トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】川畑 憲一

【要約】 【課題】用紙の先端が搬送ベルトから浮き上がる方向にカールした状態で搬送ベルトに送り込まれて用紙の先端部が搬送ベルトに密着しない状態で搬送されてヘッドとの擦れ、不安定な吸着によって画像品質が低下する。

【構成】搬送ローラ32と従動ローラ33間に架け渡した無端状の搬送ベルト31と、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするプラテンガイド部材35と、用紙5を搬送ローラ32に対向する位置で搬送ベルト31側に押し付ける第1加圧コロ36と、搬送ローラ32と記録ヘッド34との間で、用紙5をプラテンガイド部材35に対向する位置で搬送ベルト31側に押し付ける第2加圧コロ37とを有し、第2加圧コロ37は、保持部材201によって支持され、保持部材201とフレーム101との間に設けたバネ部材202によって搬送ベルト31側に付勢されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも搬送ローラと従動ローラとの間に掛け回されて周回移動する搬送ベルトと、
この搬送ベルトに静電吸着されて搬送される媒体に対して画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送ローラと前記画像形成手段との間の位置で前記媒体を前記搬送ベルト側に押圧する加圧手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記加圧手段は、加圧コロとこの加圧コロを前記搬送ベルト方向に付勢する付勢手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、前記付勢手段は前記加圧コロに対する付勢力を調整可能に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、前記付勢手段は板バネ部材からなり、この板バネ部材は取り付け基準位置を調整可能に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記板バネ部材の取り付け基準位置を調整する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記媒体の種類に応じて前記加圧手段の加圧力を切替える手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記媒体の厚みに応じて前記加圧手段の加圧力を切替える手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記媒体の供給元に応じて前記加圧手段の加圧力を切替える手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記加圧手段は前記画像形成手段に前記搬送ベルトを介して対向配置されたプラテンガイド部材に対向する位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、前記搬送ローラと前記プラテンガイド部材との接線面と前記画像形成手段による画像形成面との角度が1.30°を越えないことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及び用紙搬送装置に関し、特に搬送ベルトで用紙を静電吸着して搬送する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
【0003】
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。
【0004】
ところで、液体吐出記録方式で画像を形成する場合、インクを用紙に付着させるために、画像を形成すると、用紙はインクに含まれる水分によって伸びる現象がある。この現象をコックリングと呼んでいる。このコックリングによって用紙は波打ち、記録ヘッドのノズルと用紙表面の位置が場所々々で変化する。このコックリングの程度が悪くなると、最悪の場合、用紙がヘッドのノズル面と接触して、ヘッドのノズル面を汚したり、用紙自身も汚れてしまったりして画像品質が低下し、加えてコックリングの影響でインク滴の着弾位置がずれてしまうこともある。
【0005】
そこで、例えば特許文献1などに記載されているように、用紙の平面性を維持するために、無端状の帯電ベルトを備え、帯電ベルト表面を帯電して用紙を静電吸着させ、この状態で帯電ベルトを周回移動させることで用紙を搬送することにより、用紙の帯電ベルトからの浮き上がりを防止して、高い平面性を維持できるようにしたインクジェット記録装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−175494号公報
【0006】
また、特許文献2には、印写用紙のコックリングやカールが印写画像に影響することから、印写用紙を印写位置にて静電吸着部材で静電気により吸着して印写用紙に印写させる動作と印写用紙の移動を行う印写用紙搬送装置において、使用する印写用紙の種類に応じて静電吸着部材1の印写用紙吸着の有りと無しとを切り替える手段を備えることが記載されている。
