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【発明の名称】 画像記録装置
【発明者】 【氏名】松田 雅志

【要約】 【課題】メンテナンスを実施する際、ラインヘッドを移動させず、メンテナンス機構をラインヘッドに対向する位置に移動させてノズルをメンテナンスすることで、メニスカスを良好に維持することができ、且つ記録媒体を高精度に搬送することができる画像記録装置を提供すること。

【構成】本発明は、給紙部2と、搬送機構3と、画像記録部4と、少なくともプラテン部16を有するメンテナンス機構6と、第1の排紙部7と、を具備し、メンテナンス機構6が、画像記録時において、プラテン部16上の搬送経路を介して画像記録部4の配置位置とは反対側、且つプラテン部16に対して前記記録媒体60の搬送方向における上流または下流の少なくとも一方に配置させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を給紙する給紙部と、
前記給紙部によって給紙された前記記録媒体を搬送する少なくともプラテン部を有する搬送機構と、
前記プラテン部に対向配置され、搬送される前記記録媒体に複数のノズルからインクを吐出して画像記録するラインヘッドを有する画像記録部と、
前記ラインヘッドの前記ノズルに対してメンテナンスを行うメンテナンス機構と、
前記画像記録部によって画像記録された前記記録媒体を排紙する第1の排紙部と、
を具備し、
前記メンテナンス機構は、画像記録時において、前記搬送機構により前記記録媒体が搬送される前記プラテン部上の搬送経路を介して前記画像記録部の配置位置とは反対側、且つ前記プラテン部に対して前記記録媒体の搬送方向における上流または下流の少なくとも一方に配置されること特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記プラテン部を昇降させる昇降機構と、
前記メンテナンス機構を前記ラインヘッドに対向する位置にまで移動させるメンテナンス移動機構と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記メンテナンス機構が前記ノズルをメンテナンスする際に、前記昇降機構は前記プラテン部を下降させ、前記メンテナンス機構は、前記メンテナンス移動機構によって前記ノズルの下方にまで移動され、前記昇降機構が前記プラテン部を上昇させることで前記メンテナンス機構が前記ノズルに近接し、前記ノズルをメンテナンスすることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記メンテナンス機構は、少なくとも一部が前記給紙部の下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記メンテナンス機構は、少なくとも一部が前記第1の排紙部の下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記メンテナンス機構の上方には、前記画像記録の際に、前記メンテナンス機構を覆う外装部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記メンテナンス機構は、
前記ノズルをキャップしてメンテナンスを行うキャップ部と、
を具備し、
前記メンテナンス移動機構は、
前記ノズルに対向する位置にまで前記キャップ部を移動させる移動部と、
前記移動部の移動をガイドするガイド部と、
を具備することを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記画像記録装置は、さらに前記記録媒体を反転させる両面反転機構と、
前記画像記録部によって画像記録された前記記録媒体を排紙する第2の排紙部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドをメンテナンスする際にヘッドのノズル位置にまで移動するメンテナンス機構を有する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に画像記録装置は、インクを吐出するノズルのインク目詰まりを防止することで高品質な画像を記録している。その際、画質を維持するために、画像記録装置は、例えば記録紙及びOHP用紙といった記録媒体の記録枚数毎に定期的にメンテナンスを行う、または強制的にノズルのメンテナンスを行う必要がある。
【0003】
また、長期間ノズルが使用されない場合、ノズル内やノズル周辺に付着するインクが乾燥して凝固してしまい、上述したメンテナンス処理を行っても目詰まりが解消されない虞が生じる。そのため画像記録装置は、ノズルを覆うように例えばキャップ等を宛がい、ノズルを外気から遮断し、目詰まりの原因となるノズル周辺の乾燥を防止する必要がある。
【0004】
そのため画像記録装置は、メンテナンス機構、または乾燥防止機構にノズルを覆うキャップ部材を設け、画像を記録しない際にノズルを外気から遮断することが一般的である。
【0005】
近年、画像記録装置は、記録速度を向上させるために1本の長尺のヘッドを固定配置したラインヘッドを採用している。このラインヘッドを有するラインヘッド型画像記録装置は、記録媒体の幅と同等、またはそれ以上の長いノズル列を有し、搬送されている記録媒体にインクを吐出して画像を記録している。よって短尺なヘッドが記録媒体の幅方向に往復運動をすることで記録媒体にインクを吐出して画像を記録するシリアル型画像記録装置よりもラインヘッド型画像記録装置は、記録速度が速く、素早く画像を記録できる。しかし、1本の長尺のヘッドによるラインヘッド型画像記録装置は、製造する上で技術的難易度が高いため、これに伴い高コスト化している。
【0006】
この高コスト化を抑制するために、一般的なラインヘッドは、複数の短尺のヘッドを記録媒体の幅と同等、またはそれ以上に並べた構成が用いられている。このように複数の短尺のヘッドで構成されたラインヘッドに対して上述したようなメンテナンスを行うためのメンテナンス機構、または乾燥防止機構を有するインクジェット記録装置が特許文献1、特許文献2に開示されている。
【0007】
特許文献1に開示されているインクジェット記録装置を図14に示す。
記録媒体搬送部(搬送機構)101において、一対のベルトローラ108,109には、搬送ベルト110が架け渡され、搬送ベルト110が矢印方向に回転する。記録部102には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色のラインヘッドが配置されている。各ラインヘッドは、搬送機構101と対向する面に多数のノズルを記録媒体の幅と同等、またはそれ以上に配列され、また上部近傍において支持体により一体に支持されている。
