| 【発明の名称】 |
液体供給装置、液体供給方法、及び画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】楠木 直毅
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| 【要約】 |
【課題】無駄な液体消費を最小限に抑えつつ気泡除去を効率的に行う。
【構成】液体を発泡加熱によって吐出口から吐出する複数の発泡室、前記複数の発泡室に供給するための液体が貯留され前記発泡室に連通する共通流路、及び前記発泡室と前記共通流路の間に配置された気泡規制部材を有する液体吐出ヘッドと、前記共通流路に供給するための液体が貯蔵され前記共通流路に連通する液体貯蔵部と、前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する手段と、前記液体貯蔵部を減圧する減圧手段と、を備えたことを特徴とする液体供給装置を提供することにより、前記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体を発泡加熱によって吐出口から吐出する複数の発泡室、前記複数の発泡室に供給するための液体が貯留され前記発泡室に連通する共通流路、及び前記発泡室と前記共通流路の間に配置された気泡規制部材を有する液体吐出ヘッドと、 前記共通流路に供給するための液体が貯蔵され前記共通流路に連通する液体貯蔵部と、 前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する手段と、 前記液体貯蔵部を減圧する減圧手段と、 を備えたことを特徴とする液体供給装置。 【請求項2】 前記減圧手段は、気体を通過させる一方で液体の通過を阻止する気液分離部材を介して前記液体貯蔵部に連通する空気連通路、及び前記空気連通路に接続される吸引手段であることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。 【請求項3】 前記気泡規制部材間の距離は、前記吐出口の径より小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置。 【請求項4】 液体を発泡加熱によって吐出口から吐出する複数の発泡室、前記複数の発泡室に供給するための液体が貯留され前記発泡室に連通する共通流路、及び前記発泡室と前記共通流路の間に配置された気泡規制部材を有する液体吐出ヘッドと、前記共通流路に供給するための液体が貯蔵され前記共通流路に連通する液体貯蔵部と、前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する手段と、前記液体貯蔵部を減圧する減圧手段と、を備えた液体供給装置の液体供給方法であって、 前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する工程と、 前記液体貯蔵部に液体を供給する工程と、 前記液体貯蔵部を減圧する工程と、 前記発泡室内の液体を予備吐出する工程と、 を含むことを特徴とする液体供給方法。 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体供給装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、液体供給装置、液体供給方法、及び画像形成装置に係り、特に、無駄な液体消費を最小限に抑えつつ気泡除去を効率的に行うことができる液体供給装置、液体供給方法、及び画像形成装置に関する。 【背景技術】 【0002】 インクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録媒体に対してインク吐出することにより記録を行うものであり、低騒音性に優れ、ランニングコストが安く、多種多様の記録媒体に対して高品位な画像を記録することができることなどから広く普及している。特に、発熱素子で生じる熱エネルギーを利用してインク吐出を行うサーマル方式のものは、圧電素子の変位を利用する圧電方式のものに比べて、構造上ノズルピッチを高密度化するのに有利であり高密度記録化が進んでいる。 【0003】 インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドにおいて、ヘッド内部のインク中に気泡が混入するとインク吐出口(ノズル)からインク滴が正常に吐出されず吐出不良の要因になることがある。このため、インクの初期充填後などにはヘッド内部に混入した気泡を排除するために、ヘッド内部のインクを気泡と共にノズルから予備吐出(パージ)又は吸引することが一般的に行われている。しかしながら、このような処理はヘッド内部のインク全体が無駄に消費されてしまうといった問題がある。 【0004】 一方、特許文献1では、記録ヘッドの共通流路(共通液室)に上壁の一部を高くした気泡トラップ部を設けて、共通流路内の気泡を気泡トラップ部に溜めることにより、発泡室への気泡の流入を防いでいる。 【特許文献1】特開2002−103645号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献1では、記録ヘッド内部から気泡は完全に排除されておらず、気泡トラップ部に気泡が溜められているだけなので、気泡トラップ部の気泡が共通流路内のインクと共に発泡室へ流入し安定吐出を妨げる恐れがある。 