| 【発明の名称】 |
廃インク吸収タンク及びそれを備えた記録装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】萩原 寛之
【氏名】山田 学
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| 【要約】 |
【課題】傾斜時あるいは転倒時においても外部へ廃インクが流出することのない吸液性に優れた廃インク吸収タンク及びそれを備えた記録装置を提供する。
【構成】インクジェットヘッドのノズルから回収した廃インクが送り込まれ、ケース86及びカバー88からなる容器の内部に配設された吸収材104に廃インクを吸収させて保持する廃インク吸収タンク85において、カバー88に複数の通気孔87を形成し、ケース86内の吸収材104を構成する1層目の吸収材シート105aを、通気性を有する連泡タイプのスポンジから形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃インクが送り込まれ、容器の内部に配設された吸収材に廃インクを吸収させて保持する廃インク吸収タンクであって、 前記容器の上面に通気孔が形成され、前記吸収材の上層部分における全部もしくは少なくとも縁部が通気性を有するスポンジを含むことを特徴とする廃インク吸収タンク。 【請求項2】 請求項1に記載の廃インク吸収タンクであって、 前記吸収材は、複数の吸収材シートを積層して構成され、最上層の吸収材シートの全部もしくは少なくとも縁部が通気性を有するスポンジを含むことを特徴とする廃インク吸収タンク。 【請求項3】 請求項1または2に記載の廃インク吸収タンクであって、 前記通気孔は、円形あるいは隅部が円弧状に形成された角形の孔部であることを特徴とする廃インク吸収タンク。 【請求項4】 インクをノズルから吐出して記録媒体に印刷を行う記録装置であって、 前記ノズルから回収した廃インクを保持する請求項1から3のいずれか1項に記載の廃インク吸収タンクを備えたことを特徴とする記録装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、廃インクを吸収する廃インク吸収タンク及びそれを備えた記録装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、記録媒体にノズルからインク滴を吐出して印刷を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式の記録装置が広く用いられている。 この記録装置は、キャリッジと、同キャリッジに搭載された記録ヘッドとを備えており、キャリッジを記録媒体に対して移動させながら、記録ヘッドに設けられたノズルからインクを吐出し、記録媒体に対して印刷を行う。 この種の記録装置には、記録ヘッドのノズルから回収した廃インクを保持するタンクを備えたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。 【特許文献1】特開2001−130029号公報 【特許文献2】特開2000−289232号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、廃インクを保持するタンクとしては、その内部に吸収材を配設し、回収した廃インクを吸収材に吸収させて保持するものがある。 そして、この種のタンクでは、容器の上面に通気孔を形成して吸収材の通気性を確保し、染料インクからなる廃インクを蒸発させることにより、吸液能力を維持することが考えられるが、例えば、輸送時等に、装置が傾けられたりあるいは転倒させられると、タンク内の吸収材に保持されていた廃インクが通気孔から漏れ出す恐れがあった。 【0004】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、傾斜時あるいは転倒時においても外部へ廃インクが流出することのない吸液性に優れた廃インク吸収タンク及びそれを備えた記録装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記目的を達成するために、本発明の廃インク吸収タンクは、廃インクが送り込まれ、容器の内部に配設された吸収材に廃インクを吸収させて保持する廃インク吸収タンクであって、上面に通気孔が形成され、前記吸収材の上層部分における全部もしくは少なくとも縁部が通気性を有するスポンジを含むことを特徴とする。 【0006】 この構成の廃インク吸収タンクによれば、吸収材の上層部分における全部もしくは少なくとも縁部が通気性を有するスポンジを含むものであるので、輸送時などに万一装置を傾けたり倒してしまったとしても、吸収材に吸収させた廃インクの外部への流出が吸液性の鈍いスポンジにて規制され、外部への漏れ出しが防止される。 