| 【発明の名称】 |
カバー装置、記録装置及び液体噴射装置並びに回動復元装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥原 勝美
【氏名】福枡 恵一郎
|
| 【要約】 |
【課題】部品点数が少なく、小型化が可能であり、成形が容易でインクミスト等の遮蔽性に優れ、回動フラップの離脱、破損の虞のないカバー装置を提供する。
【構成】本発明のカバー装置1は、ケース本体の開口部を閉鎖するカバー部材31と、別体に設けられる回動フラップ37、回動復元装置40及び係止片を有する回動ロック機構とを備えており、回動復元装置40を弾性支持部48を介してカバー部材31と接続される軸部49と、弾性作用部50を介して回動フラップ37と接続される軸受部のみから構成し、別途の付勢手段を設けることなく弾性支持部48と弾性作用部50の有する弾性復元力Fを利用して回動フラップ37を回動復元するようにしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えるカバー装置であって、 前記回動ロック機構は、前記カバー部材の回動自由端に対して別体に設けられる回動フラップと、該回動フラップとカバー部材との回動接続部に設けられる回動復元装置と、前記回動フラップの回動自由端に対して一体に設けられ、前記ケース本体の一部に係止することで前記カバー部材の回動動作をロックする係止片とを備えることによって構成されており、 前記回動復元装置は、弾性支持部を介して前記カバー部材に設けられた軸部と、弾性作用部を介して前記回動フラップに設けられた軸受部を備え、該回動フラップをロック解除方向にロック解除する位置まで回動すると、前記弾性支持部と前記弾性作用部の少なくとも一方に弾性復元力が発生して当該回動フラップをロック方向に回動して戻すように構成されていることを特徴とするカバー装置。 【請求項2】 請求項1に記載のカバー装置において、前記軸部は、外周面の周方向における一部の範囲のみを回動軸として使用する部分軸であり、前記軸受部は前記軸部の外周面の一部のみと係合又は当接する部分軸受であることを特徴とするカバー装置。 【請求項3】 請求項2に記載のカバー装置において、前記軸部は、外周面の周方向における4分の3の範囲のみを回動軸として使用する4分の3周分の円柱軸によって構成されていることを特徴とするカバー装置。 【請求項4】 請求項2に記載のカバー装置において、前記軸部は、外側面の周方向における4分の3の範囲のみを回動軸として使用する4分の3周分の角柱軸によって構成されていることを特徴とするカバー装置。 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項に記載のカバー装置において、前記軸部の一部には外周面又は外側面の周方向における2分の1の範囲のみを回動軸として使用する2分の1周分の半周軸が形成されていることを特徴とするカバー装置。 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載のカバー装置において、前記軸受部は、前記軸部を挟持状態で保持する一対の係合フック付きの弾性挟持片と、係合フックを有しない他の弾性挟持片とによって構成されており、これら一対の弾性挟持片が軸方向に位置をずらして180°位相を異ならせ、複数組設けられていることを特徴とするカバー装置。 【請求項7】 請求項6に記載のカバー装置において、前記一対の弾性挟持片の一組は前記4分の3周分の円柱軸ないし角柱軸に対して係合ないし当接し、一方、前記一対の弾性挟持片における他の組は前記2分の1周分の半周軸に対して係合ないし当接するように構成されていることを特徴とするカバー装置。 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカバー装置において、前記カバー部材の一部には前記回動フラップの回動範囲を規制するストッパが設けられていることを特徴とするカバー装置。 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカバー装置において、前記カバー部材は、カバー閉鎖状態では該ケース本体内部を外部と隔離する構造に形成されていることを特徴とするカバー装置。 【請求項10】 インクカートリッジを収容するキャリッジ本体と、該キャリッジ本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えたカバー装置を有する記録装置であって、前記カバー装置は請求項1〜9のいずれか1項に記載したカバー装置であることを特徴とする記録装置。 