| 【発明の名称】 |
液滴速度測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】木下 彰三
【氏名】林 謙太
【氏名】福田 達也
【氏名】佐藤 敏明
【氏名】井ノ谷 映美子
|
| 【要約】 |
【課題】インクジェットプリンタ等の液体吐出ヘッドから吐出される液滴の速度を正確に測定可能な液滴速度測定装置を提供する。
【構成】ストロボ光源220のパルス光を導くファイバーライトガイド130を、インクジェット・ヘッド120に対して、エリアセンサカメラ110と対向する向きに同一光軸上に配置し、ストロボ光源220をインクジェット・ヘッド120のノズル孔から連続して吐出される2滴目の吐出タイミング後に発光させる。エリアセンサカメラ110により、ストロボ発光のタイミングで撮影を行うことにより、連続した2液滴が同一画面上に撮影される。同一画面上に撮影された2液滴の位置関係と吐出間隔から、検出用パソコン270が液滴速度を求める。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリンタヘッドから吐出される液滴の速度特性を測定するカメラとストロボ光源を備える液滴速度測定装置であって、 前記プリンタヘッドが連続して吐出する第1の液滴と第2の液滴において、 前記ストロボ光源を、第2の液滴吐出後に発光させ、 前記カメラにより、前記第1の液滴と第2の液滴を同一画面上に撮影し、 前記同一画面上の2個の液滴の位置関係と第1の液滴と第2の液滴の吐出間隔から、液滴速度を算出することを特徴とする液滴速度測定装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、インクジェットプリンタ等の液体吐出ヘッドから吐出される液滴の速度を測定する液滴速度測定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、インクジェットプリンタは、通常の紙媒体への印刷だけでなく、カラーフィルタ等の紙媒体以外の印刷にも使用されており、高解像度、高画質の印画が要求される。 このような高品質の印画画像を得るには、吐出されるインクの液滴の容量や吐出速度を高度に制御する必要があり、そのために、吐出液滴の吐出速度を測定する必要がある。 【0003】 従来、プリンタヘッド等のノズル孔から吐出される液滴の速度を計測する方法として、いくつかの方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。 【特許文献1】特開平11−105307号公報 【特許文献2】特開平11−227172号公報 【特許文献3】特開2006−110774号公報 【0004】 特許文献1の方法は、撮影画面中の中心点を基準点とし、吐出後一定時間経過したときに撮影された画像の基準点と液滴の位置の誤差から液滴の吐出速度を算出するもので、2台のカメラとストロボを使用する。 【0005】 一方、特許文献2の方法は、時間差を設けてストロボ光源を複数回発光させ、各発光のタイミングで撮像した複数枚の画像から液滴の中心位置を求め、複数の液滴中心間の相対位置と、それぞれのタイミングの時間差から吐出速度を求める。 【0006】 さらに、特許文献3の方法は、2台のレーザ光源を、液滴の吐出方向に対して概直交する方向から照明する。2台のレーザ光源は、吐出方向に対して所定の間隔を置いて配置され、レーザ光源に対向して設置されたフォトセンサにより、液滴通過時の2つのレーザ光束を検出することにより、同一の液滴が光束を切るタイミング差と、2つのレーザ光束の距離から液滴の吐出速度を求める。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、特許文献1の手法は、ノズル孔から画面中央の基準位置近傍まで液滴が落下する所定時間を定め、所定時間における基準位置との誤差から液滴速度を求めるもので、撮影画面に入らないノズル孔からの距離と時間を元に液滴速度を測定しており、誤動作等による測定誤差や誤りが発生する可能性がある。 【0008】 また、特許文献2の手法は、複数枚の液滴画像から液滴中心位置を求める方法であり、対象とする液滴が同じノズル孔から吐出された同じ液滴ではなく、連続して吐出されたときの異なる液滴を用いて吐出速度を求めている。異なる液滴である場合、個々の吐出液滴が同一の落下特性を持つとは限らず、正確な液滴速度を測定しているとは言えないという問題がある。 