【0008】
この支持体には、メネジからなる貫通孔118を形成する支持部119が一体的に形成されている。この貫通孔118には、オネジからなる駆動軸120が貫通されている。この駆動軸120は、駆動モータ121と直結し、駆動モータ121が回転駆動すると、駆動軸120が回転し、記録部102が搬送機構101の搬送ベルト面に対して昇降する。
【0009】
キャッピング部(メンテナンス機構)103には、記録部102のノズル面を気密状に覆うためのキャップが設けられている。このメンテナンス機構103は、図に示すホームポジションとなる搬送機構101の下流側に配置されている。
【0010】
メンテナンス機構103には、一対のプーリ175,176に架け渡されたタイミングベルト177が取り付けられている。プーリ175には、駆動モータ178が取り付けられている。駆動モータ178が回転駆動することによってタイミングベルト177が回転し、メンテナンス機構103が記録部102方向に移動する。
【0011】
上記のようなインクジェット記録装置は、記録部102に設けられたノズルからインク滴を吐出し、画像記録が終了すると、まず駆動モータ121が回転し、駆動軸120によって記録部102を上昇させる。次いで、駆動モータ178が回転し、タイミングベルト177を回転させる。これによりホームポジションに位置しているメンテナンス機構103は、記録部102のノズル面と対向する位置に移動し、その後、記録部102が下降する。これによりメンテナンス機構103の内部に設けられた図示しないキャップがノズル面を覆う。
【0012】
その後、この状態でメンテナンス機構103に設けられている図示しない吸引ポンプが作動し、キャップ内部が負圧状態にされ、よってノズルからインクが強制的に吸引され、インク吐出回復動作が行なわれる。
【0013】
次に特許文献2に開示されているインクジェット記録装置を図15(a),(b)に示す。
記録媒体搬送部(搬送機構)221は、複数の搬送ベルト238a,238bを配置し、この搬送機構221の上方には、複数のラインヘッド222a,222bが配置されている。これらのラインヘッド222a,222bに対向する位置(真下)には、上記搬送ベルト238a,238bが配置されず、この位置に吐出性能維持機構(メンテナンス機構)が設置されている。メンテナンス機構は、キャッピング及び吸引メンテナンスの際に、上昇してラインヘッド222a,222bのノズル面を覆い、その後、インク吐出回復動作が行なわれる。
【特許文献1】特開平09−57988号公報
【特許文献2】特開2005−067127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述した特許文献1に開示されているインクジェット記録装置は、インク吐出回復動作を行う際、搬送機構101を移動させることなく、メンテナンス機構103を記録部102のラインヘッドに対向する位置に移動させている。
【0015】
しかし、この構成においては、インク吐出回復動作終了後、記録部102を画像記録位置まで移動させるため、インク吐出回復動作によりラインヘッドのノズル面に形成されるメニスカスを破壊してしまう虞が生じる。これによりインクの不吐出が発生しやすくなってしまう。
【0016】
また、特許文献2に開示されているインクジェット記録装置は、搬送機構221及びラインヘッドを移動させることなくメンテナンス機構の昇降移動のみで、ラインヘッド222a,222bのノズル面をキャッピング、またはインク吐出回復動作を行なっている。
【0017】
しかし、この構成においては、ラインヘッド222a及び222bに対向する位置には搬送ベルト238a,238bが存在しない。つまり、搬送機構は複数の搬送ベルト238a,238bによって記録媒体を搬送させるため、記録媒体を搬送する際、斜行する虞があり搬送精度の低下を招く。
【0018】
よって本発明は上記課題を鑑みて、インク吐出回復動作(メンテナンス)を実施する際、ラインヘッドを移動させず、メンテナンス機構をラインヘッドに対向する位置に移動させてノズルをメンテナンスすることで、メニスカスを良好に維持することができ、且つ記録媒体を高精度に搬送することができる画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は目的を達成するために、記録媒体を給紙する給紙部と、給紙部によって給紙された記録媒体を搬送する少なくともプラテン部を有する搬送機構と、プラテン部に対向配置され、搬送されている記録媒体に複数のノズルからインクを吐出して画像記録するラインヘッドを有する画像記録部と、ラインヘッドのノズルに対しメンテナンスを行うメンテナンス機構と、画像記録部によって画像記録された記録媒体を排紙する第1の排紙部と、を具備し、メンテナンス機構は、画像記録時において、搬送機構により記録媒体が搬送される前記プラテン上の搬送経路を介して画像記録部の配置位置とは反対側、且つプラテン部に対して記録媒体の搬送方向における上流または下流の少なくとも一方に配置されること特徴とする画像記録装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、メンテナンスを実施する際、ラインヘッドを移動させず、メンテナンス機構をラインヘッドに対向する位置に移動させてノズルをメンテナンスすることで、メニスカスを良好に維持することができ、且つ記録媒体を高精度に搬送することができる画像記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
以下の説明において、図中、記録媒体の搬送方向をX軸方向又は副走査方向とし、この搬送方向と直交する方向をY軸方向又は主走査方向又は記録媒体の幅方向としている。X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向又は上下方向とする。
【0022】
また記録媒体が搬送される経路を搬送経路と称する。
【0023】
図1乃至図9を参照し第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態における画像記録装置の配置を模式的に示す概略図である。図2は、搬送機構に設けられたプラテン部と、昇降機構周辺の概略斜視図であるである。図3は、搬送力選択可能部の概略斜視図、図4は、支持部材周辺の概略斜視図、図5は、シート部材の概略斜視図である。図6は、メンテナンス機構とメンテナンス移動機構の配置関係を示す概略斜視図である。図7(a),(b),(c)は、本実施形態における支持部材、従動ローラ、駆動ローラ、メンテナンス機構の配置関係を示す図である。図8(a),(b),(c),(d)は、ノズルをメンテナンスする際のメンテナンス機構及び昇降機構の配置位置を示す図である。図9(a)はノズルに近接しているメンテナンス機構の概略側面図、図9(b)は、ノズルをキャップしているメンテナンス機構の概略側面図である。