【請求項11】 液体カートリッジを収容するキャリッジ本体と、該キャリッジ本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えたカバー装置を有する液体噴射装置であって、前記回動ロック機構は、前記カバー部材の回動自由端に対して別体に設けられる回動フラップと、該回動フラップとカバー部材との回動接続部に設けられる回動復元装置と、前記回動フラップの回動自由端に対して一体に設けられ、前記ケース本体の一部に係止することで前記カバー部材の回動動作をロックする係止片とを備えることによって構成されており、前記回動復元装置は、弾性支持部を介して前記カバー部材に設けられた軸部と、弾性作用部を介して前記回動フラップに設けられた軸受部を備え、該回動フラップをロック解除方向にロック解除する位置まで回動すると、前記弾性支持部と前記弾性作用部の少なくとも一方に弾性復元力が発生して当該回動フラップをロック方向に回動して戻すように構成されていることを特徴とする液体噴射装置 。 【請求項12】 支持部材に対して回動自在に接続される回動部材を所定の方向に回動させると、回動部材が再び元の位置に戻るような回動復元力を生じさせる回動復元装置であって、 前記回動復元装置は弾性支持部を介して前記支持部材に設けられた軸部と、弾性作用部を介して前記回動部材に設けられた軸受部を備え、該回動フラップをロック解除方向にロック解除する位置まで回動すると、前記弾性支持部と前記弾性作用部の少なくとも一方に弾性復元力が発生して当該回動フラップをロック方向に回動して戻すように構成されていることを特徴とする回動復元装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ケース本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えるカバー装置、上記回動ロック機構の回動フラップとカバー部材との回動接続部に対して適用可能な回動復元装置及び上記カバー装置及び回動復元装置を備えた記録装置に関する。 更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を噴射する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、該液体噴射装置に対し設けられるカバー装置及び該カバー装置に対して適用可能な回動復元装置に関するものである。 【0002】 ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を行うプリンタ、プロッタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。 液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。 【背景技術】 【0003】 下記の特許文献1に示すようなインクジェット式記録装置を例に採ると、インクカートリッジを収容するキャリッジ本体の上面には、キャリッジ本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材が設けられていた。そして、カバー部材の回動自由端にはカバー部材の閉鎖状態を保持するためのフック部材が一体に設けられており、このフック部材をキャリッジ本体の一部に係止させることでカバー部材の閉鎖状態を保持していた。 【0004】 このようなカバー部材と一体のフック部材は、インクミストのキャリッジ本体内への進入を防止する上では効果的とされていたが、フック部材の過剰な変位量を防止するためのストッパが設けられていなかったため、破損を起こす危険性が指摘されていた。またフック部材とキャリッジ本体との間には加工精度によって必然的に形成される隙間ができており、顔料インク等の採用によって微細化が進んでいるインク粒径等の動向を考えると上記構造は完全なものではなく、インクミストのキャリッジ本体内への進入を防止する更に万全な対策が望まれていた。 【0005】 一方、インクジェットプリンタは近時急速に小型化が進んでおり、小型化を困難にする上記カバー部材と一体構造のフック部材の構成を見直し、当該フック部材に代わる新たな回動ロック機構の開発な模索されている。しかし、カバー部材と別体に新たに回動ロック機構を設けるとなると、部品点数の増加を招くことになる。また、カバー部材と回動ロック機構との間には、両者を回動自在に接続する軸部と軸受部が設けられることになるが、外周面の全周を回動軸として使用する軸部や当該軸部の外周面の全周を保持する軸受部を設けることは部品の成形を困難にし、成形型の構成を複雑にしてアンダーカット用の穴等の形成を必要にする。 