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【発明の名称】 画像形成装置の製造方法
【発明者】 【氏名】大嶋 利明

【氏名】岡本 克巳

【氏名】福元 貴智

【氏名】市川 和弘

【要約】 【課題】露光ユニットの固定位置を簡便に調整することである。

【構成】潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットと、該露光ユニットを回動支点回りに回動させるための回動機構と、を有する画像形成装置、の製造方法であって、前記露光ユニットから発せられるレーザ光の走査方向の傾きを把握するステップと、前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップと、前記回動機構を動作させるために操作されるダイヤルであって、該ダイヤルの操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構による露光ユニットの回動量が大きくなるダイヤル、を前記傾きに応じた操作量だけ操作して、該露光ユニットを回動させることにより、該露光ユニットを固定位置へ移動させるステップと、該露光ユニットを該固定位置で前記画像形成装置本体に固定するステップとを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、
該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットと、
該露光ユニットを回動支点回りに回動させるための回動機構と、
を有する画像形成装置、の製造方法であって、
前記露光ユニットから発せられるレーザ光の走査方向の傾きを把握するステップと、
前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップと、
前記回動機構を動作させるために操作されるダイヤルであって、該ダイヤルの操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構による露光ユニットの回動量が大きくなるダイヤル、
を前記傾きに応じた操作量だけ操作して該露光ユニットを回動させることにより、該露光ユニットを固定位置へ移動させるステップと、
該露光ユニットを該固定位置で前記画像形成装置本体に固定するステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置の製造方法において、
前記傾きを把握するステップにおいては、
前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付ける前に、前記露光ユニットから発せられるレーザ光の走査方向の傾きを測定することにより、前記傾きを把握することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像形成装置の製造方法において、
前記ダイヤルは、目盛りを有し、
該目盛りの表示に従って、ある数値分のダイヤル操作を行うと、
前記画像形成装置本体に取り付けられた前記露光ユニットから前記像担持体に照射されるレーザ光の走査方向の傾き、が該数値分変化するように、前記回動機構を動作させて前記露光ユニットを回動させるダイヤルであり、
前記露光ユニットを固定位置へ移動させるステップにおいては、
前記ダイヤルを、測定された前記傾きの数値だけ操作することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置の製造方法において、
前記画像形成装置は、媒体を搬送するための搬送部材を有しており、
前記媒体が該搬送部材により搬送されるときに生じる、該媒体の搬送方向に対する傾きを推定するステップを有し、
前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップにおいては、
該露光ユニットを、推定された該傾きに応じた量だけ傾かせて、該画像形成装置本体に取り付けることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
【請求項5】
潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、
該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットと、
該露光ユニットを回動支点回りに回動させるための回動機構と、
を有する画像形成装置、の製造方法であって、
前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップと、
媒体へのテストパターンの形成を、画像形成装置に実行させるステップと、
媒体に形成されたテストパターンの傾きを求めるステップと、
前記回動機構を動作させるために操作されるダイヤルであって、該ダイヤルの操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構による露光ユニットの回動量が大きくなるダイヤル、
を前記傾きに応じた操作量だけ操作して該露光ユニットを回動させることにより、該露光ユニットを固定位置へ移動させるステップと、
該露光ユニットを該固定位置で前記画像形成装置本体に固定するステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
【請求項6】
請求項6に記載の画像形成装置の製造方法において、
前記ダイヤルは、目盛りを有し、
該目盛りの表示に従って、ある数値分のダイヤル操作を行うと、
前記画像形成装置本体に取り付けられた前記露光ユニットから前記像担持体に照射されるレーザ光の走査方向の傾き、が該数値分変化するように、前記回動機構を動作させて前記露光ユニットを回動させるダイヤルであり、
前記露光ユニットを固定位置へ移動させるステップにおいては、
前記ダイヤルを、求められたテストパターンの前記傾きの数値だけ操作することを特徴とする画像形成装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の製造方法に関する。特に、像担持体を備えた画像形成装置本体と露光ユニットとを有する画像形成装置、の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットとを有する画像形成装置は既に知られている。
【特許文献1】特開2000−249956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような画像形成装置においては、前記レーザ光が適切に感光体へ照射される必要がある。このため、前記露光ユニットを適切な固定位置で画像形成装置本体に固定しなければならない。一方、前記露光ユニットを画像形成装置本体に適切に固定するために、該露光ユニットの固定位置を調整する必要がある。
【0004】
しかしながら、当該固定位置の調整作業は、従来、手間を要するものであった。さらに、前記固定位置は露光ユニットの個体差の影響を受けるため、例えば、露光ユニットの交換等により、新しい露光ユニットを画像形成装置本体に固定する場合には、前記固定位置の調整がより困難なものとなっていた。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、露光ユニットの固定位置を簡便に調整することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主たる本発明は、潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットと、該露光ユニットを回動支点回りに回動させるための回動機構と、を有する画像形成装置、の製造方法であって、前記露光ユニットから発せられるレーザ光の走査方向の傾きを把握するステップと、前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップと、前記回動機構を動作させるために操作されるダイヤルであって、該ダイヤルの操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構による露光ユニットの回動量が大きくなるダイヤル、を前記傾きに応じた操作量だけ操作して該露光ユニットを回動させることにより、該露光ユニットを固定位置へ移動させるステップと、該露光ユニットを該固定位置で前記画像形成装置本体に固定するステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットと、該露光ユニットを回動支点回りに回動させるための回動機構と、を有する画像形成装置、の製造方法であって、前記露光ユニットから発せられるレーザ光の走査方向の傾きを把握するステップと、前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップと、前記回動機構を作動させるために操作されるダイヤルであって、該ダイヤルの操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構による露光ユニットの回動量が大きくなるダイヤル、を前記傾きに応じた操作量だけ操作して、該露光ユニットを回動させることにより、該露光ユニットを固定位置へ移動させるステップと、該露光ユニットを該固定位置で前記画像形成装置本体に固定するステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