【0006】 本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、無駄な液体消費を最小限に抑えつつ気泡除去を効率的に行うことができる液体供給装置、液体供給方法、及び画像形成装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を発泡加熱によって吐出口から吐出する複数の発泡室、前記複数の発泡室に供給するための液体が貯留され前記発泡室に連通する共通流路、及び前記発泡室と前記共通流路の間に配置された気泡規制部材を有する液体吐出ヘッドと、前記共通流路に供給するための液体が貯蔵され前記共通流路に連通する液体貯蔵部と、前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する手段と、前記液体貯蔵部を減圧する減圧手段と、を備えたことを特徴とする液体供給装置を提供する。 【0008】 本発明によれば、発泡室と共通流路の間に配置された気泡規制部材によって、大きな気泡は液体貯蔵部又は共通流路に存在し、小さい気泡は発泡室に存在するようになる。そして、液体貯蔵部を減圧することにより液体貯蔵部及び共通流路の液体を脱気することができ、液体貯蔵部又は共通流路に存在する大きな気泡を無駄な液体消費を伴うことなく除去することができる。一方、予備吐出又は吸引により発泡室内の液体を排出することで発泡室に存在する小さな気泡を除去することができる。従って、無駄な液体消費を最小限に抑えつつ気泡除去を効率的に行うことができる。 【0009】 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体供給装置であって、前記減圧手段は、気体を通過させる一方で液体の通過を阻止する気液分離部材を介して前記液体貯蔵部に連通する空気連通路、及び前記空気連通路に接続される吸引手段であることを特徴とする。 【0010】 請求項2の態様によれば、気液分離部材を介して液体貯蔵部に連通する空気連通路を吸引手段で減圧することによって液体貯蔵部及び共通流路の液体を脱気することができる。また、液体貯蔵部から空気連通路への液体の逆流を気液分離部材で防止することができる。 【0011】 請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置であって、前記気泡規制部材間の距離は、前記吐出口の径より小さいことを特徴とする。 【0012】 請求項3の態様によれば、発泡室に存在する小さな気泡を効率的に除去することができる。 【0013】 また前記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、液体を発泡加熱によって吐出口から吐出する複数の発泡室、前記複数の発泡室に供給するための液体が貯留され前記発泡室に連通する共通流路、及び前記発泡室と前記共通流路の間に配置された気泡規制部材を有する液体吐出ヘッドと、前記共通流路に供給するための液体が貯蔵され前記共通流路に連通する液体貯蔵部と、前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する手段と、前記液体貯蔵部を減圧する減圧手段と、を備えた液体供給装置の液体供給方法であって、前記液体吐出ヘッドの吐出面をキャッピングして吸引する工程と、前記液体貯蔵部に液体を供給する工程と、前記液体貯蔵部を減圧する工程と、前記発泡室内の液体を予備吐出する工程と、を含むことを特徴とする液体供給方法を提供する。 【0014】 更に前記目的を達成するために、前記いずれかの液体供給装置を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、発泡室と共通流路の間に配置された気泡規制部材によって、大きな気泡は液体貯蔵部又は共通流路に存在し、小さい気泡は発泡室に存在するようになる。そして、液体貯蔵部を減圧することにより液体貯蔵部及び共通流路の液体を脱気することができ、液体貯蔵部又は共通流路に存在する大きな気泡を無駄な液体消費を伴うことなく除去することができる。一方、予備吐出又は吸引により発泡室内の液体を排出することで発泡室に存在する小さな気泡を除去することができる。従って、無駄な液体消費を最小限に抑えつつ気泡除去を効率的に行うことが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。 【0017】 まず、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置について説明する。図1は、インクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置10は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の色インク毎に設けられた複数の記録ヘッド(液体吐出ヘッド)を有する印字部12と、各記録ヘッドに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。 【0018】 図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。 【0019】 ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。 【0020】 複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。 【0021】 給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。 