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【発明の名称】 画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラム
【発明者】 【氏名】清水 透

【要約】 【課題】インク滴及び反応液を用いる画像形成処理において、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムを提供する。

【構成】画像データに対しハーフトーン処理を実行し、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成し、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドット位置を示すインク滴吐出データを生成し、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドット位置のうち、記録媒体に吐出された前記インク滴が粒状感が発生する原因となる特定ドット位置を除くドット位置に反応液滴を吐出するための反応液吐出データを生成し、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成手段と、
前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成手段と、
前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成手段と、
前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記特定ドットは、該特定ドットに対応する前記インク滴の濃度が、予め定められた濃度より低い濃度となるドットである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記インク滴には複数の大きさがあり、
前記特定ドットは、前記複数の大きさのうち、最も小さい前記インク滴が吐出されるドットである請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記インク滴には複数の大きさがあり、
前記特定ドットは、該特定ドットに対応する前記インク滴が所定の大きさで、かつ該インク滴の階調が予め定められた範囲に属するドットである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記特定ドットは、記録媒体の種類により定まる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成段階と、
前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成段階と、
前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成段階と、
前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成段階と、
を有する画像形成方法。
【請求項7】
画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成ステップと、
前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成ステップと、
前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成ステップと、
前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成ステップと、
をコンピュータに実行させる画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、インク滴及び該インク滴と反応する反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インク滴を吐出するノズルが複数配列された記録ヘッドを備え、ノズルからインク滴を吐出して画像の記録を行うインクジェット方式のプリンタが広く普及している。
【0003】
近年、インクジェット方式のプリンタにおいて、画像濃度の向上、用紙内部へのインクの滲みや異なる色同士が接する部分において生じる色間滲みの改善を目的として、各色のインク液に加えて、該インク液と反応する反応液(インク中の色材を凝集、増粘、或いは不溶化させるプリント性向上液であって、処理液と表現されることもある)を用紙に塗布する方法が採用されている。
【0004】
ところで、このような処理液及びインク滴を用いたプリンタの場合、用紙に塗布されたインク滴が粒状となってしまい、それが画質低下の大きな要因となることがある。
【0005】
