる写真画像を形成するための光沢紙や半光沢紙、光沢フィルム、マット紙。Tシャツ等にアイロンプリントするための転写紙。また封筒や、年賀状プリント用のインクジェット専用はがきなど、多種多様な用紙が存在している。これらの用紙にプリントする際、ユーザーは予めプリント対象となる用紙の種類や大きさ及び印刷品位などをパソコンのプリンタドライバ上でプリント条件の設定として選択または入力して設定する。そしてプリントシステムは、その設定に基づいて用紙に適切なプリントを行うように構成されている。
【0005】
その設定をユーザーが間違えないようにした技術が例えば特許文献1及び2に記載されている。特許文献1では、まずプリンタにおいてプリントの前で用紙の搬送前、例えば電源投入時などに、メディアセンサ(用紙認識センサ)の出力から用紙の種類と大きさを特定しておく。そして、プリンタドライバ起動直後のパソコンからの要求に応じてその特定した用紙の種類と大きさの用紙情報をパソコンに出力する。パソコンは得られた用紙情報に基づいて、用紙設定を含むプリント条件の自動設定を行う。その際に、用紙情報に基づく用紙設定と、ユーザーが任意に指定した用紙設定及び印刷品位の設定との間に不整合が生じていたら、その旨を表示して警告する。不整合が生じていなければ印刷データを生成する。
【0006】
用紙の種類と大きさを特定してその情報を得る方法としては次のような方法が記載されている。すなわち、用紙にマーキングを施し、そのマークを光学的に検出する方法。専用の用紙カセットを用いる方法。用紙にICカードを埋め込む方法。用紙に対して照射した特定光の反射光を光学的に検出する方法。その他、用紙の表面粗さ、光の透過率、重さ、厚さ、摩擦係数、誘電率、電気抵抗値、吸水率、2次元イメージなどから判別する方法が記載されている。
【0007】
特許文献2の構成は、特許文献1とほぼ同様であるが、メディアセンサにより用紙の種類と大きさを検出するタイミングが異なり、用紙のプリント前の搬送途中で検出する。また、用紙の種類と大きさを特定する方法として専用の用紙カセットを用いることはしない。
【0008】
また特許文献3には、プリンタで機密文書印刷を行う場合のセキュリティーのために、無線タグ(RFIDタグ)を取り付けた用紙を用いることが記載されている。プリンタにおいて無線タグ付き用紙が用紙トレイにセットされると、無線タグからIDデータが読み取られ、そのIDデータに該当する暗号データが存在すれば、その暗号データが解読されて出力されるようになっている。
【特許文献1】特開2003−305923号公報
【特許文献2】特開2003−312092号公報
【特許文献3】特開2004−66692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の構成では、プリンタにおいて用紙の搬送前で用紙がトレイ上などにセットされた状態で用紙から用紙情報を取得するので、以下のような問題がある。
【0010】
通常、用紙はトレイ上などに複数枚重ねて束にしてセットされる。このため、用紙情報を得るために用紙にマーキングを施す方法では、用紙の表面(プリント面)にバーコードなどのマーキングを予め印刷しておく必要がある。すなわち、プリントすべき画像を用紙のプリント面にプリントした状態で、プリント面にマーキングも見えてしまい、プリントの品位を落してしまう。
【0011】
また、ICカードを埋め込む方法では、ICカードの記録情報を読み取るリーダーがセットされた複数枚の用紙の内で印刷する1番上の用紙のICカードと通信しようとしても、他の用紙のICカードと混信してしまう。このため、印刷する用紙の用紙情報を読み取ることが困難である。特に印刷する1枚の用紙の種類や大きさがセットされた他の用紙と異なる場合は問題である。
【0012】
また、他の方法でも多数枚の用紙が重なっていると、用紙情報の取得が困難になったり、取得できる情報が限られたりする問題がある。
【0013】
これに対して、特許文献2の構成では、用紙のプリント前の搬送途中でメディアセンサにより用紙の種類と大きさを検出するので、特許文献1のような問題を避けることができる。しかしながら、用紙の搬送途中で検出のために用紙を一度停止させる必要があり、検出後に用紙を改めてプリントを開始する位置まで搬送する必要がある。このため時間をロスしてプリントの効率が悪くなる。
【0014】
また、特許文献1,2のいずれにおいても、用紙におけるバーコードやICカードなどの配置に関して何ら記載されていない。例えば、バーコードやICカードが用紙の1箇所の所定位置に配置されているような構成では、プリンタにセットした用紙の向きが正常な向きと90度異なる向きであったり、上下や表裏が逆であったりしたら、位置ずれで情報の読み取りができなくなってしまう。このような問題を解決する手段について、特許文献1,2には何ら記載されていない。
【0015】
なお、特許文献3では、図7において、長方形で対向する2つの角部の近傍の位置のそれぞれに無線タグが配置されたように見える用紙が示されているが、無線タグの配置の説明は全くない。
【0016】
また、特許文献1〜3のいずれにおいても、用紙に設けたバーコード、ICカード或いは無線タグなどから読み取った情報に基づいて用紙がプリンタにセットされた向きを認識するようなことに関して何ら記載されていない。このため用紙がプリントに不適な向きでセットされたセットミスを判断して対処することができない。また、用紙にプリントする画像の向きを用紙のセットの向きに対応した向きにするようなこともできない。
【0017】
また、特許文献1〜3のいずれにおいても、用紙に設けたICカードや無線タグなどから情報を読み取るだけであり、用紙に画像をプリントすると共にICカードや無線タグなどに情報を書き込むような構成は記載されていない。すなわち、ICカードや無線タグなどを充分に有効に利用できていない。
【0018】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものである。本発明の課題は、プリント用紙からのその用紙に関する情報の取得を支障なく確実に行えると共に、プリンタにセットされた用紙の向きを認識できるようにしたプリント用紙、プリンタ、及びプリントシステムを提供することにある。また、プリント用紙に画像をプリントするとともに所望の情報の書き込みを行なうことができるプリントシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を解決するため、本発明(請求項1)によるプリント用紙は、プリンタにセットされ一方向に沿って送られて画像をプリントされるプリント用紙であって、該プリント用紙に関する情報を記録した複数の情報記録体が設けられている。そして、該複数の情報記録体は、それぞれプリント用紙のプリンタに対するセットの向きによってプリント用紙の送り方向側の端部となる複数の端部のそれぞれにおいてプリント用紙のプリント面に露出しないように配置されたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明(請求項5)によるプリンタは、上記本発明に係るプリント用紙をセットし一方向に沿って送って画像をプリントするプリンタであって、プリント用紙の前記情報記録体に記録された情報を読み取る情報読み取り手段を有する。そして、該情報読み取り手段は、プリント用紙を該用紙に対するプリントを開始するための搬送位置まで送った状態で、該用紙の送り方向側の端部に配置された前記情報記録体に記録された情報を読み取ることができる位置に配置されたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明(請求項7)によるプリントシステムは、上記本発明に係るプリンタと、該プリンタに印刷データを送信しプリンタを制御してプリントさせるホスト装置からなるプリントシステムである。そして、プリンタは、ホスト装置からの要求に応じて、プリント用紙を該用紙に対するプリントを開始するための搬送位置まで送った後に前記情報読み取り手段によりプリント用紙の前記情報記録体に記録された情報を読み取ってホスト装置に送信する。また、ホスト装置は、送信された前記情報に基づいてプリントの条件を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明(請求項1)のプリント用紙によれば、複数の向きの内の何れの向きでプリンタにセットしても、送り方向側の端部に情報記録体が存在するので、同様の位置関係で用紙の情報記録体からの情報の読み取りを確実に行うことができる。またプリント面に情報記録体が見えないので、プリントの品位を落すことがない。
