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【発明の名称】 輪転孔版印刷機および輪転孔版印刷機の排紙ベルトの周速制御方法
【発明者】 【氏名】▲ところ▼津 誠

【要約】 【課題】輪転孔版印刷機において、排紙ベルトの周速を版胴の周速に対応して適切に制御する。

【構成】版胴20とプレスローラー22との間を通過して印刷された用紙を、排紙ベルト30で吸着して紙受台40まで搬送する輪転孔版印刷機1において、版胴20の周速が所定の基準周速より遅いときには、基準周速より若干速い周速で排紙ベルト30を駆動する。版胴20の周速が基準周速より速いときには、版胴20の周速より若干速い周速で排紙ベルト30を駆動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
版胴(20)とプレスローラー(22)との間を通過して印刷された用紙を、排紙ベルト(30)で吸着して排出する輪転孔版印刷機(1)において、上記版胴(20)の周速が所定の基準周速より遅いか等しいときには、該基準周速に大略等しい周速で上記排紙ベルト(30)を駆動する一方、上記版胴(20)の周速が上記基準周速より速いときには、上記版胴(20)の周速に大略等しい周速で上記排紙ベルト(30)を駆動する、輪転孔版印刷機の排紙ベルトの周速制御方法。
【請求項2】
版胴(20)とプレスローラー(22)との間を通過して印刷された用紙を、排紙ベルト(30)で吸着しながら搬送して排出する輪転孔版印刷機(1)において、上記版胴(20)の周速を検出する版胴周速検出手段(8)と、該版胴周速検出手段(8)が検出した上記版胴(20)の周速と所定の基準周速との大小を比較する比較手段(2)と、上記版胴(20)の周速(29a〜29d)が上記基準周速より遅いか等しいと上記比較手段(2)が判断したときには、上記基準周速に大略等しい周速(39a)を設定する一方、上記版胴(20)の周速(29e,29f)が上記基準周速より速いと上記比較手段(2)が判断したときには、上記版胴(20)の周速(29e,29f)に大略等しい周速(39e,39f)を設定する周速設定手段(2)と、該周速設定手段(2)によって設定された周速で、上記排紙ベルト(30)を駆動する排紙ベルト駆動手段(36)とを備えたことを特徴とする、輪転孔版印刷機。
【請求項3】
版胴(20)とプレスローラー(22)との間を通過して印刷された用紙を、排紙ベルト(30)で吸着しながら搬送して排出する輪転孔版印刷機(1)において、上記版胴(20)の最高周速(29f)より低い一定の周速(39a)で上記排紙ベルト(30)を駆動することができる第1の駆動手段と、上記版胴(20)の周速(29e,29f)と大略等しい周速(39e,39f)で上記排紙ベルト(30)を駆動することができる第2の駆動手段と、上記排紙ベルト(30)を駆動するとき、該搬送ベルト(30)をより速い周速で駆動する上記第1または第2の駆動手段を選択する駆動選択手段とを備えたことを特徴とする、輪転孔版印刷機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、輪転孔版印刷機および輪転孔版印刷機の排紙ベルトの周速制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図1の正面略図に示す輪転孔版印刷機1では、版胴20とプレスローラー22との間を通過してその上面に印刷された用紙は、その下面が排紙ベルト30に吸着されながら搬送され、紙受台40に排出されるようになっている。この輪転孔版印刷機1では、排出された用紙は、紙受台40のガイド板42に当たり、用紙先端が揃った状態で紙受台40上に重ねられるようになっている。一般には、排紙ベルト30の周速は、版胴20の周速より若干速く設定される。排紙ベルト30は、版胴20と同一の駆動源で駆動され、版胴20の周速に対して一定割合で増速される場合と、専用の駆動源によって一定周速で駆動される場合とがある。
【0003】
ところで、印刷開始直後には、版胴20に装着された孔版原紙にインクが十分に馴染んでいないため、印刷かすれが生じないように版胴20を非常にゆっくりと回転して印刷する必要がある。このとき、版胴20の周速に対して一定の割合で増速する場合には、排紙ベルト30の周速が遅くなりすぎ、印刷された用紙は、排紙ベルト30から用紙が勢いよく排出されないので、紙受台40のガイド板42に当たらない。そのため、紙受台40上の印刷済み用紙の重なりが不揃いとなる。
【0004】
一方、排紙ベルト30を一定周速で駆動する場合には、排紙ベルト30の周速は、版胴20の最高周速よりも若干高速に設定し、常に版胴20の周速より速くなるようにしておく必要がある。この場合には、紙受台40上の印刷済み用紙の不揃いは生じないが、印刷時の騒音が常に大きくなる。また、柔らかい用紙では紙受台40のガイド板42に当たって折れ曲がる等の不都合が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、排紙ベルトの周速を版胴の周速に対応して適切に制御する輪転孔版印刷機および輪転孔版印刷機の排紙ベルトの周速制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するため、本発明は、以下の輪転孔版印刷機の排紙ベルトの周速制御方法を提供する。
【0007】