【0009】 さらに、特許文献3の手法は、2台のレーザ光源を異なるタイミングで発光させ、それぞれのレーザ光束を切る同一の液滴をフォトセンサにより検出し、その時間差から液滴速度を求めている。しかしながら、レーザ光束の場合、光束が絞られているため、液滴が概垂直に吐出されなかった場合にレーザ光束からはずれてしまう可能性があり、その場合、液滴速度の測定が不可能になるという問題がある。 【0010】 本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、インクジェットプリンタ等の液体吐出ヘッドから吐出される液滴の速度を正確に測定可能な液滴速度測定装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 前述した課題を解決するための本発明は、プリンタヘッドから吐出される液滴の速度特性を測定するカメラとストロボ光源を備える液滴速度測定装置であって、前記プリンタヘッドが連続して吐出する第1の液滴と第2の液滴において、前記ストロボ光源を、第2の液滴吐出後に発光させ、前記カメラにより、前記第1の液滴と第2の液滴を同一画面上に撮影し、前記同一画面上の2個の液滴の位置関係と第1の液滴と第2の液滴の吐出間隔から、液滴速度を算出することを特徴とする液滴速度測定装置である。 【0012】 すなわち、連続して吐出される2個の液滴を同一画面上に撮影し、それらの位置座標と吐出間隔から液滴の速度を求めるものである。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、2個の液滴の位置関係から液滴速度を測定することが可能になる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。 図1は、液滴速度測定装置1の機能構成図である。 【0015】 図1(a)は、液滴速度測定装置の機能構成図である。インクジェットプリンタのヘッド120と、エリアセンサカメラ110、パルス発光体130等からなる。 インクジェット・ヘッド120ノズル孔から液滴が所定の間隔で吐出される。例えば、液滴(n−1)141、液滴n142、液滴(n+1)143、液滴(n+2)144が順にヘッド120のノズル孔から吐出される。 【0016】 エリアセンサカメラ110とパルス発光体130は、インクジェット・ヘッド120の下方の同一光軸上に対向して配置される。 エリアセンサカメラ110は、インクジェット・ヘッド120から吐出される液滴をA方向から撮影する。パルス発光体130は、反A方向に液滴にパルス光を照射する。 【0017】 パルス発光体130は、インクジェット・ヘッド120からの液滴吐出タイミングを元にパルス発光のタイミングを生成する。すなわち、連続する2個目の液滴吐出後に発光するようにする。 同図に示すように、液滴(n)142が吐出され、次の液滴(n+1)143が吐出されるタイミングから、液滴(n+1)143が吐出された後にパルス発光体130を発光させる。 液滴(n+1)143吐出タイミングからパルス発光のタイミングまでの時間は、吐出間隔およびインクジェット・ヘッド120とパルス発光体130までの液滴吐出方向の距離に依存して前もって定める。 【0018】 撮影画像の例を図1(b)、(c)に示す。エリアセンサカメラ110は、同図に示すように、Y方向撮影範囲150とX方向撮像範囲160を持ち、Y方向は、インクジェット・ヘッド120からの垂線方向であり、X方向は、Y方向と垂直で、図1(a)の紙面に垂直な方向である。 図1(b)に示すように、エリアセンサカメラ110のY方向撮像範囲は、2個の液滴が撮像範囲に入るように設定しておく。 【0019】 パルス発光体130の発光時にエリアセンサカメラ110のシャッターを開くことにより、液滴(n)142および液滴(n+1)143が同一画面上に撮像される。 【0020】 図1(b)、(c)に示すように、撮影画像には、2個の液滴(142および143)が表示される。 この2個の液滴の中心座標の差から2個の液滴の距離が求め、吐出間隔で除することにより液滴の速度が求まる。 【0021】 図1(b)は、液滴n142、液滴(n+1)143が垂直方向に落下した場合を示しており、この場合、位置142と位置143のX座標が同じであるから、Y座標の差から距離Lを求める。 一方、同図(c)は、液滴が斜め方向に飛翔してしまっている場合の図である。 この場合、位置142と位置143のX座標は異なり、2つの液滴の位置は、X方向にL2、Y方向にL1異なる。L1からインクジェット・ヘッド120に垂直方向の液滴速度を算出し、L2から飛翔角度を算出することが可能になる。 