| 【発明の名称】 |
ラインヘッド、露光装置及び露光方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 正嗣
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| 【要約】 |
【課題】長寿命化と低消費電力化を図ることができるラインヘッド及びラインヘッドの駆
【構成】ラインヘッドHは、ライン状に光を構成する各露光スポットに光をそれぞれ |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に、複数の第1発光素子を整列配置した第1発光部と、複数の第2発光素子を整 列配置した第2発光部とが設けられたラインヘッドであって、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とを同一の発光輝度で駆動した場合、前記第1発 光素子の消費電力は、前記第2発光素子の消費電力よりも小さく、かつ、前記第1発光素 子の駆動時間に対する発光輝度の減衰量が、前記第2発光素子の駆動時間に対する発光輝 度の減衰量よりも大きいことを特徴とするラインヘッド。 【請求項2】 前記第1発光素子及び、前記第2発光素子が、少なくとも1層の発光機能を有する有機 層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1に記載のラ インヘッド。 【請求項3】 前記第1発光素子の発光機能を有する有機層を構成する発光材料の仕事関数又はイオン 化ポテンシャルの値と、電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値との差が 、前記第2発光素子の発光機能を有する有機層を構成する発光材料の仕事関数又はイオン 化ポテンシャルの値と、電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値との差が 、異なることを特徴とする請求項2に記載のラインヘッド。 【請求項4】 前記第1発光素子及び、前記第2発光素子が、無機LEDより少なくともなることを特 徴とする請求項1に記載のラインヘッド。 【請求項5】 前記第1発光部及び、前記第2発光部が、同一のフレキシブル基板に形成されたことを 特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラインヘッド。 【請求項6】 前記第1発光部は、複数の第1発光素子を一方向に整列配置されてなり、 前記第2発光部は、複数の第2発光素子を一方向に整列配置されてなり、 前記第1発光部と前記第2発光部とは、前記基板上で平行に配設されることを特徴とす る請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラインヘッド。 【請求項7】 前記第1発光部は、複数の第1発光素子を一方向に整列配置した第1発光素子列が複数 列平行に配設されてなり、 前記第2発光部は、複数の第2発光素子を一方向に整列配置した第2発光素子列が複数 列平行に配設されてなり、 前記第1発光部と前記第2発光部とは、前記基板上で平行に配設されることを特徴とす る請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラインヘッド。 【請求項8】 前記第1発光部は、複数の第1発光素子が千鳥格子状に配設されてなり、 前記第2発光部は、複数の第2発光素子が千鳥格子状に配設されてなされることを特徴 とする請求項7に記載のラインヘッド。 【請求項9】 複数の発光素子を整列配置したラインヘッドと、前記ラインヘッドからの光によって露 光される回転可能な感光体ドラムとを備えた露光装置であって、 前記ラインヘッドとして、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のラインヘッドを用い 、 前記感光体ドラムの回転軸と前記第1発光部と前記第2発光部とが平行になるように配 置されたことを特徴とする露光装置。 【請求項10】 前記露光装置は、制御回路を備え、 該制御回路は、外部から供給される露光データに基づいて、前記第1発光部を駆動させ るための第1階調データ、及び、前記第2発光部を駆動させるための第2階調データを生 成することを特徴とする請求項9に記載の露光装置。 【請求項11】 基板上に、複数の第1発光素子を整列配置した第1発光部と、複数の第2発光素子を整 列配置した第2発光部とが設けられたラインヘッドと、前記ラインヘッドからの出射光に よって露光される回転可能な感光体ドラムと、を備えた露光装置による露光方法であって 、 前記第1発光部と前記第2発光部とは、前記第1発光素子と前記第2発光素子とを同一 の発光輝度で駆動した場合、前記第1発光素子の消費電力は、前記第2発光素子の消費電 力よりも小さく、かつ、前記第1発光素子の駆動時間に対する発光輝度の減衰量は、前記 第2発光素子の駆動時間に対する発光輝度の減衰量よりも大きくなるように形成されてお り、 前記ラインヘッドを低輝度発光させて前記感光体ドラムを露光させる場合は、前記第1 発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラムを露光させ、 前記ラインヘッドを高輝度発光させて前記感光体ドラムを露光させる場合は、前記第2 発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラムを露光させることを特徴とする 露光方法。 【請求項12】 前記露光装置は、外部から供給される露光データが入力される制御回路を有し、 前記露光データが、前記ラインヘッドを低輝度発光させて前記感光体ドラムを露光させ る場合には、前記制御回路は、前記第1発光部を駆動させるための第1階調データを生成 して、前記第1発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラムを露光させ、 前記露光データが、前記ラインヘッドを高輝度発光させて前記感光体ドラムを露光させ る場合には、前記制御回路は、前記第2発光部を駆動させるための第2階調データを生成 して、前記第2発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラムを露光させるこ とを特徴とする請求項11に記載の露光方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ラインヘッド、露光装置及び露光方法に関する。 【背景技術】 【0002】 電子写真方式を用いた画像形成装置には、像担持体としての感光体ドラムを露光して潜 像を形成する発光装置としてのラインヘッド(露光用ヘッド)が利用されている。一般に 、ラインヘッドの発光源としてはレーザ光が使用されている。ところで、近年、ラインヘ ッドにおいては、低コスト、省スペース、低消費電力化が求められている。そこで、ライ ンヘッドの発光源として、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いる ものが注目されている。