| 【発明の名称】 |
プリンタおよびプリンタの制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小山 薫
【氏名】五十嵐 人志
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| 【要約】 |
【課題】スループットを向上させることが可能な構成を備えるプリンタを提供すること。
【構成】搬送ローラ4と協働して印刷媒体を搬送する供給ローラ27および搬送ローラ4の周速度が略同一となるように、搬送モータ14および供給モータ31を制御する制御部50は、印刷媒体の搬送時における搬送モータ14の第1検出到達回転数が第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、印刷媒体の搬送時における供給モータ31の第2検出到達回転数が第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときに、次の間欠搬送時において、搬送モータ14および供給モータ31の適切な制御が可能となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として搬送モータ14を回転制御し、かつ、第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として供給モータ31を回転制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送可能な搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する搬送モータと、上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給するとともに、上記搬送ローラと協働して上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送可能な供給ローラと、該供給ローラを駆動する供給モータと、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記搬送モータおよび上記供給モータの回転数を制御する制御部とを備え、 該制御部は、上記印刷媒体の搬送時における上記搬送モータの第1検出到達回転数および上記供給モータの第2検出到達回転数を検出するとともに、上記第1検出到達回転数が上記印刷媒体の搬送時における上記搬送モータの第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、上記第2検出到達回転数が上記印刷媒体の搬送時における上記供給モータの第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときに、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として上記搬送モータを回転制御し、かつ、上記第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として上記供給モータを回転制御することを特徴とするプリンタ。 【請求項2】 前記割合R2は、前記割合R1よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のプリンタ。 【請求項3】 前記第1目標到達回転数および前記第2目標到達回転数は、前記搬送モータおよび前記供給モータごと個別にかつ段階的に設定され、 前記制御部は、前記第1検出到達回転数が前記印刷媒体の搬送時における前記第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、前記第2検出到達回転数が前記印刷媒体の搬送時における前記第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときに、前記第1目標到達回転数および前記第2目標到達回転数を段階的に下げていくことを特徴とする請求項1または2記載のプリンタ。 【請求項4】 前記制御部は、前記印刷媒体の搬送時における前記第1目標到達回転数および/または前記第2目標到達回転数が最小値である場合に、前記第1検出到達回転数が前記第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、前記第2検出到達回転数が前記第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときには、前記搬送モータおよび前記供給モータを停止することを特徴とする請求項3記載のプリンタ。 【請求項5】 印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送可能な搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する搬送モータと、上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給するとともに、上記搬送ローラと協働して上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送可能な供給ローラと、該供給ローラを駆動する供給モータと、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記搬送モータおよび上記供給モータの回転数を制御する制御部とを備え、 該制御部は、第1目標到達回転数で上記搬送モータが回転制御されるときの上記印刷媒体の搬送時における上記搬送ローラの第1検出到達周速度と、第2目標到達回転数で上記供給モータが回転制御されるときの上記印刷媒体の搬送時における上記供給ローラの第2検出到達周速度とを検出するとともに、上記第1検出到達周速度に対して、上記第2検出到達周速度が所定の割合未満または以下となる場合に、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として上記搬送モータを回転制御し、かつ、上記第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として上記供給モータを回転制御することを特徴とするプリンタ。 【請求項6】 前記制御部に接続され、前記搬送モータの回転数を検出可能な第1エンコーダと、前記制御部に接続され、前記供給モータの回転数を検出可能な第2エンコーダとを備え、 前記制御部は、上記第1エンコーダおよび上記第2エンコーダの少なくともいずれか一方からの出力信号を検出できないときに、前記搬送モータおよび前記供給モータを停止させることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のプリンタ。 【請求項7】 搬送モータで駆動され、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を搬送する搬送ローラと、供給モータで駆動され、上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給する供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、上記搬送ローラと上記供給ローラとを協働させて上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送する搬送ステップと、 該搬送ステップにおける上記搬送モータの第1検出到達回転数および上記供給モータの第2検出到達回転数を検出する回転数検出ステップと、 上記第1検出到達回転数が上記搬送ステップにおける上記搬送モータの第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下になるとき、および/または、上記第2検出到達回転数が上記搬送ステップにおける上記供給モータの第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下になるときに、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1目標到達回転数より低い回転数を上記搬送モータの新たな第1目標到達回転数として設定し、上記第2目標到達回転数より低い回転数を上記供給モータの新たな第2目標到達回転数として設定する回転数設定ステップとを備えることを特徴とするプリンタの制御方法。 【請求項8】 搬送モータで駆動され、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を搬送する搬送ローラと、供給モータで駆動され、上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給する供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、上記搬送ローラと上記供給ローラとを協働させて上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送する搬送ステップと、 第1目標到達回転数で上記搬送モータが回転制御されるときの上記搬送ステップでの上記搬送ローラの第1検出到達周速度と、第2目標到達回転数で上記供給モータが回転制御されるときの上記搬送ステップでの上記供給ローラの第2検出到達周速度とを検出する周速度検出ステップと、 上記第1検出到達周速度に対して、上記第2検出到達周速度が、所定の割合未満または以下となる場合に、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1目標到達回転数より低い回転数を上記搬送モータの新たな第1目標到達回転数として設定し、上記第2目標到達回転数より低い回転数を上記供給モータの新たな第2目標到達回転数として設定する回転数設定ステップとを備えることを特徴とするプリンタの制御方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、プリンタおよびプリンタの制御方法に関する。 