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【発明の名称】 ホットメルト印刷用スクリーンマスク
【発明者】 【氏名】村 上 泰 蔵

【氏名】川 延 淳 一

【要約】 【課題】製造コストが低く、印刷精度が優れたホットメルト印刷用スクリーンマスクを提供する。

【構成】電流によって発熱可能な導電性材料からなる画像部スクリーンを、該画像部スクリーンの周縁部外側に形成された外周部スクリーンを介して版枠材の内側に緊張状態で保持してなり、前記の画像部スクリーンへの通電によって前記の画像部スクリーンが発熱できるように形成されたことを特徴とする、ホットメルト印刷用スクリーンマスク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流によって発熱可能な導電性材料からなる画像部スクリーンを、該画像部スクリーンの周縁部外側に形成された外周部スクリーンを介して版枠材の内側に緊張状態で保持してなり、前記の画像部スクリーンへの通電によって前記の画像部スクリーンが発熱できるように形成されたことを特徴とする、ホットメルト印刷用スクリーンマスク。
【請求項2】
前記の外周部スクリーンが絶縁性材料からなる、請求項1に記載のホットメルト印刷用スクリーンマスク。
【請求項3】
前記の画像部スクリーンがその周縁部において前記外周部スクリーンと重ね合わされ、この重ね合わせ部において前記画像部スクリーンと前記外周部スクリーンとが接合されてなる、請求項1または請求項2に記載のホットメルト印刷用スクリーンマスク。
【請求項4】
前記の画像部スクリーンへの通電が、前記の画像部スクリーンの外部に設けられた電極を介して行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホットメルト印刷用スクリーンマスク。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト印刷用に使用されるスクリーンマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばガラスへの装飾などにおいてホットメルト印刷が行われている。
近年、高精度が特に要求される電機・電子部品等の分野においてもホットメルト印刷が行われるようになってきており、ホットメルト型のペースト状インキも開発され始めてきている。
【0003】
このようなホットメルト型のペースト状インキは、従来の溶媒含有型のペースト状インキとは異なって印刷時あるいは保管時における溶媒成分の揮発拡散に基づく性状変化がなく、かつ印刷後のインクの固化ないし定着に必要な時間が短いことからインクパターン形状を容易に保持可能な点でその有用性が注目されているものである。また、溶媒成分の揮発を伴わないことは環境問題の点からも好ましい。
【0004】
しかし、ホットメルト印刷では、印刷時にインキを印刷可能な溶融軟化状態に保持する必要がある。このことから、従来、この種のホットメルト印刷用スクリーンマスクとしては、版枠材に直接金属製スクリーンメッシュを固着して、この版枠もしくは金属製スクリーンメッシュに電極を設置し電流を流すことでスクリーンメッシュを発熱させ、ホットメルト型のペースト状インキを印刷可能な状態に保持するものが知られている。
【0005】
なお、特公平7−45241号公報には、スクリーン印刷用のコンビネーションマスクに関する技術が記載されているが、しかしこの公報には、そのコンビネーションマスクをホットメルト印刷用に適用することは開示されていない。
【特許文献1】特公平7−45241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
版枠材に直接スクリーンメッシュを固着させる従来のホットメルト印刷用スクリーンマスクでは、印刷時の位置決め精度が悪いうえに印刷時の版の寿命が短い為、高精度を要する印刷への適用は困難であった。また、スクリーン印刷時に版枠材も過度に加熱されてしまうので、熱膨張等によって版枠材が変形したり、スクリーンの緊張状態が変化することによって、印刷精度を高めることが難しかった。さらに、高価な金属製スクリーンを直接版枠材に固着させるため、スクリーンメッシュの使用量が多くなって、製造コストが高いものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高精度のホットメルト印刷が可能な印刷用スクリーンマスクを提供するものである。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは、電流によって発熱可能な導電性材料からなる画像部スクリーンを、該画像部スクリーンの周縁部外側に形成された外周部スクリーンを介して版枠材の内側に緊張状態で保持してなり、前記の画像部スクリーンへの通電によって前記の画像部スクリーンが発熱できるように形成されたことを特徴とするもの、である。
【0009】
このような本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは、好ましくは、前記の外周部スクリーンが絶縁性材料からなるもの、を包含する。
【0010】
このような本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは、好ましくは、前記の画像部スクリーンがその周縁部において前記外周部スクリーンと重ね合わされ、この重ね合わせ部において前記画像部スクリーンと前記外周部スクリーンとが接合されてなるもの、を包含する。
【0011】
このような本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは、好ましくは、前記の画像部スクリーンへの通電が、前記の画像部スクリーンの外部に設けられた電極を介して行われるもの、を包含する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは、加熱されたとしても、スクリーンの変形や寸法および位置変化が少ないことから、印刷精度よくホットメルト印刷を行うことができる。そして、高価な高精度の発熱性スクリーンを画像部スクリーン部のみに用いていることから、製造コストが低減したものである。
【0013】
そして、画像部スクリーンが外周部スクリーンを介して版枠材の内側に緊張状態で保持されていることから、ホットメルト印刷時に適切な押圧で被転写材に接触させることができる。よって、高精度のホットメルト印刷が可能となる。
【0014】
外周部スクリーンを特に電気絶縁性および熱伝導性が低い材料で形成したときは、外部への漏電や余計な熱の放出が防止されることから、安全性の向上および使用電力量の低減が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは、電流によって発熱可能な導電性材料からなる画像部スクリーンを、該画像部スクリーンの周縁部外側に形成された外周部スクリーンを介して版枠材の内側に緊張状態で保持してなり、前記の画像部スクリーンへの通電によって前記の画像部スクリーンが発熱できるように形成されたことを特徴とするもの、である。
