| 【発明の名称】 |
インクジェットプリンタ |
| 【発明者】 |
【氏名】梅田 隆一郎
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| 【要約】 |
【課題】インクジェットヘッドとの対向位置まで被記録媒体が搬送されているときでもノズルから吐出される廃インクを受けて回復動作を行うことができ、しかも、小型化が容易なインクジェットプリンタの提供。
【構成】インクジェットヘッド1は幅方向に設けられた軸を中心に回転可能に構成され、用紙搬送方向に対してインクジェットヘッド1の上流側に吸収ローラ13が、下流側にフラッシング受け部11が、それぞれ配設されている。このため、インクジェットヘッド1を(B)に示すように−90°回転させると、ノズル面1aを吸収ローラ13に圧接して加圧パージを実行することができ、(C)に示すように+90°回転させると、ノズル面1aをフラッシング受け部11に対向させてフラッシングを実行することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被記録媒体を一定の搬送方向に搬送する搬送手段と、 上記被記録媒体に向けてインクを吐出するノズルが上記搬送方向に直交する幅方向に列設されたノズル面を持ち、かつ、上記幅方向に沿って設けられた軸を中心に回転可能なインクジェットヘッドと、 上記被記録媒体の搬送経路よりも上記インクジェットヘッド側の、上記インクジェットヘッドの上記軸を中心にした回転周囲に設けられ、上記ノズルから吐出される廃インクを受ける廃インク受け手段と、 を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。 【請求項2】 上記廃インク受け手段が、上記ノズル面に密着して上記廃インクを受けることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。 【請求項3】 上記廃インク受け手段が、上記ノズル面から離間して上記廃インクを受けることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。 【請求項4】 上記廃インク受け手段として、上記ノズル面に密着して上記廃インクを受ける第1の廃インク受け手段と、上記ノズル面から離間して上記廃インクを受ける第2の廃インク受け手段とを備え、 上記第1の廃インク受け手段と上記第2の廃インク受け手段とが、上記インクジェットヘッドの上記軸を中心にした異なる回転角度位置に設けられたことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。 【請求項5】 上記第1の廃インク受け手段と上記第2の廃インク受け手段とが、上記搬送方向に対して、上記インクジェットヘッドを挟んで設けられていることを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ。 【請求項6】 上記第1の廃インク受け手段と上記第2の廃インク受け手段とが、上記搬送方向に対して、共に上記インクジェットヘッドの上流側または下流側に設けられたことを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ。 【請求項7】 上記インクジェットヘッドが、上記軸を中心にいずれの方向へも回転可能で、かつ、360°以上の回転が禁止されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。 【請求項8】 上記インクジェットヘッドにインクを供給するチューブ、または、上記インクジェットヘッドに電気信号を入力するケーブルの少なくともいずれか一方が、上記インクジェットヘッドの上記幅方向の側面に接続されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、被記録媒体を一定の搬送方向に搬送しながらその被記録媒体に向けてノズルからインクを吐出するいわゆるラインプリンタ型のインクジェットプリンタに関し、詳しくは、ノズルから吐出される廃インクを受ける手段を備えたインクジェットプリンタに関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、被記録媒体を一定の搬送方向に搬送する搬送手段と、上記被記録媒体に向けてインクを吐出するノズルが上記搬送方向に直交する幅方向に列設されたインクジェットヘッドと、を備えたいわゆるラインプリンタ型のインクジェットプリンタが考えられている。この種のインクジェットプリンタでは、搬送ローラや搬送ベルト等の搬送手段によって用紙等の被記録媒体を一定の搬送方向に搬送しながら、インクジェットヘッドの所望のノズルからインクを吐出することにより、被記録媒体に所望の画像を形成することができる。 