【0006】 そして、カバー部材や回動ロック機構の一部にアンダーカット用の穴が形成されると、上記インクミストのキャリッジ本体内への進入の虞が高まり、キャリッジ本体内にインクミストが進入するとインクカートリッジに取り付けられている電子回路基板等に付着してショートや接点不良を起こし、これらに起因する動作不良等を招くことになる。また、上記軸部を外周面の一部のみを回動軸として使用する部分軸とし、上記軸受部を上記軸部の外周面の一部のみを支承する部分軸受とすることも可能であるが、単純な構成では自由部と軸受部の嵌合が不十分になり、回動ロック機構がカバー部材から外れる危険性が生ずる。 【0007】 【特許文献1】特開2002−103573号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 そこで本発明は、少ない部品点数で、回動復元力を付与できる回動復元装置を提供すること、カバー部材の小型化が可能で成形が容易であり、インクミスト等に対する遮蔽性に優れ、カバー部材から回動フラップが容易に外れたり、破損する虞のないカバー装置及び該カバー装置を備えた記録装置等を提供することを課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するために本発明の第1の態様に係るカバー装置は、ケース本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えるカバー装置であって、前記回動ロック機構は、前記カバー部材の回動自由端に対して別体に設けられる回動フラップと、該回動フラップとカバー部材との回動接続部に設けられる回動復元装置と、前記回動フラップの回動自由端に対して一体に設けられ、前記ケース本体の一部に係止することで前記カバー部材の回動動作をロックする係止片とを備えることによって構成されており、前記回動復元装置は、弾性支持部を介して前記カバー部材に設けられた軸部と、弾性作用部を介して前記回動フラップに設けられた軸受部を備え、該回動フラップをロック解除方向にロック解除する位置まで回動すると、前記弾性支持部と前記弾性作用部の少なくとも一方に弾性復元力が発生して当該回動フラップをロック方向に回動して戻すように構成されていることを特徴とするものである。 【0010】 本発明の第1の態様によれば、係止片を一体に備えた回動フラップをカバー部材と別体構造にて設けているから、当該カバー部材の小型化が容易になり、またカバー部材の成形が容易であり、以て貫通孔等の無いカバ−部材を容易に成形することが可能となる。従って、インクミスト等に対する遮蔽性に優れ、回動フラップの回動動作に関係なくケース本体とカバー部材間の気密性が維持され、ケース本体内へのインクミスト等の進入を確実に防止することができる。 また、回動復元装置は、別途の付勢手段を設けることなく、それ自体で所望の弾性復元力を発生させているから、当該回動復元装置の部品点数を少なくし、回動復元力装置の構成を簡単にすることができる。 【0011】 本発明の第2の態様に係るカバー装置は、前記第1の態様において、前記軸部は外周面の周方向における一部の範囲のみを回動軸として使用している部分軸であり、前記軸受部は前記軸部の外周面の一部のみと係合又は当接している部分軸受であることを特徴とするものである。 本発明の第2の態様によれば、軸部をカバー部材と一体に成形できるようになり、軸受部を回動フラップと一体に成形できるようになるからカバー装置を少ない部品点数で簡単、コンパクトに構成できるようになる。 【0012】 本発明の第3の態様に係るカバー装置は、前記第2の態様において、前記軸部は外周面の周方向における4分の3の範囲のみを回動軸として使用している4分の3周分の円柱軸によって構成されていることを特徴とするものである。 本発明の第3の態様によれば、カバー部材を成形する成形型の構成を単純化することができ、カバー部材に対してアンダーカット用の穴を設ける必要がなくなるから、ケース本体とカバー部材間の気密性を向上させてインクミスト等の進入を確実に防止できる。また軸部の外周面の周方向における4分の3の範囲は回動軸として使用できるから回動フラップの必要な回動範囲と、軸部に対する軸受部の必要な係合状態とを確保できる。 【0013】 本発明の第4の態様に係るカバー装置は、前記第2の態様において、前記軸部は外側面の周方向における4分の3の範囲のみを回動軸として使用している4分の3周分の角柱軸によって構成されていることを特徴とするものである。 