かかる画像形成装置の製造方法によれば、前記露光ユニットの画像形成装置本体における固定位置を簡便に調整することが可能となる。
【0010】

また、前記傾きを把握するステップにおいては、前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付ける前に、前記露光ユニットから発せられるレーザ光の走査方向の傾きを測定することにより、前記傾きを把握することとしてもよい。
かかる場合には、露光ユニットを画像形成装置本体に取り付ける前に、レーザ光の走査方向の傾きを測定し、その測定値に応じて、前記露光ユニットの固定位置を調整することができる。この結果、該露光ユニットをより適切な固定位置に固定することが可能となる。
【0011】
また、前記ダイヤルは、目盛りを有し、該目盛りの表示に従って、ある数値分のダイヤル操作を行うと、前記画像形成装置本体に取り付けられた前記露光ユニットから前記像担持体に照射されるレーザ光の走査方向の傾き、が該数値分変化するように、前記回動機構を動作させて前記露光ユニットを回動させるダイヤルであり、前記露光ユニットを固定位置へ移動させるステップにおいては、前記ダイヤルを、測定された前記傾きの数値だけ操作することとしてもよい。
かかる場合には、ユーザ等が前記目盛りの表示に従って測定された前記傾きの数値だけ前記ダイヤルを操作することにより、前記露光ユニットの固定位置が調整される。この結果、前記固定位置をより簡便に調整することが可能となる。
【0012】
また、前記画像形成装置は、媒体を搬送するための搬送部材を有しており、前記媒体が該搬送部材により搬送されるときに生じる、該媒体の搬送方向に対する傾きを推定するステップを有し、前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップにおいては、該露光ユニットを、推定された該傾きに応じた量だけ傾かせて、該画像形成装置本体に取り付けることとしてもよい。
かかる場合には、前記露光ユニットの固定位置が、推定された前記傾きを反映した位置になるため、画像形成装置がより適切に画像を形成することが可能となる。
【0013】
他方、潜像を担持するための像担持体を備えた画像形成装置本体と、該画像形成装置本体に取り付けられ、前記像担持体にレーザ光を照射するための露光ユニットと、該露光ユニットを回動支点回りに回動させるための回動機構と、を有する画像形成装置、の製造方法であって、前記露光ユニットを前記画像形成装置本体に取り付けるステップと、媒体へのテストパターンの形成を、画像形成装置に実行させるステップと、媒体に形成されたテストパターンの傾きを求めるステップと、前記回動機構を作動させるために操作されるダイヤルであって、該ダイヤルの操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構による露光ユニットの回動量が大きくなるダイヤル、を前記傾きに応じた操作量だけ操作して、該露光ユニットを回動させることにより、該露光ユニットを固定位置へ移動させるステップと、該露光ユニットを該固定位置で前記画像形成装置本体に固定するステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
かかる画像形成装置の製造方法においても、前記露光ユニットの画像形成装置本体における固定位置を簡便に調整することが可能となる。
【0014】
また、前記ダイヤルは、目盛りを有し、該目盛りの表示に従って、ある数値分のダイヤル操作を行うと、前記画像形成装置本体に取り付けられた前記露光ユニットから前記像担持体に照射されるレーザ光の走査方向の傾き、が該数値分変化するように、前記回動機構を動作させて前記露光ユニットを回動させるダイヤルであり、前記露光ユニットを固定位置へ移動させるステップにおいては、前記ダイヤルを、求められたテストパターンの前記傾きの数値だけ操作することとしてもよい。
かかる場合には、ユーザ等が前記目盛りの表示に従って求められたテストパターンの前記傾きの数値だけ前記ダイヤルを操作することにより、前記露光ユニットを固定位置が調整される。この結果、前記固定位置をより簡便に調整することが可能となる。
【0015】
===画像形成装置の概要===
次に、図1、図2を用いて、画像形成装置としてモノクロレーザビームプリンタ(以下、プリンタ10ともいう)を例にとって、その構成例及び動作例について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。図2は、プリンタ10の制御ユニット100の構成を示したブロック図である。なお、図1には、矢印にて上下方向(鉛直方向)を示しており、例えば、給紙カセット92は、プリンタ10の下部に配置されており、露光ユニット40は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0016】
<<<プリンタ10の構成例>>>
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、像担持体の一例としての感光体31、帯電器32、露光ユニット40、現像部50、トナーカートリッジ68、転写ユニット70、定着ユニット80、ユーザへの報知手段をなす表示ユニット(不図示)、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100(図2)を有している。
【0017】
なお、本実施の形態において、感光体31、帯電器32、現像部50は、プロセスユニット20としてユニット化されている。他方、転写ユニット70、定着ユニット80、制御ユニット100は本体フレーム400内に収容されており、露光ユニット40は前記本体フレーム400上に載置されて、該本体フレーム400に固定されている。
【0018】
感光体31は、その外周面に形成された感光層を有し、該感光層の表面に潜像を担持する。この感光体31は、プロセスユニット20が備えるプロセスユニットフレーム21内において、前記感光体31の回転軸31a回りに回転自在に支持されており、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように反時計回りに回転する。なお、本実施の形態に係るプロセスユニット20の長手方向はプリンタ10の幅方向(図1において紙面を貫く方向)に沿っており、前記感光体31は、前記感光体31の回転軸31aがプロセスユニット20の長手方向、すなわち、プリンタ10の幅方向に沿うように、プロセスユニット20内に設けられている。
帯電器32は、感光体31を帯電するためのものである。
【0019】
露光ユニット40は、帯電された感光体31上に潜像を形成するために、前記感光体の周面にレーザ光を照射する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザ光(図1中、破線にて示す)を帯電された感光体31上に照射する。また、本実施の形態において、露光ユニット40が本体フレーム400に固定されると、該露光ユニット40は感光体31の上方に位置するようになる(図1参照)。なお、露光ユニット40の固定位置等の詳細については、後述する。
【0020】
現像部50は、現像剤の一例としてのトナーで感光体31上の潜像を現像する機能を有し、トナー収容部51と、現像剤担持体の一例としての現像ローラ52と、供給ローラ53と、規制ブレード54と、アジテータ60と、を備えている。
【0021】
トナー収容部51は、トナーを収容するためのものである。現像ローラ52は、その表面にトナーを担持して回転することにより、当該トナーを感光体31と対向する現像位置に搬送する。現像ローラ52は、感光体31に接触しており、現像位置に搬送されたトナーにて感光体31上に担持された潜像を現像剤像の一例としてのトナー像として可視化する(すなわち、接触状態で現像する)。供給ローラ53は、現像ローラ52に当接する回転可能な部材であり、トナー収容部51に収容されたトナーを現像ローラ52に供給する機能と、現像後に現像ローラ52に残存するトナーを現像ローラ52から剥ぎ取る機能を有している。規制ブレード54は、現像ローラ52にその軸方向に沿って当接して、現像ローラ52に担持されたトナーの層厚を規制し、また、現像ローラ52に担持されたトナーに電荷を付与する。アジテータ60は、回転することにより、トナーを攪拌する機能と、トナー収容部51内のトナーを供給ローラ53へ送る機能を有している。
【0022】
トナーカートリッジ68には、トナーが充填されており、当該トナーカートリッジ68は、充填されているトナーを現像部50に設けられた前記トナー収容部51に搬送し、補給する。当該トナーカートリッジ68は、前記プロセスユニット20に装着可能(に対し着脱可能)となっている。
【0023】
転写ユニット70は、感光体31に形成されたトナー像を媒体に転写するためのものである。
定着ユニット80は、定着ローラ80aと加圧ローラ80bを有し、媒体上に転写されたトナー像を、加熱加圧して媒体に融着させて永久像とするためのものである。
【0024】
制御ユニット100は、図2に示すように、メインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成されている。メインコントローラ101は、インターフェイス112を介してコンピュータ(不図示)と電気的に接続され、このコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、前記各ユニットと電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される画像信号及び制御信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0025】