【特許文献2】特開2000−246981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、搬送ベルトによって用紙を搬送する場合、搬送ベルトの平面性を維持するために、搬送ベルトを掛け回した搬送ローラと従動ローラとの間で、画像形成手段である記録ヘッドに搬送ベルトを介して対向する位置に搬送ベルトを案内するプラテンガイド部材を配置し、このプラテンガイド部材は搬送ローラと従動ローラとを結ぶ接線よりも記録ヘッド側に突き出して配置することが行われる。
【0008】
また、用紙を電荷が印加された搬送ベルトに吸着させて搬送しようとするとき、搬送ベルトに対する用紙の送り込み経路で、用紙に対して、用紙の先端が搬送ベルトから離れる方向にカールさせる経路を採用しなければならないことがある。
【0009】
例えば、装置本体の下方から上方に向けて用紙を給紙し、略90°方向転換をして、用紙を搬送ベルトに密着させる搬送路の構成を採用した場合、用紙を搬送ベルトの搬送方向と同じ方向から給紙するとき、特に、コシの強い用紙は、プラテンガイド部材によって搬送ベルトが搬送ローラから記録ヘッドに向って斜めになる部分があるために、用紙の先端が搬送ベルトから離れる方向にカール状になって搬送ベルトに送り込まれることになる。
【0010】
この場合、一般的には、搬送ローラに対向する加圧ローラを備えて、送り込まれた用紙を搬送ベルトに密着させる構成が採用されている。
【0011】
しかしながら、特に初期状態でのカールや、上述したような搬送パスによるカールを生じ易いコシが強い用紙については、用紙は一旦加圧コロで搬送ベルトに密着されるものの、搬送ベルトに対して垂直方向の吸着力が弱いために、カール癖に負けて、つまり、吸着力がカールの保形力に負けて、用紙先端部が搬送ベルトから浮きあがることがある。
【0012】
このように、用紙の先端部が一旦搬送ベルトから浮き上がると、静電的な吸着力がなくなり、そのまま記録ヘッド側に送り込まれて、記録ヘッドのノズル面を擦って画像が乱れたり、あるいは、ジャムが発生したりすることになるという課題がある。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、媒体を安定的に搬送することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、少なくとも搬送ローラと従動ローラとの間に掛け回されて周回移動する搬送ベルトと、この搬送ベルトに静電吸着されて搬送される媒体に対して画像を形成する画像形成手段と、搬送ローラと画像形成手段との間の位置で媒体を搬送ベルト側に押圧する加圧手段と、を備えている構成とした。
【0015】
ここで、加圧手段は、加圧コロとこの加圧コロを搬送ベルト方向に付勢する付勢手段とを含む構成とでき、この場合、付勢手段は加圧コロに対する付勢力を調整可能に設けられている構成とでき、また、付勢手段は板バネ部材からなり、この板バネ部材は取り付け基準位置が調整可能に設けられている構成とでき、更に板バネ部材の取り付け基準位置を調整する手段を備えている構成とできる。
【0016】
また、媒体の種類、媒体の厚み、媒体の供給元に応じて加圧手段の加圧力を切替える手段を備えている構成とできる。
【0017】
また、加圧手段は画像形成手段に搬送ベルトを介して対向配置されたプラテンガイド部材に対向する位置に配置されている構成とでき、この場合、搬送ローラとプラテンガイド部材との接線面と画像形成手段による画像形成面との角度が1.30°を越えないことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る画像形成装置によれば、搬送ローラと画像形成手段との間の位置で媒体を搬送ベルト側に押圧する加圧手段を備えている構成としたので、媒体の先端部が画像形成手段に対向する位置に送られるときに媒体の先端部を搬送ベルトに押し付けることができて浮き上がりを防止でき、安定して用紙を搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る画像形成装置の一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図、図2は同装置のエンジンユニット部の平面説明図、図3は同じくエンジンユニット部の正面説明図、図4は同エンジンユニット部の要部斜視説明図である。
【0020】
この画像形成装置は、装置本体1の内部(筺体内)に、画像を形成するための画像形成部(手段)2、副走査搬送部(手段)3等を有し、装置本体1の底部に設けた収容手段である給紙部(手段)4から被搬送部材である被記録媒体(以下「用紙」というが、材質を紙に限定するものではない。)5を1枚ずつ分離して給紙し、副走査搬送部3によって用紙5を画像形成部2に対向する位置で間歇的に搬送しながら、画像形成部2によって用紙5に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、排紙搬送部6を通じて装置本体1の上面に形成した排紙トレイ7上に用紙5を排紙する。なお、画像形成部2及び副走査搬送部3はユニット化してエンジンユニット100とし、装置本体1に対して着脱自在に装着している。
【0021】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体1の上部で排紙トレイ7の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)11を備えている。この画像読取部11は、照明光源13とミラー14とを含む走査光学系15と、ミラー16、17を含む走査光学系18とが移動して、コンタクトガラス12上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ19の後方に配置した画像読み取り素子20で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。なお、コンタクトガラス12上には原稿を押えるための圧板10を備えている。