そこで、このような粒状性の発生を回避する技術として、特許文献1には、インク滴の濃度が低濃度となる場合に希釈液(処理液)を打つ技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3177113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、希釈液によって凝集されたインク滴であっても、大きめのインク滴の場合、粒状性が視認できることがある。従って、特許文献1に開示されている技術は、インク滴及び処理液を用いる画像形成処理において、インク滴による粒状性の発生を必ずしも抑制できるとは限らないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み、インク滴及び反応液を用いる画像形成処理において、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成手段と、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成手段と、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成手段と、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段と、を有する。
【0009】
ここで、請求項1の発明では、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成し、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成し、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成し、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成するので、粒状感を発生させる原因となる特定ドットの形成位置にはインク滴を凝集させる反応液滴は吐出されず、インク滴を滲ませることができる結果、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる。
【0010】
なお、粒状感とは、ブツブツとした粒状が現れたり目立つことを示し、言い換えれば粒状性、粒状度が高いことでもある。この粒状感が発生するようになるのは、周りのドットと比較して、インク滴の濃さや大きさ(ドットが2、3隣接して大きく見える場合も含む)が異なる場合である。
【0011】
なお、本発明は、請求項2の発明のように、前記特定ドットを、該特定ドットに対応する前記インク滴の濃度が、予め定められた濃度より低い濃度となるドットであるものとしても良い。
【0012】
なお、本発明は、請求項3の発明のように、前記インク滴には複数の大きさがあり、前記特定ドットは、前記複数の大きさのうち、最も小さい前記インク滴が吐出されるドットであるものとしても良い。
【0013】
なお、本発明は、請求項4の発明のように、前記インク滴には複数の大きさがあり、前記特定ドットは、該特定ドットに対応する前記インク滴が所定の大きさで、かつ該インク滴の階調が予め定められた範囲に属するドットであるものとしても良い。
【0014】
なお、本発明は、請求項5の発明のように、前記特定ドットは、記録媒体の種類により定まるものとしても良い。
【0015】
一方、上記目的を達成するために、請求項6の発明は、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成段階と、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成段階と、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成段階と、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成段階と、を有する。
【0016】
ここで、請求項6の発明では、請求項1に記載の発明と同様に作用するので、請求項1の発明による効果と同様の効果が得られる。
【0017】
一方、上記目的を達成するために、請求項7の画像形成プログラムは、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成ステップと、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成ステップと、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状感を発生させる原因となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成ステップと、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【0018】