本発明の第4の態様によれば、カバー部材を成形する成形型の構成を単純化することができ、カバー部材に対してアンダーカット用の穴を設ける必要がなくなるから、ケース本体とカバー部材間の気密性を向上させてインクミスト等の進入を確実に防止できる。また軸部の外周面の周方向における4分の3の範囲は回動軸として使用できるから回動フラップの必要な回動範囲と、軸部に対する軸受部の必要な係合状態とが確保できる。また角柱軸とすることにより、軸部に対する軸受部の係合状態は強固になる。 【0014】 本発明の第5の態様に係るカバー装置は、前記第2から第4のいずれか1つの態様において、前記軸部の一部には外周面又は外側面の周方向における2分の1の範囲のみを回動軸として使用している2分の1周分の半周軸が形成されていることを特徴とするものである。 本発明の第5の態様によれば、軸部の成形が更に容易になり、軸部に対する軸受部の係合状態が更に強固になるから、カバー部材から回動フラップが不用意に外れないようになる。また、軸部の一部のみが半周軸になっているだけであるから、他の部位の4分の3周軸によって回動フラップの必要な回動範囲も確保されている。 【0015】 本発明の第6の態様に係るカバー装置は、前記第2から第5のいずれか1つの態様において、前記軸受部は、前記軸部を挟持状態で保持する一対の係合フック付きの弾性挟持片と、係合フックを有しない他の弾性挟持片とによって構成されており、これら一対の弾性挟持片が軸方向に位置をずらして180°位相を異ならせ、複数組設けられていることを特徴とするものである。 本発明の第6の態様によれば、一対の弾性挟持片による挟持力が位相を異ならせて複数の位置で軸部に作用することによって軸受として機能するようになり、同じく位相を異ならせて係合フックが複数の位置で軸部に作用することによってカバー部材から回動フラップが不用意に外れないようになる。 【0016】 本発明の第7の態様に係るカバー装置は、前記第6の態様において、前記一対の弾性挟持片の一組は前記4分の3周分の円柱軸ないし角柱軸に対して係合ないし当接し、一方、前記一対の弾性挟持片における他の組は前記2分の1周分の半周軸に対して係合ないし当接するように構成されていることを特徴とするものである。 本発明の第7の態様によれば、4分の3周分の円柱軸ないし角柱軸に対して係合する一対の弾性挟持片によって回動フラップの必要な回動範囲が確保され、上記4分の3周分の円柱軸ないし角柱軸に対して係合する係合フックと、上記半周軸に対して係合する位相を異ならせた他の係合フックとによる係合作用によって回動フラップがカバー部材から容易に外れないようになる。 【0017】 本発明の第8の態様に係るカバー装置は、前記第1から第7のいずれか1つの態様において、前記カバー部材の一部には前記回動フラップの回動範囲を規制するストッパが設けられていることを特徴とするものである。 本発明の第8の態様によれば、回動フラップの過剰な回動が防止されるから回動フラップの破損や回動フラップのカバー部材からの離脱が防止される。 【0018】 本発明の第9の態様に係るカバー装置は、前記第1から第8のいずれか1つの態様において、前記カバー部材はカバー閉鎖状態では該ケース本体内部を外部と隔離する構造に形成されていることを特徴とするものである。 本発明の第9の態様によれば、前記カバー部材はカバー閉鎖状態では該ケース本体内部を外部と隔離する構造に形成されているから、当該カバー部材には上記アンダーカット用の穴を含めた一切の貫通孔等が設けられていない。従って、カバー部材とケース本体間の気密性が向上し、インクミスト等のケース本体内への進入を確実に防止できる。 【0019】 本発明の第10の態様に係る記録装置は、インクカートリッジを収容するキャリッジ本体と、該キャリッジ本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えたカバー装置付きの記録装置であって、前記カバー装置は前記第1〜第9のいずれか1つの態様のカバー装置であることを特徴とするものである。 【0020】 本発明の第10の態様によれば、少ない部品点数で、回動復元力を付与できる回動復元装置と、カバー部材の小型化が可能で成形が容易であり、インクミストの遮蔽性に優れ、カバー部材から容易に外れたり、破損の虞のないカバー装置とを備えた記録装置を提供できるようになる。そして、キャリッジ本体内へのインクミストの進入を防止することでインクカートリッジに取り付けられている電子回路基板等へのインクミストの付着を防止し、インクミストの付着に起因して生ずる動作不良等を効果的に防止することが可能になる。 