【0022】 デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が平面をなすように構成されている。 【0023】 ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。 【0024】 ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモーター(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は紙搬送方向(副走査方向;図1の右方向)と搬送される。 【0025】 縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。 【0026】 なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。 【0027】 吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。 【0028】 インク貯蔵/装填部14は、印字部12の各記録ヘッドに対応する色のインクを貯蔵するタンク(メインタンク)を有している。なお、各色ごとにメインタンク300からサブタンク202へインクが供給される(図4参照)。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。 【0029】 印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。 【0030】 本例の印字検出部24は、記録紙16の画像記録幅よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。 【0031】 印字検出部24は、各色の記録ヘッドにより印字されたテストパターンを読み取り、各記録ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。 【0032】 印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。 【0033】 多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。 【0034】 後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。 【0035】 このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。 【0036】 本実施形態では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能である。 【0037】 図2は、インクジェット記録装置10の印字部周辺の構成を示した概略構成図である。インクジェット記録装置10は、ガイドレール50によって案内された状態で記録紙16の紙幅方向(主走査方向)に往復移動可能なキャリッジ52を備えている。このキャリッジ52上には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクにそれぞれ対応する記録ヘッド12K、12C、12M、12Yが搭載される。各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yは、発熱素子としてのヒーターを備えており、発熱素子で生じる熱エネルギーを利用してインク吐出口(ノズル)からインク滴を吐出させる。インクジェット記録装置10は、記録紙16を副走査方向(紙搬送方向)に搬送しつつ、各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yと共にキャリッジ52を主走査方向に往復移動させながら、各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yのノズルからそれぞれ対応する色インクのインク滴を吐出させる。これにより、記録紙16上に所望の画像が記録される。 【0038】 各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yはそれぞれサブタンク(図2中不図示、図3中符号202として記載)と一体的に構成されており、記録動作中、サブタンク内に貯蔵されるインクが記録ヘッドのインク消費に伴って順次供給される。また、記録動作の進行に伴ってサブタンク内のインク残量が所定量以下になると、キャリッジ52は、図2に示すような所定の待機位置(メンテナンス位置)に移動される。待機位置では、メインタンク(図2中不図示、図4中符号300として記載)からサブタンクにインク補給が行われ、サブタンク内にインクが十分満たされた後、記録動作が再開される。 【0039】 次に、記録ヘッド12K、12C、12M、12Yの構成について説明する。なお、各色に対応する記録ヘッド12K、12C、12M、12Yの構成は共通するので、以下では、これらを代表して符号100で記録ヘッドを表す。図3は、記録ヘッド100(図2に示した各色に対応する記録ヘッド12K、12C、12M、12Yに相当)の概略構成図であり、(a)はノズル面100Aに垂直な断面図、(b)は(a)中3b−3b線に沿う断面図、(c)は(b)中3c−3c線に沿う断面図である。 【0040】 図3に示すように、記録ヘッド100には、ノズル102、発泡室104、及びヒーター106から成る吐出素子108が1列に配列されるともに、吐出素子列に平行な共通流路110が設けられている。