ここで、請求項7の発明では、コンピュータに対し請求項1の発明と同様に作用させることができるので、請求項1の発明による効果と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、インク滴及び反応液を用いる画像形成処理において、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムを提供することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置10には、用紙Pの搬送方向に対して上流側から反応液を吐出する反応液ヘッド12L、及びK(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色に対応する記録ヘッド12K、12C、12M、12Yが配列されている。また、インクジェット記録装置10は、各記録ヘッド12K〜12Yに供給するインクを収容するインクタンク14Y、14M、14C、14K、反応液ヘッド12Lに供給する反応液を収容する反応液タンク14Lを備えている。
【0022】
インクタンク14K〜Yの各々に貯留されるインクとしては、水性インク、油性インク、及び溶剤系インク等の公知の各種インクを使用できる。
【0023】
また、反応液タンク14Lに貯留される反応液は、インクと反応する反応液であって、インク中の色材を凝集、増粘、或いは不溶化させて画像濃度の向上、用紙内部へのインクの滲みや異なる色同士が接する部分において生じる色間滲みを改善する。この反応液と各色のインクとが重なるようにインク滴及び反応液を塗布することにより、画質を向上させることができる。反応液の一例には、有機酸型反応液、多価金属型反応液、有機酸と多価金属の混合型、及び有機酸と有機アミン系混合型等があるが、これらに限定されるものではなく、インクと反応して画像濃度を向上させたりドットの滲みを少なくするものであればよい。
【0024】
なお、以下では、各記録ヘッド12K〜12Y及び反応液ヘッド12Lは各々同じ構造を有するため、これらを特に区別しないで説明する場合は、符号末尾の添字を省略し、ヘッド12と称する。
【0025】
また、インクジェット記録装置10は、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙トレイ16、ヘッド12に対向して配置され、用紙Pを搬送する無端ベルト状の搬送体24、及び印刷後の用紙を排出する排紙トレイ18を備えている。
【0026】
更に、インクジェット記録装置10は、給紙トレイ16から搬送体24に至る経路20A及び搬送体24から排紙トレイ18に至る経路20Bにより構成される第1の搬送経路と、第1の搬送経路の経路20Bから反対方向に搬送体24に至る第2の搬送経路22とが形成されるように、複数の搬送ローラが設けられている。
【0027】
また、第1の搬送経路の経路20Aでは、給紙トレイ16から用紙Pが1枚ずつ複数の搬送ローラによって搬送体24まで搬送され、更に、経路20Bでは、複数の搬送ローラによって排紙トレイ18に到達する。本実施の形態では、第2の搬送経路22を設けて、用紙を反転させ両面印字を可能としている。
【0028】
更に、搬送体24は、2本のロールに巻きかけられたベルトを備えている。この搬送体24により用紙Pを保持する方法としては、給電吸着力を使用することができる。すなわち、帯電ロールで用紙をベルトに押圧すると共に用紙Pに電荷を与え吸着力を発生させるものである。
【0029】
ヘッド12は、用紙Pの幅に対応する長さのヘッドバーに、インク滴または反応液滴を吐出する液滴イジェクタが用紙搬送方向と直交する方向(これを主走査方向と呼称する)に複数個が配列されて構成され、用紙Pの最大幅に対応する記録領域を有している。このインクジェット記録装置10は、ヘッド12を主走査することなく固定したまま、用紙Pのみを搬送しながら記録を行うことによって用紙Pの全幅に液滴を吐出することができる。
【0030】
図2に示すように、上記液滴イジェクタ50は、インク滴または反応液を吐出するためのノズル50Aに連通する液滴圧力室50B、及び液滴圧力室50Bに接して設けられた圧電素子50Cを含んで構成されている。圧電素子50Cは、周知のように電圧を印加することにより形状が変化する性質を有しており、この形状変化を利用して液滴圧力室50B内に圧力をかけ、ノズル50Aからインク滴または反応液を吐出して、用紙P上にドットを記録する。
【0031】
具体的には、図2(A)及び図2(C)に示すように圧電素子50Cに印加する駆動波形を制御することによって、例えば、ノズル50Aから大滴のインク滴(図2(B)参照)、小滴のインク滴(図2(D)参照)を吐出することができる。なお、ノズル50Aからインク滴または反応液を吐出しない場合(滴なし)には、ドットが形成されないような波形の電圧を印加する。
【0032】
図3は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置10の制御系の構成を示したブロック図である。図3に示すように、インクジェット記録装置10は、外部から画像データが入力されたときに、該画像データをインクジェット記録装置10で出力可能な解像度の画像データに変換する解像度変換部30を備えている。
【0033】
色変換部32は、解像度変換部30で処理された画像データに、用紙P及びインクの特性に応じた色変換処理や濃度変換処理を施す。色変換部32による処理は、通常、色(濃度)変換テーブルに従って行われる。色(濃度)変換テーブルは、画像データで表現される色(濃度)の特性とインクジェット記録装置10で表現される色(濃度)の特性とが合うように、別途作成され保存されている。