例えば、特許文献1では、光の取り出し効率を向上するために、 有機EL素子から発光された光を集光するレンズ、いわゆるマイクロレンズを光取り出し 面上に設ける提案がなされている。 【0003】 【特許文献1】特開2003−291404号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記するラインヘッドでは、マイクロレンズによって光の取り出し効率 は向上するももの、発光源として有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の 寿命が、従来のレーザを発光源とするものより短いことが知られている。従って、交換時 期が短くなり、メンテナンスのための負荷が問題になる。 【0005】 本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ラインヘッド の長寿命化を図ることができるとともに、低消費電力化を図ることができるラインヘッド 及びラインヘッドの駆動方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明のラインヘッドは、基板上に、複数の第1発光素子を整列配置した第1発光部と 、複数の第2発光素子を整列配置した第2発光部とが設けられたラインヘッドであって、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とを同一の発光輝度で駆動した場合、前記第1発光 素子の消費電力は、前記第2発光素子の消費電力よりも小さく、かつ、前記第1発光素子 の駆動時間に対する発光輝度の減衰量が、前記第2発光素子の駆動時間に対する発光輝度 の減衰量よりも大きいことを特徴とする。 【0007】 このラインヘッドによれば、低輝度(低光量)で発光させて露光用の光を出射する場合 は、前記第1発光部の第1発光素子を発光させ、高輝度(高光量)で発光させて露光用の 光を出射する場合は、前記第2発光部の第2発光素子を発光させるようにすることができ る。これによって、第1及び第2発光部の発光素子の負荷はそれぞれ軽減されるとともに 、第1発光素子と第2発光素子に適した駆動電源で発光制御をすることができることから 消費電力を軽減することができる。 【0008】 このラインヘッドにおいて、前記第1発光素子及び、前記第2発光素子が、少なくとも 1層の発光機能を有する有機層より少なくともなる有機エレクトロルミネッセンス素子で あってもよい。 【0009】 このラインヘッドによれば、高光量で発光させて露光用の光を出射する場合は、前記第 2発光部の第2発光素子を発光させ、低光量で発光させて露光用の光を出射する場合は、 前記第1発光部の第1発光素子を発光させるようにすることができる。これによって、第 1及び第2発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子の負荷はそれぞれ軽減されるとと もに、第1発光素子と第2発光素子に適した駆動電源で発光制御をすることができること から消費電力を軽減することができる。 【0010】 このラインヘッドにおいて、前記第1発光素子の発光機能を有する有機層を構成する発 光材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値と、電子注入材料の仕事関数又はイオン 化ポテンシャルの値との差が、前記第2発光素子の発光機能を有する有機層を構成する発 光材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値と、電子注入材料の仕事関数又はイオン 化ポテンシャルの値との差が、異なっていてもよい。 【0011】 このラインヘッドによれば、例えば、第1発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子 の発光材料と第2発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料より少なくとも なる層の形成条件を同じにして、かつ第1発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子の 第1電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値が、第2発光部の有機エレク トロルミネッセンス素子の第2電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値よ りも小さい場合、電子注入材料より少なくともなる層から発光材料より少なくともなる層 への電子注入性の違いから、第2発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1発 光部の有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて、高光量の発光に対して耐久性がある 。また、第1発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子は、第2発光部の有機エレクト ロルミネッセンス素子に比べて、低光量の発光に対して駆動電流を小さくでき消費電力を 軽減することができる。 【0012】 このラインヘッドにおいて、前記発光部が無機LEDからなっていてもよい。 【0013】 このラインヘッドによれば、高光量で発光させて露光用の光を出射する場合は、第2発 光部の第2発光素子を発光させ、低光量で発光させて露光用の光を出射する場合は、第1 発光部の第1発光素子を発光させるようにすることができる。これによって、第1及び第 2発光部の発光素子の負荷はそれぞれ軽減されるとともに、第1発光素子と第2発光素子 に適した駆動電源で発光制御をすることができることから消費電力を軽減することができ る。 【0014】 このラインヘッドにおいて、前記各発光部は、1つのフレキシブル基板に形成されてい てもよい。 【0015】 このラインヘッドによれば、フレキシブル基板を湾曲させることが容易なので、各発光 部の対応する発光素子同士を、それぞれ互いに被出射体の同じ点に照射する位置合わせが 容易に行える。 【0016】 本発明のラインヘッドは、前記第1発光部は、複数の第1発光素子を一方向に整列配置 されてなり、前記第2発光部は、複数の第2発光素子を一方向に整列配置されてなり、前 記第1発光部と前記第2発光部とは、前記基板上で平行に配設されることを特徴とする。 さらに、前記第1発光部は、複数の第1発光素子を一方向に整列配置した第1発光素子列 が複数列平行に配設されてなり、前記第2発光部は、複数の第2発光素子を一方向に整列 配置した第2発光素子列が複数列平行に配設されてなり、前記第1発光部と前記第2発光 部とは、前記基板上で平行に配設されることを特徴とする。 【0017】 この構成により。感光体ドラムの回転軸と第1発光部及び第2発光部とを平行に配置す ることが容易となり、露光装置への応用が容易となる。 【0018】 本発明のラインヘッドは、前記第1発光部は、複数の第1発光素子が千鳥格子状に配設 されてなり、前記第2発光部は、複数の第2発光素子が千鳥格子状に配設されてなされる ことを特徴とする。