【0003】 また、この種のインクジェットプリンタでは、長期間インクが吐出されないノズルでは、目詰まりが生じる可能性がある。そこで、従来は、被記録媒体が搬送される領域外に空吐出領域を設定して、適宜のタイミングでインクジェットヘッドを空吐出領域に移動させて空吐出(フラッシングともいう)等の回復動作を行うことにより、目詰まりを解消していた(例えば、特許文献1参照)。 【0004】 ところが、被記録媒体が搬送される領域外に、ラインプリンタ型のインクジェットヘッドに対応した空吐出領域を設けると、インクジェットプリンタが大型化してしまう。すなわち、空吐出を実行するとき、ラインプリンタ型のインクジェットヘッドをその空吐出領域まで移動させねばならず、インクジェットプリンタ内にそのような移動空間を設ける必要があるからである。そこで、上記特許文献1では、被記録媒体の搬送経路を挟んでインクジェットヘッドと対向する位置に、空吐出された廃インクを受ける部材を設けることも提案されている。 【0005】 また、廃インクを受ける部材の配置方法としては、この他にも種々提案されている。例えば、インクジェットヘッドの対向位置で被記録媒体の搬送経路を構成するプラテンの裏面に、廃インクを受ける部材を設け、空吐出時にはプラテンを180°回転させてその部材をインクジェットヘッドと対向させることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。 【特許文献1】特開平11−198405号公報 【特許文献2】特開平2003−11377号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところが、特許文献1,2のいずれで提案された装置でも、インクジェットヘッドとの対向位置まで被記録媒体が搬送されているときは、空吐出等の回復動作を行うことができない。このため、例えばロール紙等の長尺の被記録媒体に画像を形成する場合は、途中で目詰まりが生じても回復動作を実行できず、画像の品質が低下する可能性がある。 【0007】 そこで、本発明は、インクジェットヘッドとの対向位置まで被記録媒体が搬送されているときでもノズルから吐出される廃インクを受けて回復動作を行うことができ、しかも、小型化が容易なインクジェットプリンタの提供を目的としてなされた。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達するためになされた本発明のインクジェットプリンタは、被記録媒体を一定の搬送方向に搬送する搬送手段と、上記被記録媒体に向けてインクを吐出するノズルが上記搬送方向に直交する幅方向に列設されたノズル面を持ち、かつ、上記幅方向に沿って設けられた軸を中心に回転可能なインクジェットヘッドと、上記被記録媒体の搬送経路よりも上記インクジェットヘッド側の、上記インクジェットヘッドの上記軸を中心にした回転周囲に設けられ、上記ノズルから吐出される廃インクを受ける廃インク受け手段と、を備えたことを特徴としている。 【0009】 このように構成された本発明では、インクジェットヘッドが幅方向に沿って設けられた軸を中心に回転可能で、その回転周囲に廃インク受け手段が設けられている。このため、インクジェットを回転させることによって、そのインクジェットヘッドを廃インク受け手段に対向させることができる。このため、本発明では、回復動作によってノズルから吐出される廃インクを受けるための領域を特別に設ける必要も、その回復動作を行うためにインクジェットヘッドを他の領域に移動させる必要もない。 【0010】 従って、本発明では、インクジェットプリンタを容易に小型化することができる。また、上記廃インク受け手段は、被記録媒体の搬送経路よりもインクジェットヘッド側に設けられているので、インクジェットヘッドとの対向位置まで被記録媒体が搬送されているときでもノズルから吐出される廃インクを受けて回復動作を実行させることができる。従って、本発明では、ロール紙等の長尺の被記録媒体に画像を形成する場合でも、ノズルから廃インクを吐出する回復動作を画像形成の途中で実行することができ、画像の品質を一層向上させることもできる。 【0011】 なお、本発明は、廃インク受け手段の構成を特に限定するものではないが、上記廃インク受け手段は、上記ノズル面に密着して上記廃インクを受けるものであってもよい。ノズルから廃インクを吐出する回復動作としては、インクジェットヘッドのアクチュエータを駆動して通常の画像形成時と同様にインクを吐出するいわゆるフラッシングと、インクジェットヘッドへインクを供給するポンプを強制的に駆動してノズルからインクを吐出させるいわゆる加圧パージとがある。