| 【発明の名称】 |
インクジェット記録装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉川 宏和
【氏名】浜▲崎▼ 雄司
【氏名】川床 徳宏
|
| 【要約】 |
【課題】記録装置の使用環境あるいはユーザの取り扱いに応じた適切なメンテナンス動作が簡単に選択できるように構成したインクジェット式記録装置を安価で提供すること。
【構成】ヘッドの自動メンテナンス動作の頻度設定を、複数の選択肢から1つ以上選択可能となるように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印字デ−タに基づく駆動信号によってインク滴を吐出し、記録用紙に対して印字を行うインクジェット記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するワイピング手段と、前記記録ヘッドに印字とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させる予備吐出手段と、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるキャッピング手段と、前記キャッピング手段の内部空間に負圧を作用させることで、前記記録ヘッドからインクを吸引排出させる吸引手段とを備え、 前記記録ヘッドの自動メンテナンス動作の頻度設定を、複数の選択肢から1つ以上選択可能となるように構成したことを特徴とするインクジェット記録装置。 【請求項2】 前記メンテナンス動作の1つは、少なくとも前回のメンイナンス動作の実行からの経過時間ないしインク吐出数に応じて実行される定期メンテナンス動作であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 【請求項3】 前記経過時間ないしインク吐出数の閾値は前記選択肢により設定され、前期選択肢に応じて自動的に実行されるようになされることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 【請求項4】 前記定期メンテナンス動作は、前記吸引動作、前記ワイピング動作、前記予備吐出動作、前記キャッピング動作、のいずれか、ないし複数一連の動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 【請求項5】 前記複数の選択肢は、ユーザの使用頻度の高低から選択可能となるように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のインクジェット記録装置。 【請求項6】 前記複数の選択肢は、ユーザの使用環境温度の高低から選択可能となるように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のインクジェット記録装置。 【請求項7】 前記複数の選択肢は、ユーザの使用環境湿度の高低から選択可能となるように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のインクジェット記録装置。 【請求項8】 前記複数の選択肢は、ユーザの使用頻度の高低およびユーザの使用環境温度の高低およびユーザの使用環境湿度の高低から1つ以上選択可能となるように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のインクジェット記録装置。 【請求項9】 前記複数の選択肢操作が、ホストコンピュータに搭載されたプリンタドライバのユーティリティ上において実行されるように構成され、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が低いものが選択された場合は、ユーザに印字中吐出されない可能性があることを促す報知手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載のインクジェット記録装置。 【請求項10】 前記複数の選択肢操作が、ホストコンピュータに搭載されたプリンタドライバのユーティリティ上において実行されるように構成され、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が高いものが選択された場合は、ユーザにインクタンク交換数が多いことを促す報知手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載のインクジェット記録装置。 【請求項11】 前記複数の選択肢操作が、ホストコンピュータに搭載されたプリンタドライバのユーティリティ上において実行されるように構成され、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が低いものが選択された場合は、ユーザに印字中吐出されない可能性があることを促す報知手段を備え、また、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が高いものが選択された場合は、ユーザにインクタンク交換数が多いことを促す報知手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載のインクジェット記録装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、インクジェット記録装置に関し、特に高画質記録を可能としたシリアル走査型インクジェット記録装置において、記録ヘッドからのインク滴の吐出機能を回復させるメンテナンス動作においてなされるインク排出処理の制御技術に関する。 