トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ

【発明の名称】 排版装置
【発明者】 【氏名】三輪 拓平

【要約】 【課題】排版原紙を、羽根車によって巻き上げることなく、巻芯に向けて良好に搬送して巻芯によって巻き取ることができる、排版装置を、提供すること。

【構成】排版原紙を、引き込みローラ61、62によって、孔版装着体から引き込んで後方に搬送し、巻芯63によって巻き取るようになっている、排版装置である。引き込みローラ61、62と、巻芯63と、第1〜第5巻き取りローラ64〜68と、第1〜第3支持用ベルト部材71〜73と、搬送面用ベルト部材74と、案内部材と、を備え、引き込みローラ62が、羽根車91、92を有しており、案内部材95が、少なくとも、引き込みローラ62の軸方向両端に設けられた羽根車91に隣接して軸方向内側に、設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みの孔版原紙を、上下一対の引き込みローラによって、孔版装着体から引き込んで後方に搬送し、巻芯によって巻き取るようになっている、排版装置であって、
下側の引き込みローラと巻芯との間に配置された第1巻き取りローラと、
上側の引き込みローラと巻芯との間に配置され、且つ、第1巻き取りローラとの間に、巻芯へ通じる搬送隙間を有するよう配置された、第2巻き取りローラと、
第1及び第2巻き取りローラと共に、巻芯を取り囲むように配置された、複数個の他の巻き取りローラと、
巻芯を周囲から支持するように巻き取りローラ間に掛け渡され、巻き取りローラの回転と共に回動して巻芯を回転させる、支持用ベルト部材と、
上下一対の引き込みローラと第1及び第2巻き取りローラとの間に配置され、搬送される上記孔版原紙を、上方にて規制して上記搬送隙間へ導くための、案内部材と、を備え、
上側の引き込みローラが、軸方向の両端を含む複数箇所に、上記孔版原紙を掻き込むための羽根車を有している、排版装置において、
下側の引き込みローラと第1巻き取りローラとの間に掛け渡され、両ローラ間に、上記孔版原紙の搬送面を構成している、搬送面用ベルト部材を備えており、
案内部材が、少なくとも、上側の引き込みローラの軸方向両端に設けられた羽根車に隣接して軸方向内側に、設けられていることを特徴とする排版装置。
【請求項2】
第1巻き取りローラと他の巻き取りローラとの間に掛け渡された支持用ベルト部材の伸縮強度が、他の支持用ベルト部材の伸縮強度に対して同等以下に設定されている、請求項1記載の排版装置。
【請求項3】
羽根車及び案内部材が、それぞれ、軸方向の3箇所以上に設けられており、
軸方向両端の羽根車以外の羽根車の羽根が、軸方向両端の羽根車の羽根に比して、柔軟である、請求項1記載の排版装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、孔版印刷機において、使用済みの孔版原紙(以下、「排版原紙」と称する)を、孔版装着体から剥ぎ取り、巻芯に巻き取る、排版装置に、関するものである。
【背景技術】
【0002】
排版原紙を巻芯に巻き取る排版装置は、特許文献1に示されている。また、孔版装着体から排版原紙を引き込むための引き込みローラに、弾性の羽根車が設けられている、排版装置は、特許文献2に示されている。
【0003】
特許文献1の排版装置は、その第3図に示されているように、排版原紙を孔版装着体から引き込んで後方に搬送する上下一対の送りローラ(引き込みローラ)31、32と、搬送されてきた排版原紙を巻き取る巻芯43と、巻芯を取り囲むように配置された、複数個のローラ(巻き取りローラ)33〜38と、巻芯を周囲から支持するようにローラ33〜38間に掛け渡され、ローラ33〜38の回転と共に回動して巻芯を回転させる、ベルト(支持用ベルト)39〜42と、上下一対のローラ31、32とその直後の一対のローラ33、38との間に配置され、搬送される排版原紙をローラ33とローラ38との間の隙間へ導くための、ガイド(案内部材)65と、を備えている。そして、ベルト39〜42、ガイド65、及び特許文献2の第5図に示されている羽根車20は、それぞれ、軸方向の複数箇所に設けられている。
【0004】
なお、孔版印刷機においては、以下に示すような給紙機構が公知である。
【0005】
図13〜図32に、給紙機構に係る第1の公知例を示す。
図13は、給紙機構の全体を示す斜視図である。給紙機構は、紙サバキ1008及び給紙ローラ1003によるセンター分離方式とされており、所謂コーナー爪は設けられていない。印刷用紙Pが積載される給紙板1011は、エレベータモータ1006によって昇降するようになっている。
【0006】
給紙ローラ1003の後方には用紙先端センサ1002が設けられている。空送りなどで印刷用紙Pが用紙先端センサ1002又はシグナルセンサに達しない場合、操作パネルの表示部(図示略)には、「左側紙づまりです」と表示される。給紙された印刷用紙Pは、タイミングローラ(Tロール)1014とガイドローラ(Gロール)1016によって、先端がドラム1027の表面とプレスローラ1015とに挟まれる位置まで送り込まれる。その直後、ガイドローラ1016が数mm上昇することによって、タイミングローラ1014とガイドローラ1016との圧接が解除され、印刷用紙Pはドラム1027とプレスローラ1015の周速で搬出されるようになっている。
【0007】
プレスローラセンサ1017は、給紙搬送状態を検出するものであり、給紙不良が生じた場合には、上記と同様に、操作パネルの表示部に「左側紙づまりです」と表示させるようになっている。図13において、符号1009は給紙トレイであり、1018はシグナルソレノイドである。
【0008】