しかも、スポンジが通気性を有しているので、吸収材に吸収させた廃インクを、容器の複数の通気孔を介して良好に蒸発させることができ、吸収材における廃インクの吸収能力を回復させて持続させることができる。 【0007】 また、前記吸収材は、複数の吸収材シートを積層して構成され、最上層の吸収材シートの全部もしくは少なくとも縁部が通気性を有するスポンジを含むことが好ましい。 この構成によれば、最上層の吸収材シートの吸液性の鈍いスポンジ部分にて廃インクの漏れ出しを確実に防止することができる。 【0008】 また、前記通気孔は、円形あるいは隅部が円弧状に形成された角形の孔部であることが好ましい。 この構成によれば、複数の通気孔が、円形あるいは隅部が円弧状に形成された角形の孔部とされているので、吸収材に吸収された廃インクの毛細管現象による上昇を防止することができる。これにより、作業者が廃インク吸収タンクに触れたとしても、作業者の手が廃インクによって汚れるような不具合をなくすことができる。 【0009】 また、本発明の記録装置は、インクをノズルから吐出して記録媒体に印刷を行う記録装置であって、前記ノズルから回収した廃インクを保持する上記の廃インク吸収タンクを備えたことを特徴とする。 この構成の記録装置によれば、傾斜時あるいは転倒時においても外部へ廃インクが流出することがなく、しかも、吸液性を長期間持続させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明に係る廃インク吸収タンク及びそれを備えた記録装置の実施形態について図面を参照して説明する。 なお、本実施形態では、記録装置をメディア処理装置であるパブリッシャに適用した場合を例にとって説明する。 図1はパブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図、図2はパブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図、図3はパブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図、図4はパブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図、図5はパブリッシャの内部概略構成図である。 【0011】 パブリッシャ1は、例えばCDあるいはDVD等の円板状のメディアへのデータの書き込みやメディアのレーベル面への印刷を行うメディア処理装置であり、ほぼ直方体形状のケース2を備えている。このケース2の前面には、左右に開閉可能な開閉扉3、4が取り付けられている。ケース2の上側右端部には、表示ランプ、操作ボタンなどが配列された操作面5が設けられており、また、ケース2の下端には、メディア排出口6が設けられている。 【0012】 正面視右側の開閉扉3は、閉じた状態にてロックされており、操作面5には、例えば、指紋センサなどの図示せぬ生体認証用の読み取り部が配置され、予め登録されている者のみが開閉できるようになっている。また、開閉扉3は、パブリッシャ1と通信可能に接続された後述する上位機器97側(図5参照)からの指令によっても開閉可能となっている。 【0013】 図2に示すように、正面視左側の開閉扉4は、レーベルプリンタ(記録装置)11のインクカートリッジ12の変換時に開閉するためのものであり、この開閉扉4を開けると、鉛直方向に配列された複数のカートリッジホルダ13を有するカートリッジ装着部14が露出するようになっている。 【0014】 図3にも示すように、パブリッシャ1のケース2の内部には、データ書き込み処理が行われていない複数枚の未使用のブランクメディアMAをスタック可能なブランクメディア保管部21と、作成済みメディアMBが保管される作成済みメディア保管部22が同軸状態で上下に配置されている。なお、この作成済み保管部22には、使用済みメディアMCを処分する場合に、この使用済みメディアMCがセットされる。 【0015】 ブランクメディア保管部21は、前方に水平に引き出し可能なスライド板23と、このスライド板23の上に垂直に配置されている左右一対の円弧状の枠板24,25とを備えており、これらにより、ブランクメディアMAを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収納可能なスタッカが構成されている。ブランクメディア保管部21にブランクメディアMAを収納あるいは補充する作業は、開閉扉3を開け、スライド板23を手前に引き出すことにより、簡単に行うことが可能となっている。 