【背景技術】 【0002】 インクジェット式記録装置における記録ヘッドは、インクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印字を行う関係上、ノズル開口からのインク溶媒(例えば水分)の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより正常なインク吐出が損なわれ、印字不良を起こすという問題を抱えている。 【0003】 このために、この種の記録装置には、非印字時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するワイピング手段を備えている。前記キャッピング手段は、記録装置の休止中において記録ヘッドにおけるノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合などには、キャッピング手段によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引排出させてノズル開口の目詰まりを解消させるメンテナンス機能としての働きも担っている。 【0004】 記録ヘッドの目詰まり解消のために行う強制的なインクの吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれており、例えば記録装置の長時間の休止後に印字を再開する場合に自動的に実行されるようになされる。これを定期クリーニングと称している。また、前記定期クリーニングとは別に、ユーザが印字不良を認識してクリーニングスイッチを操作した場合などにも実行され、これをマニュアルクリーニングと称している。 【0005】 さらに、インクカートリッジを交換した場合においても自動的に記録ヘッドよりインクの吸引排出処理が実行され、これによりカートリッジ交換に伴う衝撃等により記録ヘッドのノズル開口において破壊されたインクのメニスカスを回復させるようになされる。これをタンク交換クリーニングと称している。 【0006】 また、記録ヘッドに印字とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるメンテナンス手段も備えており、これは予備吐出と呼ばれ、例えば印字動作中にインク滴の吐出の機会が少ないノズル開口におけるインクの増粘による目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行される。また、クリーニング操作に伴うワイピング動作等で、記録ヘッドのノズル開口近傍に不揃いのメニスカスが発生した場合にこれを回復させる手段として前記予備吐出が実行されるようにもなされている。 【0007】 ところで、前記のような印字不良を起こす現象は、装置が置かれる周囲の環境により、また、ユーザの使用状況により、程度にバラツキが生じる。例えば湿度の高い環境で使用するとインクの水分蒸発が遅く増粘しにくいが、反対に湿度の低い環境では水分蒸発が早く、増粘しやすい。また、記録装置を長時間休止させることなく使用するユーザにとっては、前記定期クリーニングをさせる必要性がない場合もある。 【0008】 そこで、前記記録ヘッドからインクを吸引排出させる定期クリーニングとしてメンテナンス動作が自動的に実行される第1モードと、前記メンテナンス動作が自動的に実行されるのを禁止する第2モードとが選択可能となるように構成したインクジェット式記録装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。この特許文献1に示されるような装置では、記録装置の設置環境またはユーザのインクカートリッジの交換時の取り扱い方に応じて記録ヘッドのメンテナンス処理の動作モードが変更されるようになっている。 【0009】 また、電源供給停止期間と使用環境の絶対湿度によって変化するノズル開口付近の液体の粘度に応じた適切なメンテナンス動作を自動的に実行することができるように構成したインクジェット式記録装置が提案されている(例えば、下記の特許文献2参照。)。この特許文献2に示されるような装置では、電源供給停止期間の判定手段や絶対湿度判定手段、判定結果に基づいて動作モードを決定する動作決定手段を備え、より使用環境に適したメンテナンス動作を実行することができるようになっている。 【特許文献1】特開2003−182052号公報 【特許文献2】特開2005−225214号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 しかしながら、前記特許文献1に示すような装置では、ユーザが自分でメンテナンス処理を実行する時期を判断し、メンテナンス処理を実行する場合には第1モードに変更してメンテナンス動作が自動的に実行されるようにする必要がある。