トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 液滴吐出装置、及びこれを備えた画像形成装置
【発明者】 【氏名】小村 辰美

【要約】 【課題】各液滴吐出ヘッドの湾曲量の違いによって発生する液滴の吐出領域のずれを是正することができる液滴吐出装置、及びこれを備えた画像形成装置を得る。

【構成】液滴吐出ヘッドの周辺温度が規定値以上の場合は、ステップ208で、液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度と液滴吐出ヘッドの湾曲量とを関連付けた第1湾曲量変換テーブルから各液滴吐出ヘッドの湾曲量を湾曲量取得部が取得する。ステップ300では、ステップ208で取得した湾曲量に基づいて算出された最小の吐出領域を基準領域として決定し、ステップ302に移行し、印字データに補正をかける。つまり、基準領域内にある他の液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させ、さらに、色ずれを是正するため、湾曲量に応じて他の液滴吐出ヘッドの解像度を下げる。このように、各液滴吐出ヘッドの湾曲量に応じて印字データを補正することで色ずれをなくすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出するノズルを複数備えたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットが列状に配列された液滴吐出ヘッドと、を備え、前記液滴吐出ヘッドを液滴吐出対象物の搬送方向と交差して並列に配置した液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドの両端を固定する固定支承と、
前記液滴吐出対象物の搬送方向の熱変形による前記液滴吐出ヘッドの各湾曲量を取得する湾曲量取得手段と、
前記湾曲量取得手段で取得された各湾曲量に基づいて算出された前記液滴吐出対象物の搬送方向から見た最小の吐出領域を基準領域とし、前記湾曲量取得手段が取得した前記湾曲量に基づいて前記基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる印字制御手段と、
を有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
液滴を吐出するノズルを複数備えたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットが列状に配列された液滴吐出ヘッドと、を備え、前記液滴吐出ヘッドを液滴吐出対象物の搬送方向と交差して並列に配置した液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドの両端を固定する固定支承と、
前記液滴吐出対象物の搬送方向の熱変形による前記液滴吐出ヘッドの各湾曲量を取得する湾曲量取得手段と、
作動保証温度内での予め決められた最小の吐出領域を基準領域とし、前記湾曲量取得手段が取得した前記湾曲量に基づいて前記基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる印字制御手段と、
を有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
前記湾曲量取得手段は、搬送方向と交差する方向の熱変形による前記液滴吐出ヘッドの各湾曲量を取得し、前記印字制御手段は、前記基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記基準領域に合わせて印字データを補正して液滴吐出ヘッドの解像度を下げることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出されるインク滴の滴径を前記液滴吐出ヘッド毎に変えることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出されるインク滴の滴径を前記ノズル毎に変えることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出される主インク滴に付随させて微小滴を吐出させることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
前記ノズルはインク滴を吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出させる前記インク滴の吐出タイミングを変えることを特徴とする請求項1乃至7何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項9】
前記液滴吐出ヘッドの周辺の環境温度が規定値以上になったとき、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項10】
前記液滴吐出ヘッドの温度が規定値以上になったとき、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項11】
印字枚数が規定値以上になったとき、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項4乃至8何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項12】
印字毎に、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする請求項4乃至8何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項13】
前記湾曲量取得手段は、前記液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度と前記液滴吐出ヘッドの湾曲量とを関連付けた第1湾曲量変換テーブルと、温度センサによって測定された前記液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度と、によって前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする請求項1乃至12何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項14】