【0022】
ここで、この画像形成装置の画像形成部2は、図2にも示すように、前側板101Fと後側板101Rとの間に横架したキャリッジガイド(ガイドロッド)21と後ステー101Bに設けた図示しないガイドステーで、キャリッジ23を主走査方向に移動可能に保持し、主走査モータ27で駆動プーリ28Aと従動プーリ28B間に架け渡したタイミングベルト29を介して主走査方向に移動走査する。
【0023】
そして、このキャリッジ23上には、それぞれブラック(K)インクを吐出する2個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド24k1、24k2と、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するそれぞれ1個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド24c、24m、24y(色を区別しないとき及び総称するときは「記録ヘッド24」という。)の計5個の液滴吐出ヘッドを搭載し、キャリッジ23を主走査方向に移動させ、副走査搬送部3によって用紙5を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド24から液滴を吐出させて画像形成を行うシャトル型としている。
【0024】
また、キャリッジ23には各記録ヘッド24に所要の色の記録液を供給するためにサブタンク25を搭載している。一方、図1に示すように、装置本体1の前面からカートリッジ装着部26Aに、ブラック(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した記録液カートリッジである各色のインクカートリッジ26を着脱自在に装着でき、各色のインクカートリッジ26から各色のサブタンク25に図示しないチューブを介してインク(記録液)を補充供給する。なお、ブラックインクは1つのインクカートリッジ26から2つのサブタンク25に供給する構成としている。
【0025】
なお、記録ヘッド24としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどを用いることができる。
【0026】
また、図3にも示すように、キャリッジ23の主走査方向に沿って前側板101Fと後側板101Rとの間に、スリットを形成したリニアスケール128を張装し、キャリッジ23にはリニアスケール128のスリットを検知する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ129を設け、これらのリニアスケール128とエンコーダセンサ129によってキャリッジ23の移動を検知するリニアエンコーダを構成している。
【0027】
さらに、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、図2に示すように、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構(装置)121を配置している。この維持回復機構121は、5個の記録ヘッド24の各ノズル面24aをキャッピングするキャップ部材である、1個の保湿用を兼ねた吸引用キャップ122aと、4個の保湿用キャップ122b〜122eと、記録ヘッド24のノズル面24aをワイピングするためのワイピング部材であるワイパーブレード124と、空吐出を行うための空吐出受け125とが配置されている。
【0028】
さらに、キャリッジ23の走査方向の他方側の非印字領域には、空吐出を行うための空吐出受け126を配置している。この空吐出受け126には開口127a〜127eを形成している。
【0029】
副走査搬送部3は、下方から給紙された用紙5を略90度搬送方向を転換させて画像形成部2に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ32とテンションローラである従動ローラ33間に架け渡した無端状の搬送ベルト31と、この搬送ベルト31の表面を帯電させるために交番電圧であるACバイアス電圧が印加される帯電手段である帯電ローラ34と、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするプラテンガイド部材35と、用紙5を搬送ローラ32に対向する位置で搬送ベルト31側に押し付ける第1加圧コロ(入口加圧コロ)36と、搬送ローラ32と画像形成手段である記録ヘッド34との間で、用紙5をプラテンガイド部材35に対向する位置で搬送ベルト31側に押し付ける第2加圧コロ(先端加圧コロ)37と、画像形成部2によって画像が形成された用紙5を押える押えガイド部材38と、画像形成部2によって画像が形成された用紙5を搬送ベルト31から分離するための分離爪39とを備えている。
【0030】
この副走査搬送部3の搬送ベルト31は、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ32が回転されることで、図2の用紙搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