【0016】 下側の作成済みメディア保管部22も同一構造となっており、前方に水平に引き出し可能なスライド板26と、この上面に垂直に配置されている左右一対の円弧状の枠板27,28とを備えており、これらによって、作成済みメディアMBあるいは使用済みメディアMCを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収納可能なスタッカが構成されている。 【0017】 使用済みメディアMCを処分する場合には、開閉扉3を開けて、作成済みメディア保管部22に、使用済みメディアMCをセットして処分動作を行うことが可能となっている。また、開閉扉3からは、作成済みメデイアMB(すなわち、データの書き込み、及びレーベル面印刷が終了したメディア)を取り出すこともできる。 【0018】 これらのブランクメディア保管部21及び作成済みメディア保管部22の後側には、メディア搬送機構31が配置されている。メディア搬送機構31は、ケース2に垂直に取り付けられているシャーシ32と、このシャーシ32の上下の水平支持板部33,34の間に垂直に架け渡されている垂直ガイド軸35と、この垂直ガイド軸35に取り付けたメディアキャリア36とを備えている。メディアキャリア36は、駆動モータ37によって垂直ガイド軸35に沿って昇降可能であるとともに、垂直ガイド軸35を中心に左右に旋回可能である。メディア搬送機構31によってメディア排出口6に搬送されてきたメディアは、このメディア排出口6から外部に取り出すことが可能である。 【0019】 上下の保管部21,22及びメディア搬送機構31の側方の部位には、上下に積層された2つのメディアドライブ41が配置され、これらメディアドライブ41の下側にレーベルプリンタ11の後述するキャリッジ62(図4参照)が移動可能に配置されている。 メディアドライブ41は、メディアへのデータ書き込み位置とメディアの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ41aをそれぞれ有している。 【0020】 また、レーベルプリンタ11は、メディアのレーベル面へのレーベル印刷可能な位置とメディアの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ51を有している。 【0021】 図2及び図3では、上側のメディアドライブ41のメディアトレイ41aが手前に引き出されてメディア受け渡し位置にある状態及び下側のレーベルプリンタ11のメディアトレイ51が奥側のレーベル印刷可能位置にある状態が示されている。また、レーベルプリンタ11はインクジェットプリンタであり、インク供給機構71として各色(本実施形態ではブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの6色)のインクカートリッジ12が用いられ、これらのインクカートリッジ12がカートリッジ装着部14の各カートリッジホルダ13に前方から装着されている。 【0022】 ここで、ブランクメディア保管部21の左右一対の枠板24,25の間及び作成済みメディア保管部22の左右一対の枠板27,28の間には、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が昇降可能な隙間が形成されている。また、これら上下のブランクメディア保管部21と作成済みメディア保管部22との間には、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が水平に旋回して、作成済みメディア保管部22の真上に位置できるように隙間が開いている。さらに、メディアトレイ41aをメディアドライブ41に押し込むと、メディア搬送機構31のメディアキャリア36を下降させて、メディア受け渡し位置にあるメディアトレイ51にアクセス可能となっている。したがって、メディアキャリア36の昇降及び左右への旋回の組み合わせ動作によって、メディアを各部に搬送することが可能とされている。 【0023】 メディアトレイ51のメディア受け渡し位置の下方には、廃棄用メディアMDを保管するための廃棄用スタッカ52が配置されており、この廃棄用スタッカ52には、例えば30枚程度の廃棄用メディアMDが保管可能とされている。メディアトレイ51が廃棄用スタッカ52の上方のメディア受け渡し位置からデータ書き込み位置へ退避した状態にてメディア搬送機構31のメディアキャリア36により、廃棄用メディアMDを廃棄用スタッカ52に供給可能となっている。 