この記録ヘッド100は、ノズルプレート112、第1の基板114、及び第2の基板116を順次積層した構造となっている。例えば、第2の基板116は1枚のSi基板から構成されていてもよい。 【0041】 各ノズル102に各々連通する発泡室104は、ノズル102から吐出するためのインクが充填される場所であり、第1の基板114によって区画形成されている。即ち、発泡室104間の隔壁は第1の基板114で構成される。なお、各発泡室104の上下の壁面は、第2の基板116及びノズルプレート112で構成される。各発泡室104はそれぞれ共通流路110側に開口しており、これらの開口104aを介して共通流路110と各発泡室104は各々連通する(図3(b)参照)。 【0042】 共通流路110は、各発泡室104に供給されるインクが貯留される場所であり、吐出素子列に並ぶように配置される。第2の基板116には吐出素子列に平行な方向を長手方向とする細長で矩形状の貫通口118が形成されており、共通流路110は貫通口118を介してサブタンクユニット200内部に形成されるサブタンク202に連通している。貫通口118は、共通流路110と略同じ長さ及び幅を有する矩形の長孔状に形成されており、共通流路110の一部として機能する。つまり、サブタンク202及び共通流路110(貫通口118含む)は全体で一体的な流路構造となっている。 【0043】 各発泡室104にそれぞれ対応して設けられるヒーター106は、発泡室104のノズル102に対向する位置、即ち、第2の基板116の第1の基板114側(即ち、発泡室104側)の各発泡室104に対応する位置に形成されている。発泡室104内のインクは、ヒーター106で生じる熱エネルギー(吐出エネルギー)に応じてノズル102から液滴として吐出される。つまり、発泡加熱によって発泡室104内のインクがノズル102から吐出される。 【0044】 各発泡室104の共通流路110側の開口104aと共通流路110との間には、気泡規制部材120が吐出素子108が配列される方向(ヘッド長手方向)に沿って等間隔に設けられている。気泡規制部材120は、底面(ノズルプレート112)から天面(第2の基板116)を接続する柱状に構成されており、気泡規制部材120間の距離Lは発泡室104の共通流路110側の開口104aにおける開口幅D1以下、好ましくは、ノズル径D2以下である。このように気泡規制部材120を発泡室104と共通流路110の間に配置しておくことにより、所定サイズ以上の気泡が共通流路110から発泡室104に侵入するのを防止することができるので、インクの初期充填時において、大きな気泡は共通流路110及びサブタンク202に存在し、小さな気泡は発泡室104に存在するようになる。気泡規制部材120は、図3に示したような平板状に限定されず、例えば、円柱状、楕円柱状、多角柱状などでもよい。 【0045】 記録ヘッド100の背面側(即ち、ノズル面100A側とは反対側)にはサブタンクユニット200が配置されており、その内部にはサブタンク202が設けられている。サブタンク202は、記録ヘッド100(共通流路110)に供給するためのインクが貯蔵される液体貯蔵部であり、上述したように、貫通口118を介して共通流路110に連通し、これら全体で一体的な流路構造となっている。また、サブタンク202の一端には補充口204が形成されており、補充口204を介してメインタンク300(図4参照)からサブタンク202へのインク補給が行われる。 【0046】 また、サブタンク202の鉛直方向上部には、気液分離部材206を介してサブタンク202に連通する空気連通路208が設けられている。なお、本実施形態の記録ヘッド100は鉛直方向下方がインク吐出方向である。気液分離部材206は、空気等の気体のみを通過させる一方でインク等の液体の通過を阻止する機能を有するものであり、例えば多孔質部材で構成される。空気連通路208の一端には吸引口210が形成され、この吸引口210には吸引ポンプ(図3中不図示)が接続される。この吸引ポンプを作動させて空気連通路208を減圧状態にすると、気液分離部材206を介してサブタンク202のインク液面上部の空間も減圧状態になる。このときサブタンク202から空気連通路208へのインクの逆流はこれらの間に配置される気液分離部材206によって防止される。これにより、サブタンク202及び共通流路110のインクが減圧脱気され、これらのインク中に存在する大きな気泡は無駄なインク消費が生じることなく効率的に除去される。なお本実施形態では、上述したようにサブタンク202及び共通流路110(貫通口118含む)は一体的な流路構造となっているので、サブタンク202のインク液面上部の空間部の減圧に伴ってサブタンク202だけでなく共通流路110のインクも脱気される。 【0047】 図4は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。同図において、メインタンク300はサブタンク202にインクを供給する基タンクであり、図2で示したような待機位置に設置される。記録動作の進行に伴って、サブタンク202のインク残量が少なくなると、キャリッジ52の移動に伴って記録ヘッド100と共にサブタンク202を待機位置に移動させ、メインタンク300から補充口(図4中不図示、図3中符号204として記載)を介してサブタンク202にインクを補充する。なお、図4のメインタンク300は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。 