【0023】
また、本発明(請求項2)のプリント用紙によれば、情報記録体から情報を読み取ったときに、その情報記録体が複数の内のどの記録体であるか識別することができ、その識別結果に基づいて、プリンタにセットされた用紙の向きを認識することができる。
【0024】
また、本発明(請求項5)のプリンタによれば、情報を読み取る対象のプリント用紙の情報記録体からの情報の読み取りをプリンタにセットされた他の用紙の情報記録体から充分に離れた位置で、支障なく確実に行うことができる。また、読み取り後にプリントを開始するために改めて用紙を送る必要がなく、そのための時間のロスをなくしてプリントの効率を向上することができる。
【0025】
また、本発明(請求項7)のプリントシステムによれば、プリンタは情報を読み取る対象のプリント用紙の情報記録体からの情報の読み取りを支障なく確実に行うことができる。そしてホスト装置は情報記録体から読み取られた用紙に関する情報に基づいてプリントの条件を用紙に合わせて最適に設定することができる。
【0026】
また、本発明(請求項8)のプリントシステムによれば、ホスト装置はプリンタにセットされたプリント用紙の向きを認識することができる。そして、プリントに不適な向きの場合はユーザーに警告するなどの対処をして、プリントの失敗を未然に防止することができる。
【0027】
また、本発明(請求項9)のプリントシステムによれば、プリントする画像の向きが認識したプリント用紙の向きに対応した向きになるようにして、用紙の向きにかかわらず、プリントを支障なく行なわせることができる。
【0028】
また、本発明(請求項10)のプリントシステムによれば、プリント用紙に画像をプリントすると共に、所望の情報を用紙の情報記録体に書き込むことができ便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付した図を参照して、本発明を実施するための最良の形態の実施例を説明する。
【実施例1】
【0030】
図1〜図11は本発明の実施例1を説明するものである。まず図1は本実施例のプリントシステムを示している。このシステムは、USBなどの通信インタフェース2を介して接続されたパソコン1とプリンタ3からなる。ユーザーは、パソコン1のキーボード202やマウス203などの操作によってアプリケーションプログラムを動作させ、モニタ201の画面上でプリントしたい文書などを作成することができる。そしてプリントしたいときは画面上でプリントボタンを押すなどしてプリントを指示する。その指示に応じてパソコン1のプリンタドライバが印刷データを生成してプリンタ3に送信し、プリンタ3を制御してプリントさせる。なお本実施例ではプリンタ3はシリアル型のインクジェットプリンタとする。ただし、インクジェットプリンタ以外のプリンタにも本発明を適用できることは勿論である。
【0031】
図2は、プリンタ3がプリントに使用するプリント用紙(以下、単に用紙という)11を示している。用紙11の材質は、文字通りの紙に限らず、プラスチック(フィルム)など紙以外の材質も含むものとする。本実施例において、用紙11は、縦横の長さが異なる長方形のごく一般的な形状のものとし、正常な向きとしてプリンタ3に縦向きにセットされ、プリント時には長辺に沿った矢印F1方向に送られるものとする。矢印F1は、用紙11が上下の向きを逆にしてセットされた場合も含めた用紙11から見た送り方向を示しており、長辺に沿った両方向を示しているが、実際にプリンタが送る方向は一方向であることは勿論である。なお、用紙11の種類は特に限定するものではないが、本実施例では例えば写真印刷に用いられる光沢紙のように、プリンタにセットする向きで上下の向きの区別はないが、表裏の向きの区別はあるものとする。
【0032】
用紙11には、用紙11に関する情報を記録した情報記録体としての無線タグ(A)12と無線タグ(B)13がF1方向の両端部(用紙11の長辺に沿った方向の両端部)のそれぞれに設けられている。無線タグ(以下、単にタグという)12は、用紙11の長辺方向に沿った中心線14から図中で左側の長辺に向かって所定の距離L1で、短辺方向に沿った中心線15から上側の短辺に向かって所定の距離L3の位置に配置されている。タグ13は、中心線14から右側の長辺に向かって所定の距離L2で、中心線15から下側の短辺に向かって所定の距離L4の位置に配置されている。この無線タグ12、13として、RFIDやICチップを用いることができる。
【0033】
ここで、用紙11は上下の向きの区別がないものとするので、距離L1とL2を同じとし、距離L3とL4も同じとするのが望ましい。すなわちタグ12と13が用紙11の中心(中心線14と15の交点)に対して互いに点対称となるように配置するのが望ましい。
【0034】
なお、タグ12,13は、用紙11のプリント面側から見えないように、つまりプリント面に露出しないように配置される。すなわち、用紙11が片面プリントにも両面プリントにも使用されるものとする場合は、タグの厚さを用紙11より薄いものとして、タグ全体が用紙11の厚さ内に収まるように用紙11に埋め込まれるものとする。また、用紙11が光沢紙などで片面プリントにのみ使用されるものとする場合は、タグを用紙11の厚さ内に収まるように埋め込むか、或いはプリント面と反対側の非プリント面に貼り付ける、ないしは半ば埋め込むようにする。
【0035】
図3は、タグ12,13に記録されている情報の内容を示している。すなわちタグには、まず(1)用紙のタイプ(種類)として、普通紙、光沢紙、半光沢紙、マット紙、インクジェット官製はがき、はがき、フィルム、封筒、転写紙等の内で用紙11が該当するタイプの情報、例えば光沢紙という情報が記録されている。
【0036】
また、(2)用紙のサイズ(大きさ)として、A4、B5、A5,2L、L、はがき、封筒等の内で用紙11が該当するサイズの情報、例えばLという情報が記録されている。
【0037】
また(3)用紙のタイプに応じたプリント品質として、フォト(写真)、速い、標準などの内で用紙11のタイプに応じたプリント品質の情報、例えばフォトという情報が記録されている。
【0038】
さらに(4)として用紙におけるタグ12または13の自らの位置の情報が記録されている。この位置情報は、例えば、用紙11の端縁からの距離、すなわちタグ12の場合は図2中の上端縁からの距離と左端縁からの距離、タグ13の場合は下端縁からの距離と右端縁からの距離の情報や、左上、右下などの相対位置などの情報とする。なお、この位置情報に関して、例えばタグ12は左上、タグ13は右上となり、この部分でタグ12と13の記録情報が異なる。
【0039】
図4及び図5は、それぞれ用紙11をプリンタ3にセットして後述する情報読み取り位置まで送った状態をプリンタ3の正面側と側面側から見て示している。用紙11は、プリンタ3の背面側に設けられたトレイ4上に束11aとしてセットされる。5は不図示の複数のノズルからインク滴を吐出して用紙11に画像を記録する記録ヘッドとしてのインクジェットヘッド(以下、単にヘッドという)である。このヘッド5は、不図示のキャリッジに搭載され、不図示のキャリッジモータの駆動により主走査方向に沿った矢印F2方向とその逆方向に往復移動する。
【0040】
ヘッド5には、タグ12ないし13に記録された情報の読み取りとタグ12ないし13に対する情報の書き込みを行うリーダーライター6が固定されており、ヘッド5の移動に伴って矢印F2方向とその逆方向に移動する。プリンタ3の用紙11の搬送方向(矢印F3方向)に対応する副走査方向において、ヘッド5の複数のノズルが配置されプリントを行なう部分の位置と、リーダーライター6の読み取りないし書き込みを行う部分の位置は一致ないしほぼ一致するものとする。なお、リーダーライター6は、プリンタ3にセットされた用紙の向きを認識するための情報(本実施例ではタグの位置)を検出するためのセンサでもある。用紙の向きの認識については後述する。
【0041】