尚、この場合の液滴速度は、位置142と位置143の距離、すなわち、(L12+L22)1/2から算出する。 【0022】 図2は、液滴速度測定装置1のシステム構成図である。 液滴速度測定装置1は、インクジェット・ヘッド120、ヘッド搬送ステージ210、一軸ステージ・コントローラ215、エリアセンサカメラ110、検査用パソコン270、ディスプレイ装置280、ストロボ光源220、ファイバーライトガイド130、パルスジェネレータ230、シーケンサ240等からなる。 【0023】 インクジェットプリンタ・ヘッド120には、紙面に垂直方向に複数のノズル孔が設けられており、液滴速度測定装置1では、そのうちの1個のノズル孔から吐出される液滴を撮影し、速度を測定する。 ヘッド搬送ステージ210は、インクジェット・ヘッド120を図2の紙面に垂直方向に移動させるための搬送ステージであり、ヘッド120に設けられた各ノズル孔を、エリアセンサカメラ110およびファイバーライトガイド130の光軸上に搬送する。これにより、ヘッド120に設けられた各ノズル孔について、吐出される液滴の速度を測定することが可能になる。 ヘッド搬送ステージ210は、一軸ステージ・コントローラ215により駆動制御される。 【0024】 検査用パソコン270は、例えば、CPU(central processing unit)、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)等からなる制御部271と、RAM、ハードディスク装置等からなる記憶部273、外部機器とのインタフェースである入出力インタフェース275がバス277で接続された構成を採る。 【0025】 エリアセンサカメラ110およびディスプレイ装置280は、入出力インタフェース275を介して検査用パソコン270と接続される。 検査用パソコン270からは入出力インタフェース275を介して露光時間やシャッタータイミング等のカメラ制御情報がエリアセンサカメラ110に送られ、エリアセンサカメラ110は、撮影した画像データを入出力インタフェース275を介して検査用パソコン270に送る。 エリアセンサカメラ110から送られた画像データは、記憶部273に格納されるとともに、ディスプレイ装置280に撮像画像285として表示される。 【0026】 また、一軸ステージ・コントローラ215は、入出力インタフェース275を介して検査用パソコン270とRS-232C等で接続され、ヘッド搬送ステージ210の駆動信号等を送受信する。 【0027】 パルスジェネレータ230は、インクジェット・ヘッド120のノズル孔から吐出される液滴の吐出間隔を制御する。すなわち、パルスジェネレータ230が生成するパルス間隔で、ノズル孔から液滴が吐出される。 【0028】 パルスジェネレータ230が生成するパルス信号は、シーケンサ240にも入力される。 シーケンサ240は、ストロボ遅延装置250およびカメラトリガ装置260からなり、ストロボ遅延装置250は、ストロボの発光タイミング信号を、カメラトリガ装置260は、エリアセンサカメラ110の撮影タイミング信号を生成する。タイミングの詳細については後述する。 【0029】 ストロボ遅延装置250は、パルスジェネレータ230からのパルス信号を入力として、ストロボ光源220を発光させるためのタイミング信号を生成し、ストロボ光源220に送る。 ストロボ光源220は、ファイバーライトガイド130に接続されており、ストロボ光源220の発光を導き、ヘッド120から吐出される液滴にパルス光を照射する。このファイバーライトガイド130は、ヘッド120からの吐出液滴に向けられている。 【0030】 カメラトリガ装置260は、パルスジェネレータ230が生成する液滴吐出用トリガパルスを入力として、カメラ撮影のトリガパルスを生成する。生成したトリガパルスは、入出力インタフェース275を介して検査用パソコン270に入り、カメラ制御情報としてエリアセンサカメラ110に送られる。 【0031】 図3は、液滴速度測定装置の各部のタイミング説明図である。 【0032】 パルスジェネレータ230は、インクジェット・ヘッド120のノズル孔から吐出される液滴の吐出間隔トリガ、すなわち、吐出周波数を生成する(図3の最上段のパルス列)。例えば、吐出周波数をM(kHz)とすると、1/M(m秒)間隔で液滴が吐出される。例えば、M=20(kHz)とすると、液滴は50μ秒間隔でノズル孔から吐出される。 