【0024】
図1において、本実施形態に係る画像記録装置1は、主要部として、図示しない装置フレームに搭載される、給紙部2、搬送機構3、画像記録部4、昇降機構5、メンテナンス機構6、第1の排紙部7、メンテナンス移動機構8、両面反転機構9、第2の排紙部10、インク供給部(不図示)、及び制御部11から構成されている。
【0025】
まず給紙部2について説明する。給紙部2は、記録媒体トレイ12、ピックアップローラ13を有している。
記録媒体トレイ12は、複数種類及び複数のサイズの記録媒体60を収容可能な記録媒体収容部であり、本実施形態では記録媒体トレイ12に、1サイズのカットシート状の記録媒体60を複数枚収容している。
【0026】
ピックアップローラ13は、記録媒体トレイ12に収容されている記録媒体60を1枚ずつ取り出す(給紙する)記録媒体取り出し部であり、図示していない装置フレームにより回転可能に支持されている。
次に、給紙部2の下流方向に配置される搬送機構3について説明する。搬送機構3は、レジストレーションローラ対14、給紙ガイド15、プラテン部16、搬送力選択可能部17、第1の搬送経路切替ゲート18、排紙ガイド19を有している。
【0027】
ピックアップローラ13の下流に配置されているレジストレーションローラ対14は、ピックアップローラ13により取り出された記録媒体60を、搬送方向に対して位置合わせを行うことで斜行を補正する搬送方向調整部である。また、レジストレーションローラ対14は、位置合わせした後の記録媒体60を搬送する記録媒体搬送部でもある。
【0028】
レジストレーションローラ対14において、一方のローラは、ユーザーが操作可能なレバーにより回転可能に支持されている従動ローラ14aであり、他方のローラは画像記録部4により回転可能に支持されている駆動ローラ14bである。駆動ローラ14bは、従動ローラ14aの下方に配置されている。
【0029】
レジストレーションローラ対14は、ピックアップローラ13によって取り出された記録媒体60を確実に搬送するために、X軸方向においてピックアップローラ13から記録媒体60の寸法(搬送方向の寸法)以内の位置に配置されている。
【0030】
この構成により、搬送中の記録媒体60は、先端がレジストレーションローラ対14に当接した際、後端はピックアップローラ13にニップされた状態となる。従って、レジストレーションローラ対14が、少なくとも記録媒体60の先端をニップするまでの間、ピックアップローラ13により記録媒体60の搬送が補助される。
【0031】
ピックアップローラ13及びレジストレーションローラ対14は、図示しない共通の駆動力伝達系と接続しており、駆動力伝達系から駆動力が供給されている。駆動力伝達系は、図示しないモータと接続されており、モータの駆動に従って駆動する。また、モータには、回転数を検出するエンコーダが設けられている。エンコーダ及びモータは、制御部11に接続している。尚、制御部11は、エンコーダの出力(回転数等)に基づきモータ及び駆動力伝達系の駆動を制御している。
【0032】
また、前述したピックアップローラ13及びレジストレーションローラ対14は、クラッチによりそれぞれ駆動力伝達系に対する接続を自在に解除できる構成である。更に、各クラッチは、制御部11に接続されており、制御部11によりon/offが制御される。
【0033】
給紙ガイド15は、レジストレーションローラ対14によって搬送された記録媒体60を下流に配置されているプラテン部16へ導くためのガイド部材である。
【0034】
プラテン部16は、図2に示すようにプラテンベルト20、複数のプラテンベルトローラ21、プラテンフレーム22、プラテン吸引部23、プラテン支持フレーム50を有している。
【0035】
プラテン部16は、給紙部2から送られてきた記録媒体60を下流に搬送する搬送部である。エンドレスベルトであるプラテンベルト20とプラテンベルトローラ21は、協働して、記録媒体60を下流に搬送するために設定され、ベルトコンベヤ形状を有している。なおプラテンベルト20とプラテンベルトローラ21は、記録時の記録媒体60の搬送方向を設定する。つまり、プラテンベルト20とプラテンベルトローラ21は、記録媒体60を本実施形態ではX軸方向に搬送し得るように組み立てられている。
【0036】
プラテンベルトローラ21は、少なくとも画像記録部4に対向するプラテンベルト20の対向面が画像記録部4におけるラインヘッド42のノズル面に対して平面になるように、プラテンベルト20を支持している。プラテンベルトローラ21の少なくとも1つには、プラテンベルトローラ21を回転させるための駆動モータが接続されている。プラテンベルトローラ21が回転することによりプラテンベルト20が回転し、記録媒体60は搬送される。
【0037】
またプラテンベルト20の幅は、画像記録に用いられる記録媒体60の最大の幅以上を有している。またプラテンベルト20には、全体に渡って均一に複数の小径の孔からなる吸引孔20aが設けられている。
【0038】
プラテンフレーム22は、プラテン支持フレーム50によって支持され、このプラテン支持フレーム50は、プラテンベルトローラ21を回転可能に支持している。また、プラテンフレーム22は、プラテン吸引部23を保持している。
【0039】
またプラテンフレーム22は、画像記録部4と対向し、且つプラテン吸引部23に対して反対側にプラテンフレームヘッド対向面22aを有している。このプラテンフレームヘッド対向面22aは、画像記録部4との対向する領域において、平面になるように設定されている。プラテンフレームヘッド対向面22aには、X軸方向に延在する複数の溝22dが形成されている。各溝22dの略中央部には、プラテン吸引部23に貫通する孔22eが設けられている。プラテン吸引部23は、プラテンフレームヘッド対向面22aに負圧を発生させるための負圧発生部である。このプラテン吸引部23は、プラテンフレームヘッド対向面22aの下方に配設され、プラテンフレーム22によって固定されている。搬送された記録媒体60は、プラテン吸引部23によって吸引孔20a及び孔22eを介してプラテンベルト20に吸引される。