【0034】
量子化部34は、色変換部32で処理された画像データに対しハーフトーン処理を実行する。ここでは、256階調の画像データが入力されるため、量子化部34は、この256階調の画像データを、後述する記録ヘッド駆動部38で制御可能な(すなわち、インクジェット記録装置10で記録可能な)階調数の画像データに変換する。例えば、インクジェット記録装置10で「滴なし/滴あり」の2階調の記録が可能であれば、2値のハーフトーン処理を行い、「滴なし/小滴/中滴/大滴」の4階調の記録が可能であれば、4値のハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理は周知の誤差拡散処理やディザ処理によって行われる。なお、本実施の形態では、2階調で記録する場合を例に挙げて説明する。
【0035】
インク吐出データ生成部36は、量子化部34で処理された画像データに基づき、インク滴の吐出用のデータ(インク吐出データ)を生成する。具体的にインク吐出データ生成部36は、記録ヘッド駆動部38で記録可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替え、これをインク吐出データとして生成し、記録ヘッド駆動部38へ出力する。このとき、記録ヘッド12K〜12Yやノズル50Aの配列にマッピングさせた吐出タイミングやデータ配列も考慮してインク吐出データを生成する。必要に応じて各種制御信号の付与・挿入も行う。
【0036】
記録ヘッド駆動部38は、インク吐出データに応じて記録ヘッド12K〜12Yの各液滴イジェクタ50の圧電素子50Cに所定の駆動波形の駆動信号を出力することにより液滴イジェクタ50のノズル50Aからインク滴を吐出させる。
【0037】
また、インクジェット記録装置10には、反応液吐出データ生成部44が備えられている。
【0038】
反応液吐出データ生成部44は、量子化部34でハーフトーン処理された画像データに基づき、反応液を吐出するための反応液吐出データを生成する。インク吐出データ生成部36と同様、反応液吐出データ生成部44は、生成した反応液吐出データを記録順序(転送順序)に並び替えて反応液ヘッド駆動部46に出力する。必要に応じて各種制御信号の付与・挿入も行う。
【0039】
反応液ヘッド駆動部46は、反応液吐出データに応じて反応液ヘッド12Lの各液滴イジェクタ50の圧電素子50Cに所定の駆動波形の駆動信号を出力することにより液滴イジェクタ50のノズル50Aから反応液を吐出させる。
【0040】
解像度変換部30、色変換部32、量子化部34、インク吐出データ生成部36、記録ヘッド駆動部38、反応液吐出データ生成部44、及び反応液ヘッド駆動部46には、これらを制御する制御部40が接続されている。
【0041】
制御部40は、CPU、RAM、及びROMなどを有し、搬送系42を制御して用紙を搬送体24によって搬送しつつ、記録ヘッド駆動部38が上記インク吐出データ生成部36によって生成されたインク吐出データに基づいて記録ヘッド12K〜12Yの液滴イジェクタ50を駆動し、インク滴を吐出させると共に、反応液ヘッド駆動部46が上記反応液吐出データ生成部44によって生成された反応液吐出データに基づいて反応液ヘッド12Lの液滴イジェクタ50を駆動し、反応液滴を吐出させて、画像を形成する。
【0042】
次に、このインクジェット記録装置10におけるインク吐出データ及び反応液吐出データを生成する処理の流れについて説明する。ここでは、CMYKのいずれか1色で印刷する場合を例にとり説明する。
【0043】
まず、外部のコンピュータ等から入力された画像データは、解像度変換部30で解像度変換され、色変換部32で色変換・濃度変換される。色変換部32で処理された画像データは、量子化部34でハーフトーン処理される。本実施の形態では256階調の画像データを、「滴なし(0)/滴あり(255)」の2階調の記録レベル値の画像データに変換する。このようにハーフトーン処理された画像データ(以下、量子化データと呼称)は、インク吐出データ生成部36で、インク吐出データに変換される。具体的には、まず、量子化データを、記録ヘッド駆動部38で記録可能なデータ構造(例えば、滴無し(0)/滴あり(1)など)に変換する。その後、ノズル50Aの配列を考慮しつつ、各データを記録順序(転送順序)に並び替えてインク吐出データを生成する。
【0044】
記録ヘッド駆動部38は、インク吐出データ生成部36で生成されたインク吐出データに応じた駆動波形の電圧を、各液滴イジェクタ50の圧電素子50Cに印加する。これにより、インク吐出データに応じたインク滴が吐出される。
【0045】
以下、フローチャートを用いて反応液吐出データ生成部44の処理について説明する。最初に、ハーフトーン画像データに基づき反応液吐出データを生成する処理について説明する。なお、以下の説明において、インク滴の大きさは、大、中、小、滴なしの4種類とし、滴なし以外のインク滴を、滴の大きい順に大滴、中滴、小滴と表現する。
【0046】