この構成により、ラインヘッドの光量あるいは輝度の向上させること ができる。 【0019】 また、本発明の露光装置は、複数の発光素子を整列配置したラインヘッドと、前記ライ ンヘッドからの光によって露光される回転可能な感光体ドラムとを備えた露光装置であっ て、前記ラインヘッドとして、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のラインヘッドを用 い、前記感光体ドラムの回転軸と前記第1発光部と前記第2発光部とが平行になるように 配置されたことを特徴とする。 【0020】 さらに、本発明の露光装置は、制御回路を備え、該制御回路は、外部から供給される露 光データに基づいて、前記第1発光部を駆動させるための第1階調データ、及び、前記第 2発光部を駆動させるための第2階調データを生成することを特徴とする。この構成によ り、前記第1発光部または前記第2発光部を選択して発光させることが可能となる。 【0021】 本発明の露光方法は、基板上に、複数の第1発光素子を整列配置した第1発光部と、複 数の第2発光素子を整列配置した第2発光部とが設けられたラインヘッドと、前記ライン ヘッドからの出射光によって露光される回転可能な感光体ドラムと、を備えた露光装置に よる露光方法であって、前記第1発光部と前記第2発光部とは、前記第1発光素子と前記 第2発光素子とを同一の発光輝度で駆動した場合、前記第1発光素子の消費電力は、前記 第2発光素子の消費電力よりも小さく、かつ、前記第1発光素子の駆動時間に対する発光 輝度の減衰量は、前記第2発光素子の駆動時間に対する発光輝度の減衰量よりも大きくな るように形成されており、前記ラインヘッドを低輝度発光させて前記感光体ドラムを露光 させる場合は、前記第1発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラムを露光 させ、前記ラインヘッドを高輝度発光させて前記感光体ドラムを露光させる場合は、前記 第2発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラムを露光させることを特徴と する。 【0022】 さらに、本発明の露光方法は、前記露光装置は、外部から供給される露光データが入力 される制御回路を有し、前記露光データが、前記ラインヘッドを低輝度発光させて前記感 光体ドラムを露光させる場合には、前記制御回路は、前記第1発光部を駆動させるための 第1階調データを生成して、前記第1発光部を選択して発光させることにより前記感光体 ドラムを露光させ、前記露光データが、前記ラインヘッドを高輝度発光させて前記感光体 ドラムを露光させる場合には、前記制御回路は、前記第2発光部を駆動させるための第2 階調データを生成して、前記第2発光部を選択して発光させることにより前記感光体ドラ ムを露光させることを特徴とする。 【0023】 このラインヘッドの駆動方法によれば、例えば、露光データに基づいて低輝度(低光量 )の発光で露光用の光を出射する場合は、第1発光部の第1発光素子を発光させ、露光デ ータに基づいて高輝度(高光量)の発光で露光用の光を出射する場合は、第2発光部の第 2発光素子を発光させるようにすることができる。これによって、第1及び第2発光部の 発光素子の負荷は軽減される。第1発光素子と第2発光素子の発光輝度に即した駆動電源 で発光制御をすることができるので、消費電力を軽減することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。 (第1実施形態) 【0025】 以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1は、画像形 成装置としての電子写真方式プリンタを示す概略側断面図である。 【0026】 図1に示すように、画像形成装置としての電子写真方式プリンタ10(以下単に、プリ ンタ10という。)は、箱体状に形成される筐体11を備えている。その筐体11内には 、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14が設けられ、駆動ローラ1 2、従動ローラ13、テンションローラ14に対して転写媒体としての中間転写ベルト1 5が張設されている。そして、駆動ローラ12の回転によって、中間転写ベルト15は、 図1における矢印方向に循環駆動可能に備えられている。 【0027】 中間転写ベルト15の上方には、4体の像担持体としての感光体ドラム16が、中間転 写ベルト15の張設方向(副走査方向Y)に回転可能に併設されている。各感光体ドラム 16の外周面には、光導電性を有する感光層16a(図4参照)が形成されている。感光 層16aは、暗中でプラス又はマイナスの電荷を帯電し、所定の波長領域より少なくとも なる光を照射されると、照射された部位の電荷が消失されるようになっている。すなわち 、プリンタ10は、これら4体の感光体ドラム16によって構成されるタンデム式のプリ ンタである。 【0028】 各感光体ドラム16の周囲には、それぞれ帯電手段としての帯電ローラ19、露光手段 を構成する発光装置としての有機エレクロトルミネッセンスアレイ露光装置20(以下単 に、露光装置20という。)、現像手段としてのトナーカートリッジ21、転写手段を構 成する一次転写ローラ22及びクリーニング手段23が配設されている。 【0029】 帯電ローラ19は、感光体ドラム16に密着する半導電性のゴムローラである。この帯 電ローラ19に直流電圧を印加して感光体ドラム16を回転すると、感光体ドラム16の 感光層16aが、全周面にわたり所定の帯電電位に帯電するようになっている。 【0030】 露光装置20は、所定の波長領域の光を感光体ドラム16に出射する。そして、露光装 置20が印刷データに基づく光を鉛直方向Z(図1参照)に出射(回転方向Roに回転す る感光体ドラム16に出射)すると、感光層16aが所定の波長領域の光に露光される。 すると、感光層16aは、露光された部位(露光スポット)の電荷を消失して、その外周 面に静電的な画像(静電潜像)を形成する。なお、この露光装置20の露光する光の波長 領域は、感光層16aの分光感度と整合した波長領域である。つまり、露光装置20の露 光する光の発光エネルギーのピーク波長は、前記感光層16aの分光感度のピーク波長と 略一致するようになっている。 【0031】 トナーカートリッジ21は、箱体形状に形成されて、その内部に着色粒子としてのトナ ーTを収容する。なお、本実施形態における4体のトナーカートリッジ21には、それぞ れ対応する4色(黒、シアン、マゼンタ及びイエロ)のトナーTが収容されている。その トナーカートリッジ21には、感光体ドラム16側から順に、現像ローラ21aと供給ロ ーラ21bが備えられている。供給ローラ21bは、回転することによって、トナーTを 現像ローラ21aまで搬送するようになっている。現像ローラ21aは、供給ローラ21 bとの摩擦等によって、同供給ローラ21bの搬送したトナーTを帯電させるとともに、 帯電したトナーTを同現像ローラ21aの外周面に均一に付着するようになっている。 