プラテン部16の下流に配置されている搬送力選択可能部17は、図3に示すように媒体搬送ローラ対24,25、搬送ガイド26を有している。
【0040】
媒体搬送ローラ対24,25は、画像記録部4によって画像記録された記録媒体60を下流に搬送する。媒体搬送ローラ対24は、従動ローラ24a及び従動ローラ24aの下方に配置されている駆動ローラ24bを有している。媒体搬送ローラ対25は、従動ローラ25a及び従動ローラ25aの下方に配置されている駆動ローラ25bを有している。
【0041】
従動ローラ24aは、ニップバネ27によって駆動ローラ24bに押し当てられニップしている。従動ローラ25aは、ニップバネ28によって駆動ローラ25bに押し当てられニップしている。
【0042】
図4に示すように従動ローラ24aは支持部材29,30に、従動ローラ25aは支持部材31,32によって支持されている。支持部材29,30,31,32には、それぞれ凸部29a,30a,31a,32aが設けられている。これら凸部29a,30a,31a,32aは、後述するメンテナンス機構6の移動によって支持部材29,30,31,32を昇降させる。つまり、従動ローラ24a、従動ローラ25aは、例えば図3に示すように矢印C,D方向に上昇する。このように従動ローラ24a、従動ローラ25aは、支持部材29,30,31,32によって昇降可能であり、この昇降により従動ローラ24a,25aによる駆動ローラ24b、駆動ローラ25bに対するニップが解除される(詳細については図7にて説明する)。
【0043】
搬送ガイド26は、図5に示すように、記録媒体60を下流側へ搬送するための搬送経路の一部であると共に、後述するメンテナンス機構6内に紙粉等が入り込まないようにする外装部であり、カバーの役目を兼ねている。この搬送ガイド26は、モールドによって成型されると、駆動ローラ24b,25bが装着される部分が広くなってしまい、ここに記録媒体60が入り込んでしまう。よって本実施形態は、複数のシート部材51を駆動ローラ25bの間に装着させている。これにより本実施形態は、この溝に記録媒体60が入り込んでしまうのを防止している。
【0044】
搬送力選択可能部17の下流側には、第1の搬送経路切替ゲート18及び排紙ガイド19が設けられている。この第1の搬送経路切替ゲート18は、排紙ガイド19、または後述する画像記録装置1上方に設けられている両面反転機構9及び第2の排紙部10のどちらかに選択して切り替える。
次に、プラテン部16に対向配置される画像記録部4について説明する。画像記録部4は、プラテン部16によって搬送される記録媒体60にインクを吐出するインク吐出部である。
【0045】
画像記録部4は、複数のラインヘッド42と、不図示のヘッド保持フレーム、ヘッド冷却部を有している。ラインヘッド42は、画像を記録するための画像記録部の主要部である。この画像記録部4は、複数色のインク、例えばシアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等を吐出するラインヘッド(42C、42K、42M及び42Y)を有している。各ラインヘッド42(42C、42K、42M及び42Y)は、1つ又は複数の記録ヘッドにより、プラテンベルト20の幅と同様に画像記録に用いられる記録媒体60の最大幅以上の長さで構成されている。本実施形態では、6個の記録ヘッドにより1つのラインヘッドを構成している。
【0046】
また、各ラインヘッド42には、搬送される記録媒体60に対向する面にノズル42aを形成し、このノズル42aは、Y軸方向に沿ってノズル列形成している。
【0047】
ノズル42aは、図示しないインク供給部から供給されたインクを重力方向(垂直下方向)に吐出する。
【0048】
図示しないヘッド保持フレームは、ラインヘッド42を吊り下げて保持する。これによりラインヘッド42は、固定され、昇降移動することはない。
【0049】
また、図示していないヘッド冷却部は、ラインヘッド42を水冷、または空冷により冷却することでインク吐出におけるインク気泡の拡大を防止する。
【0050】
次にプラテン部16の下方に配置される昇降機構5について説明する。昇降機構5は、図2に示すようにプラテン部16を昇降させるための昇降アーム(5a、5b、5c、5d)を有する。
【0051】
昇降アーム5a,5cは、不図示の装置本体フレームに回転可能に保持されたアーム軸43aに保持されており、昇降アーム5b,5dは、同じく装置本体フレームに回転可能に保持されたアーム軸43bに保持されている。
【0052】
アーム軸43aは、昇降駆動部44に連結されており、アーム軸43bは不図示の駆動伝達系を介してアーム軸43aに連動し、反対方向に回転する
アーム軸43a,43bが、回転すると、4個の昇降アームが、図1に示すように、破線で示す水平位置から実線で示す鉛直位置に回動して、プラテン部16底面を滑接させながら、プラテン部16を昇降させる。
【0053】
なお昇降機構5は、後述するメンテナンス機構6がラインヘッド42に対向するように移動する際、プラテン部16を介してメンテナンス機構6を上昇させ、ラインヘッド42近傍にまで移動させる。
【0054】
次に、メンテナンス機構6について説明する。図1に示すように画像記録の際にメンテナンス機構6は、プラテン部16の記録媒体搬送方向下流側、且つ搬送経路に対向して配設されている。詳細にはメンテナンス機構6は、搬送機構3より記録媒体60が搬送されるプラテン上の搬送経路を介して画像記録部の配置位置とは反対側に配置されて、つまり搬送経路の下方に配置されている。画像記録を終了した際にはメンテナンス機構6は、後述するメンテナンス移動機構8によりX軸方向に沿ってラインヘッドに対向する位置にまで移動可能である。その際に、メンテナンス機構6は、複数のノズル42aに対しメンテナンスを行う。
【0055】
図6に示すようにメンテナンス機構6は、キャップ部45と、スリット穴46a,46b,46c,46dと、コロ52,53と、孔54を有している。
キャップ部45は、各ラインヘッド42にそれぞれ対応するように設けられている。キャップ部45は、各ラインヘッド42のノズル42aをキャップしてノズル42aの乾燥を防止する(メンテナンスを行う)。
【0056】
スリット穴46a,46b,46c,46dは、前述した搬送力選択可能部17における凸部29a,30a,31a,32aにそれぞれ対応して設けられている。
【0057】
またスリット穴46b,46d近傍には、コロ52,53が設けられている。コロ52,53は、メンテナンス機構6を後述するガイド部材48b上をX軸(矢印Fまたは矢印G)方向に移動させるために設けられている。またスリット穴46a,46c近傍には、それぞれ孔54が設けられている。
