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【発明の名称】 インクジェット記録装置
【発明者】 【氏名】奥村 孝之

【氏名】辻 菊之助

【要約】 【課題】装置本体の大型化及び高コスト化を招くことなく、簡単な構成で不良ノズルに起因する白筋等の画像不良を解消することができるインクジェット記録装置を提供する。

【構成】印刷用の着色インクを吐出するラインヘッド11C〜11Kの用紙搬送方向下流に、ラインヘッド11C〜11Kの不良ノズルを検出する検出手段12を配設し、更に検出手段12の用紙搬送方向下流に補修用のインクを吐出するリペア用ヘッド13を配設する。そして、リペア用ヘッド13には、着色インクよりも低粘度である無色の透明インクを充填し、ラインヘッド11C〜11Kから吐出される着色インク滴よりも大体積の透明インク滴を吐出するよう構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
複数のノズルが記録媒体の幅方向に配列されて記録媒体の幅以上の記録領域を形成するラインヘッド型のインクジェットヘッドが、前記搬送手段に沿って異なる着色インク毎に複数配置されて成る記録用インクジェットヘッドと、
該記録用インクジェットヘッドの記録媒体搬送方向下流側に配設され、少なくとも一つのノズルを備えたリペア用インクジェットヘッドと、
前記搬送手段上を搬送される記録媒体に記録された画像を読み取り、前記記録用インクジェットヘッド及び前記リペア用インクジェットヘッドに備えられたノズルの吐出状態を検出する検出手段と、を備えたインクジェット記録装置において、
前記リペア用インクジェットヘッドに充填されるリペア用インクは、透明インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記リペア用インクジェットヘッドは、シリアル型のインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記リペア用インクジェットヘッドは、ラインヘッド型のインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記リペア用インクジェットヘッドから吐出される透明インク滴の体積は、前記記録用インクジェットヘッドから吐出される着色インク滴の体積より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記リペア用インクジェットヘッドに充填される透明インクは、前記記録用インクジェットヘッドに充填される着色インクより低粘度であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ、複写機、プリンタ等の記録装置において、紙等の記録媒体にインクを吐出することによって記録を行うインクジェット記録装置に関するものであり、特にラインヘッド型の記録用インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ、複写機、プリンタ等の記録装置は、紙、布、OHP用シート等の記録媒体に画像を記録するように構成されているが、記録を行う方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式等に分類することができる。また、これらの記録方式はさらに、記録ヘッドが記録媒体上を走査しながら記録を行うシリアル型と、装置本体に固定された記録ヘッドにより記録を行うラインヘッド型に分類することができる。
【0003】
ラインヘッド型インクジェット記録装置では、装置本体内に備えられた搬送ベルト等の搬送手段によって、用紙等の記録媒体が所定の記録位置まで搬送され、記録媒体の幅以上の記録領域を有するラインヘッド型のインクジェットヘッドにより一括して1行分の記録が行われ、その後、搬送手段によって所定量のみ搬送され、さらに一括して次の行の記録が行われる。そして、このような動作が複数回繰り返されることにより、記録媒体全体の記録が行われる。
【0004】
ここで、上記のように記録媒体の幅以上の記録領域を有し、一括して一行分の記録を行うラインヘッド型インクジェット記録装置では、記録媒体の幅方向に複数のノズルが配列されているが、このノズルの一部が目詰まり状態になってしまったり、吐出されるインクが目的の位置に飛翔せずドットが位置ずれを起したりして、形成される画像に白筋等の画像不良が発生することがあった。
【0005】