【0032】 そして、感光体ドラム16に前記帯電電位と略等しいバイアス電位を印加した状態で、 供給ローラ21b及び現像ローラ21aを回転する。すると、感光体ドラム16は、前記 露光スポットと現像ローラ21a(トナーT)との間に、前記バイアス電位に相対する静 電吸着力を付与する。静電吸着力を受けたトナーTは、同現像ローラ21cの外周面から 前記露光スポットに移動して吸着する。これによって、各感光体ドラム16(各感光層1 6a)の外周面には、それぞれ静電潜像に対応した単色の可視像(顕像)が形成される( 現像される)。 【0033】 中間転写ベルト15の内側面15aであって前記各感光体ドラム16と対峙する位置に は、それぞれ一次転写ローラ22が設けられている。一次転写ローラ22は、導電性ロー ラであって、その外周面が中間転写ベルト15の内側面15aに密着しながら回転する。 この一次転写ローラ22に直流電圧を印加して感光体ドラム16及び中間転写ベルト15 を回転すると、感光層16aに吸着したトナーTが、一次転写ローラ22側への静電吸着 力よって中間転写ベルト15の外側面15bに順次移動して吸着するようになっている。 【0034】 すなわち、一次転写ローラ22は、感光体ドラム16に形成した顕像を中間転写ベルト 15の外側面15bに一次転写する。そして、中間転写ベルト15の外側面15bは、各 感光体ドラム16と一次転写ローラ22によって、単色より少なくともなる顕像の一次転 写を4回繰り返し、これらの顕像を重ね合わせることによってフルカラーの画像(トナー 像)を得る。 【0035】 クリーニング手段23は、図示しないLED等の光源とゴムブレードを備え、前記一次 転写後の感光層16aに光を照射して帯電した感光層16aを除電するようになっている 。そして、クリーニング手段23は、除電した感光層16aに残留するトナーTをゴムブ レードによって機械的に除去する。 【0036】 中間転写ベルト15の下側には、記録用紙Pを収容した記録用紙カセット24が配設さ れている。その記録用紙カセット24の上側には、記録用紙Pを中間転写ベルト15側に 給紙する給紙ローラ25が配設されている。その給紙ローラ25の上側にあって駆動ロー ラ12と相対向する位置には、転写手段を構成する二次転写ローラ26が配設されている 。二次転写ローラ26は、前記各一次転写ローラ22と同じく導電性ローラであって、記 録用紙Pの裏面を押圧し、同記録用紙Pの表面を中間転写ベルト15の外側面15bに接 触させている。そして、この二次転写ローラ26に直流電圧を印加して中間転写ベルト1 5を回転すると、中間転写ベルト15の外側面15bに吸着したトナーTが、記録用紙P の表面上に順次移動して吸着する。すなわち、二次転写ローラ26は、中間転写ベルト1 5の外側面15bに形成されたトナー像を記録用紙Pの表面上に二次転写する。 【0037】 二次転写ローラ26の上側には、熱源を内蔵するヒートローラ27aと同ヒートローラ 27aを押圧する押圧ローラ27bが配設されている。そして、二次転写後の記録用紙P がヒートローラ27aと押圧ローラ27bとの間に搬送されると、記録用紙P上に転写さ れたトナーTが、加熱によって軟化し、記録用紙P内に浸透して硬化する。これによって 、記録用紙Pの表面にトナー像が定着する。トナー像を定着させた記録用紙Pは、排紙ロ ーラ28によって筐体11の外側に排出されるようになっている。 【0038】 従って、プリンタ10は、帯電した感光層16aを露光装置20によって露光し、同感 光層16aに静電潜像を形成する。次に、プリンタ10は、感光層16aの静電潜像を現 像して同感光層16aに単色の顕像を形成する。続いて、プリンタ10は、感光層16a の顕像を中間転写ベルト15上に順次一次転写して同中間転写ベルト15上にフルカラー のトナー像を形成する。そして、プリンタ10は、中間転写ベルト15上のトナー像を記 録用紙P上に二次転写し、加熱加圧によってトナー像を定着させて印刷を終了する。 【0039】 次に、上記プリンタ10に備えられ露光装置20について詳細に説明する。図2は、露 光装置20を示す概略正断面図である。図3は、露光装置20を感光体ドラム16側から みた正面図である。図4は、露光装置20を示す概略側断面図である。 【0040】 露光装置20は、図2に示すように、ラインヘッドHには、光透過性のフレキシブル基 板30を備えている。本実施形態では、フレキシブル基板30は、アクリル樹脂よりなる プラスチック基板で形成されている。フレキシブル基板30は、その幅方向の長さが感光 体ドラム16の軸方向の幅より若干長く形成されている。 【0041】 そして、本実施形態では、そのフレキシブル基板30について、上面(感光体ドラム1 6側と反対の面)を発光素子形成面30aとし、下面(感光体ドラム16側の面)を光取 り出し面30bとしている。 【0042】 図3に示すように、フレキシブル基板30の発光素子形成面30a上には、その幅方向 方向(X矢印方向)に複数の発光素子を配置形成した第1露光用発光部Ha1及び第2露 光用発光部Ha2が設けられ、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2は所 定の間隔で形成されている。 【0043】 第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2は、複数の画素形成領域31が形 成されている。各画素形成領域31は、図3に示すように、千鳥格子状に2次元に配列さ れ、それぞれ薄膜トランジスタよりなる駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジス タQ2(図8参照)と、発光素子又は第1発光素子又は第2発光素子としての有機エレク トロルミネッセンス素子(以降、有機EL素子という)33等より少なくともなる画素3 4を有している。駆動トランジスタQ1は、印刷データに基づいて生成されたデータ信号 によってオン状態となり、そのオン状態に基づいて、有機EL素子33を発光するように なっている。 【0044】 図5に示すように、有機EL素子33は、発光素子形成面30a上に形成された光透過 性の回路形成層Sの上に形成される。この回路形成層Sには、有機EL素子33を駆動さ せるための駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2(図5には図示されて いない)が形成されている。また、回路形成層Sには、第1露光用発光部Ha1及び第2 露光用発光部Ha2の各有機EL素子33を選択駆動させるための各種回路(図8参照) を構成する回路素子が前記画素形成領域31の外に形成されている。 【0045】 また、図5に示すように、回路形成層S上の画素形成領域31に対応した位置には、各 有機EL素子33を千鳥格子状に2次元に配列区画するバンクBが形成されている。その バンクBによって区画された凹部の底部には、ITO等の光透過性を有する陽極Paが形 成されている。陽極Paは、対応する駆動トランジスタQ1とコンタクトホール(図5に は図示されていない)を介して電気的に接続されている。