【0058】
次に、メンテナンス機構6をX軸(矢印Fまたは矢印G)方向に移動させるメンテナンス移動機構8について説明する。メンテナンス移動機構8は、本体フレームに回転可能に支持されたギヤ47と、ギヤ47を駆動させる不図示の駆動モータと、メンテナンス機構6を載置するガイド部材48a,48bと、ギヤ47によってガイド部材48a上を移動するラック部49を有している。
ラック部49は、ガイド部材48aに接する凸部49aと孔54にそれぞれ挿入される2つの突起部49bを有している。
【0059】
メンテナンス機構6は、ガイド部材48a,48bに載置される。載置されたメンテナンス機構6は、孔54に挿入された突起部49bによってガイド部材48a,48bからX軸及びY軸方向において逸脱することはない。ラック部49がガイド部材48a上を移動する際、ラック部49に凸部49aを設けていることでラック部49とガイド部材48aとの摩擦を軽減させることができる。
【0060】
前述したようにスリット穴46a,46b,46c,46dと凸部29a,30a,31a,32aとは、それぞれ対応している。メンテナンス移動機構8により、メンテナンス機構6が移動すると、図7(a)乃至図7(c)に示すように凸部29a,30a,31a,32aが、スリット穴46a,46b,46c,46dに挿入された状態と、挿入されない状態とを選択することが可能となる。これにより搬送力選択可能部17における従動ローラ24a,25aの、駆動ローラ24b,25bに対するニップ圧の有無を選択することができる。
【0061】
図7(a)は、凸部29a,30a,31a,32aがスリット穴46a,46b,46c,46dに挿入され、従動ローラ24a,25aが駆動ローラ24b,25bに対してニップ圧を加えている状態を示している。
【0062】
図7(b)は、支持部材29,30が上昇した状態を示している。つまり、メンテナンス機構6がF方向に移動し、これにより凸部29a,30aは、スリット穴46a,46bから外れて、支持部材29,30がC方向に上昇する。つまり従動ローラ24aは、駆動ローラ24bに対してニップ圧を加えていない。また凸部31a,32aは、スリット穴46c,46dに挿入され、従動ローラ25aが、駆動ローラ25bに対してニップ圧を加えている。
【0063】
図7(c)は、支持部材31,32が上昇した状態を示している。つまり、メンテナンス機構6が、G方向に移動し、これにより凸部31a,32aは、スリット穴46c,46dから外れ、支持部材31,32がD方向に上昇する。これにより従動ローラ25aは、駆動ローラ25bに対してニップ圧を加えていない。また、凸部29a,30aは、スリット穴46a,46bに挿入されているため、従動ローラ24aは、駆動ローラ24bに対してニップ圧を加えている。例えば、画像記録部4で画像記録された記録媒体60の先端は、搬送力選択可能部17の媒体搬送ローラ対24,25により搬送されることになるが、この時、記録媒体60の後端が画像記録部4における最下流側のラインヘッド42により画像記録が行われていると、媒体搬送ローラ対24,25のニップ力の影響によりインクの着弾ズレが生じ、画像品質の低下に招く。このため、少なくとも媒体搬送ローラ対24は、画像記録部4における最下流側のラインヘッド42よりも記録媒体60の寸法(搬送方向の寸法)分、離れた位置に配置しなければならない。しかし、搬送される記録媒体60の種類は1種類でないことが一般的であるため、媒体搬送ローラ対24を記録媒体60の寸法(搬送方向の寸法)分、離れた位置に配置することは事実上困難である。そこで、本実施形態では、前述したように媒体搬送ローラ対24,25のニップ力を選択的に解除することができるので、搬送される記録媒体60の種類に関わらず媒体搬送ローラ対24,25によるニップ力の影響を受けず、小型で、且つ高品質な画像記録を行なうことができる。
【0064】
次に、排紙ガイド19より下流に配置されている第1の排紙部7について説明する。第1の排紙部7は、画像記録部4により画像が記録された記録媒体60を排紙する排紙部である。第1の排紙部7は、画像記録された記録媒体60を排紙(搬送)する搬送ローラ対33、画像記録された記録媒体60を収容できる第1の排紙トレイ34を有している。
【0065】
次に、画像記録装置1上方に配置されている両面反転機構9につて説明する。両面反転機構9は、第2の搬送経路切替ゲート35、反転搬送経路39、スイッチバック部40、再給紙部41を有している。
【0066】
第2の搬送経路切替ゲート35は、第1の搬送経路切替ゲート18により画像記録装置1上方に搬送された記録媒体60の搬送先を、反転搬送経路39と、第2の排紙部10における経路38のどちらかに搬送経路を選択して切り替える。
【0067】
反転搬送経路39は、スイッチバック部40に記録媒体60を搬送する。スイッチバック部40は、記録されていない面を画像記録部4に対向させるように記録媒体60を反転させる。再給紙部41は、反転した記録媒体60を再度、レジストレーションローラ対14に搬送させる。そしてプラテン部16は記録媒体60を再び画像記録部4に対向させつつ搬送し、画像記録部4は、インクを吐出して画像記録する。これにより記録媒体60は、両面を画像記録される。
【0068】
次に、第2の排紙部10について説明する。第2の排紙部10は、画像記録装置1上方に設けられ、経路38、搬送ローラ対36、第2の排紙トレイ37を有している。
【0069】
第2の搬送経路切替ゲート35により経路38に搬送される記録媒体60は、搬送ローラ対36により第2の排紙トレイ37に排紙される。
【0070】
次に制御部11について説明する。制御部11は、図示していないCPU、タイマ、ROM、RAM並びに入力部などを含むコンピュータによって構成されている。制御部11は、給紙部2、搬送機構3、画像記録部4、昇降機構5、メンテナンス機構6、第1の排紙部7、メンテナンス移動機構8、両面反転機構9、第2の排紙部10、図示しないインク供給部に接続されており、これらの駆動を制御する。
【0071】
次に画像記録装置1の全体の動作について説明する。
本実施形態では、制御部11が図示していない駆動力伝達系に駆動命令を出し、クラッチをonし、ピックアップローラ13を回転駆動させる。ピックアップローラ13は、記録媒体トレイ12から記録媒体60を1枚ずつピックアップし、X軸方向に沿って、レジストレーションローラ対14に向かって給紙させる。
【0072】