また、ユーザが自分で判断してメンテナンス動作を実行させても、ユーザがインクの乾燥度合いを正確に把握できるものではなく、インクの乾燥度合いと選択したメンテナンス動作にアンバランスが生じやすく、実行したメンテナンス動作では目詰まりが十分に回復しなかったり、必要以上のメンテナンス動作を実行させることによりインクを無駄に消費させてしまうことになる場合が多い。 【0011】 また、前記特許文献2に示すような装置では、電源供給停止期間の判定手段や絶対湿度判定手段、判定結果に基づいて動作モードを決定する動作決定手段といった設備により、記録装置自体のコストがかかってしまい、安価な装置には向かない。 【0012】 本発明は、記録装置の使用環境あるいはユーザの取り扱いに応じた適度なメンテナンス動作がユーザ側で簡単に選択できるように構成したインクジェット記録装置を安価で提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 前記目的を達成すべく、本発明は、印字デ−タに基づく駆動信号によってインク滴を吐出し、記録用紙に対して印字を行うインクジェット記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するワイピング手段と、前記記録ヘッドに印字とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させる予備吐出手段と、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるキャッピング手段と、前記キャッピング手段の内部空間に負圧を作用させることで、前記記録ヘッドからインクを吸引排出させる吸引手段とを備え、前記記録ヘッドの自動メンテナンス動作の頻度設定を、複数の選択肢から1つ以上選択可能となるように構成した点に特徴を有す。 【0014】 この場合、前記メンテナンス動作の1つは、好ましくは少なくとも前回のメンイナンス動作の実行からの経過時間ないしインク吐出数に応じて実行される定期メンテナンス動作であり、前記経過時間ないしインク吐出数の閾値は前記選択肢により設定され、前期選択肢に応じて自動的に実行されるようになされる。 【0015】 前記定期メンテナンス動作は、前記吸引動作、前記ワイピング動作、前記予備吐出動作、前記キャッピング動作、のいずれか、ないし複数一連の動作を行うことが望ましい。 【0016】 前記複数の選択肢は、ユーザの使用頻度の高低から選択可能となるように構成されるのが望ましい。または、前記複数の選択肢は、ユーザの使用環境温度の高低から選択可能となるように構成されるのが好ましい。または、前記複数の選択肢は、ユーザの使用環境湿度の高低から選択可能となるように構成されるのが望ましい。 【0017】 さらには前記複数の選択肢は、ユーザの使用頻度の高低およびユーザの使用環境温度の高低およびユーザの使用環境湿度の高低から1つ以上選択可能となるように構成されるのが望ましい。 【0018】 そして、前記複数の選択肢操作が、好ましくはホストコンピュータに搭載されたプリンタドライバのユーティリティ上において実行されるように構成される。 【0019】 一方、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が低いものが選択された場合は、ユーザに印字中吐出されない可能性があることを促す報知手段を備えることが望ましい。また、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が高いものが選択された場合は、ユーザにインクタンク交換数が多いことを促す報知手段を備えることが望ましい。 【0020】 この場合、好ましくは前記報知手段が、ホストコンピュータに搭載されたプリンタドライバのユーティリティ上において構築され、メッセージがホストコンピュータに接続されたディスプレイにおいてなされるように構成される。 【発明の効果】 【0021】 本発明によれば、ユーザ自身が記録装置の使用環境あるいはユーザの記録装置の取り扱い方を選択することで、適度なメンテナンス動作を実行するよう設定され、しかも電源供給停止期間の判定手段や絶対湿度判定手段といったものが必要ないため、インクジェット記録装置を安価で提供することができる。また、ユーザの選択肢によっては、全て自動的にメンテナンス処理が実行される従来の記録装置に比較して、メンテナンス処理に伴うインクの消費を抑制させることができ、ランニングコストを低減させることが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。 【0023】 図1は本実施形態で適用するインクジェット記録装置を、その外装部を取り外して内部機構を露出させた状態で示す斜視図である。本実施形態における記録装置本体は、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、クリーニング部および外装部などを有している。