前記湾曲量取得手段は、前記液滴吐出ヘッドの温度と前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を関連付けた第2湾曲量変換テーブルと、温度センサによって測定された前記液滴吐出ヘッドの温度と、によって前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする請求項1乃至12何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項15】
前記湾曲量取得手段は、印字データと前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を関連付けた第3湾曲量変換テーブルと、画像データから生成される印字データと、によって前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする請求項4乃至12何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項16】
前記湾曲量取得手段は、前記液滴吐出ヘッドの上下面の伸縮量又は撓み量を検出する第1検出器の検出信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする請求項1乃至12何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項17】
前記湾曲量取得手段は、前記ノズルから前記液滴吐出対象物に吐出された液滴の位置を検出する第2検出器の検出信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする請求項1乃至12何れか1項に記載された液滴吐出装置。
【請求項18】
請求項1乃至17何れか1項に記載された液滴吐出装置が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を吐出する液滴吐出装置とこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、環境温度の変化による記録シート(以下シート材)の伸縮に応じて、印字データを補正するものがある。(特許文献1)
詳細には、温度センサで検知した周囲の温度からシート材がどの程度伸縮するかを中央制御部で計算し、それに応じて倍率調整手段が印字領域を調整するために印字データを補正する。
【0003】
これにより、画像形成装置に備えられた液滴吐出装置よる印字がシート材からはみ出たり、シート材の画像余白が大きくなったりするのを防止している。
【特許文献1】特開2004−202932公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、環境温度の変化により、シート材は伸縮するが、それと同様に液滴吐出装置に備えられる液滴吐出ヘッドも変形する。
【0005】
近年、高速印字に対応するため、シート巾を持つ液滴吐出ヘッドをシート材の搬送方向と直交する方向に固定配置した画像形成装置がある。
【0006】
さらに、フルカラーに対応するために、この液滴吐出ヘッドをシート材の搬送方向に複数並べて配置している。
【0007】
このような両端固定された長尺状の液滴吐出ヘッドの場合、各ヘッド間の温度ばらつきにより各色の液滴吐出ヘッドの変形量が相違する。このため各液滴吐出ヘッドの湾曲量が相違し、各色毎に液滴を吐出する吐出領域が変わってしまう。そのため、各液滴吐出ヘッドの吐出領域にずれが発生してしまう。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮し、各液滴吐出ヘッドの湾曲量の違いによって発生する液滴の吐出領域のずれを是正することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを複数備えたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットが列状に配列された液滴吐出ヘッドと、を備え、前記液滴吐出ヘッドを液滴吐出対象物の搬送方向と交差して並列に配置した液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドの両端を固定する固定支承と、前記液滴吐出対象物の搬送方向の熱変形による前記液滴吐出ヘッドの各湾曲量を取得する湾曲量取得手段と、前記湾曲量取得手段で取得された各湾曲量に基づいて算出された前記液滴吐出対象物の搬送方向から見た最小の吐出領域を基準領域とし、前記湾曲量取得手段が取得した前記湾曲量に基づいて前記基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる印字制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、両端が固定された各液滴吐出ヘッドは、熱変形により、液滴吐出対象物の搬送方向から見て湾曲する。
【0011】
湾曲量取得手段は、液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得し、印字制御手段は、湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて算出された最小の吐出領域を基準領域として、この基準領域内にある液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる。
【0012】
このように、各液滴吐出ヘッドの湾曲量の違いによって発生する液滴の吐出領域の差を是正することがきる。
【0013】
本発明の請求項2に係る液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを複数備えたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットが列状に配列された液滴吐出ヘッドと、を備え、前記液滴吐出ヘッドを液滴吐出対象物の搬送方向と交差して並列に配置した液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドの両端を固定する固定支承と、前記液滴吐出対象物の搬送方向の熱変形による前記液滴吐出ヘッドの各湾曲量を取得する湾曲量取得手段と、作動保証温度内での予め決められた最小の吐出領域を基準領域とし、前記湾曲量取得手段が取得した前記湾曲量に基づいて前記基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる印字制御手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、両端が固定された各液滴吐出ヘッドは、熱変形により、液滴吐出対象物の搬送方向から見て湾曲する。
【0015】