そこで、上記のようなノズルの目詰まり等に起因する画像不良を防止する種々の技術が提案されており、例えば特許文献1には、ラインヘッド型の記録用ヘッドに加えて、記録媒体の幅方向に移動可能に構成されたシリアル型のリペア用ヘッドを設けるとともに、記録用ヘッドとリペア用ヘッドのノズルの吐出状態を測定して、それぞれの不良ノズルを検出する検出手段を設けて、記録用ヘッドの不良ノズルに起因する白筋等の画像不良をリペア用ヘッドによって補修するよう構成されたインクジェット記録装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−185978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたインクジェット記録装置では、記録用ヘッドの不良ノズルによる白筋等の画像不良をリペア用ヘッドによって補修する構成であるが、例えば、フルカラープリンタのように各々異なるインクを吐出する複数の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置においては、それぞれのインクに対応するリペア用ヘッドが必要であり、リペア用ヘッドを複数配設することとなるため、装置本体の大型化及び高コスト化を招くこととなっていた。
【0007】
本発明においては上述の事情に鑑み、ラインヘッド型インクジェット記録装置において、装置本体の大型化及び高コスト化を招くことなく、簡単な構成で不良ノズルに起因する白筋等の画像不良を解消することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、複数のノズルが記録媒体の幅方向に配列されて記録媒体の幅以上の記録領域を形成するラインヘッド型のインクジェットヘッドが前記搬送手段に沿って異なる着色インク毎に複数配置されて成る記録用インクジェットヘッドと、該記録用インクジェットヘッドの記録媒体搬送方向下流側に配設され、少なくとも一つのノズルを備えたリペア用インクジェットヘッドと、前記搬送手段上を搬送される記録媒体に記録された画像を読み取り、前記記録用インクジェットヘッド及び前記リペア用インクジェットヘッドに備えられたノズルの吐出状態を検出する検出手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記リペア用インクジェットヘッドに充填されるリペア用インクは、透明インクであることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、上記構成のインクジェット記録装置において、前記リペア用インクジェットヘッドは、シリアル型のインクジェットヘッドであることを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、上記構成のインクジェット記録装置において、前記リペア用インクジェットヘッドは、ラインヘッド型のインクジェットヘッドであることを特徴としている。
【0011】
また、本発明は、上記構成のインクジェット記録装置において、前記リペア用インクジェットヘッドから吐出される透明インク滴の体積は、前記記録用インクジェットヘッドから吐出される着色インク滴の体積より大きいことを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、上記構成のインクジェット記録装置において、前記リペア用インクジェットヘッドに充填される透明インクは、前記記録用インクジェットヘッドに充填される着色インクより低粘度であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の構成によれば、記録用インクジェットヘッドによって形成された画像に白筋等の画像不良が生じた場合には、リペア用インクジェットヘッドから白筋上に透明インクを吐出することにより、吐出された透明インク滴が隣接する着色インク滴とブリーディングして透明インク滴が隣接する着色インク滴の色調に近づくため、白筋を目立たなくすることができる。また、透明インク滴は、隣接する着色インク滴がどのような色であっても、ブリーディングすることによりその色調に合わせることができ、どの着色インクが充填された記録用インクジェットヘッドのノズルに吐出不良が生じた場合でも、透明インクによって対応することができ、各着色インクに対応したリペア用インクジェットヘッドを設ける必要がないため、装置本体の大型化及び高コスト化を招くことなく、簡単な構成で不良ノズルに起因する白筋等の画像不良を解消することができるインクジェット記録装置を構成することができる。
【0014】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成のインクジェット記録装置において、リペア用インクジェットヘッドのノズルを画像不良箇所に合わせて移動させることにより、白筋等の発生場所によらず画像不良を簡単に解消することができる。また、リペア用インクジェットヘッドに複数のノズルが備えられている場合には、ノズルの一部が吐出不良を生じても、正常なノズルが存在する限り、正常なノズルを選んで使用することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1の構成のインクジェット記録装置において、リペア用インクジェットヘッドを用紙の幅方向に走査させる移動機構が不要となり、シリアル型のインクジェットヘッドを用いた場合よりも低コストでリペア用インクジェットヘッドを構成することができる。また、シリアル型のインクジェットヘッドのようにノズルを画像不良箇所に合わせて移動させる必要がないため、記録速度の高速化が可能となる。