【背景技術】 【0002】 印刷用紙等の印刷媒体へ印刷を行うインクジェットプリンタとして、印刷用紙をプリンタの内部へ供給する給紙ローラと、プリンタの内部へ供給された印刷用紙への印刷時等にこの印刷用紙を搬送する紙送りローラとを備えたプリンタが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。 【0003】 特許文献1に記載のプリンタでは、給紙ローラは、紙送りローラを回転駆動する紙送りモータに、クラッチを介して接続されている。そして、給紙ホッパにセットされている印刷用紙は、まず、紙送りモータに接続された給紙ローラによって紙送りローラの位置まで搬送される。印刷用紙が紙送りローラの位置まで搬送されると、給紙ローラと紙送りモータとが切り離され、その後の印刷用紙の搬送は、紙送りローラによって行われる。 【0004】 また、特許文献2に記載のプリンタでは、給紙ローラと紙送りローラとは別個のモータで回転駆動されている。そして、このプリンタでも、特許文献1に記載のプリンタと同様に、印刷用紙は、給紙ローラによって紙送りローラの位置まで搬送され、その後の印刷用紙の搬送は、紙送りローラによって行われる。 【0005】 【特許文献1】特開2003−72964号公報 【特許文献2】特開2006−117385号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 近年、プリンタの市場では、複数の印刷用紙に連続で印刷を行う連続印刷時におけるスループット(単位時間当たりの印刷枚数)の向上が求められている。しかしながら、特許文献1および2に記載のプリンタでは、印刷用紙は、給紙ローラによって紙送りローラの位置まで取り込まれ、その後の印刷用紙の搬送は、紙送りローラによって行われている。すなわち、印刷動作または排紙動作と給紙動作とが別動作となっている。そのため、特許文献1および2に記載のプリンタでは、スループットの向上を図る上で限界がある。 【0007】 そこで、本発明の課題は、スループットをより向上させることが可能な構成を備えるプリンタを提供することにある。また、本発明の課題は、スループットをより向上させることが可能なプリンタの制御方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記の課題を解決するため、本発明のプリンタは、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送可能な搬送ローラと、搬送ローラを駆動する搬送モータと、媒体セット部から印刷媒体を供給するとともに、搬送ローラと協働して媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送可能な供給ローラと、供給ローラを駆動する供給モータと、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御する制御部とを備え、制御部は、印刷媒体の搬送時における搬送モータの第1検出到達回転数および供給モータの第2検出到達回転数を検出するとともに、第1検出到達回転数が印刷媒体の搬送時における搬送モータの第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、第2検出到達回転数が印刷媒体の搬送時における供給モータの第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として搬送モータを回転制御し、かつ、第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として供給モータを回転制御することを特徴とする。 【0009】 本発明のプリンタでは、制御部は、搬送ローラと協働して印刷媒体を搬送する供給ローラの周速度と搬送ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御している。そのため、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができる。したがって、印刷媒体の排出動作や印刷動作に支障を来たすことなく、印刷媒体の供給動作を行うことができる。すなわち、印刷動作や排出動作と供給動作とを一連の動作として行うことができ、連続印刷時に、スループットをより向上させることが可能になる。また、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができるため、供給ローラと搬送ローラとの間で、印刷媒体を適切に搬送することが可能になる。その結果、印刷媒体にかかる張力の変化によって(印刷媒体がたるんだり、突っ張ったりすることで)搬送時に生じうる印刷媒体の音の発生を抑制できる。 【0010】 また、本発明では、制御部は、印刷媒体の搬送時における搬送モータの第1検出到達回転数および供給モータの第2検出到達回転数を検出するとともに、第1検出到達回転数が印刷媒体の搬送時における搬送モータの第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、第2検出到達回転数が印刷媒体の搬送時における供給モータの第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として搬送モータを回転制御し、かつ、第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として供給モータを回転制御している。そのため、メカ的な負荷の変動や外乱によって、搬送モータの第1検出到達回転数が第1目標到達回転数よりも遅くなったり、供給モータの第2検出到達回転数が第2目標到達回転数よりも遅くなり、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができない場合であっても、目標到達回転数を落として搬送モータや供給モータを制御することで、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させて回転させることが可能になる。 【0011】 本発明において、割合R2は、割合R1よりも大きいことが好ましい。搬送ローラの周速度に対して、供給ローラの周速度が遅くなると、搬送ローラと供給ローラとの間で印刷媒体が突っ張った状態となる。そのため、印刷領域に近い位置に配置される搬送ローラと印刷媒体との間にすべりが生じ、印刷精度が低下するおそれがあるが、このように構成することで、かかる問題の発生を効果的に抑制することができる。 【0012】 本発明において、第1目標到達回転数および第2目標到達回転数は、搬送モータおよび供給モータごと個別にかつ段階的に設定され、制御部は、第1検出到達回転数が印刷媒体の搬送時における第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、第2検出到達回転数が印刷媒体の搬送時における第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときに、第1目標到達回転数および第2目標到達回転数を段階的に下げていくことが好ましい。このように構成すると、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させながら、できる限り速い搬送速度で印刷媒体を搬送することが可能になる。 【0013】 本発明において、制御部は、印刷媒体の搬送時における第1目標到達回転数および/または第2目標到達回転数が最小値である場合に、第1検出到達回転数が第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるとき、および/または、第2検出到達回転数が第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときには、搬送モータおよび供給モータを停止することが好ましい。印刷媒体の搬送時における第1目標到達回転数および/または第2目標到達回転数が最小値であるにもかかわらず、第1検出到達回転数が第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下となるときや、第2検出到達回転数が第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下となるときには、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させながら回転させることは困難である。したがって、このように構成することで、印刷媒体の損傷や印刷媒体による音の発生を防止することが可能になる。 