図14は、タイミングローラ1014の駆動部を示す側面図、図15は、タイミングローラ1014の駆動部を示す斜視図である。図示しないメインモータが回転すると、それに連動して給紙カム1020が回転し、給紙カム1020に当接するカムフォロア1019を備えたリンク部材を介して、給紙セグメント1023及びタイミング用セグメント1022が往復揺動する。図15に示すように、タイミングローラ1014の端部には、逆止めバネ(バネクラッチ)1025及びピニオンギヤ1021が設けられており、ピニオンギヤ1021はタイミング用セグメント1022に噛み合っている。したがって、タイミング用セグメント1022の往復揺動でピニオンギヤ1021が回転し、逆止めバネ1025を介してタイミングローラ1014が回転する。逆止めバネ1025によって、タイミングローラ1014は一方向のみに回転するようになっている。
【0009】
図16は、給紙ローラ1003の駆動部を示す斜視図である。給紙ローラ1003は、タイミングベルト1024を介して給紙ステッピングモータ1004によって駆動されるようになっている。回転のタイミングは、プログラムによってコントロールされる。
【0010】
図17は、ガイドローラ1016の駆動部を示す斜視図、図18は、同側面図である。プレスローラ1015は、ドラム1027に押し付けられており、印刷用紙Pの先端が、ドラム1027とプレスローラ1015とに挟まれてしっかりとグリップされると、ガイドローラ1016は、タイミングローラ1014から離れるようになっている。これをエスケープと称している。エスケープは、印刷用紙Pがグリップされてから、約10mm進む間に行われる。符号1026はエスケープカムである。
【0011】
なお、エスケープのタイミングが適切でないと、次のような不具合が生じる。すなわち、エスケープのタイミングが遅くなると、印刷用紙Pは2箇所でグリップされる時間が長くなり、原紙の伸びやズレの原因となる。逆にタイミングが早くなれば、印刷用紙Pがどこにもグリップされていない時間が発生するため、印刷用紙Pは不安定な状態となり、シワや印刷位置のバラツキの原因になる。
【0012】
図19は、給紙ローラ1003によって印刷用紙Pを送り出す様子を示す側面図である。給紙ローラ1003は、所定の給紙量だけ印刷用紙Pを送り出すようになっている。給紙ローラ1003が印刷用紙Pを送り出すとき、ガイドローラ1016はタイミングローラ1014に押し付けられて停止している。紙サバキ1008からタイミングローラ1014までの距離は80mmとされ、給紙ローラ1003による給紙量は約95mmとされているので、印刷用紙Pは、紙サバキ1008とタイミングローラ1014との間でループを形成する。これによって、印刷用紙Pの先端が、ガイドローラ1016とタイミングローラ1014との接点に押し付けられ、印刷用紙Pの斜行が矯正される。また、タイミングローラ1014により印刷用紙Pを送り出すときのスリップが最小限に抑制される。給紙量センサで印刷用紙Pの先端を検知し、用紙送りをプログラムによってコントロールすることによって、給紙量が設定される。
【0013】
なお、給紙量が適切でないと、次のような不具合が生じる。すなわち、給紙量が多すぎると、印刷用紙Pのループ量が大きくなり、腰の強い印刷用紙Pの場合は、給紙ローラ1003と給紙口上の間で印刷用紙Pが跳ね上がり、「左側紙づまりです」と表示させる原因となる。逆に、給紙量が少なすぎると、ループ量が少なくなるので、印刷用紙Pの斜行を矯正し難くなり、斜行やシワが生じやすくなる。また、タイミングローラ1014が印刷用紙Pを送り出すときのスリップが大きくなり、印刷位置のバラツキの原因にもなる。
【0014】
図20は、操作パネルの一部を示す平面図である。操作パネルには、印刷位置調整キー1028、1029が設けられており、該キー1028、1029を操作することによって、ドラムに対する印刷用紙Pの給紙タイミングを変えて印刷位置を調整することができるようになっている。
【0015】
図21は、印刷位置調整機構1001の斜視図である。操作パネルの印刷位置調節キー1028、1029(図20)が押されると、リンク部材の支点1033が天地モータ1030によって駆動される。リンク部材の支点1033が移動すると、給紙カム1020に対するカムフォロア1019(ベアリング)の位置が変化し、これによってタイミングローラ1014の駆動タイミングが変えられるようになっている。
【0016】
具体的には、図20の左側キー1028を押すと、図21の矢印aのように給紙セグメント1023及びカムフォロア1019が移動し、タイミングローラ1014の駆動タイミングが早くなる。したがって、用紙タイミングが早くなり、画像が相対的に後に移動する。図22は、左側キーを押した場合の画像Gに対する印刷用紙Pの位置を示す。
【0017】
図20の右側キー1029を押すと、図21の矢印bのように給紙セグメント1023及びカムフォロア1019が移動し、タイミングローラ1014の駆動タイミングが遅くなる。したがって、用紙タイミングが遅くなり、画像が相対的に前に移動する。図23は、右側キーを押した場合の画像Gに対する印刷用紙Pの位置を示す。
【0018】
図21に示すように、天地モータ1030の回転は天地エンコーダーセンサ1032によって検知され、給紙セグメント1023の位置は、天地センターセンサ1031によって検知されるようになっている。図24は、天地センターセンサ1031と、天地エンコーダーセンサ1032との動作を示す図である。印刷位置の上限及び下限は、天地センターセンサ1031と天地エンコーダーセンサ1032との組み合わせによって検知され、標準位置は、天地センターセンサ1031によって検知されるようになっている。天地モータ1030の回転数は、エンコーダーセンサ1032の信号に基づきメイン基板により制御される。
【0019】
