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【発明の名称】 印刷用メタルマスク
【発明者】 【氏名】齋藤友治

【要約】 【課題】凹部を有する基板上にペーストを印刷する際、凹部の深さが深くても段差への追従が良好になり、その結果段差近隣の開口部の印刷性に優れ、はんだ量不足やはんだにじみ等が発生しないメタルマスクを提供する。

【構成】マスク意匠部104(印刷用開口部群)の周辺にザグリ部105を設けることにより、その部分に可撓性を持たせ、マスク意匠部104をプリント配線板凹部に追従させる。さらにザグリ部105内に段差を設けることにより、マスクの版離れ性を改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の凹凸部にペーストを印刷する際に用いられるメタルマスクであって、メタルマスクの印刷面側のメタルマスク意匠部(印刷用開口部群)の周辺にザグリ部を設けることを特徴とするメタルマスク。
【請求項2】
ザグリ部内に段差を設けてなる、請求項1記載のメタルマスク。



【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はパッケージ用プリント配線基板やモジュール基板等(以下これらを基板と略記)上にソルダペースト、導電性ペーストや接着剤ペースト(以下これらペーストと略記)を印刷する時に用いられるメタルマスク、特に基板の凹部にソルダペーストを印刷する際に用いられるメタルマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来これらの用途に用いられるメタルマスク等の印刷版(以下マスクと略記)は、金属または樹脂または金属と樹脂を積層したもので構成されていた。この従来のマスクは、材質硬度や金属と樹脂の構成比率を変え基板上の凹部に密着させ印刷をしていたが、凹部の深さが深いほど段差への追従が困難となり段差近隣の印刷性が悪く、はんだ量不足やはんだにじみの問題が生じる。
【0003】
前記した従来のマスクの問題を改良するために、あらかじめ基板に実装された部品の逃げ部を設けたマスクが提案されている。しかし、各基板ごとの凹凸に追従する逃げ部を設ける必要があったため、部品実装前の基板へ印刷することが困難であり、同じマスクを使いまわすことができない問題があった。
【特許文献1】特許3120130号公報
【0004】
さらに、部品埋設基板等において、埋設のための凹部を形成する際に基板の歪み等の影響により、凹部の形状が設計値とずれてしまった場合、マスクの開口部が基板に追従しきれないという問題があった。
【0005】
一方、マスクの面内の剛性を均一にして、印刷時にマスクにかかる力を分散させ、印刷不良を防止するために、意匠部(開口部群)の周辺にダミーの開口を設ける技術が開示されている。しかし、印刷時にダミーの開口にペーストが充填されてしまうという問題があった。
【特許文献2】特開2000-108539公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のマスクは上記の問題点を解決すべく、基板上に凹部がある場合、凹部にマスクを密着追従させることにより、はんだ量不足やはんだにじみなく、ソルダペーストがスキージング時にスキージ面側にも残らないように印刷できることを目的とする。又、凹部の無い基板にも容易にマスクを密着追従させることができ、はんだ量不足やはんだにじみがない印刷ができることを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板上の凹凸部にペーストを印刷する際に用いられるメタルマスクであって、メタルマスクの印刷面側のメタルマスク意匠部(印刷用開口部群)の周辺にザグリ部を設けることを特徴とするメタルマスク、及び
ザグリ部内に段差を設けてなる前記記載のメタルマスク、
で構成される。

【発明の効果】
【0008】
マスクの意匠部周辺にザグリ部を設けることにより、ソルダペースト印刷時に基板の凹部にマスクが密着し、印刷形状を良好にする利点がある。さらに、部品埋設用の基板等において、埋設用の凹部を形成する際、基板の歪み等の影響により、凹部の形状が設計値とずれてしまった場合でも、マスクの開口部が基板に追従できるため、良好な印刷形状が得られる。
さらに、通常のマスクと同じく凹部のない形状の基板にも印刷することができる。
また、ザグリ部内に段差を設けた構造にすることにより、プリント配線板への追従性を向上させることができ、かつ、マスクの耐久性を向上させることができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ザグリ部の形状は、連続した帯状や、断続的に設けた形状、丸型の形状を帯状に連続した形状等が挙げられる。これらの形状のザグリ部は、意匠部(印刷用開口部群)を取り囲むよう一重に、又は多重に設けることもできる。ザグリ部は印刷時の耐久性を考慮すると、断続的に形成されていることが望ましい。また、ザグリ部は複数の形状を組み合わせた形状にしてもよい。また、ザグリ部の幅はザグリ部におけるマスクの厚みの100〜200倍であることがより望ましい。すなわち、ザグリ部におけるマスクの厚みが20μmであった場合は、好ましいザグリ部の幅は2〜4mmとなる。ザグリ部の深さに特に制限はないが、ザグリ部におけるマスクの厚みは、マスクの材質によって異なるものの、耐久性の問題から20μm以上であることが好ましい。
【0010】
ザグリ内に設ける段差の高さ、段差の設け方等は、マスクの印刷面以内であれば特に制限はないが、段差部同士が接触することによる可撓性の調整を考慮すると被印刷基板の凹部深さに応じて調整することが望ましい。