【0014】 また、上記の課題を解決するため、本発明のプリンタは、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送可能な搬送ローラと、搬送ローラを駆動する搬送モータと、媒体セット部から印刷媒体を供給するとともに、搬送ローラと協働して媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送可能な供給ローラと、供給ローラを駆動する供給モータと、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御する制御部とを備え、制御部は、第1目標到達回転数で搬送モータが回転制御されるときの印刷媒体の搬送時における搬送ローラの第1検出到達周速度と、第2目標到達回転数で供給モータが回転制御されるときの印刷媒体の搬送時における供給ローラの第2検出到達周速度とを検出するとともに、第1検出到達周速度に対して、第2検出到達周速度が所定の割合未満または以下となる場合に、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として搬送モータを回転制御し、かつ、第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として供給モータを回転制御することを特徴とする。 【0015】 本発明のプリンタでは、制御部は、搬送ローラと協働して印刷媒体を搬送する供給ローラの周速度と搬送ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御している。そのため、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができる。したがって、印刷動作や排出動作と供給動作とを一連の動作として行うことができ、連続印刷時に、スループットをより向上させることが可能になる。また、供給ローラと搬送ローラとの間で、印刷媒体を適切に搬送することが可能になり、搬送時に生じうる印刷媒体の音の発生を抑制できる。 【0016】 また、本発明では、制御部は、第1目標到達回転数で搬送モータが回転制御されるときの搬送ローラの第1検出到達周速度と、第2目標到達回転数で供給モータが回転制御されるときの供給ローラの第2検出到達周速度とを検出するとともに、第1検出到達周速度に対して、第2検出到達周速度が所定の割合未満または以下となる場合に、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を新たな第1目標到達回転数として搬送モータを回転制御し、かつ、第2目標到達回転数より低い回転数を新たな第2目標到達回転数として供給モータを回転制御している。そのため、メカ的な負荷の変動や外乱によって、第2検出到達周速度が第1検出到達周速度より遅くなり、搬送ローラと供給ローラとの間で印刷媒体の張りが生じるような場合には、目標到達回転数を落として搬送モータや供給モータを制御することで、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させて回転させることが可能になる。その結果、印刷領域に近い位置に配置される搬送ローラと印刷媒体との間のすべりを抑制し、印刷精度を向上させることができる。 【0017】 本発明において、プリンタは、制御部に接続され、搬送モータの回転数を検出可能な第1エンコーダと、制御部に接続され、供給モータの回転数を検出可能な第2エンコーダとを備え、制御部は、第1エンコーダおよび第2エンコーダの少なくともいずれか一方からの出力信号を検出できないときに、搬送モータおよび供給モータを停止させることが好ましい。第1エンコーダおよび第2エンコーダの少なくともいずれか一方からの出力信号を検出できないときには、異常事態が生じているため、このように構成すると、印刷媒体の詰まりや、プリンタ内部の損傷を防止できる。 【0018】 さらに、上記の課題を解決するため、本発明のプリンタの制御方法は、搬送モータで駆動され、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を搬送する搬送ローラと、供給モータで駆動され、媒体セット部から印刷媒体を供給する供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、搬送ローラと供給ローラとを協働させて媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送する搬送ステップと、搬送ステップにおける搬送モータの第1検出到達回転数および供給モータの第2検出到達回転数を検出する回転数検出ステップと、第1検出到達回転数が搬送ステップにおける搬送モータの第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下になるとき、および/または、第2検出到達回転数が搬送ステップにおける供給モータの第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下になるときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を搬送モータの新たな第1目標到達回転数として設定し、第2目標到達回転数より低い回転数を供給モータの新たな第2目標到達回転数として設定する回転数設定ステップとを備えることを特徴とする。 【0019】 本発明のプリンタの制御方法では、搬送ステップで、搬送ローラと供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、搬送ローラと供給ローラとを協働させて印刷媒体を搬送している。そのため、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができ、連続印刷時において、スループットをより向上させることが可能になる。また、供給ローラと搬送ローラとの間において、印刷媒体を適切に搬送することが可能になり、印刷媒体の音の発生を抑制できる。 【0020】 また、本発明では、回転数設定ステップにおいて、回転数検出ステップで検出された搬送モータの第1検出到達回転数が第1目標到達回転数の所定の割合R1未満または以下になるとき、および/または、回転数検出ステップで検出された供給モータの第2検出到達回転数が第2目標到達回転数の所定の割合R2未満または以下になるときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を搬送モータの新たな第1目標到達回転数として設定し、第2目標到達回転数より低い回転数を供給モータの新たな第2目標到達回転数として設定している。そのため、メカ的な負荷の変動や外乱によって、搬送モータや供給モータの検出到達回転数が目標到達回転数よりも遅くなり、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができない場合であっても、目標到達回転数を落として搬送モータや供給モータを制御することで、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させて回転させることが可能になる。 【0021】 さらにまた、上記の課題を解決するため、本発明のプリンタの制御方法は、搬送モータで駆動され、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を搬送する搬送ローラと、供給モータで駆動され、媒体セット部から印刷媒体を供給する供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、搬送ローラと供給ローラとを協働させて媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送する搬送ステップと、第1目標到達回転数で搬送モータが回転制御されるときの搬送ステップでの搬送ローラの第1検出到達周速度と、第2目標到達回転数で供給モータが回転制御されるときの搬送ステップでの供給ローラの第2検出到達周速度とを検出する周速度検出ステップと、第1検出到達周速度に対して、第2検出到達周速度が、所定の割合未満または以下となる場合に、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を搬送モータの新たな第1目標到達回転数として設定し、第2目標到達回転数より低い回転数を供給モータの新たな第2目標到達回転数として設定する回転数設定ステップとを備えることを特徴とする。 【0022】 本発明のプリンタの制御方法では、搬送ステップで、搬送ローラと供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、搬送ローラと供給ローラとを協働させて印刷媒体を搬送している。そのため、連続印刷時において、スループットをより向上させることが可能になる。また、印刷媒体の音の発生を抑制できる。 【0023】 また、本発明では、回転数設定ステップにおいて、周速度検出ステップで検出された搬送ローラの第1検出到達周速度に対して、周速度検出ステップで検出された供給ローラの第2検出到達周速度が所定の割合未満または以下となる場合に、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1目標到達回転数より低い回転数を搬送モータの新たな第1目標到達回転数として設定し、第2目標到達回転数より低い回転数を供給モータの新たな第2目標到達回転数として設定している。そのため、メカ的な負荷の変動や外乱によって、第2検出到達周速度が第1検出到達周速度より遅くなり、搬送ローラと供給ローラとの間で印刷媒体の張りが生じるような場合には、目標到達回転数を落として搬送モータや供給モータを制御することで、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させて回転させることが可能になる。その結果、印刷領域に近い位置に配置される搬送ローラと印刷媒体との間のすべりを抑制し、印刷精度を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本発明の実施の形態にかかるプリンタおよびプリンタの制御方法を図面に基づいて説明する。 