<<<プリンタ10の動作例>>>
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。まず、不図示のコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体31、現像ローラ52等が回転する。
【0026】
感光体31は、回転しながら、帯電位置において帯電器32により順次帯電される。感光体31の帯電された領域は、感光体31の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。感光体31上に形成された潜像は、感光体31の回転に伴って現像位置に至り、現像部50によってトナーで現像される。これにより、感光体31上にトナー像が形成される。
【0027】
感光体31上に形成されたトナー像は、感光体31の回転に伴って転写位置に至り、転写ユニット70によって、媒体に転写される。当該媒体は、前記転写ユニット70により転写を受けるため、搬送部材の一例としての給紙ローラ94を介して、給紙カセット92から転写ユニット70へ搬送される。なお、本実施の形態において、前記給紙ローラ94は、プリンタ10の幅方向の一端側にのみ設けられている。すなわち、本実施の形態に係るプリンタ10は片側給紙方式を採用しており、前記媒体は、前記給紙ローラ94が回転しながら前記媒体の幅方向一端部に当接することによって、転写ユニット70へ搬送される。
【0028】
媒体に転写されたトナー像は、定着ユニット80によって加熱加圧されて媒体に融着される。そして、トナー像が融着された媒体は、一対の搬送ローラ95と一対の排紙ローラ96とを介して、排紙トレイ98へ搬送される。
【0029】
なお、媒体に転写されなかった感光体31上のトナーは、感光体31に当接して従動するローラ39によって均一に分散された後に、現像位置にて現像ローラ52によって剥ぎ取られて、トナー収容部51に回収される。
【0030】
===露光ユニット40の固定位置について===
次に、図3及び図5を用いて、露光ユニット40の固定位置等について説明する。図3は、露光ユニット40が固定されているプリンタ10の上面図である。図4は、画像形成装置本体の一例としてのプリンタ本体12の上面図であり、プリンタ10から露光ユニット40を取り外した様子を示している。図5は、図3のI−I断面を示す図である。
【0031】
ここで、プリンタ本体12とは、露光ユニット40が取り付けられ、固定される基体であり、プリンタ10のうち、露光ユニット40以外の部分に相当する。なお、説明を分かりやすくするために、便宜上、以下の説明においては、プリンタ10が備える外装カバー18、が取り外された状態のプリンタ10及びプリンタ本体12について説明する。
【0032】
また、図3には、矢印にて、プリンタ10の幅方向と奥行方向とが示されている。また、図4には、プリンタ本体12の幅方向と奥行方向とが示されている。なお、前記プリンタ10の幅方向はプリンタ本体12の幅方向と一致し、また、プリンタ10の奥行方向はプリンタ本体12の奥行方向と一致している。
【0033】
本実施の形態に係る露光ユニット40は、前述した半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等の主要構成部材を収容する筐体としてのユニットフレーム41を備えている(図1参照)。また、このユニットフレーム41の長手方向両端部には、図3に示すように、前記露光ユニット40をプリンタ本体12(より正確には、プリンタ本体12が備える本体フレーム400)に固定させるための固定部42が設けられている。他方、本体フレーム400には、前記固定部42を載置させるために本体側固定部402が設けられている(図4参照)。そして、前記本体側固定部402の上面に前記固定部42がネジ止めされると、露光ユニット40はプリンタ本体12に固定される。具体的に説明すると、前記固定部42には、図3に示すように、第一ネジ穴42a、第二ネジ穴42b、第三ネジ穴42cが設けられている。本実施の形態においては、図3に示すように、前記第一ネジ穴42aは露光ユニット40の長手方向の一端側に、前記第二ネジ穴42bは前記長手方向の他端側に、前記第三ネジ穴42cは前記第一ネジ穴42aと前記第二ネジ穴42bとの間に、それぞれ設けられている。他方、図4に示すように、前記本体フレーム400の本体側固定部402には、前記第一ネジ穴42a、前記第二ネジ穴42b、前記第三ネジ穴42cのそれぞれに対応し、前記露光ユニットを固定させるための本体側ネジ穴402a、402b、402cが設けられている。そして、第一ネジ穴42a、第二ネジ穴42b、及び、第三ネジ穴42cが、それぞれ、前記本体側ネジ穴402a、402b、402cと重なるように、前記固定部42が前記本体側固定部402上に載置された後、該固定部42が固定ネジによって本体側固定部402に固定されると、露光ユニット40はプリンタ本体12に固定される。
【0034】
さらに、露光ユニット40の長手方向一端部側にある前記固定部42には、該固定部42の底面から下方に延出した円柱状の突起部43(図3中、突起部43が設けられている位置を破線にて示す)が設けられている。一方、本体側固定部402には、前記突起部43の外径に略等しい径を有する嵌合穴403が設けられている(図4参照)。そして、前記突起部43は、図5に示すように、露光ユニット40の固定部42が本体側固定部402に載置されると、前記嵌合穴403に嵌合するようになる。また、本実施の形態においては、露光ユニット40の固定部42側に突起部43が設けられ、本体側固定部402側に嵌合穴403が設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、本体側固定部402側に突起部が設けられ、露光ユニット40の固定部42側に当該突起部と嵌合するための嵌合穴が設けられることとしてもよい。
【0035】
露光ユニット40がプリンタ本体12に固定されると、該プリンタ本体12に備えられた感光体31にレーザ光を照射可能となる。具体的に説明すると、露光ユニット40の固定位置において、前記露光ユニット40の底面に設けられた短形状の開口41a(図3中、破線にて示す)は、前記プロセスユニット20のプロセスユニットフレーム21の上面に設けられた短形状の入射孔21aと対向するようになる(図1参照)。なお、前記開口41aの長手方向は、図3に示すように、前記露光ユニット40の長手方向に沿っており、他方、前記入射孔21aの長手方向は、図4に示すように、前記プロセスユニット20の長手方向(すなわち、感光体31の回転軸31aの軸方向)に沿っている。そして、この入射孔21aの下方には前記感光体31が位置しており、露光ユニット40から発せられたレーザ光は、前記開口41aと前記入射孔21aとを通過して、感光体31に照射される。そして、露光ユニット40は図3中、記号Qにて示す走査方向に前記レーザ光を発し、前記レーザ光が感光体31に照射されると、前記感光体31の周面において、前記走査方向に沿った潜像が形成される。
【0036】
一方、本実施の形態において、露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付け、該プリンタ本体12に固定させるにあたり、プリンタ本体12における露光ユニット40の固定位置を調整する必要がある。そして、当該固定位置を調整するため、プリンタ本体12に取り付けられた露光ユニット40(すなわち、未固定状態の露光ユニット40)は、回動支点回りに回動可能となっている。具体的に説明すると、前記露光ユニット40がプリンタ本体12に取り付けられ、突起部43が嵌合穴403に嵌合し、かつ、前記固定部42の第一ネジ穴42a、第二ネジ穴42b、及び、第三ネジ穴42cに固定ネジが固定されていない状態では、前記露光ユニット40は、前記突起部43の中心軸回りに回動可能となる。すなわち、前記突起部43は、未固定状態の露光ユニット40の回動支点となる。そして、露光ユニット40を図3中、記号Rにて示す方向に回動させ、該露光ユニット40を所定位置まで移動させることにより前記固定位置は調整される。なお、未固定状態の露光ユニット40が回動可能となるように、前記第一ネジ穴42a、前記第二ネジ穴42b、及び前記第三ネジ穴42cは長穴となっている。
【0037】
===露光ユニット40の固定位置の調整について===
露光ユニット40をプリンタ本体12に固定されると、前述したように、前記露光ユニット40は感光体31に潜像を形成するために前記レーザ光を照射することになる。ここで、前記露光ユニット40の固定位置が変わると、露光ユニット40から照射される前記レーザ光の走査方向も変化する結果、前記潜像の感光体31に対する傾きも変化する。前記固定位置と前記潜像の傾きとの関係について、図6を用いて説明する。
【0038】
図6は、露光ユニット40が感光体31に対してレーザ光を照射することにより形成される潜像について説明するための図である。また、図6においては、説明を分かりやすくするために、前記レーザ光の走査によって感光体31上に形成される潜像は、直線(所謂、走査線)として表されている。すなわち、図6中に示される潜像は、前記レーザ光の走査方向を示すことになる。なお、同図中には、矢印にて、感光体31から見たプリンタ10の奥行方向が示されている。