【0016】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成のインクジェット記録装置において、リペア用インクジェットヘッドから吐出される透明インク滴の体積が、記録用インクジェットヘッドから吐出される着色インク滴の体積よりも大きい、すなわち、記録用インクジェットヘッドに備えられた一部のノズルの吐出不良により生じた白筋の幅よりも、白筋上に吐出される透明インク滴の幅の方が大きくなるため、白筋上に吐出された透明インクは、確実に隣接する着色インク滴とブリーディングを引き起こし、白筋等の画像不良を確実に補修することができる。
【0017】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成のインクジェット記録装置において、リペア用インクジェットヘッドから吐出された透明インクが、隣接する着色インクと混じり合い易いため、白筋等の画像不良をより目立たなくなるように補修することができる。また、透明インクの粘度を低くすることにより、リペア用インクジェットヘッドに備えられたノズルの目詰まりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す側面断面図であり、図2は、図1に示す搬送ベルトを上方からみた平面図である。
【0019】
図1に示すように、インクジェット記録装置1の左側部には記録用紙Pを収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された記録用紙Pを、最上位の記録用紙Pから順に一枚ずつ後述する搬送ベルト5へと搬送給紙するための給紙ローラ3及び給紙ローラ3に圧接され従動回転する従動ローラ4が設けられている。
【0020】
給紙ローラ3及び従動ローラ4の用紙搬送方向下流側(図1において右側)には、搬送ベルト5が回転自在に配設されている。搬送ベルト5は、用紙搬送方向下流側に配置されたベルト駆動ローラ6と、上流側に配置され搬送ベルト5を介してベルト駆動ローラ6に従動回転するベルトローラ7とに掛け渡されており、ベルト駆動ローラ6が時計方向に回転駆動されることにより、記録用紙Pが矢印Xの方向に搬送される。
【0021】
ここで、用紙搬送方向Xの下流側にベルト駆動ローラ6を配置したことにより、搬送ベルト5の用紙送り側(図1において上側)はベルト駆動ローラ6に引っ張られるようになるため、ベルトテンションを張ることができ、安定した記録用紙Pの搬送が可能となる。なお、搬送ベルト5には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルト等が好適に用いられる。
【0022】
また、搬送ベルト5の用紙搬送方向下流側には、画像が記録された記録用紙Pを装置本体外へと排出する排出ローラ8、及び排出ローラ8に圧接され従動回転する従動ローラ9が設けられており、装置本体外には排出ローラ8及び従動ローラ9の下流に、装置本体外へと排出された記録用紙Pが積載される排紙トレイ10が設けられている。
【0023】
そして、搬送ベルト5の上方には、搬送ベルト5の上面に対して所定の間隔が形成されるような高さに支持され、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pへと画像の記録を行うラインヘッド11C,11M,11Y及び11Kが配設されている。これらのラインヘッド11C〜11Kには、それぞれ異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の着色インクが充填されており、各ラインヘッド11C〜11Kからそれぞれの着色インクを吐出することにより、記録用紙P上にカラー画像が形成される。
【0024】
これらのラインヘッド11C〜11Kは、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する方向に複数のノズルが千鳥状に配列されて、搬送される記録用紙Pの幅以上の記録領域を有しており、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pに対して、一括して1行分の画像を記録することができるようになっている。これにより、記録ヘッドが記録用紙Pの幅方向に往復動作するシリアル型インクジェットヘッドに比べて高速印字が可能となる。