【0033】 カメラトリガ装置260は、この吐出間隔トリガM(kHz)を入力として、カメラの駆動トリガ(カメラトリガ)を生成し、検査用パソコン270に入力する。検査用パソコン270は、カメラトリガを入力とし、撮影タイミング、露光時間等のカメラ制御信号をエリアセンサカメラ110に出力する。 【0034】 一方、ストロボ遅延装置250は、吐出間隔トリガM(kHz)を入力としてストロボ発光のタイミングt1を生成する。すなわち、例えば、同時撮影する2滴の液滴のうちの1滴目が吐出されるタイミング・パルスの立下りタイミングからストロボ発光タイミングまでの時間をt1として設定する。 例えば、時間t1を1/M(m秒)とすると、2滴目の吐出タイミング・パルスの立下りタイミングが、ストロボ発光の遅延トリガパルスの立ち上がりタイミングとなり、このタイミングでストロボ光源220を発光させ、ファイバーラインガイドから2液滴に光を照射することにより、エリアセンサカメラ110の撮像範囲内にある2液滴が撮影できる。 ストロボは、実際には、図3に示すように、ストロボ遅延トリガの立ち上がりから発光遅れ時間t2後から発光時間t3の間だけ発光する。 【0035】 検査用パソコン270は、カメラトリガを入力として、シャッタータイミング、露光時間等を設定する。このとき、シャッタータイミングは、ストロボ光源220の発光タイミング前とし、ストロボ発光の完了後に露光を終了するようにすればよい。 【0036】 検査用パソコン270の制御部271のROMには、これらのカメラ制御情報生成プログラムが格納されており、CPUがこのプログラムを実行することにより、シャッタータイミング、露光時間等が設定される。 【0037】 エリアセンサ110にはズームレンズ170が付属している。ズームレンズ170等を調節することにより、2滴の液滴がY方向撮像範囲(図1(b)、(c))に入るようにしておく。 検査用パソコン270からのカメラ制御情報を受けて、エリアセンサカメラ110は、インクジェット・ヘッド120のノズル孔から吐出される液滴n142および液滴(n+1)143を同時に撮影する。 【0038】 撮影画像285は、ディスプレイ280に表示される。 検査用パソコン270の記憶部273または制御部271のROMには、撮影された2つの液滴位置(142および143)から液滴速度を算出するプログラムが格納されており、このプログラムをCPUで実行することにより、液滴速度が求められる。 【0039】 すなわち、撮影画像285上の2つの液滴位置(142および143)の位置座標から2つの液滴位置の差L(L1およびL2)を求める。液滴速度は、差L(L1およびL2)を液滴の吐出間隔1/M(m秒)で除することにより算出される。 【0040】 以上のように、エリアセンサカメラ110のY方向の撮像範囲を連続する2液滴が入るように調整するとともに、連続する2液滴目が吐出された後にストロボ発光させ、エリアセンサカメラ110で撮影することにより、連続する2滴が同一画面上に撮影され、この2滴の位置関係から、液滴の吐出速度を求めることが可能になる。 【0041】 尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本実施の形態に係る液滴速度測定装置1の機能構成図 【図2】液滴速度測定装置1のシステム構成図 【図3】液滴速度測定装置1のタイミング説明図 【符号の説明】 【0043】 1………液滴速度測定装置 110………エリアセンサカメラ 120………インクジェット・ヘッド 130………パルス発光体(ファイバーライトガイド) 141、142、143,144………液滴 210………ヘッド搬送ステージ 220………ストロボ光源 230………パルスジェネレータ 240………シーケンサ 250………ストロボ遅延装置 260………カメラトリガ装置 270………検査用パソコン 280………ディスプレイ装置
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月14日(2006.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096091 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 誠一
|
| 【公開番号】 |
特開2008−18659(P2008−18659A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−193701(P2006−193701) |
|