第1の態様の輪転孔版印刷機は、版胴とプレスローラーとの間を通過して印刷された用紙を、排紙ベルトで吸着して排出するタイプのものである。この輪転孔版印刷機において、上記版胴の周速が所定の基準周速より遅いか等しいときには、この基準周速に大略等しい周速(好ましくは、上記基準周速より若干速い周速)で上記排紙ベルトを駆動する。一方、上記版胴の周速が上記基準周速より速いときには、上記版胴の周速に大略等しい周速(好ましくは、上記版胴周速より若干速い周速)で上記排紙ベルトを駆動する。
【0008】
本発明は、上記方法を実施することができる種々の態様の輪転孔版印刷機を提供する。
【0009】
第2の態様の輪転孔版印刷機は、版胴周速検出手段と、比較手段と、周速設定手段と、排紙ベルト駆動手段とを備える。上記版胴周速検出手段は、上記版胴の周速を検出する。上記版胴周速検出手段は、版胴の周速を直接検出するものであっても、また、版胴の周速の設定値を検出するものであってもよい。上記比較手段は、上記版胴周速検出手段が検出した上記版胴の周速と所定の基準周速との大小を比較する。上記周速設定手段は、上記版胴の周速が上記基準周速より遅いか等しいと上記比較手段が判断したときには、上記基準周速に大略等しい周速を設定する一方、上記版胴の周速が上記基準周速より速いと上記比較手段が判断したときには、上記版胴の周速に大略等しい周速を設定する。上記ベルト駆動手段は、上記周速設定手段によって設定された周速で、上記排紙ベルトを駆動する。
【0010】
第3の態様の輪転孔版印刷機は、第1の駆動手段と、第2の駆動手段と、駆動選択手段とを備える。上記第1の駆動手段は、上記版胴の最高周速より低い一定周速で上記排紙ベルトを駆動することができる。上記第2の駆動手段は、上記版胴の周速と大略等しい速度で上記排紙ベルトを駆動することができる。上記駆動選択手段は、上記排紙ベルトを駆動するとき、この搬送ベルトをより速い周速で駆動する上記第1または第2の駆動手段を選択する。
【発明の効果】
【0011】
第1の態様の輪転孔版印刷機によれば、排紙ベルトは、基準周速に大略等しい周速よりも遅い周速では駆動されないので、印刷済み用紙の不揃いが生じないようにすることができる。また、版胴の周速が基準周速より速いときにのみ、排紙ベルトは版胴の周速に応じて高速化されるので、版胴が低速で駆動されるときには、排紙ベルトによる騒音が小さくなる。
【0012】
したがって、排紙ベルトの周速を版胴の周速に対応して適切に制御することができる。
【0013】
第2の態様の輪転孔版印刷機によれば、排紙ベルトは、版胴の周速が基準周速より遅いか等しいときには、大略基準周速に等しい周速で駆動され、版胴の周速が基準周速より速いときには、大略版胴の周速に等しい周速で駆動される。上記構成によれば、ソフトウエアにより排紙ベルト駆動手段を制御して、版胴の周速に応じて排紙ベルトを駆動することができる。
【0014】
第3の態様の輪転孔版印刷機によれば、排紙ベルトは、版胴の周速が基準周速より遅いか等しいときには、第1の駆動手段により大略基準周速に等しい周速で駆動され、版胴の周速が基準周速より速いときには、第2の駆動手段により大略版胴の周速に等しい周速で駆動される。上記構成によれば、機械的な構成のみによって、版胴の周速に応じて排紙ベルトを駆動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図1〜図3に示した本発明の一実施形態に係る輪転孔版印刷機1について詳細に説明する。
【0016】
輪転孔版印刷機1は、図1に示すように、版胴20の両側に、印刷するための用紙18を載置する給紙台10と、印刷済み用紙を回収するための紙受台40とを有する。
【0017】
給紙台10は、版胴20側端部に給紙リング12とさばき板13とが設けられ、給紙台10から用紙18を1枚ずつ版胴20側に送り出すようになっている。給紙台10と版胴20との間には、一対のタイミングローラー14が設けられている。給紙台10から送られた用紙は、その先端がタイミングローラー14の接線に当接し、タイミングローラー14が版胴20の回転に対応した所定のタイミングで回転することによって、傾くことなく版胴20とプレスローラー22との間に送り出される。タイミングローラー14の直前には、用紙の通過を検出する用紙通過センサ17(図2参照)が設けられていている。
【0018】
版胴20の外周面には、製版部21によって製版された孔版原紙が自動的に装着される。また、原紙回収部29によって、版胴20から孔版原紙が自動的に取り外されて回収されるようになっている。版胴20の下には、適宜に昇降するプレスローラー22が配置されている。版胴20の内部には、版胴20の内周面に接するインクローラー24が配置され、インクモーター25(図2参照)によって供給されたインクを版胴20の内周面に塗布するようになっている。プレスローラー22は、タイミングローラー14から送られた用紙が版胴20とプレスローラー22との間を通るときに上昇し、用紙を版胴20の孔版原紙に押し当てる。これによって、用紙に印刷される。
【0019】
版胴20と紙受台40との間には、排紙ベルト30が設けられている。排紙ベルト30は、排紙ファン32(図2参照)の吸引によって、印刷済み用紙をベルト面に吸着するようになっている。排紙ベルト30への用紙吸着を促進するため、排紙ベルト30の上方には、トップブローファン34(図2参照)からエアーが供給されるようになっている。
【0020】
紙受台40には、用紙搬送方向46に直交するガイド板42が設けられ、排紙ベルト30から排出された用紙は、その先端がガイド板42に当たり、揃った状態で紙受台40上に重なるようになっている。また、紙受台40には、用紙搬送方向46に延在し、用紙の両側面を揃える一対のガイド板44も設けられている。