【0025】
なお、本実施形態においては、長手方向の寸法が搬送ベルト5の幅寸法以上に形成された本体に、記録用紙Pの幅方向に複数のノズルを千鳥状に配列させることで、記録用紙Pの幅以上の記録領域を有するように構成されたラインヘッド型のインクジェットヘッドを用いているが、これは、各々数個のノズルを備えた短尺の記録ヘッドを、搬送ベルト5の幅方向に複数配列することにより、搬送される記録用紙Pの幅方向全幅にわたって画像を記録できるようにしたインクジェットヘッドユニットを用いても構わない。
【0026】
更に、搬送ベルト5の上方には、ラインヘッド11C〜11Kの用紙搬送方向下流側に、これらのラインヘッド11C〜11Kによって記録用紙Pに記録された画像を読取って、ラインヘッド11C〜11Kに設けられた複数のノズルの目詰まりその他の吐出不良を検出する検出手段12が配設されている。
【0027】
この検出手段12は、少なくとも各ラインヘッド11C〜11Kによる画像記録幅よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサが用いられている。また、このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
【0028】
また更に、搬送ベルト5の上方には、検出手段12の用紙搬送方向下流側に、ラインヘッド11C〜11Kの不良ノズルに起因する白筋等の画像不良を補修するリペア用ヘッド13が配設されている。なお、リペア用ヘッド13には、リペア用インクを吐出する複数のノズルを有する短尺の記録ヘッド13aと、この記録ヘッド13aを搬送ベルト5の幅方向に摺動可能に支持するガイド部材13bと、記録ヘッド13aを移動させる駆動手段(図示しない)から構成されたシリアル型のインクジェットヘッドが用いられている。
【0029】
なお、ラインヘッド11C〜11K及びリペア用ヘッド13のインクの吐出方式としては、例えば、図示しないピエゾ素子を用いてインクを押し出すピエゾ方式や、発熱体によって気泡を発生させ、圧力をかけてインクを吐出するサーマルインクジェット方式など、各種方式を適用することができる。
【0030】
ここで、本発明に係るインクジェット記録装置1においては、リペア用ヘッド13には、前述したラインヘッド11C〜11Kに充填されているような着色インクではなく、リペア用の無色の透明インクが充填されており、検出手段12によって白筋などの画像不良が検知された場合には、リペア用ヘッド13から無色の透明インクを吐出して、周囲画素の着色インクを意図的に滲ませることにより、不良画素を目立たなくなるように補修することを特徴としている。
【0031】
そのため、リペア用ヘッド13から吐出されたリペア用の透明インクと、周囲画素の着色インクとのブリーディングを意図的に引き起こすために、ラインヘッド11C〜11Kから吐出される着色インク滴に比べて、リペア用ヘッド13から吐出される透明インク滴の方が大体積となるように構成されている。すなわち、例えば、ラインヘッド11C〜11Kから吐出される着色インク滴の体積が21plである場合には、リペア用ヘッド13から吐出されるリペア用の透明インク滴の体積は28plに設定されている。
【0032】
また、リペア用ヘッド13から吐出されたリペア用の透明インクが、周囲画素の着色インクと混じり合い易いように、リペア用ヘッド13には、印刷用の着色インクよりも低粘度の透明インクが充填されている。すなわち、例えば、ラインヘッド11C〜11Kに充填される着色インクの粘度が3mPa・sである場合には、リペア用ヘッド13には、粘度が1.5mPa・sの透明インクが充填されている。
【0033】
なお、上述した透明インク滴の体積及び透明インクの粘度は一例であり、着色インク滴の体積及び着色インクの粘度に応じて適宜変更すれば良い。また、リペア用ヘッド13に充填されるリペア用の透明インクは、周囲画素の着色インクとのブリーディングによって、周囲画素に影響を及ぼすことがないよう無色であることが好ましいが、周囲画素に影響を及ぼすことがない程度に着色された有色の透明インクでも構わない。
【0034】
続いて、図1及び図2に基づいてインクジェット記録装置1の画像記録動作について説明し、図3乃至図6を参照して、リペア用ヘッド13による画像不良の補修について説明する。図3及び図4は、記録用紙上に吐出された着色インクの一部を示す拡大平面図であり、図3は正常に画像が形成された状態を図示しており、図4は形成された画像に白筋が生じた状態を図示している。図5は、図4に示す白筋上に透明インクを吐出した状態を図示しており、図6は、透明インクと着色インクがブリーディングした状態を図示している。なお、図3乃至図6において、矢印Xは用紙搬送方向を示している。
【0035】