【0021】 本発明の第11の態様に係る液体噴射装置は、液体カートリッジを収容するキャリッジ本体と、該キャリッジ本体の開口部を閉鎖する回動開閉式のカバー部材と、該カバー部材の閉鎖状態を保持する回動ロック機構とを備えたカバー装置を有する液体噴射装置であって、前記回動ロック機構は、前記カバー部材の回動自由端に対して別体に設けられる回動フラップと、該回動フラップとカバー部材との回動接続部に設けられる回動復元装置と、前記回動フラップの回動自由端に対して一体に設けられ、前記キャリッジ本体の一部に係止することで前記カバー部材の回動動作をロックする係止片とを備えることによって構成されており、前記回動復元装置は、弾性支持部を介して前記カバー部材に設けられた軸部と、弾性作用部を介して前記回動フラップに設けられた軸受部を備え、該回動フラップをロック解除方向にロック解除する位置まで回動すると、前記弾性支持部と前記弾性作用部の少なくとも一方に弾性復元力が発生して当該回動フラップをロック方向に回動して戻すように構成されていることを特徴とするものである。 【0022】 本発明の第12の態様に係る回動復元装置は、支持部材に対して回動自在に接続される回動部材を所定の方向に回動させると、回動部材が再び元の位置に戻るような回動復元力を生じさせる回動復元装置であって、前記回動復元装置は弾性支持部を介して前記支持部材に設けられた軸部と、弾性作用部を介して前記回動部材に設けられた軸受部を備え、該回動フラップをロック解除方向にロック解除する位置まで回動すると、前記弾性支持部と前記弾性作用部の少なくとも一方に弾性復元力が発生して当該回動フラップをロック方向に回動して戻すように構成されていることを特徴とするものである。 【0023】 本発明の第12の態様によれば、支持部材と回動自在に接続される回動部材に対して、極めて簡単な構成で少ない部品点数の回動復元装置を適用できるようになる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本願発明に係る回動復元装置、該回動復元装置を備えたカバー装置及び該カバー装置を備えた液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。 【0025】 図1はハウジングを取り外した状態のインクジェットプリンタを示す斜視図、図2はインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。 【0026】 図示のインクジェットプリンタ100は液体噴射装置本体、そして記録装置本体の一例であるプリンタ本体3を備え、該プリンタ本体3の後部寄りの上部に自動給送装置2を備えている。自動給送装置2は自動的に被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を連続して給送することのできる装置で、複数枚の用紙Pを積畳し得る給送用トレイ5と、給送用トレイ5上の用紙Pを給送用ローラ14に向けて押し上げるホッパ16と、ホッパ16との挟圧送り作用によって給送用トレイ5上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14とを備えている。また上記給送用トレイ5には用紙Pのエッジに当接して用紙Pの搬送方向となる副走査方向Yに用紙Pを案内するエッジガイド15が設けられている。 【0027】 また図2に示すように上記給送用ローラ14の下流には、上下一対のニップローラによって構成されている搬送用ローラ19が設けられており、該搬送用ローラ19によって搬送された用紙Pは記録ポジション26に導かれる。記録ポジション26の上方には用紙Pに液体の一例であるインクを吐出して直接記録を実行する液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド13が位置しており、記録ポジション26の下方には用紙Pの下面を支えて上記記録ヘッド13との間のギャップPGを規定するプラテン28が設けられている。 【0028】 記録ヘッド13は主走査方向Xに架け渡されたキャリッジガイド軸12によって案内され、同じく主走査方向Xに張設された無端ベルト11から駆動力を伝達されて往復動するキャリッジ10の下面に搭載されている。キャリッジ10はケース本体としての液体カートリッジの一例であるキャリッジ本体30と、該キャリッジ本体30の上面の開口部を閉鎖する回動開閉式の支持部材の一例であるカバー部材31とを備えている。 【0029】 また記録ポジション26の用紙搬送方向の下流には上記搬送用ローラ19と同様、一対のニップローラによって構成されている排出用ローラ20が設けられており、該排出用ローラ20によって排出された用紙Pは図示しない被液体噴射材受け部の一例である排出用スタッカの載置面上に排出され積畳されるようになっている。 