【0031】
給紙部4は、装置本体1に抜き差し可能で、多数枚の用紙5を積載して収納する収容手段である給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙5を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ42及びフリクションパッド43と、給紙される用紙5をレジストするレジストローラ対44とを有している。
【0032】
また、この給紙部4は、多数枚の用紙5を積載して収容するための手差しトレイ46及び手差しトレイ46から1枚ずつ用紙5を給紙するための手差しコロ47と、装置本体1の下側にオプションで装着される給紙カセットや両面ユニットから給紙される用紙5を搬送するための縦搬送コロ48を備えている。給紙コロ42、レジストローラ44、手差しコロ47、縦搬送コロ48などの副走査搬送部3へ用紙5を給送するための部材は図示しない電磁クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ(駆動手段)49によって回転駆動される。
【0033】
排紙搬送部6は、画像形成が行われた用紙5を搬送する排紙搬送ローラ対61、62と、用紙5を排紙トレイ7へ送り出すための排紙搬送ローラ対63及び排紙ローラ64とを備えている。
【0034】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5に示すブロック説明図を参照して説明する。
この制御部は、この画像形成装置全体の制御を司る、CPU、ROM、RAM、VRAM、I/Oなどを含むマイクロコンピュータで構成した主制御部301及び印刷制御を司るマイクロコンピュータで構成した印刷制御部302とを備えている。
【0035】
そして、主制御部301は、通信回路303から入力される印刷処理の情報に基づいて用紙5に画像を形成するために、主走査モータ27や副走査モータ131を主走査モータ駆動回路311及び副走査モータ駆動回路312を介して駆動制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行う。
【0036】
また、主制御部301には、キャリッジ23の位置を検出するキャリッジ位置検出回路313からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいてキャリッジ23の移動位置及び移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路313は、キャリッジ23の走査方向に配置されたリニアスケール(エンコーダシート)128のスリット数を、キャリッジ23に搭載されたフォトセンサ(エンコーダセンサ)129で読み取って計数することで、キャリッジ23の位置を検出する。主走査モータ駆動回路311は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じた出力値、例えばPWM制御を行う場合にはPWM出力値に応じて主走査モータ27を回転駆動させて、キャリッジ23を所定位置に所定の速度で移動させる。
【0037】
また、主制御部301には搬送ベルト31の移動量を検出する搬送量検出回路314からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいて搬送ベルト31の移動量及び移動速度を制御する。搬送量検出回路314は、搬送ローラ32の回転軸に取り付けられたエンコーダホイールのスリット数を、フォトセンサ(エンコーダセンサ)で読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路312は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータ131を回転駆動させて、搬送ローラ32を回転駆動して搬送ベルト31を所定位置に所定の速度で移動させる。
【0038】
また、主制御部301は、ACバイアス供給部315を介して帯電ローラ34に対してACバイアスを与えることで搬送ベルト31を帯電する制御を行う。主制御部301は、給紙モータ駆動回路316を介して給紙モータ49を回転駆動する。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路317を介して維持回復機構121の図示しないモータを回転駆動することにより、キャップ122の昇降、ワイパーブレード124の昇降、図示しない吸引ポンプの駆動などを行わせる。
【0039】
また、主制御部301は、スキャナ制御部318を介して画像読取装置11を制御する。主制御部301は、操作パネル319との間で所要の表示情報の送出や入力されるキー情報の取り込みなどを行う。
【0040】
印刷制御部302は、主制御部301からの信号とキャリッジ位置検出回路313及び搬送量検出回路314などからのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、記録ヘッド24の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成して、上述した画像データをシリアルデータでヘッド駆動回路321に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッド駆動回路321に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッド駆動回路321に対して出力する。