【0025】 (プリンタの概略構成) 図1は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ1の主要部の概略構成を示す側面図である。図2は、図1に示すPF駆動ローラ4等の駆動部の概略構成を模式的に示す図である。図3は、図1に示す給紙ホッパ26およびリタードローラ28の動作を説明するための図であり、(A)は給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28が上昇してプリンタ1の内部への印刷用紙Pの供給が可能となっている状態を示し、(B)は給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28が下降してプリンタ1の内部への印刷用紙Pの供給が不可能となっている状態を示す。 【0026】 本形態のプリンタ1は、印刷媒体となる印刷用紙Pに対してインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタであり、前面側(図1の左側)および後面側(図1の右側)の両面側からの印刷用紙Pの供給が可能となっている。このプリンタ1は、図1に示すように、インク滴を吐出する印刷ヘッド2が搭載されたキャリッジ3と、後述の給紙ホッパ26等から供給された印刷用紙Pを副走査方向SSへ搬送する搬送ローラとしてのPF駆動ローラ4と、PF駆動ローラ4とともに印刷用紙Pの搬送を行うPF従動ローラ5と、印刷用紙Pをプリンタ1の外部へ排出する排紙駆動ローラ6および排紙従動ローラ7と、印刷ヘッド2のインク吐出面(図1の下面)と対向するプラテン8と、給紙ホッパ26等から供給された印刷用紙Pの通過等を検出するための紙検出装置9と、印刷ヘッド2で印刷が行われる印刷領域に向かって前面側から印刷用紙Pを供給するための前面給紙機構10と、印刷領域に向かって後面側から印刷用紙Pを供給するための後面給紙機構11とを備えている。なお、本形態における印刷媒体には、通常の文書印刷に使用される普通紙、写真の印刷に使用される写真用紙、普通紙や写真用紙よりも厚い厚紙等の印刷用紙Pの他に、シールやOHPシート等の透明フィルム等が含まれる。 【0027】 PF駆動ローラ4は、図2に示すように、搬送モータとしてのPFモータ14に直接あるいは図示を省略する歯車等を介して連結されている。本形態のPFモータ14は、DC(直流)モータである。また、本形態では、PFモータ14の制御方法として、PWM制御が採用されるとともに、比例制御と積分制御と微分制御とを組み合わせてPFモータ14の現行回転速度(現行回転数)を目標回転速度(目標回転数)に収束させる制御であるPID制御が採用されている。PF従動ローラ5は、不図示のバネでPF駆動ローラ4に向かって付勢され、PF駆動ローラ4とともに回転する。 【0028】 排紙駆動ローラ6は、図2に示すように、プーリ18やベルト19等の伝達機構を介してPF駆動ローラ4に連結されている。この排紙駆動ローラ6の回転は、PF駆動ローラ4の回転と同期する。すなわち、排紙駆動ローラ6は、PF駆動ローラ4の周速度と略同一の周速度で回転する。排紙従動ローラ7は、不図示のバネで排紙駆動ローラ6に向かって付勢され、排紙駆動ローラ6とともに回転する。紙検出装置9は、不図示の発光素子と受光素子とが上下方向で対向配置された光学式の検出装置であり、発光素子と受光素子との間を通過する印刷用紙Pの幅方向の一端部分を検出する。 【0029】 前面給紙機構10は、前面側から供給される印刷用紙Pがセットされる給紙カセット20と、給紙カセット20内の印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ供給する前面給紙ローラ21と、前面側から取り込まれる印刷用紙Pが通過する搬送路23とを備えている。前面給紙ローラ21は、回動軸22aを中心に揺動可能に構成されたアーム22の先端に取り付けられ、印刷用紙Pの上面に圧接している。また、前面給紙ローラ21は、印刷用紙Pの先端がPF駆動ローラ4に到達するまで、印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ搬送する。 【0030】 後面給紙機構11は、後面側から供給される印刷前の印刷用紙Pがセットされる媒体セット部としての給紙ホッパ26と、給紙ホッパ26上の印刷用紙Pを、印刷ヘッド2で印刷が行われる印刷領域に向かって供給する供給ローラとしての後面給紙ローラ27と、印刷用紙Pの重送を防止するためのリタードローラ28とを備えている。 【0031】 後面給紙ローラ27は、図2に示すように、歯車列29や遊星歯車列30を介して供給モータとしてのASFモータ31に連結されている。また、前面給紙ローラ21も、遊星歯車列30等を介してASFモータ31に連結されている(図2では、前面給紙ローラ21の図示を省略)。本形態では、遊星歯車列30の作用によって、ASFモータ31が一方向へ回転すると、後面給紙ローラ27が回転し、ASFモータ31が他方向へ回転すると、前面給紙ローラ21が回転する。本形態のASFモータ31は、DCモータであり、PFモータ14と同様に、PWM制御されるとともに、PID制御されている。 【0032】 給紙ホッパ26は、印刷用紙Pを載置可能な板状部材であり、上端側に設けられた回動軸26aを中心に揺動可能となっている。リタードローラ28は、後面給紙ローラ27の斜め下側に対向する位置に配置され、不図示の回動軸を中心に揺動可能に構成された不図示のアームに回転可能に保持されている。不図示のカムの回動によって、給紙ホッパ26は、回動軸26aを中心に揺動し、リタードローラ28が保持されたアームも揺動する。この揺動によって、給紙ホッパ26の下端部は、後面給紙ローラ27に向かって付勢され、また、後面給紙ローラ27から離れる。また、この揺動によって、リタードローラ28は、後面給紙ローラ27に圧接され、また、後面給紙ローラ27から離れる。すなわち、カムの回動によって、図3(A)に示すように、給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28は上昇し、図3(B)に示すように、給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28は下降する。図3(A)に示す状態が、プリンタ1の内部への印刷用紙Pの供給が可能な状態である。また、図3(B)に示す状態が、後面側からプリンタ1の内部へ印刷用紙Pを供給できない状態である。 【0033】 また、プリンタ1は、図2に示すように、PFモータ14の回転数等を検出するための第1エンコーダとしてのPFエンコーダ40と、ASFモータ31の回転数等を検出するための第2エンコーダとしてのASFエンコーダ41とを備えている。PFエンコーダ40は、PF駆動ローラ4の回転軸に固定されたロータリスケール43と、不図示の発光素子および受光素子を有するフォトセンサ44とから構成されている。ASFエンコーダ41は、ASFモータ31の出力軸に固定されたロータリスケール45と、不図示の発光素子および受光素子を有するフォトセンサ46とから構成されている。PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41からの出力信号は、プリンタ1の各種の制御を行う制御部50に入力される。 【0034】 なお、本形態では、PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41から矩形状のパルス信号が出力されるか、あるいは、PFエンコーダ40やASFエンコーダ41からの出力信号に基づいて、制御部50で、矩形状のパルス信号が生成される。そして、この矩形状のパルス信号に基づいて、PFモータ14やASFモータ31の回転数等が検出される。以下、PFエンコーダ40から出力される、あるいは、PFエンコーダ40からの出力信号に基づいて、制御部50で生成されるパルス信号をPFパルス信号とし、ASFエンコーダ41から出力される、あるいは、ASFエンコーダ41からの出力信号に基づいて、制御部50で生成されるパルス信号をASFパルス信号とする。 【0035】 (制御部の概略構成) 図4は、図2に示す制御部50およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図である。図5は、図4に示すDCユニット60の内部構成の一部を模式的に示すブロック図である。図6は、図4に示すROM53に記憶された目標速度テーブルに基づいて作成される目標速度曲線の一例を示す図であり、(A)はPFモータ14の目標速度曲線L1、(B)はASFモータ31の目標速度曲線L2を示す。なお、図4および図5には、PFモータ14およびASFモータ31の制御に関連する制御部50の構成のみが図示されている。 【0036】 制御部50は、図4に示すように、バス51、CPU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55、ASIC56、PFモータ駆動回路57およびASFモータ駆動回路58等を備えている。バス51は、制御部50の各構成を接続する信号線であり、バス51を介して制御部50の各構成はデータの授受を行う。CPU52は、ROM53等に記憶されている制御プログラムを実行するための演算処理等を行う。RAM54には、CPU52が演算途中のデータ等が一時的に格納され、不揮発性メモリ55には、プリンタ1の電源を切った後も保存しておくことが必要となる各種データが記憶される。ASIC56は、制御指令部59から出力される各種の制御指令を受け取ることができるように構成されている。 