【0030】 [実施例] 次にこのようにして構成されるインクジェットプリンタ100における上記キャリッジ10に対して適用される本発明のカバー装置1と、該カバー装置1に対して適用される本発明の回動復元装置40について図面に基づいて具体的に説明する。 【0031】 図3はキャリッジを示す斜め後方からの斜視図、図4はカバー装置を示す分解斜視図である。図5はカバー装置を示す平面図、図6はカバー装置を示す左側面図である。図7は図5中のA−A断面図、図8は図5中のB−B断面図である。図9は回動フラップをロック方向に一杯に回動させた状態を示す側断面図、図10は回動フラップをロック解除方向に一杯に回動させた状態を示す側断面図である。また図11は回動復元装置の回動復元作動状態を誇張して示す側断面図である。 【0032】 本発明のカバー装置1はキャリッジ本体30の開口部を閉鎖する上記カバー部材31と、該カバー部材31の閉鎖状態を保持する回動ロック機構32とを備えることによって構成されている。カバー部材31はキャリッジ本体30のインクカートリッジCの装填、取り出しを行うための上面の開口部を閉鎖する蓋条の部材である。カバー部材31の回動基端33の左右の側面には外方に向けて突出するように丸棒状の回動軸34、34が設けられている。これらの回動軸34、34は図3、5に示すようにキャリッジ本体30に対して設けられている軸支承部材35、35によって回動自在に支承されている。 【0033】 一方、回動ロック機構32は上記カバー部材31の回動自由端36に対して別体に設けられる回動部材としての回動フラップ37と、該回動フラップ37とカバー部材31との回動接続部に対して設けられる本発明の回動復元装置40と、上記回動フラップ37における回動自由端41の一例として左側面から外方に突出するように一体に設けられる係止片42とを備えている。 【0034】 回動フラップ37は前面板38と天面板39とによって構成される側面視略L型形状をした幅広の部材である。回動フラップ37の中央には回動フラップ37を拡開して回動ロック機構32のロック状態を解除する場合に指を掛ける庇状に張り出した指掛け部43が設けられている。また回動フラップ37の前面板38の裏面及び天面板39を利用して回動復元装置40の一部を構成する軸受部44が設けられている。また係止片42は図6に示すように後面側上部に傾斜面、後面側下部に湾曲面が形成された側面視扇形状をした突起状の部材である。そして上記傾斜面がキャリッジ本体30の一部に設けられている係止部材45に当接して係止される係止面46、上記湾曲面が上記係止部材45との係止状態や係止解除状態を円滑に案内する案内曲面47になっている。 【0035】 回動復元装置40は弾性支持部48を介して上記カバー部材31と接続される軸部49と、弾性作用部50を介して上記回動フラップ37と接続される上述した軸受部44のみを備えることによって基本的に構成されている。従って回動復元装置40には別途の付勢手段は設けられておらず、上記弾性支持部48と弾性作用部50の有する弾性復元力Fのみを利用してロック解除方向Aに回動させた回動フラップ37を再びロック方向Bに戻すように付勢する付勢力を得ている。 【0036】 また上記軸部49は外周面の全周ではなく、外周面の周方向における一部の範囲のみを回動軸として使用している部分軸であり、上記軸受部44は上記軸部49の外周面の全周ではなく、外周面の一部のみと係合ないし当接している部分軸受によって構成されている。そして軸部49をこのように部分軸とし、軸受部44を部分軸受とすることにより、図示のようにカバー部材31と軸部49との一体成形が可能になり、回動フラップ37と軸受部44との一体成形が可能になっているのである。 【0037】 本実施例では軸部49のほとんどの部分は外周面の周方向における4分の3の範囲のみを回動軸として使用している4分の3周分の円柱軸51によって構成されている。また当該4分の3周分の円柱軸51の左右には外周面の周方向における2分の1の範囲のみを回動軸として使用している2分の1周分の半周軸52、52が形成されている。また回動軸として使用しない円柱軸51の残りの4分の1周分の範囲を利用して弾性支持部48が設けられている。弾性支持部48は矩形平板状の部材でカバー部材31の回動自由端36の端面から前方に張り出すように設けられている。 【0038】 また上記4分の3周分の円柱軸51の前面中央には長手方向に延びるスリット状の溝部56が形成されている。この溝部56は成形品の厚さのばら付きをなくして成形時のヒケ等を防止する目的で設けられているものであるが、同時に円柱軸51に弾性力を付与し、後述する回動フラップ37の弾性復元動作を助長する役割も担っている。 