電源をONしたとき、印刷位置は、センサの状態により次のような動作を行うことによって、標準に戻されるようになっている。すなわち、天地センターセンサ1031が標準から下限の間を検知しているときは、天地モータ1030を正転させて標準位置に戻し、標準から上限の間を検知しているときは、天地モータ1030を逆転させて標準位置に戻すようになっている。
【0020】
図25は、重送検知センサ1013を示す斜視図である。重送検知センサ1013は、印刷用紙Pの重送を検知するものであり、用紙先端センサ1002の後部に設けられている。印刷用紙Pの重送が検知されると、操作パネルの表示部には、「重送を検知しました」と表示される。また、テープクラスターを装着していて重送したときは、テープの挿入を行うようになっている。なお、図25において、符号1002(T)は、用紙先端センサの発光PCBを示し、符号1002(R)は、用紙先端センサの受光PCBを示している。同様に、符号1013(T)は、重送検知センサの発光PCBを示し、符号1013(R)は、重送検知センサの受光PCBを示している。
【0021】
図26、図27は、給紙板1011の上限センサ1012を示す側面図である。給紙板(エレベータ)上限センサ1012は、給紙ローラ1003の給紙軸の上下動を検知することによって、印刷用紙Pの減少及び給紙板1011の上限を検出している。
【0022】
具体的に、給紙軸は片持ち状に支持されおり、給紙板1011が上昇し、印刷用紙Pが給紙ローラ1003を持ち上げると、給紙軸に取り付けられた給紙軸レバー(遮光板)1036が支点を中心として回転運動して上がり、上限センサ1012が通光状態となる(図26)。このように上限を検知すると給紙板1011の上昇が停止される。
【0023】
印刷が進行することによって給紙板1011上の印刷用紙Pが減少すると、給紙ローラ1003が下がり、上限センサ1012が遮光される(図27)。上限センサ1012が遮光されると通光状態になるまで給紙板1011を上昇させる。また、給紙板上昇指令が出てから2秒以内にエレベータエンコーダセンサ1005が、通光から遮光へ、又は、遮光から通光へ切り替わらない場合は、(エレベータロック)に係る表示をする。
【0024】
図28、図29は、給紙板1011の下限スイッチ1007を示す側面図である。給紙板1011の下限は、圧接コネクタスイッチからなる下限スイッチ1007によって検出される。図28に示すように、給紙板1011が上昇すると、該給紙板1011とともに上昇するブラケットが下限スイッチ1007のアクチュエータから離れ、該スイッチ1007がクローズとなり、図29に示すように、給紙板1011が下降してブラケットが下限スイッチ1007のアクチュエータを押すと(最下限に達すると)、該スイッチ1007がオープンとなり、エレベータモータ1006の駆動を停止する。給紙板下降指令が出てから2秒以内にエレベータエンコーダセンサ1005が、通光から遮光へ、又は、遮光から通光へ切り替わらない場合は、エレベータロックに係る表示をする。なお、符号1038は、エレベータモータ1006によって駆動され、給紙板1011を昇降させるためのギヤである。
【0025】
給紙板1011には、該給紙板1011上の印刷用紙Pの有無を検出する用紙有無(ペーパー)センサ1010が設けられている。図30、図31は、用紙有無センサ1010を示す側面図である。図31に示すように給紙板1011に印刷用紙Pがないときは、用紙有無センサ1010は通光し、該センサ1010がオープンとなり、操作パネルの表示部には「印刷用紙をセットして下さい」と表示される。図30に示すように、給紙板1011上に印刷用紙Pがあるときは、用紙有無センサ1010は遮光され、該センサ1010はクローズとなる。
【0026】
用紙有無センサ1010によって、印刷用紙Pが無いことを検出すると、製版、印刷、テスト印刷は動作しないようになっている。また、印刷中に印刷用紙Pがないことを検出すると、操作パネルの表示部に「印刷用紙をセットして下さい」と表示し、印刷を中止する。そして、給紙板1011を下限まで下降するようになっている。
【0027】
製版動作中に印刷用紙Pが無いことを検出すると、製版行程が終了するまで(印刷工程の直前まで)動作を継続し、その後停止する。この場合も、給紙板1011を下限まで下降するようになっている。
【0028】
図32は、エレベータモータ1006及びエレベータエンコーダセンサ1005を示す側面図である。エレベータモータ1006の回転は、エレベータエンコーダセンサ1005によって検出されるようになっている。エレベータ駆動信号が出てから2秒以内にエレベータエンコーダセンサ1005が、通光から遮光へ、又は、遮光から通光へ切り替わらないとき、エレベータロックに係る表示をするようになっている。
【0029】
図33〜図46は、給紙機構に係る第2の公知例を示す。
図33は、印刷装置の概略縦断面図であり、第2公知例の給紙機構についても、コーナー爪のない、紙サバキ2002及び給紙リング(給紙ローラ)2001によるセンター分離方式を採用している。印刷用紙Pは、給紙板バネによってローラに押し付けられる。給紙された印刷用紙Pは、タイミングロール(Tロール)2003とガイドロール(Gロール)2010とによって先端がドラム表面とプレスロール(Pロール)2004に挟まれる位置まで送り出される。その直後、ガイドロール2010が数mm上昇することによってタイミングロール2003とガイドロール2010の圧接が解除され、印刷用紙Pはドラム2008とプレスロール2004の周速で搬送される。印刷用紙Pの搬送状態は、プレスロールセンサによって検知され、給紙不良が生じた場合は、操作パネルの表示部に「カミヅマリヒダリガワ」と表示される。以下、各部の詳細について説明する。なお、図33において、符号2005は排版ローラ、2006は紙受板、2007は紙剥がし爪、2009はインクである。
【0030】