プリント時には、まずトレイ4上にセットされた用紙の束11aから1枚の用紙11が分離されて副走査方向に沿った矢印F3方向に図4及び図5に示す位置まで搬送される。すなわち、用紙11が正常な向きでセットされていた場合に、タグ12,13の内でF3方向側のタグ(図では12)の副走査方向の位置がリーダーライター6の読み取りを行う部分の位置に一致する搬送位置まで搬送される。以下、この用紙搬送位置を情報読み取り位置という。そしてヘッド5の移動によってリーダーライター6が用紙11の紙面に平行で用紙送り方向のF3方向に直交するF2方向にタグ12に対向する位置まで移動され、タグ12に記録された用紙11に関する情報を読み取る。
【0042】
なお、図2で説明した用紙11におけるタグ12,13の望ましい配置では、用紙11の上端縁からタグ12までの距離と、下端縁からタグ13までの距離は同じである。したがって、用紙11を図4の向きと上下が逆の向きにセットして情報読み取り位置まで搬送しても、タグ13の F3方向の位置が図4の場合のタグ12の位置に一致し、タグ13の記録情報を読み取ることができる。
【0043】
このようにして情報読み取り位置にある用紙11のタグの記録情報を読み取るときに、リーダーライター6がトレイ4上の他の用紙11のタグ12ないし13の記録情報を読み取らないようにする必要がある。このため、リーダーライター6がタグ12ないし13と通信して情報を読み取り可能な距離を、リーダーライター6からトレイ4上の用紙束11aまでの距離に比べて充分に短くする。これは、束11aまでの距離を大きくとれるので、容易に実現できる。このようにして情報読み取り位置にある用紙11のタグ12のみの記録情報を確実に読み取ることができる。また、上記読み取り可能な距離を小さくすることにより、後述するようにリーダーライター6によってタグ12ないし13を検出したF2方向の位置を特定することが可能になる。
【0044】
このようにして読み取られた情報に基づいてプリント条件が設定され、後述するように用紙11のセットの向きの不適合がなく、ユーザーからプリントOKの指示があれば、プリントが開始される。ここでタグ12が配置された用紙11の先端部は既に副走査方向においてヘッド5の複数ノズルにより記録が行われる部分の位置の下に位置しているので、用紙11を改めてF3方向に搬送することなくプリントを開始することができる。すなわちプリントを開始するための用紙搬送位置(以下、プリント開始位置という)を情報読み取り位置とすることで、タグ情報の読み取りとプリント開始のために用紙を2箇所に停止させる必要がない。
【0045】
プリント動作では、ヘッド5が1回F2方向またはその逆方向に用紙11の紙面に平行に移動されながら印刷データに従って駆動され複数のノズルからインク滴を吐出することにより、1バンド分のプリント(ドット記録)がなされる。この1回の走査が終了すると、用紙11が副走査方向に対応したF3方向にバンド幅に対応した所定ピッチの送り量だけ送られる。この走査と所定ピッチの紙送りが交互に繰り返されることにより、用紙11に対して順次1バンド分ずつプリントがなされる。
【0046】
図6はプリンタ3及びパソコン1の機能的な構成を示すブロック図である。プリンタ3は、先述したリーダーライター6、I/F(インタフェース)制御部302、プリント制御部303、及びプリント部(プリンタエンジン)304を有している。パソコン1は、中央制御部101、I/F制御部102、表示制御部103、設定情報通知部104、プリント設定入力操作部105、モニタ201及びソフトウェアから構成されるプリンタドライバ106を有している。プリンタドライバ106は、プリント設定処理部107、データ生成処理部108、データ生成用テーブル109、用紙情報処理部110、用紙判定用テーブル111を有している。ただし、プリンタ3及びパソコン1とも、本実施例を説明する上で特に必要ないと思われる機能的構成については省略している。
【0047】
プリンタ3の構成において、I/F制御部302はプリンタ3のインタフェース機能を司るものである。通信I/F2がUSBで構成される場合、I/F制御部302はUSBの周辺機器側のコントローラによって構成される。そしてパソコン1からの印刷データや制御コマンドなどの受信と、リーダーライター6により読み取られた用紙11に関する情報などのパソコン1への送信を行なう。またプリンタ3で発生したエラー情報や通信状態などのステータス情報も、要求があればパソコン1に対して送信する。
【0048】
プリント制御部303は、パソコン1から送信されてきた印刷データを展開してプリント部304にプリントさせる。送信される印刷データは、すでに用紙の種類や大きさなどを含めたプリント設定にもとづいてパソコン1で画像処理が行われたデータである。この印刷データに含まれる印刷制御用のコマンドに従ってプリント部304の制御を行う。プリント部304はプリント制御部303で展開された印刷データに基づき、プリント制御部303の制御にしたがって、用紙11に対してインクジェット方式のプリントを行う。
【0049】
パソコン1の構成において、I/F制御部102はパソコン1のインタフェース機能を司るもので、例えばUSBのホスト側のコントローラによって構成され、USBホストとしての機能を有する。USBホストとしての機能の一部はOSやプリンタドライバなどソフトウェアによっても構成される。
【0050】
プリンタドライバ106は、プリントのための各種設定や印刷データの生成及びプリンタの制御をパソコン1上で行うもので、ソフトウェアで構成される。プリンタドライバ106の用紙情報処理部110は、リーダーライター6から通信I/F2を介してパソコン1に送られる情報に基づき用紙判定用テーブル111を参照して用紙の種類や大きさを特定する。
【0051】
また、プリント設定処理部107は、用紙11の設定やプリント品位、用紙11のセッティング状況(セットの向き)の設定などを含む各種プリント設定を行う。そして用紙11の情報やユーザからの指示や入力を受け付け、設定された内容をモニタ201に表示してユーザーに通知する機能を有する。なお、プリント設定処理部107はプリンタ3から送られた用紙情報に基づき、用紙設定を自動で行う。
【0052】
また、データ生成処理部108は、プリンタ3及びプリント設定処理部107で行われたプリント設定に合わせて色変化や2値化などの各種画像処理を行い、印刷データを生成する。また生成した印刷データに基づいて、印刷制御を行うためのプリンタ制御用コマンドの生成も行う。なおデータ生成処理部108はデータ生成用テーブル109を使用して印刷データを生成する。このテーブル109は更新や内容の付け加えが可能である。
【0053】
また、パソコン1の構成において、中央制御部101はパソコン1の各種機能を制御するもので、CPUによって構成される。プリント設定入力操作部105は、図1中のキーボード202やマウス203などの各種入力機器から構成され、ユーザによって操作され、プリント設定のための情報の入力を行う。すなわち、プリント設定にユーザの意図を反映させるために使用される。設定情報通知部104はプリント設定情報をユーザーに通知する。具体的には中央制御部101と表示制御部103を介してモニタ201にプリント設定情報を表示させて通知する。
【0054】
図7は実施例1での印刷処理の流れを示すシーケンス図であり、プリント指示をユーザーが行った場合のユーザーYとパソコン1とプリンタ3との間で行われる印刷処理の流れを示している。
【0055】
この流れでは、まずユーザーYがパソコン1にプリント指示(印刷要求)を出す(ステップs101)。この指示は、一般には、動作しているアプリケーションのメニューの中から印刷コマンドを指定して実行させることでなされる。
【0056】
このプリント指示の要求を受けてパソコン1でプリンタドライバ106が起動され(s102)、その動作によりプリントの設定画面がパソコン1のモニタ201に表示される。
【0057】
そしてプリンタドライバ106の起動を受けて、パソコン1がプリントを行うべきプリンタ3に対してプリント対象となる用紙11の種類及び大きさ等の情報を得るために用紙情報要求を行う(s103)。この際に用紙情報だけでなく、トレイ4上やカセット内の用紙の有無や、インタフェースの状態及びインクカートリッジの種類やインクの残量など、プリント部304の情報なども合わせて要求することができる。
【0058】
用紙情報要求を受けたプリンタ3は、トレイ4にセットしてある用紙11をF3方向に送り、図4及び図5に示した情報読み取り位置(プリント開始位置)まで送る(s104)。そしてヘッド5と共にリーダーライター6をF2方向に移動させ、リーダーライター6のF2方向の位置がタグ12または13にほぼ一致してそのタグを検出したら、そのタグに記録された用紙に関する情報を読み取らせる(s105)。ここでリーダーライター6のF2方向の位置がタグ12または13にほぼ一致することにより、そのタグと通信してタグからの情報の読み取りが可能になることで、そのタグを検出することができる。