【0041】
ヘッド駆動回路321は、シリアルに入力される記録ヘッド24の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部302から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド24を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0042】
このように構成したこの画像形成装置においては、搬送ベルト31を駆動する搬送ローラ32の回転量を検出して、この検出した回転量に応じて副走査モータ131を駆動制御するとともに、ACバイアス供給部315から帯電ローラ34に交番電圧である正負極の矩形波の高電圧を印加し、これによって、搬送ベルト31には正と負の電荷が搬送ベルト31の搬送方向に対して交互に帯状に印加され、搬送ベルト31上に所定の帯電幅で帯電が行われて不平等電界が生成される。
【0043】
そこで、用紙5が給紙部4から給紙されて、搬送ローラ32と押えコロ36との間に送り込まれて、正負極の電荷が形成されることによって不平等電界が発生している搬送ベルト31上へと送り込まれると、用紙5は電界の向きにならって瞬時に分極し、静電吸着力で搬送ベルト31上に吸着され、搬送ベルト31の移動に伴って搬送される。
【0044】
そして、この搬送ベルト31で用紙5を間歇的に搬送しながら、用紙5上に記録ヘッド24から記録液の液滴を吐出して画像を記録(印刷)し、印刷が行われる用紙5の先端側を分離爪37で搬送ベルト31から分離して搬送ローラ38で排紙搬送部6に送り出す。
【0045】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ23は維持回復機構121側に移動されて、キャップ122で記録ヘッド24のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、吸引及び保湿用キャップ122aで記録ヘッド24をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド24のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード124でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを空吐出受け125に向けて吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド24の安定した吐出性能を維持する。
【0046】
そこで、この画像形成装置における副走査搬送部3による用紙先端押さえに関して前述した図3及び図4を参照して説明する。
この画像形成装置では、図3に示すように、第1加圧コロ(入口加圧コロ)36及び第2加圧コロ(先端加圧コロ)37は保持部材(取り付けステー)201によって回転可能に保持している。この場合、前述したように、先端加圧コロである第2加圧コロ37は、搬送ローラ31と記録ヘッド24による画像形成領域との間の位置、すなわち、搬送ローラ31よりも用紙搬送方向下流側で記録ヘッド24よりも用紙搬送方向上流側の位置とし、しかも、記録ヘッド24に対向するプラテンガイド部材35に対向する位置に配置している。
【0047】
そして、この第2加圧コロ37を第1加圧コロ36とともに保持している保持部材201の取り付け端部をエンジンユニット100のフレーム101に取り付け、保持部材201とフレーム101との間に設けた付勢手段としてのバネ部材202によって、第2加圧コロ37を搬送ベルト31方向に付勢するようにしている。この場合、保持部材202は弾性を有する部材でフレーム101に対する取り付け部を固定してバネ部材202によって変形させて付勢する構成、あるいは、フレーム101に対して揺動可能に取り付けてバネ部材202によって付勢する構成とすることができる。
【0048】
したがって、給紙された用紙5は、搬送ローラ32に対向している第1加圧コロ36によって搬送ベルト31側に押し付けられて搬送ベルト31に吸着され、更に、記録ヘッド24による画像形成領域の直前で、プラテンガイド部材35に対向している第2加圧コロ37によって搬送ベルト31側に加圧される(押し付けられる。)。
【0049】
そのため、搬送ローラ32と第1加圧コロ36との間を通過したときに、特に、用紙5のコシが強く、先端部にカール癖が生じていることで、用紙5の先端部が搬送ベルト31から離れる方向に浮き上がっているような場合でも、再度、印字部(画像形成領域)の直前で、第2加圧コロ37によって物理的に用紙5の先端部が搬送ベルト31に押し付けられるので、用紙5の先端部が記録ヘッド24に接触するようなことを防止できる。
【0050】
また、この画像形成装置では、図6に示すように、用紙を搬送する搬送ベルト31を2つの搬送ローラ32、従動ローラ33間に掛け渡して支持し、記録ヘッド24による印写領域(記録領域)に対応して搬送ベルト31の裏面側に搬送ベルト31をガイドするプラテンガイド部材35を設け、このガイド部材35の上面は搬送ベルト31を支持する2つのローラ32、33の接線Sよりも記録ヘッド24側に突き出させて搬送ベルト31の画像形成装置での平面度を確保するように構成している。
【0051】