湾曲量取得手段は、液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得し、印字制御手段は、作動保証温度内での予め決められた最小の吐出領域を基準領域として、この基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させる。
【0016】
このように、各液滴吐出ヘッドの湾曲量の違いによって発生する液滴の吐出領域の差を是正することがきる。
【0017】
本発明の請求項3に係る液滴吐出装置は、請求項1又は2記載において、前記湾曲量取得手段は、搬送方向と交差する方向の熱変形による前記液滴吐出ヘッドの各湾曲量を取得し、前記印字制御手段は、前記基準領域内にある各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出させることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、両端が固定された各液滴吐出ヘッドは、熱変形により液滴吐出対象物の搬送方向と交差する方向から見て湾曲する。
【0019】
湾曲量取得手段は、液滴吐出対象物の搬送方向と交差する方向の液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得し、印字制御手段は、基準領域内にあるノズルから液滴を吐出させる。
【0020】
このように、各液滴吐出ヘッドの湾曲量の違いによって発生する液滴の吐出領域の差を是正することがきる。
【0021】
本発明の請求項4に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至3何れか1項に記載において、前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記基準領域に合わせて印字データを補正して液滴吐出ヘッドの解像度を下げることを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、印字制御手段は、基準領域に合わせて印字データを補正して液滴吐出ヘッドの解像度を下げる。
【0023】
つまり、各液滴吐出ヘッドが湾曲することで基準領域を算出する際に用いた液滴吐出ヘッドのノズル間隔と比較してノズルの間隔及びノズルから吐出されるインクのインク吐出方向が変わる。この状態でインクを吐出すると液滴吐出ヘッド毎に出力画像にずれが発生する。しかし、印字制御手段が夫々の液滴吐出ヘッドの解像度を下げることで同じ大きさの画像が形成され印字ずれを防止することができる。
【0024】
本発明の請求項5に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至4何れか1項記載において、前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出されるインク滴の滴径を前記液滴吐出ヘッド毎に変えることを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、印字制御手段は、湾曲量に基づいてノズルから吐出されるインク滴の滴径を液滴吐出ヘッド毎に変える。
【0026】
つまり、液滴吐出ヘッドが上方に凸状に湾曲して液滴吐出対象物の単位面積当りに吐出されるインク滴が多い場合は、インク滴の滴径を液滴吐出ヘッド毎に小さくし、逆に、液滴吐出ヘッドが下方に凸状に湾曲して単位面積当りのインク滴の数が少ない場合は、インク滴の滴径を液滴吐出ヘッド毎に大きくする。これにより、各液滴吐出ヘッド間において単位面積当りのインク量を均一化し、効果的に狙いどおりの色合いを印字することができる。
【0027】
本発明の請求項6に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至5何れか1項記載において、前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出されるインク滴の滴径を前記ノズル毎に変えることを特徴とする。
【0028】
上記構成によれば、印字制御手段は、湾曲量に基づいてノズルから吐出されるインク滴の滴径をノズル毎に変える。
【0029】
つまり、液滴吐出ヘッドが上方に凸状に湾曲して液滴吐出対象物の単位面積当りに吐出されるインク滴が多い場合は、インク滴の滴径をノズル毎に小さくし、逆に、液滴吐出ヘッドが下方に凸状に湾曲して単位面積当りのインク滴の数が少ない場合は、インク滴の滴径をノズル毎に大きくする。これにより、各液滴吐出ヘッド内において単位面積当りのインク量を均一化し、効果的に狙いどおりの色合いを印字することができる。
【0030】
本発明の請求項7に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至6何れか1項記載において、前記ノズルはインクを吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出される主インク滴に付随させて微小滴を吐出させることを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、印字制御手段は、湾曲量に基づいてノズルから吐出される主インク滴に付随させて微小滴を吐出させる。
【0032】
つまり、主インク滴が着弾した回りに付随させて微小滴を吐出させることで縁部の輪郭がぼけるのを防ぐことができる。
【0033】
本発明の請求項8に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至7何れか1項記載において、前記ノズルはインク滴を吐出し、前記印字制御手段は、前記湾曲量取得手段で取得された湾曲量に基づいて、前記ノズルから吐出させる前記インク滴の吐出タイミングを変えることを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、印字制御手段は、湾曲量に基づいて、ノズルから吐出させるインク滴の吐出タイミングを変える。
【0035】
つまり、液滴吐出ヘッドが熱変形により湾曲することで、ノズルから液滴吐出対象物までの距離が変化する。この状態で液滴を吐出すると着弾位置のずれが発生する。しかし、印字制御手段が夫々のノズルから吐出されるインクの吐出タイミングを変えることで各色で同じ大きさ及び形状の画像が形成され印字ずれを防止することができる。
【0036】
本発明の請求項9に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至8何れか1項記載において、前記液滴吐出ヘッドの周辺の環境温度が規定値以上になったとき、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする。