【0016】
図1および図2は、このような本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクの好ましい一具体例について示すものであり、図2は、図1に示される本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスク1のS−S’断面を示すものである。
【0017】
図1および図2に示される本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスク1は、電流によって発熱可能な導電性材料からなる画像部スクリーンAを、該画像部スクリーンAの周縁部2の外側に形成された外周部スクリーンBを介して版枠材3の内側に緊張状態で保持してなり、前記の画像部スクリーンAへの通電によって前記の画像部スクリーンAが発熱できるように構成されたものである。
【0018】
この本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスク1では、前記の画像部スクリーンAへの通電が、前記の画像部スクリーンAの外部に設けられた電極4aおよび4bを介して行われるようになっている。この電極4aおよび4bには、それぞれ導線5a、5bが接続されており、外部電源(図示せず)から電気が供給されるようになっている。
【0019】
そして、このホットメルト印刷用スクリーンマスク1は、前記の画像部スクリーンAがその周縁部2において前記外周部スクリーンBと重ね合わされ、この重ね合わせ部において前記画像部スクリーンAと前記外周部スクリーンBとが接合されてなるものである。この画像部スクリーンAと外周部スクリーンBとの重ね合わせ部では、画像部スクリーンAと前記外周部スクリーンBとが接着剤6によって接合されている。
【0020】
画像部スクリーンAは、電流によって発熱可能な導電性材料からなる必要がある。本発明では、ホットメルト印刷時の熱的条件および機械的条件等に対して十分な耐熱性および耐久性を備えた材料、例えば金属材料、好ましくは例えばステンレス、タングステン、アモルファスカーボン等からなるスクリーンメッシュや、電鋳法で製造されたメッシュを用いることができる。また、本発明では、スクリーンメッシュへの後加工であるカレンダー加工やめっき加工によって得られたメッシュを用いることができる。
【0021】
このような金属材料からなるスクリーンメッシュは、寸法安定性が高いので、繰り返し使用されたとして優れた印刷精度が保たれるものである。
【0022】
スクリーン印刷に際しては、画像部スクリーンAへ通電することによって画像部スクリーンAを発熱させ、所定の温度以上の温度条件に画像部スクリーンAを維持して、その状態において画像部スクリーンAの一方の面にホットメルト型のペースト状インキを例えばスキージ等によって適用して、画像部スクリーンAの反対面に配置された被転写体に対して、画像部スクリーンAの画像を転写することができる。
【0023】
外周部スクリーンBは、前記の画像部スクリーンAの周縁部2の外側に形成され、前記の画像部スクリーンAを版枠材の内側に緊張状態で保持するものである。この外周部スクリーンBとしては、樹脂材料からなるスクリーンメッシュを用いることが好ましい。このような樹脂材料の好ましい具体例としては、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート等、からなるスクリーンメッシュを挙げることができる。このような樹脂材料からなるスクリーンメッシュは、その適度の弾性によって画像部スクリーンAを適度な緊張状態で保持することが容易である。また、この樹脂材料は、金属材料に比べて熱伝導性が著しく小さいので、画像部スクリーンAからの版枠材3への熱伝導が防止される。よって、版枠材3の熱変形およびこれによって画像部スクリーンAの変形や位置ずれが有効に防止される。そして、このような樹脂材料は、電気絶縁性のものであることから画像部スクリーンAからの漏電を有効に防止するできる点でも好ましい。
【0024】
また、樹脂材料からなるスクリーンメッシュの適度の弾性は、仮に版枠材3が変形が生じたとしてもその影響が画像部スクリーンAにおよぶのを有効に防止する。そして、ホットメルト印刷時に、画像部スクリーンAを適切な押圧で被転写材に接触させるのに効果的である。
【0025】
接着剤6の種類は特に限定されないが、本発明では紫外線硬化型接着剤、エポキシ系接着剤が好ましい。
【0026】
電極4aおよび4bは、導電性材料によって形成する。導電性を有する材料としては広範な材料が使用可能であるが、より好適なものは銅板が加工性、導電性などの面で有利である。
【0027】
電極4aおよび4bの設置位置は、画像部スクリーンAへの通電が行われ、かつスクリーン印刷作業に支障が生じない部分であればいずれの部分でも問題はない。本発明では、図1および図2に示されるように、画像部スクリーンAの外部に設けることが好ましく、特に画像部スクリーンAの外部において画像部スクリーンAの対向した二辺に沿って平行に設置することが好ましい。なお、電極4aおよび4bは、図2に示されるように画像部スクリーンAのスキージ面側に設けることもできるし、図3に示されるように画像部スクリーンAの非スキージ面側に設けることもできる。また、画像部スクリーンAと外周部スクリーンBとの重ね合わせ部の内部に設けることもできるし、重ね合わせ部の外部に設けることもできる。好ましくは、重ね合わせ部の外部(即ち、画像部スクリーンAの外部)に設置する。電極の設置は、半田による接着やクリップなどが考えられるが、限定されることはない。
【実施例】
【0028】
実施例および比較例
(寸法安定性の評価)
内径が縦320mm×横320mmの正方形のアルミダイキャスト製版枠内の中央部に、縦120mm×横120mmのステンレス鋼(SUS400-18)製スクリーンメッシュからなる画像部スクリーンが、225メッシュのポリエステル製のスクリーンメッシュからなる外周部スクリーンによって保持された、図1および図2に示される構造の本発明のホットメルト印刷用スクリーンマスク(実施例)を得た。
【0029】
一方、内径が縦320mm×横320mmの正方形のアルミダイキャスト製版枠内の全面にわたってステンレス鋼(SUS400-18)製スクリーンメッシュが保持されたホットメルト印刷用スクリーンマスク(比較例)を得た。
【0030】
通電を行うことによって、上記の実施例および比較例のホットメルト印刷用スクリーンのステンレス鋼製スクリーンメッシュを発熱させ、その画像部スクリーンの中心付近の表面温度が40℃、60℃、80℃にほぼ保たれるように電圧を調整した。
【0031】
通電前の初期のホットメルト印刷用スクリーンマスク(常温:23℃)を基準とし、その画像部スクリーンにおける縦120mm×横120mmのステンレス鋼製スクリーンメッシュの4つの頂点(E、F、GおよびH)の座標と、40℃、60℃、80℃加熱時における各頂点の座標とを比較することによって、スクリーンマスクの寸法安定性を評価した。
結果は、表1および表2に示される通りである。
【表1】