【0024】 まとめると、CDあるいはDVDからなるメディアは、ブランクメディア保管部21、作成済みメディア保管部22、廃棄用スタッカ52、メディアドライブ41のメディアトレイ41a及びレーベルプリンタ11のメディアトレイ51間を、メディア搬送機構31のメディアキャリア36によって搬送される。 【0025】 また、レーベルプリンタ11の前方側には、メディア処分機構92(図5参照)が取り付けられている。このメディア処分機構92は、プランジャなどの駆動機構によって突起部を突出させることにより、後側あるいは前側に移動するメディアトレイ51に搭載されたメディアに突起部を接触させ、メディアの記録面を機械的に破壊し、書き込み及び読み出しを不能な状態とする。 【0026】 次に、レーベルプリンタ11の構成について説明する。 図2から図4にも示すように、レーベルプリンタ11はインクジェットヘッド61を有するキャリッジ62を備えており、このキャリッジ62は、キャリッジガイド軸63に沿って、水平方向に往復移動可能に支持されている。そして、このキャリッジ62は、キャリッジガイド軸63に沿って水平に架け渡したタイミングベルト64と、これを駆動するためのキャリッジモータ65とを備えている。 【0027】 キャリッジ62に搭載されているインクジェットヘッド61は、そのノズル面が下向きとされており、インクジェットヘッド61の下側位置を、前後方向に水平にメディアトレイ51が往復移動可能となっている。メディアトレイ51は、その右側の端が、前後方向に水平に延びるガイド軸66によって支持され、その左側の端が、スライド可能な状態で、前後方向に水平に延びるガイドレール67によって支持されている。このメディアトレイ51の駆動機構も、前後方向に水平に架け渡した図示しないタイミングベルトと、これを駆動するためのトレイモータとを備えた構成となっている。 【0028】 レーベルプリンタ11は、インクカートリッジ12が装着されるカートリッジ装着部14を有するインク供給機構71を備えている。このインク供給機構71は、縦型構造を有しており、パブリッシャ1のベース72上に立設されて鉛直方向に配設されている。このインク供給機構71には、可撓性を有するインク供給チューブ73の一端が接続されており、このインク供給チューブ73の他端は、キャリッジ62に接続されている。 【0029】 そして、インク供給機構71のインクカートリッジ12のインクは、インク供給チューブ73を介してキャリッジ62に供給され、このキャリッジ62に設けられた図示しないダンパユニット及び背圧調整ユニットを経てインクジェットヘッド61に供給される。 なお、インク供給機構71には、その上部に、加圧機構74が設けられており、この加圧機構74は、インクカートリッジ12内を加圧し、インクカートリッジ12内のインクパックに貯留しているインクを送り出す。 【0030】 また、キャリッジ62のホームポジション(図4に示す位置)における下方側には、インク吸引機構81が設けられている。このインク吸引機構81は、ホームポジションに配置されたキャリッジ62の下面に露出するインクジェットヘッド61のノズルを覆うキャップ82と、インクジェットヘッド62のヘッドクリーニング動作やインク充填動作によってキャップ82に排出された廃インクを吸引する廃インク吸引ポンプ83とを備えている。 【0031】 そして、このインク吸引機構81の廃インク吸引ポンプ83によって吸引された廃インクは、チューブ84を介して、廃インク吸収タンク85へ送り込まれる。 この廃インク吸収タンク85は、ケース86内に後述する吸収材104を配設したもので、その上面は、複数の通気孔87を有するカバー88によって覆われている。 なお、廃インク吸引機構81の下方には、廃インク吸収タンク85の一部である廃インク受け部89が設けられ、廃インク吸引機構81から滴下した廃インクを受け止め、吸収材によって吸収するようになっている。 【0032】 メディアトレイ51は、矩形の板の上面に、メディアを載せるための円形の浅い凹部51aを備えている。また、この凹部51aの中心部には、同心円上において120度間隔に配置された図示せぬ3本の垂直爪を備えている。そのうち2本の垂直爪は半径方向に一体となって移動可能であり、残りの1本の垂直爪は、固定位置に配置されている。電磁ソレノイドなどの不図示の駆動機構によって2本の垂直爪が移動するようになっている。 【0033】 メディアを、そのレーベルなどが印刷されるレーベル面を上向きにして、上から凹部51aに落とすと、メディアのセンターホールに3本の垂直爪が差し込まれた状態になる。この後に、2本の垂直爪を半径方向の外方に僅かに移動すると、これら3本の垂直爪がメディアのセンターホールの内周面に内側から押し付けられた状態になる。