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【発明の名称】 スクリーン印刷版
【発明者】 【氏名】荒海 麻由佳

【氏名】村上 明繁

【要約】 【課題】本発明は、微小な貫通孔を安定に形成することが可能なスクリーン印刷版、該スクリーン印刷版を用いて形成されている貫通孔を有する厚膜並びに該貫通孔を有する厚膜を有する多層配線構造及び画像表示装置を提供することを目的とする。

【構成】スクリーン印刷版は、印刷液を吐出する吐出領域と、印刷液を吐出しない非吐出領域(貫通孔パターン2)を有し、スキージ3を摺動させることにより吐出領域から印刷液を吐出して印刷し、非吐出領域は、スキージ3を摺動させる際にスキージ3と最初に接触する点を頂点とする多角形であり、非吐出領域のスキージ3の長さ方向の幅は、スキージ3と最初に接触する点から幅の最大値になるまで増大する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷液を吐出する吐出領域と、印刷液を吐出しない非吐出領域を有し、スキージを摺動させることにより該吐出領域から該印刷液を吐出して印刷するスクリーン印刷版において、
該非吐出領域は、該スキージを摺動させる際に該スキージと最初に接触する点を頂点とする多角形であり、
該非吐出領域の該スキージの長さ方向の幅は、該スキージと最初に接触する点から該幅の最大値になるまで増大することを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項2】
前記非吐出領域は、該スキージを摺動させる方向の軸に対して線対称であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷版。
【請求項3】
前記非吐出領域は、前記スキージと最初に接触する点を含む角を除く一つ以上の角が曲線に置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン印刷版。
【請求項4】
前記非吐出領域の径は、50μm以上300μm未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷版。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスクリーン印刷版を用いて印刷することにより形成されていることを特徴とする貫通孔を有する厚膜。
【請求項6】
絶縁性材料からなることを特徴とする請求項5に記載の貫通孔を有する厚膜。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の貫通孔を有する厚膜を少なくとも有することを特徴とする多層配線構造。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の貫通孔を有する厚膜を少なくとも有することを特徴とする画像表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷版、貫通孔を有する厚膜、多層配線構造及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板あるいは半導体ウエハに、トラジスタやダイオードが形成されている半導体装置では、その集積度を高めるために多層配線構造が用いられている。このような多層配線構造では、配線を電気的に接続するためのビアホールを有する層間絶縁膜が用いられている。
【0003】
近年、層間絶縁膜の材料としては、シリコン酸化膜よりも比誘電率の小さい有機絶縁膜が広く用いられている。しかしながら、有機絶縁膜に貫通孔を形成する際にフォトリソグラフィー技術が用いられているため、製造方法の工程数が多く、コスト的に不利であるという問題がある。
【0004】
一方、スクリーン印刷法は、インクを吐出しない非吐出領域に乳剤を形成したメッシュ(スクリーン印刷版)にインクを載せて、スキージを摺動させることによってインクを吐出して印刷する方法であり、工程数を低減することができ、材料の使用効率が高いという利点がある。このように、スクリーン印刷法は、平易な手法でファインパターンを形成することが可能であるため、最近では、トランジスタ等の配線工程にも用いられている。しかしながら、微小な貫通孔を形成する場合には適さないという問題がある。これは、第一に、スクリーン印刷法が動的なプロセスであるために、印刷時にスクリーン印刷版の非吐出領域の下に回り込んだインクが、基板に印刷されるためである。第二に、印刷された直後の流動性を有するインクの表面が重力によって平坦になると同時に微量のにじみが発生(レベリング)するためである。従って、微小な貫通孔を形成する場合には、印刷時に非吐出領域の下に回り込んだインクと、印刷後に四方からレベリングしたインクが貫通孔を埋める可能性が大きい。このため、従来の手法では、100μm四方の貫通孔を形成する印刷が限界とされている。さらに、スクリーン印刷法は、クリアランス(スクリーン版と基板の距離)、スキージの角度、圧力、速度等の複数のパラメーターの影響を受けるため、微小な貫通孔を安定に形成することが困難であり、大面積の印刷において、実績がある貫通孔は、300μm四方程度である。