記録媒体60が給紙される際、制御部11は、内蔵されているROMに記憶されている記録媒体60の例えば表面の摩擦係数といった種類情報を取得する。その際、記録媒体60の表面の摩擦係数に応じて、ピックアップローラ13の記録媒体60の取り出し時間に差が生じるため、制御部11は記録媒体60の摩擦係数に応じたピックアップローラ13の駆動時間を設定する。
【0073】
記録媒体トレイ12から取り出された記録媒体60は、ピックアップローラ13により搬送されてレジストレーションローラ対14に当接する。ここで、記録媒体60がレジストレーションローラ対14に当接する際、レジストレーションローラ対14に対して記録媒体60の搬送先端は、傾斜(斜行)した状態で当接する場合がある。そこで、記録媒体60がレジストレーションローラ対14に当接した後、制御部11は、所定時間、ピックアップローラ13を駆動させる。これにより記録媒体60は、駆動していないレジストレーションローラ対14に向かって一定のループを形成し当接する。さらにピックアップローラ13により押圧され記録媒体60の先端部分全域が、レジストレーションローラ対14の長手方向全体に渡って当接する。これにより、斜行が補正され、記録媒体60の長手方向がX軸方向と平行になる。
【0074】
次に、制御部11は、レジストレーションローラ対14を駆動させ、記録媒体60は下流方向に搬送される。なお、制御部11は、レジストレーションローラ対14の駆動開始時に、記録媒体60の種類情報を参照する。参照した際に、記録媒体60が例えば普通紙より摩擦係数が低い場合、ピックアップローラ13も同時に駆動させる。これにより記録媒体60は、レジストレーションローラ対14に、確実にニップされ、摩擦係数が低い記録媒体60でも、確実に搬送される。即ち、ピックアップローラ13は、レジストレーションローラ対14の記録媒体60の搬送を補助をする。
【0075】
レジストレーションローラ対14を通過した記録媒体60は、給紙ガイド15を通過し、プラテン部16に搬送される。給紙部2から搬送機構3に記録媒体60が搬送される前に、制御部11はプラテン部16のプラテン吸引部23、及び図示されていないベルトローラ駆動モータ(不図示)に駆動命令を通知し、プラテンベルト20を駆動させる。給紙部2から記録媒体60が搬送機構3のプラテン部16に搬送されると記録媒体60は、プラテンベルト20に密着保持され、X軸方向に沿って所定速度で搬送される。
【0076】
レジストレーションローラ対14により斜行が補正された記録媒体60は、ラインヘッド42と対向する位置に搬送される前に、図示されていない画像幅検知手段により、記録媒体60の両側端の位置が読み取られる。制御部11は、読み取った両側端の位置により記録媒体60に対する画像の記録範囲を設定する。これにより、制御部11は、記録媒体60の幅を超えて画像を記録することを防止することができる。記録媒体60の先端がラインヘッド42と対向する位置まで搬送されると、制御部11は、画像記録部4に画像記録命令を出す。ラインヘッド42C, 42K,42M及び42Yは、記録媒体60に対してノズル42aからインクを吐出させる。インク吐出は、ラインヘッド42毎に行われる。ラインヘッド42は、記録媒体60の幅方向全体に渡って延びているため、ラインヘッド42は、一度の吐出で、記録媒体60の幅全体に渡って記録媒体60に画像を記録する。
【0077】
画像記録に伴って、プラテン部16は、記録媒体60をX軸方向に搬送させる。このため、記録媒体60には、記録媒体60の長手方向に順次画像が記録されていく。その際、記録媒体60は、プラテン吸引部23によりプラテンベルト20上に設けられた多数の吸引孔20a及びプラテンフレーム22上に設けられた孔22eを通じて全面をエアー吸引されているためプラテンベルト20に密着搬送される。
【0078】
画像記録された記録媒体60の先端が、媒体搬送ローラ対24,25に搬送される。その際、媒体搬送ローラ対24,25は、前述したように、そのニップ圧を有する場合と有さない場合を選択できるよう構成されている。
【0079】
搬送力選択可能部17を通過した記録媒体60は、上述したように第1の排紙部7、または画像記録装置1上方に設けられている両面反転機構9、または画像記録装置1上方に設けられている第2の排紙部10に搬送される。
【0080】
次に図8(a),(b),(c),(d)、図9(a),(b)を参照してメンテナンス機構によるメンテナンス動作について説明する。
【0081】
本実施形態におけるメンテナンス動作は、メンテナンス機構6に設けられているキャップ部45がラインヘッド42に設けられているノズル42aをキャップして、ノズル42aに付着したインクを大気と遮断して、インクの固化を防止するキャッピング動作と、大気と遮断した状態で、図示しない吸引ポンプでキャップ内の空気を吸引することにより、ヘッドよりインクを吸い出す動作である。
【0082】
画像記録を安定させるためのメンテナンス動作を実施する際、図8(a)に示す状態で昇降機構5、メンテナンス機構6、メンテナンス移動機構8、プラテン部16が配置されている。なお図8(a),(b),(c),(d)においてプラテン部16の上方の対向位置には、図示していないラインヘッド42が配置されている。
【0083】
次に図8(b)に示すようにプラテン部16は昇降機構5によって下降される。
【0084】
次に図8(c)に示すようにメンテナンス移動機構8によってメンテナンス機構6が矢印F方向に移動する。詳細にはギヤ47によってコロ52,53、凸部49aが、ガイド部材48a,49b上を移動することでメンテナンス機構6は、矢印F方向に移動する。これによりメンテナンス機構6は、ラインヘッド42に対向するように配置される。これによりノズル42aとキャップ部45が対向し、メンテナンス位置決めピン42bと突起部49b及び孔54が対向する。
【0085】
次に図8(d)に示すようにメンテナンス機構6とラインヘッド42の間隔を所定量とするように、昇降機構5が、プラテン部16を介してメンテナンス機構6を上昇させる。
【0086】
すると図9(a)に示すようにメンテナンス機構6とラインヘッド42の相対間隔が短くなる。また、キャップ部45は、ノズル42aに近接し、ラック部49に設けられた突起部49bは、メンテナンス機構6の孔54から徐々に抜け出す。さらに昇降機構5によってメンテナンス機構6が上昇すると、突起部49bは孔54から抜け出し、孔54には画像記録部側に設けられたメンテナンス位置決めピン42bが挿入される。このようにしてメンテナンスの際のメンテナンス機構6の画像記録部4に対するX方向及びY方向の位置が決まる。またメンテナンス位置決めピン42bが孔54に挿入された後、メンテナンス機構6が昇降機構5によってさらに上昇すると、図9(b)に示すようにキャップ部45がノズル42aをキャップする。キャップした後、キャップ部45はノズル42aに対してメンテナンスを行う。このメンテナンスは上述したようにノズル42aに付着するインクを大気から遮断し、インクの固化を防止するキャッピング動作と、大気と遮断した状態で、図示しない吸引ポンプでキャップ内の空気を吸引することにより、ヘッドよりインクを吸い出す動作である。