これにより、メディアがメディアトレイ51に保持される。この状態で、図示せぬトレイモータを駆動して、メディアトレイ51をガイド軸66に沿って後ろ側に移動させ、インクジェットヘッド61の印字領域内まで移動させることができる。この後は、インクジェットヘッド61によって、メディアのレーベル面に所定の印刷を施すことができる。 【0034】 次に、パブリッシャ1の内部構成について説明する。 図5に示すように、パブリッシャ1は、各部の制御を司る制御部91を有し、パブリッシャ1内の各部間の動作制御を行う中央制御部となっている。具体的には、メディアドライブ41、レーベルプリンタ11、メディア搬送機構31等の動作を制御する。 【0035】 パブリッシャ1は、メディア作成のための機能に加えて、作成後に不要となった使用済みメディアMCを、データ書き込み、データ読み出し不能な状態に処分するためのメディア処分機構92に加え、このメディア処分機構92によって処分される使用済みメディアMCのレーベル面の印刷画像を読み取るための、例えば、CCDなどを有するラインセンサからなる画像センサ93、読み取られたレーベル面の印刷画像を、メディア処分機構92によるメディア処分履歴94aとして記憶するための記憶部94を備えている。 【0036】 メディア処分機構92は、前述したように、レーベルプリンタ11におけるメディアトレイ51の動きを利用して、使用済みメディアMCの記録面に機械的に傷を付けて、データの読み出し及び書き込みが不能の廃棄用メディアMDとするようになっている。 レーベル面の印刷画像の読取用の画像センサ93は、例えば、メディア搬送機構31に搭載されている。メディア搬送機構31に把持された使用済みメディアMCを回転させ、このメディアMCのレーベル面に受光面が対峠する状態で、メディア半径方向に沿って配置されている画像センサ93によって、レーベル面の全体の印刷画像を読み取るようになっている。この代わりに、メディア搬送機構31に把持された使用済みメディアMCのレーベル面に沿って、その半径方向に配置されている画像センサ93側を回転させて、レーベル面の全印刷画像を読み取るようにしても良い。 【0037】 さらに、制御部91には操作部95が接続されており、操作部95には認証用のパスワードなどを入力するためのテンキーなどの英数字キ一群、各種のファンクションキ一群、及び状態表示ランプなどの表示器群が配置されている。また、制御部91は、通信用のインターフェース96を介して、専用通信回線あるいは一般通信回線によって上位機器97と接続されている。通常は、上位機器97側から制御部91に供給されるメディア作成指令、メディア処分指令などに基づき、メディア作成動作(データ書き込み動作、レーベル面印刷動作)、メディア処分履歴作成動作(レーベル面印刷画像読取動作)、メディア処分動作などが起動するようになっている。 【0038】 次に、上記のパブリッシャ1におけるレーベルプリンタ11に設けられた廃インク吸収タンク85の具体的な構造について説明する。 図6は廃インク吸収タンクの後方側からの斜視図、図7は図6におけるA−A断面図、図8は廃インク吸収タンクの分解斜視図、図9は廃インク導入部における断面図、図10は1層目の吸収材シートを取り外した状態の平面図である。 図6から図8に示すように、廃インク吸収タンク85は、ケース86内に吸収材104を配設したもので、その上面は、カバー88によって覆われている。これらケース86及びカバー88は、合成樹脂からなる一体成形品で、前述したように、カバー88には、隅部が円弧状に形成された角形の複数の通気孔87が形成され、ケース86内が外部と連通されて通気性が確保されている。なお、これら通気孔87の大きさは、指が入らない程度の大きさとされている。 【0039】 吸収材104は、略同一の厚みを有する吸収材シート105a,105b,105c,105d,105e,105fを積層させたものである。この吸収材104を構成する1層目の吸収材シート105aは、後述する廃インク導入部111を臨む箇所を除いた部分が通気性を有する連泡タイプのウレタンスポンジ(密度:25〜35±2kg/m3程度)から形成されている。このウレタンスポンジは外力(圧力)が加わらない限りインクを吸い込み難い性質を有している。また、このウレタンスポンジは後述するフェルトもしくはパルプを含む吸収体(密度:90kg/m3〜230kg/m3程度)よりも密度が小さいため毛細管現象が働きにくいので、フェルトもしくはパルプを含む吸収体よりも吸液性が低い。