【0059】
続いて、読み取った用紙情報をパソコン1に送信する(s106)。なお、ここで後述する図9中の位置G1でタグを検出した場合にのみタグの記録情報を読み取ってパソコン1に送信するものとする。そして、後述する図10中の位置G2でタグを検出した場合と、後述する図11の位置関係のためにタグを検出できなかった場合は、その旨の情報を送信するものとする。
【0060】
パソコン1では、用紙情報を受信したら、プリンタドライバ106が用紙情報に従って、セットされている用紙11に最適なプリントの設定を自動で行う(s107)。そして設定した結果の情報をモニタ201に表示し、ユーザーYに通知する(ステップS108)。
【0061】
一方、タグを位置G2で検出したか、或いはタグを検出しなかった旨の情報を受信した場合は、用紙11のセットの向きを後述のようにして正常な向きに対して表裏の向きが逆の向き、或いは90度回転した向きと認識してプリントに不適と判断する(s109)。そしてモニタ201に用紙11のセッティング状態が不適であることの警告を表示し、ユーザーYの判断を仰ぐ(s110)。
【0062】
ここでユーザーYがプリントのNG(用紙排出OK)を入力すると(s111)、パソコン1はプリンタ3に対して用紙排出の指示を出す(s112)。これを受けてプリンタ3は用紙11を排出する(s113)。
【0063】
ユーザーYは排出された用紙11をプリンタ3のトレイ4上に正しい向きでセットし直し(s114)、パソコン1にプリント指示を出す(s115)。
【0064】
プリント指示を受けたパソコン1ではプリンタドライバが起動され(s116)、プリントの設定画面をモニタ201に表示する。そしてプリンタ3に対して用紙情報や他の必要な情報を要求する(s117)。
【0065】
用紙情報の要求を受けたプリンタ3は、トレイ4にセットし直された用紙11をF3方向に情報読み取り位置へ給紙する(s118)。そしてヘッド5と共にリーダーライター6をF2方向に移動させ、後述する位置G1でタグを検出したら、そのタグに記録された用紙情報を読み取らせる(s119)。そして読み取った用紙情報とタグの検出位置情報をパソコン1に送信する(s120)。
【0066】
パソコン1のプリンタドライバ106は送られた用紙情報に従って、セットされている用紙に最適なプリントの設定を自動で行う(s121)。そして設定した結果の情報をモニタ201に表示する(s122)。
【0067】
プリント設定情報を見たユーザーYがエンターボタンを押すなどしてパソコン1にプリントOKの指示を出すと(s123)、パソコン1はプリンタ3に対して印刷データを送信し、プリントGO(実行)の指示を出す(s124)。
【0068】
これを受けてプリンタ3は用紙11に対するプリントを開始する(s125)。そして、プリントの途中またはプリント終了後に用紙11の後ろ側(F3方向と逆方向の側)のタグ(12または13)をリーダーライター6により検出したら、その検出した旨の情報をパソコン1に送る(s126)。
【0069】
これに応じてパソコン1はプリンタ3に用紙11の送りを停止する指示を出す(s127)。そして、プリンタ3を制御して、用紙11にプリントした画像のデータを後ろ側のタグに書き込ませる(s128)。プリンタ3は、その書き込みが終了した時点で、プリントが既に終了していれば用紙を排出する。プリントが終了していなければ、プリントを再開し、プリントが終了したら用紙を排出する。
【0070】
図9〜図11は、リーダーライター6によるタグ12または13の検出位置に基づいて用紙11のセットの向きを認識する方法を説明するものである。なお、先述したが用紙11は、ここでは例えば光沢紙などで、上下の向きの区別はないが、表裏の向きの区別はあるものとする。
【0071】
図9は、用紙11が正常な向き、即ち用紙11の長辺がプリント時の紙送り方向に沿う縦向きでプリント面が表(上)になる向きにセットされて情報読み取り位置まで送られた状態を示している。この状態では、例えばヘッド5のホームポジションなどに対応したリーダーライター6の待機位置(移動開始位置)G0からリーダーライター6の移動方向のF2方向に距離D1だけ離れた位置G1にタグ12がある。図9と上下が逆の向きも正常な向きとする。タグ12,13を互いに点対称として、用紙を図9と上下逆向きにセットした場合はタグ13が位置G1にあることになる。従って、リーダーライター6を待機位置からF2方向に移動させて位置G1でタグ12または13を検出した場合は、用紙11が正常な向きにセットされていると認識することができる。なお、プリンタ3にはヘッド5のF2方向への位置を検出するエンコーダなどの手段が設けられており、これを利用して、タグを検出したときのリーダーライター6のF2方向への位置を知ることができる。
【0072】
図10は用紙11が図9の正常な向きに対して中心線14を軸にして表裏をひっくり返された向きでセットされて、情報読み取り位置まで送られた状態を示している。この状態では、リーダーライター6の待機位置G0からF2方向に距離D2だけ離れた位置G2にタグ12がある。タグ12,13を互いに点対称として、用紙を図10と上下逆向きにセットした場合はタグ13が位置G2にあることになる。従って、リーダーライター6を待機位置G0からF2方向に移動させて位置G2でタグ12または13を検出した場合は、用紙11が図9の正常な向き、ないしはこれと上下が逆向きの正常な向きに対して表裏を逆向きにしてセットされていると認識することができる。
【0073】
図11は用紙11が図9の正常な向きに対して反時計方向に90度回転した横向きでセットされ、情報読み取り位置まで送られた状態を示している。この状態では、タグ12,13の用紙の送り方向に対応する副走査方向の位置がいずれもリーダーライター6から離れた位置でリーダーライター6が検出できない(タグと通信できず読み取りできない)位置にある。用紙11が図9の正常な向きに対して時計方向に90度回転した横向きでセットされた場合も同様である。従って、リーダーライター6を待機位置G0からF2方向に移動させてタグ12,13の何れも検出できなかった場合は、用紙11が図9の正常な向きないしはこれと上下が逆向きの正常な向きに対して90度回転した向きにセットされていると認識することができる。
【0074】
このような方法でプリント時に用紙11のセットの向きを認識して警告などを行う動作の詳細を図8のフローチャートで説明する。なお図8中の各ステップで図7中に対応するステップがあるステップには図7中の対応するステップの符号をカッコ内に付して示してある。
【0075】
図8の動作の流れでは、まずユーザーがパソコン1のモニタ201上でプリントを行う画像を開いた状態(ステップs201)から、画面上でプリントボタンを押すなどしてプリントを指示する(s202)。これは画像を開いているアプリケーション上からの指示となる。このときには、まだ用紙の大きさや画質等の選択は何らされておらず、単にプリントが指示されただけである。このときプリンタ3には何らかの種類とサイズの用紙11がトレイ4上にセットされているものとする。プリント指示を受けたパソコン1はプリンタ3に用紙情報を要求する。
【0076】
用紙情報の要求を受けたプリンタ3はトレイ4上の1枚の用紙を情報読み取り位置まで送る(s203)。ここで先述のように情報読み取り位置をプリント開始位置とすることにより、プリント開始時に改めて用紙を送らなくてもプリントを開始することができる。
【0077】
続いてヘッド5と共にリーダーライター6を図9〜図11中の矢印F2方向に移動させ、タグ12ないし13の検出を行わせる(s204)。
【0078】
そして図9中の位置G1でタグを検出したか否か確認し(s205)、検出しなかったら、さらにF2方向に移動させて図10中の位置G2で検出したか否か確認する(s206)。そして、位置G2で検出したらG2で検出した旨の情報を、また、検出しなかったら検出しなかった旨をパソコン1に送信する。
【0079】
パソコン1では、位置G2で検出した旨の情報を受信したら、図10の様に用紙11が正常な向きと表裏逆向きにセットされていると認識してプリントに不適と判断し、表裏逆向きであることを警告するメッセージをモニタ201に表示させる(s208)。