なお、この陽極Paとコンタク トホールはバンクBを形成する前に形成される。 【0046】 陽極Paの上には、高分子系の有機材料より少なくともなる有機エレクトロルミネッセ ンス層(以降、有機EL層という)OELが形成されている。有機EL層OELは、正孔 輸送層OEL1と発光層OEL2の2層より少なくともなる有機化合物層であって、その 上側には、駆動時に発光層OEL2に電子を供給する機能を有する電子注入層Ei、さら にその上側には、アルミニウム等の光反射性を有する金属膜より少なくともなる陰極Pc が形成されている。陰極Pcは、発光素子形成面30a側の略全面を覆うように形成され 、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2の各画素34が共有することによ って各有機EL素子33に共通する電位を供給するようになっている。そして、有機EL 素子33は、これら陽極Pa、有機EL層OEL、電子注入層Ei及び陰極Pcによって 構成される。 【0047】 陰極Pcの上側には、接着層Laによって陰極Pc(フレキシブル基板30)に接着さ れる支持基板38が配設されている。支持基板38は、平面視方向から見てフレキシブル 基板30と同サイズに形成される無色透明のプラスチック製のフレキシブル基板であって 、しかも機械的強度を得るために十分な厚さで形成されている。 【0048】 そして、データ信号に応じた駆動電流が陽極Paに供給されると、有機EL層OEL( 発光層OEL2)は、その駆動電流に応じた輝度で発光する。この際、有機EL層OEL から陰極Pc側(図5における上側)に向かって発光された光は、同陰極Pcによって反 射される。そのため、有機EL層OELから発光された光は、その殆どが、陽極Pa、回 路形成層S及びフレキシブル基板30を透過して光取り出し面30b側(感光体ドラム1 6側)に照射される。 【0049】 尚、本実施形態では、第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33と第2露光用発光部 Ha2の有機EL素子33は、その形成条件を相違させている。詳述すると、第1露光用 発光部Ha1の有機EL素子33を構成する第1電子注入層材料の仕事関数又はイオン化 ポテンシャルの値が、第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33を構成する第2電子注 入層材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値よりも小さくした。 【0050】 図6に示すように、電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルが大きいほど、 寿命が長いことが知られている。そして、高輝度発光する場合には、電子注入材料の仕事 関数又はイオン化ポテンシャルに対する寿命の変化割合は大きく、電子注入材料の仕事関 数又はイオン化ポテンシャルが大きいほど、寿命が長いことが知られている。また、低輝 度発光する場合には、電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルに対する寿命の 変化割合は高輝度発光より小さく、電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルが 大きいほど、寿命が長いことが知られている。 【0051】 また、図7に示すように、一定電圧を有機EL素子に加えた状態における、電子注入材 料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルに対する発光輝度は、電子注入材料の仕事関数又 はイオン化ポテンシャルが小さければ小さいほど、輝度を上げることができることが知ら れている。 【0052】 つまり、第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33を構成する第2電子注入層材料の 仕事関数又はイオン化ポテンシャルを大きくすることにより、小さいものに比べて駆動電 圧を高くして高輝度で発光させても耐久性があり、長寿命につながることを意味している 。また、第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33に供給する電源電圧が、第2露光用 発光部Ha2の有機EL素子33に供給する電源電圧より小さくても、所望の発光輝度で 発光させることができるため、消費電力の低減につながることになる。 【0053】 図2及び図4に示すように、フレキシブル基板30の光取り出し面30bであって、第 1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2の各有機EL素子33と対峙する位置 には、それぞれマイクロレンズ40が形成されている。マイクロレンズ40は、前記有機 EL層OELから発光される光の波長に対して十分な透過率を有する半球面状の光学面を 備えた凸形状のレンズであって、有機EL素子33(有機EL層OEL)の中心位置がそ の光軸A上に位置するように形成されている。 【0054】 また、マイクロレンズ40は、その下側曲面(出射面40a)の頂点と感光層16aと の間の距離を像側焦点距離にして、有機EL素子33から光軸Aに沿って発光された光線 の光軸Aとの交点(像側焦点F)を感光層16a上に位置するようになっている。これに よって、マイクロレンズ40から出射された光は、感光層16aに所望するサイズの露光 スポットを形成できるようになっている。 【0055】 ラインヘッドH(フレキシブル基板30)は、円弧状の感光体ドラム16側に湾曲形成 されている。そして、第1露光用発光部Ha1において、千鳥格子状に2次元に配列され た1列目の各有機EL素子33と、2列目の各有機EL素子33とを、発光制御すること によって、感光体ドラム16の面に対してX方向の同一線上に連続した露光スポットを形 成することができる。つまり、1列目の各有機EL素子33と2列目の各有機EL素子3 3から出射された光は、感光体ドラム16の軸方向(図1において紙面に直交する方向: 主走査方向X)であって同一線上に並んだ露光スポット(露光用のライン状に光)を感光 層16aに露光する。 【0056】 また、第2露光用発光部Ha2も同様に、1列目の各有機EL素子33と2列目の各有 機EL素子33から出射された光は、感光体ドラム16の軸方向(図1において紙面に直 交する方向:主走査方向X)であって同一線上に並んだ露光スポットを感光層16aに露 光する。 【0057】 しかも、湾曲形成したことによって、第1露光用発光部Ha1が出射形成するライン状 の光を形成する各部分の有機EL素子33による露光スポットと、第2露光用発光部Ha 2が出射形成するライン状の光を形成する各部分の有機EL素子33による露光スポット とが、重なるようになっている。つまり、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部 Ha2の対応する有機EL素子33同士は、それぞれ互いに感光体ドラム16の感光層1 6aの同じ点を露光するようになっている。 