【0005】
このようなスクリーン印刷法は、ビアホールの埋め込みに用いられることが多いが、特許文献1では、その外形を規定する輪郭内に島状抜き部を形成しているパターンをもって導電性ペーストからなるペースト膜を印刷するために用いられている。具体的には、ペースト膜のネガティブパターンとして、ペースト膜の輪郭の外側領域に相当する外側相当部分、島状抜き部に相当する島状相当部分、島状相当部分の径より細い幅をもって複数の島状相当部分を互いに連結するように設けられる補強連結部を有し、導電性ペーストの通過を禁止するエマルジョン領域が形成されているスクリーン印刷版が用いられている。これにより、印刷にじみの発生を抑制することができるが、補強連結部が非吐出領域となるため、島状抜き部を除いた全面にスクリーン印刷することができない。
【特許文献1】特許第3582480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、微小な貫通孔を安定に形成することが可能なスクリーン印刷版、該スクリーン印刷版を用いて形成されている貫通孔を有する厚膜並びに該貫通孔を有する厚膜を有する多層配線構造及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、印刷液を吐出する吐出領域と、印刷液を吐出しない非吐出領域を有し、スキージを摺動させることにより該吐出領域から該印刷液を吐出して印刷するスクリーン印刷版において、該非吐出領域は、該スキージを摺動させる際に該スキージと最初に接触する点を頂点とする多角形であり、該非吐出領域の該スキージの長さ方向の幅は、該スキージと最初に接触する点から該幅の最大値になるまで増大することを特徴とする。これにより、微小な貫通孔を安定に形成することが可能なスクリーン印刷版を提供することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスクリーン印刷版において、前記非吐出領域は、該スキージを摺動させる方向の軸に対して線対称であることを特徴とする。これにより、ばらつきの少ない微小な貫通孔を有する厚膜を形成することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のスクリーン印刷版において、前記非吐出領域は、前記スキージと最初に接触する点を含む角を除く一つ以上の角が曲線に置換されていることを特徴とする。これにより、微小な貫通孔をさらに安定に形成することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷版において、前記非吐出領域の径は、50μm以上300μm未満であることを特徴とする。なお、本願明細書及び特許請求の範囲において、領域の径とは、領域を含む最小の正方形の一辺の長さを意味する。これにより、微小な貫通孔を安定に形成することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、貫通孔を有する厚膜において、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスクリーン印刷版を用いて印刷することにより形成されていることを特徴とする。これにより、微小な貫通孔を有する厚膜を提供することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の貫通孔を有する厚膜において、絶縁性材料からなることを特徴とする。これにより、微小な貫通孔を有する絶縁膜が得られる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、多層配線構造において、請求項5又は6に記載の貫通孔を有する厚膜を少なくとも有することを特徴とする。これにより、微細化された多層配線構造を提供することができる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、画像表示装置において、請求項5又は6に記載の貫通孔を有する厚膜を少なくとも有することを特徴とする。これにより、薄型・軽量の画像表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、微小な貫通孔を安定に形成することが可能なスクリーン印刷版、該スクリーン印刷版を用いて形成されている貫通孔を有する厚膜並びに該貫通孔を有する厚膜を有する多層配線構造及び画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