【0080】
また、検出しなかった旨の情報を受信したら、図11のように用紙11が正常な向きに対して90度回転した向きにセットされていると認識してプリントに不適と判断し、90度回転した向きであることを警告するメッセージを表示させる(s207)。
【0081】
そして、それぞれの警告メッセージに続いて用紙の排出を促すメッセージを表示し、ユーザーからの用紙排出OKの入力を待つ(s213)。そして排出OKの入力があったら、プリンタ3に用紙の排出を指示して用紙の排出を行なわせる(s214)。
【0082】
一方、ステップs205で位置G1でタグを検出した場合には、プリンタ3は、用紙11が図9のような正常な向き、すなわちプリントに適した向きにセットされているものと判断する。そして、リーダーライター6によりタグの記録情報(用紙情報)を読み取り、パソコン1に送信する(s209)。
【0083】
パソコン1は受信した用紙情報に従って、プリントの各条件を用紙11に合わせて最適に設定する(s210)。そして設定したプリント条件をモニタ201上のプリント設定画面に表示し、ユーザーからのプリントOKの入力を待つ(s211)。ここでユーザーがキャンセルした場合にはステップs201に戻るが、OKを入力した場合にはプリンタ3にプリント実行を指示して用紙にプリントを行わせる(s212)。
【0084】
以上のような本実施例によれば、ユーザーからパソコン1にプリント指示がなされたときに、プリンタ3にセットされた用紙11のタグ12ないし13から用紙情報を読み取り、それに基づいてプリント条件の設定を用紙に合わせて最適に行なうことができる。それと共に、タグを検出した位置により、プリンタ3にセットされた用紙11の向きを認識してプリントに不適か否か判断することができる。そして不適の場合はユーザーに警告することにより、プリントに不適な用紙の向きでプリントを行なって失敗してしまうことを未然に防止することができる。
【0085】
また、タグ12,13は用紙11のプリント面に露出しないように設けられているので、プリントしたプリント面にタグが見えて印刷品位を落してしまうことがない。
【0086】
また、用紙11を情報読み取り位置、すなわちプリント開始位置まで送ってからタグ12ないし13の記録情報を読み取るので、トレイ4上にある他の用紙のタグと混信することなく、読み取り対象の用紙のタグの記録情報を確実に読み取ることができる。また、読み取り後にプリントを開始するために改めて用紙を送る必要がなく、そのための時間のロスをなくしてプリントの効率を向上することができる。
【0087】
また、図2で説明した用紙11におけるタグ12,13の配置により、用紙11を正常な向きで上下の向きをいずれにしてセットしても、用紙11を最小限の一定の送り量で情報読み取り位置に送って、支障なく確実にタグの記録情報を読み取ることができる。
【0088】
なお、本実施例では、プリンタにセットされた用紙11の上下の向きを区別して認識することはしないものとしたが、認識するようにしてもよい。タグ(A)12とタグ(B)13では、それぞれの記録情報の一部としてタグの位置情報が例えば「左上」と「右下」というように異なるので、この相違によりタグ(A)と(B)を識別できる。そして情報読み取り位置で記録情報を読み取ったタグが(A)か(B)かを識別することにより、プリンタにセットされた用紙11の上下の向きを区別して認識できる。すなわち、正常な向きにセットされた用紙11を情報読み取り位置に送って情報を読み取ったタグが(A)であれば、用紙11は図4の向きでセットされたと認識でき、(B)であれば図4と上下が逆向きにセットされたと認識できる。なお、タグ(A)12とタグ(B)13で、タグ位置情報以外の情報の一部を互いに異なるものとし、その相違によりタグ(A)と(B)を識別して、上下の向きを区別して認識できるようにしてもよい。
【0089】
また、タグ(A)12とタグ(B)13を互いに点対称とせず、図2中の距離L1とL2を異ならせることによっても、リーダーライター6によりタグを検出した位置によって、タグ(A)と(B)を区別して認識し、上下の向きを区別して認識できる。
【0090】
このようにして上下の向きを区別して認識するようにすれば、例えばはがきのような上下の向きの区別がある用紙が上下逆向きにセットされた場合にユーザーに警告して、上下逆向きにプリントしてしまうことを未然に防止できる。
【0091】
また、本実施例では、用紙11にプリントした画像のデータをその用紙11のタグに書き込むので、例えばプリントと別に画像データをいちいちCD−R等に書き込むことをしなくても画像データを人に渡せるようになった。特に写真を友人にプレゼントするようなときには便利である。なお、タグに書き込む情報は、前記の画像データに限らず、例えばプリントした画像の著作権に関する情報のデータなどの他のデータでもよい。著作権データを書き込むようにすれば、プリントした画像の管理を行うことも容易になる。なお、これらのデータを書き込むタグは後ろ側のタグに限らず、前側のタグでもよく、両方のタグに書き込むようにしてもよい。
【実施例2】
【0092】
次に、図12〜図24を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1の図1、図3〜図6で説明したパソコン1とプリンタ3の構成は実施例2でも共通ないし同様とする。
【0093】
図12及び図13は、実施例2でプリントに使用されるはがき用紙211の宛名書き面223と通信面224を示している。宛名書き面223には、郵便番号を記入する郵便番号部221と、切手の貼り付ける部位を示す切手貼り付け部222の枠が予め印刷されている。この印刷があるため、はがき用紙211のプリントで、いくら用紙の種類や印刷品位などが適正に設定されていても、はがき用紙をプリンタにセットする向きにより、宛名が上下逆向きに印刷されたり、通信面224に印刷されたりしたら元も子もない。本実施例は、このような印刷の失敗を未然に防止するものである。
【0094】
このため、はがき用紙211には、4つの無線タグ、即ちタグ(A)212、タグ(B)213、タグ(C)214、及びタグ(D)215が設けられている。このタグ212〜215は、長方形のはがき用紙211の4つの角部の近傍の位置のそれぞれに配置されている。そして、はがき用紙211の両面223,224に露出しないように、はがき用紙211の厚さ内に収まるように埋め込まれている。
【0095】
タグ212〜215には、用紙情報として、はがき用紙211という用紙の種類、はがき用紙211の大きさ、はがき用紙211の宛名書き面223と通信面224の印刷品位の情報が記録されている。さらに、はがき用紙211において各タグ212〜215が配置されている位置、及び適切な色の画像がプリントされるためのプロファイル等の情報が記録されている。各タグ212〜215に記録されるタグ位置情報には、例えばタグ212が左上、213が右下、214が右上、215が左下というように各タグで互いに異なる情報が含まれるものとする。これを利用して各タグを識別することができる。
【0096】
図12中で、L11ははがき用紙211の上端縁からタグ212,214(の中心)までの距離、L12は下端縁からタグ213,215までの距離、L13は左端縁からタグ212,215までの距離、L14は右端縁からタグ213,214までの距離である。これらの距離L11,L12,L13,L14は互いに同じ、ないしは許容できる誤差の範囲内でほぼ同じとする。こうすれば、はがき用紙211をプリンタにセットする向きの違いに関わらず、プリント開始直前のタグの記録情報の読み取りを支障なく行うことができる。すなわち実施例1で説明した情報読み取り位置まで用紙を送った状態では、用紙の先端(送り方向側の端)から送り方向と逆方向に一定距離の所でリーダーライター6によりタグの記録情報が読み取られることになる。ここで、距離L11,L12,L13,L14を前記の一定距離と同じ、ないしはほぼ同じとする。こうすれば、はがき用紙211の向きを図12の向き、これから一方向に90度、180度、270度回転した向きのそれぞれ、及びこれらと表裏を逆にした向きのいずれとしても、いずれか2個ずつのタグの記録情報を読み取ることができる。
【0097】