【0039】
前記露光ユニット40がプリンタ本体12のある位置に固定され、当該位置において露光ユニット40がレーザ光を照射した結果、図6中、記号S’にて示される潜像、すなわち、感光体31の回転軸31aに対して傾いた前記潜像が形成された場合を考える。なお、図6においては、前記潜像S’を分かり易く示すために、同図中の潜像S’の位置は、実際の位置よりも感光体31の回転軸31aから離した位置となっており、また、同図中の潜像S’の感光体31の回転軸31aに対する傾きは、実際の傾きよりも大きくなっている。
【0040】
本来、前記露光ユニット40は、前記回転軸31aに沿う潜像(図6において記号Sにて示される潜像)が形成されるように、前記レーザ光を照射しなければならない。すなわち、前記レーザ光が感光体31に照射される際、照射開始位置及び照射終了位置が、前記感光体31上の所望の照射開始位置(図6中、記号hにて示す)と照射終了位置(図6中、記号iにて示す)に一致するように、前記露光ユニット40の固定位置は調整されなければならない。なお、前記所望の照射開始位置hと照射終了位置iとを結ぶ仮想直線は、図6に示すように、感光体31の回転軸31aと一致している。また、プリンタ10の上面から見た場合、前記所望の照射開始位置h及び照射終了位置iは、図3中、それぞれ記号h、iにて示した位置となる。
【0041】
ここで、プリンタ本体12に取り付けられた状態の露光ユニット40から、仮にレーザ光が前記走査方向に照射されたときの、感光体31上における前記レーザ光の照射開始位置と照射終了位置とが前記所望の照射開始位置及び照射終了位置から外れている場合(すなわち、図6中、記号h’にて示される照射開始位置から記号i’にて示される照射終了位置へ向けてレーザ光が照射された場合)、前記回転軸31aに対して傾いた前記潜像S’が形成されるようになる。かかる場合には、プリンタ本体12に取付けた露光ユニット40を、前記回転軸31aに沿う潜像Sが形成されるような位置(換言すると、照射開始位置h’及び照射終了位置i’が所望の照射開始位置h及び照射終了位置iに一致するような位置)まで移動させて、露光ユニット40の固定位置を調整する必要がある。
【0042】
このため、本実施の形態においては、前述したように、露光ユニット40の固定位置を調整するために、プリンタ本体12に取り付けられた露光ユニット40を回動させることになる。そして、本実施の形態に係るプリンタ10は、露光ユニット40を回転させて、前記固定位置を調整するための機構が設けられている。以下、前記固定位置を調整するために設けられた機構と、当該機構を用いたプリンタ10の製造方法について説明する。
【0043】
<<<露光ユニット40の固定位置を調整するための機構>>>
本実施の形態にかかるプリンタ10には、露光ユニット40の固定位置を調整するために、ダイヤルの一例としての調整ダイヤル500と、回動機構600とが設けられている。以下、前記調整ダイヤル500と回動機構600の構成例等について、図7乃至図12を用いて説明する。
【0044】
図7は、図3における調整ダイヤル500付近の拡大図である。図8は、調整ダイヤル500及び回動機構600の模式断面図であり、図3のA−A断面を示す図である。図9は、調整ダイヤル500の取り付け方法に関する他の例を示す図であり、図9Aは第一変形例に係る取り付け方法を、図9Bは第二変形例に係る取り付け方法を、それぞれ示している。また、図9Cは、第二変形例に係る調整ダイヤル500につまみ部505を設けた図である。図10は、回動機構600が備える付勢部材の他の例を説明するための図である。図11は、本実施の形態にかかるカム620の形状を示す模式図であり、図8中のB−B断面を示す図である。図12は、調整ダイヤル500の操作量に対する、レーザ光の走査方向の傾き度合いの変化量を示す図である。
また、図7及び図9には、矢印にて上下方向を示している。
【0045】
調整ダイヤル500は、露光ユニット40の固定位置を調整する際に、ユーザ等が操作する部材である。そして、調整ダイヤル500が操作されると(換言すれば、調整ダイヤル500が回動すると)、後述する回動機構600が動作して、前記露光ユニット40は回動支点回りに回動するようになる。この調整ダイヤル500は、図3に示すように、前記露光ユニット40の固定部42の上面に回動自在に取り付けられている。さらに、前記調整ダイヤル500は、図7に示すように、該調整ダイヤル500中央に位置する操作部502と、該操作部502の外側に位置する円盤部504とを有している。
【0046】
操作部502は、その頂上面にプラスドライバー等の治具が嵌合可能な穴を備えている。そして、ユーザ等は当該治具を該穴に嵌合させた状態で操作部502を回動させることによって、前記調整ダイヤル500は操作される。
【0047】
円盤部504は、該円盤部504の円周方向において一定の間隔(本実施の形態においては、約30度の間隔)ごとに設けられた、複数の目盛り(本実施の形態においては11本の目盛り)を備えている。そして、前記調整ダイヤル500は、当該目盛りが備えられている範囲内において操作される。すなわち、本実施の形態に係る調整ダイヤル500の操作量は、最大約300度となる。さらに、前記目盛りには、図6に示すように、それぞれ−5から5までの連続した整数値が付されており、ユーザ等は、前記調整ダイヤル500を操作する際、当該値を見て調整ダイヤル500を操作する。また、調整ダイヤル500に隣接する位置には、前記目盛りを指示する目盛り指示部506が設けられている。この目盛り指示部506は、図8に示すように、固定部42上に設けられた突起である。ユーザ等は、露光ユニット40の固定位置を調整する際、前記調整ダイヤル500の目盛りの表示、すなわち、前記目盛り指示部506が指示する目盛りの値に従って、該調整ダイヤル500を操作することになる。
【0048】
また、本実施の形態においては、前記目盛りには値が付されていることとしたが、これに限定されるものではなく、値の代わりに記号等が前記目盛りに付されていることとしてもよい。また、目盛りには値や記号等が付されていなくともよい。
【0049】
回動機構600は、前記調整ダイヤル500と連動して、前記露光ユニット40を回動させるものである。回動機構600は、図8に示すように、連結軸610と、カム620と、当接面630と、付勢部材640とを有している。また、本実施の形態において、前記連結軸610と前記カム620とは、前記露光ユニット40の下部に備えられており、該露光ユニット40が本体フレーム400上に取り付けられると、図8に示すように、本体側固定部402に設けられた窪み状の回動機構収容部402d内に収容される。
【0050】
連結軸610は、前記調整ダイヤル500の下方に設けられ、該調整ダイヤル500と後述のカム620とを連結するものである。また、連結軸610の軸方向の一端は、調整ダイヤル500の底面に固定されている。また、本実施の形態においては、前記調整ダイヤル500の回動軸と前記連結軸610の中心軸とは略一致している。また、前記連結軸610の軸方向の一端部は、図8に示すように、露光ユニット40の固定部42に設けられた軸支持部42dによって支持されている。この結果、前記調整ダイヤル500が操作された際、該調整ダイヤル500と一体的に回動する。
【0051】
カム620は、前記連結軸610の軸方向他端部に支持され、前記調整ダイヤル500が操作された際、該調整ダイヤル500及び前記連結軸610と一体的に回動するものである。そして、このカム620が、該カム620の周面が後述の当接面630に当接した状態で回動することにより、前記露光ユニット40は回動する。また、本実施の形態に係るカム620には前記連結軸610が嵌合するため穴が設けられており、前記連結軸610の軸方向他端部が当該穴に嵌合した状態で、該連結軸610に支持されている。したがって、調整ダイヤル500が操作されると、前記カム620は、前記連結軸610の中心軸を回動中心として、前記調整ダイヤル500の操作量の大きさに応じた回動量だけ回動することとなる。このため、本実施の形態に係るカム620の回動量は最大約300度となる。なお、当該カム620の形状については、後述する。
【0052】
当接面630は、プリンタ本体12に設けられたカム当接面であり、本実施の形態においては、図8に示すように、前記回動機構収容部402dの内壁面の一面に相当する。
【0053】
付勢部材640は、該カム620を前記当接面630に向けて付勢する部材であり、本実施の形態においては、図8に示すように、該付勢部材640の一端は回動機構収容部402dの壁面に固定され、他端は前記連結軸610を付勢している。すなわち、本実施の形態に係る付勢部材640は、連結軸610を介して、間接的に、前記カム620を当接面630に向けて付勢している。
【0054】
なお、付勢部材640としては、前記カム620の回動時、該カム620の周面が前記当接面630に押し当たるように、前記カム620を付勢する部材であれば制限なく使用可能である。他の付勢部材640としては、例えば、図10に示すような板バネ状の付勢部材642が用いられてもよい。この板バネ状の付勢部材642は、本体側固定部402に設けられた板バネ収容穴402eに収容されている。一方、露光ユニット40の固定部42が本体側固定部402に載置されると、図10に示すように、露光ユニット40の固定部42に設けられた係合穴42eが、前記板バネ収容穴402eの上方に位置するようになる。さらに、前記板バネ状の付勢部材642は、前記係合穴42eに係合して該係合穴42e内で前記固定部42に押しあたっている。これにより、前記板バネ状の付勢部材642の弾性力が前記カム620に間接的に作用し、該カム620は当接面630に向けて付勢されるようになる。