【0037】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、液滴吐出ヘッドの周辺の環境温度が規定値以上になったとき、各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、印字制御手段が基準領域内にあるノズルから液滴を吐出させる。
【0038】
このように、液滴吐出ヘッドの湾曲量が大きくなるときだけ、印字制御手段が液滴を吐出させるノズルを制御するため無駄がない。
【0039】
本発明の請求項10に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至8何れか1項記載において、前記液滴吐出ヘッドの温度が規定値以上になったとき、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする。
【0040】
上記構成によれば、湾曲量手段は、液滴吐出ヘッドの温度が規定値以上になったとき、各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、印字制御手段が基準領域内にあるノズルから液滴を吐出させる。
【0041】
このように、液滴吐出ヘッドの湾曲量が大きくなるときだけ、印字制御手段が液滴を吐出させるノズルを制御するため無駄がない。
【0042】
本発明の請求項11に係る液滴吐出装置は、請求項4乃至8何れか1項記載において、印字枚数が規定値以上になったとき、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする。
【0043】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、印字枚数が規定値以上になったとき、各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、印字制御手段が基準領域内にあるノズルから液滴を吐出させる。
【0044】
つまり、印字枚数が規定値に達すると液滴吐出ヘッドの温度は印字動作により規格以上変化する。このように、液滴吐出ヘッドの温度が規格値を超えて変化する毎に、印字制御手段が液滴を吐出させるノズルを制御するため無駄がない。
【0045】
本発明の請求項12に係る液滴吐出装置は、請求項4乃至8何れか1項記載において、印字毎に、前記湾曲量取得手段が前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、前記印字制御手段が前記基準領域内にある前記ノズルから液滴を吐出させることを特徴とする。
【0046】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、印字毎に、各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得して、印字制御手段が基準領域内にあるノズルから液滴を吐出させる。
【0047】
このように、常に湾曲量取得手段が液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得するため、最新の液滴吐出ヘッドの湾曲量に基づいて印字制御手段が液滴を吐出させるノズルを制御することができる。
【0048】
本発明の請求項13に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至12何れか1項に記載において、前記湾曲量取得手段は、前記液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度と前記液滴吐出ヘッドの湾曲量とを関連付けた第1湾曲量変換テーブルと、温度センサによって測定された前記液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度と、によって前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする。
【0049】
上記構成によれば、湾曲量取得手段が、液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度と液滴吐出ヘッドの湾曲量とを関連付けた第1湾曲量変換テーブルと、温度センサによって測定された各液滴吐出ヘッドの周囲の環境温度によって各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得する。
【0050】
このように、液滴吐出ヘッドの周辺の環境温度を用いて、簡単に各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することができる。
【0051】
本発明の請求項14に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至12何れか1項に記載において、前記湾曲量取得手段は、前記液滴吐出ヘッドの温度と前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を関連付けた第2湾曲量変換テーブルと、温度センサによって測定された前記液滴吐出ヘッドの温度と、によって前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする。
【0052】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、液滴吐出ヘッドの温度と液滴吐出ヘッドの湾曲量とを関連付けた第2湾曲量変換テーブルと、温度センサによって測定された各液滴吐出ヘッドの温度によって各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得する。
【0053】
このように、液滴吐出ヘッドの温度を用いて、簡単に各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することができる。
【0054】
本発明の請求項15に係る液滴吐出装置は、請求項4乃至12何れか1項に記載において、前記湾曲量取得手段は、印字データと前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を関連付けた第3湾曲量変換テーブルと、画像データから生成される印字データと、によって前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする。
【0055】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、印字データと液滴吐出ヘッドの湾曲量とを関連付けた第3湾曲量変換テーブルと、画像から生成される印字データによって液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得する。