なお、矢印K1ははがき用紙211を図12の向き、或いはこれと上下が逆の向きにセットした時のはがき用紙211から見たプリンタでの紙送り方向である。プリンタから見た送り方向は勿論一方向である。現在のプリンタでは、大概ははがき用紙の上から下にプリントするので、はがき用紙を図12と上下が逆の向きにセットし、下方向に送ることになる。
【0098】
このようなはがき用紙211にプリントされる印刷データは、図14に示すように、パソコンのモニタ201の画面上で作成される。すなわち、ユーザーがパソコンのアプリケーションを動作させて、はがきの画像251をモニタ201に表示させ、あて先などを入力して、プリントすべきはがきの画像251を完成させる。そしてプリントするときは、図15に示すようにはがき用紙211をプリンタ3のトレイ4にセットした後、パソコン上ではがき画像251のプリントを指示する。
【0099】
この指示を受けてパソコンはプリンタに対して用紙情報を要求する。これに応じてプリンタは、図15に示すようにトレイ4にセットされたはがき用紙211を情報読み取り位置まで搬送した後、リーダーライター6をヘッド5と共に図中で左方向に移動させ、タグを検出したら、そのタグに記録された用紙情報を読み取らせる。そして読み取った用紙情報をパソコンに送信する。
【0100】
ここで、はがき用紙211が図15の向きでセットされている場合、まずタグ(A)212が検出されてその記録情報が読み取られ、その後、タグ(C)214が検出されてその記録情報が読み取られてそれぞれパソコンに送信されることになる。タグ212,214のそれぞれに記録された用紙情報には、それぞれがはがき用紙211のどの位置にあるかという位置情報が含まれている。従って、それぞれの用紙情報を受け取ったパソコンのプリンタドライバは、それぞれのタグがはがき用紙211のどの位置にあるタグか、すなわちタグ(A)〜(D)の何れであるかを認識できる。またプリンタドライバはプリンタ3において図3中で左右方向に移動するヘッド5の位置をわかっているため、タグを検出して用紙情報を読み取った位置もわかる。そして、これらのことからはがき用紙211がプリンタ3にセットされた向きを認識することができる。例えば、まず図15中ではがき用紙211の右下の位置でタグを検出し、その記録情報を読み取ったタグが(A)であり、その後、左下の位置でタグを検出し、その記録情報を読み取ったタグが(C)であれば、図15の向きにセットされていると認識できる。
【0101】
また、2つのタグが検出されて、それぞれの記録情報が読み取られたら、その2つのタグがはがき用紙211から脱落しておらず、用紙211の少なくともその2つのタグを配置した部分では破れなどの異常が無いと認識することができる。また、これと逆に、タグを1つしか検出できなかった場合、あるいは2つとも検出できなかった場合は、少なくとも1つ、あるいは2つのタグ部分で破れなどの異常があると認識することができる。
【0102】
なお、タグ(A)〜(D)の位置情報に限らず、各タグ(A)〜(D)の記録情報の一部を互いに異なるものとしておけば、その一部の情報の違いにより各タグ(A)〜(D)を識別でき、それに基づいてはがき用紙211のセットの向きを認識できる。
【0103】
プリンタドライバは、このような認識の結果に基づいて、例えばプリンタ3にセットされたはがき用紙211の向きがプリントに適した向きと判断すれば、その向きに合わせた画像の向きでのプリント条件を設定する。そして、ユーザーにそのプリント条件でのプリント指示を仰ぎ、OKならそのプリント条件でのプリントをプリンタ3に行わせる。図21は、そのプリントの結果の一例を示しており、はがき用紙211の宛名書き面223に宛先261などをプリントした結果を示している。また、表裏(プリント面と非プリント面)が逆などプリントに不適な向きと判断した場合、あるいははがき用紙211の破れによるタグの脱落などの異常があると判断した場合は、モニタ201でユーザーに警告し、はがき用紙の排出を促す。
【0104】
このような動作の詳細を図16〜図20のフローチャートにより以下に説明する。これらのフローチャートははがき用紙211の宛名書き面223に対するプリント動作の流れを示している。
【0105】
その動作では、先ず図16のステップs251で図14のようにモニタ201上でプリントする画像を開いた状態からユーザーがプリント指示を行う(s252)。この指示は、動作しているアプリケーションのメニューの中から印刷コマンドを指定して実行させたり、プリントボタンをオンしたりしてなされる。
【0106】
これに応じてパソコン1はプリンタ3に用紙情報を要求し、その要求を受けてプリンタ3はトレイ4上にセットされたはがき用紙211を図15に示した情報読み取り位置まで送る(s253)。なお、はがき用紙211の送り方向側の端を検出する不図示のセンサの出力に応じて紙送り動作を制御してはがき用紙211を情報読み取り位置(プリント開始位置)に停止させる。そしてはがき用紙211のタグを検出するために、ヘッド5と共にリーダーライター6を図15中で左方向に移動させて駆動し、タグを検出したら、そのタグに記録された用紙情報を読み取ってパソコン1に送信する(s254)。タグを前後して2つ検出したらそれぞれの用紙情報を前後して送信する。
【0107】
パソコン1は、用紙情報を受信した場合、それに含まれるタグ位置情報から、先ずタグ(A)を検出したか(s255)、タグ(B)を検出したか(s256)、タグ(C)を検出したか(s257)、或いはタグ(D)を検出したか(s258)判断する。
【0108】
そしてタグ(A)を検出した場合には図17のステップs301に進み、s301〜s311の処理を行う。その場合、先ずタグ(A)の次にタグ(C)を検出したか判断し(s301)、タグ(C)を検出したら、はがき用紙211が図22の向きでセットされたと認識する(s302)。すなわち、ここでプリントすべき宛名書き面223を表面(プリント面)とした表向きで、郵便番号部221側を下側(先端側)とした上下が逆の倒立した向きでセットされたと認識する。宛名書き面223がプリント面となっているので、プリントに適した向き(プリントしてよい向き)と判断する。つまり、プリントする画像の向きを倒立した向きとすれば支障なくプリントできる。
【0109】
そしてパソコン1のプリンタドライバーは、認識したセットの向きと先にプリンタ3から受信したタグの用紙情報に従って、プリント条件を設定し、プリンタに送る画像の設定を決定する(s303)。この場合、例えば用紙の大きさと種類は「はがき」、印刷品位は「はがき用で宛名書き面の品位」となる。また、印刷方向は、認識したセットの向きに対応した方向で、はがきの「上部から下部へ(郵便番号部221側から反対側へ)向かう方向」となる。すなわち、プリントする画像の向きは、認識したセットの向きに対応した倒立した向きとなる。
【0110】
プリント条件の設定が終了したら、この設定でプリントするか(プリントOKか)どうかをモニタ201上でユーザーに選択させるようにする(s304)。そして「NO」が選択されたらプリンタ3にプリントさせずにはがき用紙211を排出させる(s305)。また「OK」が選択されたら上記の設定したプリント条件で宛名などのプリントを実行させる(s306)。図22は、そのプリントを行っている途中の様子を示している。プリントは、プリントする画像の向きを倒立した向きとして、はがきの上部の郵便番号部221側から始まり下側にと進む。251ははがき用紙211を半分プリントした時のヘッド5の位置である。
【0111】
一方、ステップs301でタグ(C)を検出しなかったら、タグ(D)を検出したか判断する(s307)。ここでタグ(D)を検出した場合には、はがき用紙211が図21の向きに対して表裏を逆にし、さらに時計回りに90度回転した向きでセットされていることになる。つまり、プリントすべき宛名書き面223ではなく90度回転した通信面224にプリントするセッティング状態となっている状況である。パソコン1は、このセッティング状況を認識して、プリントに不適と判断し、通信面224がプリント面となっており、さらに90度回転していることをモニタ201の表示でユーザーに警告し、用紙の排出を促す(s308)。そしてユーザーが用紙排出の促しに対して「YES」を選択するのを待ち(s309)、選択したら、プリンタ3にはがき用紙211を排出させる(s310)。
【0112】