そのため、搬送ローラ31と第1加圧コロ36との間を通過した用紙5の先端部は記録ヘッド24に向う方向に搬送されることになり、用紙5の先端部がプラテンガイド部材35の端部(用紙搬送方向上流側の)付近で搬送ベルト31から離れやすくなる。
【0052】
そこで、プラテンガイド部材32の端部付近で第2加圧コロ37によって用紙5の先端部を搬送ベルト31側に押し付けることによって、記録ヘッド24による画像形成領域に入る直前で用紙5の先端部の浮き上がりを確実に防止する。
【0053】
この場合、上述したように印写領域(画像形成領域)における搬送ベルト31の平面度をプラテンガイド部材35によって出すように構成した場合、図7に示すように、搬送ローラ32とプラテンガイド部材35との接線面S1と画像形成手段による画像形成面(プラテンガイド部材35の表面)S2との角度θが1.30°を越えない構成とすることによって、普通紙程度であれば、プラテンガイド部材35の端部における用紙の先端部の浮き上がりを抑えることができる。
【0054】
このように、搬送ローラと画像形成手段との間の位置で媒体を搬送ベルト側に押圧する加圧手段を備えている構成としたので、媒体の先端部が画像形成手段に対向する位置に送られるときに媒体の先端部を搬送ベルトに押し付けることができて浮き上がりを防止でき、安定して媒体を搬送することができる。
【0055】
この場合、加圧手段は、加圧コロとこの加圧コロを搬送ベルト方向に付勢する付勢手段、特にバネ部材を含むことによって、簡単な構成で加圧手段の加圧力を得ることができる。
【0056】
次に、本発明の他の実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態におけるエンジンユニット部の正面説明図である。
ここでは、前記実施形態における付勢手段であるバネ部材202は、取り付け基準位置(端部202a側)をフレーム101に調整可能(上下位置を変更可能、変位可能)に保持している。更に、このバネ部材202の取り付け端部202aは、フレーム101側に設けた付勢力を調整する手段を兼ねる駆動手段としてのソレノイド205のプランジャ205aに連結している。
【0057】
このように構成したので、ソレノイド205を駆動することによって、バネ部材202の取り付け基準位置を矢示方向に変位(この例では二段階とする。)させて調整することができ、これによって、バネ部材202による第2加圧コロ37に対する付勢力が変化し、第2加圧コロ37による媒体に対する加圧力が変化する。
【0058】
そこで、搬送する用紙の先端部が浮き上がり易い場合には、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に大きくして確実に搬送する用紙の先端部を押さえられるようにする。これに対して、搬送する用紙の先端部の浮き上がり相対的に少ない場合には、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に小さくして搬送する用紙の先端部の浮き上がりを押えるとともに搬送性を損なわないようにする。
【0059】
なお、ここではソレノイドなどの駆動手段によってバネ部材の取り付け基準位置を変位(調整)させる構成としているが、手動操作でバネ部材の取り付け基準位置を調整する構成とすることもできる。また、紙厚に応じて記録ヘッドと搬送ベルトとを相対移動させることによって記録ヘッドと用紙とのギャップ調整を行う機構を備える場合に、ギャップ調整機構の動作に連動してバネ部材の取り付け基準位置も変位する構成なども採用することができる。
【0060】
次に、本発明の更に他の実施形態の異なる例について図9ないし図11を参照して説明する。
ここでは、上記他の実施形態のようにソレノイド205を作動させることによってバネ部材202の取り付け基準位置が変位して第2加圧コロ37による加圧力を変化させる構成を採用した上で、主制御部301によってソレノイド205を駆動制御するようにしている。
【0061】
先ず、図9に示す例は、設定された用紙の種類(用紙種別:紙種)情報を取り込み、紙種情報から先端部の浮き上がり易い用紙であるか、浮き上がり難い用紙であるかを判別する。そして、先端部の浮き上がり易い用紙であるときには、例えばソレノイド205をオフ状態にしてバネ部材202の取り付け基準位置を下側として第2加圧コロ37に与える付勢力が大きくなるように、つまり、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に大きく設定する。これに対して、先端部の浮き上がり易い難い用紙であるときには、例えばソレノイド205をオン状態にしてプランジャ205aを引くことでバネ部材202の取り付け基準位置を上側として第2加圧コロ37に与える付勢力が小さくなるように、つまり、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に小さく設定する。
【0062】
なお、用紙(シート材)の種類情報は、装置本体1の操作パネルやこの画像形成装置に接続されるパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって与えられる。また、上記の紙種情報から先端部の浮き上がり易い用紙であるか、浮き上がり難い用紙であるかを判別することには、紙種情報から直ちにソレノイド205のオン/オフを切り替える場合も含まれる。
【0063】