先ず、給紙ローラ3及び従動ローラ4によって、給紙トレイ2内に収容されている最上位の記録用紙Pが、搬送ベルト5上へと供給される。そして、ベルト駆動ローラ6が時計方向に回転駆動され搬送ベルト5が時計方向に回転をすることにより、記録用紙Pが矢印Xの方向に搬送され、各ラインヘッド11C〜11Kの下方の所定の記録位置へと搬送される。
【0036】
このとき、所定のタイミングにより最上流側のラインヘッド11Cによりシアンの着色インクが記録用紙P上に吐出されてシアンの画像が記録される。以後、同様の方法によりラインヘッド11M,11Y及び11Kによってそれぞれマゼンタ、イエロー及びブラックの着色インクが吐出され各色に対応した画像が記録用紙P上に形成される。なお、これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために記録用紙Pに対しあらかじめ定められた所定の位置関係をもって形成される。
【0037】
そして、画像が記録された記録用紙Pは、搬送ベルト5によってさらに矢印Xの方向に搬送されて検出手段12の下方を通過する。この時、検出手段12は記録用紙Pに記録された画像を読取って、形成された画像に白筋などのラインヘッド11C〜11Kに備えられたノズルの目詰まり、その他の着色インクの吐出不良に起因する画像不良が発生していないかを判断する。
【0038】
ここで、図3に示すように、ラインヘッド11C〜11Kの各ノズルから着色インクが正常に吐出され、記録用紙P上に着色インク滴列14a〜14fが正常に形成されており、画像不良が検出されない場合には、カラー画像が記録された記録用紙Pは、さらに搬送されリペア用ヘッド13の下方を通過し、搬送ベルト5から離脱して排出ローラ8及び従動ローラ9によって装置本体外に設けられた排紙トレイ10へと搬送される。
【0039】
一方、例えば、ラインヘッド11C〜11Kに備えられたノズルの一部に不具合が生じて、その不良ノズルから吐出された着色インク滴列14dが目的の位置に飛翔せずドットが位置ずれを起して、図4に示すように、記録用紙P上に形成された画像に白筋15が発生し、検出手段12によって画像不良が検出されると、リペア用ヘッド13による画像不良の補修が行われる。
【0040】
すなわち、検出手段12は検出された白筋の位置から、ラインヘッド11C〜11Kに備えられた複数のノズルの中から不良ノズルの位置が判断され、リペア用ヘッド13に備えられた図示しない駆動手段によって、記録ヘッド13aの有する複数のノズルのうちの1ノズルが、ラインヘッド11C〜11Kの不良ノズルの用紙搬送方向下流に位置するように、記録ヘッド13aを移動させる。
【0041】
記録ヘッド13aの移動が終了すると、不良ノズルの用紙搬送方向下流に位置させたノズルからリペア用の透明インクを吐出し、図5に示すように、記録用紙P上の画像中に発生した白筋15上に透明インク滴列16を形成する。上述したように、ラインヘッド11C〜11Kから吐出される着色インク滴に比べて、リペア用ヘッド13から吐出される透明インク滴の方が大体積であるため、記録用紙P上に形成された透明インク滴列16は隣接する着色インク滴列14d及び14eとブリーディングを引き起こす。
【0042】
隣接する着色インク滴列14d,14eとブリーディングした透明インク滴列16は、図6に示すように、隣接する着色インク滴列14d,14eの色調に近づくため、白筋15が目立たないようになる。なお、透明インク滴は無色であるため、隣接する着色インク滴列14d,14eがどのような色であっても、ブリーディングすることによりその色調に合わせることができ、白筋を補修することができる。これにより、どのラインヘッド11C〜11Kのノズルに吐出不良が生じた場合でも、透明インクによって対応することができるため、各着色インクに対応したリペア用ヘッドを設ける必要がない。
【0043】
そして、リペア用ヘッド13から吐出された透明インク滴列16によって、白筋15が補修された記録用紙Pは、搬送ベルト5によってさらに搬送された後、搬送ベルト5から離脱して排出ローラ8及び従動ローラ9によって装置本体外に設けられた排紙トレイ10へと搬送される。
【0044】
なお、本実施形態においては、リペア用ヘッド13には、1個の記録ヘッド13aを備えたシリアル型のインクジェットヘッドが用いられているが、ラインヘッド11C〜11Kに備えられたノズルは、複数のノズルが同時に不具合を生じることが考えられるため、リペア用ヘッド13には2個以上の記録ヘッド13aを備えたシリアル型インクジェットヘッドを用いることも可能である。
【0045】
また、本実施形態においては、リペア用ヘッド13に充填される透明インクは低粘度であり、記録ヘッド13aに備えられたノズルが目詰まりするおそれがないと考えられるため、リペア用ヘッド13のノズルの吐出不良を検出する検出手段を設けていないが、このようなリペア用ヘッド13のノズルの吐出不良を検出する検出手段を設けることも可能であり、これにより、リペア用ヘッドの一部に不良ノズルが発生しても、正常なノズルが存在する限り、正常なノズルを選んで使用することが可能となる。