【0037】 ROM53には、プリンタ1の制御プログラム等が記憶されている。たとえば、ROM53には、PID制御で用いられるPFモータ14の回転距離に対する目標回転数が設定された目標速度テーブルや、ASFモータ31の回転距離に対する目標回転数が設定された目標速度テーブルが記憶されている。ROM53に記憶された目標速度テーブルに基づいて作成されるPFモータ14の目標速度曲線L1はたとえば、図6(A)の実線に示すようになり、ASFモータ31の目標速度曲線L2はたとえば、図6(B)の実線に示すようになる。すなわち、目標速度曲線L1、L2は、加速領域と定速領域と減速領域とから構成されている。また、PFモータ14では、定速領域での回転数N1がPFモータ14の第1目標到達回転数(以下、目標到達回転数N1とする)となり、ASFモータ31では、定速領域での回転数N2がASFモータ31の第2目標到達回転数(以下、目標到達回転数N2とする)となる。 【0038】 PFモータ14およびASFモータ31の速度制御等は、CPU52とASIC56とが協働することで行われる。すなわち、CPU52とASIC56とによって、PFモータ14およびASFモータ31の速度制御等を行うための制御回路であるDCユニット60が構成されている。具体的には、DCユニット60では、CPU52が、ASIC56を介してPFエンコーダ40またはASFエンコーダ41から入力される信号に基づいて、PFモータ14およびASFモータ31の速度制御等を行うための演算を行い、ASIC56が、PFエンコーダ40またはASFエンコーダ41等から信号を受け取ったり、CPU52での演算結果に基づいて、PFモータ14やASFモータ31等の制御を行うための信号をPFモータ駆動回路57およびASFモータ駆動回路58へ出力する。本形態のPFモータ14およびASFモータ31はPID制御されているため、DCユニット60は、模試的に示すと、図5に示すように、PID制御を行うための速度演算部61、位置演算部62およびPID制御部63を備えている。 【0039】 速度演算部61は、PFエンコーダ40から入力される信号に基づいてPFモータ14の現行回転速度(現行回転数)を算出(検出)するとともに、ASFエンコーダ41から入力される信号に基づいてASFモータ31の現行回転速度(現行回転数)を算出(検出)し、各回転速度に対応する信号をPID制御部63へ出力する。なお、以下では、速度演算部61で検出されるPFモータ14、ASFモータ31の現行回転数を検出回転数と表記する。 【0040】 位置演算部62は、PFエンコーダ40から入力される信号に基づいてPFモータ14の現行回転距離を算出するとともに、ASFエンコーダ41から入力される信号に基づいてASFモータ31の現行回転距離を算出し、各回転距離に対応する信号をPID制御部63へ出力する。 【0041】 PID制御部63は、まず、印刷用紙Pの次の停止位置に対応する目標停止位置と、位置演算部62から入力された現行回転距離とから、目標停止位置と現行回転距離との差である位置偏差を算出する。また、位置偏差の信号に基づいてPFモータ14あるいはASFモータ31の現行回転距離に対応する目標回転数をROM53に記憶された目標速度テーブルから読み出し、速度演算部61から入力された検出回転数と目標回転数とから、目標回転数と検出回転数との差である速度偏差を算出する。その後、速度偏差に基づいて、比例制御値と積分制御値と微分制御値とを算出し、これらを加算して、PID制御信号を出力する。 【0042】 PFモータ駆動回路57は、DCユニット60からの信号によってPFモータ14をPWM制御するためのPWM駆動信号を出力する。また、ASFモータ駆動回路58も同様に、DCユニット60からの信号によってASFモータ31をPWM制御するためのPWM駆動信号を出力する。 【0043】 制御指令部59は、印刷用紙Pを間欠的に搬送するための制御指令を制御部50へ出力する。具体的には、制御指令部59は、所定の搬送量で印刷用紙Pを間欠的に搬送するための制御指令を制御部50へ出力する。また、本形態の制御指令部59は、間欠搬送時におけるPFモータ14、ASFモータ31の定速時の回転数を目標到達回転数N1、N2とするための制御指令を制御部50へ出力する。 【0044】 (印刷用紙の搬送制御の方法) 図7は、ドラフト印刷モードでの連続印刷時において、印刷用紙Pが搬送されている状態を示す図である。図8は、図1に示すPF駆動ローラ4および後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの搬送速度と最小搬送量との関係を示す表である。 【0045】 本形態では、複数の印刷用紙Pに連続で印刷を行う連続印刷時において、解像度を落とす代わりにインクの消費量をセーブして高速印刷を行うドラフト印刷モードで後面側から供給された印刷用紙Pの印刷を行う場合、後面給紙ローラ27によって、給紙ホッパ26からPF駆動ローラ4まで搬送された後の印刷用紙Pの間欠的な搬送には、PF駆動ローラ4および排紙駆動ローラ6に加え、後面給紙ローラ27が用いられている。すなわち、ドラフト印刷モードでは、PFモータ14で駆動されるPF駆動ローラ4および排紙駆動ローラ6と、ASFモータ31で駆動される後面給紙ローラ27とが協働することで、キャリッジ3による印刷動作の間に、印刷用紙Pの間欠的な搬送が行われる。そのため、ドラフト印刷モードでの連続印刷時には、PF駆動ローラ4および排紙駆動ローラ6と後面給紙ローラ27とを同期させて(すなわち、同一の周速度で)回転させるシンクロ制御が行われ、複数の印刷用紙Pが連続して搬送される。 【0046】 具体的には、PF駆動ローラ4の回転距離と目標周速度(PF駆動ローラ4による印刷用紙Pの目標搬送速度)との関係を示す速度プロファイルと、後面給紙ローラ27の回転距離と目標周速度(後面給紙ローラ27による印刷用紙Pの目標搬送速度)との関係を示す速度プロファイルとが略同一になるように、PFモータ14およびASFモータ31のそれぞれの目標速度テーブルが設定され、ROM53に記憶されている。そして、これらの目標速度テーブルにしたがって、PFモータ14およびASFモータ31がPID制御されている。なお、ドラフト印刷モードでの連続印刷時において、1枚の印刷用紙PがPF駆動ローラ4および後面給紙ローラ27の両ローラで搬送されるときには、PFモータ14の起動タイミングをASFモータ31の起動タイミングよりも遅らせている。そのため、搬送中の印刷用紙Pは、図7の二点鎖線で示すように、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27との間でたるみ、停止時の印刷用紙Pは、図7の実線で示すように、たるみがとれた状態になる。 【0047】 また、本形態では、PFモータ14およびASFモータ31が実際に駆動されるときの目標到達回転数N1、N2(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度)は、段階的に、かつ、PFモータ14、ASFモータ31ごとにそれぞれ個別に設定されている。たとえば、説明の簡略化のため、PFパルス信号の分解能(PFパルス信号の1パルス当たりのPF駆動ローラ4の回転距離(すなわち、印刷用紙Pの搬送量))と、ASFパルス信号の分解能(ASFパルス信号の1パルス当たりの後面給紙ローラ27の回転距離(すなわち、印刷用紙Pの搬送量))が同じであると仮定すると、図8に示すように、PFモータ14およびASFモータ31が実際に駆動されるときの目標搬送速度(目標到達回転数)がそれぞれ個別に設定されている。より具体的には、段階的に設定された目標到達回転数N1、N2に対応する目標速度テーブルがそれぞれROM53に記憶されている。 【0048】 なお、本形態のPFモータ14およびASFモータ31は、その特性上、PFモータ14やASFモータ31の目標到達回転数N1、N2が所定の回転数であるときに(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度が所定速度であるときに)、PFモータ14やASFモータ31を適切に回転制御するために必要なPFモータ14、ASFモータ31の最小回転距離(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27による印刷用紙Pの最小搬送量)が決まっている。たとえば、図8に示すように、定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度に対する最小搬送量が決まっており、目標搬送速度が20ips(inch per second)であれば、印刷用紙Pの間欠搬送量が100パルス以上でないと、PFモータ14やASFモータ31を適切に回転制御することができない。なお、図8では、説明の便宜上、PFモータ14の定速時の目標搬送速度と最小搬送量との関係と、ASFモータ31の定速時の目標搬送速度と最小搬送量との関係とが同じになっている。 【0049】 上述のように、本形態の制御指令部59は、間欠搬送時におけるPFモータ14、ASFモータ31の定速時の回転数を目標到達回転数N1、N2とするための制御指令を制御部50へ出力する。しかしながら、メカ的な負荷の変動や外乱によって、間欠搬送時に速度演算部61で検出されるPFモータ14、ASFモータ31の検出回転数が、目標回転数N1、N2に到達しない場合がある。この場合に、制御指令部59からの制御指令に基づく目標到達回転数N1を目標到達回転数としてPFモータ14の回転制御を行い、目標到達回転数N2を目標到達回転数としてASFモータ31の回転制御を行うと、適切にPFモータ14やASFモータ31を制御できず、適切なシンクロ制御を行うことができない。 