【0017】
本発明のスクリーン印刷版は、スキージを摺動させてインクを吐出することにより印刷する際に、スキージと最初に接触する点を頂点とする多角形であると共に、スキージの長さ方向の幅がスキージと最初に接触する点から幅の最大値になるまで漸増する貫通孔パターンを有する。これにより、印刷時に、貫通孔パターンの下へのインクの回り込みを抑制し、大面積の印刷においても微小な貫通孔を安定に形成することができる。
【0018】
図1に、本発明のスクリーン印刷版の一例を示す。図1に示すスクリーン印刷版は、メッシュ1上に、正六角形の貫通孔パターン2が形成されており、貫通孔パターン2が印刷時にインクの非吐出領域となる。また、図中の印刷方向(スキージ3を摺動させる方向)に印刷する際に、各貫通孔パターン2は、スキージ3と最初に接触する点を頂点とする正六角形であり、スキージ3と最初に接触する点から、スキージの長さ方向の幅が貫通孔パターン2の最大幅になるまで漸増する。これにより、貫通孔を有する厚膜を形成することができる。なお、スキージの長さ方向は、通常、印刷方向と直交する。
【0019】
本発明において、印刷する際にスキージ3と最初に接触する点が頂点となるような形状及び配置で貫通孔パターン2を形成することにより、貫通孔パターン2の下へのインクの回り込みを抑制する機構は、以下のように説明することができる。
【0020】
図2(a)に、印刷方向のスキージ3と最初に接触する側の端部が辺である貫通孔パターン2の一例を示す。図中の印刷方向に印刷して、貫通孔パターン2以外の場所にインクを吐出する場合、インクは、図中に示すように流れる。スキージ3が貫通孔パターン2を通過する時に、貫通孔パターン2の手前のインクは、貫通孔パターン2にせき止められるが、スキージ3の圧力によって、インクの一部は、貫通孔パターン2の下に回り込む。このとき、回り込んだインクは、被印刷部材の貫通孔となるべき領域に印刷されて貫通孔を埋める可能性がある。さらに、貫通孔パターン2に残ったインクは、以降の印刷に悪影響を及ぼすため、印刷の繰り返し安定性が損なわれる。
【0021】
一方、図2(b)に示すように、印刷方向のスキージ3と最初に接触する側の端部が頂点である貫通孔パターン2であれば、貫通孔パターン2の手前のインクは、貫通孔パターン2の辺に沿って両側に流れることができるため、貫通孔パターン2の下へのインクの回り込みを抑制することができる。その結果、回り込んだインクによって、貫通孔となるべき領域にインクが印刷されることを抑制し、微小な貫通孔を安定に形成することができる。
【0022】
また、図2(c)に示すように、貫通孔パターン2が円形、楕円形等の頂点を有さない形状である場合、貫通孔パターン2の下へのインクの回り込みは、図2(a)の場合よりは少ないが、図2(b)の場合よりは多くなる。これは、スキージ3が貫通孔パターン2を通過するときに、図2(b)の方が、貫通孔パターン2の両側にインクが流れやすいためであると考えられる。
【0023】
本発明のスクリーン印刷版は、貫通孔パターン2の径が300μm未満、即ち、貫通孔パターン2を含む最小の正方形の辺の長さが300μm未満であるときに、特に、上記の効果が有用である。また、貫通孔パターン2の径の下限は、スクリーン印刷版に用いられるメッシュ1の線径に依存し、メッシュ1の線径が小さくなるに従って、貫通孔パターン2の径を小さくすることが理論上可能になる。現状入手可能で最も精細なメッシュ1としては、線径が10μm程度の線材を1インチ当たり840本の密度で織ったものであり、図9に示すように、メッシュ1の開口部(吐出領域)の径は、約20μmとなる。一般的に、貫通孔パターン2をメッシュ1に支持させる場合には、各貫通孔パターン2がメッシュの交点を2点以上含有する必要がある。これは、貫通孔パターン2がメッシュの交点を1点含有する場合、メッシュ1と貫通孔パターン2の接触面積が小さいために、印刷時に貫通孔パターン2が脱落する可能性があるためである。例えば、メッシュ1上に、径が40μmの貫通孔パターン2を形成する場合は、図9に示すように、貫通孔パターン2がメッシュの交点を2点含有することが難しいが、径が50μmであれば、概ね2点以上のメッシュの交点を含有することが可能である。従って、貫通孔パターン2の径が50μm以上であることにより、大面積の印刷においても微小な貫通孔を安定に形成することができる。また、メッシュ1の線径を15μm程度とすると、大面積の印刷においても微小な貫通孔を安定に形成することができる貫通孔パターンの径は、80μm以上である。
【0024】