【0087】
メンテナンス後、画像を記録するには、昇降機構5が、プラテン部16、メンテナンス機構6を下降させる。これにより孔54からメンテナンス位置決めピン42bが抜け出し、孔54には再び突起部49bが挿入される。次にメンテナンス移動機構8がメンテナンス機構6を矢印G方向に移動させてラインヘッド42下方から退避させる。その後、昇降機構5がプラテン部16を上昇させ、ラインヘッド42に近接するように移動させる。これにより昇降機構5、メンテナンス機構6、メンテナンス移動機構8、プラテン部16、ラインヘッド42は、図8(a)に示す記録媒体60を搬送させる配置に戻る。
【0088】
なお本実施形態において、メンテナンス機構6がメンテナンスを行う際の画像記録部4に対するX方向及びY方向の位置決めは、上述した方法に限定される必要はなく、例えば孔54の他にメンテナンス位置決めピン42bのみを挿入させる位置決め孔を設けてメンテナンス機構6に設けてもよい。
【0089】
このように本実施形態は、搬送機構3により記録媒体60が搬送されるプラテン上の搬送経路を介して画像記録部とは反対側、且つプラテン部16より記録媒体搬送方向下流側に配置されているメンテナンス機構6を画像記録装置1内部において固定されているラインヘッド42に対向するように移動させてラインヘッド42をメンテナンスする。これにより、ラインヘッド42は移動することが無いため、メンテナンスの際にラインヘッド42の移動により発生する振動等によりメニスカスを破壊することは無い。よって本実施形態は、メニスカスを破壊することがないために、メンテナンス後においても高品質な画像を記録することができる。また、メンテナンス機構6は、搬送機構により記録媒体が搬送されるプラテン上の搬送経路を介して画像記録部とは反対側、且つプラテン部16より記録媒体搬送方向下流側に配置されているために、画像記録装置1内部にメンテナンス機構6専用のスペースを設ける必要がないために画像記録装置1を小型化することができる。
【0090】
また、メンテナンス機構6の上方の空きスペースには、搬送経路の一部である搬送力選択可能部17や、第1の搬送経路切替ゲート18設置することが可能となり、両面画像記録をする際の画像記録装置1においても小型化が可能となる。
【0091】
また本実施形態は、図7に示すように搬送力選択可能部17における支持部材29,30,31,32に対するメンテナンス機構6の配置関係により、従動ローラ24a,25aによってニップ圧の有無を選択できる。よって、画像記録部4において画像を記録するさまざまな長さの記録媒体60に対して、画像を記録している間は、記録媒体60を引っ張らないようにすることが可能となり、高品質な画像を記録することができる。
【0092】
また、メンテナンス機構6の上部には、搬送力選択可能部17の搬送ガイド26が設けられているので、メンテナンス機構6内に紙粉等が入り込む虞がなくキャップ部45により良好なメンテナンスを行うことができる。
【0093】
またラインヘッド42とプラテン部16との間で、記録媒体60のJAMが発生した場合、昇降機構5によって、プラテン部16を下降させることができるため、ラインヘッド42のノズル面にダメージを与えることなく、また、ラインヘッド42を動かすことなくJAM媒体を取り除くことが可能となる。
【0094】
本実施形態においてメンテナンス機構6がメンテナンス移動機構8によって移動する際、上述したようにギヤ47が回転することでキャップ部45が、コロ52,53、凸部49aによってガイド部材48a,48bを移動する。しかしメンテナンス機構6がノズル42aに対向する位置にまで移動できればこの形状に限定される必要はない。
【0095】
また、本発明は、メンテナンス機構周辺の配置関係について上述した実施形体に限定されるものではない。そこで図10、図11、図12を参照して本実施形態における第1乃至第3の変形例について説明する。なお、第1乃至第3の変形例については、搬送力選択可能部17を設けていない。
【0096】
図10は、第1の変形例における画像記録装置の構成を模式的に示す概略図である。
本変形例は、メンテナンス機構6をプラテン部16の記録媒体搬送方向上流且つ少なくとも一部が給紙部2の下方に配置している。給紙部2は、大気中のダスト等をメンテナンス機構6に侵入させることを防止する外装部の役割も果たしてしている。また、搬送力選択可能部17を設けていないため、最下流に配置されているプラテンベルトローラ21の近傍には、第1の搬送経路切替ゲート18が設けられている。また画像記録装置1上方には、第1の実施形態と同様に両面反転機構9及び第2の排紙部10が設けられている。
【0097】
これにより本変形例では、メンテナンス機構6の少なくとも一部を給紙部2の下方に配置し、プラテンベルトローラ21の下流近傍に第1の搬送経路切替ゲート18を設けているために画像記録装置1をより小型化することが可能となる。 また給紙部2は、メンテナンス機構6に侵入するダスト等の侵入を防止することができるために、メンテナンス機構6は、よりクリーンにラインヘッド42のノズル42aをメンテナンスすることができる。
【0098】
図11は、第2の変形例における画像記録装置の構成を模式的に示す概略図である。
本変形例は、メンテナンス機構6の上方を外装部である防塵カバー66にて覆い、防塵カバー66の上方に第1の排紙トレイ34の一部を配置している。このようにメンテナンス機構6の少なくとも一部は、第1の排紙トレイ34の下方に配置されている。
【0099】
搬送された記録媒体60は、第3の搬送経路切替ゲート55によって、第1の排紙トレイ34、両面反転機構9、第2の排紙部10のいずれかに搬送先を振り分けられる。
【0100】
このように本変形例では、防塵カバー66によってメンテナンス機構6に侵入するダスト等の侵入を防止することができる。また本変形例は、防塵カバー66の上方に第1の排紙トレイ34の一部を配置することで画像記録装置1をさらに小型化することが可能となる。
【0101】
図12は、第3の変形例における画像記録装置の構成を模式的に示す概略図である。