【0050】 そこで、本形態では、メカ的な負荷の変動や外乱によって、間欠搬送時に速度演算部61で検出されるPFモータ14、ASFモータ31の検出回転数が、間欠搬送時の目標回転数に到達しない場合には、目標到達回転数N1、N2を目標到達回転数とする制御指令が制御指令部59から出力されていても、制御部50は、次の間欠搬送時において、適切なシンクロ制御が行われるように、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、また、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御している。 【0051】 具体的には、速度演算部61で検出されるPFモータ14の定速時の回転数である第1検出到達回転数(以下、検出到達速度N11とする)が印刷用紙Pの間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1(たとえば、80%)未満となるとき、および/または、速度演算部61で検出されるASFモータ31の定速時の回転数である第2検出到達回転数(以下、検出到達回転数N21とする)が印刷用紙Pの間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2(たとえば、80%)未満となるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、かつ、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御している。 【0052】 より具体的には、図6に示すように、まず、目標到達回転数N1、N2に対して、所定の閾値t1、t2(たとえば、目標到達回転数N1、N2の80%)がそれぞれ設定される。そして、速度演算部61で検出される間欠搬送時の検出回転数に基づいて作成される検出速度曲線L11、L21の最大値(すなわち、定速時の回転数)である検出到達回転数N11、N21の少なくともいずれか一方が閾値t1、t2に達しない場合には、次の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2を下げて、PFモータ14およびASFモータ31を制御している。 【0053】 なお、検出到達回転数N11が印刷用紙Pの間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1以下となるとき、および/または、検出到達回転数N21が印刷用紙Pの間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2以下となるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、かつ、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御しても良い。 【0054】 また、本形態では、検出到達回転数N11が間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるときや、検出到達回転数N21が間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときには、目標到達回転数N1、N2を段階的に下げていく。たとえば、最初の目標到達回転数N1、N2に対応する目標搬送速度が20ipsである場合に、検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるときや、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときには、次の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2を、目標搬送速度10ipsに対応する回転数としている(図8参照)。 【0055】 具体的には、検出到達回転数N11が間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるときや、検出到達回転数N21が間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときには、たとえば、目標搬送速度20ipsに対応する目標到達回転数N1、N2を目標到達回転数として設定することを禁止するフラグがDCユニット60で立てられる。このフラグは、連続印刷時の最後の1枚の印刷用紙Pの印刷が終了するまで立っており、一旦、検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となったり、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となると、連続印刷時の最後の1枚の印刷用紙Pの印刷が終了するまで、目標搬送速度20ipsに対応する目標到達回転数N1、N2以上の回転数を目標到達回転数として設定することはできない。すなわち、目標搬送速度20ipsに対応する目標到達回転数N1、N2以上の回転数を目標到達回転数とする制御指令が制御指令部59から入力されても、制御部50は、連続印刷時の最後の1枚の印刷用紙Pの印刷が終了するまで、目標搬送速度10ipsに対応する目標到達回転数N1、N2以下の回転数を目標到達回転数として設定する。 【0056】 同様に、目標到達回転数N1、N2に対応する目標搬送速度が10ipsである場合に、検出到達回転数N11が間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるときや、検出到達回転数N21が間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときには、次の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2を、目標搬送速度5ipsに対応する回転数としている(図8参照)。この場合は、目標搬送速度10ipsに対応する目標到達回転数N1、N2以上を目標到達回転数として設定することを禁止するフラグがDCユニット60で立てられ、最後の1枚の印刷用紙Pの印刷が終了するまで、目標搬送速度10ipsに対応する目標到達回転数N1、N2以上の回転数を目標到達回転数として設定することはできない。すなわち、目標搬送速度10ipsに対応する目標到達回転数N1、N2以上の回転数を目標到達回転数とする制御指令が制御指令部59から入力されても、制御部50は、連続印刷時の最後の1枚の印刷用紙Pの印刷が終了するまで、目標搬送速度5ipsに対応する目標到達回転数N1、N2を目標到達回転数として設定する。 【0057】 さらに、目標到達回転数N1、N2に対応する目標搬送速度が5ipsである場合(すなわち、目標到達回転数N1、N2の少なくともいずれか一方が最小値である場合)に、検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満(または以下)となるときや、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満(または以下)となるときには、異常事態が生じているとして、次の間欠搬送は行わず、PFモータ14およびASFモータ31をすぐに停止して、所定の表示部にエラー表示を行う等のエラー処理を行っている。 【0058】 なお、本形態では、シンクロ制御が行われているにもかかわらず、所定の時間内に、PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41の少なくともいずれか一方からの出力信号が、制御部50で検出されないときには、制御部50は、PFモータ14およびASFモータ31を停止させる。 【0059】 (印刷用紙の搬送制御の制御フロー) 図9は、図1に示す印刷用紙Pの搬送制御の手順を示すフローチャートである。以下、ドラフト印刷モードでの連続印刷時における印刷用紙Pの搬送制御の手順を説明する。なお、以下では、説明の簡略化のため、制御指令部59は、間欠搬送時におけるPFモータ14、ASFモータ31の定速時の回転数を一定の目標到達回転数N1、N2とするための制御指令を制御部50へ出力するものとする。すなわち、制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2は一定であるものとする。 【0060】 制御指令部59から制御部50に対して印刷指令が入力されると、制御部50は、制御指令部59からの指令に基づく目標到達回転数N1でPFモータ14を回転制御するとともに、制御指令部59からの指令に基づく目標到達回転数N2でASFモータ31を回転制御して、印刷用紙Pの間欠搬送を1回行う(ステップS1)。そして、この間欠搬送によって、連続印刷時における最後の1枚の印刷用紙Pへの印刷が終了したか否かを判断する(ステップS2)。最後の1枚の印刷用紙Pへの印刷が終了している場合には、排紙動作を行い、印刷用紙Pの印刷制御、すなわち、搬送制御が終了する。 【0061】 一方、最後の1枚の印刷用紙Pへの印刷が終了していない場合には、制御部50(具体的には、速度演算部61)は、ステップS1での間欠搬送時のPFモータ14の検出到達回転数N11およびASFモータ31の検出到達回転数N21を検出する(ステップS3)。そして、制御部50は、検出到達回転数N11が、ステップS1での間欠搬送時の目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるか、および、検出到達回転数N21が、ステップS1での間欠搬送時の目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるかを判断する(ステップS4)。 