本発明において、各貫通孔パターン2は、図1に示すように、印刷方向の軸に対して線対称であることが好ましい。これにより、印刷時に、貫通孔パターン2の手前のインクが貫通孔パターン2の辺に沿って、その両側に均等に流れることができるため、貫通孔パターン2の下へのインクの回り込みをさらに抑制することができる。
【0025】
本発明において、貫通孔パターン2は、スキージ3と最初に接触する頂点を含む角を除く一つ以上の角を曲線に置換した形状であることが好ましく、スキージ3と最初に接触する頂点を含む角を除く全ての角を曲線に置換した形状であることが特に好ましい。貫通孔パターン2がスキージ3と最初に接触する頂点を含む角を有すると共に、その他の角が曲線で置換されていることにより、貫通孔パターン2の外側のインクが曲線に沿って滑らかに流れやすくなるため、貫通孔パターン2の下へのインクの回り込みをさらに抑制することができる。また、印刷された貫通孔の角が曲線に置換されていることにより、貫通孔の縁の表面張力が均等化され、インクの流動によるにじみの発生を抑制することができる。なお、角を置換する曲線としては、円、楕円、放物線等を構成する曲線が挙げられるが、外側に凸であれば、特に限定されない。図3に、このような貫通孔パターン2の具体例を示す。(a)は、3つの角を曲線で置換した正方形、(b)及び(c)は、2つの角を曲線で置換した菱形、(d)は、3つの角を曲線で置換した菱形である。
【0026】
なお、スクリーン印刷法の原理上、スクリーン印刷版から吐出されたインクは、重力によって表面が平坦にならされると同時に微量のにじみが発生するため、本発明のスクリーン印刷版における貫通孔パターンと、形成される貫通孔の形状は、厳密には一致しない。
【0027】
本発明において、貫通孔パターン2は、公知の方法で形成することができ、例えば、メッシュ1上に感光性乳剤を塗布した後に、フォトリソグラフィー技術を用いて、形成することができる。
【0028】
本発明の貫通孔を有する厚膜は、本発明のスクリーン印刷版を用いて印刷することにより形成されている。具体的には、被印刷部材上にスクリーン印刷版を配置した状態で、スクリーン印刷版上にインクを付与した後、図1に示すように、スキージ3をインクが付与されたスクリーン印刷版上で印刷方向に摺動させる。これにより、メッシュ1上の貫通孔パターン2(非吐出領域)以外の吐出領域から、被印刷部材上にインクが吐出される。さらにインクが吐出された被印刷部材を乾燥(硬化)させることにより、貫通孔を有する厚膜が得られる。
【0029】
本発明において、貫通孔を有する厚膜を形成する際に用いられるインクとしては、特に制限はなく、樹脂成分、フィラー及び溶媒を含有する公知の材料を用いることができる。特に、径が300μm以下の貫通孔を形成するためには、印刷時や乾燥時に流れにくいインクを用いることが好ましく、具体的には、印刷する温度条件下における粘度が100Pa・秒以上であると共に、インク中の固形分体積比率が25%以上であるインクが挙げられる。
【0030】
本発明において、絶縁性材料を用いて、貫通孔を有する厚膜を形成することにより、貫通孔を有する絶縁膜が得られる。
【0031】
なお、貫通孔を有する厚膜の膜厚は、式
(メッシュの厚さ×開口率+貫通孔パターンの厚さ)×インクの固形分体積比率
により決定される。したがって、各パラメーターを適宜調整することにより、所定の膜厚を有する厚膜を形成することができる。
【0032】
本発明の多層配線構造は、本発明の貫通孔を有する厚膜(層間絶縁膜)と複数の電極を所定の配置で積層し、層間絶縁膜の上下の電極を、貫通孔を介して電気的に接続させることにより形成することができる。これにより、製造工程を大幅に低減させると共に、微細化された多層配線構造が得られる。層間絶縁膜の上下の電極を電気的に導通させるためには、貫通孔内に導電層を埋め込むことが好ましい。このとき、スクリーン印刷法を用いて、層間絶縁膜の上部に上部電極を形成すると共に、貫通孔内に導電層を埋め込むことがさらに好ましい。これにより、同一の装置を利用できると共に、製造プロセスを簡素化することができる。
【0033】
図10に、本発明の多層配線構造の一例を示す。基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース/ドレイン電極及び半導体層が形成されているトランジスタの上に、貫通孔を有する層間絶縁膜が形成されている。さらに、貫通孔内には、導電層が埋め込まれており、層間絶縁膜上に上部電極が形成されている。上部電極及び導電層は、導電材料を含有する市販の導電性ペーストを用いて形成することができ、導電材料としては、銀、銅、アルミニウム、カーボン等が挙げられる。
【0034】