以下、各部の構成、作用を順次説明する。 【0024】 給紙部は圧板M2010上に積載された記録媒体を1枚ずつ分離してプラテンM3040側へと送給する機構を有する。用紙搬送部は、送給された記録媒体を記録ヘッドによる記録領域に向けて挟持搬送する搬送ローラM3060とこれに対向して設けられたピンチローラM3070とからなるローラ対、搬送ローラM3060の駆動源となる搬送モータE0002などを有する。排紙部は、記録媒体を記録領域から排出させるための排紙ローラM3110およびこれと協働する複数の拍車ローラ等を有する。 【0025】 キャリッジ部は、記録ヘッドを取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持され、ガイドシャフトM4020は、記録媒体の搬送方向(Y方向)に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。 【0026】 上記構成において記録媒体に画像を形成する場合、その画像の行方向への記録位置は、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送することによって位置決めする。また、画像の列方向への位置に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドを目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドは、電気制御基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドについての詳細な構成は後述するが、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドにより記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に移動する主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していくようになっている。 【0027】 クリーニング部は、記録ヘッドのクリーニングを行うためのポンプM5000および記録ヘッドの乾燥を抑えるためのキャップM5010を含む吸引回復部および、記録ヘッドの吐出面をワイピングするためのブレードM5020を含む払拭部などから構成されている。 【0028】 クリーニング部には、専用のクリーニングモータE0003が配されている。クリーニングモータE0003には、ワンウェイクラッチ(不図示)が設けられており、一方向への回転でポンプが作動し、他方向への回転ではキャップM5010の昇降すなわち記録ヘッドの吐出面を開閉する動作と、ブレードM5020の移動すなわち記録ヘッドの吐出面を払拭する動作とを連続的に行うことが可能となっている。 【0029】 ポンプコロがキャップM5010に接続されたインク排出用チューブをしごくことによって負圧が発生させるように構成された、チューブポンプの形態を有する。すなわち、キャップM5010を記録ヘッドの吐出面に密着させた状態でポンプM5000を作動させると、記録ヘッドからはインク吐出口を介してインク等が吸引されるようになっている。 【0030】 キャップM5010の内側部分には、吸引後に記録ヘッドの吐出面に残るインクを低減するためにの吸収体が設けられている。また、吸引後にキャップM5010に残るインクを除去し、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないようにするために、キャップM5010を開けた状態すなわちキャップM5010を大気開放した状態でポンプM5000を作動させることで、キャップM5010内の残インクを吸引するようにしている。なお、ポンプM5000によって吸引されたインクは廃インクとなり、装置底部または背面部など適宜の部位に設けた廃インク吸収体(不図示)に吸収され、ここに保持される。 【0031】 キャップM5010が下降すなわち記録ヘッドの吐出面から離脱すると、これによって開放された吐出面直下の空間を利用して、ブレードM5020がキャリッジM4000の走査方向に垂直に移動し、記録ヘッドの吐出面を払拭する。ブレードM5020は、記録ヘッドH1001のノズル近傍をワイピングするものと、吐出面全体をワイピングするものと、複数設けられている。そして、キャリッジM4000が、一番奥に移動した際には、ブレードクリーナーM5060に当接することにより、ブレードM5020自身へ付着したインクなども除去することができる構成になっている。 【0032】 次に本実施形態における制御系について説明する。 【0033】 図2は、本発明の実施形態における制御系の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。 【0034】 本実施形態で適用する記録装置では、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015、フロントパネルE0106等によって構成されている。 