図34は、給紙ローラ2001の駆動部を示す側面図、図35は、給紙ローラ2001の軸部を示す正面断面図、図36は、給紙ソレノイド2016の拡大側面図である。図示しないメインモータが回転すると、給紙カム2014が回転し、給紙セグメント2015及びタイミング用セグメント2020が往復揺動を行ってピニオンギヤ2019を回転させるようになっている。
【0031】
図35に示すように、給紙ローラ2001の給紙軸2030は、ピニオンギヤ2019、ストッパーギヤ2018、逆止めギヤ(バネクラッチ)2027を介して回転する。図36に示すように、ソレノイド2016がオンし、ストップレバー2017がストッパーギヤ2018から離れた状態で給紙カム2014が回転すると、図34に示すように、給紙セグメント2015の往復揺動がピニオンギヤ2019に伝わり、逆止めギヤ2027(図35)の働きで、給紙軸2030(給紙ローラ2001)は一方向(給紙方向)のみ回転するようになっている。
【0032】
なお、図35において、符号2023は調整ワッシャ、符号2024はワッシャ、符号2025はEリング、符号2026はアングル、符号2028は軸受、符号2031はピニオン軸ユニット、符号2032は軸受である。
【0033】
図37は、タイミングロール2003の駆動部を示す分解斜視図である。タイミングロール2003は、ピニオンギヤ2019、逆止めギヤ(バネクラッチ)2037を介して回転するようになっている。すなわち、給紙カム2014が回転すると、タイミング用セグメント2020の往復運動がピニオンギヤ2019に伝わり、逆止めギヤ2037の働きでタイミングロール2003は一方向(搬送方向)のみ回転するようになっている。
【0034】
図38は、タイミングロール2003及びガイドロール2010の詳細を示す側面図である。図33に示すように、プレスロール2004はドラム2008に押し付けられており、印刷用紙Pがドラム2008とプレスロール2004とでしっかりとグリップされた後は、図38に示すように、エスケープカム2035の回転によりエスケープレバー2036を介してガイドロール2010がタイミングロール2003から離れる。このことをエスケープと称する。エスケープのタイミングは、印刷用紙Pがグリップされてから約10mm進む間に行われるが、タイミングが遅くなれば、印刷用紙Pは、2箇所でグリップされる時間が長くなり、したがって原紙の伸びやズレの原因となる。また、タイミングが早くなれば、印刷用紙Pがどこにもグリップされていない時間が生じるので、印刷用紙Pは不安定となる。
【0035】
図39は、給紙リング(給紙ローラ)2001による給紙の状態を示す概略側面図である。給紙リング2001のピニオンギヤ2019には給紙セグメントギヤ2015が噛み合っており、給紙セグメントギヤ2015の先端に取り付けたカムフォロア2040が給紙カム2014に当接している。したがって、給紙リング2001は、給紙カム2014の回転によって給紙セグメントギヤ2015が揺動運動することによって、所定の給紙量で印刷用紙Pをタイミングロール2003及びガイドロール2010へ向けて送り出す。
【0036】
給紙リング2001が印刷用紙Pを送り出すとき、ガイドロール2010は、タイミングロール2003に押し付けられて停止している。紙サバキ台2002からタイミングロール2003までの距離は約80mmとされているが、印刷用紙Pは給紙リング2001によって約95mm送り出されるため、紙サバキ台2002とタイミングロール2003との間にループLを形成する。これによって、印刷用紙Pの先端がタイミングロール2003とガイドロール2010との接点に押し付けられ、印刷用紙Pの斜行が矯正される。また、タイミングロール2003によって印刷用紙Pを送り出すときの負荷を減らして、スリップを最小限に抑えるようになっている。
【0037】
また、給紙セグメントギヤ2015にカムフォロア2040を取り付ける固定ナット2041を緩め、調整用長穴2042に沿ってカムフォロア2040を矢印方向c、dに移動させることによって、給紙量を調整することができる。カムフォロア2040を矢印c方向に移動させると、給紙量が少なくなり、矢印d方向に移動させると、給紙量が多くなるようになっている。
【0038】
なお、ループ量Aの適正値は、3〜20mmとされている(厚紙ほどスリップ量は大きくなり、ループ量は小さくなる)。給紙量が多すぎると、ループ量が大きくなり、腰の強い印刷用紙Pの場合は、給紙リング2001と給紙口上2043との間で跳ね上がり、「カミヅマリヒダリガワ」を表示させる原因となる。給紙量が少なすぎると、ループ量Aが少なくなるので、印刷用紙Pの斜行を矯正しきれなくなり、斜行、シワが生じやすくなる。また、タイミングロール2003が印刷用紙Pを送り出すときのスリップが大きくなるので、印刷位置のバラツキの原因となる。
【0039】
印刷機の図示しない操作パネルには、印刷位置キーが設けられており、印刷位置キーにより、ドラムに対する印刷用紙Pの給紙タイミングを変え、印刷位置を調整することが可能となっている。図40は、印刷位置調整の機構部分を示す斜視図である。操作パネルの印刷位置キーが押されると、リンク部材2045の支点2046が天地モータ2048によって移動され、リンク部材2045に取り付けてあるカムフォロア2049の位置が矢印e、f方向に変化する。これによってタイミングロール2003の駆動タイミングを変えることが可能である。具体的には、カムフォロア2049が矢印e方向に移動すると、タイミングローラ2003の駆動タイミングが早くなり、用紙送りタイミングが早くなって相対的に画像が後ろに移動する。逆に、カムフォロア2049が矢印f方向に移動すると、タイミングローラ2003の駆動タイミングが遅くなり、用紙送りタイミングが遅くなって相対的に画像が前に移動するようになっている。
【0040】