【表2】


【0032】
上記から明らかなように、実施例のホットメルト印刷用スクリーンマスクは、比較例のスクリーンマスクに比べて、加熱時における各頂点位置の変化が少ない。
【0033】
このように、本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクは寸法安定性が高いので、印刷精度を向上させることができる。
【0034】
(熱分布および寸法安定性の評価)
内径が縦250mm×横250mmの正方形のアルミダイキャスト製版枠内の中央部に、縦120mm×横120mmのステンレス鋼(SUS400-18)製スクリーンメッシュからなる画像部スクリーンが、225メッシュのポリエステル製のスクリーンメッシュからなる外周部スクリーンによって保持された、図1および図2に示される構造の本発明のホットメルト印刷用スクリーンマスク(実施例)を得た。
【0035】
一方、内径が縦250mm×横250mmの正方形のアルミダイキャスト製版枠内の全面にわたってステンレス鋼(SUS400-18)製スクリーンメッシュが保持されたホットメルト印刷用スクリーンマスク(比較例)を得た。
【0036】
通電を行うことによって、上記の実施例および比較例のホットメルト印刷用スクリーンマスクのステンレス鋼製スクリーンメッシュを発熱させ、その画像部スクリーンの中心付近の表面温度が40℃、60℃、80℃にほぼ保たれるように電圧を調整した。
【0037】
実施例および比較例のホットメルト印刷用スクリーンマスク中の25領域それぞれの中心部の表面温度を放射温度計で測定することによって、ホットメルト印刷用スクリーンマスクの熱分布状態を評価した。
結果は、図4(A)〜(D)および図5(A)〜(D)に示される通りである。
【0038】
図4に示される通り、本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクでは外周部スクリーン部分の温度が低く、従って版枠材の温度上昇も抑制させていることことから、版枠材の熱変形が防止されている。よって、本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクによれば印刷精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による好ましいホットメルト印刷用スクリーンマスクの斜視図。
【図2】本発明によるホットメルト印刷用スクリーンマスクの断面図。
【図3】本発明による他の好ましいホットメルト印刷用スクリーンマスクの断面図。
【図4】実施例のホットメルト印刷用スクリーンマスクの熱分布状態を示す図。
【図5】比較例のホットメルト印刷用スクリーンマスクの熱分布状態を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1 ホットメルト印刷用スクリーンマスク
2 画像部スクリーンAの周縁部
3 版枠材
4a、4b 電極
5a、5b 導線
6 接着剤
A 画像部スクリーン
B 外周部スクリーン
E、F、G H 画像部スクリーン(120×120mm角)の頂点
【出願人】 【識別番号】390030373
【氏名又は名称】株式会社ムラカミ
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次

【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝

【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男

【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝


【公開番号】 特開2008−1016(P2008−1016A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173870(P2006−173870)