【0055】
ところで、本実施の形態に係る調整ダイヤル500は、連結軸610及びカム620と一体化されており、前記連結軸610が露光ユニット40の固定部42の軸支持部42dにより支持されることで、露光ユニット40に取り付けられている。但し、調整ダイヤル500を露光ユニット40に取り付ける方法は他にも考えられる。例えば、図9Aに示す取り付け方法(第一変形例)においては、図8に示す取り付け方法と同様、調整ダイヤル500と連結軸610とカム620とが一体化している。なお、カム620の形状も図8に示すカム620と同じものである。他方、前記連結軸610の外径はカム620の最大外径(すなわち、最大カム径)よりも大きくなっている。また、露光ユニット40の固定部42には、連結軸610の外形に略等しい径を有する嵌合穴が設けられている。そして、当該嵌合穴に連結軸610を嵌合することにより調整ダイヤル500は前記固定部42に取り付けられる。さらに、第一変形例においては、連結軸610を嵌合穴に嵌合する際、該連結軸610がスナップフィット方式により前記嵌合穴に固定される。具体的に説明すると、図9Aに示すように、前記連結軸610の周面上に設けられた締結部612が、前記嵌合穴の内壁に設けられた切欠き部42fに嵌り込むことにより、前記連結軸610は前記嵌合穴に固定される。かかる場合、調整ダイヤル500は、前記露光ユニット40の固定部42から抜け外れることがない状態で、前記露光ユニット40に取り付けられる。
【0056】
さらに、図9Bに示す取り付け方法(第二変形例)においては、図8に示す取り付け方法と同様、調整ダイヤル500と連結軸610とカム620(図8に示すカム620と同じカム)とが一体化しており、前記連結軸610の外径がカム620の最大外径(すなわち、最大カム径)よりも大きくなっている。また、露光ユニット40の固定部42には、第一変形例と同様、連結軸610の外形に略等しい径を有する嵌合穴が設けられている。そして、第二変形例においては、当該嵌合穴に連結軸610を嵌合して、調整ダイヤル500は前記固定部42に取り付けられる。すなわち、連結軸610は嵌合穴に固定されていないため、調整ダイヤル500は前記固定部42に対して脱着可能となっている。このため、露光ユニット40の傾きを調整するときのみ、調整ダイヤル500を前記固定部42に取り付けることも可能となる。例えば、プリンタ10の製造工程中、露光ユニット40の傾きを調整する際に調整ダイヤル500を取り付け、該露光ユニット40の傾きが調整された後には調整ダイヤル500を取り外して、プリンタ10を出荷することとしてもよい。また、調整ダイヤル500の操作部502につまみ等(例えば、図9Cに示すつまみ部505)が設けられていると、該調整ダイヤル500の取り付け・取り外しが容易になるとともに、該調整ダイヤル500の操作も容易に行うことが可能となる。
【0057】
一方、調整ダイヤル500は、前記露光ユニット40に取り付けられる場合に限定されるものではない。すなわち、例えば、プリンタ本体12の露光ユニット40から離間した位置に設けられた調整ダイヤル500であっても、前記回動機構600が該調整ダイヤル500に連動して、前記露光ユニット40を回動させる限り使用可能である。
【0058】
このように構成された調整ダイヤル500及び回動機構600を用いることにより、プリンタ本体12に取り付けられた状態の露光ユニット40は、調整ダイヤル500が操作されると回動支点回りに回動する。具体的に説明すると、調整ダイヤル500が操作されると、回動機構600のカム620は、該カム620の周面が前記付勢部材640により付勢されながら当接面630と当接した状態で、該調整ダイヤル500の操作量だけ回動する。そして、前記カム620の回動によって、該カム620の周面の前記当接面630と当接する位置(以下、単に当接位置と呼ぶ)が変化する。さらに、当該当接位置の変化に伴って、該当接位置におけるカム径(図11中、記号rにて示す)、すなわち、カム620の回動中心から前記当接面630までの距離が変化する。この結果、前記カム620を支持する連結軸610が、回動機構収容部402d内において、図8中、矢印にて示す方向に移動する。さらに、連結軸610の移動に伴って、該連結軸610を支持する軸支持部42dが移動する結果、該軸支持部42dを備える露光ユニット40が回動することとなる。したがって、調整ダイヤル500の操作量の大きさが大きくなるほど、前記カム620の回動量、及び、前記露光ユニット40の回動量も大きくなることになる。このように、調整ダイヤル500が操作されると、前記回動機構600は調整ダイヤル500の操作量に応じた回動量だけ前記露光ユニット40を回動させ、該露光ユニット40は所定の位置まで移動する結果、前期露光ユニット40の固定位置が調整されることとなる。また、露光ユニット40の回動に伴い、該露光ユニット40から感光体31に照射されるレーザ光の走査方向の傾きが変化することとなる。より具体的に説明すると、図6中、感光体31の周方向における前記潜像の一端(すなわち、図6中の照射開始位置h’)から他端(すなわち、図6中の照射終了位置i’)までの距離(図6中、記号xにて示す)が変化することとなる。
【0059】
ところで、調整ダイヤル500が操作されたとき、一目盛り分の調整ダイヤル500の操作量に対する被調整量は、該調整ダイヤル500の操作範囲(本実施の形態においては、目盛りが付されている範囲)全域に渡って一定となっている。すなわち、本実施の形態において、前記調整ダイヤル500の操作量と前記操作方向の傾き度合い(図6中の距離x)の変化量との関係は、図12に示すように略直線関係となっている。特に、本実施の形態に係る調整ダイヤル500の目盛りは、該調整ダイヤル500が一目盛りずつ操作されると前記レーザ光の走査方向の傾き、すなわち、前記距離xが所定量(本実施の形態においては、約0.1mm)ずつ変化するように設定されている。したがって、ユーザ等が、前記目盛り指示部506が指示する目盛りの値に従って、ある数値分のダイヤル操作を行うと、回動機構600は、距離xが当該数値分変化するように露光ユニット40を回動させることとなる。例えば、前記目盛り指示部506が指示する目盛りの値が0から3へ変わるように調整ダイヤル500が操作された場合、距離xは約0.3mmだけ変化し、前記値が−2から−4へ変わるように操作された場合、距離xは約−0.2mmだけ変化することとなる。なお、前記距離xの変化量について、図6中、前記潜像がプリンタ10の奥行方向の奥側に移動するときの変化量を正の変化量と、手前側に移動するときの変化量を負の変化量とする。
【0060】
また、本実施の形態において、前記目盛り指示部506は、調整ダイヤル500が操作される前(すなわち、露光ユニット40の固定位置を調整する前)には、値0が付されている目盛りを指示している。つまり、露光ユニット40が本体フレーム400に取り付けられたとき、調整ダイヤル500と目盛り指示部506は図7に示す状態になっている。これにより、ダイヤル操作時に前記目盛り指示部506が指示する目盛りの値は、露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付けた位置から回動させた際の、前記距離xの変化量を示すようになる。このため、前記距離xは約0.5〜−0.5mmの範囲において変化することとなる。そして、例えば、目盛り指示部506が値−3の目盛りを指示するように調整ダイヤル500が操作されると、露光ユニット40は、図3中の方向Rにおいて、プリンタ10の奥行方向の奥側に向かって回動し、距離xは約0.3mm変化することとなる。
【0061】
一方、前記カム620の形状は、前記調整ダイヤル500の操作量とレーザ光の走査方向の傾き度合いの変化量(図6中の距離x)とが略直線関係(図12参照)となるような形状となっている。特に、本実施の形態に係るカム620の形状は、前記調整ダイヤル500が約30度回動すると、前記露光ユニット40を回動させて、前記距離xが約0.1mmずつ変化するように設計されている。また、前記カム620の形状は、図11に示すように、カム620の周方向の一端(図11中、記号aにて示す)から他端(図11中、記号bにて示す)に向かって、カムの回動中心からカム620の周面までの距離、すなわち、前記カム径が漸次短くなっている。すなわち、前記周方向の一端aから図11中、記号lにて示す距離だけ離れた位置のカム径rは、前記一端aにおけるカム径rの長さよりも、前記当該距離lに応じた長さ分、短くなっている。また、前記カム620の周面のうち、前記目盛り指示部506が値0の目盛りを指示しているときの当接位置は、前記周方向において、該周方向の一端aから約150度離れた位置(図11中、記号cにて示す)である。
【0062】
また、露光ユニット40の回動支点となる前記突起部43は、図3に示すように、所望の照射開始位置hの近傍に設けられている。このように露光ユニット40がプリンタ本体12に取付けられたとき、前記露光ユニット40の回動支点の位置が前記所望の照射開始位置hに近づいているほど、照射開始位置h’(すなわち、露光ユニット40がプリンタ本体12に取り付けられた状態で仮にレーザ光が前記走査方向に照射された際の照射開始位置)が前記所望の照射開始位置hに近づくようになる。そして、本実施の形態に係る回動支点の位置は、露光ユニット40をプリンタ本体12に取付けるだけで、前記照射開始位置h’が所望の照射開始位置hに略一致するような位置となっている。