ステップ101で、反応液吐出データ生成部44は、量子化部34が生成したハーフトーン画像データを取得する。次に、反応液吐出データ生成部44は、ステップ102で、反応液吐出データ生成処理を行う。この図4で説明した処理の後に、インク滴吐出データに基づいてインク滴を吐出すると共に、反応液吐出データに基づいて反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成処理が実行される。
【0047】
上記反応液吐出データ生成処理を、図5のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ201で、反応液吐出データ生成部44は、カウンタkを0で初期化する。このカウンタkは、ドットの数をカウントするためのカウンタで、このフローチャートでは、全ドットの数をMとしている。
【0048】
次に、反応液吐出データ生成部44は、ステップ202で、滴なしかどうか判断する。滴なしとは、インク滴が吐出されないことを示し、インク滴が吐出されない場合は、ステップ211に処理が進む。ステップ202で反応液吐出データ生成部44が否定判断した場合、ステップ203で、反応液吐出データ生成部44は、k番目のドットに対応するインク滴の濃度を上記画像データから取得する。
【0049】
ステップ204で、反応液吐出データ生成部44は、インク滴の濃度が、予め定められた濃度Xより低い濃度かどうか判断する。この濃度Xとは、インクの物性、反応液の物性、及び用紙の特性などにより定まる値である。
【0050】
ステップ204で反応液吐出データ生成部44が肯定判断をした場合、反応液吐出データ生成部44は、ステップ208で、k番目のドットを特定ドットとし、そのドットに対応する反応液吐出ドットに対応する反応液吐出データに反応液を吐出しないことを示すオフを設定した後、ステップ211に移行する。一方、ステップ204で反応液吐出データ生成部44が否定判断をした場合、次のステップ205で、インク滴の大きさを画像データから取得する。
【0051】
次に、ステップ206で反応液吐出データ生成部44は、インク滴の大きさが、滴なしを除く3種類の大きさのうち、最も小さい小滴かどうか判断し、肯定判断となった場合は上記ステップ208に移行する一方、否定判断となった場合は、ステップ207で、k番目のドットが特定ドットではないため、そのドットに対応する反応液吐出ドットに対応する反応液吐出データに反応液を吐出することを示すオンを設定する。
【0052】
次に、反応液吐出データ生成部44は、ステップ209で、取得したハーフトーン画像データが、滴3種以上混合ハーフトーン画像データかどうか判断する。この滴3種以上混合ハーフトーンについては後述する。
【0053】
ステップ209で反応液吐出データ生成部44が肯定判断をした場合、反応液吐出データ生成部44は、ステップ210で、後述する滴3種以上混合ハーフトーン向け処理を行う。一方、ステップ209で反応液吐出データ生成部44が否定判断をした場合、反応液吐出データ生成部44は、ステップ211で、カウンタkを一つ増分し、ステップ212で、カウンタkがMより小さいかどうか判断する。カウンタkがMより小さい場合、全てのドットに対する反応液吐出データを生成していないので、再びステップ202の処理を行う。逆にカウンタkがM以上の場合、反応液吐出データ生成部44は、全てのドットに対する反応液吐出データを生成したので、処理を終了する。
【0054】
次に、図6を用いてバンディングについて説明する。図6(A)は、バンディングが発生している画像70Aと、そのときのドット形成位置及びインク滴の大きさを示すドット情報72Aとを示している。また、図6(B)は、インク滴が粒状となっている画像70Bと、そのときのドット形成位置及びインク滴の大きさを示すドット情報72Bとを示している。ドット情報72A、72Bにおいては、マクロ的な濃度は同じであり、ドットの着弾ずれ量も同じであるが、ドット情報72Bはドット情報72Aよりも、スジ(バンディング)が目立ちにくくなっている。
【0055】
図6(B)に示される図は、バンディングを防止する対策であるバンディング対策としてインク滴の大きさの調整を行ったものである。ここで、図6(A)のドット情報72Aは2種類(滴なしも含む)のインク滴の大きさが示されているが、図6(B)のドット情報72Bには、4種類(滴なしも含む)のインク滴の大きさが示されている。しかし、画像70Bに示されるように、バンディングは回避できているものの、粒状性が視認されてしまう。
【0056】
上述したバンディングを防止する場合のインク滴の大きさの調整について、図7、図8を用いて説明する。図7は、バンディング対策をしていない場合のインク滴の階調、及び大中小のドット出現率の対応関係を示すグラフであり、横軸は0から255の階調を示し、縦軸はドット出現率を0%から100%で示している。また、一点破線は滴なし、実線は小滴、破線は中滴、二点破線は大滴を示している。
【0057】