図40に示すように、天地モータ2048の回転は天地リミットセンサ2047によって検知され、リンク部材2045の支点2046の移動は天地センターセンサ2050によって検知されるようになっている。図41は、天地センターセンサ2050と、天地リミットセンサ2047との動作を示す図である。印刷位置の上限及び下限は、天地リミットセンサ2047と天地センターセンサ2050との組み合わせで検知され、標準位置は天地センターセンサ2050で検知されるようになっている。
【0041】
具体的には、天地センターセンサ2050が通光され、天地リミットセンサ2047が遮光されている場合は、印刷位置が標準位置と下限位置との間にあることが検知される。さらに、この状態から、天地リミットセンサ2047が、遮光から通光へのエッジを検出したときは、印刷位置が下限位置にあることが検出される。また、天地センターセンサ2050及び天地リミットセンサ2047が共に遮光されている場合、印刷位置が標準位置と上限位置との間にあることが検知される。さらに、この状態から、天地リミットセンサ2047が、遮光から通光へのエッジを検出したときは、印刷位置が上限位置にあることが検出されるようになっている。
【0042】
また、電源をオンしたとき、センサの状態によって次の動作を行い、印刷位置を標準に戻すようになっている。すなわち、印刷位置が標準位置と下限位置との間にある場合は、天地モータ2048を正転させて標準位置に戻し、標準位置と上限位置との間にある場合は、天地モータ2048を逆転させて標準位置に戻すようになっている。
【0043】
図42は、タイミングロール2003による用紙送出の有無を検出する機構を示す斜視図、図43は、同側面図である。図42に示すように、タイミングロール2003及びガイドロール2010の直後には、シグナルレバー2055が設けられており、シグナルレバー2055の軸の端部にはピンチレバー2053が取り付けられている。図43の左図に示すように、プレスローラ2004は、プレスレバー2054がピンチレバー2053によって規制されることによって、ドラム2008から下方に離れて配置されており、タイミングロール2003とガイドロール2010の間に印刷用紙Pが送られると、図43の右図に示すように、シグナルレバー2055が印刷用紙Pにより跳ね上げられ、ピンチレバー2053も一体的に跳ね上げられる。これにより、プレスレバー2054の規制が外れ、プレスローラ2004が上昇する。このような動作によって、印刷用紙Pが送り出されないときにプレスローラ2004がドラム2008に圧着しインクで汚れることを防止している。また、プレスローラ2004の上昇をプレスロールセンサ2052で検知することにより、間接的に給紙部から印刷部へ正常に印刷用紙Pが送り出されたかどうかを検出することができる。
【0044】
図44は、給紙板2062のセットの有無を検出する機構を示す側面図である。用紙セットレバー2057を下げると、リンク2058の先端が用紙セットスイッチ2059のアクチュエータを押し、給紙板2062がセットされていないことが検出される(用紙セットスイッチ2059がオープンとなる)ようになっている。用紙セットレバー2057を上げると、リンク2058が用紙セットスイッチ2059のアクチュエータから離れ、用紙セットスイッチ2059はクローズとなる。用紙セットスイッチ2059がオープンのとき、操作パネルの表示部には「ヨウシトレイセットミスデス」と表示され、印刷機は動作しないようになっている。
【0045】
給紙板2062には、印刷用紙Pの有無を検出する用紙有無スイッチ2060が設けられている。図45、図46は、用紙有無スイッチ2060の動作を示す側面図である。図45に示すように、給紙板2062上に印刷用紙Pがある場合には、レバー2061が用紙スイッチ2060を押し、該スイッチ2060はクローズとなる。逆に、図46に示すように、給紙板2062上に印刷用紙Pが無い場合は、用紙有無スイッチ2060からレバー2061が離れ、該スイッチ2060はオープンとなる。印刷用紙Pが無いことを検出すると、操作パネルの表示部に「インサツヨウシガアリマセン」と表示されるようになっている。
【0046】
印刷中に、印刷用紙Pが無いことを検出すると、操作パネルに「インサツヨウシガアリマセン」と表示され、印刷が停止する。製版動作中に、印刷用紙Pがないことを検出すると、製版行程が終了するまで(印刷工程の直前まで)動作を継続し、その後停止するようになっている。
【特許文献1】特公平3−71994号公報
【特許文献2】特許第2693164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0047】
上記構成の排版装置においては、排版原紙を、羽根車20によって確実に引き込み、ガイド65によってローラ33とローラ38との間の隙間へ確実に導き、巻芯43によって巻き取ることが、予定されている。しかしながら、現実には、羽根車20によって引き込まれた排版原紙の先端部が、羽根車20から離れないまま巻き上がり、ローラ33とローラ38との間の隙間へ導かれず、そのために、排版ジャムが生じるという不具合があった。
【0048】
本発明は、排版原紙を、羽根車によって巻き上げることなく、巻芯に向けて良好に搬送して巻芯によって巻き取ることができる、排版装置を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0049】