【0062】 検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1以上であり、かつ、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2以上である場合には、制御部50は、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1を次の間欠搬送時におけるPFモータ14の目標到達回転数として設定し、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N2を次の間欠搬送時におけるASFモータ31の目標到達回転数として設定して(ステップS5)、ステップS1へ戻る。これに対して、検出到達回転数N11が、目標到達回転数N1の所定の割合R1未満、および/または、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満である場合には、制御部50は、目標到達回転数N1、N2が最小値であるか否かを判断する(ステップS6)。 【0063】 目標到達回転数N1、N2が最小値でない場合には、制御部50は、前回の間欠搬送時の目標到達回転数N1、N2を目標到達回転数として設定することを禁止するフラグを立て、前回の間欠搬送時おける目標到達回転数N1より低い回転数を次の間欠搬送時におけるPFモータ14の新たな目標到達回転数N1として設定するとともに、前回の間欠搬送時おける目標到達回転数N2より低い回転数を次の間欠搬送時におけるASFモータ31の新たな目標到達回転数N2として設定して(ステップS7)、ステップS1へ戻る。一方、目標到達回転数N1、N2が最小値である場合には、制御部50は、PFモータ14およびASFモータ31をすぐに停止して、所定の表示部にエラー表示を行う等のエラー処理を行い(ステップS8)、印刷用紙Pの印刷制御、すなわち、搬送制御を終了する。 【0064】 なお、本形態では、ステップS1は、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを略同一の周速度で回転させるとともに、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを協働させて給紙ホッパ26から供給された印刷用紙Pを間欠的に搬送する搬送ステップである。また、ステップS3は、搬送ステップであるステップS3におけるPFモータ14の検出到達回転数N11およびASFモータ31の検出到達回転数N21を検出する回転数検出ステップである。さらに、ステップS7は、検出到達回転数N11が間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1未満になるとき、および/または、検出到達回転数N21が間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2未満になるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数をPFモータ14の新たな目標到達回転数として設定し、目標到達回転数N2より低い回転数をASFモータ31の新たな目標到達回転数として設定する回転数設定ステップである。 【0065】 (本形態の主な効果) 以上説明したように、本形態では、ドラフト印刷モードの連続印刷時において、PF駆動ローラ4と協働して印刷用紙Pを搬送する後面給紙ローラ27の周速度とPF駆動ローラ4の周速度とが略同一となるように、PFモータ14およびASFモータ31の回転数を制御している。そのため、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させて回転させることができ、印刷用紙Pの排出動作や印刷動作に支障を来たすことなく、印刷用紙Pの供給動作を行うことができる。すなわち、印刷動作や排出動作と供給動作とを一連の動作として行うことができるため、連続印刷時において、スループットをより向上させることができる。また、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させて回転させることができるため、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27との間で、印刷用紙Pを適切に搬送できる。その結果、印刷用紙Pにかかる張力の変化によって、搬送時に生じうる印刷用紙Pの音の発生を抑制できる。 【0066】 また、本形態では、印刷用紙Pの搬送時におけるPFモータ14の検出到達回転数N11およびASFモータ31の検出到達回転数N21を検出するとともに、検出到達回転数N11が印刷用紙Pの搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるとき、および/または、検出到達回転数N21が印刷用紙Pの搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御している。そのため、メカ的な負荷の変動や外乱によって、PFモータ14やASFモータ31の検出到達回転数が目標到達回転数よりも遅くなり、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させて回転させることができない場合であっても、目標到達回転数を落としてPFモータ14やASFモータ31を制御することで、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを適切に同期させて回転させることが可能になる。 【0067】 本形態では、目標到達回転数N1、N2は、PFモータ14およびASFモータ31ごと個別にかつ段階的に設定され、PFモータ14の検出到達回転数N11が間欠搬送時における目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるとき、および/または、ASFモータ31の検出到達回転数N21が間欠搬送時における目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときに、目標到達回転数N1、N2を段階的に下げている。そのため、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを適切に同期させながら、できる限り速い搬送速度で印刷用紙Pを搬送することが可能になる。 【0068】 本形態では、間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2が最小値である場合に、PFモータ14の検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるとき、および/または、ASFモータ31の検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときには、次の間欠搬送は行わず、PFモータ14およびASFモータ31をすぐに停止している。目標到達回転数N1、N2が最小値であるにもかかわらず、PFモータの検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるときや、ASFモータ31の検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときには、異常事態が生じており、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを適切に同期させながら回転させることは困難である。したがって、このように構成することで、印刷用紙Pの損傷や印刷用紙Pによる音の発生をより適切に防止できる。 【0069】 本形態では、シンクロ制御が行われているにもかかわらず、所定の時間内に、PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41の少なくともいずれか一方からの出力信号が、制御部50で検出されないときには、制御部50は、PFモータ14およびASFモータ31を停止させている。PFエンコーダ40やASFエンコーダ41からの出力信号を制御部50が検出できないときには、異常事態が生じているため、このように構成すると、印刷用紙Pの詰まりや、プリンタ1の内部の損傷を防止できる。 【0070】 なお、本形態では、割合R1および割合R2はともにたとえば80%であり、割合R1と割合R2とが等しくなっているが、割合R2は、割合R1よりも大きいことが好ましい。たとえば、割合R2が80%である場合には、R1は75%であることが好ましい。PF駆動ローラ4の周速度に対して、後面給紙ローラ27の周速度が遅くなると、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27との間で印刷用紙Pが突っ張った状態となる。そのため、印刷領域に近い位置に配置されるPF駆動ローラ4と印刷用紙Pとの間にすべりが生じ、印刷精度が低下するおそれがあるが、このように構成することで、かかる問題の発生を効果的に抑制することができる。 【0071】 (他の実施の形態) 上述した形態では、PFモータ14の検出到達回転数N11およびASFモータ31の検出到達回転数N21を検出するとともに、検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるとき、および/または、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御している。