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スクリーン印刷版の製造方法 - 特開2008−18714 | j-tokkyo
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【発明の名称】 スクリーン印刷版の製造方法
【発明者】 【氏名】城 一男

【要約】 【課題】スクリーン印刷版の製造方法に改良を加え、スクリーンの引っ張り強度と剛性率が大きく、印刷精度が高く、高密度のスクリーンが得られコストが低いようにする。

【構成】金属製ワイヤ2によって金属製スクリーン1が形成され、その後、金属製スクリーン1がプラズマ表面処理される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製ワイヤによって金属製スクリーンを形成し、形成後、前記金属製スクリーンをプラズマ表面処理することを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
【請求項2】
金属製スクリーンを炭化水素系ガスプラズマに曝して、これに20kV以下の高電圧を印可してプラズマ表面処理することを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
【請求項3】
金属製スクリーン表面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成して金属製スクリーンの抗張力、伸び率を高めたことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリーン印刷版の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、金属製スクリーンによってスクリーン印刷版が製造されることが多い(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、まず、金属製ワイヤによって金属製スクリーンが形成されるが、問題は金属製ワイヤの材質である。たとえば,SUS304またはSUS316ワイヤによって金属製スクリーンが形成されることが多いが、その引っ張り強度は小さい。このため、荷重によって金属スクリーンが伸び、メッシュが広がりやすく印刷精度が悪い。SUS高強度ワイヤによって金属製スクリーンが形成されることもあるが、SUS高強度ワイヤは曲がりにくく、編成しにくい。このため、SUS高強度ワイヤによって低密度のスクリーンを得ることは出来ても、高密度伸すクリーンを得ることはできない。しかも、そのコストは高い。
【0004】
したがって、この発明は、スクリーン印刷版の製造方法に改良を加え、スクリーンの引っ張り強度が大きく、印刷精度が高く、高密度のスクリーンが得られ、コストが低いようにすることを目的としてなされたものである。
【特許文献1】特開平2003−175684号公報
【発明の開示】
【0005】
この発明によれば、金属製ワイヤによって金属製スクリーンが形成され、その後、金属製スクリーンがプラズマ表面処理される。
【0006】
この発明は、プラズマベースイオン注入・成膜法を用いて、金属製スクリーン(基材)の周辺に外部アンテナによるRFプラズマあるいは自己バイアス電圧によるプラズマ生成を行い、これに対して数百V〜数十kVの負パルス電圧を印加して、炭化水素ガスをプラズマ分解して得られるカーボンを含有するイオンを成形品表面に注入することによりカーボンの傾斜層を形成させ、さらに電圧制御しながらカーボンと水素を含有したダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を形成させることによって、上記の課題の解決を実現し目的を達成するものである。
【0007】
具体的には真空チャンバー、真空排気系、ガス供給・処理系、高周波プラズマ源、負の高電圧パルス電源・高圧導入系と冷却系に構成された装置を用いて金属製スクリーンの表面改質をする。金属には電極リード線を接続するのみで給電可能であり、高周波プラズマ源に電力を供給することによりガスプラズマを発生させ、金属製スクリーン周辺に負の高圧パルス電圧を加えると、プラズマ中の電子は排斥され、金属製スクリーンの輪郭に沿って周りにイオンシースが形成される。このイオンシースは被注入物の輪郭に沿って覆われ、その後負の電圧をこのイオンシースに印加されるため、イオンのみがあらゆる方向から被注入物に引きつけ加速され、被注入物に狙いとする元素をイオン注入されるものである。
【0008】
この発明では金属製スクリーン等の微細物に対してもカーボンイオン注入が可能である。従来直流のバイアス電圧を印加して、プラスのイオンが注入されるため、留め具等の絶縁物では帯電してチャージアップ電荷による絶縁破壊する現象が現れることがあった。この発明の高周波・高電圧の負パルス電圧を印加する方法では、パルスなのでパルス電圧がない時にはプラズマは基材に接近し、基材に帯電した電荷はプラズマ中に放出され、チャージアップは解消される。またパルスの周波数および印加時間等を形状毎に最適化して行うことで絶縁破壊を防止すると共に、チャージアップによる膜の不均一性、成膜速度の低下を防ぐことが可能である。
【0009】