請求項1記載の発明は、使用済みの孔版原紙を、上下一対の引き込みローラによって、孔版装着体から引き込んで後方に搬送し、巻芯によって巻き取るようになっている、排版装置であって、下側の引き込みローラと巻芯との間に配置された第1巻き取りローラと、上側の引き込みローラと巻芯との間に配置され、且つ、第1巻き取りローラとの間に、巻芯へ通じる搬送隙間を有するよう配置された、第2巻き取りローラと、第1及び第2巻き取りローラと共に、巻芯を取り囲むように配置された、複数個の他の巻き取りローラと、巻芯を周囲から支持するように巻き取りローラ間に掛け渡され、巻き取りローラの回転と共に回動して巻芯を回転させる、支持用ベルト部材と、上下一対の引き込みローラと第1及び第2巻き取りローラとの間に配置され、搬送される上記孔版原紙を、上方にて規制して上記搬送隙間へ導くための、案内部材と、を備え、上側の引き込みローラが、軸方向の両端を含む複数箇所に、上記孔版原紙を掻き込むための羽根車を有している、排版装置において、下側の引き込みローラと第1巻き取りローラとの間に掛け渡され、両ローラ間に、上記孔版原紙の搬送面を構成している、搬送面用ベルト部材を備えており、案内部材が、少なくとも、上側の引き込みローラの軸方向両端に設けられた羽根車に隣接して軸方向内側に、設けられていることを特徴としている。
【0050】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、第1巻き取りローラと他の巻き取りローラとの間に掛け渡された支持用ベルト部材の伸縮強度が、他の支持用ベルト部材の伸縮強度に対して同等以下に設定されているものである。
【0051】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、羽根車及び案内部材が、それぞれ、軸方向の3箇所以上に設けられており、軸方向両端の羽根車以外の羽根車の羽根が、軸方向両端の羽根車の羽根に比して、柔軟であるものである。
【発明の効果】
【0052】
請求項1記載の発明によれば、排版原紙の先端部の特に両側部が上側の引き込みローラと第2巻き取りローラとの間で巻き上がってしまうのを、防止できる。それ故、排版原紙の先端部を、確実に搬送隙間内に送り込むことができる。したがって、排版原紙を、孔版装着体から剥ぎ取って巻芯に向けて良好に搬送することができる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、排版原紙の先端部を、第1支持用ベルト部材と巻芯との間の隙間に速やかに入り込ませることができる。したがって、巻芯の前方で排版ジャムが生じるのを防止でき、排版原紙を、巻芯によって確実に巻き取ることができる。
【0054】
請求項3記載の発明によれば、案内部材が、軸方向両端だけでなく、軸方向中央部にも、設けられているので、排版原紙の先端部の幅方向の両側を含む全体が巻き上がるのを、防止できる。また、羽根車が、軸方向両端だけでなく、軸方向中央部にも、設けられているので、排版原紙の先端部の幅方向の全体を、上下の引き込みローラの間に、確実に引き込むことができる。特に、軸方向中央部の羽根車の羽根が、軸方向両端の羽根車の羽根に比して、柔らかいので、排版原紙の先端部の幅方向中央部を羽根車によって確実に掻き込むことができる。したがって、請求項1記載の発明による効果をより良好に発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
図1は、本発明の排版装置、を備えた孔版印刷機の模式縦断面図である。この孔版印刷機10においては、孔版原紙100が、ロール11から供給され、製版装置2においてサーマルヘッド21により加熱穿孔されることによって製版され、印刷装置3へ給版される。給版されてきた孔版原紙100は、クランプ装置(図示せず)によって挟持されて、孔版装着体31に巻装される。一方、印刷用紙111が、給紙装置4によって印刷装置3へ給紙される。そして、印刷装置3では、押圧手段であるプレスローラ32によって印刷用紙111がローラ33に押し付けられ、孔版原紙100に基づいた印刷が行われる。印刷終了後、印刷された用紙111は、排紙装置5の排紙台51へ送られ、印刷に使用された孔版原紙(すなわち排版原紙)101は、排版装置6によって孔版装着体31から剥ぎ取られて巻芯63に巻き取られる。
【0056】
図2は上記排版装置6の模式縦断面拡大図、図3は図2の排版装置6の内部を示す上方斜視図である。排版装置6は、排版原紙101を、上下一対の引き込みローラ61、62によって、孔版装着体31から引き込んで後方(矢印X方向)に搬送し、巻芯63によって巻き取るようになっている。
【0057】
排版装置6は、ケーシング8内に、上下の引き込みローラ61、62と、巻芯63と、第1〜第5巻き取りローラ64、65、66、67、68と、第1〜第3支持用ベルト部材71、72、73と、搬送面用ベルト部材74と、を備えている。第1巻き取りローラ64は、下側の引き込みローラ61と巻芯63との間に配置されている。第2巻き取りローラ65は、上側の引き込みローラ62と巻芯63との間に配置され、且つ、第1巻き取りローラ64との間に、巻芯63へ通じる搬送隙間601を有するよう配置されている。第3〜第5巻き取りローラ66、67、68は、第1及び第2巻き取りローラ64、65と共に、巻芯63を取り囲むように配置されている。第1〜第3支持用ベルト部材71、72、73は、巻芯63を周囲から支持するように巻き取りローラ間に掛け渡され、巻き取りローラの回転と共に回動して巻芯63を回転させるようになっている。搬送面用ベルト部材74は、引き込みローラ61と第1巻き取りローラ64との間に掛け渡され、両ローラ61、64間に、排版原紙101の搬送面を構成している。
【0058】