本変形例は、メンテナンス機構6をメンテナンス機構6a,6bに分けて、それぞれプラテン部16の記録媒体搬送方向上流と下流に配置している。また、メンテナンス機構6a、6bの上部には、防塵カバー66が設けられている。本変形例は、メンテナンス時にそれぞれラインヘッド42に対向するようにメンテナンス機構6a,6bを移動させる。このように本変形例では、メンテナンス機構6aをプラテン上の搬送経路を介して画像記録部とは反対側、且つ記録媒体トレイ12とプラテン部16の間に、メンテナンス機構6bをプラテン上の搬送経路を介して画像記録部とは反対側、且つプラテン部16と第1の排紙トレイ34との間に配置することで画像記録装置1をさらに小型化することが可能となる。
【0102】
なお、本実施形態は、図7に示すように従動ローラ24a,25aを昇降させることによって、ニップ圧の有無を選択できるようにした。しかし、図13(a)乃至図13(d)に示す構成としても良い。
図13(a)乃至図13(d)には、駆動ローラ24b,25bを支持する支持部材29,30,31,32が装置本体に固定されている従動ローラ24a,25aに対して昇降する。
【0103】
図13(a)は、凸部29a,30a,31a,32aがスリット穴46a,46b,46c,46dから外れて、駆動ローラ24b,25bは、従動ローラ24a,25aに対してニップ圧を加えている場合を示す。図13(b)は、メンテナンス機構6が、図13(a)に示す状態からF方向に移動し、これにより凸部29a,30aは、スリット穴46a,46bに挿入され、よっての支持部材29,30が下降し、駆動ローラ24bが、従動ローラ24aに対してニップ圧を加えず、また凸部31a,32aは、スリット穴46c,46dにから外されたままで、駆動ローラ25bが、従動ローラ25aに対してニップ圧を加えている場合を示す。図13(c)は、メンテナンス機構6が、図13(b)に示す状態からさらにF方向に移動し、凸部29a,30a,31a,32aがスリット穴46a,46b,46c,46dに挿入され、駆動ローラ24b,25bは、従動ローラ24a,25aに対してニップ圧を加えていない場合を示す。図13(d)は、メンテナンス機構6が、図13(c)に示す状態からさらにF方向に移動し、凸部29a,30aは、スリット穴46a,46bから外れ、よっての支持部材29,30が上昇し、駆動ローラ24bが、従動ローラ24aに対してニップ圧を加え、また凸部31a,32aは、スリット穴46c,46dに挿入されたままで、駆動ローラ25bが、従動ローラ25aに対してニップ圧を加えている場合を示す。
【0104】
このように駆動ローラ24b,25bが前述した従動ローラ24a,25aのように昇降することによっても、容易に同じ効果を得ることが可能である。
【0105】
このように上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における画像記録装置の構成を模式的に示す概略断面図である。
【図2】搬送機構に設けられたプラテン部と、昇降機構周辺の概略斜視図であるである。
【図3】搬送力選択可能部の概略斜視図である。
【図4】支持部材周辺の概略斜視図である。
【図5】シート部材の概略斜視図である。
【図6】メンテナンス機構とメンテナンス移動機構の配置関係を示す概略斜視図である。
【図7】図7(a)、図7(b)、図7(c)は、支持部材、従動ローラ、駆動ローラ、メンテナンス機構の配置関係を示す図である。
【図8】図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)は、ノズルをメンテナンスする際のメンテナンス機構及び昇降機構の稼動を示す図である。
【図9】図9(a)はノズルに近接しているメンテナンス機構の概略側面図、図9(b)は、ノズルをキャップしているメンテナンス機構の概略側面図である。
【図10】第1の実施形態に係る第1の変形例における画像記録装置の構成を模式的に示す概略図である。
【図11】第1の実施形態に係る第2の変形例における画像記録装置の構成を模式的に示す概略図である。
【図12】第1の実施形態に係る第3の変形例における画像記録装置の構成を模式的に示す概略図である。
【図13】図13(a)乃至図13(d)は、支持部材、従動ローラ、駆動ローラ、メンテナンス機構における配置関係の変形例を示す図である。
【図14】従来のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【図15】図15(a),(b)は、従来のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
1…画像記録装置、2…給紙部、3…搬送機構、4…画像記録部、5…昇降機構、5a…昇降アーム、5b…昇降アーム、6…メンテナンス機構、7…第1の排紙部、8…メンテナンス移動機構、9…両面反転機構、10…第2の排紙部、11…制御部、12…記録媒体トレイ、13…ピックアップローラ、14…レジストレーションローラ対、14a…従動ローラ、14b…駆動ローラ、15…給紙ガイド、16…プラテン部、17…搬送力選択可能部、18…第1の搬送経路切替ゲート、19…排紙ガイド、20…プラテンベルト、20a…吸引孔、21…プラテンベルトローラ、22…プラテンフレーム、22a…プラテンフレームヘッド対向面、22d…溝、22e…孔、23…プラテン吸引部、24…媒体搬送ローラ対、24a…従動ローラ、24b…駆動ローラ、25…媒体搬送ローラ対、25a…従動ローラ、25b…駆動ローラ、26…搬送ガイド、27…ニップバネ、28…ニップバネ、29,30,31,32…支持部材、29a,30a,31a,32a…凸部、33…搬送ローラ対、34…第1の排紙トレイ、35…第2の搬送経路切替ゲート、36…搬送ローラ対、37…第2の排紙トレイ、38…経路、39…反転搬送経路、40…スイッチバック部、41…再給紙部、42…ラインヘッド、43a…アーム軸、42a…ノズル、43b…アーム軸、44…昇降駆動部、45…キャップ部、46a,46b,46c,46d…スリット穴、47…ギヤ、48a…ガイド部材、48b…ガイド部材、49…ラック部、49a…凸部、49b…突起部、50…プラテン支持フレーム、51…シート部材、52…コロ、53…コロ、54…孔、55…第3の搬送経路切替ゲート、60…記録媒体。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−18691(P2008−18691A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194657(P2006−194657)