【0056】
つまり、印字データが多いときは、液滴吐出ヘッドの作動量が多いため、温度が上昇すると予測し、印字データが少ないときは、液滴吐出ヘッドの作動量が少ないため、温度があまり上昇しないと予測する。このように、温度を測定することなく液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することができる。
【0057】
本発明の請求項16に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至12何れか1項に記載において、前記湾曲量取得手段は、前記液滴吐出ヘッドの上下面の伸縮量又は撓み量を検出する第1検出器の検出信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする。
【0058】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、液滴吐出ヘッドの上下面の伸縮量又は撓み量を検出する第1検出器の検出信号に基づいて液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得する。
【0059】
このように、直接液滴吐出ヘッドの上下面の伸縮量又は撓み量を検出することで精度良く各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することができる。
【0060】
本発明の請求項17に係る液滴吐出装置は、請求項1乃至12何れか1項に記載において、前記湾曲量取得手段は、前記ノズルから前記液滴吐出対象物に吐出された液滴の位置を検出する第2検出器の検出信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することを特徴とする。
【0061】
上記構成によれば、湾曲量取得手段は、ノズルから液滴吐出対象物に吐出された液滴の位置を検出する第2検出器の検出信号に基づいて各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得する。既に、シート材の位置を検知するレジストレーション検出用の検知手段が設けられている場合は、これを第2検出器として所定のテストパターンに着弾させた液滴の位置を検出してそのずれ量から各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することができる。
【0062】
本発明の請求項18に係る画像形成装置は、請求項1乃至17何れか1項に記載された液滴吐出装置が設けられたことを特徴とする。
【0063】
上記構成によれば、画像形成装置には、請求項1乃至17何れか1項に記載された液滴吐出装置が設けられているため、印字ずれを防止して高画質な出力画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0064】
本発明によれば、各液滴吐出ヘッドの湾曲量の違いによって発生する液滴の吐出領域のずれを是正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置が採用された画像形成装置の実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0066】
図9には、本実施形態に係る画像形成装置であるFWA(Full Width Array)型インクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」という)112の構成が概略的に示されている。
【0067】
このプリンタ112の筐体114内の下部には給紙トレイ116が備えられており、給紙トレイ116内に積層されたシート材Pをピックアップロール118で1枚ずつ取り出すことができる。取り出されたシート材Pは、所定の搬送経路122を構成する複数の搬送ローラ120で搬送される。以下、単に「搬送方向」というときは、シート材Pの搬送方向をいい、「上流」、「下流」というときはそれぞれ、搬送方向の上流及び下流を意味するものとする。
【0068】
給紙トレイ116の上方には、駆動ロール124及び従動ロール126に張架された無端状の搬送ベルト128が配置されている。搬送ベルト128の上方には液滴吐出装置130が配置されており、搬送ベルト128の平坦部分128Fに対向している。この対向した領域が、液滴吐出装置130から液滴が吐出される吐出領域SEとなっている。搬送経路122に沿って搬送されたシート材Pは、搬送ベルト128で保持されてこの吐出領域SEに至り、液滴吐出装置130に対向した位置で、液滴吐出装置130からインク滴が吐出される。
【0069】
そして、シート材Pを搬送ベルト128で保持した状態で周回させることで、吐出領域SE内に複数回通過させて、いわゆるマルチパスによる画像記録を行うことも可能となっている。もちろん、シート材Pを吐出領域SE内に1回のみ通過させて、いわゆる1パスで画像記録を行っても良い。
【0070】
液滴吐出装置130は、本実施形態では、有効な記録領域がシート材Pの幅(搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺物で、いわゆるFWA(Full Width Array)となっている。液滴吐出装置130内には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つの液滴吐出ヘッド132が搬送方向に沿って並列に配置されており、フルカラー画像を記録することができる。なお、それぞれの液滴吐出ヘッド132においてインク滴を吐出する方法は特に限定されず、いわゆるサーマル方式や圧電方式等、公知のものを適用できる。
【0071】
また、液滴吐出装置130は、搬送方向と直交する方向に不動とされていてもよいが、必要に応じて移動するように構成しておくと、マルチパスによる画像記録で、より解像度の高い画像を記録できる。
【0072】
また、液滴吐出装置130の上流側には、図示しない電源が接続された帯電ロール136が配置されている。帯電ロール136は、従動ロール126との間で搬送ベルト128及びシート材Pを挟みながら従動回転し、シート材Pを搬送ベルト128に押圧する押圧位置と、搬送ベルト128から離間した離間位置との間を移動可能とされている。押圧位置では、接地された従動ロール126との間に所定の電位差が生じるため、シート材Pに電荷を与えて搬送ベルト128にシート材Pを静電吸着させることができる。なお、電源は、シート材Pを所定電位に帯電させることが可能であれば、直流電源でも交流電源でもよい。