【0048】 メインタンク300とサブタンク202の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ302が設けられていてもよい。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。 【0049】 また、インクジェット記録装置10には、ノズル近傍のインク粘度の上昇、乾燥を防止するための手段としてのキャップ304と、記録ヘッド100のノズル面100Aの清掃手段としてのクリーニングブレード306とが設けられている。これらキャップ304及びクリーニングブレード306を含むメンテナンスユニットは上述した待機位置に配置されており、不図示の移動機構によって記録ヘッド100に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から待機位置に移動される。 【0050】 キャップ304は、図示せぬ昇降機構によって記録ヘッド100に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ304を所定の上昇位置まで上昇させ、記録ヘッド100に密着させることにより、ノズル面100Aをキャップ304で覆う。 【0051】 クリーニングブレード306は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構により記録ヘッド100のノズル面100Aに摺動可能である。ノズル面100Aにインク滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード306をノズル面100Aに摺動させる、いわゆるワイピング動作を行うことでインク滴等を拭き取る。 【0052】 印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ304に向かって予備吐出が行われる。 【0053】 また、記録ヘッド100内(発泡室104内)のインクに気泡が混入した場合、記録ヘッド100にキャップ304を当て、吸引ポンプ307で記録ヘッド100内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク308へ送液する。この吸引動作は、初期のインクの記録ヘッド100への装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、記録ヘッド100に対するインク初期充填時の気泡除去方法については後述する。 【0054】 記録ヘッド100は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ(ヒーター106)が動作してもノズル102からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータの動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータを動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面100Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード306等のワイパーによってノズル面100Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作(ワイピング動作)によってノズル内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。 【0055】 また、ノズル102や発泡室104に気泡が混入したり、ノズル近傍のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。 【0056】 すなわち、ノズル102や発泡室104のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル近傍のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、アクチュエータを動作させてもノズル102からインクを吐出できなくなる。このような場合、記録ヘッド100のノズル面100Aに、発泡室104内のインクをポンプ等で吸い込む吸引手段としてキャップ304を当接させて、気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引する動作が行われる。 【0057】 次に、記録ヘッド100へのインク初期充填時の気泡除去方法について説明する。図5は、初期充填時の気泡除去方法を示すフロー図である。 【0058】 まず、記録ヘッド100を所定の待機位置(図2参照)に移動した後、記録ヘッド100のノズル面100Aをキャッピングし吸引を行う(ステップS10)。具体的には、ノズル面100Aにキャップ304を当接し、キャップ304に接続される吸引ポンプ307を作動させる。これにより、記録ヘッド100内部は減圧状態になる。 【0059】 このような減圧状態において、メインタンク300からサブタンク202及び記録ヘッド100内部にインクを充填する(ステップS20)。これにより、サブタンク202及び記録ヘッド100内部にインクが流れるが、このときインクが均一に一塊になって流れず、当初からサブタンク202及び記録ヘッド100内部に存在していた空気が巻き込まれ、気泡が混入する。