【0063】
<<<プリンタ10の製造方法について>>>
次に、本実施の形態におけるプリンタ10の製造方法に関して、図13及び図14を用いて説明する。なお、当該プリンタ10の製造方法のうち、特に、露光ユニット40の固定位置の調整に着目して説明する。
【0064】
図13は、プリンタ10の製造手順を示すフローチャートである。図14は、プリンタ本体12に取り付ける前の露光ユニット40について、該露光ユニット40から発せられるレーザ光の走査方向の傾きを測定する傾き測定用治具800の一例を示す模式図である。
なお、図14には、矢印にて、傾き測定用治具800の長手方向及び短手方向が示されている。
【0065】
先ず、露光ユニット40を用意し、プリンタ本体12に取り付ける前に、該露光ユニット40から発せられるレーザ光の走査方向の傾き(以下、取り付け前の走査方向の傾き)を把握する(ステップS2)。そして、本実施の形態において、前記傾きは、図14に示す傾き測定用治具800を用いて測定される。
【0066】
この傾き測定用治具800は、前記取り付け前の走査方向の傾きを測定するための治具である。そして、当該傾き測定用治具800に露光ユニット40を固定し、該傾き測定用治具800上において露光ユニット40がレーザ光を発する(すなわち、露光ユニット40が傾き測定用治具800に対してレーザ光を照射する)ことによって、前記取り付け前の走査方向の傾きが測定される。
【0067】
より具体的に説明すると、傾き測定用治具800は、図14に示すように、その長手方向両端部に該傾き測定用治具800上における前記レーザ光の照射位置を測定するための光学系センサ810を備えている。そして、露光ユニット40がレーザ光を照射する際、該レーザ光の照射方向が走査方向(図14中、破線にて示す)に沿って移動すると、前記光学系センサ810によって、前記走査方向の一端(図14中、記号aにて示す)と、他端(図14中、記号bにて示す)が測定される。ここで、前記一端aと他端bとは、それぞれ、前記傾き測定用治具800上における前記レーザ光の照射開始位置、照射終了位置に相当する位置である。また、測定された前記一端aと前記他端bについて、それぞれ、傾き測定用治具800上の基準位置(本実施の形態においては、該傾き測定用治具800の短手方向一端)からの距離(図14中、記号ay、byにてそれぞれ示す)が測定される。最終的に、距離ayと距離byとの差(より正確には、距離byから距離ayを引いた値)が求められ、当該差が前記取り付け前の走査方向の傾きとして把握される。なお、測定された前記取り付け前の走査方向の傾きは、前記露光ユニット40の固定位置を調整する際に用いる情報になる。すなわち、前記取り付け前の走査方向の傾きは、調整ダイヤル500の操作量のパラメータとなる。
【0068】
次に、プリンタ本体12を用意して、該プリンタ本体12に前記露光ユニット40を取り付ける(ステップS4)。すなわち、前記露光ユニット40の固定部42を本体側固定部402に載置し、露光ユニット40が回動可能となるように、前記突起部43を嵌合穴403に嵌合する。なお、前記露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付けた位置において、仮に前記露光ユニット40から感光体31に対してレーザ光を照射した場合には、前記感光体31上に形成される潜像は、感光体31の回転軸31aに対して、前記取り付け前の走査方向の傾きだけ傾くようになる。つまり、プリンタ本体12に取り付けられた状態の露光ユニット40は、図6中における距離xの大きさが前記取り付け前の走査方向の傾きと等しくなる潜像、を形成するようにレーザ光を照射する位置に取り付けられることになる。
【0069】
次に、調整ダイヤル500を操作して、回動機構600により前記露光ユニット40を回動させて、該露光ユニット40をプリンタ本体12における固定位置まで移動させる(ステップS6)。本工程は、調整ダイヤル500を操作し、露光ユニット40を、該露光ユニット40が前記プリンタ本体12に取り付けられた位置から回動させて、該露光ユニット40の固定位置を調整する工程である。また、本実施の形態において、調整ダイヤル500は前記取り付け前の走査方向の傾きに応じた操作量だけ操作することとなる。より具体的に説明すると、前記調整ダイヤル500は、前記取り付け前の走査方向の傾きの数値だけ操作されることとなる。例えば、前記取り付け前の走査方向の傾きの測定値が約−0.2mmとなった場合、目盛り指示部506が指示する目盛りの値が0から−2に変わるように、前記調整ダイヤル500を操作する。
【0070】
この結果、露光ユニット40を、距離xの大きさが約−0.2mmである潜像が形成されるような位置から移動させ、前記露光ユニット40の固定位置が感光体31の回転軸31aに沿った潜像が形成されるような位置(すなわち、前記距離xの大きさが約0mmになる位置)に調整されることとなる。
【0071】
そして、調整された固定位置において、第一ネジ穴42a、第二ネジ穴42b、第三ネジ穴42cに固定ネジを固定することにより、露光ユニット40がプリンタ本体12に固定され(ステップS8)、プリンタ10の製造が完了する。
【0072】
===本実施の形態に係るプリンタ10の製造方法の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係るプリンタ10の製造方法は、潜像を担持するための感光体31を備えたプリンタ本体12と、該プリンタ本体12に取り付けられ、前記感光体31にレーザ光を照射するための露光ユニット40と、該露光ユニット40を回動支点回りに回動させるための回動機構600と、を有するプリンタ10の製造方法であって、前記露光ユニット40から発せられるレーザ光の走査方向の傾きを把握するステップと、前記露光ユニット40を前記プリンタ本体12に取り付けるステップと、前記回動機構600を動作させるために操作される調整ダイヤル500であって、該調整ダイヤル500の操作量の大きさが大きくなるほど、前記回動機構600による露光ユニット40の回動量が大きくなる調整ダイヤル500、を前記傾きに応じた操作量だけ操作して該露光ユニット40を回動させることにより、該露光ユニット40を固定位置へ移動させるステップと、該露光ユニット40を該固定位置で前記プリンタ本体12に固定するステップと、を有する。このことにより、露光ユニット40の固定位置を簡便に調整することである。
【0073】
すなわち、発明が解決しようとする課題の項で説明したとおり、前記露光ユニット40は適切に前記感光体31に対してレーザ光を照射する必要がある。しかし、前記露光ユニット40がプリンタ本体12に適切に固定されていない場合、例えば、露光ユニット40が感光体31に対して傾いて固定された場合には、前記レーザ光の走査方向が感光体31の回転軸31aに対して傾いてしまう。この結果、感光体31上に形成される潜像が前記回転軸31aに対して傾き、さらに、最終的に媒体に形成される画像が前記媒体に対して傾いてしまう虞がある。
【0074】
このような画像の傾き(所謂、画像のスキュー)を抑制するためには、前記露光ユニット40の固定位置を調整して、該露光ユニット40を、感光体31に対して適切にレーザ光を照射可能な位置に固定する必要がある。
【0075】
しかしながら、当該固定位置の調整作業においては、従来、ユーザ等が露光ユニット40を持ちながら該露光ユニット40を動かすことにより、前記固定位置を調整していたため、前記手間を要するものであった。
【0076】
また、前記固定位置は、該露光ユニット40の製品間の差による影響を受ける場合がある。このため、露光ユニット40の交換等にあたり、新しい露光ユニット40をプリンタ本体12に固定させる際には、前記固定位置の調整がより困難なものとなっていた。
【0077】
これに対し、本実施の形態に係るプリンタ10の製造方法において、露光ユニット40の固定位置を調整するために、ユーザ等は、露光ユニット40から発せられるレーザ光の走査方向の傾きを把握して、当該傾きに応じた操作量だけ調整ダイヤル500を操作する。これにより、プリンタ本体12に取り付けられた状態の露光ユニット40は、前記回動機構600の動作によって、前記レーザ光が感光体31に対して適切に照射される位置まで移動する。そして、ユーザ等は当該位置に露光ユニット40を固定することになり、前記露光ユニット40の固定位置が、従来よりも簡便に調整されることとなる。なお、このような効果を奏するプリンタ10の製造方法は、新規にプリンタ10を製作する場合のみならず、例えば、露光ユニット40を交換し、新たな露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付ける場合にも適用可能である。すなわち、本発明中の製造方法とは、新規にプリンタ10を製造する方法のほか、露光ユニット40の取付け及び固定を伴うプリンタ10の修理方法や露光ユニット40の交換方法等を含むものとなっている。
【0078】
===媒体の搬送方向に対する傾きを考慮したプリンタ10の製造方法===