ここで、加圧パージでは、ノズルからインクが溢れ出すように吐出されるが、上記のように廃インク受け手段がノズル面に密着して廃インクを受ける場合、加圧パージによって吐出されたインクを良好に受け止めることができる。 【0012】 また、上記廃インク受け手段は、上記ノズル面から離間して上記廃インクを受けるものであってもよい。上記フラッシングを実行する場合は、ノズルの表面が密閉されているとインクの吐出が行えない。これに対して、上記のように廃インク受け手段がノズル面から離間して廃インクを受ける場合、フラッシングを良好に実行することができ、そのフラッシングによって吐出された廃インクを廃インク受け手段によって受けることができる。 【0013】 更に、上記廃インク受け手段として、上記ノズル面に密着して上記廃インクを受ける第1の廃インク受け手段と、上記ノズル面から離間して上記廃インクを受ける第2の廃インク受け手段とを備えた場合、上記第1の廃インク受け手段と上記第2の廃インク受け手段とが、上記インクジェットヘッドの上記軸を中心にした異なる回転角度位置に設けられてもよい。この場合は、ノズル面に密着して廃インクを受ける第1の廃インク受け手段と、ノズル面から離間して廃インクを受ける第2の廃インク受け手段との両方が設けられているため、フラッシングも加圧パージも良好に実行することができる。また、第1の廃インク受け手段と第2の廃インク受け手段との両手段を備える構成としては、両手段をインクジェットヘッドの同じ回転角度位置に設け、必要に応じて両手段を入れ替える構成も考えられる。しかしながら、上記のように両手段をインクジェットヘッドの異なる回転角度位置に設けた場合、インクジェットヘッドの回転角によって所望の廃インク受け手段が利用でき、廃インク受け手段の入れ替えのための構成を設ける必要もないので、構成を一層簡略化することができる。 【0014】 そして、このように第1の廃インク受け手段と第2の廃インク受け手段とを上記異なる回転角度位置に設ける形態としても種々の形態が採用できるが、上記第1の廃インク受け手段と上記第2の廃インク受け手段とは、上記搬送方向に対して、上記インクジェットヘッドを挟んで設けられていてもよい。この場合、被記録媒体の搬送方向に沿って、第1の廃インク受け手段,インクジェットヘッド,第2の廃インク受け手段が順次、または逆順に配設されるため、インクジェットプリンタを、上記搬送方向に垂直な方向に小型化するのが容易になる。 【0015】 また、上記第1の廃インク受け手段と上記第2の廃インク受け手段とは、上記搬送方向に対して、共に上記インクジェットヘッドの上流側または下流側に設けられてもよい。この場合、インクジェットヘッドの下流側または上流側にはいずれの廃インク受け手段も配設されないので、インクジェットプリンタを、被記録媒体の搬送方向に小型化するのが容易になる。 【0016】 更に、本発明のインクジェットプリンタでは、上記インクジェットヘッドが、上記軸を中心にいずれの方向へも回転可能で、かつ、360°以上の回転が禁止されてもよく、この場合、次のような更なる効果が生じる。 【0017】 インクジェットヘッドには、チューブ等を介してインクが供給され、ケーブル等を介して電気信号が入力される場合があるが、上記のようにインクジェットヘッドが360°以上回転しない場合、チューブやケーブルが捩れるのを良好に抑制することができる。 【0018】 また更に、本発明のインクジェットプリンタにおいて、上記インクジェットヘッドにインクを供給するチューブ、または、上記インクジェットヘッドに電気信号を入力するケーブルの少なくともいずれか一方は、上記インクジェットヘッドの上記幅方向の側面に接続されてもよく、この場合、次のような更なる効果が生じる。 【0019】 この場合、インクジェットヘッドを上記軸を中心として回転させても上記チューブや上記ケーブルはインクジェットヘッドのノズル面に接触することがなく、また、上記チューブやケーブルはインクジェットヘッドの上記軸を中心とした回転にあまり抵抗を与えない。従って、この場合、インクジェットヘッドの上記軸を中心とした回転を一層円滑に行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 次に、本発明の実施の形態を、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用されたインクジェットプリンタの要部を表す概略図である。図1に示すように、本実施の形態のインクジェットプリンタは、ノズル面1aに設けられたノズル25c(図3参照)からインクを吐出する長尺状のインクジェットヘッド1を備え、インクジェットヘッド1の下方には、被記録媒体としての用紙Pを平面状に支持するプラテン3が設けられている。