【0073】
また、帯電ロール136よりもさらに上流側には、図示しないレジロールが設けられており、シート材Pが搬送ベルト128と帯電ロール136との間に至る前にシート材Pの位置及び搬送タイミングが調整されている。
【0074】
液滴吐出装置130の下流側には、剥離プレート140が配置されており、シート材Pを搬送ベルト128から剥離することができる。
【0075】
剥離されたシート材Pは、剥離プレート140の下流側で排出経路144を構成する複数の排出ローラ142で搬送され、筐体114の上部に設けられた排紙トレイ146に排出される。
【0076】
さらに、剥離プレート140の下方には、駆動ロール124との間で搬送ベルト128を挟持するクリーニングロール148が配置されており、搬送ベルト128の表面をクリーニングする構成となっている。
【0077】
また、給紙トレイ116と搬送ベルト128の間には、複数の反転用ローラ150で構成された反転経路152が設けられており、片面に画像記録されたシート材Pを反転させて搬送ベルト128に保持させることで、シート材Pの両面への画像記録を形成するようになっている。
【0078】
搬送ベルト128と排紙トレイ146の間には、4色の各インクをそれぞれ貯留するインクタンク154が設けられている。インクタンク154のインクは、図示しないインク供給配管によって、液滴吐出装置130に供給される。インクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、公知の各種インクを使用できる。
【0079】
以上の構成によって、図9に示されるように、プリンタ112では、給紙トレイ116から取り出されたシート材Pが搬送ローラ120によって搬送経路122に沿って搬送され、搬送ベルト128に至る。さらに、シート材Pは帯電ロール136によって搬送ベルト128に押し付けられ、帯電ロール136からの印加電圧によって搬送ベルト128に吸着(密着)されて保持される。この状態で、搬送ベルトの循環によってシート材Pが吐出領域SEを通過しつつ、液滴吐出装置130の液滴吐出ヘッド132にもうけられたノズルからインク滴が吐出されて、シート材P上に画像が記録される。1パスのみで画像記録する場合には、剥離プレート140でシート材Pを搬送ベルト128から剥離し、排出ローラ142で搬送して排紙トレイ146に排出する。これに対し、マルチパスで画像記録を行う場合には、必要な回数に達するまでシート材Pを周回させて吐出領域SEを通過させた後、剥離プレート140でシート材Pを搬送ベルト128から剥離し、排出ローラ142で搬送して排紙トレイ146に排出する。
【0080】
次に液滴吐出ヘッド132について説明する。
【0081】
図8に示されるように、液滴吐出ヘッド132は、本体フレームに固定された長方形の枠体156に支持されている。
【0082】
枠体156の長辺158の長手方向は、シート材Pの搬送方向と直交する方向に配置され、枠体156は、搬送ベルト128(図9参照)の平坦部分128Fと対向するように配置されている。
【0083】
また、枠体156の短辺160の下面には、固定支承としてのブロック状の固定支持部材164が対向する両方の短辺160に取り付けられている。そして、これらの固定支持部材164の下面側に、これらの間を掛け渡すと共に液滴吐出ヘッド132を構成する長尺部材168が設けられている。また、この長尺部材168の下面には、複数のヘッドユニット178が取り付けられている。
【0084】
詳細には、図7に示されるように、長尺部材168には、長手方向に沿って複数のヘッド取付部176が形成されており、このヘッド取付部176に、複数のヘッドユニット178が列状に取り付けられている。さらに、ヘッドユニット178には、印字データに基づいてインク滴を吐出させるノズル(図示省略)がシート材Pと対向するノズル面178Aに複数設けられている。
【0085】
また、ヘッドユニット178のそれぞれは、単体でシート材Pの紙幅を有していないが、複数のヘッドユニット178をシート材幅方向に並べて列状に配列することで、シート材幅以上の画像記録領域を得られるようになっている。すなわち、液滴吐出ヘッド132がシート材Pの幅方向に沿って移動しなくても、シート材Pの移動のみによってシート材Pの全面に画像が形成できるので、高い生産性を得ることができる。
【0086】
また、この液滴吐出ヘッド132の両端168Aは、固定支持部材164に設けられたネジ孔164Hからネジ170を締め込むことで固定支持部材164に固定される。
【0087】
このように液滴吐出ヘッド132の両端168Aが固定されているため、環境温度が変化すると、液滴吐出ヘッド132のノズル面178Aは、両方の固定端を基準に図6(A)に示すように、シート材P搬送方向から見て下側に凸状に湾曲するか、又は図6(B)に示すように、上側に凸状に湾曲し、ノズルから吐出されるインク滴のシート材P幅方向の吐出領域が変わる。
【0088】
さらに、シート材Pの搬送方向と直交する方向から見ると図5(A)に示すように、ノズル面178Aが下側に凸状に湾曲するか、又は図5(B)に示すように、上側に凸状に湾曲し、ノズルから吐出されるインク滴のシート材P搬送方向の吐出領域が変わる。
【0089】
なお、図5、図6については、湾曲している状態を示すため、変形量を大きく記載している。
【0090】
ここで、熱変形によって各色の液滴吐出ヘッド132が湾曲することで発生する印字ずれについて説明する。
【0091】
図9に示されるように、液滴吐出装置130は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する液滴吐出ヘッド132Y、132M、132C、132Kを備えている。前述したように、各液滴吐出ヘッド132の長手方向は、シート材Pの搬送方向と直交する方向に配置されており、環境温度の変化によって各色の液滴吐出ヘッド132が熱変形する。
【0092】
図4に示されるように、液滴吐出ヘッド132Y、132M、132C、132Kは、シート材P搬送方向から見て固定された両端168Aを基準に上側に凸状又は下側に凸状に湾曲する。ここで、中央部での変位量をシート材P搬送方向から見た湾曲量PW1とすると、各色の液滴吐出ヘッド132の湾曲量が違うことで、ノズル面178Aのノズルから吐出されるインク滴の吐出領域が各色で変わることが分かる。
【0093】
また、図5に示されるように、シート材P搬送方向に対し直交方向から見て中央部での変位量を湾曲量PW2とすると、ノズル面178Aのノズルから吐出されるインク滴の吐出領域が各色で変わることもある。
【0094】