画像のスキューを発生させる要因としては、前記露光ユニット40から感光体31に対して照射されるレーザ光の走査方向の傾きの他に、例えば、プリンタ10の動作時、媒体が給紙ローラ94により転写ユニット70へ向けて搬送されるときに生じる、該媒体の搬送方向に対する傾き(以下、単に、媒体の傾きと呼ぶ)が挙げられる。上記のプリンタ10の製造方法においては、当該媒体の傾きが発生しないこと、すなわち、前記媒体が適切に搬送されることを前提とする露光ユニット40の固定位置の調整方法を説明した。本項においては、前記固定位置を調整する際に前記媒体の傾きを考慮する場合のプリンタ10の製造方法について、図15を用いて説明する。図15は、前記媒体の傾きを考慮したプリンタ10の製造方法のフローチャートである。
【0079】
先ず、既述のプリンタ10の製造方法と同様に、露光ユニット40を用意し、該露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付ける前に、取り付け前の走査方向の傾きを傾き測定用治具800等により測定して把握する(ステップS22)。
次に、前記媒体の傾きについて推定する(ステップS24)。すなわち、ユーザ等は経験等に基づき、プリンタ10が動作する際に生じる前記媒体の傾きを推定する。
次に、プリンタ本体12を用意し、該プリンタ本体12に前記露光ユニット40を取り付ける(ステップ26)。この際、露光ユニット40は、推定された前記媒体の傾きに応じた量だけ傾かせて、プリンタ本体12に取り付けられることとなる。換言すると、本変形例の露光ユニット40の取り付け位置は、前記媒体の傾きを考慮しない場合の取り付け位置よりも、推定された前記媒体の傾きに応じた量だけ傾いた位置になっている。
【0080】
このように、露光ユニット40を、推定された前記媒体の傾きに応じた量だけ傾かせて、プリンタ本体12に取り付ける方策としては、例えば、推定された前記媒体の傾きに応じてカム620のカム径rの長さを長く(短く)してもよい。あるいは、露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付けた時点(すなわち、調整ダイヤル500を操作する前)における、前記目盛り指示部506が指示する目盛りの値と、前記カム620の周面の当接位置を調整することとしてもよい。この結果、前記露光ユニット40がプリンタ本体12に取り付けられ、前記カム620が回動機構収容部402d内において当接面630と当接すると、前記露光ユニット40は、推定された前記媒体の傾きに応じた量だけ傾いて、プリンタ本体12に取り付けられるようになる。
【0081】
次に、測定された前記取り付け前の走査方向の傾きの数値だけ調整ダイヤル500を操作し、前記回動機構600にて露光ユニット40を回動させて、該露光ユニット40を固定位置まで移動させる(ステップS28)。その後、当該固定位置において、露光ユニット40をプリンタ本体12に固定して(ステップS30)、プリンタ10の製造が完了する。
【0082】
以上のように、媒体の傾きを考慮したプリンタ10の製造方法においては、推定された媒体の前記傾きを反映して、前記露光ユニット40の固定位置が調整されることとなる。この結果、媒体の搬送方向に対する傾きを考慮したプリンタ10の製造方法は、画像のスキューをより効果的に抑制することが可能となる。
【0083】
===他のプリンタ10の製造方法について===
上記のプリンタ10の製造方法は、露光ユニット40の固定位置を調整する際に、該露光ユニット40の取り付け前の走査方向の傾きを測定し、当該取り付け前の走査方向の傾きに応じた操作量、すなわち、測定した前記取り付け前の走査方向の傾きの数値だけ調整ダイヤル500を操作する場合(以下、本件例と呼ぶ)について説明するものである。しかしながら、当該本件例は、前記固定位置の調整工程を含むプリンタ10の製造方法の一例であって、他の例も考えられる。本項では、本件例とは異なる調整工程を含むプリンタ10の製造方法(以下、変更例とする)を、図16乃至図18Bを用いて説明する。
【0084】
図16は、変更例に係るプリンタ10の製造方法のフローチャートを示す。図17は、露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付けた後、プリンタ10によって媒体に形成されたテストパターンの一例を示す模式図である。図18A及び図18Bは、テストパターンの変形例を示す模式図であり、図18Aにはテストパターンの第一変形例を、図18Bにはテストパターンの第二変形例を、それぞれ示す。
また、図17乃至図18Bには、媒体の主走査方向及び副走査方向がそれぞれ示されている。
【0085】
先ず、露光ユニット40とプリンタ本体12を用意し、該露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付ける(ステップS42)。その後、プリンタ10を動作させて、該プリンタ10に媒体へのテストパターンの形成を実行させる(ステップS44)。そして、本変更例におけるテストパターンは、図17に示すように、一直線状のパターンである。
【0086】
ここで、当該テストパターンは媒体の主走査方向に沿うように形成されるように設定されている。このため、プリンタ10内において、媒体が適切に搬送され、かつ、露光ユニット40から照射されるレーザ光の走査方向が感光体31の回転軸31aに一致する場合(すなわち、レーザ光の照射開始位置及び照射終了位置が、それぞれ、所望の照射開始位置h及び照射終了位置iに一致する場合)には、前記テストパターンは図17中、破線にて示されるパターンが媒体上に形成される。一方、媒体が搬送される際に該媒体が搬送方向に対して傾いた場合、あるいは、前記レーザ光の走査方向が前記回転軸31aの軸方向に対して傾いている場合、図17中、実線にて示すパターンのように、前記主走査方向に対して傾いたパターンが形成される。なお、図17においては、前記テストパターンを分かり易く示すために、同図中、実線にて示すテストパターンの傾きは、実際の傾きよりも大きくしている。そして、以下の説明においては、主走査方向に対して傾いたテストパターンが形成された場合について説明する。
【0087】
次に、前記テストパターンの傾きを求める(ステップS46)。具体的には、媒体の副走査方向における基準位置(本実施の形態においては、副走査方向の一端)から前記テストパターンの両端までの距離(図17中、記号a及び記号bにて示す)を測定し、距離bと距離aの差(より正確には、距離bから距離aを引いた値)を、テストパターンの傾きとする。そして、当該テストパターンの傾きは、調整ダイヤル500の操作量のパラメータとなる。また、前記テストパターンに関する感光体31上に形成される潜像(より正確には当該潜像を可視化したトナー像)は、媒体の主走査方向において反転して前記媒体に転写されている。このため、テストパターンの一端aは感光体31上の照射開始位置h’に、前記テストパターンの他端bは照射終了位置i’に、それぞれ対応している。
【0088】
次に、調整ダイヤル500を操作して、回動機構600により前記露光ユニット40を回動させて、該露光ユニット40をプリンタ本体12における固定位置まで移動させる(ステップS48)。この際、調整ダイヤル500は前記テストパターンの傾きに応じた操作量、より具体的には、前記テストパターンの傾きの数値だけ操作されることとなる。例えば、測定された前記テストパターンの傾きが約−0.2mmであった場合、目盛り指示部506が指示する目盛りの値が0から−2に変わるように、前記調整ダイヤル500を操作する。これにより、前記回動機構600によって露光ユニット40が図3の方向Rにおいてプリンタ10の奥行方向奥側へ向かうように回動する。この結果、露光ユニット40から感光体31に対して照射されるレーザ光の走査方向の傾き(すなわち、図6における距離x)が約−0.2mm変化する。換言すれば、調整ダイヤル500を操作して露光ユニット40の固定位置を調整した後に同様のテストパターンを形成した場合、当該テストパターンの傾きは約0mmとなることになる。
【0089】
そして、露光ユニット40を、回動後の位置においてプリンタ本体12に固定して(ステップS50)、プリンタ10の製造が完了する。
【0090】
なお、上記の変更例においては、一直線状のテストパターンを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、図18Aや図18に示すような他のテストパターンを用いることとしてもよい。以下、他のテストパターンの一例について説明する。
【0091】
図18Aに示すテストパターンには、同一の幅を有する複数の線分が描かれている。具体的には、媒体の主走査方向一端側に基準線分(図18A中、記号Sにて示す)が、主走査方向他端側に規則的に配列した11本の線分が、それぞれ描かれている。また、当該11本の線分には、それぞれ、−5〜5の連続した値が付されている。そして、図18Aに示すように、値0が付された線分から副走査方向の一端側(他端側)に向かって、約0.1mmごとに線分が階段状に並んでいる。例えば、値−3が付された線分は、値0が付された線分から前記副走査方向の他端側に約0.3mm離れた位置にある。また、前記媒体の主走査方向の一端側に描かれた線分のそれぞれに付された前記連続した値は、調整ダイヤル500の操作量(すなわち、レーザ光の走査方向の傾き度合いの変化量)に対応する値である。なお、この値がユーザ等に視認されるように、前記媒体の主走査方向の一端側に描かれた各線分は、主走査方向に対して一定の間隔を設けて配置されていることとしてもよい。
【0092】