なお、本実施の形態では、被記録媒体の一例として用紙99を記載しているが、インクジェットヘッドで画像や文字等を記録できるものであればいずれのものでもよい。例えば、板状部材、布、樹脂シート、光記録用円盤等である。 【0021】 また、プラテン3の用紙搬送方向上流側には、用紙Pを挟持してプラテン3上に供給する一対の搬送ローラ5が設けられ、プラテン3の下流側には、プラテン3上に供給された用紙Pを挟持して排出する一対の排紙ローラ7が設けられている。なお、一対の排紙ローラ7のうち、用紙Pの上面(後述のように画像が形成される側の面)に当接するローラは、用紙Pとの接触面積が少ない拍車ローラとなっている。 【0022】 インクジェットヘッド1のノズル25cは、用紙Pの搬送方向に直交する方向(以下、幅方向という)に、使用可能な最大の用紙Pの幅以上の長さに渡って列設され、インクジェットヘッド1も幅方向に長尺状に構成されている。また、インクジェットヘッド1は、幅方向に設けられた軸1bを中心に回転可能に構成され、そのインクジェットヘッド1の回転周囲に、第2の廃インク受け手段としてのフラッシング受け部11と、第1の廃インク受け手段としての吸収ローラ13とが設けられている。更に、インクジェットヘッド1は、回転時にフラッシング受け部11と接触しないように、ノズル面1aの回転方向両端縁に面取り1cが施されている。 【0023】 フラッシング受け部11は、軸1bとほぼ同じ高さの上記搬送方向下流側に設けられ、軸1b側が開口した断面コの字形の筐体にインク吸収材を挿入して構成されている。吸収ローラ13は、インク吸収材で回転自在構成されたローラで、その回転軸は、軸1bとほぼ同じ高さの上記搬送方向上流側に、軸1bと平行に設けられている。 【0024】 また、吸収ローラ13には、より吸収力の高いのインク吸収材で構成されたクリーニングローラ15が回転軸を平行にして接触配置されている。吸収ローラ13は、インクジェットヘッド1が回転してノズル面1aに当接(密着)したとき、そのノズル面1aに連れ回りして回転し、クリーニングローラ15は、その吸収ローラ13の回転に連れ回りして、吸収ローラ13に吸収された廃インクを更に吸収する。 【0025】 更に、インクジェットヘッド1には、チューブ17を介して、ポンプ21によりインクカートリッジ23からインクが供給される。チューブ17は、図2に示すように、インクジェットヘッド1の幅方向側面1dに、インクジェットヘッドに後述の電気信号を入力するケーブル19と共に接続されている。このため、チューブ17やケーブル19はインクジェットヘッド1のノズル面1aに接触することがなく、またインクジェットヘッド1の軸1bを中心とした回転にあまり抵抗を与えない。 【0026】 次に、図3は、インクジェットヘッド1の内部構成のうちインクの吐出に関連する部分を概略的に表す縦断面図である。図3に示すように、インクジェットヘッド1は、互いに積層して固定された流路ユニット25とアクチュエータユニット27とを備えている。 【0027】 流路ユニット25は、穴の開いた金属板を多数積層して構成され、内部に、チューブ17に連通したマニホールド25aと、アクチュエータユニット27側に広く開口した圧力室25bと、ノズル面1aに小さく開口したノズル25cとが形成されている。なお、マニホールド25aは各ノズル25cに対して共通に構成されているが、マニホールド25aの出口から圧力室25bを経てノズル25cに到るインク流路は各ノズル25c毎に独立して設けられている。また、アクチュエータユニット27は圧電シートを積層して構成され、各圧力室25b毎に個々に電極を有している。このため、所望のノズル25cに連通した圧力室25bに対向する上記電極にケーブル19を介して電気信号を入力すれば、その圧力室25b内のインクに圧力振動を起こさせて上記所望のノズル25cからインクを噴射することができる。 【0028】 図4は、本実施の形態のインクジェットプリンタの制御系の構成を表すブロック図である。図4に示すように、本実施の形態のインクジェットプリンタはその全体の動作を制御する制御部30を備えており、この制御部30は、CPU31,ROM33,RAM35を主要部とするマイクロコンピュータとして構成されている。そして、制御部30には、前述のインクジェットヘッド1、ポンプ21の他、搬送ローラ5及び排紙ローラ7を駆動する搬送モータ41、インクジェットヘッド1を軸1b回りに回転させるヘッド回転モータ43などが図示省略した駆動回路を介して接続されている。更に、制御部30には、使用者による各種設定がなされる操作パネル45、及び、上位装置としての図示しないパーソナルコンピュータから各種データが入力される入力インタフェース(入力I/F)47も接続されている。 