また、1層目の吸収材シート105aにおける廃インク導入部111を臨む箇所及び残りの2〜6層の吸収材シート105b,105c,105d,105e,105fは、吸液性に優れたフェルトもしくはパルプを含む吸収体から形成されている。 【0040】 カバー88には、廃インク導入部111が設けられている。この廃インク導入部111は、図9にも示すように、上方に突出する管状の継手部112が形成されており、これら継手部112には、廃インク吸引ポンプ83からのチューブ84が接続されている。そして、このチューブ84は、図6に示すように、クランプ116によって継手部112にクランプされている。 廃インク導入部111には、継手部112の周囲を囲う流出防止壁113がカバー88の上方側に立設されている。また、この流出防止壁113の内側における継手部112の周囲には、表裏に連通する複数の開口部114が形成されている。 【0041】 また、廃インク導入部111には、継手部112と連通する導入管部115が、カバー88の裏面から下方へ突出されている。この導入管部115は、その内径が継手部112の内径よりも大径に形成され、また、その先端は2層目の吸収材シート105bまで延在されている。 2層目の吸収材シート105bには、図8及び図10に示すように、中間部が円弧状とされた長尺の切込部121が平面視にて略中央に形成されており、これにより、吸収材104には、図7に示すように、導入管部115に連通する導入流路122が形成されている。 【0042】 次に、以上のように構成されたレーベルプリンタ11の作用について説明する。 (通常印刷) 通常の印刷時においては、加圧装置74によってインクカートリッジ12内が加圧され、インクカートリッジ12からインクが送り出され、インク供給チューブ73を介してキャリッジ62のインクジェットヘッド61へ送り込まれる。 これにより、インクジェットヘッド61のノズルからインクが噴射され、印刷指令に基づいてメディアのレーベル面に所定の画像が印刷される。 【0043】 (チョーククリーニング) ユーザによってチョーククリーニングの開始操作が行われると、キャリッジ62がホームポジションに移動し、このインクジェットヘッド61のノズルがインク吸引機構81のキャップ82によって覆われる。 次いで、加圧装置74の停止状態にて、廃インク吸引ポンプ83によってノズルからのインクの吸引が行われ、図示しないチョークバルブの下流側の流路が負圧とされ、この状態にて加圧装置74が駆動する。 【0044】 すると、各インクカートリッジ12から流路内へ一気にインクが流れ込み、瞬間的に流速の高められたインクが流される。 これにより、インクカートリッジ12からインクジェットヘッド61のノズルまでの間のインク流路に滞留していた気泡や不純物がノズルから排出される。 そして、ノズルから排出された廃インクは、廃インク吸引ポンプ83に接続されたチューブ84を介して廃インク吸収タンク85へ送り込まれる。 【0045】 チューブ84を介して送り込まれた廃インクは、継手部112から導入管部115を通り、吸収材104の導入流路122へ送り込まれる。 その後、この導入流路122へ送り込まれた廃インクは、導入流路122内を流れつつ吸収材104に満遍なく吸収される。 【0046】 ここで、万一、チューブ84と継手部112との接続箇所から廃インクが漏れ出た場合、この漏れ出た廃インクは継手部112の周囲を囲う流出防止壁113内に留まり、外部へ流出することなく、開口部114から吸収材104に吸収される。 【0047】 以上、説明したように、本実施形態によれば、吸収材104の上方側の1層目の吸収材シート105aが、通気性を有するとともにフェルトまたはパルプを含む吸収体よりも吸液性の鈍い連泡タイプのウレタンスポンジから形成されているので、輸送時などに万一装置を傾けたり倒してしまったとしても、吸収材104に吸収させた廃インクは吸液性の鈍いウレタンスポンジからなる1層目の吸収材シート105aによって外部への流出が規制され、廃インクの漏れ出しが確実に防止される。 また、この吸収材シート105aは、通気性を有しているので、吸収材104に吸収させた廃インクをカバー88の複数の通気孔87を介して良好に蒸発させることができ、吸収材104における廃インクの吸収能力を回復させて持続させることができる。 【0048】 なお、上記実施形態では、1層目の吸収材シート105aの廃インク導入部111を臨む箇所を除く部分を、通気性を有する連泡タイプのウレタンスポンジとしたが、1層目の吸収材シート105aの縁部だけを通気性を有する連泡タイプのウレタンスポンジとしても良く、この場合でも、装置を傾けたり横倒しにした際の廃インクの漏れ出しを防止することができる。 