図4は、第1〜第3支持用ベルト部材71、72、73及び搬送面用ベルト部材74の掛け渡された状態を示している。図4(a)は、引き込みローラ61と第1巻き取りローラ64と搬送面用ベルト部材74とを示している。引き込みローラ61は、軸611と長いローラ部612とからなっている。第1巻き取りローラ64は、軸641と4個の短いローラ部642とからなっている。そして、4本のベルト部材74が、ローラ部642とローラ部612との間に掛け渡されている。図4(b)は、第1巻き取りローラ64と第3巻き取りローラ66と第1支持用ベルト部材71とを示している。第3巻き取りローラ66は、軸661と4個の短いローラ部662とからなっている。そして、4本のベルト部材71は、ローラ部662とローラ部642との間にそれぞれ掛け渡されている。図4(c)は、第3巻き取りローラ66と第4巻き取りローラ67と第5巻き取りローラ68と第2支持用ベルト部材72とを示している。第4巻き取りローラ67は、軸671と4個の短いローラ部672とからなっている。第5巻き取りローラ68は、軸681と4個の短いローラ部682とからなっている。そして、4本のベルト部材72は、ローラ部662とローラ部672とローラ部682との間にそれぞれ掛け渡されている。図4(d)は、第4巻き取りローラ67と第5巻き取りローラ68と第2巻き取りローラ65と第3支持用ベルト部材73とを示している。第2巻き取りローラ65は、軸651と4個の短いローラ部652とからなっている。そして、4本のベルト部材73は、ローラ部672とローラ部682とローラ部652との間にそれぞれ掛け渡されている。
【0059】
なお、第1〜第3支持用ベルト部材71、72、73及び搬送面用ベルト部材74は、伸縮自在なスプリングベルトである。
【0060】
ケーシング8は、受体81と蓋体82とからなっている。蓋体82は、第2巻き取りローラ65及び第5巻き取りローラ68を支持しており、それらを支持したまま、軸821回りに回動して開閉するようになっている。図3は蓋体82を開いた状態を示している。
【0061】
図5は図2のV矢視部分図、図6は図5のVI−VI断面矢視図である。上側の引き込みローラ62は、軸621と、軸方向の複数箇所に設けられた短いローラ部622と、軸方向の複数箇所に設けられた羽根車91、92と、からなっている。羽根車91、92は、排版原紙101を掻き込むためのものである。羽根車91は、硬い羽根911を放射状に有しており、軸方向の両端部に設けられている。羽根車92は、羽根911よりは柔らかい羽根921を放射状に有しており、両端部の羽根車91の間に、3個設けられている。
【0062】
また、引き込みローラ61、62と第1及び第2巻き取りローラ64、65との間には、搬送される排版原紙101を上方にて規制して搬送隙間601へ導くための、案内部材95が、設けられている。案内部材95は、図6に示すように、軸950に固定されており、引き込みローラ62を上方から覆うとともに第2巻き取りローラ65のローラ部652へ向けて延びて先端部951の下面952が搬送隙間601内に位置するよう、設けられている。案内部材95は、軸方向に6個設けられている。
【0063】
そして、特に、本発明では、軸方向両端の案内部材95(特に95Aと付す)が、引き込みローラ62の軸方向両端の羽根車91に隣接して軸方向内側に、設けられている。
【0064】
更に、本発明では、第1支持用ベルト部材71の伸縮強度が、第2及び第3支持用ベルト部材72、73の伸縮強度と、同等以下に設定されている。
【0065】
上記構成の排版装置6は、次のように作動する。
用紙111への印刷が終了すると、図7に示すように、孔版装着体31の回転が停止し、クランプ装置35が引き込みローラ61、62に対向して位置する。次に、図8に示すように、クランプ装置35のクランプ部351が開くと、クランプ部351の先端部が引き込みローラ61、62の間に位置し、クランプ装置35にて挟持されていた排版原紙101の先端部が、羽根車91、92の羽根911、921によって引き込みローラ61、62の間に掻き込まれ、引き込みローラ61、62によって挟持される。そして、引き込みローラ61、62の回転に伴って、排版原紙101が孔版装着体31から剥ぎ取られていき、後方へ搬送されていく。
【0066】
ところで、引き込みローラ61、62によって後方へ搬送される排版原紙101は、その先端部が、羽根車91、92の羽根911、921に引っ掛けられて引き込みローラ62と第2巻き取りローラ65との間において巻き上げられようとする。しかしながら、本発明においては、図6に示すように、案内部材95が設けられているので、排版原紙101の先端部が、案内部材95の下面952に当接し、搬送隙間601内に案内される。特に、本発明では、軸方向両端に位置する案内部材95A、すなわち、引き込みローラ62の軸方向両端の羽根車91に隣接して軸方向内側に位置する案内部材95A、が設けられているので、排版原紙101の先端部の特に両側部が、図9に示すように巻き上がってしまうのを、図10に示すように防止できる。したがって、排版原紙101の先端部は、確実に搬送隙間601内に送り込まれ、排版原紙101は、搬送隙間601を通過する。
【0067】
なお、案内部材95は、軸方向両端だけでなく、軸方向中央部にも、設けられているので、排版原紙101の先端部は、幅方向の両側を含む全体が巻き上がるのが、防止される。また、羽根車91、92は、軸方向両端だけでなく、軸方向中央部にも、設けられているので、排版原紙101の先端部は、幅方向の全体が、引き込みローラ61、62の間に、確実に引き込まれる。特に、軸方向中央部の羽根車92の羽根921は、羽根車91の羽根911に比して、柔らかいので、排版原紙101の先端部の幅方向中央部が羽根車92によって確実に掻き込まれる。
【0068】
次に、搬送隙間601を通過した排版原紙101の先端部は、図6に示すように、第1巻き取りローラ64と第1支持用ベルト部材71と巻芯63との間に構成された隙間602へ入っていく。このとき、隙間602が大きいと、排版原紙101の先端部は、第1支持用ベルト部材71と巻芯63との間になかなか入り込んで行かないこととなり、そのために、第2巻き取りローラ65と第3支持用ベルト部材73と巻芯63との間に構成された隙間603の方へ入っていく。そうなると、排版原紙101が巻芯63によって巻き取られなくなり、排版ジャムが生じる。しかしながら、本発明では、第1支持用ベルト部材71の伸縮強度が、第2及び第3支持用ベルト部材72、73の伸縮強度に対して同等以下に設定されているので、巻芯63は、第1支持用ベルト部材71を撓ませるように第1支持用ベルト部材71に当接し、それにより、隙間602が小さく維持される。したがって、排版原紙101の先端部は、第1支持用ベルト部材71と巻芯63との間に速やかに入り込んでいくこととなる。よって、排版ジャムが防止される。