【0029】 このように構成された制御部30は、入力インタフェース47に画像データが入力されると、搬送モータ41を駆動して用紙Pを搬送しながら、ポンプ21及びインクジェットヘッド1を駆動して適宜のノズル25cからインクを吐出することにより、その画像データに応じた画像を用紙Pに形成する。なお、この画像形成時や待機中には、図1及び図5(A)に示すように、ノズル面1aは真下(以下、0°ともいう)を向いている。 【0030】 インクジェットプリンタの初期導入時や、長期間使用せずに放置されたとき、若しくは、使用者がノズル25cの目詰まりを発見して操作パネル45からインクジェットヘッド1の回復動作を指示したときは、制御部30は、次のような回復動作を実行する。 【0031】 図6は、制御部30で実行される回復動作の処理を表すフローチャートである。図6に示すように、処理が開始されると、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、制御部30はヘッド回転モータ43を駆動して、ノズル面1aを用紙搬送方向上流側へ90°(以下、−90°ともいう)回転させる。すると、図5(B)に示すように、ノズル面1aにおけるノズル25cの近傍が吸収ローラ13に圧接(密着)される。続くS2で、制御部30は、ポンプ21を強制的に駆動してマニホールド25aへインクを圧送することによりいわゆる加圧パージを実行する。すると、各ノズル25cからインクが溢れ出し、そのインクは良好に吸収ローラ13に吸収される。このような加圧パージを行うことにより、ノズル25cにインクが強固に固着している場合もそのインクを廃インクとして排出し、吸収ローラ13に吸収させることができる。 【0032】 続くS3では、制御部30は、ヘッド回転モータ43を駆動して、インクジェットヘッド1を+180°回転させる。すなわち、図5(A)に示す画像形成時の状態に比べて、ノズル面1aを用紙搬送方向下流側へ90°回転させる。すると、図5(C)に示すように、ノズル面1aはフラッシング受け部11と少し間隔を開けて、すなわち離間して対向する。続くS4で、制御部30は、インクジェットヘッド1に上記電気信号を入力してアクチュエータユニット27を振動させることにより、各ノズル25cからインクを吐出するいわゆるフラッシングを実行する。すると、吐出されたインクは、フラッシング受け部11によって受け止められる。このようなフラッシングを行うことにより、ノズル25c近傍のノズル面1aに付着した余分なインクを廃インクとして排出し、フラッシング受け部11にて受け止めることができる。そして、最後に、制御部30はS5にてインクジェットヘッドを−90°回転させ、図5(A)に示すようにノズル面1aを真下に向けて処理を終了する。 【0033】 このような回復動作を行うことにより、入力インタフェース47に次に画像データが入力されたときに、各ノズル25cから適切にインクを噴射して良好な画像を安定して形成することができる。 【0034】 また、上記画像形成の開始直前や、画像形成中に所定秒経過する毎、若しくは、画像形成がなされない期間が所定時間経過する毎に、制御部30は、インクジェットヘッド1を+90°回転させ前述のフラッシングのみを実行する。こうすることにより、ノズル25cに軽く固着していたインクや、ノズル25c近傍のノズル面1a表面に付着した塵埃を含んだインクを廃インクとして排出することができる。なお、本実施の形態では、このようにインクジェットヘッド1は±90°の範囲でしか回転させないので、インクジェットヘッド1の幅方向側面1dに接続されているチューブ17やケーブル19がノズル面1aに接触することや捩れるのを良好に抑制することができる。 【0035】 以上説明したように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッド1の回転周囲にフラッシング受け部11及び吸収ローラ13が設けられているので、インクジェットプリンタを容易に小型化することができる。しかも、フラッシング受け部11及び吸収ローラ13は用紙Pの搬送経路よりもインクジェットヘッド1側に設けられているので、用紙Pがプラテン3上に配設されているときも加圧パージやフラッシングといった回復動作を実行することができる。従って、ロール紙等の長尺の用紙Pに画像を形成する場合でも、画像形成の途中で回復動作を実行することができ、画像の品質を一層向上させることができる。また、本実施の形態では、フラッシング受け部11及び吸収ローラ13をノズル面1aの画像形成位置に対して±90°の位置に配設しているため、インクジェットヘッド1,フラッシング受け部11,吸収ローラ13がほぼ同じ高さに配設され、インクジェットプリンタを上下方向に良好に小型化することができる。 