【0049】 さらに、カバー88に形成した角形の複数の通気孔87はその隅部が円弧状に形成されているので、吸収材104に吸収された廃インクの毛細管現象による上昇を防止することができる。これにより、レーベルプリンタ11におけるメディアのジャムの復旧時に作業者が廃インク吸収タンク85に触れたとしても、作業者の手が廃インクによって汚れるような不具合をなくすことができる。 なお、この通気孔87としては、角形に限らず円形であっても良く、この場合も、毛細管現象による廃インクの上昇を防止することができる。 【0050】 また、チューブ84と継手部112との接続箇所から廃インクが漏れ出したとしても、この漏れ出た廃インクを流出防止壁113内に留めて開口部114から確実にケース86内へ送り込んで複数層の吸収材シート105a〜105fからなる吸収材104に吸収させて保持させることができ、廃インクの漏れ出しを防止することができる。 なお、流出防止壁113内の容積としては、一度に送り込まれる廃インクの最大量よりも大きくされており、これにより、チョーククリーニング機能の作動時あるいはインクの初期充填時に多量の廃インクが接続箇所から流出したとしても、外部への廃インクの漏れ出しを防止することができる。 【0051】 また、継手部112に連通する導入管部115が内部へ突設され、上方側から2層目の吸収材シート105bまで延在されているので、チューブ84を介して送り込まれる廃インクを導入管部115によって上方側2層目の吸収材シート105bに導くことができ、吸収材104の内部側から廃インクを確実に吸収させて保持させることができる。 また、導入管部115は、継手部112よりも大きな内径を有しているので、この導入管部115における廃インクの凝固による目詰まりを抑えることができる。 【0052】 また、送り込まれる廃インクを流す導入流路122を吸収材104に形成したので、廃インクを導入流路122内へ流しつつ、この導入流路122の周囲から吸収材104内に満遍なく吸収させることができる。 これにより、チョーククリーニング機能の作動時あるいはインクの初期充填時のように多量の廃インクがチューブ84を介して送り込まれたとしても、廃インクを導入流路122内へ流しながら迅速に吸収材104へ吸収させることができ、廃インクの溢れ出しなどの不具合を防止することができる。 【0053】 また、導入流路122は、吸収材シート105a〜105fのうちの2層目の吸収材シート105bに形成されているので、チョーククリーニング機能の作動時あるいはインクの初期充填時のように多量の廃インクが送り込まれている最中に装置が傾けられたとしても、廃インクが廃インク吸収タンク85から漏れ出すような不具合を防止することができる。また、吸収材シート105bに切込部121を形成することにより導入流路122を設けたので、例えば、樹脂製のチューブなどをケース86内に引き回して導入流路を設ける場合と比較して、低コスト化を図ることができるとともに、チューブを用いることにより生じやすい流路内におけるインクの凝固による目詰まりなどの不具合を防止することができる。 【0054】 次に、廃インク吸収タンクの他の構造について説明する。なお、上記の例と共通部分は同一符号を付して説明を省略する。 図11は廃インク吸収タンクの断面図、図12は廃インク吸収タンクの分解斜視図、図13は1〜5層の吸収材シートを取り外した状態の平面図である。 図11から図13に示すように、この廃インク吸収タンク85では、吸収材104を構成する2層目の吸収材シート105bとして切込部121が形成されていないものが用いられ、2〜5層の吸収材シート105b,105c,105d,105eに、カバー88の導入管部115と連通するとともに互いに連通する導入孔141が形成されている。また、ケース86には、その底面に、導入流路142が形成されている。 【0055】 この導入流路142は、ケース86の底面に壁部143を立設させることにより、これら壁部143同士の間あるいは壁部143とケース86の底部にて上方に突出された突出部86aとの間に形成された溝部からなるもので、この導入流路142は、その基端部分に導入孔141が開口され、この基端部分から途中で分岐してケース86の平面視における略中央まで延在され、先端部分にて開口されている。 【0056】 また、この導入流路142を構成する溝部の底面部分は、基端側から先端側へ向かって次第に下方へ傾斜されている。 なお、最下層の吸収材シート105fには、平面視にて導入流路142に対応する部分に切欠部144が形成されており、これにより、吸収材シート105fをケース86の底部に配設した際に、切欠部144内に導入流路142が配置されるようになっている。 