一方、ステップs307でタグ(D)を検出しなかった場合は、タグを(A)の1個しか検出しなかったことになる。この場合にははがき211が部分的に破れていてタグ(C)ないし(D)が脱落しているような異常のケースが考えられる。よって、この場合、異常があり、プリントに不適と判断してモニタ201でユーザーに警告し(s311)、その後、用紙排出に関わるステップs309、s310の処理を行う。
【0113】
また、図16のステップs256で先ずタグ(B)を検出した場合には、図18のステップs321に進み、s321〜s333の処理を行う。
【0114】
その場合、先ずタグ(B)の次にタグ(C)を検出したか判断する(s321)。ここでタグ(C)を検出した場合は、はがき用紙211が図21の向きに対して時計回りに90度回転しており、さらに裏返っている場合である。すなわち宛名書き面223ではなく通信面224がプリント面になっている場合である。従って、この場合は、プリントに不適と判断し、はがき用紙211が90度回転しており、プリント面が通信面224になっている旨の警告をモニタ201に表示し、ユーザーに用紙の排出を促す(s322)。そしてユーザーが用紙排出の促しに対して「YES」を選択するのを待ち(s323)、「YES」を選択したら、プリンタ3にはがき用紙211を排出させる(s324)。
【0115】
一方、ステップs321でタグ(C)を検出しなかった場合には、タグ(D)を検出したか判断する(s330)。そしてタグ(D)を検出した場合は、はがき用紙211が図23の向きでプリンタ3にセットされたと認識する(s325)。すなわち、宛名書き面223をプリント面とした表向きで、郵便番号部221側を上側として正立した向きでセットされたと認識し、プリントに適した向きと判断する。つまりプリントする画像の向きを正立した向きとすれば支障なくプリントできる。
【0116】
そしてパソコン1のプリンタドライバーは、認識したセットの向きと先にプリンタ3から受信したタグの用紙情報に従って、プリント条件を設定し(s326)、設定した条件でプリントを行うか否かをモニタ201上でユーザーに選択させる(s327)。そしてユーザーが「NO」を選択した場合にはプリンタ3にプリントを実行させずにはがき用紙211を排出させる(s328)。また「OK」を選択した場合にはプリンタ3に設定したプリント条件で宛名などのプリントを実行させる(s329)。この場合のプリントでは、図23に矢印K2で送り方向を示すように、はがき用紙211の下側(郵便番号部221と反対側)からプリンタに入っていく。このため、先のステップs326での設定で、プリントする画像の向きは認識したセットの向きに対応した正立した向きとして、はがき用紙211の下側からプリントされるように、印刷方向は下側から上側に向かう方向に設定される。
【0117】
一方、ステップs330でタグ(D)を検出しなかった場合は、タグを(B)の1個しか検出しなかった場合である。この場合、はがき用紙211の破れによりタグ(C)ないし(D)が脱落しているなどの異常があり、プリントに不適と判断できる。このため、モニタ201によりユーザーに異常がある旨の警告を表示し、用紙の排出を促す(s331)。そして用紙排出の促しに対してユーザーが「YES」を選択するのを待ち(s332)、「YES」を選択したらプリンタ3にはがき用紙211を排出させる(s333)。
【0118】
また、図16のステップs257で先ずタグ(C)を検出した場合には図19のステップs341に進み、s341〜s353の処理を行う。その場合、まずタグ(C)の次にタグ(A)を検出したか判断する(s341)。ここでタグ(A)を検出した場合は、はがき用紙211は、図22の向きに対して表裏が逆の向き、すなわちプリントすべき宛名書き面223ではなく、通信面224がプリント面となる向きで上の端面(郵便番号部221側)からプリンタ3にセットされた場合である。よって、この場合は、プリントに不適と判断し、通信面224がプリント面になっている旨の警告をモニタ201に表示し、ユーザーに用紙の排出を促す(s342)。そして用紙排出の促しに対してユーザーが「YES」を選択するのを待ち(s343)、選択したらプリンタ3にはがき用紙211を排出させる(s344)。
【0119】
一方、ステップs341でタグ(A)を検出しなかった場合には、タグ(B)を検出したか判断する(s345)。そしてタグ(B)を検出した場合は、タグ(C)の次にタグ(B)を検出したので、はがき用紙211が図24に示す向きでプリンタ3にセットされていると認識する(s346)。すなわち、宛名書き面223をプリント面とした表向きで、郵便番号部221が右側となるように正立の向きから時計回りに90度回転した右横向きでセットされていると認識し、プリントに適した向きでセットされていると判断する。つまり、プリントする画像の向きを右横向きとすれば支障なくプリントできる。
【0120】
そして認識したはがき用紙211のセットの向きと先にプリンタから受信したタグの用紙情報からプリント条件を設定し(s347)、その条件でのプリントを行なうか否かをモニタ201上でユーザーに選択させる(s348)。ユーザーが「YES」を選択したら設定したプリント条件での宛名などのプリントをプリンタ3に実行させる(s349)。図24は、そのプリントの途中の状態を示している。ここに示すように、はがき用紙211の宛名書き面223にプリントされる画像の向きが右横向きとされ、郵便番号部221側から切手貼り付け部222側に向かってプリントされるように、先のステップs347でプリント条件が設定される。
【0121】
また、ステップs348でユーザーが「NO」を選択したら、プリンタ3にプリントさせずにはがき用紙211を排出させる(s350)。
【0122】
一方、ステップs345でタグ(B)を検出しなかった場合は、タグを(C)の1個しか検出しなかった場合である。この場合、はがき用紙211の破れによりタグ(A)ないし(B)が脱落しているなどの異常があり、プリントに不適と判断できる。このため、モニタ201によりユーザーに異常がある旨の警告を表示し、用紙の排出を促す(s351)。そして用紙排出の促しに対してユーザーが「YES」を選択するのを待ち(s352)、「YES」を選択したらプリンタ3にはがき用紙211を排出させる(s353)。
【0123】
また、図16のステップs258で先ずタグ(D)を検出した場合には、図20のステップs361に進み、s361〜s371の処理を行う。その場合、まずタグ(A)を検出したかどうか判断する(s361)。そして検出したら、タグ(D)の次にタグ(A)を検出したので、はがき用紙211が図24の向きから180度回転した向きでプリンタ3にセットされていると認識する(s362)。すなわち、宛名書き面223をプリント面とした表向きで、郵便番号部221が左側となる左横向きにセットされていると認識し、プリントに適した向きと判断する。つまり、プリントする画像の向きを左横向きにすれば支障なくプリントできる。
【0124】
そして、認識したはがき用紙211のセットの向きと先にプリンタから受信したタグの用紙情報に基づいてプリント条件を設定し(s363)、その条件でのプリントを行なうか否かをモニタ201上でユーザーに選択させる(s364)。ユーザーが「YES」を選択したら、設定したプリント条件での宛名などのプリントをプリンタ3に実行させる(s365)。このとき、プリントする画像の向きが左横向きにされ、切手貼り付け部222側から郵便番号部221側に向かってプリントされるように先のステップs363でプリント条件が設定される。
【0125】
また、ユーザーが「NO」を選択した場合には、プリンタ3にプリントさせずにはがき用紙211を排出させる(s366)。
【0126】
一方、ステップs361でタグ(A)を検出しなかったら、タグ(B)を検出したか判断する。ここで、タグ(B)を検出した場合は、タグ(D)の次にタグ(B)を検出したので、はがき用紙211が図13の向きでセットされていると認識できる。すなわち、通信面224がプリント面となる裏向きでプリントに不適と判断できる。したがって、この場合は、表裏が逆向きである(プリント面が通信面224である旨をモニタ201に表示してユーザーに警告し、用紙の排出を促す(s368)。そしてユーザーがモニタ201上で用紙排出に対して「YES」を選択するのを待ち(s370)、選択したらプリンタ3にプリントさせずにはがき用紙211を排出させる(s371)。
【0127】