【0011】
ザグリ部の形成方法は意匠部を開口した後のマスクにレーザー加工、エッチング等によりザグリ部を加工する方法、フォトリソグラフによるアディティブ法を繰り返すことにより意匠部とザグリ部を同時に形成する方法等があるが、ザグリ部の深さ方向の精度を考慮するとエッチングにより設けられていることが望ましい。
【0012】
ザグリ部を印刷時に基板端部が接触する位置よりも外側まで設けることにより、版離れ時にザグリ部が減圧状態になることによる版離れ不良が防止できる。
【0013】
本発明においては、ザグリ部は平坦なマスクに設けても良いし、従来の基板凹部に対応した形状の凸部を形成したマスクに設けてもよい。この際、マスクの凸部の高さの程度は、基板凹部の深さより少し小さくするほうが好ましい。
【0014】
本発明のマスクは凹凸のある基板だけでなく、搬送パレット等に載置した基板にも使用でき、ザグリ部の位置を変えることにより基板自体によって生じた凹凸にも密着させることができる。
【0015】
本発明のマスクにおいては、ザグリ部に樹脂を充填することにより、マスクのプリント面側のクリーニング性向上や、マスクの印刷耐久性を向上することができ、印刷時にプリント配線板との密着性も向上することができる。
【0016】
ザグリ部内に充填する樹脂はシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等があるが、印刷時の撓み力により割れ難く、マスク洗浄時に剥離しないだけの耐久性があるものが望ましい。

【実施例1】
【0017】
図1は本発明の1実施例であり、101はマスク、104はザグリ部に囲まれたメタルマスク意匠部、105はザグリ部、109は開口部を表す。図2から図5は図1のマスクを用いた印刷模式図である。前記マスクを使ってソルダペースト107を凹部のある基板102に印刷するには、凹部のある基板102の凹部の上に、ザグリ部105が来るように配置したマスクを準備し、凹部のある基板102とマスク101を密着させる。そこでソルダペースト107をスキージ106を使ってローリングさせながら印刷を開始させる。
(図2)
【0018】
ソルダペースト107はローリングしながらザグリ部105に達すると、凹部102のある基板の基板電極パッド103にザグリ部に囲まれたマスク意匠部104が密着しだし、開口部109にソルダペースト107が充填されていく。(図3)
【0019】
ソルダペースト107が開口部109に充填され、スキージ106がザグリ部に囲まれたマスク意匠部104から離れると一段階目の版離れが発生し、充填されたソルダペースト108が一部ザグリ部に囲まれたマスク意匠部104から版離れする。(図4)
【0020】
印刷が終了し、マスク101を凹部102のある基板から版離れさせると開口部109に充填されたソルダペースト108は基板電極パッド103にタック力で引っ付いたままであるためきれいに充填されたソルダペースト108が印刷される。(図5)

【実施例2】
【0021】
図6から図9は、ザグリ部105の形状に工夫を持たせ、ザグリ部105の耐久性向上と開口部109の位置精度を向上させたものである。
【0022】
図6および図8は、ザグリ部105を断続的に設け、ザグリ部内に囲まれたマスク意匠部104内の109開口部に対し、位置精度向上が見られる。ザグリ部筋交い110が多いほど可撓性は劣ってくるが、ザグリ部の耐久性と開口部109の位置精度向上が得られる。
【0023】
図7は、ザグリ部105を丸状に形成し複数設けたものであり、残った部分が筋交い110の役目を果たしザグリ部の耐久性と開口部109の位置精度向上が得られる。
【0024】
図9は、開口部を回り込む形でザグリ部105と筋交い110を交互に形成させ、段階的にザグリ部に囲まれたマスク意匠部104を作り込んだものであり、図5から図7同様にザグリ部の耐久性と開口部109の位置精度向上が得られる。

【実施例3】
【0025】
図10はザグリ部を印刷時に基板端部が接触する位置の外側まで連続して設けることにより、版離れ性を改善した本発明の一実施例である。
実施例1と同様に凹部の形成された基板へソルダペーストを印刷した結果、良好な印刷形状が得られた。

【実施例4】
【0026】
図11はザグリ部を3重に設けた本発明の1実施例であり、図12はザグリ部の中に段差を設けた本発明の1実施例である。ザグリ部内の段差は複数のめっきを積層して形成してもよいし、エッチングやレーザー加工によって形成してもよい。

【実施例5】
【0027】
図13は本発明の1実施例であり、基板の形状に対応した凸部を設けたマスクにザグリ部を設けたものである。


【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は凹部のある基板に対しても位置精度よく印刷することが可能であり、かつ凹部の深さが異なる基板に対しても印刷可能なマスクである。

【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のメタルマスクの1実施例
【図2】図1のメタルマスクを用いた印刷模式図(1)
【図3】図1のメタルマスクを用いた印刷模式図(2)
【図4】図1のメタルマスクを用いた印刷模式図(3)
【図5】図1のメタルマスクを用いた印刷模式図(4)
【図6】本発明のメタルマスクの1実施例(2)
【図7】本発明のメタルマスクの1実施例
【図8】本発明のメタルマスクの1実施例
【図9】本発明のメタルマスクの1実施例
【図10】本発明のメタルマスクの1実施例
【図11】本発明のメタルマスクの1実施例のザグリ部断面図
【図12】本発明のメタルマスクの1実施例のザグリ部断面図
【図13】本発明のメタルマスクの1実施例
【符号の説明】
【0030】
101:メタルマスク
102:凹部のある基板
103:基板電極パッド
104:ザグリ部に囲まれたメタルマスク意匠部
105:ザグリ部
106:スキージ
107:ソルダペースト
108:充填されたソルダペースト
109:開口部
110:ザグリ部筋交い
111:印刷時に基板端部が接触する位置












【出願人】 【識別番号】592173412
【氏名又は名称】株式会社プロセス・ラボ・ミクロン
【出願日】 平成19年7月19日(2007.7.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−44366(P2008−44366A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−188789(P2007−188789)