【0058】 次に、上記のように構成した露光装置20の電気的構成を図面に図8に従って説明する 。 図8において、ラインヘッドHは、第1露光用発光部Ha1、第2露光用発光部Ha2 、第1データ線駆動回路51、第2データ線駆動回路52、選択信号生成回路53及び制 御回路54を備えている。 【0059】 第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2は、前記千鳥格子状に2次元に配 列された画素領域31毎にそれぞれ画素回路56を有している。 【0060】 第1露光用発光部Ha1の各画素回路56は、それぞれM本のデータ線Xa1〜Xam (mは整数)と、選択信号線Y1との間に接続されている。また、第2露光用発光部Ha 2の各画素回路56は、それぞれM本のデータ線Xb1〜Xbm(mは整数)と、前記選 択信号線Y1との間に接続されている。 【0061】 第1露光用発光部Ha1の各画素回路56は、駆動トランジスタQ1、スイッチングト ランジスタQ2及び保持キャパシタC1をそれぞれ備えている。駆動トランジスタQ1及 びスイッチングトランジスタQ2は、導電型がNチャネルの薄膜トランジスタ(TFT) にて構成されている。駆動トランジスタQ1は、ドレインが有機EL素子33の陽極に接 続され、ソースが対応する電源線Lに接続されている。駆動トランジスタQ1のゲートは 保持キャパシタC1が接続されている。その保持キャパシタC1の他端は、電源線Lに接 続されている。 【0062】 スイッチングトランジスタQ2はゲートが選択信号線Y1に接続されている。また、ス イッチングトランジスタQ2は、ドレインが対応するデータ線Xa1〜Xamにそれぞれ 接続され、ソースが駆動トランジスタQ1のゲート及び保持キャパシタC1の一端と接続 されている。 【0063】 因みに、第2露光用発光部Ha2の各画素回路56は、駆動トランジスタQ1のソース が電源線Lに接続されるとともに、スイッチングトランジスタQ2のドレインが対応する データ線Xb1〜Xbmにそれぞれ接続される。 【0064】 そして、選択信号線Y1に選択信号S1が所定期間出力されると、各画素回路56のス イッチングトランジスタQ2が所定期間オンしてデータ線Xa1〜Xam,Xb1〜Xb mを介してデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmがそれぞれ供給される。すると、 データ信号Da1〜Dam,Db1〜DbmがスイッチングトランジスタQ2を介して保 持キャパシタC1にそれぞれ供給される。各画素回路56の保持キャパシタC1はデータ 信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmに対応した電荷量を蓄積し保持する。また、各画素 回路56の駆動トランジスタQ1のゲート端子の電位はデータ信号Da1〜Dam,Db 1〜Dbmにより押し上げられ、駆動トランジスタQ1ドレイン/ソースにデータ信号D a1〜Dam,Db1〜Dbmに応じた駆動電流をそれぞれ有機EL素子33に供給する 。この駆動電流は、保持キャパシタC1に蓄積されたデータ信号Da1〜Dam,Db1 〜Dbmに応じた電荷量に相対した値となる。 【0065】 つまり、各画素回路56の駆動トランジスタQ1は、対応するデータ信号Da1〜Da m,Db1〜Dbmにそれぞれ応答して導通し、その導通状態が保持されて各有機EL素 子33に駆動電流を供給する。すると、このタイミングで各画素回路56の有機EL素子 33がそれぞれデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmに相対した輝度で発光する。 【0066】 第1データ線駆動回路51は、制御回路54からの第1露光用発光部Ha1の各画素回 路56に対する第1の階調データに基づいて各画素回路56のデータ信号Da1〜Dam を生成する。そして、第1データ線駆動回路51は、制御回路54からの同期信号に基づ いて生成したデータ信号Da1〜Damをそれぞれ対応する画素回路56にデータ線Xa 1〜Xamを介して供給する。 【0067】 第2データ線駆動回路52は、制御回路54からの第2露光用発光部Ha2の各画素回 路56に対する第2の階調データに基づいて各画素回路56のデータ信号Db1〜Dbm を生成する。そして、第2データ線駆動回路52は、制御回路54からの前記同期信号に 基づいて生成したデータ信号Db1〜Dbmをそれぞれ対応する画素回路56にデータ線 Xb1〜Xbmを介して供給する。 【0068】 制御回路54は、外部制御装置から供給される印刷データに基づいて作成された1ライ ン分の露光データを順次入力する。制御回路54は、該露光データに基づいて第1データ 線駆動回路51に供給する第1の階調データと第2データ線駆動回路52に供給する第2 の階調データを生成する。 【0069】 1ライン分の露光データは、前記感光体ドラム16の軸方向であって同一線上に並んだ 各露光スポット(露光用のライン状に光)を露光するときの各露光スポットに対応して設 けた有機EL素子33を発光させる際の階調データである。有機EL素子33は、本実施 形態では、発光輝度を256段階(256階調)に発光制御できるようになっている。そ して、以後説明の便宜上、127階調以下の発光輝度を低輝度発光といい、128階調以 上の発光輝度を高輝度という。 【0070】 制御回路54は、低輝度発光の場合は第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33を駆 動させ、高輝度発光させる場合は第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33を駆動させ るように、第1階調データと第2階調データを生成する。 【0071】 例えば、1番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「100」階調(低輝度 発光)で、2番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「200」階調(高輝度 発光)、3番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「220」階調(高輝度発 光)で、4番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「90」階調(低輝度発光 )であったとする。 【0072】 制御回路54は、第1露光用発光部Ha1のための第1の階調データを、第1番目と第 4番目の露光スポットの画素回路56に対してそれぞれ「100」階調の階調データと「 90」階調の階調データを、第2番目と第3番目の露光スポットの画素回路56に対して 「0」階調の階調データを作成する。つまり、第1露光用発光部Ha1の第2番目と第3 番目の露光スポットの画素回路56(有機EL素子33)を発光させない第1の階調デー タを作成する。 