また、ステップs369でタグ(B)を検出しなかった場合は、タグを(D)の1個しか検出しなかったことになるため、はがき用紙の破れなどの異常と判断し、その旨をモニタ201に表示してユーザーに警告し、用紙の排出を促す(s369)。そして上記ステップs370、s371の処理を行ってはがき用紙211を排出させる。
【0128】
以上のような本実施例によれば以下のような利点がある。先ず、はがき用紙211をプリンタ3にセットする向きを、宛名書き面223を表とする向き、又は通信面224を表とする向きで、正立した向き、倒立した向き、右横向き、或いは左横向きの何れとしても、タグの記録情報の読み取りを支障なく確実に行える。
【0129】
そして情報を読み取ったタグが(A)〜(D)の何れであるかを識別し、その結果に基づいてプリンタ3にセットされたはがき用紙211の向きを認識できる。そして、表裏の向きが逆向きになっている場合、例えば宛名を印刷するときに通信面224がプリント面となっている場合などには、ユーザーに警告してはがき用紙211を排出させることにより、プリントの失敗を未然に防止できる。
【0130】
また表裏の向きが逆向きでなければ、プリントする画像の向きが認識した向き(正立した向き、倒立した向き、右横向き、或いは左横向きの何れか)に対応した向きになるようにプリント条件を設定するので、セットの向きに関わらずプリントを支障なく行える。すなわち、この点でもプリントの失敗を未然に防止できる。
【0131】
さらに、はがき用紙211の破れなどの異常も認識し、ユーザーに警告してはがき用紙211を排出させるので、無駄なプリントを行なわずに済ませることができる。その他、実施例1と同様の利点がある。
【実施例3】
【0132】
図25及び図26は本発明の実施例3を説明するものであり、実施例3のプリンタ503のトレイ504上にプリント用紙511をセットし、情報読み取り位置まで送って、タグに記録された用紙情報をリーダーライター501により読み取る様子を示している。なお、図26は、多数の用紙511を重ねた束511aをトレイ504上にセットし、束511aから1枚の用紙511を情報読み取り位置に送った状態を示している。
【0133】
用紙511は、実施例2のはがき用紙211と同様に、長方形であって、4つの無線タグ(A)212、(B)213、(C)214、(D)215が4つの角部の近傍の位置のそれぞれに設けられている。また、本実施例では、リーダーライター501は図示した位置に固定されている。プリンタ503のトレイ504の右側には突き当て部材521が固定されており、左側にはスライドバー522が左右方向にスライド可能に設けられている。
【0134】
プリンタ503に用紙511をセットするときには、用紙511をトレイ504に載せ、突き当て部材521に突き当て、用紙511ががたつかないように、スライドバー522で用紙511を押さえる。これにより、用紙511の大きさが異なっても、セットの向きが90度異なっても、常に用紙511の右辺の図25中で横方向の位置が突き当て部材521の突き当て面の位置に位置決めされる。そして、用紙511を情報読み取り位置まで送った状態では、用紙の送り方向側の端部で図25中で右側の角部近傍のタグ(図25の場合はタグ(A))の位置は常に同じ図示の位置になる。従って、リーダーライター501をそのタグに対向する図示した位置に固定しておけば、用紙511の大きさとセットの向きに関わらず、タグの記録情報を読み取ることができる。
【0135】
このように、本実施例では、リーダーライター501の位置を固定した構成で、用紙511の大きさとセットの向きに関わらず、タグからの用紙情報の読み取りを支障なく確実に行い、用紙情報を利用してプリント条件の設定などを行うことができる。
【0136】
ただし、本実施例では、用紙511を情報読み取り位置まで送った状態で、1つのタグの情報しか読み取れず、1つのタグしか識別できない。このため、用紙511のセットの向きで表裏の向きが特定されていないと、表裏以外の向き(正立の向き、倒立の向き、左横向き、右横向き)も特定できない。例えば、図25のセットの向きでは、タグ(A)が右下に位置してリーダーライター501に情報を読み取られるようになっている。このセットの向きから用紙511を裏返して反時計回りに90度回転させた向きにしても、タグ(A)が右下に位置することになり、この向きと元の向きを区別することができない。したがって、本実施例では用紙511をセットするときに表裏の向きを間違えないようにする必要がある。
【0137】
以上で説明した実施例1〜3では用紙を長方形とし、これに設けるタグを2ないし4個としたが、用紙の形状とタグの数はこれに限るものではない。要するに、用紙の形状に関わらず、用紙がプリンタに対して複数の向きにセット可能であるものとして、それぞれのセットの向きにおいて用紙の送り方向側の端部となる複数の端部のそれぞれにタグを設けるようにすればよい。また、無線タグの代りに磁気テープなどの磁気記録媒体やバーコードなどの他の情報記録体を用紙に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】実施例1のプリンタとパソコンからなるプリントシステムを示した説明図である。
【図2】実施例1で用いるプリント用紙の無線タグの配置などを示す説明図である。
【図3】無線タグに記録された用紙情報を説明する説明図である。
【図4】実施例1のプリンタにプリント用紙をセットして無線タグの情報を読み取る位置まで送った状態を示すプリンタの正面図である。
【図5】図4と同じ状態を側方から見たプリンタの側面図である。
【図6】実施例1のプリンタとパソコンの機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】実施例1でのプリント処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】実施例1でプリント指示に応じた用紙の無線タグ検出と、その検出結果に応じた動作の手順を示すフローチャート図である。
【図9】実施例1で用紙が正常な向きでプリンタにセットされた場合の無線タグの検出位置を示す説明図である。
【図10】用紙が正常な向きと表裏逆向きでセットされた場合の無線タグの検出位置を示す説明図である。
【図11】用紙が正常な向きから90度回転した向きでセットされた場合に無線タグを検出できない様子を示す説明図である。
【図12】実施例2で用いるはがき用紙の宛名書き面と無線タグの配置を示す説明図である。
【図13】同はがき用紙の通信面を示す説明図である。
【図14】はがき用紙の宛名書き面にプリントする画像をモニタに表示した様子を示す説明図である。
【図15】実施例2のプリンタにはがき用紙をセットして無線タグの情報を読み取る位置まで送った状態を示す正面図である。
【図16】実施例2のはがき用紙の宛名書き面に対するプリント動作の流れを示すフローチャート図である。
【図17】同プリント動作の流れを示すフローチャート図である。
【図18】同プリント動作の流れを示すフローチャート図である。
【図19】同プリント動作の流れを示すフローチャート図である。
【図20】同プリント動作の流れを示すフローチャート図である。
【図21】実施例2ではがき用紙の宛名書き面に宛先などをプリントした結果を示す説明図である。
【図22】実施例2ではがき用紙がプリンタに倒立した向きでセットされた場合のプリント途中の様子を示す説明図である。
【図23】はがき用紙が正立した向きでセットされた場合のプリント途中の様子を示す説明図である。
【図24】はがき用紙が右横向きにセットされた場合のプリント途中の様子を示す説明図である。
【図25】実施例3のプリンタに用紙をセットして無線タグの情報を読み取る位置まで送った状態を示すプリンタの正面図である。
【図26】図25と同じ状態を側方から見たプリンタの側面図である。
【符号の説明】
【0139】
5 インクジェットヘッド
6 リーダーライター
11 プリント用紙
12,13 無線タグ(A),(B)
110 用紙情報処理部
111 用紙判定用テーブル














【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三

【識別番号】100096965
【弁理士】
【氏名又は名称】内尾 裕一


【公開番号】 特開2008−937(P2008−937A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170847(P2006−170847)