【0035】 ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。 【0036】 キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4000に搭載されたプリント基板ユニットであり、ヘッドコネクタ E0101を通じて記録ヘッドH1001との信号の授受を行うインターフェイスとして機能する。また、キャリッジM4000の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づいて、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、さらにその出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。キャリッジ基板E0013には、周囲温度温度を検出するためのサーミスタなどの温度センサや所要の光学センサが設けられている。これらのセンサ(OnCR)E0102により得られる情報は、記録ヘッドカートリッジH1000に設けた温度センサ(不図示)からのヘッド温度情報と共に、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力される。 【0037】 メインPCB E0014は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、その基板上には、図9について説明する吸引回復動作制御を含め、各種制御を行う制御手段としてのCPUおよびそのCPUが実行するプログラムを格納したROMなどを有する。また、メインPCB E0014は、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、Automatic Sheet Feeder(ASF)センサE0009、カバーセンサE0022およびホストインタフェース(ホストI/F)E0017を有している。また、キャリッジM4000を主走査させるための駆動源となるキャリッジモータE0001、記録媒体を搬送するための駆動源となるLFモータE0002、記録ヘッドH1001の回復動作の駆動源となるモータE0003、記録媒体の給紙動作の駆動源となるASFモータE0105など各種モータと接続されて各機能の駆動を制御している。さらに、インクエンプティセンサ、メディア(紙)判別センサ、キャリッジ位置(高さ)センサ、LFエンコーダセンサ、PGセンサのような各種オプションユニットの装着や動作状態を示す様々なセンサ信号E0104を受信するとともに、各種オプションユニットの駆動制御を行うために、オプション制御信号E0108を出力する。また、メインPCB E0014は、CRFFC E0012、電源ユニットE0015およびフロントパネルE0106とそれぞれ接続し、パネル信号E0107によって情報のやり取りを行うための、インターフェイスを有している。 【0038】 フロントパネルE0106は、ユーザ操作の利便性のために、記録装置本体の正面に設けたユニットであり、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、さらにデジタルカメラ等の周辺デバイスとの接続に用いるデバイスI/F E0100を有している。 【0039】 図3は、メイン基板E1004の内部構成を示すブロック図である。 【0040】 図において、E1102はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。これは、制御バスE1014を通じてROM E1004に接続され、ROM E1004に格納されたプログラムに従って、各種制御を行っている。例えば、各種センサに関連するセンサ信号E0104や、マルチセンサE3000に関連するマルチセンサ信号E4003の送受信を行う。そのほか、エンコーダ信号E1020、フロントパネルE0106上の電源キーE0018、リジュームキーE0019およびフラットパスキーE3004からの出力の状態を検出している。また、E1102は、ホストI/F E0017、フロントパネル上のデバイスI/F E0100の接続およびデータ入力状態に応じて、各種論理演算や条件判断等を行い、各構成要素を制御し、インクジェット記録装置の駆動制御を司っている。 【0041】 E1103はドライバ・リセット回路である。これは、ASIC E1102からのモータ制御信号E1106に従って、CRモータ駆動信号E1037、LFモータ駆動信号E1035、APモータ駆動信号E4001およびPRモータ駆動信号E4002を生成し、各モータを駆動する。さらに、ドライバ・リセット回路E1103は、電源回路を有しており、メイン基板E0014、キャリッジ基板E0013、フロントパネルE0106など各部に必要な電源を供給する。さらには電源電圧の低下を検出して、リセット信号E1015を発生および初期化を行う。 【0042】 E1010は電源制御回路であり、ASIC E1102からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。 