【0069】
以上のように、上記構成の排版装置6によれば、引き込みローラ62の軸方向両端の羽根車91に隣接して軸方向内側に案内部材95Aが設けられているので、排版原紙101の先端部が、引き込みローラ62と第2巻き取りローラ65との間で巻き上がってしまうのを、防止できる。また、第1支持用ベルト部材71の伸縮強度が、第2及び第3支持用ベルト部材72、73の伸縮強度に対して同等以下に設定されているので、排版原紙101の先端部を、第1支持用ベルト部材71と巻芯63との間の隙間602に速やかに入り込ませることができる。したがって、上記構成の排版装置6によれば、排版原紙101を、孔版装着体31から剥ぎ取って巻芯63に向けて良好に搬送して巻芯63によって巻き取ることができる。
【0070】
なお、上記構成の排版装置6は、図1に示すように印刷装置3が単胴式である場合だけでなく、図11又は図12に示すように印刷装置3が複胴式である場合にも、使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の排版装置は、排版ジャムを効果的に防止できるので、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の排版装置、を備えた孔版印刷機の模式縦断面図である。
【図2】本発明の排版装置の模式縦断面拡大図である。
【図3】図2の排版装置の内部を示す上方斜視図である。
【図4】図2の排版装置における第1〜第3支持用ベルト部材の掛け渡された状態を示す模式図である。
【図5】図2のV矢視部分図である。
【0073】
【図6】図5のVI−VI断面矢視図である。
【図7】本発明の排版装置の作動の最初の工程を示す縦断面拡大部分図である。
【図8】図7に続く工程を示す縦断面拡大部分図である。
【図9】従来の排版装置の作動の一工程を示す図であり、図5の拡大部分図に相当する図である。
【図10】本発明の排版装置の作動の一工程を示す図であり、図5の拡大部分図に相当する図である。
【0074】
【図11】本発明の排版装置を備えた孔版印刷機の別の第1例を示す模式縦断面図である。
【図12】本発明の排版装置を備えた孔版印刷機の別の第2例を示す模式縦断面図である。
【図13】第1の公知例に係る給紙機構の全体を示す斜視図である。
【図14】タイミングローラの駆動部を示す側面図である。
【図15】タイミングローラの駆動部を示す斜視図である。
【0075】
【図16】給紙ローラの駆動部を示す斜視図である。
【図17】ガイドローラの駆動部を示す斜視図である。
【図18】ガイドローラの駆動部を示す側面図である。
【図19】給紙ローラによって印刷用紙を送り出す様子を示す側面図である。
【図20】操作パネルの一部を示す平面図である。
【0076】
【図21】印刷位置調整機構の斜視図である。
【図22】画像に対する印刷用紙の位置を示す平面図である。
【図23】画像に対する印刷用紙の位置を示す平面図である。
【図24】天地センターセンサと天地エンコーダーセンサの動作を示す図である。
【図25】重送検知センサを示す斜視図である。
【0077】
【図26】給紙板の上限センサを示す側面図である。
【図27】給紙板の上限センサを示す側面図である。
【図28】給紙板の下限スイッチを示す側面図である。
【図29】給紙板の下限スイッチを示す側面図である。
【図30】用紙有無センサを示す側面図である。
【0078】
【図31】用紙有無センサを示す側面図である。
【図32】エレベータモータ及びエレベータエンコーダセンサを示す側面図である。
【図33】第2の公知例に係る印刷機の概略縦断面図である。
【図34】給紙ローラの駆動部を示す側面図である。
【図35】給紙ローラの軸部を示す正面断面図である。
【0079】
【図36】給紙ソレノイドの拡大側面図である。
【図37】タイミングロールの駆動部を示す分解斜視図である。
【図38】タイミングロール及びガイドロールの詳細を示す側面図である。
【図39】給紙リング(給紙ローラ)による給紙の状態を示す概略側面図である。
【図40】印刷位置調整の機構部分を示す斜視図である。
【0080】
【図41】天地センターセンサと天地リミットセンサとの動作を示す図である。
【図42】タイミングロールによる用紙送出の有無を検出する機構を示す斜視図である。
【図43】タイミングロールによる用紙送出の有無を検出する機構を示す側面図である。
【図44】給紙板のセットの有無を検出する機構を示す側面図である。
【図45】用紙有無スイッチの動作を示す側面図である。
【図46】用紙有無スイッチの動作を示す側面図である。
【符号の説明】
【0081】
101 排版原紙(使用済みの孔版原紙) 31 孔版装着体 6 排版装置 601 搬送隙間 61、62 引き込みローラ 63 巻芯 64〜68 第1〜第5巻き取りローラ 71〜73 第1〜第3支持用ベルト部材 74 搬送面用ベルト部材 91、92 羽根車 911、921 羽根 95、95A 案内部材

【出願人】 【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康

【識別番号】100065259
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 忠孝


【公開番号】 特開2008−49577(P2008−49577A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−227599(P2006−227599)