【0046】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す側面断面図であり、図8は、図7に示す搬送ベルトを上方からみた平面図である。なお、第1実施形態の図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態においては、図7及び図8に示すように、検出手段12の用紙搬送方向下流に配設されるリペア用ヘッド13には、用紙搬送方向と直交する方向に複数のノズルが千鳥状に配列され、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pの幅以上の記録領域を有するラインヘッド型のインクジェットヘッドが用いられている。
【0048】
これにより、第1実施形態に用いられているシリアル型のインクジェットヘッドのように、記録ヘッド13aを用紙の幅方向に走査させる移動機構を設ける必要がないため、シリアル型のインクジェットヘッドを用いた場合よりも低コストでリペア用ヘッドを構成することができる。また、記録ヘッド13aを画像不良箇所に合わせて移動させる必要がないため、記録速度の高速化が可能となる。
【0049】
なお、本実施形態におけるリペア用ヘッド13には、長手方向の寸法が搬送ベルト5の幅寸法と略同一に形成され、複数のノズルが千鳥状に配列されたラインヘッドを用いているが、これは、各々数個のノズルを備えた記録ヘッドを搬送ベルト5の幅方向に配列することにより、搬送される記録用紙Pの幅方向全幅にわたって画像を記録できるようにしたインクジェットヘッドユニットを用いても構わない。
【0050】
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、記録用紙Pに画像を記録すると同時に、検出手段12によって画像不良を検出しリペア用ヘッド12で補修する構成としたが、これは、ラインヘッド11C〜11Kによって記録用紙P上にテストパターンを形成し、そのテストパターンを検出手段12によって読み取り不良ノズルを検出する構成としても良い。
【0051】
また、上記のようにテストパターンによってラインヘッド11C〜11Kの不良ノズルを検出する構成であれば、リペア用ヘッド13を検出手段12の用紙搬送方向上流側に配設して、テストパターン形成時にラインヘッド11C〜11K及びリペア用ヘッド13のノズルの吐出不良を、検出手段12によって検出するように構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、ファクシミリ、複写機及びプリンタ等の記録装置において、用紙等の記録媒体にインクを吐出することによって記録を行うインクジェット記録装置に利用することができ、特にラインヘッド型の記録用ヘッドを備えたインクジェット記録装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図2】は、図1に示す搬送ベルトを上方からみた平面図である。
【図3】は、記録用紙上に正常に吐出された着色インクの一部を示す拡大平面図である。
【図4】は、記録用紙上に形成された画像に白筋が生じた際の着色インクの一部を示す拡大平面図である。
【図5】は、図4に示す白筋上に透明インクを吐出した状態を示す拡大平面図である。
【図6】は、透明インクと着色インクがブリーディングした状態を示す拡大平面図である。
【図7】は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す側面断面図である。
【図8】は、図7に示す搬送ベルトを上方からみた平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 インクジェット記録装置
2 給紙トレイ
3 給紙ローラ
4 従動ローラ
5 搬送ベルト(搬送手段)
6 ベルト駆動ローラ
7 ベルトローラ
8 排出ローラ
9 従動ローラ
10 排紙トレイ
11C,11M,11Y,11K ラインヘッド(記録用インクジェットヘッド)
12 検出手段
13 リペア用ヘッド(リペア用インクジェットヘッド)
13a 記録ヘッド
13b ガイド部材
P 記録用紙(記録媒体)
【出願人】 【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫


【公開番号】 特開2008−49572(P2008−49572A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−227371(P2006−227371)