【0057】 そして、上記構造の廃インク吸収タンク85では、チューブ84を介して送り込まれた廃インクは、継手部112から導入管部115を通り、吸収材104の導入孔141に流れ込み、ケース86の底部に形成された導入流路142へ送り込まれる。その後、この導入流路142へ送り込まれた廃インクは、導入流路142内を先端側へ向かって流れて先端部及びその周囲にて吸収材104に満遍なく吸収される。 【0058】 このように、上記構造の廃インク吸収タンク85の場合も、ケース86の底面に形成した溝部からなり、送り込まれる廃インクを流す導入流路142を設けたので、廃インクを導入流路142内へ流しつつ、この導入流路142の上方側及び先端から吸収材104内に満遍なく吸収させることができる。 これにより、チョーククリーニング機能の作動時あるいはインクの初期充填時のように多量の廃インクがチューブ84を介して送り込まれたとしても、廃インクを導入流路142内へ流しながら迅速に吸収材104へ吸収させることができ、廃インクの溢れ出しなどの不具合を防止することができる。 【0059】 また、導入流路142は、ケース86の底面に形成した溝部からなるので、チョーククリーニング機能の作動時あるいはインクの初期充填時のように多量の廃インクが送り込まれている最中に装置が傾けられたとしても、廃インクが廃インク吸収タンク85から漏れ出すような不具合を防止することができる。 しかも、導入流路142の底面が先端へ向かって下方へ傾斜されているので、導入流路142へ送り込まれた廃インクを先端側へ向かって円滑に導くことができる。 【0060】 なお、上記実施形態では、記録装置を、CDあるいはDVD等の円板状のメディアのレーベル面を印刷するレーベルプリンタ11として、メディアを処理するパブリッシャ1に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はパブリッシャ1のレーベルプリンタ11に適用するものに限定されることはなく、例えば、用紙などのシート状の記録媒体に印刷を行うインクジェット式の記録装置にも適用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0061】 【図1】パブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図である。 【図2】パブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図である。 【図3】パブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図である。 【図4】パブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図である。 【図5】パブリッシャの内部概略構成図である。 【図6】廃インク吸収タンクの後方側からの斜視図である。 【図7】図6におけるA−A断面図である。 【図8】廃インク吸収タンクの分解斜視図である。 【図9】廃インク導入部における断面図である。 【図10】1層目の吸収材シートを取り外した状態の平面図である。 【図11】廃インク吸収タンクの断面図である。 【図12】廃インク吸収タンクの分解斜視図である。 【図13】1〜5層の吸収材シートを取り外した状態の平面図である。 【符号の説明】 【0062】 11…レーベルプリンタ(記録装置)、61…インクジェットヘッド(記録ヘッド)、85…廃インク吸収タンク、86…ケース(容器)、87…通気孔、88…カバー(容器)、104…吸収材、105a,105b,105c,105d,105e,105f…吸収材シート。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月23日(2006.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100116182 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 照雄
【識別番号】100135194 【弁理士】 【氏名又は名称】林 智雄
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| 【公開番号】 |
特開2008−49553(P2008−49553A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−226986(P2006−226986) |
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