【0021】
この印刷機1は、図2のブロック図に示すように、印刷機1の動作を制御するCPU2には、ROM4と、RAM5と、電源6と、メインモーター26と、排紙ベルトモーター36と、給紙ソレノイド16と、インクモーター25と、排紙ファン32と、トップブローファン34と、メインモーター26の速度制御のためのメインモーターエンコーダー27と、排紙ベルトモーター36の速度制御のための排紙ベルトモーターエンコーダー37と、用紙通過センサ17と、印刷速度設定手段8とが接続されている。
【0022】
メインモーター26は、給紙リング12とタイミングローラー14と版胴20を駆動する。給紙ソレノイド16は、不図示のクラッチを嵌脱して、給紙リング12およびタイミングローラー14へメインモーター26からの回転を伝達または中断する。排紙ベルトモーター36は、排紙ベルト30を独立して駆動する。印刷速度設定手段8は、具体的には、たとえば印刷機1の不図示の操作パネルであり、印刷速度の設定値をCPU2に伝達する。
【0023】
CPU2は、図3のグラフ図に示すように、印刷速度設定手段8によって設定された設定速度に対応して、版胴20および排紙ベルト30の周速を設定する。すなわち、設定速度は、印刷速度設定手段8によって超低速〜第5速(最高速度)までの6段階の速度が設定される。CPU2は、版胴20については、設定速度に対応した周速29a〜29fを設定する。一方、排紙ベルト30について、CPU2は、設定速度が超低速〜第3速のときには、第3速に対応する版胴20の周速29dより若干速い周速39aを設定する。また、第4速および第5速のときには、それぞれの設定速度に対応する版胴20の周速29e,29fより若干速い周速39e,39fを設定する。
【0024】
このように、中程度の印刷速度である第3速を基準に排紙ベルト30の周速を設定することによって、中程度の印刷速度よりも遅いか等しい超低速〜第3速においても、排紙ベルト30の周速は中程度39aであるので、印刷済み用紙は、中程度の速度で排紙ベルト30から排出され、紙受台40のガイド板42に当たって紙受台40上に揃った状態で重ねられる。また、排紙ベルト30の周速は、印刷速度が中程度よりも速い第4速および第5速のときにだけ比較的高速39e,39fとなり、それ以外のときには比較的低速39aであるので、高速印刷時以外での騒音を小さくすることができる。具体的には、上記の基準となる中程度の印刷速度、すなわち第3速は、毎分20〜80枚、好ましくは30〜60枚である。印刷速度がこの中程度の印刷速度より遅いか等しいときの排紙ベルト30の周速39aは、毎分17〜34mである。
【0025】
したがって、排紙ベルト30の周速を版胴20の周速に対応して適切に制御することができる。
【0026】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。たとえば、排紙ベルトモーター36を一定速度で駆動して第1の駆動手段を構成し、メインモーター26により版胴20の周速に対して一定割合で増速した周速で排紙ベルト30を駆動する別の第2の駆動手段を設け、各駆動手段からの駆動力をそれぞれワンウェイクラッチ(駆動選択手段)を介して排紙ベルト30に伝達し、より速く排紙ベルト30を駆動する方の駆動手段によって排紙ベルト30を駆動するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来例および本発明の一実施形態の輪転孔版印刷機の正面略図である。
【図2】本発明の一実施形態の輪転孔版印刷機のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の輪転孔版印刷機の周速のグラフ図である。
【符号の説明】
【0028】
1 輪転孔版印刷機
2 CPU(比較手段、周速設定手段)
4 ROM
5 RAM
6 電源
8 印刷速度設定手段(版胴周速検出手段)
10 給紙台
12 給紙リング
13 さばき板
14 タイミングローラー
16 給紙ソレノイド
17 用紙通過センサ
18 用紙
20 版胴
21 製版部
22 プレスローラー
24 インクローラー
25 インクモーター
26 メインモーター
27 メインモーターエンコーダー
28 原紙回収部
29a〜29f 周速
30 排紙ベルト
32 排紙ファン
34 トップブローファン
36 排紙ベルトモーター(排紙ベルト駆動手段)
37 排紙ベルトモーターエンコーダー
39a,39e,39f 周速
40 紙受台
42,44 ガイド板
46 用紙搬送方向 2
【出願人】 【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
【出願日】 平成19年7月31日(2007.7.31)
【代理人】 【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二

【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄

【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫

【識別番号】100115934
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 雅也


【公開番号】 特開2008−1109(P2008−1109A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−198694(P2007−198694)