【0039】 一方、軸受部44は、上記軸部49を挟持状態で保持する一対の係合フック付きの弾性挟持片53と、係合フックを有しない他の弾性挟持片54とによって構成されている。また、それぞれの弾性挟持片53、54は、弾性復元力Fを発揮する弾性作用部50と直接軸部49に係合又は当接して軸受として機能する軸受作用部57とから構成されている。そして、係合フック付きの弾性挟持片53における軸受作用部57が軸部49の外周面の一部に係合する係合フック55、係合フックを有しない他の弾性挟持片54における軸受作用部57が軸部49の外周面の一部に当接するだけの当接端58によって構成されている。 【0040】 また、このような一対の弾性挟持片53、54は軸方向に位置をずらして一例として4組設けられている。前記4分の3周分の円柱軸51と係合又は当接する中央側に位置する2組の弾性挟持片53、54と、前記半周軸52と係合又は当接する左右両端側に位置する2組の弾性挟持片53、54とによって構成されている。またこのように軸方向に位置をずらして配置されるそれぞれの組(中央側に位置する2組と左右両端側に位置する2組)の弾性挟持片53、54は、図7、図8に示すように、180°位相を異ならせて互い違いに配置されている。 【0041】 因みに、このように軸部49と軸受部44を構成することによって従来上下方向に設定されていた金型の抜き方向を、図7中、矢印で示すように上方と前方に変更できるようになり、カバー部材31に対してアンダーカット用の穴を形成する必要はなくなっている。従って、本実施例では上記アンダーカット用の穴を含めてカバー部材31にはキャリッジ本体30と連通する一切の貫通部は設けられていない。この他、上記弾性支持部48の上面の一部は、図10に示すように、回動フラップ37をロック解除方向Aに回動させた時の回動停止位置を規定するストッパとなっており、上記4分の3周分の円柱軸51の弾性支持部48との付け根部分下面の一部は、図9に示すように、回動フラップ37をロック方向Bに回動させた時の回動停止位置を規定するストッパとしても機能している。 【0042】 次に、このようにして構成される本発明のカバー装置1と本発明の回動復元装置40の作動態様を(1)通常時、(2)ロック方向回動時、(3)ロック解除方向回動時、(4)回動復元力作動時に分けて説明する。 【0043】 (1)通常時(図7、図8参照) 通常時は図7に示すように、回動フラップ37は前面板38がほぼ垂直で、天面板39がほぼ水平な状態になっている。この状態では係止片42の係止面46がキャリッジ本体30側の係止部材45によって係止され、カバー部材31の拡開方向の回動が規制された回動ロック状態になっている。また、軸方向にずらして180°位相を異ならせて配置されている4組の弾性挟持片53、54の作用により、側面から通して視た状態では、軸部49は上下から係合フック55によって確実に係合されている状態にあるから、回動フラップ37がカバー部材31から不用意に外れることはない。 【0044】 (2)ロック方向回動時(図9参照) 上記通常時の状態から、更に回動フラップ37をロック方向Bに回動させて行くと、図9に示すように、中央側の弾性挟持片53、54における係合フックを有しない弾性挟持片54の当接端58が4分の3周分の円柱軸51と弾性支持部48との付け根部分下面の一部に当接するようになる。従って、回動フラップ37のロック方向Bへのそれ以上の回動は停止され、回動フラップ37の過剰な回動によって生ずる回動フラップ37の破損やカバー部材31からの回動フラップ37の離脱は防止されている。 【0045】 (3)ロック解除方向回動時(図10参照) 上記通常時の状態から、回動フラップ37の指掛け部43に指を掛けて回動フラップ37をロック解除方向Aに回動させて行くと、図10に示すように、中央側の弾性挟持片53、54における係合フック付きの弾性挟持片53の係合フック55が、弾性支持部48の上面の一部に当接するようになる。従って、回動フラップ37のロック解除方向Aへのそれ以上の回動は停止される。またこの時、左右両端側に位置する弾性挟持片53、54における係合フック付きの弾性挟持片53の係合フック55が半周軸52の下側のコーナー部59に引っ掛かり、係合した状態になる。従って、回動フラップ37の過剰な回動によって生ずる回動フラップ37の破損やカバー部材31からの回動フラップ37の離脱は防止される。 【0046】 (4)回動復元力作動時(図11参照) 回動フラップ37をロック解除方向Aに回動させると、一対の弾性挟持片53、54は図示のように弾性作用部50において湾曲して弾性変形する。