【0036】 なお、上記実施の形態において、搬送ローラ5及び排紙ローラ7が搬送手段に相当する。また、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、フラッシング受け部11及び吸収ローラ13はいずれか一方のみを備えてもよく、いずれか一方がプラテン3側に設けられ、用紙Pがプラテン3上に存在しないときのみに利用可能であってもよい。 【0037】 また、フラッシング受け部11や吸収ローラ13の形状や配置は種々に変更することができる。例えば、図7は、フラッシング受け部11及び吸収ローラ13を共に、用紙搬送方向に対してインクジェットヘッド1の下流側に設けた例を表す説明図である。この場合、インクジェットヘッド1を、図7(A)に示す画像形成時の状態からおよそ+60°回転させると、図7(B)に示すように、ノズル面1aをフラッシング受け部11に対向させて前述のフラッシングを実行することができる。また、インクジェットヘッド1を更におよそ+60°回転させると、図7(C)に示すように、ノズル面1aを吸収ローラ13に圧接して加圧パージを実行することができる。このように、インクジェットヘッド1の下流側にフラッシング受け部11及び吸収ローラ13を配設した場合、用紙Pを供給する図示しないピックアップローラ等をプラテン3に近接配置することができ、インクジェットプリンタを用紙Pの搬送方向に小型化することができる。 【0038】 また、フラッシング受け部11及び吸収ローラ13を共に、インクジェットヘッド1の上流側に設けた場合も、同様に、インクジェットプリンタを用紙Pの搬送方向に小型化することができる。 【0039】 更に、フラッシング受け部11は、インクジェットヘッド1方向に近接離間可能に設けてもよく、この場合、図8(B)に示すように、フラッシング受け部11をノズル面1aに圧接してノズルキャップとして使用することもできる。なお、ノズルキャップはプラテン3上に用紙Pが存在しないときに使用されるのが一般的であるので、プラテン3側からノズルキャップが上昇する構成であってもよい。 【0040】 また更に、インクジェットヘッド1の回転時には、フラッシング受け部11や吸収ローラ13がインクジェットヘッド1と干渉しないようにインクジェットヘッド1の回転周囲から退避してもよい。この場合、インクジェットヘッド1の設計の自由度が向上する。 【図面の簡単な説明】 【0041】 【図1】本発明が適用されたインクジェットプリンタの要部を表す概略図である。 【図2】そのインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの構成を表す上面図である。 【図3】そのインクジェットヘッドの内部構成のうちインクの吐出に関連する部分を概略的に表す縦断面図である。 【図4】上記インクジェットプリンタの制御系の構成を表すブロック図である。 【図5】そのインクジェットプリンタの回復動作を表す説明図である。 【図6】上記制御系で実行される回復動作の処理を表すフローチャートである。 【図7】上記インクジェットプリンタの変形例の回復動作を表す説明図である。 【図8】上記インクジェットプリンタの他の変形例の回復動作を表す説明図である。 【符号の説明】 【0042】 1…インクジェットヘッド 1a…ノズル面 1b…軸 3…プラテン 5…搬送ローラ 7…排紙ローラ 11…フラッシング受け部 13…吸収ローラ 15…クリーニングローラ 17…チューブ 21…ポンプ 23…インクカートリッジ 25…流路ユニット 25a…マニホールド 25b…圧力室 25c…ノズル 27…アクチュエータユニット 30…制御部 41…搬送モータ 43…ヘッド回転モータ 45…操作パネル 47…入力インタフェース P…用紙
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005267 【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉
【識別番号】100129090 【弁理士】 【氏名又は名称】竹中 謙史
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| 【公開番号】 |
特開2008−6768(P2008−6768A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−181774(P2006−181774) |
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