一方、図8は、バンディング対策した場合の階調、及び大中小のドット出現率の対応関係を示すグラフであり、図7と同様に横軸は0から255の階調を示し、縦軸はドット出現率を0%から100%で示している。また、一点破線は滴なし、実線は小滴、破線は中滴、二点破線は大滴を示している。
【0058】
図7と図8を比較すると、図8に示されるように、階調45から階調80の範囲Aでは、図7で出現しなかった中滴を出現(吐出)させ、階調130から階調165の範囲Bでは、図7で出現しなかった大滴を出現(吐出)させている。従って、バンディング対策をした場合、大中小3種類のインク滴が混在することがあり得る(図6のドット情報72B参照)。
【0059】
上記図7に示されるように、一定の濃度領域において、2種より多いドットは出現しない通常のハーフトーンに対し、図8に示されるように、3種以上の滴が混合するハーフトーンを、滴3種以上混合ハーフトーンという。この滴3種以上混合ハーフトーンを用いる理由は、バンディングを目立ちにくくするためである。
【0060】
なお、特定ドットは、この滴3種以上混合ハーフトーンに限らず、図7に示されるような2種より多いドットが出現しないハーフトーンでは出現しない滴のドット(例えば、閾値にノイズを付加することで例外的に発生する大滴)も含む。
【0061】
このようにインク滴の大きさを混在させることで、画像70B(図6参照)に示されるようなバンディングを回避した画像が得られるが、上述したようにこの場合は粒状性が発生する。この粒状性の発生は、上記範囲Aにおける中滴が、小滴の中で目立つことに原因がある。同様に、範囲Bにおける大滴が、小滴または中滴の中で目立つことに粒状性が発生する原因がある。
【0062】
従って、範囲Aでは、中滴を凝集させる反応液を塗布しないことにより、中滴によるインク滴を滲ませて、粒状性が目立たないようにする。同様に範囲Bでは、大滴を凝集させる反応液を塗布しないことにより、大滴によるインク滴を滲ませて、粒状性が目立たないようにする。
【0063】
以上のように、ドットに吐出されるインク滴が、所定の大きさのインク滴で、かつそのインク滴の階調が予め定められた範囲に属するドットを、特定ドットとすると、バンディング対策を行った場合、範囲A、Bにおける中滴または大滴を滲ませることがきるので、粒状性の発生を抑制することができる。
【0064】
この処理を、図9のフローチャート(滴3種以上混合ハーフトーン向け処理)を用いて説明する。ステップ301で、反応液吐出データ生成部44は、ドット位置に吐出されるインク滴が中滴かつ階調が範囲Aに属するかどうか判断する。ステップ301で、反応液吐出データ生成部44が肯定判断をした場合、ステップ303で、反応液吐出データ生成部44は、そのドットを特定ドットとし、そのドットに対応する反応液吐出トッドに対応する反応液吐出データにオフを設定する。
【0065】
一方、ステップ301で、反応液吐出データ生成部44が否定判断をした場合、反応液吐出データ生成部44は、ステップ302で、ドット位置に吐出されるインク滴が大滴かつ階調が範囲Bに属するかどうか判断し、肯定判断となった場合は、上記ステップ303に移行する一方、否定判断となった場合には、処理を終了する。
【0066】
このようにすることにより、バンディング対策をした場合にも、粒状性の発生を抑制することができる。
【0067】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成手段(量子化部34)と、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成手段(インク吐出データ生成部36)と、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成手段(反応液吐出データ生成部44)と、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段(記録ヘッド駆動部38、反応液ヘッド駆動部46)と、を有するので、粒状となる特定ドットの形成位置にはインク滴を凝集させる反応液滴は吐出されず、インク滴を滲ませることができる結果、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、前記特定ドットは、該特定ドットに対応する前記インク滴の濃度が、予め定められた濃度より低い濃度となるドットである(図5のステップ204でY)ので、特定ドットを、インク滴の濃度が予め定められた粒状性を発生させる原因となる濃度より低い濃度となるドットとすることができる。
【0069】
また、本実施の形態では、前記インク滴には複数の大きさがあり、前記特定ドットは、前記複数の大きさのうち、最も小さい前記インク滴が吐出されるドットであるの(図5のステップ206でY)で、特定ドットを、粒状性を発生させる原因となる最も小さい大きさの前記インク滴が吐出されるドットとすることができる。
【0070】
また、本実施の形態では、前記インク滴には複数の大きさがあり、前記特定ドットは、該特定ドットに対応する前記インク滴が所定の大きさで、かつ該インク滴の階調が予め定められた範囲に属するドットである(図9のステップ301、302でY)ので、例えば周りのインク滴の大きさが異なることで粒状となりやすいインク滴が吐出されるドットを特定ドットとすることができる。