また、回動フラップ37が上記ロック解除方向Aの回動停止位置に到達した状態では、軸部49は側面方向から視た状態で上下に位置する180°位相を異ならせて配置されたそれぞれの係合フック付きの弾性挟持片53における係合フック55によって上方に向けて摘み上げられるようになる。これに伴って弾性支持部48も図示のように湾曲し、弾性変形する。 【0047】 そして、上記弾性作用部50と弾性支持部48が弾性変形することによって生ずる弾性復元力Fに、捩じられた軸部49が元に戻ろうとする弾性復元力fが加わって、回動フラップ37は、別途の付勢手段を設けなくても自動的にロック方向Bに回動し、係止片42の案内曲面47に案内されて係止片42の係止面46がキャリッジ本体30の係止部材45に係止された上記通常時の状態に復帰する。 【0048】 [他の実施例] 本願発明に係るカバー装置1及び該カバー装置1を備えた記録装置100等及び回動復元装置40は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。例えば、係止片42を設ける位置は、回動フラップ37の左側面に限らず、右側面であってもよいし、前面等他の面であっても構わない。また軸部49は円柱軸の他、多角形断面の角柱軸であってもよく、4分の3周分の円柱軸51や半周軸52は厳密に4分の3或いは2分の1である必要はなく、同様の作用効果を発揮する範囲で適宜調整が可能である。また本発明のカバー装置1はインクジェットプリンタ100のキャリッジ10におけるキャリッジ本体30に対して適用する場合に限らず、種々の装置ないし容器のケース本体に対して適用可能であり、本発明の回動復元装置40もカバー部材31と回動フラップ37に限らず、種々の支持部材と回動部材に対して適用することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0049】 【図1】ハウジングを取り外したインクジェットプリンタを示す斜視図。 【図2】インクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図。 【図3】キャリッジを示す斜め後方からの斜視図。 【図4】カバー装置を示す分解斜視図。 【図5】カバー装置を示す平面図。 【図6】カバー装置を示す左側面図。 【図7】図5中のA−A断面図。 【図8】図5中のB−B断面図。 【図9】回動フラップをロック方向に一杯に回動させた状態を示す側断面図。 【図10】回動フラップをロック解除方向に一杯に回動させた状態を示す側断面図 【図11】回動復元装置の回動復元作動状態を誇張して示す側断面図。 【符号の説明】 【0050】 1 カバー装置、2 自動給送装置、3 プリンタ本体(記録装置本体)、5 給送用トレイ、10 キャリッジ、11 無端ベルト、12 キャリッジガイド軸、13 記録ヘッド、14 給送用ローラ、15 エッジガイド、16 ホッパ、19 搬送用ローラ、20 排出用ローラ、26 記録ポジション、28 プラテン、30 キャリッジ本体(ケース本体)、31 カバー部材(支持部材)、32 回動ロック機構、33 回動基端、34 回動軸、35 軸支承部材、36 回動自由端、37 回動フラップ(回動部材)、38 前面板、39 天面板、40 回動復元装置、41 回動自由端、42 係止片、43 指掛け部、44 軸受部、45 係止部材、46 係止面、47 案内曲面、48 弾性支持部、49 軸部、50 弾性作用部、51 (4分の3周分の)円柱軸、52 半周軸、53 (係合フック付きの)弾性挟持片、54 (係合フックを有しない)弾性挟持片、55 係合フック、56 溝部、57 軸受作用部、58 当接端、59 コーナー部、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録材)、X 主走査方向、Y 副走査方向、PG ギャップ、C インクカートリッジ、F 弾性復元力、A ロック解除方向、B ロック方向、f 弾性復元力
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月14日(2006.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095452 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 博樹
|
| 【公開番号】 |
特開2008−18697(P2008−18697A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−194828(P2006−194828) |
|