【0073】 一方、制御回路54は、第2露光用発光部Ha2のための第2の階調データを、第2番 目と第3番目の露光スポットの画素回路56に対してそれぞれ「200」階調の階調デー タと「220」階調の階調データを、第1番目と第4番目の露光スポットの画素回路56 に対して「0」階調の階調データを作成する。つまり、第2露光用発光部Ha2の第1番 目と第4番目の露光スポットの画素回路56(有機EL素子33)を発光させない第2の 階調データを作成する。 【0074】 詳述すると、第1番目と第4番目の露光スポットは、第1露光用発光部Ha1の画素回 路56(有機EL素子33)の光で露光され、第2番目と第3番目の露光スポットは、第 2露光用発光部Ha2の画素回路56(有機EL素子33)の光で露光されるようになる 。 【0075】 つまり、低輝度発光の場合には第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33を駆動させ 、高輝度発光に場合は第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33を駆動させことによっ て、第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33と第2露光用発光部Ha2の有機EL素 子33とを役割分担させている。 【0076】 しかも、本実施形態では、第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33は、その第2電 子注入層材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値が、第1露光用発光部Ha1に設 けた有機EL素子33を構成する第1電子注入層材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャ ルの値より、大きく構成されているので、駆動電圧を高くして高輝度発光させても、充分 に寿命に耐えるものとなる。言い換えれば、第1露光用発光部Ha1に設けた有機EL素 子33は、高輝度発光が行われることがないので、長寿命化につながる。 【0077】 従って、制御回路54は、1ライン分の露光データに基づいて、各露光スポットのおけ る発光輝度が高輝度発光か低輝度発光を判別し、各露光スポット毎に階調データを振り分 けして第1露光用発光部Ha1の画素回路56のための第1の階調データと第2露光用発 光部Ha2の画素回路56のための第2の階調データを生成する。そして、制御回路54 は、第1の階調データと第2の階調データを作成すると、それぞれ第1データ線駆動回路 51と第2データ線駆動回路52に供給する。 【0078】 第1データ線駆動回路51は、制御回路54からの第1の階調データに基づいてデータ 信号Da1〜Damを生成する。また、第2データ線駆動回路52は、制御回路54から の第2の階調データに基づいてデータ信号Db1〜Dbmを生成する。第1データ線駆動 回路51及び第2データ線駆動回路52は、制御回路54からの同期信号に応答してデー タ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmを対応する画素回路56にデータ線Xa1〜Xa m,Xb1〜Xbmを介してそれぞれ供給する。 【0079】 また、制御回路54は、選択信号生成回路53に同期信号を出力する。選択信号生成回 路53は、同期信号に基づいて選択信号S1を生成する。そして、選択信号生成回路53 は、前記第1データ線駆動回路51及び第2データ線駆動回路52がデータ信号Da1〜 Dam,Db1〜Dbmを供給するタイミングで、選択信号S1を選択信号線Y1に所定 時間出力するようになっている。 【0080】 次に、上記のように構成した露光装置20の作用について説明する。 【0081】 いま、1ライン分の露光データを入力すると、制御回路54は各露光スポットのおける 発光輝度が高輝度発光か低輝度発光を判別し、露光スポット毎に該露光スポットにおける 露光データが低輝度発光ならば第1露光用発光部Ha1の第1の階調データに、高輝度発 光ならば第2露光用発光部Ha2の第2の階調データに振り振り分ける。このとき、第1 露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2の画素回路56において露光スポットに おける露光データが振り分けられなかった画素回路56については、「0」階調のデータ が割り当てられる。 【0082】 そして、第1データ線駆動回路51は、第1の階調データに基づいて第1露光用発光部 Ha1の各画素回路56に対するデータ信号Da1〜Damを生成しそれぞれ対応する画 素回路56にデータ線Xa1〜Xamを介して供給する。同時に、第2データ線駆動回路 52は、第2の階調データに基づいて第2露光用発光部Ha2の各画素回路56に対する データ信号Db1〜Dbmを生成しそれぞれ対応する画素回路56にデータ線Xb1〜X bmを介して供給する。 【0083】 そして、感光体ドラム16に出射される露光用のライン状に光を構成する各露光スポッ トは、低照度(低輝度発光)の場合には第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33の光 で、高照度(高輝度発光)の場合には第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33の光で 露光される。 【0084】 次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。 【0085】 (1)本実施形態によれば、ラインヘッドHに、感光体ドラム16に出射される露光用 のライン状に光を構成する各露光スポットに光をそれぞれ出射する有機EL素子33を有 する第1露光用発光部Ha1を設けた。また、ラインヘッドHに、同じく感光体ドラム1 6に出射される露光用のライン状に光を構成する各露光スポットに光をそれぞれ出射する 有機EL素子33を有する第2露光用発光部Ha2を設けた。そして、第1露光用発光部 Ha1及び第2露光用発光部Ha2の対応する有機EL素子33同士を、それぞれ互いに 感光体ドラム16の感光層16aの同じ露光スポットを露光するようにした。 【0086】 そして、各露光スポットにおいて、低輝度発光で露光する場合には第1露光用発光部H a1の有機EL素子33を発光させ、高輝度発光で露光する場合には第2露光用発光部H a2の有機EL素子33を発光させるようにした。 【0087】 従って、露光する輝度に応じて第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33と第2露光 用発光部Ha2の有機EL素子33を使い分けるようにしたので、第1露光用発光部Ha 1及び第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33の負荷は軽減される。その結果、消耗 品であるラインヘッドHの交換時期を長くすることができ、プリンタ10において、メン テナンスのための負荷を軽減することができる。 