【0071】
また、本実施の形態では、特定ドットは、記録媒体の種類により定まるものとすることができる。これは、記録媒体の種類により、粒状感が発生する濃度やインク滴の大きさが異なるため、例えば図5のステップ204のXの値を記録媒体に応じて変更したり、ステップ206の「小滴か否か」の判断を、例えば「中滴か否か」の判断に置き換えたりすることで、記録媒体の種類により特定ドットを定めるようにしても良い。
【0072】
また、本実施の形態では、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成段階(量子化部34によるハーフトーン処理)と、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成段階(インク吐出データ生成部36によるインク吐出データ生成処理)と、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成段階反応液吐出データ生成部44による反応液吐出データ生成処理)と、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成段階(記録ヘッド駆動部38によるインク滴吐出処理及び反応液ヘッド駆動部46による反応液吐出処理)と、を有するので、粒状となる特定ドットの形成位置にはインク滴を凝集させる反応液滴は吐出されず、インク滴を滲ませることができる結果、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる。
【0073】
また、本実施の形態では、画像データに対しハーフトーン処理を実行して、ハーフトーン処理された画像データであるハーフトーン画像データを生成するハーフトーン画像生成ステップ(量子化部34によるハーフトーン処理)と、前記ハーフトーン画像データに基づき、インク滴を吐出するドットを示すインク滴吐出データを生成するインク滴吐出データ生成ステップ(インク吐出データ生成部36によるインク吐出データ生成処理)と、前記ハーフトーン画像データに基づき、該ハーフトーン画像データが示すインク滴を吐出するドットのうち、記録媒体に付着した前記インク滴の形状が粒状となる特定ドットを除くドット形成位置に反応液滴を吐出するように反応液吐出データを生成する反応液吐出データ生成ステップ反応液吐出データ生成部44による反応液吐出データ生成処理)と、前記インク滴吐出データに基づいて前記インク滴を吐出すると共に、前記反応液吐出データに基づいて前記反応液滴を吐出して画像を形成する画像形成ステップ(記録ヘッド駆動部38によるインク滴吐出処理及び反応液ヘッド駆動部46による反応液吐出処理)と、を有するので、粒状となる特定ドットの形成位置にはインク滴を凝集させる反応液滴は吐出されず、インク滴を滲ませることができる結果、インク滴による粒状性の発生を抑制することができる。なお、この画像形成プログラムは、制御部40が有するROMなどの記録媒体に記録されている。また、本実施の形態で説明したフローチャートにおける処理の順序は、上記フローチャートでの順序に限るものではなく、処理の趣旨を逸脱しない範囲内の順序であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【図2】液滴イジェクタの構成と、液滴イジェクタの圧電素子に印加する電圧の駆動波形と該駆動波形に対応して吐出されるドットのサイズを模式的に説明する図である。
【図3】インクジェット記録装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図4】反応液吐出データ生成部の処理を示すフローチャートである。
【図5】反応液吐出データ生成処理を示すフローチャートである。
【図6】バンディングの発生及び粒状性の発生例を示す図である。
【図7】バンディング対策をしていない場合の階調、及び大中小のドット出現率の対応関係を示すグラフである。
【図8】バンディング対策をした場合の階調、及び大中小のドット出現率の対応関係を示すグラフである。
【図9】バンディング対策する場合のバンディング用処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 インクジェット記録装置
12L 反応液ヘッド
12C、12M、12Y、12K 記録ヘッド
14Y、14M、14C、14K インクタンク
14L 反応液タンク
30 解像度変換部
32 色変換部
34 量子化部
36 インク吐出データ生成部
38 記録ヘッド駆動部
40 制御部
44 反応液吐出データ生成部
46 反応液ヘッド駆動部
50 液滴イジェクタ
50A ノズル
50B 液滴圧力室
50C 圧電素子
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−18569(P2008−18569A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190653(P2006−190653)