【0043】 ホストI/F E0017は、ASIC E1102からのホストI/F信号E1028を、外部に接続されるホストI/FケーブルE1029に伝達し、またこのケーブルE1029からの信号をASIC E1102に伝達する。 【0044】 一方、電源ユニットE0015からは電力が供給される。供給された電力は、メイン基板E0014内外の各部へ、必要に応じて電圧変換された上で供給される。また、ASIC E1102からの電源ユニット制御信号E4000が電源ユニットE0015に接続され、記録装置本体の低消費電力モード等を制御する。 【0045】 ASIC E1102は1チップの演算処理装置内蔵半導体集積回路であり、前述したモータ制御信号E1106、電源制御信号E1024および電源ユニット制御信号E4000等を出力する。そして、ホストI/F E0017との信号の授受を行うとともに、パネル信号E0107を通じて、フロントパネル上のデバイスI/F E0100との信号の授受を行う。さらに、センサ信号E0104を通じてPEセンサ、ASFセンサ等各部センサ類により状態を検知する。さらに、マルチセンサ信号E4003を通じてマルチセンサE3000を制御するとともに状態を検知する。またパネル信号E0107の状態を検知して、パネル信号E0107の駆動を制御してフロントパネル上のLED E0020の点滅を行う。 【0046】 さらにASIC E1102は、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドH1001とのインターフェースをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はCRFFC E0012を通じて入力されるエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012を通じてキャリッジ基板E0013に接続される。そして、前述のヘッド駆動電圧変調回路E3001およびヘッドコネクタE0101を経て記録ヘッドH1001に供給されるとともに、記録ヘッドH1001からの各種情報をASIC E1102に伝達する。このうち吐出部毎のヘッド温度情報については、メイン基板上のヘッド温度検出回路E3002で信号増幅された後、ASIC E1102に入力され、各種制御判断に用いられる。 【0047】 図中、E3007はDRAMであり、記録用のデータバッファ、ホストコンピュータからの受信データバッファ等として、また各種制御動作に必要なワーク領域しても使用されている。 【0048】 (第1の実施形態) 次に、本発明の特徴構成に関する第1の実施形態を説明する。 【0049】 図4は、前記した構成の記録装置を、ユーザが定期メンテナンス動作の頻度を設定することができるようになされた画面構成の一例を示したものである。ユーザが自動メンテナンス頻度を設定することができる画面構成はディスプレイに表示され、ドライバユーティリティ上において構築される。画面構成においては、その下欄に表示された自動メンテナンス頻度を選択することができるようになされている。 【0050】 そして、「なし1」を選択した場合においては、定期クリーニングは禁止される。「少ない2」、「標準3」、「やや多い4」、「多い5」を選択した場合においては、以降において説明する図7および図8のテーブルに従って定期クリーニングが設定される。ここで、前記「少ない2」ないし「多い5」を選択した場合において設定される定期クリーニングモードにおいては、以降において説明する図5ないし図9に示す定期クリーニング動作が実行されるようになされ、また、「なし1」を選択した場合において設定される定期クリーニングモードにおいては、図9に示す定期クリーニングの実行は禁止されるようになされる。 【0051】 図5ないし図9は、前記した「少ない2」ないし「多い5」を選択し、記録装置を前記した定期クリーニングモードに設定した場合においてなされる動作ルーチンを説明するものである。まず図5は、記録装置に印字信号が到達した場合になされるメンテナンス処理の選定動作を示している。記録装置に印字信号が来ると、ステップS501において、ASIC E1102が記録している最終吸引時刻と印字信号と共に送られてくる時刻を比較し、メンテナンス動作選定テーブルを参照することにより、実行されるメンテナンス処理の選定が行われる。図7はこの時に用いられるメンテナンス動作選定テーブルの一例を示している。すなわち、図7における横軸はユーザが決定した定期メンテナンス頻度を示し、また縦軸は最終吸引時刻からの経過時間を示しており、実行すべきメンテナンス動作とその処理モードがマトリックス形式で記述されている。 【0052】 記録ヘッドにおけるメンテナンス処理を実行する場合においては、図7に示すように予備吐出動作、クリーニング動作、および強力クリーニング動作のいずれかを採用することができる。予備吐出動作によるメンテナンス処理は、記録ヘッドにおけるノズル開口付近のインクの増粘度合いが比較的軽微な場合に採用される。また、クリーニング動作によるメンテナンス処理は、記録ヘッドにおけるノズル開口付近のインクの増粘度合いが比較的進行した場合に採用される。