つまり、ノズルから吐出されるインク滴の吐出方向が各液滴吐出ヘッド132間で変わってしまい、さらに、ノズル間ピッチが各色の液滴吐出ヘッド132間で微妙にずれることで吐出領域が各色で変わってしまう。
【0095】
このように、ノズルからのインク滴の吐出方向の変化やノズル間ピッチずれにより、吐出領域に差が生じ、印字ずれが発生する。
【0096】
そこで、液滴吐出装置130内に設けられた液滴吐出ヘッド132の湾曲量を取得する湾曲量取得部80と、印字データを作成し、さらに補正をかける印字制御部82(図9参照)が、図1に示すフローに従って印字ずれを補正する。
【0097】
はじめに、ステップ200でオペレータが印刷指示を出し、ステップ202へ移行し、ステップ202で、記録ヘッド制御部90内に設けられた画像入力部90B(図9参照)に画像データが入力される。次にステップ204に移行して、印字制御部82(図9参照)によって、画像データから印字データが作成されステップ206へ移行する。
【0098】
ステップ206では、液滴吐出ヘッド132の近傍に設けられた温度センサ134によって測定された液滴吐出ヘッド132の周辺温度が規定値以上か否かを湾曲量取得部80で判断する。
【0099】
規定値以上の場合は、ステップ208へ移行し、湾曲量取得部80が、液滴吐出ヘッド132の周囲の環境温度と液滴吐出ヘッド132の湾曲量とを関連付けた第1湾曲量変換テーブルから各液滴吐出ヘッド132のシート材P搬送方向の湾曲量と、シート材P搬送方向と直交する方向の湾曲量を取得する。つまり、第1湾曲量変換テーブルは、各環境温度に対応する夫々の湾曲量が記載された表であって、これにより、温度センサ134から取得した環境温度に基づいて湾曲量を取得することができる。
【0100】
次に、ステップ300では、ステップ208で取得したシート材P搬送方向の湾曲量に基づいて算出された最小の吐出領域を基準領域として決定する。
【0101】
上方へ凸状に湾曲した液滴吐出ヘッド132の吐出領域が最小の吐出領域となる。つまり、図3(A)に示されるように、最小となる吐出領域を基準領域として決定する。なお、基準領域(図中S範囲)を決定するのは、シート材P搬送方向から見た吐出領域に対してである。
【0102】
次に、ステップ302に移行し、印字制御部82が印字データに補正をかける。
【0103】
先ず、基準領域内にある他の液滴吐出ヘッド132のノズルからインク滴を吐出させ、さらに、印字ずれを是正するため、ノズルからのインク滴の吐出方向の変化及びノズル間ピッチずれに基づいて基準領域を算出する際に用いた液滴吐出ヘッド132以外の液滴吐出ヘッド132の解像度を下げる。
【0104】
図2に示されるように、例えば「山」という文字を印字する場合に、図2(A)に示される「山」を基準領域に印字される「山」とする。これに対し、図3(C)に示されるように下方へ凸状に湾曲した液滴吐出ヘッド132の「山」は、図2(B)に示されるように、長手方向(E方向)に伸びて印字される。このような場合に、図2(B)の「山」の解像度を下げて図2(C)に示す「山」に補正することで文字の大きさを合わせて印字ずれをなくすことができる。なお、図2に示す○はインク滴のシート材P着弾位置をノズル位置と対応させて模式図的に表したものである。
【0105】
また、図3(A)に示されるように、シート材Pの単位面積当りに吐出されるインク滴が多い場合は、全体的にインク滴の滴径を小さくし、また、逆に図3(C)に示されるように、インク滴を吐出させるノズルの数が少ない場合は、全体的にインク滴の滴径を大きくする。
【0106】
さらに、図3(A)(C)に示されるように、同一液滴吐出ヘッド132内でもインク滴の疎密を考慮し、密の場合は、液滴吐出ヘッド132の外側にあるノズルから吐出するインク滴の滴径を小さくし、逆に疎の場合は、液滴吐出ヘッド132の外側にあるノズルから吐出するインク滴の滴径を大きくする。
【0107】
これにより、単位面積当りのインク量を均一化して狙いどおりの色合いを印字することができる。
【0108】
さらに、図4、図5に示されるように、液滴吐出ヘッド132が湾曲することでノズルからシート材Pまでの距離および吐出方向が変わる。つまり、図5(A)に示すように、下方に凸状に変形している場合は、液滴吐出ヘッド132の中央部とシート材Pまでの距離が近くなる。また、図5(B)に示すように、上方に凸状に変形している場合は、液滴吐出ヘッド132の中央部とシート材Pまでの距離が遠くなる。また、中央部以外では距離の他に吐出方向も変化する。そこで、液滴吐出ヘッド132に印加する駆動波形のタイミングを変えてノズルから吐出されるインク滴の吐出タイミングを変える。これにより、確実に、印字ずれを防止することができる。
【0109】
印字データの補正が終了するとステップ304へ移行して印刷を開始する。また、ステップ206で規定値以下の場合もステップ304に移行して印刷を開始する。
【0110】
このように、各液滴吐出ヘッド132の湾曲量に応じて印字データを補正することで、吐出領域のずれを是正し、さらに印字ずれをなくすことができる。
【0111】
なお、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、液滴吐出ヘッド132の周辺の環境温度が規定値以上になったときに、印字データに補正をかけたが、温度センサを用いて液滴吐出ヘッド132の温度を測定し、液滴吐出ヘッドの温度が規定値以上になったとき、又は、カウンターで連続印字枚数をカウントして印字枚数が規定値以上になったときに印字データに補正をかけてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、湾曲量取得部80によって取得された各湾曲量に基づいて算出された最小の吐出領域を基準領域としたが、作動保証温度内での予め決められた最小の吐出領域を基準領域としてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、各液滴吐出ヘッド132のシート材P搬送方向の湾曲量とシート材P搬送方向と直交する方向の湾曲量を取得して印字データに補正をかけたが、どちらか一方の湾曲量を取得して印字データに補正をかけてもよい。
【0114】
次に、第2実施形態に係るプリンタ112について説明する。
【0115】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0116】
この実施形態では、湾曲量取得部80は、液滴吐出ヘッド132の温度と液滴吐出ヘッド132の湾曲量とを関連付けた第2湾曲量変換テーブルを用いて、熱電対によって測定された各液滴吐出ヘッド132の温度によって各液滴吐出ヘッド132の湾曲量を取得する。
【0117】