本発明の画像表示装置は、本発明の貫通孔を有する厚膜(層間絶縁膜)の貫通孔を介して、トランジスタと画素電極が電気的に接続されているトランジスタ素子が格子状に設けられているアクティブマトリクス基板上に、画像表示素子を積層することにより形成することができる。これにより、平易な製造プロセスで、薄型、軽量の画像表示装置が得られる。なお、画像表示素子としては、液晶表示素子、電気泳動表示素子、有機EL素子を用いることができ、これにより、目への負担が少なく、フラットパネルタイプ又はフレキシブルな画像表示装置が得られる。
【0035】
図11に、本発明の画像表示装置の一例を示す。基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース/ドレイン電極及び半導体層が形成されているトランジスタの上に、貫通孔を有する層間絶縁膜が形成されている。さらに、貫通孔内には、導電層が埋め込まれており、層間絶縁膜上に画素電極が形成されている。このような構成のアクティブマトリクス基板上に、透明電極が形成された支持基板上に形成された電気泳動表示素子が接合されている。
【実施例】
【0036】
(実施例1)
スクリーン印刷版として、線径23μm、開口率約50%のメッシュ1(200mm×200mm)上に、一辺200μmの正方形の貫通孔パターン2を400μmピッチでマトリクス状に配置したもの(図4参照)を用いた。なお、貫通孔パターン2は、図中の印刷方向の軸に対して線対称であり、スキージと最初に接触する頂点を有する。また、貫通孔パターン2は、感光性乳剤を塗布したメッシュに、貫通孔パターンを形成したフォトマスクを介して露光し、現像、乾燥することにより形成した。
【0037】
厚さ120μmのポリカーボネートフィルム基板(220mm×220mm)上に、スクリーン印刷版及び厚膜ペーストを用いて、図中の印刷方向に印刷した後、100℃で60分間乾燥させることにより、厚膜を得た。なお、厚膜ペーストとしては、ポリビニルアルコール樹脂を溶媒に溶解させ、フィラー及び粘度調整剤を加えて粘度を約200Pa・秒に調整したものを用いた。
【0038】
得られた厚膜を、測長顕微鏡を用いて評価した結果、ほぼ正方形の貫通孔が全面に形成されていた。なお、形成された貫通孔の一辺は、平均160μmであった。
(比較例1)
図4に示すスクリーン印刷版の代わりに、図5(a)に示すスクリーン印刷版を用いた以外は、実施例1と同様に厚膜を形成した。なお、貫通孔パターン2は、図中の印刷方向の軸に対して線対称であり、スキージと最初に接触する辺を有する。
【0039】
得られた厚膜を、測長顕微鏡を用いて評価した結果、図5(b)に示す不定形の貫通孔が全面に形成されていた。形成された貫通孔は、印刷方向にやや縮んだ形となり、そのサイズは、平均縦160μm×横145μmであった。
(実施例2)
図4に示すスクリーン印刷版の貫通孔パターン2を図6(a)に示す径が200μmの貫通孔パターンに変更した以外は、実施例1と同様に厚膜を形成した。なお、貫通孔パターンは、図中の印刷方向の軸に対して線対称であり、スキージと最初に接触する頂点を有する。
【0040】
得られた厚膜には、ほぼ貫通孔パターンと同様の形状を有する貫通孔が全面に形成されていた。形成された貫通孔のサイズは、平均縦160×横160μmであった。
(比較例2)
図4に示すスクリーン印刷版の貫通孔パターン2を図6(b)に示す直径200μmの円形の貫通孔パターンに変更した以外は、実施例1と同様に厚膜を形成した。
【0041】
得られた厚膜には、貫通孔が全面に形成されており、形成された貫通孔は、印刷方向にやや縮んだ円形となり、そのサイズは、平均縦160×横150μmであった。
【0042】
実施例2と対比すると、スクリーン印刷版上の貫通孔パターンの面積は、実施例2の方が小さいにも関わらず、形成された貫通孔は、実施例2の方が大きいことがわかる。
(実施例3及び比較例3)
スクリーン印刷版として、線径18μm、開口率約40%のメッシュ上に、図7(a)に示すように、径が350、300、250、200、150、100及び50μmの貫通孔パターンを有するパターン部を形成したものを用いた。なお、図7(b)に示すように、各パターン部には、それぞれ円形(比較例3)及び水滴形(実施例3)の二種類の貫通孔パターンを500μmピッチで1000個ずつ配置した。このとき、貫通孔パターンは、感光性乳剤を塗布したメッシュに、貫通孔パターンを形成したフォトマスクを介して露光し、現像、乾燥することにより形成した。また、水滴形(実施例3)の貫通孔パターンは、図中の印刷方向の軸に対して線対称であり、スキージと最初に接触する頂点を有し、印刷方向及びスキージの長さ方向の幅が同一である。
【0043】
洗浄したガラス基板上に、スクリーン印刷版及び絶縁ペーストを用いて、図中の印刷方向に印刷した後、110℃で30分間乾燥させることにより、絶縁膜を得た。なお、絶縁ペーストとしては、ポリビニルブチラール樹脂を溶媒に溶解させ、平均粒径が0.1μmの無機フィラーを加えて、粘度を約400Pa・秒に調整したものを用いた。