さらに、強力クリーニング動作は前記クリーニング動作では回復が困難と思われるノズル開口付近のインクの増粘度合いが非常に進行した場合に採用される。このように、ノズル開口付近のインクの増粘度合いによって、メンテナンス処理を使い分けて効率よく回復させることができる。 【0053】 図5におけるステップS502においては、前記したメンテナンス動作選定テーブルを参照した結果に基づき、予備吐出または定期クリーニングのいずれかを選定するかについての判定がなされる。結果として、規定時間を超えた(Yes)と判定されると、ステップS503に移行し、図9に示す定期クリーニング動作が実行される。 【0054】 前記ステップS503における定期クリーニング動作の実行後においては、ステップS505に移り、ASIC E1102に最終吸引時刻を記録させる。また、吐出発数をゼロリセットさせる。一方、ステップS502において規定時間を超えていない(No)と判定された場合においては、ステップS504に移行し、予め定められた発数の予備吐出動作が実行される。 【0055】 図6は、印字が終了した場合になされるメンテナンス処理の選定動作を示している。印字が終了すると、ステップS601において、ASIC E1102が記録している吐出発数を呼び出し、メンテナンス動作選定テーブルを参照することにより、実行されるメンテナンス処理の選定が行われる。図8はこの時に用いられるメンテナンス動作選定テーブルの一例を示している。すなわち、図8における横軸はユーザが決定した定期メンテナンス頻度を示し、また縦軸は吐出発数を示しており、実行すべきメンテナンス動作とその処理モードがマトリックス形式で記述されている。 【0056】 記録ヘッドにおけるメンテナンス処理を実行する場合においては、図8に示すようにワイピング動作およびクリーニング動作のいずれかを採用することができる。ワイピング動作によるメンテナンス処理は、記録ヘッドにおけるノズル開口付近に、インクの吐出により生じた微小なインク滴(以下、ミスト)や紙粉等の異物の付着による印字不良の発生を予防・解消するために採用される。また、クリーニング動作によるメンテナンス処理は、インクの吐出により生じた泡が記録ヘッド内に蓄積され、泡による印字不良の発生を予防・解消するために採用される。 【0057】 図6におけるステップS602においては、前記したメンテナンス動作選定テーブルを参照した結果に基づき、ワイピングまたは定期クリーニングのいずれかを選定するかについての判定がなされる。結果として、規定発数を超えた(Yes)と判定されると、ステップS603に移行し、規定発数がクリーニング動作規定発数に達しているか判定がなされる。結果として、規定発数がクリーニング動作規定発数に達している(Yes)と判定されると、ステップS604に移行し、図9に示す定期クリーニング動作が実行される。 【0058】 前記ステップS604におけるクリーニング動作の実行後においては、ステップS606に移り、ASIC E1102に最終吸引時刻を記録させる。また、吐出発数をゼロリセットさせる。一方、規定発数がクリーニング動作規定発数に達していない(No)と判定されると、ステップS605に移行し、ワイピング動作が実行される。前記ステップS605におけるワイピング動作の実行後においては、ステップS607に移り、ASIC E1102上で吐出発数をゼロリセットさせる。 【0059】 また、ステップS502において規定時間を超えていない(No)と判定された場合においては、そのままリターンへ移行する。 【0060】 図5のステップS503および図6のステップS604における定期クリーニング動作においてなされる処理ルーチンの一例を図9に示す。前記クリーニング部の構成で説明したように、キャップM5010を記録ヘッドの吐出面に密着させた状態でポンプM5000を作動させると、記録ヘッドからはインク吐出口を介してインクが吸引される(ステップS901)。 【0061】 吸引後にキャップM5010に残るインクを除去し、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないようにするために、キャップM5010を開けた状態すなわちキャップM5010を大気開放した状態でポンプM5000を作動させることで、キャップM5010内の残インクを吸引する(ステップS902)。 【0062】 キャップM5010が下降すなわち記録ヘッドの吐出面から離脱すると、これによって開放された吐出面直下の空間を利用して、ブレードM5020がキャリッジM4000の走査方向に垂直に移動し、記録ヘッドの吐出面を払拭する(ステップS903)。次にワイピング用の予備吐出を実行して、ノズル開口におけるインクのメニスカスを整える操作がなされる(ステップS904)。 【0063】 ステップS901で複数色を同時に吸引すると混色が発生しやすいので、混色を解消するための予備吐出をしながら、ステップS902で行われた空吸引を同時に行う(ステップS905)。 【0064】 再びブレードM5020がキャリッジM4000の走査方向に垂直に移動し、記録ヘッドの吐出面を払拭する(ステップS906)。