ここで、当該テストパターンの潜像が感光体31上に形成される際、前記基準線分Sの潜像は照射開始位置h’側に形成されるのに対し、前記複数の線分の潜像は照射終了位置i’側に形成されることとなる。そして、当該テストパターンは、プリンタ10内において、媒体が適切に搬送され、かつ、露光ユニット40から照射されるレーザ光の走査方向が感光体31の回転軸31aの軸方向と一致している場合(すなわち、レーザ光の照射開始位置及び照射終了位置が、それぞれ所望の照射開始位置h及び照射終了位置iに一致する場合)、前記副走査方向において、前記基準線分Sと値0の線分とは同じ位置に描かれるように設定されている。
【0093】
一方、プリンタ10内において、媒体が搬送方向に対して傾くように搬送され、あるいは、前記レーザ光の走査方向が前記回転軸31aに対して傾いていた場合、前記副走査方向において、前記基準線分Sと、値0の線分とが異なる位置に描かれるようになる。このようなテストパターンが得られた場合、前記副走査方向において、前記基準線分Sと同じ位置に描かれた線分を求め、当該線分と値0の線分との間隔を測定する。そして、当該測定値が、図18Aに示すテストパターンの傾きになる。なお、図18Aに示されたテストパターンにおいては、副走査方向において、値−3の線分が前記基準線分Sと同じ位置に描かれている。したがって、当該テストパターンの傾きは約−0.3mmとなる。
【0094】
また、テストパターンについては、図18Bに示すようなパターンも考えられる。当該テストパターンは、図18A中の媒体の主走査方向他端側に示された11本の線分について、前記媒体の副走査方向における配置を変更したものである。また、本テストパターンにおいては、値0の線分が主走査方向において最も他端側に描かれている。本来、テストパターンの傾きを適切に測定するためには、前記主走査方向他端側にある複数の線分は、前記主走査方向の最も他端側に寄せて描かれている方が望ましい。しかし、前記複数の線分は、視認され易くするために、図18Bに示すように、主走査方向に並べて描かれている。この結果、当該主走査方向の中央側に描かれた線分ほど、テストパターンの傾きの測定精度が低下することになる。そこで、値0の線分が前記主走査方向の最も他端側に描かれることにより、当該値0の線分から測定されるテストパターンの傾きが精度良く測定されることになる。換言すると、テストパターンの傾きを測定するための位置として最適な位置に値0の線分が描かれているため、調整ダイヤル500を操作した後、再度、本テストパターンを取得して、値0の線分の位置を確認すれば、露光ユニット40の固定位置が適切に調整されたか(すなわち、テストパターンの傾きが解消されたか)を的確に判断することが可能となる。
【0095】
なお、上記の各テストパターンを取得するために、プリンタ10に内蔵されたROMやRAM等にテストパターン形成用データが格納されていることとしてもよい。あるいはWebやCD−ROM等の外部の記憶媒体から前記テストパターンデータを取得することとしてもよい。
【0096】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る現像剤カートリッジ等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0097】
上記実施の形態においては、画像形成装置として所謂非中間転写型のモノクロレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型のモノクロレーザビームプリンタ、カラーレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
【0098】
また、上記実施の形態においては、前記露光ユニットを前記プリンタ本体12に取り付ける前に、該露光ユニット40の取り付け前の走査方向の傾きを、傾き測定用治具800等を用いて測定する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、露光ユニット40から発せられるレーザ光の走査方向の傾きを示す表示が前記露光ユニット40に設けられている場合、当該表示を見て、前記レーザ光の走査方向の傾きを把握することとしてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態において、前記調整ダイヤル500は、目盛りを有し、該目盛りの表示に従って、ある数値分のダイヤル操作を行うと、前記プリンタ本体12に取り付けられた前記レーザ光の走査方向の傾き(すなわち、図6中の距離x)が該数値分変化するように、前記回動機構600を動作させて前記露光ユニット40を回動させるダイヤルである例について説明した。
【0100】
そして、露光ユニット40の取り付け前の走査方向の傾きを測定した場合(本件例)には、前記調整ダイヤル500を、測定された前記取り付け前の走査方向の傾きの数値だけ操作することとした。他方、プリンタ10にテストパターンの形成動作を実行させて、該テストパターンの傾きを求めた場合(変形例)には、前記調整ダイヤル500を、求めたテストパターンの傾きの数値だけ操作することとした。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、前記調整ダイヤル500は目盛りを有していないこととしてもよい。但し、調整ダイヤル500に目盛りがある場合に、該目盛りの表示に従い、前記取り付け前の走査方向の傾きの数値(または、前記テストパターンの傾きの数値)だけ前記調整ダイヤル500を操作すれば、前記露光ユニット40の固定位置は調整されることとなる。この結果、前記固定位置の調整がより簡便なものとなるため、上記実施の形態の方がより望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】図1のプリンタ10の制御ユニット100を示すブロック図である。
【図3】露光ユニット40を備えたプリンタ10の上面図である。
【図4】プリンタ本体12の上面図である。
【図5】図3中のI−I断面を示す図である。
【図6】露光ユニット40が感光体31に対してレーザ光を照射することにより形成される潜像について説明するための図である
【図7】図3における調整ダイヤル500付近の拡大図である。
【図8】調整ダイヤル500及び回動機構600の模式断面図であり、図3のA−A断面を示す図である。
【図9】調整ダイヤル500の取り付け方法に関する他の例を示す図であり、図9Aは第一変形例に係る取り付け方法を、図9Bは第二変形例に係る取り付け方法を示した図であり、また、図9Cは、第二変形例に係る調整ダイヤル500につまみ部505を設けた図である。
【図10】傾き調整機構600が備える付勢部材の他の例を説明するための図である。
【図11】本実施の形態に係るカム620の形状を示す模式図であり、図8中のB−B断面を示す図である。
【図12】調整ダイヤル500の操作量に対する、レーザ光の走査方向の傾き度合いの変化量を示す図である。
【図13】プリンタ10の製造手順を示すフローチャートである。
【図14】露光ユニット40から発せられるレーザ光の走査方向の傾きを測定する傾き測定用治具800の一例を示す模式図である。
【図15】媒体の搬送方向に対する傾きを考慮したときのプリンタ10の製造方法のフローチャートである。
【図16】変更例に係るプリンタ10の製造方法のフローチャートを示す。
【図17】露光ユニット40をプリンタ本体12に取り付けた後、プリンタ10によって媒体に形成されたテストパターンの一例を示す模式図である。
【図18A】テストパターンの第一変形例を示す模式図である。
【図18B】テストパターンの第二変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0102】
10 プリンタ、12 プリンタ本体、20 プロセスユニット、
21 プロセスユニットフレーム、21a 入射孔、31 感光体、
31a 回転軸、32 帯電器、39 ローラ、40 露光ユニット、
41 ユニットフレーム、41a 開口、42 固定部、42a 第一ネジ穴、
42b 第二ネジ穴、42c 第三ネジ穴、42d 軸支持部、42e 係合穴、
42f 切欠き部、43 突起部、50 現像部、51 トナー収容部、
52 現像ローラ、53 供給ローラ、54 規制ブレード、
60 アジテータ、68 トナーカートリッジ、70 転写ユニット、
80 定着ユニット、80a 定着ローラ、80b 加圧ローラ、
92 給紙カセット、94 給紙ローラ、95 搬送ローラ、96 排紙ローラ、
98 排紙トレイ、100 制御ユニット、101 メインコントローラ、
102 ユニットコントローラ、112 インターフェイス、113 画像メモリ、
400 本体フレーム、402 本体側固定部、
402a、402b、402c 本体側ネジ穴、402d 回動機構収容部、
402e 板バネ収容穴、403 嵌合穴、500 調整ダイヤル、
502 操作部、504 円盤部、505 つまみ部、506 目盛り指示部、
600 回動機構、610 連結軸、612 締結部、620 カム、
630 当接面、640 付勢部材、642 板バネ状の付勢部材、
800 傾き測定用治具
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人


【公開番号】 特開2008−18638(P2008−18638A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−193177(P2006−193177)