【0088】 (2)しかも、本実施形態によれば、第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33を構 成する第2電子注入層材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値を、第1露光用発光 部Ha1の有機EL素子33を構成する第1電子注入層材料の仕事関数又はイオン化ポテ ンシャルの値より大きくなるよう構成した。つまり、高い駆動電圧で高輝度発光させる第 2露光用発光部Ha2の有機EL素子33の第2電子注入層材料の仕事関数又はイオン化 ポテンシャルの値を、第1露光用発光部Ha1に設けた有機EL素子33の第1電子注入 層材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値より、大きくなるよう構成した。 【0089】 従って、第2露光用発光部Ha2の有機EL素子33は駆動電圧を高くして高輝度発光 させても、寿命を延ばすことができ、消耗品であるラインヘッドHの交換時期をさらに長 くすることができる。 【0090】 (3)本実施形態によれば、第1露光用発光部Ha1の有機EL素子33は、低輝度発 光でしかも、その第1電子注入層材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値は小さい ので、第1露光用発光部Ha1の各有機EL素子33に印加する発光輝度に対する駆動電 圧を小さくすることができるため、消費電力の低減を図ることができる。 【0091】 (4)本実施形態によれば、ラインヘッドHを、湾曲形成できるアクリル樹脂よりなる フレキシブル基板30で形成した。従って、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光 部Ha2の対応する有機EL素子33同士を、それぞれ互いに感光体ドラム16の感光層 16aの同じ点を露光する位置合わせることが容易になる。 【0092】 尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。 【0093】 ・上記実施形態では、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光部Ha2は、千鳥格 子状に2次元に、すなわち、2列に有機EL素子33を配列して形成したが、1列又は3 列以上より少なくともなる有機EL素子33を配列して第1露光用発光部Ha1及び第2 露光用発光部Ha2を形成して実施してもよい。 【0094】 ・上記実施形態では、ラインヘッドHは、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用発光 部Ha2の二つの発光部で構成したが、3つ以上の発光部を構成して実施してもよい。こ の場合、発光輝度を、発光部の数に合わせて区分し、露光データに基づいて、それぞれの 発光部の発光素子(有機EL素子)を選択し発光制御することになる。 【0095】 ・上記実施形態では、プリンタ10をタンデム型カラープリンタとして具体化したが、 露光装置20が1つより少なくともなるモノクロプリンタに応用してもよい。 【0096】 ・上記実施形態では、発光素子を有機EL素子33で具体化したが、無機EL素子やL ED等その他発光素子で具体化してもよい。 【0097】 ・上記実施形態では、アクリル樹脂より少なくともなるフレキシブル基板30として具 体化したが、これに限らず、要は、湾曲形成できればよく基板であればよく、例えばポリ イミド等のプラスチック基板であってもよい。 【0098】 ・上記実施形態では、有機EL素子33の発光を制御する画素回路56について、2個 のトランジスタ(駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2)を備える構成 にした。これに限らず、有機EL素子33の発光を制御するトランジスタを3個以上備え る構成にしてもよく、あるいは、反対にフレキシブル基板30に備えない構成にしてもよ い。 【0099】 ・上記実施形態では、フレキシブル基板30に、第1露光用発光部Ha1、第2露光用 発光部Ha2、第1データ線駆動回路51、第2データ線駆動回路52、選択信号生成回 路53及び制御回路54を備えた構成にしたが、第1露光用発光部Ha1及び第2露光用 発光部Ha2を除いた他の回路又は一部を、フレキシブル基板30以外の基板に形成して 実施してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0100】 【図1】第1実施形態の画像形成装置を示す概略側断面図。 【図2】同じく、露光装置を示す概略正断面図。 【図3】同じく、露光装置を感光体ドラム側からみた図。 【図4】同じく、ラインヘッドと感光体ドラムとの関係を示す説明図。 【図5】同じく、有機EL素子を説明するための拡大断面図。 【図6】同じく、高輝度発光と低輝度発光における有機EL素子の電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値に対する寿命との関係を示す図。 【図7】同じく、有機EL素子の電子注入材料の仕事関数又はイオン化ポテンシャルの値に対する一定電圧における輝度の関係を示す図。 【図8】同じく、露光装置の電気的構成を説明するための電気回路図。 【符号の説明】 【0101】 10…画像形成装置としての電子写真方式プリンタ、15…転写媒体としての中間転写 ベルト、16…像担持体としての感光体ドラム、19…帯電手段としての帯電ローラ、2 0…発光装置としての有機エレクロトルミネッセンスアレイ露光装置、21…現像手段と してのトナーカートリッジ、22…一次転写ローラ、26…二次転写ローラ、30…フレ キシブル基板、30a…発光素子形成面、30b…光取り出し面、33…発光素子又は第 1発光素子又は第2発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子、40…マイク ロレンズ、51…第1データ線駆動回路、52…第2データ線駆動回路、53…選択信号 生成回路、54…制御回路、OEL…有機エレクロトルミネッセンス層、OEL1…正孔 輸送層、OEL2…発光層、Ei…電子注入層、Pc…陰極、Pa…陽極、H…ラインヘ ッド、Ha1…発光部又は第1発光部としての第1露光用発光部、Ha2…発光部又は第 2発光部としての第2露光用発光部。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095728 【弁理士】 【氏名又は名称】上柳 雅誉
【識別番号】100127661 【弁理士】 【氏名又は名称】宮坂 一彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−62411(P2008−62411A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−239878(P2006−239878) |
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