気泡のサイズは大小さまざまであるが、共通流路110から気泡規制部材120を通過する際、大きな気泡がこの流路規制部材120によりトラップされて、小さい気泡のみ発泡室104に流れることになる。このようにして、大きな気泡はサブタンク202及び共通流路110に存在し、小さな気泡は発泡室104に存在するようになる。 【0060】 次に、空気連通路208の吸引口210に接続される吸引ポンプ310(図4参照)を作動させ、空気連通路208を減圧状態にする(ステップS30)。これにより、気液分離部材206を介してサブタンク202のインク液面上部の空間部も減圧状態になり、サブタンク202及び共通流路110のインクが脱気されて、これらのインク中に存在する大きな気泡は無駄なインク消費が生じることなく効率良く除去される。このときサブタンク202から空気連通路208へのインクの逆流は、これらの間に配置される気液分離部材206によって防止される。 【0061】 最後に、予備吐出(パージ)によって発泡室104内のインクと共に気泡をヘッド外部に排出する(ステップS40)。共通流路110及びサブタンク202に存在する気泡は既に減圧脱気により除去されているので、予備吐出は発泡室104内のインクが排除される程度に所定回数行えばよい。発泡室104は共通流路110及びサブタンク202の容積に比べて遥かに小さいので、無駄なインク消費量を最小限に抑えることができる。 【0062】 本実施形態において、図3(b)に示すように、気泡規制部材120間の距離Lは、発泡室104の開口104aにおける開口幅D1より小さく(即ち、L<D1)、好ましくは、ノズル径D2より小さくすることで(即ち、L<D2)、発泡室104にはより小さなサイズの気泡が存在するようになり、予備吐出又は吸引による無駄なインク消費をより一層抑えることが可能となり、気泡除去を確実且つ効率的に行うことができる。 【0063】 特に、L<D2を満たしていないと予備吐出で気泡を排除することができなくなる可能性が高くなる。このような場合、キャップ吸引で排除することになるが、キャップ吸引は予備吐出と比べてインク排出量が格段に多くなる。このため、L<D2を満たすようにすることにより、キャップ吸引を行わずに予備吐出で気泡の排除が可能なので、効率的な(即ち、インク消費量が少ない)気泡排除が可能となる。 【0064】 以上説明したように、発泡室104と共通流路110の間に配置された気泡規制部材120によって、記録ヘッド100に対するインク初期充填時などにヘッド内部のインク中に生じる気泡をその大きさに応じて選別することができる。即ち、大きな気泡はサブタンク202又は共通流路110に存在し、小さい気泡は発泡室104に存在するようになる。そして、気液分離部材206を介してサブタンク202に連通する空気連通路208を減圧することでサブタンク202のインク液面上部の空間部が減圧され、サブタンク202及び共通流路110のインクを脱気することができ、サブタンク202又は共通流路110に存在する大きな気泡を無駄なインク消費を伴うことなく除去することができる。一方、予備吐出又は吸引により発泡室104内のインクをヘッド外部に排出することで発泡室104に存在する小さな気泡を除去することができる。従って、無駄なインク消費を最小限に抑えつつ気泡除去を効率的に行うことが可能となる。 【0065】 尚、本発明の実施に際しては、本実施形態の如く、ヒーター等の発熱素子を利用して吐出を行うサーマル方式に限定されず、例えば、ピエゾに代表される圧電素子を利用して吐出を行う圧電方式やその他各種方式でもよい。 【0066】 以上、本発明の液体供給装置、液体供給方法、及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。 【図面の簡単な説明】 【0067】 【図1】インクジェット記録装置の全体構成図 【図2】インクジェット記録装置の印字部周辺の構成を示した概略構成図 【図3】記録ヘッドの構成図 【図4】インクジェット記録装置のインク供給系の構成を示した概要図 【図5】初期充填時の気泡除去方法を示すフロー図 【符号の説明】 【0068】 10…インクジェット記録装置、100…記録ヘッド、102…ノズル、104…発泡室、106…ヒーター、108…吐出素子、110…共通流路、118…貫通口、200…サブタンクユニット、202…サブタンク、204…補充口、206…気液分離部材、208…空気連通路、210…吸引口、300…メインタンク、304…キャップ、307…吸引ポンプ、310…吸引ポンプ
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| 【出願人】 |
【識別番号】306037311 【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月4日(2006.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083116 【弁理士】 【氏名又は名称】松浦 憲三
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| 【公開番号】 |
特開2008−62396(P2008−62396A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−239332(P2006−239332) |
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