この他にもたとえば、目標到達回転数N1でPFモータ14が回転制御されるときの印刷用紙Pの搬送時におけるPF駆動ローラ4の第1検出到達周速度(以下、検出到達周速度V11とする)と、目標到達回転数N2でASFモータ31が回転制御されるときの印刷用紙Pの搬送時における後面給紙ローラ27の第2検出到達周速度(以下、検出到達周速度V21とする)とを検出するとともに、検出到達周速度V11に対して、検出到達周速度V21が所定の割合(たとえば、90%)未満(または以下)となる場合に、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、かつ、目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてASFモータ31を回転制御しても良い。 【0072】 すなわち、図10に示すように、図9に示すステップS3に代えて、速度演算部61で検出されたPFモータ14の検出到達回転数N11およびASFモータ31の検出到達回転数N21に基づいて、PF駆動ローラ4の検出到達周速度V11および後面給紙ローラ27の検出到達周速度V21を算出する(ステップS13)とともに、図9に示すステップS4に代えて、検出到達周速度V11に対して、検出到達周速度V21が所定の割合未満となるかを判断しても良い。そして、検出到達周速度V11に対して、検出到達周速度V21が所定の割合未満とならない場合にはステップS5へ進み、検出到達周速度V11に対して、検出到達周速度V21が所定の割合未満となる場合にはステップS6へ進む。 【0073】 なお、ステップS13は、目標到達回転数N1でPFモータ14が回転制御されるときのPF駆動ローラ4の検出到達周速度V11と、目標到達回転数N2でASFモータ31が回転制御されるときの後面給紙ローラ27の検出到達周速度V21とを検出する周速度検出ステップであり、ステップS5は、検出到達周速度V11に対して、検出到達周速度V21が、所定の割合未満(または以下)となる場合に、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数をPFモータ14の新たな目標到達回転数として設定し、目標到達回転数N2より低い回転数をASFモータ31の新たな目標到達回転数として設定する回転数設定ステップである。また、図10では、図9に示すステップと同一のステップには同一の符号を付している。 【0074】 このように構成すると、メカ的な負荷の変動や外乱によって、後面給紙ローラ27の検出到達周速度V21がPF駆動ローラ4の検出到達周速度V11より遅くなり、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27との間で印刷用紙Pの張りが生じるような場合には、目標到達回転数を落としてPFモータ14やASFモータ31を制御することで、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを適切に同期させて回転させることが可能になる。その結果、印刷領域に近い位置に配置されるPF駆動ローラ4と印刷用紙Pとの間のすべりを抑制し、印刷精度を向上させることができる。 【0075】 上述した形態では、説明の簡略化のため、制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2が一定である場合を例に、印刷用紙Pの搬送制御の手順を説明しているが、間欠搬送時において、制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2が変動する場合には、以下のように印刷用紙Pの搬送制御を行えば良い。すなわち、上述したステップS6の後で、次の間欠搬送時における制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2が、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2よりも低いか否かを判断する。そして、次の間欠搬送時における制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2が、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2よりも低い場合には、制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2をそのまま次の間欠搬送時における目標到達回転数とし、次の間欠搬送時における制御指令に基づく目標到達回転数N1、N2が、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2以上である場合には、前回の間欠搬送時における目標到達回転数N1、N2よりも低い回転数を次の間欠搬送時における目標到達回転数として、PFモータ14、ASFモータ31を制御すれば良い。 【0076】 上述した形態では、メカ的な負荷の変動や外乱によって、検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるとき、および/または、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御している。この他にもたとえば、この構成に加え、PFモータ14およびASFモータ31の少なくともいずれか一方が発熱制限にかかっている場合に、PFモータ14およびASFモータ31の目標到達回転数を一緒に下げて、シンクロ制御を行っても良い。 【0077】 また、上述した形態では、PFモータ14およびASFモータ31は、PID制御されている。この他にもたとえば、PFモータ14およびASFモータ31は、PI制御や比例制御等のフィードバック制御によって制御されても良い。また、本形態の構成は、インクジェットプリンタの他、レーザプリンタ等の給紙機構を備える各種の装置に適用可能である。 【0078】 なお、上述した形態では、メカ的な負荷の変動や外乱によって、検出到達回転数N11が目標到達回転数N1の所定の割合R1未満となるとき、および/または、検出到達回転数N21が目標到達回転数N2の所定の割合R2未満となるときに、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4の周速度と後面給紙ローラ27の周速度とが略同一となるように、目標到達回転数N1より低い回転数を新たな目標到達回転数N1としてPFモータ14を回転制御し、目標到達回転数N2より低い回転数を新たな目標到達回転数N2としてASFモータ31を回転制御しているが、検出到達回転数N11、N21を、制御部50が制御指令部59へ出力するように構成するとともに、所定の場合には、制御指令部59が、目標到達回転数N1よりも低い回転数をPFモータ14の新たな目標到達回転数N1とする制御指令および目標到達回転数N2よりも低い回転数をASFモータ31の新たな目標到達回転数N2とする制御指令を制御部50へ出力するようにしても良い。 【図面の簡単な説明】 【0079】 【図1】本発明の実施の形態にかかるプリンタの主要部の概略構成を示す側面図。 【図2】図1のPF駆動ローラ等の駆動部の概略構成を模式的に示す図。 【図3】図1の給紙ホッパおよびリタードローラの動作を説明するための図。 【図4】図2の制御部およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図。 【図5】図4のDCユニットの内部構成の一部を模式的に示すブロック図。 【図6】図4のROMに記憶された目標速度テーブルに基づいて作成される目標速度曲線の一例を示す図。 【図7】ドラフト印刷モードでの連続印刷時において、印刷用紙が搬送されている状態を示す図。 【図8】図1のPF駆動ローラおよび後面給紙ローラの定速領域での印刷用紙の搬送速度と最小搬送量との関係を示す表。 【図9】実施の形態にかかる印刷用紙の搬送制御の手順を示すフローチャート。 【図10】他の形態にかかる印刷用紙の搬送制御の手順を示すフローチャート。 【符号の説明】 【0080】 1 プリンタ、4 PF駆動ローラ(搬送ローラ)、14 PFモータ(搬送モータ)、26 給紙ホッパ(媒体セット部)、27 後面給紙ローラ(供給ローラ)、31 ASFモータ(供給モータ)、40 PFエンコーダ(第1エンコーダ)、41 ASFエンコーダ(第2エンコーダ)、50 制御部、N1 第1目標到達回転数、N2 第2目標到達回転数、N11 第1検出到達回転数、N21 第2検出到達回転数、P 印刷用紙(印刷媒体)、S1 搬送ステップ、S3 回転数検出ステップ、S7 回転数設定ステップ、S13 周速度検出ステップ。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月28日(2006.8.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095728 【弁理士】 【氏名又は名称】上柳 雅誉
【識別番号】100127661 【弁理士】 【氏名又は名称】宮坂 一彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−49637(P2008−49637A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−230186(P2006−230186) |
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