このように紙種情報に基づいて加圧手段の加圧力を切り替えるようにすることで、媒体の種類に応じた適切な加圧力で媒体の先端部を押さえることができる。
【0064】
図10に示す例は、給送される用紙の厚み(紙厚)を検知する厚み検知手段を備えて、この厚み検知手段による検知結果(紙厚)を取り込み、紙厚が厚い用紙であるか、薄い用紙であるかを判別する。そして、紙厚の厚い用紙であるときには、例えばソレノイド205をオフ状態にしてバネ部材202の取り付け基準位置を下側として第2加圧コロ37に与える付勢力が大きくなるように、つまり、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に大きく設定する。これに対して、紙厚の薄い用紙であるときには、例えばソレノイド205をオン状態にしてプランジャ205aを引くことでバネ部材202の取り付け基準位置を上側として第2加圧コロ37に与える付勢力が小さくなるように、つまり、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に小さく設定する。
【0065】
このように紙厚情報に基づいて加圧手段の加圧力を切り替えるようにすることで、媒体の厚みに応じた適切な加圧力で先端部を押さえることができる。
【0066】
図11に示す例は、シート材の給紙元、例えば手差し給紙トレイ46からの給紙であるか、給紙カセット41からの給紙であるかを判別する。そして、手差し給紙トレイ46から用紙が給紙されるときには、例えばソレノイド205をオフ状態にしてバネ部材202の取り付け基準位置を下側として第2加圧コロ37に与える付勢力が大きくなるように、つまり、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に大きく設定する。これに対して、給紙カセット41から用紙が給紙されるときには、例えばソレノイド205をオン状態にしてプランジャ205aを引くことでバネ部材202の取り付け基準位置を上側として第2加圧コロ37に与える付勢力が小さくなるように、つまり、第2加圧コロ37による加圧力を相対的に小さく設定する。
【0067】
なお、用紙の給紙元は、装置本体1の操作パネルから与えられ情報(使用する給紙カセットの選択指定情報など)、この画像形成装置に接続されるパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって自動給紙、手差し給紙、用紙サイズなどの情報として与えられる結果選択される給紙手段の情報として得ることができる。
【0068】
また、手差し給紙トレイ46から給紙する場合、手差し給紙コロ47で用紙の印写面側を扱くようにして給紙される結果、用紙の先端部で搬送ベルト31から離れる方向にカールし易くなって、用紙先端部の浮き上がりが相対的に大きくなる。これに対して、給紙カセット41から給紙する場合、給紙コロ42で用紙の印写面と反対側の面を扱くようにして給紙される結果、用紙の先端部は搬送ベルト31に向かう方向にカールし易くなって、用紙先端部の浮き上がりが相対的に小さくなる。
【0069】
したがって、媒体の給紙元(或いは給紙経路)に基づいて加圧手段の加圧力を切り替えることによって先端部の浮き上がりが生じ易い給紙と、浮き上がりが生じ難い給紙とに応じて、適切な加圧力で媒体を押さえることができる。
【0070】
また、上記実施形態においては、本発明をマルチファンクション(MFP)の画像形成装置に適用した例で説明したが、プリンタやファクシミリ装置などの他の画像形成装置にも同様に適用することができる。また、インク以外の記録液を使用する画像形成装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】同装置のエンジンユニット部の平面説明図である。
【図3】同じくエンジンユニット部の正面説明図である。
【図4】同じくエンジンユニット部の要部斜視説明図である。
【図5】同じく制御部の概要を説明するブロック図である。
【図6】搬送ベルトと2つのローラ及びプラテンガイド部材の関係の説明に供する説明図である。
【図7】同じく搬送ローラとプラテンガイド部材との関係の説明に供する説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態の説明に供するエンジンユニット部の正面説明図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の第1例の説明に供するフロー図である。
【図10】同じく第2例の説明に供するフロー図である。
【図11】同じく第3例の説明に供するフロー図である。
【符号の説明】
【0072】
1…装置本体
2…画像形成部
3…副走査搬送部
4…給紙部
5…用紙(被記録媒体)
7…排紙搬送部
8…排紙トレイ
11…画像読取部
23…キャリッジ
24…記録ヘッド
31…搬送ベルト
32…搬送ローラ
35…プラテンガイド部材
36…第1加圧コロ(入口加圧コロ)
37…第2加圧コロ(先端加圧コロ)
41…給紙カセット
42…給紙コロ
44…レジストローラ
46…手差し給紙トレイ
47…手差し給紙コロ
201…バネ部材(付勢手段)
205…ソレノイド
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保


【公開番号】 特開2008−18644(P2008−18644A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−193465(P2006−193465)