最後のワイピング用の予備吐出を実行して、ノズル開口におけるインクのメニスカスを整える操作がなされ、これにより一連のクリーニング動作が終了する(ステップS907)。 【0065】 前記した図5ないし図9に示すシーケンスは、図4に示す画面上において前記「少ない2」ないし「多い5」を選択した場合において実行されるようになされ、しかながら、「なし1」を選択した場合において設定される定期クリーニングモードにおいては、図9に示す定期クリーニングの実行は禁止されるようになされる。 【0066】 ここで、図4に示す画面上において、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が低いもの「なし1」、「少ない2」が選択された場合は、ユーザに対して印字中吐出されない可能性があることを促す注意メッセージを出すようになされる。(図10参照) 一方、前記複数の選択肢から、定期メンテナンス動作の頻度が高いもの「やや多い4」、「多い5」が選択された場合は、ユーザにインクタンク交換数が多いことを促す注意メッセージを出すようになされる。 【0067】 前記した注意メッセージは、ホストコンピュータに搭載されたプリンタドライバのユーティリティ上において、ディスプレイにおいて表示されるように構築されている。したがって、ユーザは前記メッセージを確認することで、ユーザ自身が記録装置の使用環境あるいはユーザの記録装置の取り扱い方に合った適度なメンテナンス動作を実行するよう設定される。 【0068】 なお、図4に示した画面構成においては、定期クリーニングを自動的に実行される頻度が自動メンテナンス頻度の選択肢によって異なるようになされているが、例えば、画面上において、ユーザの使用環境湿度の高低または使用環境温度の高低それぞれについて個別に設定することができるように構成することも効果的である。ユーザの使用環境湿度の高低および使用環境温度の高低から1つ以上選択してもよい。 【0069】 ユーザの使用環境湿度「高い」を選択した場合は、湿度の高い環境で使用するとインクの水分蒸発が遅く増粘しにくいので、メンテナンス頻度としては「少ない」と同様の頻度が好ましい。反対にユーザの使用環境湿度「低い」を選択した場合は、湿度の低い環境では水分蒸発が早く、増粘しやすいので、メンテナンス頻度としては「多い」と同様の頻度が好ましい。 【0070】 また、前記した実施の形態においては、ユーザに対して前記注意メッセージの表示、および自動クリーニングの選択操作を、ホストコンピュータに接続されたディスプレイの表示に基づいてなされるように構成されているが、このディスプレイは、記録装置に配置されたディスプレイを利用するように構成することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0071】 【図1】本発明の一実施形態に係る記録装置の機構部を説明するための斜視図である。 【図2】図1の記録装置における制御系の全体構成を概略的に示すブロック図である。 【図3】図2におけるメイン基板の内部構成例を示すブロック図である。 【図4】ホストコンピュータに接続されたディスプレイにおいて表示されるモード選択画面の一例を示した画面構成図である。 【図5】印字を開始する場合になされる記録ヘッドのメンテナンス処理の選定動作を示したフローチャートである。 【図6】印字を終了する場合になされる記録ヘッドのメンテナンス処理の選定動作を示したフローチャートである。 【図7】図5に示す制御ルーチンに用いられるメンテナンス動作選定テーブルの一例を示したテーブル構成図である。 【図8】図6に示す制御ルーチンに用いられるメンテナンス動作選定テーブルの一例を示したテーブル構成図である。 【図9】記録ヘッドの定期クリーニング動作を示すクリーニングシーケンスの一例を示したフローチャートである。 【図10】ユーザに対する注意メッセージ表示画面の一例を示した画面構成図である。 【符号の説明】 【0072】 M2010 圧板 M3040 プラテン M3060 搬送ローラ M3070 ピンチローラ M3110 排紙ローラ M4000 キャリッジ M4020 ガイドシャフト M4041 タイミングベルト M5000 ポンプ(チューブポンプ) M5010 キャップユニット M5020 ブレード M5060 ブレードクリーナー E0001 キャリッジモータ E0002 LFモータ E0003 PGモータ E0005 エンコーダスケール E0009 ASFセンサ E0013 キャリッジ基板 E0014 メイン基板 E0105 ASFモータ
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090538 【弁理士】 【氏名又は名称】西山 恵三
【識別番号】100096965 【弁理士】 【氏名又は名称】内尾 裕一
|
| 【公開番号】 |
特開2008−62429(P2008−62429A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−240406(P2006−240406) |
|