この発明では、金属製スクリーンを炭化水素系ガスプラズマに曝して、これに20kV以下の高電圧を印可してカーボンイオンを注入し、さらに金属製スクリーン表面にDLC膜を形成して金属製スクリーンの抗張力、剛性、耐変形性、耐摩耗性、耐滑り性を改善することが可能となり、金属製ワイヤの改良をすることなくスクリーン印刷版の印刷精度を高め、高品質で低コストの金属製スクリーン印刷版を提供することが出きる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0011】
図1はこの発明にかかる金属製スクリーン1を示す。この実施例では、金属製ワイヤ2としてSUS304またはSUS316ワイヤが使用され、SUS304またはSUS316ワイヤ2によって金属製スクリーン1が形成されている。
【0012】
さらに、金属製スクリーン1の形成後、それがプラズマ表面処理される。たとえば、図2および図3に示すように、金属製スクリーン1が固定治具3に固定され、張られ、その後、図4に示すように、プラズマ表面処理装置の真空室4内において、金属製スクリーン1がプラズマ表面処理される。たとえば、固定台5の上面に溝が形成され、固定治具3が溝にはめ込まれ固定される。さらに、原料ガスがポート6を通り、真空室4に導入され、金属製スクリーン1がプラズマ表面処理される。プラズマ表面処理装置はRF高周波電源7、高電圧パルス電源8、重畳装置9およびフィールドスルー10を有する。固定治具3とフィールドスルー10とは電気的に接続され、金属製スクリーン1には上述した高周波電圧とパルス電圧が印加され、イオン注入とDLC成膜が可能となるものである。その構造および作用は一般的に知られており、詳細は省略する。
【0013】
その後、金属製スクリーン1および固定治具3が真空室4から取り出され、そのスクリーン1によってスクリーン印刷版が製造される。
【0014】
したがって、この金属製スクリーン1の場合、SUS304またはSUS316ワイヤ2によって金属製スクリーン1が形成されたとき、その引っ張り強度は小さいが、問題はない。その後、金属製スクリーン1に対してカーボンイオン注入とDLC成膜によるプラズマ表面処理され、引っ張り強度と剛性率が大幅に増大する。プラズマ表面処理によって引っ張り強度が増大することは一般的に知られているとおりである。そして、そのスクリーン1によってスクリーン印刷版が製造される。したがって荷重が加えられても、金属製スクリーン1が伸びにくく、印刷精度は高い。
【0015】
さらに、プラズマ表面処理前、SUS304またはSUS316ワイヤ2によって金属製スクリーン1が形成されるが、SUS304またはSUS316ワイヤ2は曲がりやすく、編成しやすい。したがって、SUS304またはSUS316ワイヤ2を緊密に編成することが出来、それによって高密度のスクリーン1を得ることができる。しかも、そのコストは低い。
【0016】
この発明のカーボンイオン注入法では表層の酸化層を充分突き破るだけのエネルギーでイオン注入されるため、カーボンの傾斜構造を容易に形成することが可能であり、特に化学量論的にカーボンを固溶しにくい非鉄金属にたいして高エネルギーでカーボンイオン注入することにより表面硬度を上げながらDLC膜を形成することが可能である。またDLC成膜エネルギーを変化させてDLC膜の弾性率を押さえながら成膜することが可能である。このことによりDLC膜中の残留応力が低く密着性が得られやすい。このため抗張力、剛性、耐変形性、耐摩耗性が必要とされる金属製ワイヤでは2.0〜10μmの範囲のDLC膜を容易に得ることが可能である。
【0017】
以上、説明したように、この発明によれば金属繊維の織物としての加工性を損なうことなく金属製スクリーンに仕上げた後、炭化水素系ガスプラズマからカーボンイオン注入を行い、さらに炭化水素ガスを少なくとも一種類以上混合して導入しつつDLC膜を形成することにより、金属製スクリーンの抗張力、剛性(剛性率)、耐変形性、耐摩耗性、耐滑り性に優れたDLC被覆した金属製スクリーン印刷版を提供できることが判った。
【0018】
また、この発明の金属製スクリーン物品は、カーボンイオンの注入により表面硬度が高く、耐摩耗性、耐食性が優れていることから、スクリーン印刷版以外の半導体用各種フィルター、食品濾過用フィルター、バイオ関連フィルターなどに応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の金属製スクリーンの断面図である。
【図2】図1の金属製スクリーンを張った固定状態の正面図である。
【図3】図1の金属製スクリーンの固定状態の側面図である。
【図4】図2の金属製スクリーンをプラズマ表面処理する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 金属製ワイヤ(縦糸)
2 金属製ワイヤ(横糸)
3 金属スクリーン固定治具
4 プラズマ表面処理装置真空室
5 固定台
6 原料ガスポート
7 RF高周波電源
8 高電圧パルス電源
9 重畳装置
10 高電圧用フィードスルー
【出願人】 【識別番号】591097850
【氏名又は名称】京都繊維機器株式会社
【出願日】 平成19年6月11日(2007.6.11)
【代理人】 【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所


【公開番号】 特開2008−18714(P2008−18714A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−153981(P2007−153981)