【0044】
得られた絶縁膜の顕微鏡観察を行い、各パターン部で埋まることなく形成された貫通孔の個数を評価した。表1に評価結果を示す。
【0045】
【表1】


表1より明らかなように、貫通孔を安定に形成することができるのは、比較例3では、貫通孔パターンの径が300μm以上の場合であるが、実施例3では、150μm以上である。
(実施例4)
ポリカーボネート基板上に、インクジェット法を用いて、ナノ銀インクを形成し、乾燥させることによって、ゲート電極を形成した。次に、スピンコート法を用いて、熱重合型ポリイミドを塗布し、190℃で熱処理することによって、ゲート絶縁膜を形成した。形成されたゲート絶縁膜は、比誘電率が3.6、膜厚が0.4μmであった。ソース/ドレイン電極を形成する領域に、フォトマスクを介して、紫外線を照射することにより、表面改質を実施した。さらに、インクジェット法を用いて、ナノ銀インクを形成し、乾燥させることによって、ソース/ドレイン電極を形成した。次に、インクジェット法を用いて、構造式
【0046】
【化1】


で表される有機半導体材料をキシレンに溶解させることによりインク化したものを膜形成することによって、有機半導体層を形成し、有機トランジスタを得た。得られた有機トランジスタは、チャネル長が5μm、チャネル幅が2mmであった。
【0047】
スクリーン印刷版として、線径23μm、開口率約50%のメッシュ1(200mm×200mm)上に、図6(a)と同様の貫通孔パターン2を300μmピッチでマトリクス状に配置したもの(図8参照)を用いた。なお、貫通孔パターン2は、図中の印刷方向の軸に対して線対称であり、スキージと最初に接触する頂点を有する。
【0048】
有機トランジスタ上に、図8に示すスクリーン印刷版及び絶縁ペーストを用いて、図中の印刷方向に印刷し、乾燥させることによって、貫通孔を有する層間絶縁膜を形成した。なお、絶縁ペーストとしては、ポリビニルアセタール樹脂を溶媒に溶解させ、平均粒径が0.1μmの無機フィラーを加えて、粘度を約400Pa・秒に調整したものを用いた。
【0049】
さらに、スクリーン印刷法を用いて、Ag粒子、アクリル樹脂及び溶媒からなる銀ペーストを層間絶縁膜上に形成し、乾燥させることによって、層間絶縁膜の貫通孔内に導電層を埋め込むと共に、下層の有機トランジスタと導通する画素電極を形成し、トランジスタ素子が格子状に設けられているアクティブマトリクス基板を得た。
【0050】
次に、酸化チタン20重量部、酸ポリマー1重量部、シリコーンポリマーグラフトカーボンブラックMX3−GRX−001(日本触媒社製)2重量部及びシリコーンオイルKF96L−1cs(信越化学工業社製)77重量部を混合した後、超音波で1時間分散させることにより、白黒粒子分散液を調製した。さらに、ゼラチン−アラビアゴム コンプレックスコアセルベーション法を用いて、白黒粒子分散液をマイクロカプセル化した。このとき、マイクロカプセルの平均粒径は、約60μmであった。得られたマイクロカプセルをウレタン樹脂溶液に分散させた分散液を、ワイヤーブレード法を用いて、透明電極膜付きフィルム基板上に展開し、均一なマイクロカプセルシートを形成することにより、電気泳動表示素子を得た。
【0051】
得られた電気泳動表示素子をアクティブマトリクス基板と接合することにより、図11に示す画像表示装置を得た。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のスクリーン印刷版の一例を示す図である。
【図2】貫通孔パターンの下へのインクの回り込みを抑制する機構を説明する図である。
【図3】貫通孔パターンの具体例を示す図である。
【図4】実施例1のスクリーン印刷版を示す図である。
【図5】比較例1のスクリーン印刷版及び形成された貫通孔を示す図である。
【図6】実施例2及び比較例2の貫通孔パターンを示す図である。
【図7】実施例3のスクリーン印刷版を示す図である。
【図8】実施例4のスクリーン印刷版を示す図である。
【図9】貫通孔パターンの径の下限を説明する図である。
【図10】本発明の多層配線構造の一例を示す図である。
【図11】本発明の画像表示装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 メッシュ
2 貫通孔パターン
3 スキージ
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦


【公開番号】 特開2008−23748(P2008−23748A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195980(P2006−195980)