このように、液滴吐出ヘッド132の温度を用いて簡単に各液滴吐出ヘッド132の湾曲量を取得することができる。
【0118】
次に、第3実施形態に係るプリンタ112について説明する。
【0119】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0120】
この実施形態では、湾曲量取得部80は、印字データと液滴吐出ヘッド132の湾曲量とを関連付けた第3湾曲量変換テーブルを用いて、画像を生成する印字データから各液滴吐出ヘッド132の湾曲量を取得する。
【0121】
つまり、印字データが多いときは、液滴吐出ヘッド132の作動量が多いため、温度が上昇すると予測し、印字データが少ないときは、液滴吐出ヘッド132の作動量が少ないため、温度があまり上昇しないと予測する。このように、温度を測定することなく各液滴吐出ヘッド132の湾曲量を取得することができる。
【0122】
次に、第4実施形態に係るプリンタ112について図10に従って説明する。
【0123】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0124】
この実施形態では、液滴吐出ヘッド132の長尺部材168に第1検出器としての歪センサ138が貼付けられており、歪センサ138が検出した歪信号に基づいて湾曲量取得部80が液滴吐出ヘッド132の湾曲量を取得する。
【0125】
このように、ノズル面178Aに貼り付けられた歪センサの歪信号によって直接湾曲量を取得するため、精度良い湾曲量を取得することができる。
【0126】
次に、第5実施形態に係るプリンタ112について図11に従って説明する。
【0127】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0128】
この実施形態では、第2検出器110が所定のテストパターンに着弾させた液滴の位置を検出し、この検出信号に基づいて、湾曲量取得部80は各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得する。つまり、液滴吐出ヘッド132が湾曲していない時は、テストパターン上にインク滴が着弾し、液滴吐出ヘッド132が、上方又は下方に凸状に湾曲しているときは、テストパターン上からずれてインク滴が着弾するため、このずれ量に基づいて湾曲量を取得する。
【0129】
既に、レジストレーション検出用の検知手段が設けられている場合は、これを第2検出器110として液滴の位置を検出してそのずれ量から各液滴吐出ヘッドの湾曲量を取得することができる。
【0130】
次に、第6実施形態に係るプリンタ112について図12に従って説明する。
【0131】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0132】
この実施形態では、図12に示されるように、印字制御部82は、液滴吐出ヘッド132に印加する駆動波形を変えることで、ノズルから吐出される主インク滴に付随させて微小滴92を吐出させる。 つまり、主インク滴が着弾した回りに付随させて微小滴92を吐出させることで縁部の輪郭がぼけるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の印字データの補正手順を示したフロー図である。
【図2】(A)本発明の第1実施形態に係る基準領域のインク滴を概念的に示した模式図である。(B)本発明の第1実施形態に係るノズルから吐出されたインク滴を示し、熱変形で延びた状態でのインク滴の着弾位置を表した模式図である。(C)本発明の第1実施形態に係るノズルから吐出されるインク滴を示し、熱変形の景況を補正した後のインク滴の着弾位置を表した模式図である。
【図3】(A)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドを示し、上側に凸状に変形した状態でノズルから吐出されるインク滴を示した模式図である。(B)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドを示し、熱変形しない状態でノズルから吐出されるインク滴を示した模式図である。(C)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドを示し、下側に凸状に変形した状態でノズルから吐出されるインク滴を示した模式図である。
【図4】(A)(B)(C)(D)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドのシート材搬送方向の熱変形による湾曲量を示した模式図である。
【図5】(A)(B)(C)(D)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドのシート材搬送方向に対し直交する方向の熱変形による湾曲量を示した模式図である。
【図6】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの熱変形を示した斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドを示した分解斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドを示した斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図10】(A)(B)本発明の第4実施形態に係る液滴吐出ヘッドの熱変形を示した斜視図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図12】本発明の第6実施形態に係る液滴吐出ヘッドを示し、上側に凸状に変形した状態でノズルから吐出されるインク滴を示した模式図である。
【符号の説明】
【0134】
80 湾曲量取得部(湾曲量取得手段)
82 印字制御部(印字制御手段)
92 微小滴
110 第2検出器
112 プリンタ(画像形成装置)
130 液滴吐出装置
132 液滴吐出ヘッド
134 温度センサ
136 帯電ロール
138 歪センサ(第1検出器)
164 固定支持部材(固定支承)
178A ノズル面
178 ヘッドユニット
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年9月4日(2006.9.4)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−62391(P2008−62391A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−239239(P2006−239239)